JP4071529B2 - セルフアライニングトルク推定装置及び横グリップ度推定装置 - Google Patents

セルフアライニングトルク推定装置及び横グリップ度推定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セルフアライニングトルク推定装置及び横グリップ度推定装置に係り、特に、パワーステアリング装置からの情報を用いてセルフアライニングトルクを推定するセルフアライニングトルク推定装置及びこのセルフアライニングトルクを用いてグリップ度を推定する横グリップ度推定装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
特開平11−287749号公報には、操舵角に対する操舵トルクの特性を演算し、演算結果に基づいて路面摩擦係数(路面μ)を推定する路面摩擦係数推定装置(以下「従来技術1」という。)が開示されている。
【0003】
従来技術1は、操舵角の変化量に対する操舵トルクの変化量として、グリップ状態に相当する物理量である路面μを求めている。従来技術1は、ノイズを増幅させる微分を行うことによって変化量を求めているので、ノイズの影響を受けやすく、ノイズを多く含んた路面μを推定する。したがって、従来技術1は、車両が路面外乱の大きな悪路を走行する場合、精度よく路面μを推定することができない問題があった。
【0004】
また、グリップ度を高精度に推定するためには、タイヤに与えられる負荷が最も大きい時、すなわちタイヤの摩擦特性が限界に近い時に路面μを推定するのが好ましい。一方、従来技術1は、ハンドルの切り増し時にのみ路面μを推定するので、タイヤに与えられる負荷が最も大きくなる最大舵角時においては、ハンドルの切り増しができないので、路面μを推定することができない。すなわち、従来技術1は、最大舵角時には路面μを推定することできず、最大舵角時に至る手前の路面μを推定することしかできない、という問題があった。
【0005】
ところで、従来技術1における操舵角に対する操舵トルクの特性(スリップ角に対するセルフアライニングトルクの特性とほぼ同様。)では、タイヤトレッドのねじれやパワーステアリング装置のクーロン摩擦等によってヒステリシス特性が生じる。このため、ハンドルの切り増し時と切り戻し時とでは、操舵角に対する操舵トルクの特性が異なってしまう。したがって、上記特性に着目して路面μを推定すると、推定値にばらつきが生じる問題もあった。
【0006】
また、保舵時にハンドルが動かない程度にドライバが操舵力を減少させた場合、従来技術1では、操舵角は変化していないにも拘わらず操舵トルクが減少してしまい、路面μの推定値が誤って低下する可能性がある。そこで、従来技術1は、切り増し時のみ路面μを推定することによってこのような誤った推定を回避する共に推定値のばらつきを低減させていたが、この結果切り戻しや保舵時にはグリップ状態等の路面摩擦状態を推定できない、という問題がある。
【0007】
また、切戻しや保舵時に路面摩擦状態を推定できないということは、例えば保舵状態で低μ路から高μ路へ乗り移ったり、高μ路から低μ路に乗り移ったりしてグリップ状態が変化した場合には、変化した時点では路面摩擦状態を推定できず、次に操舵角を切り増しするまでグリップ状態の推定ができないことを意味している。
【0008】
一方、特開平6−221968号公報には、車輪の復元モーメントとコーナリングフォースとの関係に基づいて、ヒステリシスを抑制しながら、車輪がグリップ限界に陥る手前から路面μを検出する路面摩擦係数検出装置(以下「従来技術2」という。)が開示されている。
【0009】
しかし、従来技術2は、ヒステリシスを抑制するヒステリシス抑制手段を備えているものの、切り込み、切り戻し等の操作状況に限定して路面摩擦係数を検出している。さらに、従来技術2は、ヒステリシス発生の少ない状況、つまり定速かつ定常旋回状況に限って路面摩擦係数を検出しているに過ぎないので、従来技術1と同様に、路面摩擦係数を推定する運転状況を限定しているという問題があった。
【0010】
このため、速い適応性が要求されるパワーステアリング装置やABS制御装置においては、グリップ状態に応じて切換動作を行うための制御パラメータとして、従来技術1又は2で推定されたパラメータを利用することができないという問題があった。
【0011】
本発明は、上述した課題を解決するために提案されたものであり、路面外乱の影響を受けることなく、常に精度よくセルフアライニングトルクを推定するセルフアライニングトルク推定装置、及びこのセルフアライニングトルクを用いてグリップ度を推定する横グリップ度推定装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、操舵のアシストトルクを検出するアシストトルク検出手段と、前記操舵トルク検出手段により検出された操舵トルクと、前記アシストトルク検出手段により検出されたアシストトルクとに基づいて、操舵軸に加えられる反力トルクを推定する反力トルク推定手段と、前記反力トルク推定手段により推定された絶対値が最大になるときの反力トルクと、操舵系の切り戻し時の反力トルクとの差に基づいて、操舵系の内部摩擦に応じた摩擦トルクを推定する摩擦トルク推定手段と、前記反力トルク推定手段により推定された反力トルクと、前記摩擦トルク推定手段により推定された摩擦トルクとに基づいて、セルフアライニングトルクを推定するセルフアライニングトルク推定手段と、を備えている。
【0013】
反力トルク推定手段は、操舵トルクとアシストトルクとに基づいて、操舵軸に加えられる反力トルクを推定する。このとき、反力トルクの推定精度を上げるために、パワーステアリング装置の粘性摩擦を考慮してもよいし、外乱オブザーバを用いてパワーステアリング装置の慣性を考慮してもよい。
【0014】
摩擦トルク推定手段は、操舵系の内部摩擦に応じた摩擦トルクを推定する。操舵系内部摩擦は、反力トルクのヒステリシス特性の原因となるものであり、路面外乱に応じて大きく変化して常に一定ではない。そこで、摩擦トルク推定手段は、悪路走行時に路面外乱がある場合でも内部摩擦の変化に応じて摩擦トルクを推定することで、逐次ヒステリシス特性の補償を行う。
また、前記摩擦トルク推定手段は、前記反力トルク推定手段により推定された絶対値が最大になるときの反力トルクと、操舵系の切り戻し時の反力トルクとの差に基づいて、前記摩擦トルクを推定する。
したがって、操舵系の切り戻しのたびに最新の摩擦トルクを推定するので、路面の荒さによって操舵系の内部摩擦が変化する場合でも、その変化に対応して逐次ヒステリシス特性の補償を行うことができる。
【0015】
セルフアライニングトルク推定手段は、反力トルクと摩擦トルクとに基づいてセルフアライニングトルクを推定する。つまり、反力トルクからヒステリシス特性を除去することで、ヒステリシス特性のない正確なセルフアライニングトルクを推定する。
【0016】
したがって、請求項1記載の発明では、路面外乱の影響を受けることなく、ヒステリシス特性の除去された高精度のセルフアライニングトルクを推定することができる。
【0019】
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、車速を検出する車速検出手段と、前記車速検出手段により検出された車速に応じたカットオフ周波数が設定され、前記反力トルク推定手段により推定された反力トルクに対してローパスフィルタ処理を施すローパスフィルタと、を更に備え、前記摩擦トルク推定手段は、前記ローパスフィルタで処理された反力トルクを用いて前記摩擦トルクを推定し、前記セルフアライニングトルク推定は、前記ローパスフィルタで処理された反力トルクを用いて前記セルフアライニングトルクを推定することを特徴とする。
【0020】
路面外乱の入力周波数は、車速が高くなるに従って高くなる。一方、車速が高くなるに従って、安定性確保のために高い応答性が求められる。
【0021】
したがって、請求項記載の発明では、ローパスフィルタは、車速が低い場合にはカットオフ周波数を低く設定することで路面からの低周波外乱に対応し、車速が高い場合にはカットオフ周波数を高く設定することで応答性を確保している。
【0022】
請求項記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記反力トルク推定手段により推定された反力トルクと、前記摩擦トルク推定手段により推定された摩擦トルクとに基づいて、操舵系の中立点の変化に応じた補正トルクを推定する補正トルク推定手段を更に備え、前記セルフアライニングトルク推定手段は、前記補正トルク推定手段により推定された補正トルクを更に用いて、前記セルフアライニングトルクを推定することを特徴とする。
【0023】
バンク路走行時では、操舵系の中立点が移動して、反力トルクはその影響を受けてしまう。そこで、補正トルク推定手段は、操舵系の中立点の変化に応じた反力トルクの変化を補正トルクとして推定する。そして、セルフアライニングトルク推定手段は、補正トルクを更に用いてセルフアライニングトルクを推定する。
【0024】
したがって、請求項記載の発明では、補正トルクを用いることでバンク路走行時の反力トルクの変化を補正することができ、正確にセルフアライニングトルクを推定することができる。
【0025】
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、前記セルフアライニングトルク推定手段は、操舵系の切り戻し前後の摩擦トルクの変化に応じて前記補正トルクを調整し、操舵系の切り戻し後の摩擦トルクと前記調整後の補正トルクとを用いて前記セルフアライニングトルクを推定することを特徴とする。
【0026】
操舵系の切り戻しの直後に摩擦トルクが変化すると、セルフアライニングトルクは急激に変化して不連続になってしまう。そこで、セルフアライニングトルク推定手段は、操舵系の切り戻し前後の摩擦トルクの変化に応じて補正トルクを調整することで、摩擦トルクの変化を調整トルクに吸収させる。
【0027】
したがって、請求項記載の発明では、操舵系の切り戻し前後でセルフアライニングトルクが不連続になるのを防止することができる。
【0028】
請求項記載の発明は、スリップ角を推定するスリップ角推定手段と、セルフアライニングトルクを推定する請求項1から5のいずれか1項記載のセルフアライニングトルク推定装置と、前記スリップ角推定手段により推定されたスリップ角に応じた基準モデルにおけるセルフアライニングトルクと、前記セルフアライニングトルク推定装置により推定されたセルフアライニングトルクとに基づいて、タイヤの横方向のグリップ度を推定するグリップ度推定手段と、を備えている。
【0029】
グリップ度推定手段は、前記スリップ角推定手段により推定されたスリップ角に基づいて、基準モデルのセルフアライニングトルクを演算する。ここにいう基準モデルとしては、例えば、タイヤ発生力特性を理論解析によってモデル化したブラッシュモデルが好ましい。そして、基準モデルのセルフアライニングトルクと、セルフアライニングトルク推定装置により推定されたセルフアライニングトルクとに基づいて、タイヤの横方向のグリップ度を推定する。
【0030】
したがって、請求項記載の発明では、基準モデルのセルフアライニングトルクに対して、推定されたセルフアライニングトルクがどの程度の値になっているかを判定することで、横方向の摩擦余裕を表すグリップ度を推定することができる。
【0031】
請求項記載の発明は、スリップ角を推定するスリップ角推定手段と、操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、操舵のアシストトルクを検出するアシストトルク検出手段と、前記操舵トルク検出手段により検出された操舵トルクと、前記アシストトルク検出手段により検出されたアシストトルクと、に基づいて、操舵軸に加えられる反力トルクを推定する反力トルク推定手段と、前記反力トルク推定手段により推定された絶対値が最大になるときの反力トルクと、操舵系の切り戻し時の反力トルクとの差に基づいて、操舵系の内部摩擦に応じた摩擦トルクを推定する摩擦トルク推定手段と、前記スリップ角推定手段により推定されたスリップ角と、前記反力トルク推定手段により推定された反力トルクとを少なくとも用いて、操舵系の中立点の変化に応じた補正量を推定する補正量推定手段と、前記スリップ角推定手段により推定されたスリップ角と、前記反力トルク推定手段により推定された反力トルクと、前記摩擦トルク推定手段により推定された摩擦トルクと、前記補正量推定手段により推定された補正量とに基づいて、タイヤの横方向のグリップ度を推定するグリップ度推定手段と、を備えている。
【0032】
バンク路走行時では、操舵系の中立点が移動するので、推定されたスリップ角や反力トルクはその影響を受けてしまう。そこで、摩擦量推定手段は、スリップ角と反力トルクとを少なくとも用いて、操舵系の中立点の変化に応じた補正量を推定する。
【0033】
したがって、請求項記載の発明では、補正量を用いることでバンク路走行時のスリップ角や反力トルクの変化を補正することができ、正確にセルフアライニングトルクを推定することができる。ここで、補正量としては、請求項8または9のようにするのが好ましい。
【0034】
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、前記補正量推定手段は、前記補正量として操舵系の中立点の変化に応じた補正スリップ角を推定することを特徴とする。
【0035】
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、前記補正量推定手段は、前記摩擦トルク推定手段により推定された摩擦トルクを更に用いて、前記補正量として操舵系の中立点の変化に応じた補正トルクを推定することを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0037】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係るグリップ度推定装置の構成を示す図である。上記グリップ度推定装置は、電動式パワーステアリング装置が搭載された車両に用いて好適なものである。
【0038】
グリップ度推定装置は、操舵角を検出する操舵角センサ11と、車速を検出する車速センサ12と、操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ13と、アシストトルクを検出するアシストトルクセンサ14と、各センサから出力された情報を用いてセルフアライニングトルク(以下「SAT」という。)を推定し、さらに横グリップ度を推定する電子制御ユニット(以下「ECU」という。)20と、を備えている。
【0039】
操舵角センサ11は、ハンドル角を示す操舵角θpを検出し、検出した操舵角θpをECU20に供給する。車速センサ12は、車体速度を示す車速uを検出し、検出した車速uをECU20に供給する。
【0040】
操舵トルクセンサ13は、ステアリングシャフトと同軸上に取り付けられており、操舵軸に作用する操舵トルクTpを検出し、検出した操舵トルクTpをECU20に供給する。
【0041】
アシストトルクセンサ14は、電動式パワーステアリング装置で使用される電動モータのモータ電流Imを検出し、(1)式に従ってアシストトルクTaを演算する。
【0042】
【数1】
Figure 0004071529
【0043】
ただし、gp:ピニオンリード、gb:ボールネジリード、km:アシストモータトルク係数である。そして、アシストトルクセンサ14は、演算したアシストトルクTaをECU20に供給する。なお、モータ電流Imは、電動式パワーステアリング装置のモータを流れる電流を実際に測定してもよいし、モータに出力する電流指令値を使ってもよい。
【0044】
ECU20は、図1に示すように、スリップ角を推定するスリップ角推定部21と、実反力トルクを推定する反力トルク推定部22と、車速感応フィルタ23,24と、操舵角速度を検出する操舵角速度検出部25と、操舵系の摩擦トルクを推定する摩擦トルク推定部26と、補正トルクを推定する補正トルク推定部27と、SATを推定するSAT推定部28と、スリップ角とSATとに基づいてグリップ度を推定するグリップ度推定部29と、を備えている。
【0045】
(スリップ角推定部21)
スリップ角推定部21は、操舵角センサ11で検出された操舵角θp[rad]と、車速センサ12で検出された車速u[m/s]とに基づいて、前輪スリップ角αf[rad]を推定する。ここで、前輪スリップ角αfは、車両運動の動特性を利用すると、(2)式及び(3)式の状態方程式によって表される。
【0046】
【数2】
Figure 0004071529
【0047】
ただし、v:横速度[m/s]、r:ヨーレート[rad/s]、u:車速[m/s]、cf:前輪コーナリングパワー[N/rad]、cr:後輪コーナリングパワー[N/rad]、Lf:前軸重心間距離[m]、Lr:後軸重心間距離[m]、M:車両質量[kg]、Iz:ヨー慣性[kgm2]、gh:ハンドル実舵間ギヤ比である。記号^は、推定値であることを示している。
【0048】
上記(2)式及び(3)式をサンプル時間τで離散化し、車速uの関数として表現すると、次の(4)式及び(5)式が得られる。
【0049】
【数3】
Figure 0004071529
【0050】
ただし、kはサンプリング番号である。また、(4)式のAs及びBsは、次の(6)式で表される。
【0051】
【数4】
Figure 0004071529
【0052】
スリップ角推定部21は、サンプル時間τ毎に、(5)式に従って演算することで前輪スリップ角αfを検出し、前輪スリップ角αfを車速感応フィルタ23に供給する。
【0053】
(反力トルク推定部22)
反力トルク推定部22は、操舵トルクセンサ13で検出された操舵トルクTpと、アシストトルクセンサ14で検出されたアシストトルクTaとを加算して、操舵軸に加えられる実反力トルクTrを推定する。したがって、次の(7)式を演算する。
【0054】
【数5】
Figure 0004071529
【0055】
なお、反力トルク推定部22は、電動式パワーステアリング装置の粘性摩擦を考慮した場合、操舵角速度を用いることによって、より正確に実反力トルクTrを推定することができる。具体的には、次の(8)式を演算すればよい。
【0056】
【数6】
Figure 0004071529
【0057】
ただし、cは、電動式パワーステアリング装置の電動モータ、ピニオン軸及びラック等各要素の粘性を等価的にピニオン軸(ハンドル操舵軸)の粘性に換算した値である。
【0058】
また、反力トルク推定部22は、外乱オブザーバを用いることによって電動式パワーステアリング装置の慣性を考慮して、実反力トルクTrを推定することができる。ここで、電動式パワーステアリング装置の動特性は、(9)式の微分方程式によって表される。
【0059】
【数7】
Figure 0004071529
【0060】
ただし、Mr:ラック質量、Jm:モータ慣性である。ここで、(9)式の右辺を外乱オブザーバで推定する外乱とみなした場合、(10)式のような外乱オブザーバが構成できる。
【0061】
【数8】
Figure 0004071529
【0062】
ただし、Jeは(11)式、dは(12)式を満たしている。
【0063】
【数9】
Figure 0004071529
【0064】
Gはオブザーバゲイン、記号^は各状態量の推定値を示している。(10)式は、操舵角速度(dθp/dt)及び操舵角θpから外乱dを推定する式である。(10)式を離散化すると、(13)式及び(14)式の漸化式となる。
【0065】
【数10】
Figure 0004071529
【0066】
ただし、A、B、C、Dは、(10)式を離散化したシステム行列である。したがって、反力トルク推定部22は、下記の(15)式に従って実反力トルクTrを推定することができる。
【0067】
【数11】
Figure 0004071529
【0068】
(車速感応フィルタ23,24)
車速感応フィルタ23は、車速センサ12で検出された車速uが高くなる従ってカットオフ周波数を高く設定するローパスフィルタである。本実施の形態では、車速感応フィルタ23は、例えば、時定数が車速uに反比例するように設定された1次ローパスフィルタで構成されている。なお、車速感応フィルタ23は、1次ローパスフィルタに限定されるものではなく、他の構成であってもよい。
【0069】
ここで、連続時間における1次ローパスフィルタは、(16)式の伝達関数によって表される。
【0070】
【数12】
Figure 0004071529
【0071】
ただし、a:比例定数である。(16)式をTustin変換などの手法を用いて変換すると、離散時間のローパスフィルタを設計することができる。Tustin変換において、時間進みオペレータをzとした場合、sは(17)式で表される。
【0072】
【数13】
Figure 0004071529
【0073】
(17)式を(16)式に代入すると、離散時間のローパスフィルタは、(18)式で表される。
【0074】
【数14】
Figure 0004071529
【0075】
車速感応フィルタ23は、車速uによってカットオフ周波数を設定すると、スリップ角推定部21で推定されたスリップ角に対してローパスフィルタ処理を施し、処理されたスリップ角を補正トルク推定部27及びグリップ度推定部29に供給する。
【0076】
路面外乱の入力周波数は、車速が高くなると共に高くなる。また、グリップ度を車両運動制御に用いる場合、車速が高いほど安定性確保のために高い応答性が要求される。
【0077】
そこで、以上のように構成された車速感応フィルタ23は、車速が低い場合には、カットオフ周波数を低く設定することによって路面からの低周波外乱に対応できる。また、車速感応フィルタ23は、車速が高い場合には、カットオフ周波数を高く設定することによってグリップ状態推定の応答性を確保することができる。
【0078】
車速感応フィルタ24は、車速感応フィルタ23と同様に構成されている。車速感応フィルタ24は、車速センサ12で検出された車速uによってカットオフ周波数を設定すると、反力トルク推定部22で推定された実反力トルクに対してローパスフィルタ処理を施し、処理された実反力トルクを摩擦トルク推定部26、補正トルク推定部27及びSAT推定部28に供給する。
【0079】
(操舵角速度検出部25)
操舵角速度検出部25は、操舵角センサ11で検出された操舵角θpを時間微分して操舵角速度を求めて、摩擦トルク推定部26に供給する。
【0080】
(摩擦トルク推定部26)
摩擦トルク推定部26は、実反力トルクに生じるヒステリシス特性の原因となる摩擦トルクTfricを推定する。ここでは、摩擦トルク推定部26は、ハンドル切り増し中に絶対値が最大となったときの実反力トルクと、ハンドル切り戻し時点の実反力トルクとの差を演算し、この差を操舵系の内部クーロン摩擦によって生じる摩擦トルクTfricとして推定する。
【0081】
図2は、反力トルク推定部22によって推定された実反力トルクTrの経時変化を示す図である。同図では、ハンドルを左方向に操舵した時に生じる実反力トルクTrを正、ハンドルを右方向に操舵した時に生じる実反力トルクTrを負とした。
【0082】
摩擦トルク推定部26は、操舵角速度検出部25から供給された操舵角速度の符号が反転したことを検出すると、このタイミング以降の実反力トルクTrの最大値を次のように演算する。
【0083】
操舵角速度が負から正に反転して、ハンドルが左方向(正方向)に操舵された場合、正の実反力トルクTrが発生する。そして、摩擦トルク推定部26は、(19)式に従って、実反力トルクTrの最大値Tmaxを演算する。
【0084】
【数15】
Figure 0004071529
【0085】
次に、摩擦トルク推定部26は、操舵の切り戻しによって操舵角速度が正から負に反転したことを検出すると、この時点の実反力トルクTrと上記のように求められた最大値Tmaxとを用いて、(20)式に従って摩擦トルクTfricを演算する。
【0086】
【数16】
Figure 0004071529
【0087】
一方、操舵角速度が正から負に反転して、ハンドルが右方向に操舵された場合、負の実反力トルクTrが発生する。そして、摩擦トルク推定部26は、(21)式に従って、実反力トルクTrの最小値Tminを演算する。
【0088】
【数17】
Figure 0004071529
【0089】
次に、摩擦トルク推定部26は、操舵の切り戻しによって操舵角速度が負から正に反転したことを検出すると、この時点の実反力トルクTrと上記のように求められた最小値Tminとを用いて、(22)式に従って摩擦トルクTfricを演算する。
【0090】
【数18】
Figure 0004071529
【0091】
そして、摩擦トルク推定部26は、このように求めた摩擦トルクTfricを補正トルク推定部27及びSAT推定部28に供給する。なお、摩擦トルク推定部26は、切り戻し時以外では、前回演算した摩擦トルクTfricを保持して、保持している摩擦トルクTfricを補正トルク推定部27及びSAT推定部28に供給する。
【0092】
この結果、摩擦トルク推定部26は、ハンドルの切り戻しのたびに生じるヒステリシス特性に対して、ハンドル切り戻しのたびに摩擦トルクTfricを推定するので、常に正確なヒステリシス特性の大きさを推定することができる。
【0093】
特に悪路走行時には、路面外乱が操舵系内部のクーロン摩擦に対してディザー効果として働き、クーロン摩擦項が減少してクーロン摩擦が変化する。そこで、摩擦トルク推定部26は、上述のようにハンドル切り戻しのたびに摩擦トルクTfricを推定するので、クーロン摩擦の大きさが変化する場合においても、逐次最新のヒステリシス特性の補償を行うことができる。
【0094】
(補正トルク推定部27)
補正トルク推定部27は、バンク走行時の操舵の中立点変化によって生じる実反力トルクの変化を補正トルクとして推定する。バンク走行時には、操舵系の中立点が変化する。スリップ角とSAT推定値との関係を用いてグリップ度を推定する場合、実際にはグリップ度が高いにもかかわらず、スリップ角がある程度の値であってもSAT推定値がゼロ付近の値になってしまい、グリップ度が低くなるおそれがある。
【0095】
そこで、補正トルク推定部27は、実反力トルクが摩擦トルクを超える操舵開始時のスリップ角からバンク走行時の中立点の変化を実反力トルクの変化として検出し、この実反力トルクの変化を補正トルクとして推定する。
【0096】
図3は、水平直線路(以下「水直路」という。)及びバンク路におけるスリップ角に対する実反力トルクの関係を示す図である。同図では、ハンドルを左方向に操舵する場合に生じる実反力トルク、スリップ角を正の符号で表している。
【0097】
操舵開始時の実反力トルクがクーロン摩擦に打ち勝つ時点の実反力トルクは、クーロン摩擦に埋もれるような値ではなく、かつ路面μに応じたグリップ低下の影響を受けるほどの大きな値ではない。実反力トルクとスリップ角の関係は、操舵系の中立点の変化のみ反映する。
【0098】
ここでは、操舵開始時の実反力トルクがクーロン摩擦に打ち勝つ時点のスリップ角から水直路を想定した場合に予測される実反力トルクと、現時点の実反力トルクと、の差をバンクによって生じたトルクと判定し、この値を補正トルクとする。
【0099】
具体的には、補正トルク推定部27は、ハンドルが左方向に操舵された場合には、操舵開始条件である次の(23)式を満たすかを判定する。
【0100】
【数19】
Figure 0004071529
【0101】
補正トルク推定部27は、(23)式の操舵開始条件を満たしたとき、次の(24)式に従って、補正トルクTcorrectを演算する。
【0102】
【数20】
Figure 0004071529
【0103】
ただし、K0は、SAT推定値のスリップ角に対する原点勾配であり、後述する(34)式のK0と同じ値である。
【0104】
また、補正トルク推定部27は、ハンドルが右方向に操舵された場合には、操舵開始条件である次の(25)式を満たすかを判定する。
【0105】
【数21】
Figure 0004071529
【0106】
補正トルク推定部27は、(25)式の操舵開始条件を満たしたとき、次の(26)式に従って、補正トルクTcorrectを演算する。
【0107】
【数22】
Figure 0004071529
【0108】
なお、補正トルク推定部27は、(23)式又は(25)式の操舵開始条件を満たしていない場合では、前回推定した補正トルクTcorrectを保持している。そして、補正トルク推定部27は、このようにして推定した補正トルクTcorrectをSAT推定部28に供給する。
【0109】
(SAT推定部28)
SAT推定部28は、実反力トルクから電動式パワーステアリング装置のクーロン摩擦などによって生じるヒステリシス特性を除去し、さらにバンク走行時の操舵系の中立点移動について補正して、SAT推定値を演算する。つまり、SAT推定部28は、車速感応フィルタ24でフィルタ処理された実反力トルクと、摩擦トルク推定部26で推定された摩擦トルクと、補正トルク推定部27で推定された補正トルクとに基づいて、SAT推定値を演算する。
【0110】
ヒステリシス除去の演算は、以下のロジックによって行われる。
【0111】
最初に、実反力トルクが前回の摩擦トルクの半分の値を超え、かつ正方向(実反力トルクが正の値)へのハンドル操舵開始が判定され、バンク走行によって生じた補正トルクが更新演算された時点で、SAT推定部28は、次の(27)式に従ってSAT推定値TSATを演算する。
【0112】
【数23】
Figure 0004071529
【0113】
また、負方向のハンドル操舵の場合、SAT推定部28は、次の(28)式に従ってSAT推定値TSATを演算する。
【0114】
【数24】
Figure 0004071529
【0115】
次に、保舵状態(摩擦トルク、補正トルクが更新されない状態)における任意のサンプリング時点では、SAT推定部28は、次の手順に従って演算する。
【0116】
最初に、(29)式に従って摩擦状態量xSATを演算する。
【0117】
【数25】
Figure 0004071529
【0118】
ただし、傾きK1は、1に比較して小さく設定された値であり、クーロン摩擦などによって実反力トルクが変動しても、摩擦状態量摩擦状態量xSATの変動は小さいことを表している。
【0119】
(29)式によって更新された摩擦状態量が、実反力トルクから補正トルクを減じた補正後の実反力トルクを中心に摩擦トルクの幅の領域から出た場合には、摩擦状態量をその境界の値に制限し、これをSAT推定値とする。
【0120】
すなわち、SAT推定部28は、次の(30)式に従って演算する。
【0121】
【数26】
Figure 0004071529
【0122】
ここで、ハンドルの切り戻しが行われた場合、摩擦トルクの推定値が変化することがある。摩擦トルクが変化する現象は、図3で想定した摩擦トルク(水直路モデルのヒステリシスの幅)が間違っていたために、補正トルクの推定に誤差が含まれていた場合などに生じる現象である。そこで、SAT推定部28は、切り戻し時に摩擦トルクの推定値が変化した場合には、摩擦トルクの変化分を吸収するように補正トルクを修正する。このとき、補正トルクと摩擦トルクの和は、ハンドルの切り戻しの時点で変化しないようにする。
【0123】
具体的には、SAT推定部28は、右方向から左方向へのハンドルの切り戻しの際には、(31)式に従って補正トルクTcorrectを演算する。
【0124】
【数27】
Figure 0004071529
【0125】
また、SAT推定部28は、左方向から右方向へのハンドルの切り戻しの際には、(32)式に従って補正トルクTcorrectを演算する。
【0126】
【数28】
Figure 0004071529
【0127】
この結果、SAT推定部28は、ハンドルの切り戻し時にSAT推定値が不連続になることを防止すると共に、特に高グリップ状態では常にスリップ角に比例するSAT推定値を演算することができる。
【0128】
図4は、スリップ角に対する実反力トルクの関係を示す図であり、(A)はハンドル切り増し中の図であり、(B)はハンドル切り戻し直後の図である。ここでは、当初の摩擦トルクが、切り戻し時に推定した実際の摩擦トルクよりも大きい状態を想定した。
【0129】
同図(A)において、SAT推定部28は、実反力トルク、当初の摩擦トルク及び補正トルクに基づいて、SAT推定値を演算する。同図(B)において、SAT推定部28は、ハンドル切り戻し直後に摩擦トルクが前回値に比べて小さくなった時点で補正トルクを修正する。つまり、摩擦トルクが減少した分だけ補正トルクが増加しているる。したがって、次の(33)式が成立している。
【0130】
【数29】
Figure 0004071529
【0131】
この結果、SAT推定部28は、ハンドル切り戻し直後にSAT推定値が不連続になることを防止することができ、また、特に高グリップ状態では常にスリップ角に比例するSAT推定値を演算することができる。
【0132】
図5は、補正後の実反力トルク(Tr−Tcorrect)に対するSAT推定値TSATの関係を示す図であり、(A)は摩擦トルクの大きさを示す図、(B)はヒステリシス除去演算の概念を説明する図である。
【0133】
SAT推定開始時では、SAT推定値は、(27)式を表す直線L1、(28)式を表す直線L2のいずれかの上にある(A点)。つぎに、実反力トルクが増加すると、SAT推定値は、いずれかの直線L(図5では、直線L2)に沿って増加する(B点)。ここで、実反力トルクが減少すると、SAT推定値は、傾きK1で減少する(C点)。
【0134】
直線L1及び直線L2の間の領域では、実反力トルクの変動に対して、SAT推定値の変動が小さくなるように設定されている。これは、旋回時の保舵状態においては、ドライバが操舵力を多少変化させても、電動式パワーステアリング装置のクーロン摩擦などの影響によって、SAT推定値には影響が現れないことを示したものである。
【0135】
なお、C点から再び実反力トルクが増加する場合、SAT推定値は、傾きK1でB点に向かって増加する。また、切り戻しによりC点から更に実反力トルクが減少してSAT推定値が上限(直線L1)に達した場合には、SAT推定値は直線L1に沿って減少する。このような2種類の傾きの設定によってヒステリシス特性が除去される。
【0136】
(グリップ度推定部29)
グリップ度推定部29は、SAT推定部28で演算されたSAT推定値と、ブラッシュモデルのSATとに基づいて、横方向の摩擦力余裕に相当するグリップ度を推定する。なお、ブラッシュモデルのSATについては、車速感応フィルタ23でフィルタ処理されたスリップ角を用いて演算する。
【0137】
図6は、タイヤ発生力特性を理論解析によってモデル化したブラッシュモデルを示す図であり、(A)は横スリップに対する横力の関係を示す図、(B)は横スリップに対するSATの関係を示す図である。同図(B)において、線形モデルは、SATの原点勾配を図示したものである。なお、横スリップλyとスリップ角αについては、λy=tanαであるが、ここで議論するスリップ角αは十分小さいため、λy=αとみなすことができる。
【0138】
図7は、(SAT/線形モデル)に対するグリップ度の関係を示す図である。(SAT/線形モデル)は、図6(B)に示す任意の横スリップにおいて、SATを線形モデルの値で割ったである。図7によると、(SAT/線形モデル)はグリップ度に一致する。すなわち、SAT推定値からグリップ度を直接推定することができる。
【0139】
ここで、グリップ度は、「1−μ利用率」(=1−横加速度(対重力加速度)/μmax)であることから、ブラッシュモデルから路面μを推定することができる。
【0140】
具体的には、グリップ度推定部29は、(34)式に従ってグリップ度g(k)を演算する。
【0141】
【数30】
Figure 0004071529
【0142】
ただし、TSAT(k)はSAT推定部28で演算されたSAT推定値であり、αf(k)は車速感応フィルタ23でフィルタ処理されたスリップ角である。K0は、SATのスリップ角に対する原点勾配であり、図6(B)に示す線形モデルの傾きをスリップ角に対応させたものである。したがって、K0・αf(k)は、スリップ角αf(k)におけるブラッシュモデルのSATを表している。
【0143】
図8(A)は水直高μ路及びバンク走行時のスリップ角に対する実反力トルクの関係を示す図であり、(B)は水直高μ路及びバンク走行時のスリップ角に対するSAT推定値の関係を示す図である。同図(B)によると、バンク走行の補正が行われたSAT推定値は、スリップ角に比例する直線、つまり原点を通る直線となった。
【0144】
図9(A)は水直高μ路走行時の摩擦トルク、実反力トルク、補正トルク及び操舵角の経時変化を示す図であり、(B)はバンク走行時の摩擦トルク、実反力トルク、補正トルク及び操舵角の経時変化を示す図である。
【0145】
ここでは、実反力トルクは、左方向操舵時に発生するトルクを正の符号で表している。同図(B)におけるバンクは、左方向のカーブである。バンク進入時(5〜6[s]付近)に保舵した結果、カーブに沿って左に転舵しようとする負方向の実反力トルクが発生した。このような保舵中の実反力トルクの変化は、スリップ角0での実反力トルクの変化(縦方向の変化)として現れている。
【0146】
また、摩擦トルクは、切り戻しのたびに推定されている。ここでは、車両はすべて平滑路面を走行したため、摩擦トルクは4[Nm]付近の一定値になった。補正トルクは、水直高μ路ではほぼ0の値になったが、バンク路では操舵時に3[Nm]ほどの値になった。
【0147】
図10はグリップ度及び操舵角の経時変化を示す図であり、(A)は水直高μ路走行時の図、(B)はバンク路走行時の図である。グリップ度は、補正後のSAT推定値を用いて演算されたものである。同図によると、誤判定はなく、バンク路走行時であっても常に高グリップ状態を推定することができた。
【0148】
図11(A)は高μ路及び低μ路における30[km/h]走行時のスリップ角に対する実反力トルクの関係を示す図であり、(B)は高μ路及び低μ路における30[km/h]走行時のスリップ角に対するSAT推定値の関係を示す図である。なお、この実験は、平滑水直路面で行われた。同図によると、悪路とバンクに対応する補正(摩擦トルク、補正トルク)がグリップ度推定の基本性能に悪影響を与えないことを確認することができた。
【0149】
図12は、図11の実験の際における実反力トルク、摩擦トルク、補正トルク及び操舵角の推定結果を示す図であり、(A)は高μ路の場合、(B)は低μ路の場合を示す図である。同図によると、摩擦トルクは、ほぼ一定値(4[Nm])になった。補正トルクは、水直路に対応する値(0[Nm])になった。この結果、グリップ余裕のある高μ路のみならず、グリップの低下する低μ路においても、摩擦トルクや補正トルクを正確に推定することができた。
【0150】
図13は、グリップ度及び操舵角の経時変化を示す図であり、(A)は高μ路の場合、(B)は低μ路の場合を示す図である。特に低μ路走行時では、操舵角が大きくなった時のグリップ度の低下を適切に推定することができた。また、ハンドルの切り増し時に限らず、切り戻し時や保舵状態であっても、精度よくグリップ度を演算することができた。
【0151】
以上のように、第1の実施の形態に係るグリップ度推定装置は、操舵軸に作用する実反力トルクと、操舵系内部のクーロン摩擦等によって生じる摩擦トルクとに基づいて、SAT推定値を演算する。これにより、路面外乱によってクーロン摩擦の大きさが変化しても、その変化に対応して摩擦トルクを推定するので、路面外乱の影響を受けることなく精度よくSATを推定することができる。そして、SAT推定値を用いてグリップ度を演算するので、路面外乱の影響を受けずに高精度のグリップ度を推定することができる。
【0152】
また、グリップ度推定装置は、車速が高くなるに従ってカットオフ周波数が高く設定される車速感応フィルタ23,24を備えているので、車速が低い場合には路面からの低周波外乱に対応することができ、車速が高い場合には推定演算の応答性を確保することができる。
【0153】
さらに、グリップ度推定装置は、バンク路走行時では、操舵系の中立点の変化によって生じる実反力トルクの変化量を補正トルクとして演算することにより、SAT推定値を精度よく演算することができる。
【0154】
[第2の実施の形態]
つぎに、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同一の部位については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0155】
図14は、第2の実施の形態に係るグリップ度推定装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態では、ECU20は、図1に示した補正トルク推定部27に代えて、バンク走行時の補正スリップ角を推定する補正スリップ角推定部30を備えている。
【0156】
(補正スリップ角推定部30)
補正スリップ角推定部30は、バンク走行時の操舵の中立点変化によって生じるスリップ角の変化を検出し、これをバンク補正を行うための補正スリップ角として推定する。バンク走行時には、操舵系の中立点が変化する。スリップ角とSAT推定値との関係を用いてグリップ度を推定する場合、実際にはグリップ度が高いにもかかわらず、スリップ角がある程度の値であってもSAT推定値がゼロ付近の値になってグリップ度が低くなるおそれがある。
【0157】
そこで、補正スリップ角推定部30は、実反力トルクが摩擦トルクを超える操舵開始時のスリップ角からバンク走行時の中立点の変化をスリップ角の変化として検出し、この変化を補正スリップ角として推定する。
【0158】
図15は、水直路及びバンク路におけるスリップ角に対する実反力トルクの関係を示す図である。同図では、ハンドルを左方向に操舵する場合に生じる実反力トルク、スリップ角を正の符号で表している。
【0159】
操舵開始時の実反力トルクがクーロン摩擦に打ち勝つ時点の実反力トルクは、クーロン摩擦に埋もれるような値ではなく、かつ路面μに応じたグリップ低下の影響を受けるほどの大きな値ではない。実反力トルクとスリップ角の関係は、操舵系の中立点の変化のみ反映する。
【0160】
ここでは、操舵開始時の実反力トルクがクーロン摩擦に打ち勝つ時点のスリップ角から水直路を想定した場合に予測されるスリップと、現時点のスリップ角と、の差をバンクによって生じたスリップ角と判定し、この値を補正スリップ角とする。
【0161】
具体的には、補正スリップ角推定部30は、車速感応フィルタ23でフィルタ処理されたスリップ角αfと、後述のSAT推定値TSATを用いて、次の(35)式に従って補正スリップ角α1を演算する。
【0162】
【数31】
Figure 0004071529
【0163】
一方、SAT推定部28は、第1の実施の形態と同様にして、SAT推定値TSATを演算する。なお、(27)式、(28)式及び(30)式においては、補正トルクTcorrect=0を代入して、SAT推定値TSATを演算する。
【0164】
(グリップ度推定部29)
グリップ度推定部29は、車速感応フィルタ23でフィルタ処理されたスリップ角と、SAT推定部28で演算されたSAT推定値と、補正スリップ角推定部30で推定された補正スリップ角とに基づいて、横方向の摩擦力余裕に相当するグリップ度を推定する。
【0165】
具体的には、グリップ度推定部29は、(36)式に従って、グリップ度g(k)を演算する。
【0166】
【数32】
Figure 0004071529
【0167】
図16(A)は水直高μ路及びバンク走行時のスリップ角に対する実反力トルクの関係を示す図であり、(B)は水直高μ路及びバンク走行時のスリップ角に対するSAT推定値の関係を示す図である。同図(B)によると、バンク補正(補正スリップ角)によって、バンク路走行時のスリップ角は正方向に補正された。したがって、SAT推定値は、第1の実施の形態と同様に、スリップ角に比例する直線、つまり原点を通る直線となった。
【0168】
図17は、バンク路走行時におけるグリップ度及び操舵角の経時変化を示す図である。同図によると、第1の実施の形態と同様に、バンク路走行においても適切に高グリップ判定を行うことができた。
【0169】
以上のように、第2の実施の形態に係るグリップ度推定装置は、バンク路走行時において、操舵系の中立点の変化によって生じるスリップ角の変化量を補正スリップ角として演算することにより、SAT推定値を精度よく演算することができる。
【0170】
なお、本発明は、第1及び第2の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内で種々の設計上の変更を行うことができる。例えば、第1及び第2の実施の形態では、電動式パワーステアリング装置を用いてグリップ度を演算する場合を例に挙げて説明したが、油圧式パワーステアリング装置を用いることもできる。この場合、油圧式パワーステアリング装置の油圧等を計測して操舵トルク及びアシストトルクに対応するトルクを検出することで、上述した実施の形態と同様にしてグリップ度を推定することができる。
【0171】
【発明の効果】
本発明に係るセルフアライニングトルク推定装置は、操舵軸に加えられる反力トルクと、操舵系の内部摩擦に応じた摩擦トルクとに基づいて、セルフアライニングトルクを推定することにより、路面外乱の影響を受けることなく、ヒステリシス特性が除去された、高精度のセルフアライニングトルクを推定することができる。
【0172】
本発明に係る横グリップ度推定装置は、スリップ角に応じた基準モデルにおけるセルフアライニングトルクと、セルフアライニングトルク推定装置により推定されたセルフアライニングトルクとに基づいて、タイヤの横方向のグリップ度を推定することにより、路面外乱の影響を受けることなく、高精度のグリップ度を推定することができる。
【0173】
本発明に係る横グリップ度推定装置は、推定されたスリップ角と、操舵軸に加えられる反力トルクと、操舵系の内部摩擦に応じた摩擦トルクと、操舵系の中立点の変化に応じた補正量とに基づいて、タイヤの横方向のグリップ度を推定することにより、どのような路面を走行しても、路面外乱の影響を受けることなく、高精度のグリップ度を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るグリップ度推定装置の構成を示す図である。
【図2】反力トルク推定部によって推定された実反力トルクTrの経時変化を示す図である。
【図3】水直路及びバンク路におけるスリップ角に対する実反力トルクの関係を示す図である。
【図4】スリップ角に対する実反力トルクの関係を示す図であり、(A)はハンドル切り増し中の図であり、(B)はハンドル切り戻し直後の図である。
【図5】補正後の実反力トルク(Tr−Tcorrect)に対するSAT推定値TSATの関係を示す図であり、(A)は摩擦トルクの大きさを示す図、(B)はヒステリシス除去演算の概念を説明する図である。
【図6】タイヤ発生力特性を理論解析によってモデル化したブラッシュモデルを示す図であり、(A)は横スリップに対する横力の関係を示す図、(B)は横スリップに対するSATの関係を示す図である。
【図7】(SAT/線形モデル)に対するグリップ度の関係を示す図である。
【図8】(A)は水直高μ路及びバンク走行時のスリップ角に対する実反力トルクの関係を示す図であり、(B)は水直高μ路及びバンク走行時のスリップ角に対するSAT推定値の関係を示す図である。
【図9】(A)は水直高μ路走行時の摩擦トルク、実反力トルク、補正トルク及び操舵角の経時変化を示す図であり、(B)はバンク走行時の摩擦トルク、実反力トルク、補正トルク及び操舵角の経時変化を示す図である。
【図10】グリップ度及び操舵角の経時変化を示す図であり、(A)は水直高μ路走行時の図、(B)はバンク路走行時の図である。
【図11】(A)は高μ路及び低μ路における30[km/h]走行時のスリップ角に対する実反力トルクの関係を示す図であり、(B)は高μ路及び低μ路における30[km/h]走行時のスリップ角に対するSAT推定値の関係を示す図である。
【図12】図11の実験の際における実反力トルク、摩擦トルク、補正トルク及び操舵角の推定結果を示す図であり、(A)は高μ路の場合、(B)は低μ路の場合を示す図である。
【図13】グリップ度及び操舵角の経時変化を示す図であり、(A)は高μ路の場合、(B)は低μ路の場合を示す図である。
【図14】第2の実施の形態に係るグリップ度推定装置のECUの機能的な構成を示すブロック図である。
【図15】水直路及びバンク路におけるスリップ角に対する実反力トルクの関係を示す図である。
【図16】(A)は水直高μ路及びバンク走行時のスリップ角に対する実反力トルクの関係を示す図であり、(B)は水直高μ路及びバンク走行時のスリップ角に対するSAT推定値の関係を示す図である。
【図17】バンク路走行時におけるグリップ度及び操舵角の経時変化を示す図である。
【符号の説明】
11 操舵角センサ
12 車速センサ
13 操舵トルクセンサ
14 アシストトルクセンサ
20 ECU
21 スリップ角推定部
22 反力トルク推定部
23,24 車速感応フィルタ
25 操舵角速度検出部
26 摩擦トルク推定部
27 補正トルク推定部
28 SAT推定部
29 グリップ度推定部
30 補正スリップ角推定部

Claims (8)

  1. 操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
    操舵のアシストトルクを検出するアシストトルク検出手段と、
    前記操舵トルク検出手段により検出された操舵トルクと、前記アシストトルク検出手段により検出されたアシストトルクとに基づいて、操舵軸に加えられる反力トルクを推定する反力トルク推定手段と、
    前記反力トルク推定手段により推定された絶対値が最大になるときの反力トルクと、操舵系の切り戻し時の反力トルクとの差に基づいて、操舵系の内部摩擦に応じた摩擦トルクを推定する摩擦トルク推定手段と、
    前記反力トルク推定手段により推定された反力トルクと、前記摩擦トルク推定手段により推定された摩擦トルクとに基づいて、セルフアライニングトルクを推定するセルフアライニングトルク推定手段と、
    を備えたセルフアライニングトルク推定装置。
  2. 車速を検出する車速検出手段と、
    前記車速検出手段により検出された車速に応じたカットオフ周波数が設定され、前記反力トルク推定手段により推定された反力トルクに対してローパスフィルタ処理を施すローパスフィルタと、を更に備え、
    前記摩擦トルク推定手段は、前記ローパスフィルタで処理された反力トルクを用いて前記摩擦トルクを推定し、
    前記セルフアライニングトルク推定は、前記ローパスフィルタで処理された反力トルクを用いて前記セルフアライニングトルクを推定すること
    を特徴とする請求項記載のセルフアライニングトルク推定装置。
  3. 前記反力トルク推定手段により推定された反力トルクと、前記摩擦トルク推定手段により推定された摩擦トルクとに基づいて、操舵系の中立点の変化に応じた補正トルクを推定する補正トルク推定手段を更に備え、
    前記セルフアライニングトルク推定手段は、前記補正トルク推定手段により推定された補正トルクを更に用いて、前記セルフアライニングトルクを推定すること
    を特徴とする請求項1または2記載のセルフアライニングトルク推定装置。
  4. 前記セルフアライニングトルク推定手段は、操舵系の切り戻し前後の摩擦トルクの変化に応じて前記補正トルクを調整し、操舵系の切り戻し後の摩擦トルクと前記調整後の補正トルクとを用いて前記セルフアライニングトルクを推定すること
    を特徴とする請求項記載のセルフアライニングトルク推定装置。
  5. スリップ角を推定するスリップ角推定手段と、
    セルフアライニングトルクを推定する請求項1からのいずれか1項記載のセルフアライニングトルク推定装置と、
    前記スリップ角推定手段により推定されたスリップ角に応じた基準モデルにおけるセルフアライニングトルクと、前記セルフアライニングトルク推定装置により推定されたセルフアライニングトルクとに基づいて、タイヤの横方向のグリップ度を推定するグリップ度推定手段と、
    を備えた横グリップ度推定装置。
  6. スリップ角を推定するスリップ角推定手段と、
    操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
    操舵のアシストトルクを検出するアシストトルク検出手段と、
    前記操舵トルク検出手段により検出された操舵トルクと、前記アシストトルク検出手段により検出されたアシストトルクと、に基づいて、操舵軸に加えられる反力トルクを推定する反力トルク推定手段と、
    前記反力トルク推定手段により推定された絶対値が最大になるときの反力トルクと、操舵系の切り戻し時の反力トルクとの差に基づいて、操舵系の内部摩擦に応じた摩擦トルクを推定する摩擦トルク推定手段と、
    前記スリップ角推定手段により推定されたスリップ角と、前記反力トルク推定手段により推定された反力トルクとを少なくとも用いて、操舵系の中立点の変化に応じた補正量を推定する補正量推定手段と、
    前記スリップ角推定手段により推定されたスリップ角と、前記反力トルク推定手段により推定された反力トルクと、前記摩擦トルク推定手段により推定された摩擦トルクと、前記補正量推定手段により推定された補正量とに基づいて、タイヤの横方向のグリップ度を推定するグリップ度推定手段と、
    を備えた横グリップ度推定装置。
  7. 前記補正量推定手段は、前記補正量として操舵系の中立点の変化に応じた補正スリップ角を推定すること
    を特徴とする請求項記載の横グリップ度推定装置。
  8. 前記補正量推定手段は、前記摩擦トルク推定手段により推定された摩擦トルクを更に用いて、前記補正量として操舵系の中立点の変化に応じた補正トルクを推定することを特徴とする請求項記載の横グリップ度推定装置。
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