JP4071890B2 - 磁性トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁性トナーの製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、磁性粉とワックスの分散がともに良好であり、流動性と耐ブロッキング性に優れ、電子写真法に使用されたとき、印刷において画像濃度持続性に優れる磁性トナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真は、光学像を静電荷電のような電子性の潜像に変換したのち、この静電潜像上に着色した帯電性トナー粒子を現像させて可視画像とし、さらにトナーを紙上に転写させたのち、加熱、圧力などにより定着させて複写物を得る記録技術であって、操作性、迅速性、最終画像の安定性に優れるために、複写機のほか、レーザープリンター、ファクシミリなどに広く応用されている。
トナー粒子としては、熱可塑性樹脂に磁性粉を分散した磁性トナーが広く用いられている。磁性トナーは、熱可塑性樹脂に、磁性粉、ワックス、帯電制御剤などを配合し、加熱混合機を用いて溶融混練し、磁性粉を分散させたのち、室温まで冷却した材料を粉砕機で粉砕し、さらに分級することによりサイズを揃えて使用される。さらに、トナーの流動性、耐久性を高める目的で、シリカなどの無機微粉末を添加されることが多い。
磁性トナーは、含有される磁性粉の粒径、樹脂との混合割合、分散状態により帯電特性、磁化特性が大きく変化する。加熱混合機として押出機を用いると、粒径が細かく、凝集力の強い磁性粉を使用したとき、磁性粉の分散が不良となりやすく、トナー粒子の帯電量分布がブロードになり、ブローオフ帯電量値が低くなる。画像性においても、印刷枚数の増加に伴って画像濃度が低下するという問題が生じていた。
また、ワックスは、トナーの紙上への定着過程において、定着機に備えられた熱ローラーからの離型剤としてトナー中に添加され、ワックス含有量を多くするほど耐オフセット性が向上する。加熱混合機としてバッチ式密閉混練機を用いると、ワックスの含有量を増やしたとき、ワックスの分散が不良となりやすく、磁性トナーの流動性、耐ブロッキング性、耐環境安定性が低下したり、トナー製造装置内及び電子写真プロセス内のトナー付着など数々の問題が生じていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、磁性粉とワックスの分散がともに良好であり、流動性と耐ブロッキング性に優れ、印刷において画像濃度持続性に優れた磁性トナーの製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、熱可塑性樹脂と磁性粉をバッチ式密閉混練機を用いて混練することにより、熱可塑性樹脂に磁性粉を分散させ、得られた熱可塑性樹脂と磁性粉の混合物に、さらに熱可塑性樹脂、ワックスなどを配合して押出機を用いて混練することにより、磁性粉とワックスの分散がともに良好な磁性トナーが得られることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)熱可塑性樹脂15〜55重量%と磁性粉45〜85重量%とをバッチ式密閉混練機を用いて混練し、得られた熱可塑性樹脂と磁性粉との混合物60〜80重量%、熱可塑性樹脂15〜35重量%及びワックス1〜5重量%を押出機を用いて混練し、得られた混合物を粉砕、分級することを特徴とする磁性トナーの製造方法、
(2)押出機を用いる混練に際して、帯電制御剤0.2〜3重量%を添加する第(1)項記載の磁性トナーの製造方法、
(3)混合物の粉砕、分級後に、シリカ0.2〜3重量%を添加する第(1)項又は第(2)項記載の磁性トナーの製造方法、
(4)バッチ式密閉混練機が、バンバリーミキサーである第(1)項記載の磁性トナーの製造方法、及び、
(5)押出機が、二軸押出機である第(1)項記載の磁性トナーの製造方法、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の磁性トナーの製造方法においては、熱可塑性樹脂15〜55重量%と磁性粉45〜85重量%とをバッチ式密閉混練機を用いて混練し、得られた熱可塑性樹脂と磁性粉との混合物60〜80重量%、熱可塑性樹脂15〜35重量%及びワックス1〜5重量%を押出機を用いて混練し、得られた混合物を粉砕、分級する。
本発明方法に用いる熱可塑性樹脂に特に制限はなく、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。これらの中で、スチレン−アクリル酸エステル共重合体を特に好適に用いることができる。本発明方法において、これらの熱可塑性樹脂は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明方法に用いる磁性粉に特に制限はなく、例えば、Fe34、γ−Fe23、CrO2、ニッケルフェライト、鉄合金粉末などを挙げることができる。これらの中で、Fe34を特に好適に用いることができる。また、これらの磁性粉の表面に、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などで表面処理を施したものを使用することもできる。本発明方法において、磁性粉の粒径に特に制限はないが、0.1〜1μmであることが好ましい。本発明方法において、これらの磁性粉は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0006】
本発明方法に用いるバッチ式密閉混練機に特に制限はなく、密閉混合室に熱可塑性樹脂と磁性粉を投入し、加圧ラムにより圧縮し、2本のローターを逆回転させて、密閉混合室の内壁とローターの間及びローター相互間の激しいせん断混合効果を利用して混練を行う装置を用いることができる。このような機構を有するバッチ式密閉混合機としては、バンバリーミキサー、インテンシブミキサー、インターナルミキサーなどの名称を有する各種の装置が販売されている。
バンバリーミキサーを用いて混練を行う場合、まずローター回転数を所定の回転数に設定し、上部シリンダー内の加圧ラムを上げて、予備混合した熱可塑性樹脂と磁性粉を投入口から仕込む。次いで、加圧ラムを徐々に下げる。混練が進むにつれて、摩擦熱により熱可塑性樹脂と磁性粉の混合物の温度が上昇するので、ジャケットに温水又は冷水を通じて、過熱を防ぐことが好ましい。混練の進行状態は、混合室内の温度計指示と、電動機の負荷電流により知ることができるので、混練完了とともに底蓋を開き、熱可塑性樹脂と磁性粉の混合物を落下させることができる。
本発明方法において、バッチ式密閉混練機による混練温度は、熱可塑性樹脂の種類、分子量、配合量などに応じて適宜選択することができるが、通常は110〜140℃で混練することが好ましい。本発明方法においては、粒径が細かく、凝集力の強い磁性粉を使用した場合であっても、最初にバッチ式密閉混練機により磁性粉が強いせん断力を受けるので、この次の工程の押出機混練において磁性粉がほぐれやすく、熱可塑性樹脂中に磁性粉が均一かつ微細に分散した磁性トナーが得られる。このようにして製造された磁性トナーのブローオフ帯電量値は高く保たれ、印刷枚数が増加しても画像濃度が低下するおそれがない。
本発明方法においては、熱可塑性樹脂15〜55重量%と磁性粉45〜85重量%をバッチ式密閉混練機を用いて混練する。熱可塑性樹脂の割合が15重量%未満であると、磁性粉との混練が困難となって、混練機を損傷するおそれがある。熱可塑性樹脂の割合が55重量%を超えると、最終的なトナー配合における磁性粉の割合が少なくなってしまい、良好なトナーの現像性が得られないおそれがある。
【0007】
本発明方法においては、バッチ式密閉混練機を用いた混練により得られる熱可塑性樹脂と磁性粉との混合物60〜80重量%、熱可塑性樹脂15〜35重量%及びワックス1〜5重量%をブレンダーを用いて十分に混合したのち、連続的に押出機に供給することにより混練する。
押出機による混練の際に用いる熱可塑性樹脂に特に制限はなく、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。押出機による混練の際に用いる熱可塑性樹脂は、バッチ式密閉混練機において磁性粉と混練した熱可塑性樹脂と同一の樹脂とすることができ、あるいは、バッチ式密閉混練機において磁性粉と混練した熱可塑性樹脂と異なる熱可塑性樹脂とすることもできる。本発明方法において、押出機による混練の際に添加する熱可塑性樹脂の割合が15重量%未満であると、均一な混練が困難になるおそれがある。押出機による混練の際に添加する熱可塑性樹脂の割合が35重量%を超えると、磁性トナーの現像性が低下するおそれがある。
本発明方法に用いるワックスに特に制限はなく、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどの合成ワックスや、パラフィンワックス、モンタンワックスなどの天然ワックスなどを挙げることができる。これらのワックスは、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。本発明方法において、押出機による混練の際に添加するワックスの割合が1重量%未満であると、トナーの定着時にワックスの離型剤効果が十分に発揮されず、定着性、オフセット性を損なうおそれがある。押出機による混練の際に添加するワックスの割合が5重量%を超えると、ワックスの分散が不良となるおそれがある。
本発明方法においては、押出機を用いる混練に際して、帯電制御剤0.2〜3重量%を添加することが好ましい。帯電制御剤を添加することにより、得られる磁性トナーの帯電性を制御することができる。本発明方法に用いる帯電制御剤に特に制限はなく、例えば、負帯電制御剤としては、サリチル酸クロム錯体、アゾ系クロム錯体などの有機金属錯体などを挙げることができ、正帯電制御剤としては、ニグロシン、4級アンモニウム塩などを挙げることができる。これらの負帯電制御剤及び正帯電制御剤は、それぞれ1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。本発明方法において、押出機による混練の際に添加する帯電制御剤の割合が0.2重量%未満であると、帯電制御剤の効果が十分に発揮されないおそれがある。押出機による混練の際に添加する帯電制御剤の割合が3重量%を超えると、磁性トナーの帯電特性が不安定になるおそれがある。
【0008】
本発明方法に用いる押出機に特に制限はないが、二軸押出機、コニーダーなどを好適に用いることができる。本発明方法において、押出機による混練温度に特に制限はなく、熱可塑性樹脂及びワックスの種類、分子量、配合量などに応じて適宜選択することができるが、通常は130〜180℃で混練することが好ましい。本発明方法においては、熱可塑性樹脂と磁性粉との混合物、熱可塑性樹脂、ワックス、及び、必要に応じて帯電制御剤を押出機を用いて混練するので、混練温度の管理が容易で、押出機より押し出される混合物を直ちに冷却することができる。その結果、ワックスの再凝集を防いで、良好なワックスの分散を維持することができ、流動性と耐ブロッキング性に優れた磁性トナーを得ることができる。
本発明方法においては、押出機を用いる混練に際して、さらに他の成分を配合することができる。他の成分としては、例えば、カーボンブラックなどの顔料、脂肪酸金属塩などの界面活性剤などを挙げることができる。
本発明方法においては、押出機を用いる混練により得られた混合物を冷却したのち粉砕し、分級する。本発明方法に用いる粉砕機に特に制限はなく、例えば、ジェット式微粉砕機、機械式微粉砕機などを挙げることができる。本発明方法に用いる分級機にも特に制限はなく、例えば、風力分級機などを挙げることができる。本発明方法においては、押出機を用いる混練により得られた混合物を、粉砕機を用いて平均粒径8μm程度の粉体とし、さらに4〜16μmの範囲の粒子に分級し、サイズを揃えた磁性トナーとして使用することが好ましい。
本発明方法においては、押出機を用いた混練により得られた混合物の粉砕、分級後に、シリカ0.2〜3重量%を添加することが好ましい。粉砕、分級後にシリカを添加することにより、磁性トナーの流動性、耐久性及びクリーニング性を向上することができる。シリカの添加量が0.2重量%未満であると、シリカ添加の効果が十分に発揮されないおそれがある。シリカの添加量が3重量%を超えると、電子写真プロセス内におけるトナー飛散のおそれがある。本発明方法においては、押出機を用いた混練により得られた混合物の粉砕、分級後に、さらにシリカ以外の無機微粉末、脂肪酸又はその誘導体、金属塩などの有機微粉末を添加することができる。
【0009】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、磁性トナーの評価は下記の方法により行った。
(1)ワックス分散性
混練物を透過型電子顕微鏡を用いて観察し、粒径3μm以上のワックスが認められないとき、ワックス分散性良好、粒径3μm以上のワックスが認められたとき、ワックス分散性不良とする。
(2)流動性
パウダーテスター[ホソカワミクロン(株)]を用いて、60メッシュ、100メッシュ及び200メッシュの標準篩を組み合わせ、60メッシュ篩上に磁性トナー20gを載せ、30秒間篩い分ける。各メッシュ篩上のトナー残量の合計が5g以下のとき流動性良好とし、各メッシュ篩上のトナー残量の合計が5gを超えるとき流動性不良とする。
(3)耐ブロッキング性
磁性トナーを恒温槽に入れ、50℃において8時間保持する。放冷後、20gを計り取り、パウダーテスター[ホソカワミクロン(株)]を用いて42メッシュの標準篩で10秒間篩い分け、篩上のトナー残量が0.2g以下のとき耐ブロッキング性良好、篩上のトナー残量が0.2gを超えるとき耐ブロッキング性不良とする。
(4)ブローオフ帯電量値
キャリアとしてフェライトキャリアを用い、磁性トナーと30分間混合して摩擦帯電させたのち、ブローオフ帯電量測定器[東芝ケミカル(株)]を用いて測定する。
(5)印刷テスト
磁性トナーの現像装置を備えた市販のレーザープリンターを用いて、連続して9,000枚のテストパターンを印刷する。1枚目、1,000枚目、以降1,000枚ごとに9,000枚目まで、マクベス濃度計[マクベス社]を用いて画像濃度を測定する。
【0010】
実施例1
スチレン−アクリル酸ブチル共重合体樹脂[スチレン/アクリル酸ブチルモル比80/20、数平均分子量Mn=6,400、重量平均分子量Mw=265,000、Mw/Mn=41.4、ガラス転移温度61.2℃]30重量部と磁性粉Fe34[平均粒径0.2μm、飽和磁化89.6emu/g、残留磁化7.8emu/g、保磁力65Oe]70重量部を、バンバリーミキサーを用いて、9分間混練した。このときの材料温度は、125℃であった。次いで、得られた樹脂と磁性粉の混合物を冷却し、粉砕した。最終的なトナー成分中の磁性粉の割合が45重量%となるように、バンバリーミキサーで混練した樹脂と磁性粉の混合物64.3重量部、上記のスチレン−アクリル酸ブチル共重合体樹脂31.9重量部、ポリプロピレンワックス[三洋化成(株)、ビスコール550P]3.5重量部及び負帯電制御剤[オリエント化学(株)、ポントロンS−34]0.3重量部を混合し、二軸押出機[スクリュー実効長1,462mm、L/D34]を用いてシリンダー及びダイ温度80〜120℃で混練し、冷却後ペレット化した。ペレットより電子顕微鏡観察用の試験片を作製し、透過型電子顕微鏡を用いて観察したところ、粒径3μm以上のワックスは認められなかった。
得られたペレットを機械式微粉砕機を用いて平均粒径約8μmに粉砕し、分級により粒径範囲4〜16μmの粒子に揃え、さらに疎水性シリカ[日本アエロジル(株)、R972]0.7重量部を添加することにより磁性トナーを得た。
パウダーテスターを用いて、60メッシュ、100メッシュ及び200メッシュの標準篩を組み合わせ、60メッシュ篩上に得られた磁性トナー20gを載せ、30秒間篩い分けたところ、各メッシュ篩上のトナー残量の合計は0.7gとなり、流動性は非常に良好であった。
得られた磁性トナーを恒温槽に入れ、50℃において8時間保持したが、磁性トナーの性状に変化はなく、パウダーテスターを用いて42メッシュの標準篩で10秒間篩い分けたところ、磁性トナーはスムースに流出し、篩上のトナー残量は0.1gとなり、耐ブロッキング性は良好であった。
ブローオフ帯電量測定器を用いて測定したブローオフ帯電量値は、−40.5μC/gであった。
印刷テストにおける画像濃度は、1枚目が1.42、1,000枚目が1.44、2,000枚目が1.43、3,000枚目が1.46、4,000枚目が1.44、5,000枚目が1.46、6,000枚目が1.44、7,000枚目が1.44、8,000枚目が1.42、9,000枚目が1.43であり、9,000枚の印刷を通じて1.42〜1.46の範囲で安定していた。
【0011】
比較例1
実施例1で用いたスチレン−アクリル酸ブチル共重合体樹脂51.2重量部、磁性粉Fe3445.0重量部、ポリプロピレンワックス3.5重量部及び負帯電制御剤0.3重量部を混合し、二軸押出機[スクリュー実効長1,462mm、L/D34]を用いてシリンダー及びダイ温度80〜120℃で混練し、冷却後ペレット化した。ペレットより電子顕微鏡観察用の試験片を作製し、透過型電子顕微鏡を用いて観察したところ、粒径3μm以上のワックスは認められなかった。
得られたペレットを機械式微粉砕機を用いて平均粒径約8μmに粉砕し、分級により粒径範囲4〜16μmの粒子に揃え、さらに実施例1で用いた疎水性シリカ0.7重量部を添加することにより磁性トナーを得た。
パウダーテスターを用いて、60メッシュ、100メッシュ及び200メッシュの標準篩を組み合わせ、60メッシュ篩上に得られた磁性トナー20gを載せ、30秒間篩い分けたところ、各メッシュ篩上のトナー残量の合計は3.7gとなり、流動性は良好であった。
得られた磁性トナーを恒温槽に入れ、50℃において8時間保持したが、磁性トナーの性状に変化はなく、パウダーテスターを用いて42メッシュの標準篩で10秒間篩い分けたところ、磁性トナーはスムースに流出し、篩上のトナー残量は0.1gとなり、耐ブロッキング性は良好であった。
ブローオフ帯電量測定器を用いて測定したブローオフ帯電量値は、−34.9μC/gであった。
印刷テストにおける画像濃度は、1枚目が1.37、1,000枚目が1.32、2,000枚目が1.29、3,000枚目が1.31、4,000枚目が1.28、5,000枚目が1.25、6,000枚目が1.22、7,000枚目が1.24、8,000枚目が1.17、9,000枚目が1.17であり、印刷枚数の増加に伴って低下していった。
【0012】
比較例2
実施例1で用いたスチレン−アクリル酸ブチル共重合体樹脂51.2重量部、磁性粉Fe3445.0重量部、ポリプロピレンワックス3.5重量部及び負帯電制御剤0.3重量部を混合し、バンバリーミキサーを用いて、約9分間混練し、冷却後ペレット化した。ペレットより電子顕微鏡観察用の試験片を作製し、透過型電子顕微鏡を用いて観察したところ、粒径3μm以上のワックスが認められた。
得られたペレットを機械式微粉砕機を用いて平均粒径約8μmに粉砕し、分級により粒径範囲4〜16μmの粒子に揃え、さらに実施例1で用いた疎水性シリカ0.7重量部を添加することにより磁性トナーを得た。
パウダーテスターを用いて、60メッシュ、100メッシュ及び200メッシュの標準篩を組み合わせ、60メッシュ篩上に得られた磁性トナー20gを載せ、30秒間篩い分けたところ、各メッシュ篩上のトナー残量の合計は7.7gであり、流動性は不良であった。
得られた磁性トナーを恒温槽に入れ、50℃において8時間保持したのち、パウダーテスターを用いて42メッシュの標準篩で10秒間篩い分けたところ、篩上には直径1mm程度の凝集物が存在し、トナー残量は1.8gとなり、耐ブロッキング性は不良であった。
ブローオフ帯電量測定器を用いて測定したブローオフ帯電量値は、−39.0μC/gであった。
印刷テストにおける画像濃度は、1枚目が1.42、1,000枚目が1.41、2,000枚目が1.42、3,000枚目が1.42、4,000枚目が1.40、5,000枚目が1.36、6,000枚目が1.40、7,000枚目が1.37、8,000枚目が1.38、9,000枚目が1.38であり、9,000枚の印刷を通じて1.36〜1.42の範囲でほぼ安定していた。
実施例1及び比較例1〜2の結果を、第1表に示す。
【0013】
【表1】
Figure 0004071890
【0014】
第1表に見られるように、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体樹脂と磁性粉をバンバリーミキサーを用いて混練し、得られた混合物にさらにスチレン−アクリル酸ブチル共重合体樹脂、ワックス及び帯電制御剤を配合し、二軸押出機を用いて混練した実施例1の磁性トナーは、ワックス分散性、流動性、耐ブロッキング性はいずれも良好であり、ブローオフ帯電量値が高く、9,000枚の印刷テストを行っても画像濃度が安定して持続している。これに対して、すべての成分を二軸押出機を用いて1段で混練した比較例1の磁性トナーは、ワックス分散性、流動性、耐ブロッキング性はいずれも良好であるが、ブローオフ帯電量値が低く、印刷テストを行うと、印刷枚数の増加とともに、画像濃度が低下する。また、すべての成分をバンバリーミキサーを用いて1段で混練した比較例2の磁性トナーは、ブローオフ帯電量値が高く、9,000枚の印刷テストにおいても画像濃度は安定しているが、ワックス分散性が不良であり、そのために流動性と耐ブロッキング性も不良となり、製造装置内及び電子写真プロセス内のトナー付着が起こりやすく、取り扱いづらい磁性トナーとなっている。
【0015】
【発明の効果】
本発明の磁性トナーの製造方法によれば、熱可塑性樹脂と磁性粉をバッチ式密閉混練機を用いて混練したのち、得られた熱可塑性樹脂と磁性粉の混合物にさらに熱可塑性樹脂、ワックス、及び、必要に応じて帯電制御剤を加えて押出機を用いて混練するので、磁性トナー中での磁性粉とワックスの分散性がともに良好であり、その結果、流動性と耐ブロッキング性に優れ、ブローオフ帯電量値が高く、多数枚の印刷を行っても画像濃度が安定して持続する磁性トナーを得ることができる。

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂15〜55重量%と磁性粉45〜85重量%とをバッチ式密閉混練機を用いて混練し、得られた熱可塑性樹脂と磁性粉との混合物60〜80重量%、熱可塑性樹脂15〜35重量%及びワックス1〜5重量%を押出機を用いて混練し、得られた混合物を粉砕、分級することを特徴とする磁性トナーの製造方法。
  2. 押出機を用いる混練に際して、帯電制御剤0.2〜3重量%を添加する請求項1記載の磁性トナーの製造方法。
  3. 混合物の粉砕、分級後に、シリカ0.2〜3重量%を添加する請求項1又は請求項2記載の磁性トナーの製造方法。
  4. バッチ式密閉混練機が、バンバリーミキサーである請求項1記載の磁性トナーの製造方法。
  5. 押出機が、二軸押出機である請求項1記載の磁性トナーの製造方法。
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