JP4072666B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機やプリンタ等の画像形成装置で用いられる像担持体をクリーニングするクリーニング装置に係り、特に、像担持体に対して接離自在に設けられるタイプのクリーニング装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来における中間転写型の画像形成装置として、感光体ドラムの周囲に例えばイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色成分の現像器を具備させると共に、前記感光体ドラムに対し例えばベルト状の中間転写体(中間転写ベルト)を対向配置し、感光体ドラムの一回転毎に当該感光体ドラム上に形成された各色成分のトナー像を前記中間転写ベルトに順次一次転写した後、この中間転写ベルト上に重ね合わされた合成一次転写像を用紙に一括転写(二次転写)して所望のカラー画像を用紙上に形成するものが知られている。
【0003】
この種の画像形成装置にあっては、二次転写後に中間転写ベルト上に残存する残留トナーをそのままに放置すると、次に中間転写ベルト上に形成される画像を汚すこととなるため、二次転写後の中間転写ベルト上の残留トナーを除去するためのクリーニング装置(ベルトクリーナ)が配設されるようになっている。
【0004】
そして、このようなベルトクリーナとしては、例えば、中間転写ベルトに対向する部位に開口部が開設されるクリーナハウジングと、当該クリーナハウジングの開口部に面した箇所に配設される例えばウレタンゴムからなるクリーニングブレードとを備えたものが知られている。
そして、上述した画像形成装置においては、感光体ドラムから中間転写ベルトに各色成分トナー像を一次転写する動作が行われているときには、中間転写ベルト表面からクリーニングブレードを離間させ、中間転写ベルトから用紙へのトナー像の二次転写が終了した後に中間転写ベルトにクリーニングブレードを圧接させるようになっている。
【0005】
ところで、近年この種の画像形成装置に対する高画質化への要求が急速に高まってきている。このような高画質化への一つの方向として、現像剤として用いるトナーの小粒径化が進められている。そして、このようなトナーの小粒径化の一手法として、重合法によるトナー製造方法が数々検討されてきており、これによればトナーを効率よく小粒径化でき、しかもコスト面でも有利に行うことが可能である。また、トナーの小粒径化に伴ってその流動性が低下し、画像パターンの一部が欠ける等の画質欠損を生じることがあるため、流動性を改善する目的で表面形状を滑らかなものに、ひいては球形状とすることが行われている。
【0006】
しかしながら、このようにして製造された小粒径の重合トナーを用いた場合には、前記クリーニングブレードをすり抜けやすくなってしまい、その結果クリーニング性能が低下してしまうという問題があった。
【0007】
そこで、このような問題を解決するため、本出願人は、先に、クリーニング装置として金属製スクレーパを用いることを提案している(特願2000−278014号参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記金属製スクレーパは前記ウレタンゴム製のクリーニングブレードよりも弾性が低いため、圧接時に何らかの理由で金属製スクレーパと中間転写ベルトとの間に紙粉等の大きな残留物を挟み込んだ場合に、両者の間に大きな間隙が発生し、この間隙部を残留トナーがすり抜けてしまい、クリーニング不良を招くという技術的課題がみられた。
【0009】
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、像担持体と金属製スクレーパ等のクリーニング部材との間に紙粉等の異物が挟み込まれることによって生じるクリーニング不良を防止することのできる画像形成装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、図1に示すように、画像Gが担持搬送される像担持体1と、転写バイアスの印加により転写材2に前記画像Gを静電転写する転写手段3と、前記像担持体1に対して接離自在に対向配置されて当該像担持体1上の残留物Rを除去する導電性の板状部材であって且つその接触部形状が像担持体1の移動停止に拘わらず非変形状態に保たれる非変形クリーニング部材4と、前記非変形クリーニング部材4へ印加する電位及びその印加タイミングを設定する電位設定手段5とを備え、前記電位設定手段5が、前記非変形クリーニング部材4が前記像担持体1の画像Gを担持搬送する画像領域に対向している間、前記非変形クリーニング部材4の対向部における前記像担持体1の表面電位と同電位を前記非変形クリーニング部材4へ印加することを特徴とする。
【0011】
このような技術的手段において、像担持体1としては、画像Gが担持搬送されるものであれば、画像Gが形成担持される感光体や誘電体等の像形成担持体であってもよいし、また、前記像形成担持体上に形成された画像Gが中間的に担持される中間転写体であってもよい。
また、画像Gについては、像担持体1から転写材2に静電転写可能なものであれば、トナーにて形成されるトナー像は勿論のこと、他の荷電粒子で構成されるものであってもよい。
更に、転写手段3については、転写バイアスの印加により転写材2に前記画像Gを静電転写するものであれば、接触転写型であっても非接触転写型であってもよい。
【0012】
また、非変形クリーニング部材4としては、代表的にはSUSなどの金属製スクレーパを用いることができるが、必ずしも金属製である必要はなく、セラミックスや硬質樹脂等の非金属製のもので構成しても差し支えない。
そして、非変形クリーニング部材4については、例えば像担持体1に圧接される接触圧条件下において接触部形状が像担持体1の移動や停止に拘わらず非変形状態に保たれるものは全て含まれる。
このため、非変形クリーニング部材4が例えば金属製スクレーパであれば、像担持体1に先端部を接触させる場合、金属製スクレーパ全体が板圧方向に弾性曲げ変形することは当然であり、このような弾性曲げ変形する態様のものも非変形クリーニング部材4の概念に入るものである。
【0013】
更に、電位設定手段5は、前記非変形クリーニング部材4及び前記像担持体1の対向部における当該像担持体1の表面電位に対応して当該非変形クリーニング部材4の電位を設定するものである。
ここで、非変形クリーニング部材4の電位については、前記像担持体1の表面電位と同電位に設定することが好ましく、当該非変形クリーニング部材4に付着した残留物Rが前記像担持体1との対向部側に移動しない程度であれば、多少異なっていても差し支えないが、本発明では、前記像担持体1の表面電位と同電位に設定する方式が採用されている。
【0014】
そして、本発明では、前記像担持体1が前記転写手段3の転写動作によって帯電することを考慮すれば、前記電位設定手段5は、前記像担持体1のうち前記転写手段3によって転写バイアスが印加された部位が前記非変形クリーニング部材4との対向部を通過する間、当該非変形クリーニング部材4に電圧を印加する方式が採用されている。
ここで、前記像担持体1が、画像Gが担持搬送される像形成担持体と当該像形成担持体上の画像Gが重ね合わされた合成画像が担持搬送される中間転写体とを含むとともに、前記非変形クリーニング部材4が前記中間転写体に対向配置されているものである態様にあっては、前記非変形クリーニング部材4は前記合成画像が前記転写手段3を通過したときに圧接して、前記中間転写体のうち前記転写手段3によって転写バイアスが印加された部位が前記非変形クリーニング部材4との対向部を通過した後に離間するようにすればよい。
【0015】
尚、画像形成装置において、クリーニングブレードに電圧を印加する先行技術があるが、これは、本発明とは無関係であるため、念のため補足説明しておく。
すなわち、特開平8−123287号公報には、導電性を付与したゴムブレードが直流、交流若しくはこれらを重畳したバイアス電源を介して接地されるようにした技術が開示されている。
これらは、残留トナーのクリーニング効果の強弱を制御するためのものであり、あくまで、像担持体上の残留トナーのクリーニング性の向上を図るための技術を開示しているに過ぎない。また、この先行技術には、クリーニングブレードに印加するバイアスの大きさについて何等記載されていない。更に、この先行技術には、ゴムブレードを用いる点しか記載されておらず、それゆえ本願発明の技術的課題、すなわち、金属製スクレーパ等の非変形クリーニング部材を用いた場合に紙粉等の残留物の挟み込みによってクリーニング不良が生じる点については何等記載されておらず、示唆さえもされていない。
よって、上記先行技術が公知であるとしても、本願発明の特徴点を想定することは実質的に不可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図2は、本発明に係るクリーニング装置が適用されたカラー画像形成装置(本実施の形態ではカラー電子写真複写機)の実施の一形態の概略構成を示す。
同図において、符号11は感光体ドラム(潜像担持体)であり、矢線A方向への回転に伴いその表面には帯電装置12及び露光装置13(図中露光ビームを符号Bmで示す)等の周知の電子写真プロセスによって画像情報に応じた静電潜像が形成される。
また、この感光体ドラム11の周囲にはイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の各色に対応した現像器15〜18を含む現像器ユニット14が配設されており、感光体ドラム11上に形成された静電潜像を現像器のいずれかで現像してトナー像Tを形成するようになっている。
本実施の形態では、感光体ドラム11が負極性に帯電するもので構成され、また、現像は反転現像方式にて行われる。従って、使用されるトナーはすべて負極性に帯電するタイプのものである。
【0017】
また、符号20は感光体ドラム11の表面に当接されるよう配設された中間転写ベルトであり、複数(本実施の形態では6つ)のロール21〜26に張架されて矢線B方向へ回動するようになっている。
ここで、本実施の形態では、符号21、25は従動ロール、22は中間転写ベルト20の位置決めや平坦な一次転写面の形成に用いられる金属製のアイドラロール(Idler roll)、符号23は中間転写ベルト20の張力を一定に制御するようにしたテンションロール、24は中間転写ベルト20の駆動ロール、26は二次転写用の対向ロール(バックアップロール)である。
【0018】
また、本実施の形態では、中間転写ベルト20として、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、アクリル、塩化ビニル等の樹脂または各種ゴム等に帯電防止剤としてカーボンブラックを適当量含有させ、その表面抵抗率を1011Ω/□、体積抵抗率を1011Ωcm、厚みを150μmとしたものを用いている。
【0019】
更に、中間転写ベルト20の感光体ドラム11に対向する部位(一次転写位置)において、中間転写ベルト20の裏面側には、一次転写装置(本実施の形態では一次転写ロール)27が配設されており、この一次転写ロール27に、トナーの帯電極性と逆極性(本実施の形態では正極性)の一次転写バイアスを印加することで、感光体ドラム11上のトナー像Tが中間転写ベルト20に静電吸引されるようになっている。
尚、符号19は一次転写後の感光体ドラム11上に残留したトナーを除去するドラムクリーナである。
【0020】
また、転写材としての用紙30の搬送経路に面した中間転写ベルト20の二次転写位置には二次転写装置40が配設されており、本実施の形態では、中間転写ベルト20のトナー担持面側に圧接配置される二次転写ロール28と、中間転写ベルト20の裏面側に配設されて二次転写ロール28の対向電極をなす対向ロール(バックアップロール)26とを備えている。
そして、本実施の形態では、二次転写ロール28が接地されており、また、バックアップロール26には、転写電源41(図3参照)によりトナーの帯電極性と同極性の二次転写バイアスが安定的に印加されている。
【0021】
更に、二次転写装置40の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト20上に残留したトナーを除去するベルトクリーナ60が設けられている。
尚、前記二次転写ロール28及びベルトクリーナ60は、中間転写ベルト20に対して接離可能に配設されており、複数色のカラー画像が形成される場合には、最終色前のトナー像Tが二次転写ロール28及びベルトクリーナ60を通過するまでこれらは中間転写ベルト20から離間するようになっている。前記ベルトクリーナ60の詳細については後述する。
【0022】
また、本実施の形態において、用紙搬送系は、用紙トレイ50からの用紙30をフィードロール51で送出し、レジストレーションロール(レジストロール)52で一旦位置決め停止させた後所定のタイミングで二次転写位置へと用紙30を送り込むようになっており、更に、二次転写後の用紙30を図示外の用紙搬送ガイドを介して搬送ベルト53へと導き、この搬送ベルト53にて定着器54へと搬送するようになっている。
尚、符号29は、中間転写ベルト20を挟んでベルトクリーナ60に対向配置される板金部材であり、符号55は二次転写装置40に用紙30を案内する用紙搬送ガイドである。
【0023】
また、本実施の形態においては、各色成分トナーとして、スチレンアクリル樹脂微粒子と各々イエロ、マゼンタ、シアン及び、ブラックの顔料微粒子を凝集・合一して体積平均粒径約3〜7μmに調製してなる、乳化凝集合一法(EA法)で製造したトナーを用いた。粒度分布指標(GSD)は1.23であった。平均粒径はコールターカウンター(コールター社製)で測定した体積平均粒径の値である。そして、重合の際の加熱時間と加熱温度を調整し、平均粒径、粒度分布が略同じ4種類(4色)のトナーを作成した。
トナーの形状は、形状係数ML2/Aで表し、光学顕微鏡(ミクロフォトFXA;ニコン社製)で得た該トナーの拡大写真を、イメージアナライザーLuzex3(NIRECO社製)により画像解析を行って以下の数式1により算出した値である。
【0024】
【数1】
【0025】
形状係数ML2/Aは、トナーの投影面積と、それに外接する円の面積との比で表しており、真球の場合100となり、形状が崩れるにつれ増加する。形状係数は、トナー粒子複数個に対して計算され、その平均値を代表値とする。本実施の形態では、形状係数125以下の略球形なトナーを用いた。
また、離型性を高めるため、該トナーに、平均粒径10〜150nmのシリカ及び酸化チタン(チタニア)等の無機微粒子を外添剤として適宜量外添し、平均粒径35μmのフェライトビーズからなるキャリアと混合し現像剤とした。
尚、トナーとしては、本製造法により作成したトナー以外にも、懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化重合法、混練粉砕法等により形成された球形トナーあるいは非球形トナーを使用してもよく、また、上述したようなトナーとキャリアとを混在させた二成分系現像剤でも、トナーのみの一成分系現像剤でも構わないことは勿論である。
【0026】
図3には、本実施の形態に係るベルトクリーナ60の拡大断面図を示す。
同図において、ベルトクリーナ60は、前記中間転写ベルト20の像担持面側に配設されるスクレーパ61と、当該スクレーパ61が収容されるクリーナハウジング62とを有している。
本実施の形態においては、スクレーパ61は、例えば厚さ0.15mmのステンレス板(SUS304)で構成されている。このスクレーパ61は、一端側がブロック63に固定されており、このブロック63は、軸64aを中心に揺動するホルダ64に取り付けられるようになっている。
【0027】
また、前記ホルダ64の下端側に設けられた凹部64bと、クリーナハウジング62下部に設けられた膨出部62aとの間には、前記スクレーパ61を前記中間転写ベルト20に向けて付勢するばね65が取り付けられている。更に、前記ホルダ64は、図示しないカムにより前記ばね65の付勢方向とは逆方向に付勢されるようになっており、これによりスクレーパ61が中間転写ベルト20に対して接離できるようになっている。
【0028】
尚、符号66は、スクレーパ61からみて中間転写ベルト20の移動方向B上流側に設けられ除去された残留物の外部への飛び散りを防止するためのフィルムシール、符号67は、前記クリーナハウジング62に前記フィルムシール66を固定するL字状プレートである。このフィルムシール66は前記スクレーパ61にリンクして移動するようになっており、クリーニング動作時以外は中間転写ベルト20から離間するようになっている。
また、前記スクレーパ61には、正極性の電圧を印加する電源42が接続されている。
【0029】
次に、本実施の形態に係るカラー画像形成装置の作像プロセスについて説明する。
今、図示外のスタートスイッチがオンされると、所定の作像プロセスが実行される。
まず、感光体ドラム11上に静電潜像の書き込みが行われ、この静電潜像に対応した現像器によって現像される。
これは、例えば感光体ドラム11上に書き込まれた静電潜像がイエロの画像情報に対応したものであれば、この静電潜像はイエロのトナーを内包する現像器15で現像され、感光体ドラム11上にはイエロのトナー像Tが形成される。
そして、感光体ドラム11上に形成されたトナー像Tは、感光体ドラム11と中間転写ベルト20とが接する一次転写位置で感光体ドラム11から中間転写ベルト20の表面に転写される。一方、一次転写後に感光体ドラム11上に残留したトナーはドラムクリーナ19によって除去される。
【0030】
このとき、単色画像を形成する場合には、中間転写ベルト20に一次転写されたトナー像Tを直ちに用紙30に二次転写するのであるが、複数色のトナー像Tを重ね合わせたカラー画像を形成する場合には、感光体ドラム11上でのトナー像T形成並びにこのトナー像Tの一次転写の工程が色数分だけ繰り返される。
例えば、4色のトナー像を重ね合わせたフルカラー画像を形成する場合には、感光体ドラム11上にはその一回転毎にイエロ、マゼンタ、シアン及びブラックのトナー像Tが形成され、これらトナー像Tは順次中間転写ベルト20に一次転写される。一方、中間転写ベルト20は最初に一次転写されたトナー像Tを保持したまま感光体ドラム11と同一周期で回動し、中間転写ベルト20上にはその一回転毎にマゼンタ、シアン及びブラックのトナー像Tが転写される。
【0031】
このようにして中間転写ベルト20に一次転写されたトナー像Tは、中間転写ベルト20の回動に伴って二次転写位置へと搬送される。
一方、用紙30はレジストロール52にて所定のタイミングで二次転写位置へと供給され、バックアップロール26に対して二次転写ロール28が用紙30をニップする。
すると、二次転写位置では、二次転写装置40である二次転写ロール28とバックアップロール26との間に形成される転写電界の作用で、中間転写ベルト20に担持されたトナー像Tが二次転写位置において用紙30に静電転写される。その後、二次転写された用紙30は、搬送ベルト53を経て定着器54へと搬送されて用紙30上のトナー像Tが定着され、一方、二次転写位置を通過した中間転写ベルト20の像担持面側は、ベルトクリーナ60によってクリーニングされる。
【0032】
ここで、二次転写装置40による二次転写プロセス及びベルトクリーナ60による中間転写ベルト20のクリーニングプロセスは次の通りである。尚、図4は、二次転写バイアス及びスクレーパ印加バイアスのタイミングチャートを示している。
図3及び図4において、中間転写ベルト20上の画像領域D(トナー像Tが形成される領域)が二次転写装置40を通過する間、バックアップロール26には転写電源41より例えば−2kVの転写バイアスが印加され、中間転写ベルト20上のトナー像Tは用紙30に転写される。また、前記画像領域Dの先端部が二次転写装置40を通過すると、これに対応してスクレーパ61及びフィルムシール66が中間転写ベルト20に圧接される。
【0033】
そして、前記画像領域Dが前記スクレーパ61との対向部を通過する間、前記スクレーパ61には前記電源42により+200Vのバイアスが印加される。本実施の形態では、二次転写装置40のニップ部と中間転写ベルト20及びスクレーパ61の当接部との間の距離が70mmであり、また、中間転写ベルト20の速度が上述の通り220mm/sであることから、二次転写バイアスの印加開始、印加停止タイミングより夫々T1=70mm/220mm/s=318msだけ遅らせるようになっている。
この間、中間転写ベルト20の画像領域Dに付着した残留物R(転写後の残留トナーや用紙30から転移した紙粉等)は、スクレーパ61により掻き取られ、クリーニングされる。
【0034】
そして、画像領域Dがスクレーパ61との対向部を通過すると、当該スクレーパ61及びフィルムシール66が中間転写ベルト20から離間され、一連のプロセスを終了する。
【0035】
本実施の形態において、スクレーパ61に上述したようなバイアスを印加しているのは、次の理由による。
本発明者は、金属製のスクレーパ61を用いた場合に発生するクリーニング不良の原因を究明するため、以下の実験を行った。
まず、スクレーパ61の先端近傍に表面電位計プローブを設置し、中間転写ベルト20の表面電位を測定した。
その結果、二次転写バイアスの印加開始時間から中間転写ベルト20が二次転写装置40のニップ部からスクレーパ61との対向部まで移動する移動時間だけ遅れて、二次転写バイアスの約1/10の大きさの表面電位が測定された。通常環境下では二次転写バイアスが−2kVに設定されているので、この実験においては、約320ms後から+200Vの表面電位が測定された。二次転写バイアスの印加が停止された後も、同じ時間遅れをもって表面電位は+200Vから0Vになった。このことは、中間転写ベルト20は所謂半導電性の材質で構成されるものであるが、二次転写バイアスよって帯電され、その電荷がある程度残存した状態でスクレーパ61との対向部まで到達することが示唆された。
【0036】
次に、スクレーパ61先端部に溜まった紙粉の挙動を観察した。中間転写ベルト20にスクレーパ61先端が接した状態から離れる状態へと移行するとき、紙粉は金属スクレーパ61先端に保持されているが、逆に離れた状態から接触した状態に移行するときの紙粉は、二次転写バイアスの有無で異なる挙動を示した。
すなわち、二次転写バイアスが印加されているときには、スクレーパ61先端の紙粉は中間転写ベルト20側に倒れ込み、スクレーパ61と中間転写ベルト20との間に挟み込まれた。一方、二次転写バイアスが印加されていないときには、上述したような紙粉の倒れ込みは見られず、挟み込みも見られなかった。
【0037】
以上の観察結果から、本発明者は、紙粉によるクリーニング不良の発生メカニズムを以下のように推定した。これを図5(a)〜(e)に示す模式図を用いて説明する。尚、同図において、符号Pは紙粉を示している。
(a)図2及び図3に示すように、用紙30が搬送ロール(例えばフィードロール51、レジストロール52等)と摺擦されて発生した紙粉Pが、用紙30から中間転写ベルトに転移し、その後スクレーパ61によって掻き取られその先端に堆積する。
(b)二次転写バイアスの印加により帯電した中間転写ベルト20(図中帯電電荷を「+」で示す)がスクレーパ61との対向部まで到達し、堆積した紙粉Pが電荷(負極性)を帯びる。
(c)クリーニング終了によりスクレーパ61が一旦中間転写ベルト20から離れる。
(d)次のクリーニング開始のためスクレーパ61が中間転写ベルト20と再び接触する直前に、電荷を帯びた紙粉Pが中間転写ベルト側に静電的に引き寄せられ、紙粉Pが中間転写ベルト20側に倒れ込む。
(e)スクレーパ61と中間転写ベルト20とで倒れ込んだ紙粉Pを挟み込んでしまい、スクレーパ61とベルト間に間隙が生じクリーニング不良が発生する。
【0038】
次に、本発明者は、スクレーパ61に種々の大きさのバイアスを印加し、クリーニング不良が発生するか否か実験を行った。そして、中間転写ベルト20の帯電領域(画像領域D)に対向している間のみバイアスを印加した場合と、常時バイアスを印加した場合との比較も行った。
前者の実験結果を図6(a)に、後者の実験結果を図6(b)に示す。
前者の結果より、中間転写ベルト20及びスクレーパ61の電位差が100V以下であればクリーニング不良の防止に効果があり、50V以下であればクリーニング不良は発生しないことが確認された。
一方、後者の場合は、画像領域Dに関しては中間転写ベルト20及びスクレーパ61が略同電位となるものの、画像領域D以外の領域では両者の電位差が大きくなるので、クリーニング不良が発生することがわかった。
【0039】
従って、上述したようなメカニズムで紙粉Pを原因とするクリーニング不良が発生していることが明らかとなったため、本実施の形態では、紙粉Pに電荷を帯びさせないようにすること、具体的には中間転写ベルト20とスクレーパ61間の電位差を著しく小さくするように構成した。
これにより、紙粉Pの挟み込みに伴うクリーニング不良を防止することができる。
【0040】
尚、本実施の形態では、実験結果に基づいてスクレーパ61に印加するバイアスを+200V一定にしていたが、これに限られるものではなく、例えば図7に示すように、二次転写装置40とベルトクリーナ60との間の中間転写ベルト20に対向して表面電位検知センサ71を配置し、この検知結果に基づいてスクレーパ61に印加するバイアスを可変するようにしてもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、非変形クリーニング部材が像担持体の画像を担持搬送する画像領域に対向している間、非変形クリーニング部材の対向部における像担持体の表面電位と同電位を非変形クリーニング部材に印加するようにしたので、非変形クリーニング部材に付着した紙粉等の異物の帯電を防止することができ、もって、像担持体と非変形クリーニング部材との間に紙粉等の異物が挟み込まれることによって生じるクリーニング不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像形成装置の概要図である。
【図2】 本発明が適用された画像形成装置の実施の一形態の説明図である。
【図3】 二次転写装置及びベルトクリーナの拡大図である。
【図4】 二次転写バイアス及びスクレーパ印加バイアスのタイミングチャートである。
【図5】 (a)〜(e)はクリーニング不良発生のメカニズムを示す模式図である。
【図6】 (a)は画像領域に対向する間のみバイアスを印加したときの実験結果、(b)は常時バイアスを印加したときの実験結果を示す図表である。
【図7】 変形の形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…像担持体,2…転写材,3…転写手段,4…非変形クリーニング部材,5…電位設定手段,G…画像,R…残留物
Claims (2)
- 画像が担持搬送される像担持体と、
転写バイアスの印加により転写材に前記画像を静電転写する転写手段と、
前記像担持体に対して接離自在に対向配置されて当該像担持体上の残留物を除去する導電性の板状部材であって且つその接触部形状が像担持体の移動停止に拘わらず非変形状態に保たれる非変形クリーニング部材と、
前記非変形クリーニング部材へ印加する電位及びその印加タイミングを設定する電位設定手段とを備え、
前記電位設定手段は、前記非変形クリーニング部材が前記像担持体の画像を担持搬送する画像領域に対向している間、前記非変形クリーニング部材の対向部における前記像担持体の表面電位と同電位を前記非変形クリーニング部材へ印加することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
前記像担持体は画像が担持搬送される像形成担持体と当該像形成担持体上の画像が重ね合わされた合成画像が担持搬送される中間転写体とを含むとともに、前記非変形クリーニング部材は前記中間転写体に対向配置されているものであって、
前記非変形クリーニング部材は前記合成画像が前記転写手段を通過したときに圧接して、前記中間転写体のうち前記転写手段によって転写バイアスが印加された部位が前記非変形クリーニング部材との対向部を通過した後に離間することを特徴とする画像形成装置。
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