JP4070468B2 - ウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法に関する。本発明のγグロブリン(ヒト免疫グロブリンGすなわちIgG)を得るための出発原料は、抗体活性のある多価混合物を形成するヒト血漿のドナー(1000を超える)のプールに由来し、その個々の単位は感染性(HIV、B型、C型肝炎ウイルス)の典型的なマーカーに対して試験されている。
【0002】
【従来の技術】
γグロブリンの投与は筋肉内経路、または静脈内経路によってより効果的に実施することができる。この第2の経路には第1の経路と比較して、効率が良いことなどの大きな治療上の利点があるが、重大な副作用を引き起こす可能性がある。変性を助長せず純度が適度である条件において得られる生成物のみが、静脈内経路用に許容される。
【0003】
本発明の生成物の好ましく最も効果的な臨床用途は静脈内経路であり、その治療的徴候は、組成物および分子構造の性質が同等であるこのタイプの生成物(IgG)に関して認められる徴候である。IgGの最も一般的な治療的徴候は、以下の3つの一般的な病状のグループに限られる。すなわち、原発性免疫不全(体液性の応答の欠如)、続発性(すなわち、たとえばウイルス感染の結果としての後天性)免疫不全、自己免疫原の病状(自己抗体の発生)である。
【0004】
第1のグループに関して、本発明のIgGは一般的なさまざまな免疫不全、IgGのサブクラス群の欠如、IgAの欠如などに有用である可能性がある。第2のグループに属する最も一般的な病状は、ウイルスおよび細菌(HIVまたはヒト免疫不全ウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペス、帯状疱疹、B型肝炎ウイルスなど)、新生種などによる感染の結果として生み出される病状であろう。自己免疫成分を有する病状において同定されるIgGの徴候は常に増加しており、この中で顕著なのは血小板の破壊の原因となる、川崎病などの特発性血小板減少性紫斑病(ITP)である。
【0005】
γグロブリンの調製および注入に関する以前の例に関しては、これらは40年代末期の物質にさかのぼり、これらの物質はCohn(Cohn E.J.、Strong L.E.他)の知られている血漿分別の方法(Separation into Fractions of the Protein and Lipoprotein Components。J.Am.Chem.Soc.68、459−475;1946)によって生成され、その後Kistler−Nitschmann(Kistler P.およびNitschmann Hs.のLarge Scale Production of Human Plasma Fractions Vox Sang.7:414−424;1962)によって改質された。Cohnの血漿分別から得られる中間体物質から出発するOncley(Oncley J.L.他のJ.Am.Chem.Soc.71、541−550;1949)によって導入された他の精製によって、知られているCohn−Oncley法が生み出された。これらの方法はいずれも冷液中でエタノールを濃縮媒体として使用するので、Cohn−Oncley法はγグロブリンの一般的な精製方法として依然として効力がある。任意の初期の方法によって生成されるγグロブリンは、カラム中における高分解能ゲル濾過(HPLC)によって分析すると、分子量が大きい重合しまたは凝集した形の含有部分が非常に多い分子分布を示す。同様に、このようにして得られる液体状態によって、安定性、保存中に観察される乳光性または濁度、γグロブリン分子の破砕および重合、いくつかのより不安定な抗体の活性が低下する傾向、抗補体活性の特発的な発生などが与えられる可能性はほとんどない。
【0006】
静脈内注入によるγグロブリン分子の治療的な使用に関する問題点は、Cohn−Oncley法によって得られる第1の調製物(その多くの変異体を含めて)にさかのぼり、これによって特に静脈内注入を受けたγグロブリン患者において、非常に高い発生率で(症例の90%まで)拒絶反応(アナフィラキシー)が引き起こされた。記載した反応は、この経路によって治療された患者の補体の減少と関係があった(Barandun、S.他のVox Sang.1962;7:157−174)。
【0007】
γグロブリンを得るための方法中に生成されたタンパク質の変性の結果として、アルコール分別によって得られたγグロブリン、特に分子量の大きな形態を生み出し、補体を自由に固定する能力を有する抗体−抗原複合体として任意選択で作用するであろうγグロブリンの凝集体は、補体を自然に固定するための顕著な能力を有していることが観察された。
【0008】
従来的な技法によるγグロブリンの凝集体の分離によって、超遠心分離または排除クロマトグラフィ(ゲル中での透過)のいずれでも、静脈内経路によって許容される抗補体活性の低い生成物を得ることが可能である(Barandun他、前述)。しかしながら、超遠心分離またはゲル中での透過の技法を、γグロブリン数キログラム程度のバッチサイズの産業的な生成のためにスケールアップさせることはできない(超遠心分離の場合はグラムのスケールまでスケールアップさせることができない)。
【0009】
一方、分子量の大きな凝集した化合物がひとたびなくなるアルコール分別によるγグロブリンの生成によって、プロセスの最終操作中(殺菌、凍結乾燥)またはその保存中(液体の形での)に、その抗補体活性を容易に取り戻すことが可能である。
【0010】
Cohn−Oncley法(エタノールによる沈殿)によって得られる古典的な調製物(またはその変異体)の重大な欠点を回避するために、現在技術では、静脈内に注入するための生成物の安定性および耐性を改善する更なるステップを代用しているか、または取り込んでいる。
【0011】
Polson他(Polson、A.他のBiochim.Biophys.Acta、82:463−475;1964)は、エチレングリコールポリマーによってヒト血漿を分別するための方法を記載しており、その方法の全体を通じてγグロブリンの精製した画分を分離することが可能である。Coval、L.(米国特許第4093606号および第4165370号、それぞれ1976年および1978年の優先権を主張)は、Cohn分別(画分IIまたはII+III)から分離した物質から出発して静脈内γグロブリンを得るために、精製剤としてポリエチレングリコール(PEG)を取り入れている。その後、ポリエチレングリコールを用いる同等の精製方法が公開されており、Uemura Y.他によって開示された方法(1981年に出願された、スペイン特許第506679号)、またはこれもUemura Y.他によって発表された同様の方法であるが、唯一の違いは、ポリエチレングリコールを用いる精製の前または後にγグロブリンを含む物質について任意に低温殺菌を行うことである同様の方法(欧州特許第0246579号、1986年の優先権を主張)などがある。有機溶媒および洗浄剤を用いるウイルス不活性化の化学的方法もこれと関係があり、脂質コーティングを有するウイルスに対して非常に効率的であり、Neurath他(米国特許第514375号)によって、ヒト血漿から誘導されるタンパク質に適用されている。
【0012】
ペプシン(スペイン特許第86115016号およびフランス特許2382M)、プラスミン(ドイツ特許第2752694号)、固定型トリプシン(スペイン特許P0530592)などの酵素による処理を使用して、または適度な酸性pHにおける処理(Acta Chemica Scandinavica、22:490−496;1968)(Barandun S.他、前述)によって、静脈内投与に許容可能なγグロブリンを得るための方法が記載されている。
静脈内投与に許容可能なγグロブリンを得るために記載されている他の方法は、IgG分子を化学的および部分的に改質し、これらの分子を還元剤で処理すること(Wiederman他、Proc.Soc.Exp.Biol.Med.、113:609−613;1963)、アルコール化(スペイン特許第412552号)、アルキル化(スペイン特許第0533908号)、およびスルホン化(Yamanaka T.他のVox Sang.、37:14−20;1979)に基礎を置いている。
【0013】
イオン交換クロマトグラフィに基づいて、γグロブリンを得るために使用される出発原料から望ましくない汚染物質を除去する方法が記載されている(米国特許第3869436号、スペイン特許第518181号、EP91300790、およびWO94/29334)。Sarno M.E.他(欧州特許第0440483号)は、弱酸性pHでのイオン交換クロマトグラフィおよびダイアフィルトレーション(diafilteration)に基づく、生成物の静脈内の調製を助長するために有用な技術を組み合わせたものを開示している。
【0014】
調製物の最終的な調合は、生成物の適切な安定化のために特に重要である。凍結乾燥した調製物は、生成物がその保存中にわずかな変化しか示さない場合に現況技術によって当初許容されたものである。血清アルブミンの存在下で炭水化物、ポリオール、グリコールまたはその誘導体、アミノ酸を使用して、主に凍結乾燥操作(スペイン特許第525246号)中のγグロブリンの変性に対する保護性を与える、静脈内投与に許容可能な凍結乾燥した生成物の組成物が発表された。
【0015】
さらに最近、イオン強度が非常に低くpHが4.25である水性媒質中において(米国特許第4396608号)、または弱酸性pH5〜6において(欧州特許第0278422号)、炭水化物を使用する安定した液体調合物が開示されている。
【0016】
したがって、現況技術によれば、今日まで市場に出ている静脈内γグロブリンは以下にあげる3つのグループのうちの1つに属し、これらは基本的にその調製方法によって区別される。
【0017】
第1の族、すなわち酵素(ペプシン、トリプシン、プラスミンなど)を用いる方法によって得られるもの。
第2の族、すなわち化学的に改質されたもの(還元、スルホン化、アルキル化、β−プロピオラクトンによる処理など)。
第3の族、すなわちIgGの無傷の分子に対応するもの(低pHにおけるダイアフィトレーション、クロマトグラフィ、ポリエチレングリコールを用いる沈殿、酸性pHおよび低イオン強度における調合)。
【0018】
現在の調製物を静脈内に投与することによって重大なアレルギー反応が引き起こされるわけではないが、調製物にはそれぞれある種の治療上の欠点、不便さまたは禁忌がある。したがって酵素によって処理した生成物は、正常なγグロブリンG(20〜25日)よりも体外での平均半減期が短く(約8日)、オプソニン作用能がなく(Fcフラグメントが存在しない)、断片化(framentation)を示したりサブクラス群IgG3およびIgG4の量が非常に限られたりする可能性がある。
【0019】
化学的な改質によって得られるγグロブリンは、体外での平均半減期(10〜15日)が生理学的な半減期未満であり、オプソニン能または容量および分子の無欠性を維持しているが、処理方法に応じてその溶菌容量が減少し、新しい抗原決定基を形成する可能性がある(β−プロピオラクトンによる処理によって)。
【0020】
ごく最近、IgG分子の変性を避ける方法によって、無傷でもとのままのγグロブリンが得られている。開発された生産方法はエタノールを用いる分別法と結びつけることができる場合もあり、したがって、たとえばCohn、Cohn−OncleyまたはKistler−Nitschmann法によって分離された、γグロブリンが豊富な画分の1つを、出発原料と考えることが可能である。
【0021】
今日までに開示された方法によれば、無傷のIgGを調製するためには、酸性pHで適度に処理すること、酸性pHでダイアフィルトレーションすること、低イオン強度およびpH4.25でIgG分子を安定化することが、頼みとなる重要な手段である。このような方法では、凝集した形のIgG(高分子量ポリマーおよび二量体までの中間体オリゴマーおよび二量体を含む中間体オリゴマー)のレベルを低下させることは任意的であり、モノマーIgGの割合は増大する。pH4.25における最終的な液体調合物は、保存中にIgG分子が再凝集するのを阻害し、抗補体活性のレベルが充分に低い溶液中で安定状態が保たれる(ただし2℃〜8℃の保存温度においてのみ)。
【0022】
もっぱら酸性化処理によって得られる液体調製物が抱える主な問題点は、pHの低下によって誘導される抗補体活性を阻害する効果が可逆的であることであり、媒質のpH条件を生理的値またはそれに近い値に再び設定すると前記活性は再び取り戻される。一方、このような酸性pH値(pH4.25)において調合された多量のγグロブリン調製物を、静脈内に注入することの無害性は充分に疑わしい(特に新生児および腎臓障害のある患者において)。
【0023】
他の精製方法では、陽イオンおよび/または陰イオンイオン交換樹脂が使用され、CohnまたはCohn−Oncleyによるエタノール分別の中間体の調製物(画分II+IIIまたは好ましくはII)から生じる溶液に、または血漿プールに直接イオン交換樹脂が加えられ、エタノールによる分別を回避する。このようにして精製されるγグロブリンは、初期酸性化方法のγグロブリン(中間体または調合中の)、またはγグロブリンの液体調合物に関する他の同等な方法のγグロブリンと結合させることができ、それ以外の場合は凍結乾燥させた形でその安定性を保つべきである。
【0024】
従来技術によって使用されるイオン交換体は、強陰イオンタイプ(第四級アンモニア−エチル:QAE)および弱陰イオンタイプ(ジエチルアミノエチル:DEAE)のリガンド、または強陽イオン(スルホプロピル:SP)および弱陽イオン(カルボキシメチル:CM)のリガンドからなる。リガンドは不溶性担体またはマトリックス上に共有結合的に固定され、その組成はシリカ(セラミックス)、アクリル(ポリアクリルアミド、ポリスチレン)、炭水化物(セルロース、デキストラン、アガロース)であってもよい。とりわけ、デキストラン(Amersham−PharmaciaのSephadex)またはアガロース(Amersham−PharmaciaのSepharose)によって形成されるものが、最も効率的で最も使用されている。しかしながら、これらは従来技術によって依然として改善されていないいくつかの欠点を有しており、そして、場合に応じて、汚染タンパク質を効果的に分離するのに多量の樹脂が必要であり、γグロブリンGの回収とサブクラス群(本質的にIgG4)の適正な分布に対する影響に関連する。精製(汚染タンパク質の除去:IgA、IgMおよび他のもの)とIgG(IgG4)の回収の間で生み出される妥協的な状況は、場合に応じて一方の側または他方の側に都合の良いように解決される。したがって、市場に出ているγグロブリンの効能および治療的品質はそれぞれ大きく異なる可能性があるからである。
【0025】
PEGを用いる血漿の分別によって、または中間体Cohn画分または画分II+IIIなどの均等物から出発するPEGを用いた沈殿によって、静脈内に投与することができる凍結乾燥したγグロブリンを得ることが可能であるが、液体状態では安定性が不十分であることが証明される可能性がある。中間の低温殺菌処理が含まれる場合(PEGを用いて沈殿させる前に)には、主に不安定なタンパク質が存在するために、安定剤(たとえばソルビトールなど)が存在する場合も含めて、かなり多くの分子の凝集が生じる。後の段階において高度凝集体を完全に除去しなければならないので、これによって生成物の回収率が大幅に低下することになる。より精製された画分(画分II、または均等物)から出発する場合には、出発原料中に存在するかまたは低温殺菌によって生じる高分子量凝集体は、現在開示されている技法によって設定される条件下でPEGを用いて沈殿させることによっては、本質的に分離することはできない。これらの条件は、pH4〜6でPEGの濃度が4〜5%(Coval L.、前述)、pH4.8〜6.5でPEGの濃度が4〜10%(Uemura Y.他、前述)であり、γグロブリンが、高分子量凝集体と共に沈殿する能力を有する他の付随タンパク質の存在下(たとえば画分II+IIIの存在下)に存在するときのみこれらは有効であろう。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、ウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法を提供することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】
γグロブリンを炭水化物の存在下でエタノールを用いた分別によって単離した画分から抽出し、PEGを用いて汚染物質の含有量を減少させた後、γグロブリンをカラム中の陰イオン交換樹脂に適用し、続いて限外濾過によってPEG含有量を減少させ、酸性pHにおける任意の処理と低温殺菌処理および溶媒/洗浄剤を用いる処理からなるその後のウイルス不活性化ステップの少なくとも1つとを順次に行うために濃縮した流出液を得て、その後PEGを用いて生成物を沈殿させ洗浄してあらゆる化学的ウイルス不活性化試薬を除去し、次いで可溶化しpHおよびタンパク質の汚染物質を変化させることによって、最終的に限外濾過によって精製して体積およびPEG含有量を減少させ、次いで任意のウイルス濾過を行い、濃度をタンパク質値5%または10%にする。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の方法は本技術分野の現況を実質的に大幅に改善する。なぜなら本発明について詳細に述べられた的確な条件下で行われる方法ステップの革新的な組み合わせによって、最も感度の良い分析技法を使用することにより、分子の無欠性またはIgGサブクラス群の分布および回収を害さずに、補体を自然に固定するための小さな能力または容量を維持しながら、検出可能なタンパク質汚染物質がほとんどないγグロブリンが生成される結果となるからである。
【0029】
ウイルス伝播の潜在的な危険性に関する、生成物の安全性は、本出願人がここに記載した方法において最大である。ここには、糖−アルコール(たとえばソルビトール)および/またはトリ−n−ブチルリン酸塩(TnBp)およびポリソルベート−80(Tween−80)またはその均等物を伴なう溶媒−洗浄剤の存在下における低温殺菌の方法が、効率が良く相補的である、制御されたウイルス不活性化の主なステップとして、導入されている。これらのステップには、酸性pHにおける任意の前処理であるウイルス撲滅操作が加えられており、主たる不活性化ステップに進む前に、これによってウイルス含有物が除去または弱毒化される。酸性pHにおける処理中にウイルスを保持するために生成物の溶液をナノ濾過すること、または好ましくは最終的な濃縮および調合前に大量にダイアフィルトレーションすることも可能である。
【0030】
ウイルス除去のための前述の方法を組み合わせることによって、ウイルスに対する安全性が最大である生成物が提供され、その組み合わせた技術は、単一の個々の不活性化ステップを用いる現況技術に優り、そして連続的に、したがって単一の不活性化ゾーンまたは単一の安全レベルにおいて、本発明の方法のステップ(任意に4つまで)を行うことができるという大きな産業上の利点を有する。
【0031】
驚くべきことに、Cohnアルコール分別物(好ましくは画分II+III)の中間体物質から出発すると、希釈体積、pHおよびイオン強度に従ってIgGの抽出に関する条件を調整し、炭水化物(好ましくは糖−アルコール)の存在下でほぼすべてのγグロブリンを抽出すること、およびPEGを用いた沈殿によって大部分の付随タンパク質を分離することは任意的であることを本発明者は発見した。結果として生じた上澄み(濾過液)は粒子およびコロイドのない液体であり、これによってイオン交換カラム中でのその後の効率の良い吸着が任意選択的となり、結果として生じた流出液は望ましくない汚染物質(IgA、IgM、タンパク質分解酵素など)を実質的に含まず、しかもIgGの収率またはサブクラス群の分布を害することもなかった。
【0032】
さらに驚くべきことに、本発明者は、充分に精製されたカラム流出液中では、また本発明に適した特定の条件下では、限外濾過によって存在する残存PEGおよびエタノールを大幅に減少させること、および所望のタンパク質を濃縮させることことは任意選択的であることを証明した。これによって、その後のウイルス不活性化処理(酸性pHにおける任意の処理、低温殺菌、溶媒/洗浄剤)を1つに結びつけることが可能になり、大きな変性(粒子およびコロイド形成がないことによって検出可能)も、また凝集(分子量の大きなわずか1〜2%の可溶性ポリマー)も引き起こすことがなかった。このポリマー含有量の低下は、低温殺菌より前に行われる全操作中で溶液を安定化させるある炭水化物(他の成分中の)の存在に起因する。
【0033】
非常に驚くべきことに、本発明者は、前のステップに加えられる溶媒/洗浄剤によるウイルス不活性化の試薬を除去しまたは減少させる従来技術が開示した方法とは異なる方法を発見したが、この発見は、PEGを用いてγグロブリンを沈殿させること、そして溶液中に希釈した化学薬品を低温に維持して菌糸体含有量を低下させるのを助長することを基礎としている。次いで接面での流動ミクロ濾過よって沈殿物を分離し、その直後に前記試薬を完全に取り除くために保持していた物質を洗浄する。沈殿物を適切な溶液と接触させることによって、物理的操作を必要とせずに、同じミクロ濾過装置中で直接可溶化する。
【0034】
記載した方法によって得られる溶液は、わずか1〜2%のポリマーしか含まなかったが、静脈内投与に許容可能であるとはみなされなかった。本発明者は、驚くべきことに、PEGおよび炭水化物(以前に加えた)が特定の濃度に達するように前述の可溶化した沈殿物を適切に希釈することによって、特定のpH範囲に達したときに高分子量凝集体は不溶化し、これらは溶液内の大部分のモノマーおよび二量体から完全に分離することを観察した。炭水化物(好ましくは糖−アルコール)の濃度およびPEGの濃度が、IgGのモノマー/二量体の共沈殿を避けるため、および溶液中の最大IgGを回収するための決め手となることが証明された。形成された沈殿は、接面でのミクロ濾過または従来的な濾過によって容易に分離することができた。本発明の一部を形成する実際のプロセス条件下で限外濾過によってダイアフィルトレーションされた、凝集体のない生成濾過液は、ウイルス保持膜によって任意に濾過することができる生成物をもたらした。また、この生成物は、最終的には、この方法中で加えた化学薬品が存在しないか、またはごく少量しか存在しないように、濃縮することができた(γグロブリン5%または10%まで)。
【0035】
本発明の方法は、前述した市販のγグロブリンがもつ一般的な欠陥を完全に改善することによって現況技術に優る。(IgGの濃度が10%で)得られるγグロブリンには、以下のものがほとんど存在しない(または検出することができない)。ポリマーまたは高分子量凝集体(モノマー+二量体>99%、好ましくは>99.9%);γグロブリンの異なるタンパク質汚染物質;IgA(<0.003mg/ml);IgM(<0.002mg/ml);PKA(<2.77IU/ml)およびカリクレイン;プラスミンおよびプラスミノゲン;アルブミン;トリ−n−ブチルリン酸塩(<3.6ppm);ポリソルベート−80(<50ppm);PEG−4000(<500ppm)。このγグロブリンは不安定なサブクラス群IgG3およびIgG4の含有量が高く、また分子の無欠性(Fcフラグメント>100%)が高く、補体が自発的に活性化するための能力が小さい(ACA<1 CH50/タンパク質1mg)。ソルビトールによる液体調合物は、少なくとも2年間、2℃〜8℃および25℃までの両方で安定性がある。優れた生成物特性と共に、血漿の誘導体によるウイルス伝播の危険に関して最大限の安全性が提供され、溶媒/洗浄剤の潜在的な不活性能力、低温殺菌、酸性pHにおける任意のインキュベーション、および任意のウイルス濾過(ナノ濾過)、ウイルス量を減少させることに貢献するプロセスステップ(エタノールを用いた沈殿、PEGを用いた沈殿、イオン電荷の吸着など)が考えられる。一方、この方法全体は適切な装置中で5日未満の日数で行うことができ、IgGの最終的な収率は最初の血漿1リットル当たりで4.5gを超える可能性があることを指摘することが重要である。
【0036】
本発明の方法を、以下で詳細に説明する。
本発明の方法は、ヒト血漿のエタノール分別によって得られるIgGの豊富な沈殿物から、好ましくはCohn法の画分II+IIIから出発する。前記沈殿物の1キログラムを、好ましくは溶液当たり5kg〜25kgの割合で、炭水化物、好ましくは糖−アルコール、より好ましくはソルビトールを2%〜10%の濃度(w/v)含む水溶液に懸濁させる。画分II+IIIの水性懸濁液のpHが4.8と5.8の間にあり、伝導率が2mS/cmを超えないような濃度で、リン酸塩および酢酸イオンをpHバッファーとして使用することが好ましい。最小限の撹拌時間の後、この場合1時間より長いことが好ましいのであるが、2.5%〜5.5%の濃度範囲(w/w)で、2℃〜8℃の好ましい温度で、みかけの分子量が好ましくは4000であるPEGを用いて、IgGを付随する抽出したグロブリンの大部分を沈殿させる。その直後、沈殿物の分離を行う前に、懸濁液の濾過性を高めるように、たとえばベントナイトなどの脂質およびリポタンパク質の吸着剤、たとえば好ましくはHyflo−supercelまたはCelite(両方ともJ.Manvilleによって市場に出されている)またはその均等物などの、濾過用共アジュバンド剤を加えることが好ましい。得られる濾過液の濁度が5NTU(比濁計の濁度単位)未満であるように、デプス(depth)セルロースフィルタシートまたはプレート(グレードはCunoブランドの50SA、またはSeitzブランドのKS−80またはK−200、または均等物)を使用して、形成される沈殿物を圧力濾過によって保持することが好ましい。所望により、遠心分離および濾過することによって、沈殿物を1つにした形で分離することができる。圧力濾過によって沈殿物が保持される場合、沈殿物を調整する条件と均等になるようにPEG、リン酸塩−酢酸塩イオンの濃度およびpHを調整した、適切な溶液で沈殿物を洗浄することができ、これによってIgGの回収率の増大が助長される。
【0037】
好ましくは水酸化ナトリウムの希釈溶液を加えることによって、得られる濾過液を5.7と6.3の間のpHとし、イオン交換カラムに注入することによって清澄化を施す。
【0038】
イオン交換カラムは、陰イオンのリガンド、好ましくはジエチルアミノエーテル(DEAE)のものを有し、アガロースの不溶マトリックス、または好ましくはDEAEアガロースおよびSepharoseとして商業的に知られているもの、好ましくは動的能力が高いもの(FFすなわち高速で流れる)に結合した樹脂を含む。使用するカラムは放射状流分配タイプであり、長さ(すなわち床からの高さ)が8cmと15cmの間であることが好ましい。最初の出発原料(好ましくは画分II+III)と同等の導入量が好ましくは樹脂1ml当たり1gと2.5gの間であるように、溶液を排出する前に、好ましくは1時間当たりでカラム体積の4倍未満の流速に、樹脂が充填されているカラムに注入する濾過液を調整する。溶液の装入がひとたび完了した後、イオン強度およびpHが前に注入した生成物の溶液と同等な、カラムの2.5〜4.5倍の体積の溶液でカラムを洗浄することが好ましい。
【0039】
PEG含有量を低下させタンパク質の適切な濃度を得ることによって、装入および洗浄中の、またはカラムから取り除かれた液体流出液(非吸着画分)を限外濾過して、ウイルス不活性化に続くステップを行う。好ましい限外濾過膜は100kDaの見かけの分子断片を有し、商業ブランドMilliporeまたはPall−Filtronのポリスルホン(またはその誘導体)で構築されていることが好ましい。最初に、弱酸(たとえば希釈酢酸)を加えることによって、溶液を5.0と5.5の間のpHに調整し、2℃〜8℃の温度に維持し、好ましくは1.5バール(150kPa)と2バール(200kPa)の間の膜間圧力で濾過を開始する。体積を好ましくは最初の体積の半分に減少させた後、好ましくは注入用の水の1〜3倍の体積を使用して、好ましくは一定体積でダイアフィルトレーションを行う。次いで鉱酸を添加することによって、溶液のpHを4.0〜4.8、好ましくは4.2と4.6の間にする。膜間圧力を1.2バール(120kPa)未満の値、好ましくは0.5バール(50kPa)と1.0バール(100kPa)の間に調整し、現在の体積を半分に減少させることによって所望により再び濃縮を行う。好ましくは糖−アルコール、より好ましくはソルビトールを2%〜10%の濃度(w/v)含み酢酸を用いてpH4〜5に調整した溶液を3倍以上の体積加えることによって、ダイアフィルトレーションを行う。最後に、必要とされる値、好ましくは45AU(吸収単位)を超える光学濃度(280nmでの)までタンパク質の濃縮を行い、その後好ましくは0.22ミクロンの絶対膜を使用して濾過によって滅菌する。所望により、滅菌し安定化させた溶液を(元来はダイアフィルトレーション溶液の糖−アルコールを含む)、2℃〜8℃の温度で長期間保存することができる。
【0040】
この方法を続けるにあたって、2℃〜8℃の温度において希釈鉱酸をゆっくりと添加することによって、2℃〜8℃に冷却した溶液を任意選択で酸性pH、好ましくは3.75と4.25の間にすることができる。任意にpH調整した溶液を2℃〜40℃で0.5時間〜48時間、より好ましくは3.95と4.05の間のpH、35℃〜38℃で1時間〜4時間、ダイアフィルトレーション前に加えられる2%〜10%(w/v)の糖−アルコール、好ましくはソルビトールの存在下でインキュベートすることが好ましい。これも任意に、たとえば酸性pHでの処理中に、好ましくは孔サイズが15nm〜50nmである、たとえば50nmフィルタ(PallブランドのDV50)、35nm(AsahiブランドのBMM−Planova 35N)、20nm(PallブランドのDV20)、15nm(AsahiブランドのBMM−Planova 15N)、または均等な孔を有するものなどのナノメートル孔の膜を介して、溶液をウイルス濾過することができる。
【0041】
酸性pHでの任意の処理が終了するとき、温度は2℃〜8℃になり、好ましくは希釈強塩基を加えることによって溶液はアルカリ性になり、pHは4.7と5.2の間の値に達する。その直後、炭水化物(好ましくは糖−アルコール、より好ましくはソルビトール)を安定剤として加え、好ましい最終濃度は25%と35%の間(w/w)である。低温殺菌は、好ましくは両方の場合とも、60℃〜62℃で10〜12時間行うことが好ましい。
【0042】
次いで、炭水化物(すなわち好ましくは糖−アルコール)の濃度が25%(w/w)未満になり、タンパク質が1%と3%の間(w/v)になるまで、溶液を注入用の水で希釈する。ひとたび溶液を室温に冷却し、溶媒/洗浄剤の混合物の濃縮溶液を加え(アルキル−リン酸塩試薬および非イオン性洗浄剤によって形成されることが好ましく、トリ−n−ブチルリン酸塩およびポリソルベート−80によって形成されることがより好ましい)、その結果最終濃度(w/v)はそれぞれ2つの試薬の0.3%および1%であることが好ましい。好ましくは両方の場合とも、24℃〜28℃で4〜8時間、インキュベーションを行うことが好ましい。(ウイルス不活性化溶液はこのときから不活性化生成物用の排他的ウイルス安全エリアにあるはずであり、この中で残りの操作を行う)。
【0043】
その後溶液を注入用の冷水で希釈し、好ましくは溶液の1キログラムについて1キログラム〜2キログラムの水を加え、充分な量のPEG(分子量4000であることが好ましい)を加えることによって存在するほぼすべてのタンパク質を沈殿させ、溶液をPEG濃度12%〜17%の最終濃度(w/w)にし、2℃〜8℃の好ましい温度においてpHを7.0と9.0の間、好ましくは7.8と8.4の間にあらかじめ調整する。充分な均質化時間の後(撹拌による)、好ましくは1時間を超える時間の後、任意にそのままの状態にしておくこともできるが、接面流動型濾過(TFF)膜を有する装置中で沈殿物の保持を開始する。特に、分離されている濾過された液体は、前の溶媒−洗浄剤ステップにおいて使用される不活性化試薬を含む。好ましい接面濾過膜は、Milliporeブランドのフッ素化ポリビニリデン(PVDF)(Prostak構造または均等のモデル)で構築されているものである。溶液が含む試薬に匹敵するポリスルホンなどの他の物質を、PVDFの代わりに任意に使用することができる。濾過膜の孔サイズは0.1ミクロンと0.45ミクロンの間であることが好ましい。濾過液の分離は、1.5バール(150kPa)未満の膜間圧力で行う。
【0044】
ひとたび最初の懸濁液の体積を好ましくは1/4〜1/8まで減少させ、PEG(好ましくは前の沈殿で使用したものと同じ濃度のPEG)、好ましくは低温殺菌において使用したものと同じ炭水化物(好ましくは5%〜20%の濃度(w/w)の糖−アルコールであることが好ましい)を含む溶液を一定体積加えることによって、保持している沈殿物の洗浄を開始する。前述の洗浄溶液を好ましくは4〜6倍の体積使用した後、pH5.5未満の酸性溶液で残渣を可溶化し、これは前のステップにおいて使用したものと同じ炭水化物を含むことが好ましい。溶液は1mM〜10mMの酢酸によって形成されることが好ましく、これに好ましくは5%〜20%の濃度(w/w)の糖−アルコールを加え、アルカリを用いてpH4.0〜4.5に調整する。溶液の温度は37℃を超えず、2℃と8℃の間であることが好ましい。残りの懸濁液の2.5〜4.5倍の量を可溶化するために、一定量の酸性溶液を加える。このようにしてPEGの最終濃度(w/w)は2%と4%の間、好ましくは2.8%と3.4%の間であり、糖−アルコールは好ましくは5%と20%の間である。可溶化溶液は、沈殿が完全に溶解されるまで、再循環によって保持されている沈殿と接触して残る。
【0045】
希釈水酸化アルカリまたは許容可能な弱塩基を加えることによって、可溶化した生成物を7.5と8.5の間、好ましくは7.8と8.3の間のpHにし、好ましい温度は2℃〜8℃である。均質化の後、形成された沈殿を好ましくは前に使用したものと同じTFF装置によって分離し、当該の生成物として濾過液を回収する。他の処理法は、TFF装置を膜の使い捨てフィルタ、プレートまたは多層カートリッジ(デプス)に置き換えることである。
【0046】
高分子量凝集体および溶媒/洗浄剤の試薬の大部分がない得られる濾過液を、希釈酸を加えることによって5と6の間のpHにすることが好ましい。
【0047】
PEGおよび他の低分子量化合物の含有率を低下させ、生成物を最終調合物に調整するためのタンパク質の適切な濃度を得ることによって、溶液を限外濾過する。好ましい限外濾過膜は100kDaの見かけの分子断片を有し、商業ブランドMilliporeおよびPall−Filtronのポリスルホン(またはその誘導体)で構築されていることが好ましい。好ましくは1.5バール(150kPa)と2バール(200kPa)の間の膜間圧力で限外濾過を開始する。体積を好ましくは最初の体積の1/2〜1/3に減少させた後、好ましくは注入用の水の1倍の体積を使用して、一定体積でダイアフィルトレーションを行う。次いで希釈鉱酸を添加することによって、溶液のpHを4.0〜4.8、好ましくは4.2と4.6の間にする。膜間圧力を1.2バール(120kPa)未満の値、好ましくは0.5バール(50kPa)と1.0バール(100kPa)の間に調整し、現在の体積を最初の体積の1/2〜1/3に減少させることによって溶液を再び濃縮する。糖−アルコール、より好ましくはソルビトールを2%〜10%の濃度(w/v)含み酢酸を用いてpH4〜5に調整した溶液を5倍以上の体積加えることによって、ダイアフィルトレーションを行うことが好ましい。ダイアフィルトレーションし好ましくは1%〜3%(w/v)のタンパク質に濃縮した前の溶液を、必要があればpH4.4〜5.0に調整し、好ましくは25±5℃に加熱する。その後、ナノメートル孔がみかけで50nm以下である保持膜によって、任意選択のウイルス濾過を行う。みかけで約20nm以下(PallブランドのDV20)であり、タンパク質の回収率が90%を超え、24時間未満の方法時間中の濾過領域1平方メートル当たり1キログラムを生産性が超えるものが好ましく、タンパク質の回収率が80%を超え(いずれもAsahiブランドであるBMM−Planova 15NまたはP21、MilliporeのVNF「Parvo」)、みかけで15と20nmの間の範囲のものも好ましい。
【0048】
最後に、100kDaまたはより小さいサイズのみかけの分子断片を用いる限外濾過によって、必要とされる値(最終的な光学濃度(280nmでの)は約75AUであることが好ましい)までタンパク質を濃縮して、5%のIgG濃度、すなわち10%の濃度について約150AUを得る。
【0049】
ダイアフィルトレーション溶液の安定剤(糖−アルコール)の濃縮によって適切に調合される溶液をpH5〜6にし、デプスフィルタ(Cunoブランドのグレード90LA、または均等物)によって清澄化する。0.22ミクロン膜を使用する絶対濾過によってこの溶液を滅菌し、次いでガラス容器に盛る。生成物を25℃で15日間の最小限の検疫に通し、この溶液は透明であり目に見える粒子が存在しないことを示す。この生成物は2℃〜8℃および25℃までの温度で安定性がある。
本発明に関する非限定的な情報によって、適用のいくつかの実施例を以下に記載する。
【0050】
実施例1
Cohn法に従って得られた分画II+IIIペースト(バッチ番号9003;出発血漿1490.9リットルに相当)90.0kgを、5mMリン酸二ナトリウムおよび5%(w/v)のソルビトールから生成され、0.5M酢酸23.0リットルを加えることによってpH4.83に調整された抽出溶液1323kgに懸濁した。1時間の撹拌の後、0.5M酢酸1.4リットルを加えることによって懸濁液のpHを5.05に調整し、2℃と6℃の間でさらに2時間撹拌させた。pHが変化しないこと、および導電率が1.05mS/cmであることを確認した。次いで、十分に撹拌しながら、PEG−4000溶液(50%)135.5kgを加えた。その直後にベントナイト3600gを加え、0.5M酢酸2リットルによりpHを5.03に再調整した後、4時間放置して全体を沈降させた。濾過による沈降物の分離を実行する直前に、撹拌しながら、懸濁液1kg当たり32.5gの割合でハイフロスーパーセルを加え、沈降物を保持するのに適当なプレスフィルタを用い、デプスプレート(depth plate)(Cunoブランド、等級50SA)を通して混合物を直ちに濾過した。一方では、合計1768kgの濾液(後洗浄液が含まれる)が集まり、この濾液は透明でわずかに黄色がかっており、吸光度(280nmにおける)は8.38AUで濁度は2.7NTUであった。他方では、沈降物188.3kgが得られ、これは捨てた。
【0051】
上記濾液を、0.5M水酸化ナトリウム8000mlを加えることによってpH5.92に調整すると、得られた溶液の導電率は1.113mS/cmであった。
【0052】
十分に前もって、およそ10〜12cmの層厚で放射状に充填されたDEAE−セファロースFF樹脂(Amersham−Pharmacia製)50リットルの入ったラジアルフローイオン交換カラム(Sepragenブランド)を調製した。生成物の溶液に等しいイオン強度およびpHを有する酢酸ナトリウムおよび酢酸の溶液でカラムを平衡化した。次いで、生成物の溶液を、処理時間が12時間18分となるような流速でカラムに注入し、添加中にインラインで濾過した。最後に、平衡溶液180kgで後洗浄を行った。合計1930kgのカラム溶離液(吸着されない分画)が集められ、これは唯一のタンパク質成分として基本的にIgGを含み、5.99のpH、1.081mS/cmの導電率、2.4NTUの濁度、および6.95AUの吸光度(280nmにおける)を有していた。
【0053】
0.5M酢酸13リットルを加えることにより、この溶液をpH5.19に調整し、1.95〜2.20バール(195〜220kPa)の膜間圧力および約4℃の温度でBiomaxA−2ブランド(Millipore製)の100kDa分子カットオフの膜による限外濾過により1030kgまで濃縮し、吸光度(280nmにおける)0.150AU未満の濾液を捨てた。その直後、注入用の水2054kgと共に一定容積でダイアフィルトレーションを行うと、保持された溶液の最終的な導電率は0.164mS/cmであった。次いで、限外濾過を停止することなく、冷たい0.2M塩酸を加えることによってpH4.26とし、この場合には、1.05〜1.10バール(105〜110kPa)の膜間圧力および約4℃で、pH4.12に調整された5%(w/w)のソルビトールおよび2mM酢酸の溶液3833kgについて一定容積でダイアフィルトレーションを続けた。最後に、吸光度(280nmにおける)が72.7AUに達するまで残渣を濃縮した。次いで、ダイアフィルトレーション溶液で装置を洗い流すと、吸光度(280nmにおける)55.5AUのバルク233.5kgが得られ、続いて、0.22ミクロンの細孔膜(Millipore製CVGL型フィルタ)を通す濾過により滅菌した。
【0054】
滅菌溶液を6.0℃まで冷却し、冷たい0.2M塩酸7250mlをゆっくりと加えることにより、pH4.00とした。前記添加中はpHをモニターした。その後、バルク溶液を、36.5℃〜37.3℃に温度調節しながら4時間、撹拌しながら加熱ジャケットを備えたタンク中で速やかに予熱した。
【0055】
処理が終了したら、溶液を冷却し、固体ソルビトール114.3kgを加えることによって安定化させ、完全に溶けるまで撹拌した。冷たい0.2M水酸化ナトリウム7000mlをゆっくりと加えることにより溶液のpHを4.85とした。溶液388.8kgが得られ、濁度は1.41NTUであり吸光度(280nmにおける)は36.0AUであった。前記溶液は、60.1℃と60.7℃の間で正確に10時間、直ちに低温殺菌した。
【0056】
続いて冷却し、注入用の冷水131kgを加えることによって希釈すると、吸光度(280nmにおける)27.5AUが得られた。この希釈溶液507kgに3%(w/v)のリン酸トリn−ブチルおよび10%(w/v)のポリソルベート−80(ツイーン−80)から生成されたSDの濃縮液51.2kgを加え、25.8℃と26.4℃の間で正確に6時間、インキュベーションを行った。
【0057】
SDで処理した溶液は、注入用の冷水841.5kgで直ちに希釈し、0.5M水酸化ナトリウム4200mlを加えることによりpHを8.05に調整した後、PEG−4000の50%溶液654.3kgを撹拌しながらゆっくりと加え、2.6℃〜3.8℃の温度で沈降させた。
【0058】
PEGによる沈降物の上記懸濁液2065kgは、0.1〜0.3バール(10〜30kPa)の膜間圧力および3.6℃〜5.0℃で0.22ミクロンの細孔膜(Prostak型、Millipore製)を通し、平行流(tangential flow)(TFF)精密濾過装置中で400kgまで濃縮した。TFF中に保持される沈降物の懸濁液は、pH7.97に調整された15%(w/w)のPEGおよび8%(w/w)のソルビトールを含有する溶液2000kgにより一定容積で洗浄した。
【0059】
次いで、保持された懸濁液を、水酸化ナトリウムでpH4.14に調整された14%(w/w)のソルビトールおよび4mM酢酸の溶液1226kgを加えることによって可溶化した。溶液は、完全に可溶化するまで(25分)TFF装置中で再循環接触(recirculating contact)させた。次いで、0.5M水酸化ナトリウム6500mlをゆっくりと加えることにより溶液のpHを8.03とし、約15分間の撹拌の後、同じTFF装置(0.22ミクロンの細孔膜を備えた)で濾過を開始し、濾液中にIgGを回収した。濾液1474kgを集めた後、懸濁液と同様な組成物特性を有する溶液により、保持された懸濁液の洗浄を開始し、最終的に合計1827kgの濾液を得た。濾液プールは、5.66AUの吸光度(280nmにおける)、1.99NTUの濁度、0.158mS/cmの導電率を有していた。
【0060】
0.5M酢酸3000mlを加えることにより、溶液をpH5.53とし、1.75バール(175kPa)と1.95バール(195kPa)の間の膜間圧力で100kDa分子カットオフの膜(Pall−Filtron製のOmegaシリーズ)による限外濾過により濃縮すると、容積が減少し、739kgが得られた。注入用の水736kgについて、一定容積でダイアフィルトレーションを行い、続いて0.2M塩酸5600mlを加え、pH4.51とした。すると、膜間圧力は0.6〜0.9バール(60〜90kPa)まで低下し、296kgまで濃縮が行われ、pH4.16に調整された2mM酢酸を含有する5%ソルビトール(w/w)の溶液2072kgについて一定容積でダイアフィルトレーションを直ちに開始した。上記溶液が消費されたら、吸光度の値が142.5AUとなるまで濃縮を行い、5%と10%のIgG濃度で2種類の溶液を調製した。pH5.25に調整された前記溶液は、デプスプレート(Cunoブランド、等級90LA)および細孔サイズ0.22ミクロンの絶対(absolute)膜(CVGL型、Millipore製)を通して濾過し、10ml、50ml、100mlおよび200mlのガラス製フラスコ中に計り取った。調整溶液の最終生成物産出量は、出発血漿1リットル当たりのIgGのグラム数に関して4.68であった。
【0061】
実施例2
IVIGのいくつかのバッチについて、それぞれ分画II+IIIの90kgから出発し、本発明の方法に記載された方法で処理し、最終生成物(50mlのバイアルに入った5%IVIG)を厳密な分析対照の対象とし、その品質のコンシステンシーを検証した。得られた結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
N.D.;測定せず。
【0063】
タンパク質は、対照としてγグロブリンを用い、Bradford法により測定した。濁度は比濁分析により測定し、対照溶液について定量した。γグロブリンの純度は、酢酸セルロースプレート上の電気泳動およびアミドブラックによる染色によって検出される総タンパク質について測定した。ポリマー(すなわちγグロブリンの二量体より大きな分子会合体(または凝集体))および低分子量タンパク質分画は、ゲル内の排除カラム(Toyosoda製TSK G−3000SWカラム)中のHPLCにより測定し、280nmにおける吸光度により、指定された分子形の分布%を検出された総タンパク質に対して定量した。PEGは、屈折率検出器を用い、ゲル内のHPLC濾過カラム(TSK G−3000SWXLカラム)によって測定した。ソルビトールの濃度は、酵素法によって定量した。ポリソルベート−80は、比色法によって分析し、TNBPはガスクロマトグラフィによって分析した。プレカリクレインアクチベータ(PKA)は、色素生産性試験によって測定した。付随的なタンパク質IgAおよびIgMは、免疫比濁法により測定した。抗補体活性(ACA)は、サンプル存在下または非存在下でのインキュベーション後に残留する補体の測定に基づくEur.Phar.法によって測定した。
【0064】
実施例3
本発明の方法では、添加された化学的ウイルス不活性化試薬は、PEGとの沈降によって減少し、TFF装置中で洗浄される。いくつかの検討の後、TFFプロセス中に前記試薬の濃度を間接的にモニターすることができる簡単な方法を確立した。TFFによる濾液の280nmにおける吸光度は基本的に、非イオン性洗浄剤および濾液と一緒に逃げる可溶性タンパク質の残余の濃度に由来することを考慮すると(PEGは245〜280nmの範囲で吸収しない)、タンパク質の寄与は245nmで読み取ることによって補正される。この波長で検出されるタンパク質の吸収は最も小さく、反対に、洗浄剤に関しては極めて高い(市販のポリソルベート−80の場合にはタンパク質よりも約14.5倍大きい)。
【0065】
次いで、280nmおよび245nmにおける吸光度の読み取り値に基づき、TFFプロセスのステップを続け、SDの減少に対する濃度および表面洗浄(face washing)の有効性を明らかにした。開発した測定手順に従い、前記実施例1の方法に準じて残留SDを定量した。結果を表2に示す。
【0066】
【表2】
(1)SDに由来する280nmにおける吸光度(O.D.)の%は、吸光度の比率(245nm/280nm)から出発し、SDとタンパク質間の245nmにおける相対吸収係数14.5で割り、100を乗じて算出した。
(2)SDの濃度の回収率(%)は、濃縮開始時に見いだされる値(0.339)について対応するステップの280nmにおけるO.D.の値に従って算出し、SDが寄与するO.D.の%(およそ)により、以下の式に従って補正した。回収率(%)=(O.D.読み取り値(280nm)/0.339)×(SDのO.D.の%)/100)。
N.D.;、測定せず。
n.a.;、該当せず。
【0067】
結果は、濃縮および洗浄中にSD(ポリソルベート−80)が減少する経過を示しており、最終的には5回の洗浄容積後に得られたのは初期濃度の2.74%に過ぎなかった。その結果、減少係数は36.5倍(100%/2.74%)となり、タンパク質濃縮増分×5(2065kg/400kg)によって補正すると実際の減少係数182倍が得られる。次いで、上記の値に従い、保持された沈降物のポリソルベート−80の濃度は100ppmよりやや少なく、タンパク質濃度の約2%であると計算される。
【0068】
5%と10%のタンパク質で100ppm未満の濃度に到達するためには、存在するポリソルベートの量は5回以上に減らなければならない。ポリソルベートの濃度は菌糸体(mycelia)形成の濃度に近い値まで十分に低下したことから、続いて100kDAの限外濾過膜を使用することは任意選択であり、その分離も任意選択になる。本実施例のバッチの場合、最終生成物に見いだされる濃度(IgG5%において)は30ppm未満で、分析技法の定量限界以下であった。
【0069】
別の2バッチ、No.8006およびNo.8007を、本実施例3と同様の方法で調製用スケールで処理した。PEGで沈降を行い、濃縮し、前に使用したものと同じタイプの膜を備えるTFF装置中で洗浄したが、この場合には、洗浄溶液の容積数はNo.8006および8007でそれぞれ、4および2.5とした。100kDaの膜を通し、最終濃度(IgG5%)までダイアフィルトレーションと濃縮を行い、最終生成物(IVIG5%)中のそれぞれのバッチについて残留ポリソルベートの濃度を測定した。見いだされた値(バッチNo.9003を含む)を表3に示す。
【0070】
【表3】
【0071】
表3の結果は、残留ポリソルベートの量と洗浄容積数との間に依存性のあることを示しており、本発明の条件下では、TFFによる洗浄が非イオン性洗浄剤(ポリソルベート)を有効に減少させるための重要なステップであることを実証している。実測値から、最終生成物中の残余が100ppm未満であることを保証するために少なくとも4回の洗浄容積を定めることが選択される。
【0072】
実施例4
IgGのいくつかのバッチについて、それぞれ分画II+IIIの90kgから出発して、本発明の方法に従って処理した。DEAE−セファロースFFカラムにより精製し、PEG−4000約4%を含有する溶液が得られたら、すべての場合に、実施例1に記載の条件に等しい条件の下で、公称で100kDa分子をカットオフするMillipore製BiomaxA−2ブランドのポリスルホン膜27.6m2の表面を通し、限外濾過を行った。得られたタンパク質(吸光度値による)およびPEG−4000の濃度を表4に示す。
【0073】
【表4】
PEG−4000の濃度は、屈折率検出器を用い、ゲル中の排除カラム中でHPLCにより測定した。
【0074】
調製用スケールで一バッチ(No.9001)について行った別の実験では(分画II+III8kgから開始)、FF DEAE−セファロースカラム溶出のステップまで本方法を行った。バッチサイズに適合させ、実施例1に記載の条件下で100kDa分子カットオフのBiomaxA−2膜を通して限外濾過を行った。この場合、実施例1とは異なり、生成物のpHを4.2〜4.6に調整することなく、5%ソルビトールについてダイアフィルトレーションを行い、1.5バール(150kPa)を超える膜間圧力でダイアフィルトレーションを行った。最終的には、およそのタンパク質の濃度は、O.D.(280nm)45AUに相当し、PEGの濃度は33mg/ml、すなわち表4の実測値よりも約6倍高かった。低温殺菌まで処理した生成物は、会合体4%を生成し、表4のバッチとは異なる挙動を示し、その増分は、前記会合体の1.0%〜1.5%に過ぎなかった。
【0075】
表4の結果は、本発明の限外濾過の方法が、PEGを効率よく減らすという目的を極めて満足に実行し、その溶液を、それに続くウイルス不活性化処理に適当なタンパク質およびPEG濃度にすることができることを示している。
【0076】
実施例5
本発明の条件に従い、生成物のいくつかのバッチを処理した。最後の限外濾過を行う前に、5.4と5.6の間のpHとし、膜間圧力約1.5〜2バール(約150〜200kPa)で100kDA膜を通して2.5倍に濃縮した。次いで、同容積の注入用水で洗浄し、0.5M塩酸を加えることにより直ちに4.3と4.5の間にpHを調整すると、膜間圧力は1バール(100kPa)以下の値まで低下し、それぞれの溶液の容積は2.5倍以上濃縮された。最後に、水酸化ナトリウムでpH4.2に調整され、2mM酢酸を含有する7倍容積の5%ソルビトール(w/w)でダイアフィルトレーションを行った。
【0077】
最終生成物中の残留PEGの濃度の結果は、前表2に見られるように、5%IgGで約200ppm(0.02%)である。限外濾過前の溶液のPEGおよびIgG濃度がそれぞれ3.25%および4mg/mlであることを考慮すると、PEG減少係数(タンパク質による補正後)は1000〜2000倍である。
【0078】
前のバッチに関しては、バッチサイズに適合された実施例1による本発明に記載の方法により調製用スケールでテストを行った。出発溶液を約pH5.0とし、100kDa分子カットオフ膜を通して約4倍に濃縮した。次いで、1.2バール(120kPa)以上の膜間圧力で9倍容積の5%ソルビトール溶液について、同じ装置で一定容積のダイアフィルトレーションを行った。PEGおよびタンパク質濃度値、ならびにPEG減少係数は表5に見いだされる。
【0079】
【表5】
(1)減少係数は、タンパク質濃度に従って補正した。
(2)pH8のPEG3.25%を含む濾液に対応する出発溶液。
n.d.;測定せず
n.a.;該当せず
【0080】
表5の結果は、テスト条件の下で100kDaの膜をPEGが離散的に移動することを示しており、これは主に4.8を超える媒質のpHおよび1.2バール(120kPa)を超える膜間圧力に起因している。したがって、本発明の実際の条件下ではPEGの減少がさらに効率的あり、その大きさは約50倍にのぼる(前記バッチの減少係数1000〜2000とこのテストの28.8を比較すると)ことが確認される。
【0081】
実施例6
γグロブリン溶液の中間低温殺菌、ならびにそれに続く溶媒/洗浄剤による化学的不活性化処理は、分子会合をほとんど誘発しない。
【0082】
実施例1で詳細に記載した本発明の方法に従い、工業スケール(それぞれ分画II+III90kgから出発)でいくつかのバッチを処理した。酸pHでインキュベーションを行い、ソルビトールを最終濃度約33%(w/w)まで加えることにより濃度3.5%のγグロブリン溶液を安定化させ、0.5M水酸化ナトリウムを加えることによってpHを4.80±0.05に調整すると、吸光度(280nmにおける)は35.6AUと41.2AUの間であった。その直後、加熱ジャケットを備えたタンク中、60〜61℃で10時間、まとめて低温殺菌した。すべての場合に、ソルビトールの濃度が25%(w/w)未満となるように、注入用冷水で吸光度(280nmにおける)が25.9AUと28.0AUの間になるまで溶液を希釈した。25℃〜26℃まで冷却し、ポリソルベート−80 1%およびリン酸トリ−n−ブチル0.3%の最終濃度(w/v)が得られるまで、溶媒/洗浄剤の濃縮(×10倍)溶液を加えた。約30分間混ぜた後、25℃〜26℃で6時間、全体をインキュベートした。
【0083】
溶液のポリマーすなわち高分子量会合体の含量(HPLCによって測定)を低温殺菌の前後、および溶媒/洗浄剤による処理後に測定した。低温殺菌中のコロイド状粒子の生成も、濁度の比濁測定によって定量した。得られた値を表6にまとめる。
【0084】
【表6】
n.d.;検出されず
N.D.;測定せず
【0085】
結果は、会合体(2%未満)および濁度の離散的な増加を考慮すると、温度、時間および材料の組成について記載された(安定剤、タンパク質およびPEGの濃度、pHなど)条件下で行われた低温殺菌および溶媒/洗浄剤処理は、γグロブリンの変性を促進しないことを示している。同様に、この方法のγグロブリンの濃度(約3.5%)では、製造バッチ当たり多量を処理することが選択できる。
【0086】
実施例7
イオン交換樹脂カラムで精製するための最良の充填条件を確立するためにいくつかのテストを行った。
分画II+IIIの同一バッチから出発し、出発材料1kgを使用し、PEGによる最初の沈降からの濾液が得られるまで、本発明の方法に従って調製用スケールでいくつかのテストを行った。
【0087】
それぞれのテストでは、pH5.9〜6.0に調整した必要量の溶液を浄化し(0.5ミクロンフィルタ)し、その後、DEAE−セファロースFF樹脂(Amersham−Pharmacia製)を13cm〜17cmの高さに充填した(示した1ケースを除く)直径65mmまたは90mmのカラムに注入した。添加は2℃〜8℃、および場合によるが、すべてのカラム溶出液を集め、それぞれのテストについて対応する洗い落としを、酢酸でpH5.95+/−0.05に調整したカラム容積の3.5倍の10mM酢酸ナトリウムで行う時間が12〜15時間または6時間となるような流速で行った。
【0088】
表7には、γグロブリン回収率の値および溶出液の電気泳動的純度(酢酸セルロースによる)を示す。
【0089】
【表7】
n.d.;測定せず
(1)シンボル:(−)は検出されないことを示し、(+)は痕跡量であることを示し、(+++)は多量に存在することを示す(主要な不純物)。
(2)当初の充填溶液に対し、総タンパク質値(280nmにおけるO.D.による)およびカラム溶出液の純度(電気泳動)により回収率を%で算出。
【0090】
樹脂1mlに対し分画II+III2.5g以下の充填を行うことにより、電気泳動によって検出可能な主な不純物のほぼ完全な吸着(アルブミンが存在しない)が得られ、γグロブリンの回収に対する有害な影響もなく、試験した全範囲ですぐれている。しかしながら、過剰な容積のカラムを使用するのを避けるためには、樹脂1ml当たり分画II+III 1gという低めの充填範囲に制限することが好ましい。一方、予想されたように、一部のアガロースマトリックス樹脂に注入する流速は関連因子であることが判明し、連続流れの条件下で12時間の接触が必要である。
【0091】
カラム吸着によりいくつかの主要な付随タンパク質が減少することを具体的に発見する目的で、実施例1の記載に従い、ただし指示されたバッチサイズに調整して、調製用スケール(分画II+III8kgから出発)で処理(バッチ番号9001)を行った。DEAE−セファロースFF1g当たり分画II+III1.8gの充填比を適用し、接触時間は約12時間とし、IgA、アルブミンおよびトランスフェリンの濃度は、カラム溶出液とカラム前の溶液中の両方で測定した。得られた結果は、表8に見いだすことができる。
【0092】
【表8】
タンパク質の定量は、免疫比濁法によって行った。
(1)回収率(%)は、カラムの前後の溶液中に見いだされるタンパク質の絶対量を考慮して算出した。
【0093】
表8から、本発明の特定の条件下では、出発分画II+III中に存在し、IgGに関係する主要なタンパク質の分離に対しこの樹脂が極めて選択的かつ効率的であることは明らかである。溶出液中にはIgGと共に離散的な量のトランスフェリンが検出されるに過ぎない。IgGの高回収率は、カラム溶出液中のサブクラスの比率を維持する良好な指標である。
【0094】
実施例8
高度に精製されたI.V.γグロブリン溶液から出発し、酸pH(pH4.0)で処理するステップの条件をシミュレートし、ソルビトールの保護効果、γグロブリンの濃縮およびインキュベーション時間、ならびに続く低温殺菌ステップに対する影響を検討した。
【0095】
5%のIVIG(Flebogamma、Instituto Grifols製)の同一バッチのサンプルを使い、0.5M塩酸でpH4.00〜4.05とする場合に、20℃〜25℃の周囲温度において酸区域でpHを調整する間のソルビトールの保護効果を立証するためにテストを行った。同様に、他のテストも行い、出発5%IVIGを5%ソルビトール溶液で希釈することに対するγグロブリン濃度の効果、ならびにpH4.0への調整を行う温度が周囲温度20℃〜25℃あるいは2℃〜8℃に冷却して行うかを評価した。pH4.0で1時間のインキュベーションおよびそれに続く33%のソルビトール存在下の60℃〜61℃における10時間の低温殺菌の後、280nmにおけるO.D.によって検出可能な会合体すなわちポリマーの定量をHPLCによって行った。得られた結果を表9に示す。
【0096】
【表9】
n.d.;検出されず
N.D.;測定せず
すべての場合、出発IVIGは会合体を含有していない(n.d.)。
【0097】
これらの結果から、酸区域でpHを変化させた場合にソルビトールによる保護が行われ、より高温であってもはっきりしていることが分かる。周囲温度では、5%(またはより高濃度)のγグロブリンを効率よく保護するためには10%以上の濃度のソルビトールが必要である。γグロブリンの濃縮は会合をより促進し、2℃〜8℃でpH4.0に調整してもタンパク質の濃度は5%(または、より希釈された、好ましくは3.5±0.5%)まで達し、5%ソルビトールのみで安定化され、酸pHにおけるインキュベーションと、続く低温殺菌の条件を満たしているであろう。2℃〜8℃の温度でpHを調整することにより、5%ソルビトールと5%γグロブリンについて検討された高濃度においてほんの離散的な会合(ポリマーの0.43%)が観察され、20℃〜25℃でpHを調整した場合よりも(ポリマーの0.83%)有意に低いことが分かった。温度の低下によるこの低い会合、タンパク質の濃縮範囲、およびソルビトールによって行われる保護は、本発明の方法の様々なステップ中で確立された条件が正しいことを証明している。
【0098】
会合体の形成に関し、酸pH(pH4.0および36〜37℃)におけるインキュベーション時間を、2種の異なるγグロブリン(Flebogamma)およびソルビトール双方の濃度について、2℃〜8℃のpH調整温度で検討した。得られた結果は、表10中に見いだされる。
【0099】
【表10】
n.d.;検出されず
【0100】
結果は、酸pHにおけるインキュベーションおよびそれに続く33%ソルビトール存在下の低温殺菌を行うのに用いられる2種の組成物の妥当性を十分明らかにしている。0から24時間まで検討された最大範囲内に妥当なインキュベーション時間が見いだされ、任意選択の最適条件は36〜37℃における4時間の暴露である。
【0101】
実施例9
高度に精製された5%IVIG(Flebogamma)から出発し、直接5%の濃度(導電率約450マイクロS/cm)あるいは注入用の水で2.5%まで1:1に希釈し(導電率約225マイクロS/cm)、最適な低温殺菌条件を決定した。それぞれの溶液に33%(w/w)までソルビトールを加え、0.5M塩酸で様々なpHレベルに調整した。異なる濃度およびpHのそれぞれのサンプルを60℃〜61℃で10時間の熱処理を受けさせた後、分子分布をHPLCにより分析し、会合の程度(ポリマーすなわち高分子量会合体、および二量体)を測定した。得られた値を表11に示す。
【0102】
【表11】
出発材料として使用した5%IVIG中のポリマー含量は検出されない。
【0103】
この結果から、極めて低いイオン強度および約2.5%のタンパク質濃度で、ソルビトールで安定化され、5.5〜4.5のpH範囲において10時間、60℃〜61℃で低温殺菌することが可能であることが分かり、その最適値はpH4.7と5.0の間で、会合体(ポリマーおよび二量体)の増分は最小である。
【0104】
実施例10
上記のウイルス不活性化ステップに起因する(によって生成する)高分子量会合体を除去する本発明の方法の能力を測定するために、いくつかの実験を行った。
【0105】
33%のソルビトールの存在下に低温殺菌し、続いて0.3%のTNBPおよび1%のポリソルベート−80で処理した、本発明の方法に従って処理した様々なバッチの溶液を、溶液1kg当たり水1kgから1.5kgの割合で注入用の水で希釈し、2℃〜8℃まで冷却した。その直後、PEG−4000を加えて異なる濃度とし、pHを7.5と8.1の間に調整した。高分子量会合体を沈降させた後、細孔サイズ0.5〜0.1ミクロンにより懸濁液を濾過すると、それぞれの場合に透明な液体が得られ、精製されたIgGが含まれていた。
それぞれのサンプルについてHPLCによりポリマーの%を定量したが、実測値を表12に示す。
【0106】
【表12】
HPLCにより検出できない値は(n.d.)、この場合0.00で示した。
【0107】
3.00%〜3.45%のPEG濃度範囲でポリマー全体の除去が検出されたが、媒質のpHとの相互作用が存在し、pHが7.75と8.06の間の場合に分離が最も有効であることが分かる。7.47で検討したpHの最低値では、ポリマーを完全に除去するためには少なくとも3.45%のPEG濃度が必要であるが、それは、より低い濃度(例えば、PEG3.15%−pH7.51)では前記ポリマーを完全に沈降することができず、濾液中に残渣が残るからである。
【0108】
ソルビトール安定剤の存在は同様に作用し、非会合分子種(一量体および二量体)がポリマーと一緒に共沈降するのを回避し、前記沈降中の生成物の回収率を大きく改善する。ソルビトールが存在する効果を測定するため、異なる濃度条件の下でタンパク質の沈降および回収率(吸光度による)に対していくつかのテストを行った。実験は精製した5%IVIG溶液(検出可能なポリマーなし)から出発して行い、水または場合によっては10%のソルビトールを用いて吸光度(280nmにおける)約6AUまで希釈し、pH8.0に調整した。少なくとも1時間、溶液を沈降させ、次いで沈降物の存在を観察した。同じ実験を、本発明の方法のウイルス不活性化ステップからのIgG溶液(ポリマー含量3.97%)について繰り返し、この場合は5%ソルビトールまたは水で希釈し、沈降させ、濾過によって会合体を分離した後、濾液からのタンパク質の回収率(%)を初期値に対して測定した。
得られた結果を下表13に示す。
【0109】
【表13】
(1):+印の数は、検出された沈降物の量を示す:(+++)多量;(+)徴候あり;(−)なし。
(2):沈降前の初期溶液に対する濾液中に見いだされる総タンパク質の割合。
n.d.;検出されず。
N.R.;実施せず。
【0110】
5%以上のソルビトール濃度は、IgGの単量体/二量体がIVIG溶液中に単一分子種として存在する場合に沈降することを予防し、PEGを添加しても沈降物は検出されない。同様に、IgG溶液に含まれるポリマーが除去される場合には、検討したソルビトールの最高濃度(13%)でIgGの回収率の改善(ポリマーなし)が観察される。この結果、ポリマーすなわち高分子量会合体の沈降中にソルビトールが存在すると、共沈降を予防し、IgGの最適な回収率を得るのに有益である。
【0111】
実施例11
実施例1に従って得られた2種類の異なる出発材料、すなわち、36±1℃で酸pH(pH=4.00±0.05)に調整した溶液(材料A)、およびpH4.5±0.1で26±1℃の最後にダイアフィルトレーションしたタンパク質2.5±0.5%の溶液(材料B)を使用し、ナノメートルの細孔サイズの市販フィルタを用いて調製用スケールでウイルス濾過を比較してテストした。使用した濾過領域に対する濾過された量に関して得られた結果、所要時間および使用フィルタ(Planova35N、Planova15NおよびDV20)によるタンパク質の回収率を表14に示す。
【0112】
【表14】
* 後洗浄前に得られた回収率
【0113】
前表から、材料Aと材料Bは共に、35nm以下、15nmまでの細孔サイズであってもウイルス濾過に適当であることが明らかである。しかしながら、タンパク質の回収率(>90%)およびフィルタの細孔サイズ当たりのウイルス除去能力に関する生産力(>1kg/m2)を考慮すると、約20nmの細孔サイズが最も適当であるように見える。
Claims (27)
- ウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法であって、以下の工程を含むことにより、IgA濃度が0.003mg/ml以下となるようにすることを特徴とする方法:
a:ヒト血漿をエタノールで分画することによりγグロブリンGの沈殿を得る;
b:得られたγグロブリンGの沈殿を糖−アルコールを含む水溶液に懸濁させる;
c:4.8〜5.5のpHでPEG処理を行うことにより上記懸濁液中の汚染物質の含有量を減少させる;
d:上記汚染物質を減少させた懸濁液をカラム中の陰イオン交換樹脂に通して流出液を得る;
e:上記流出液の限外濾過を行ってPEGの含有量を低減した濾液を得る;
f:上記濾液のウイルス不活性化処理を下記(i)および(ii)からなる群より選択される少なくとも一つの方法によって順次に行う:
(i)低温殺菌処理する
(ii)溶媒/界面活性剤で処理する
g:ひとたびpHを7.0と9.0の間に調整して、PEGによる沈殿および上記ウイルス不活性化処理を施した処理液に対して洗浄処理を行う;
h:上記沈殿および洗浄処理で得られたウイルス不活性化γグロブリンGを可溶化し、液のpHを変化させることにより、タンパク質汚染物質の除去を行う;
i:上記タンパク質汚染物質を除去したγグロブリンGを限外濾過することにより、体積およびPEG含有量を減少させる。 - 上記工程eに続いて、酸性pHで流出液を処理する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- さらに最終工程として、
k:ウイルスの濾過とそれに続く濃縮を行うことにより、所望のタンパク質価を得ることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。 - エタノールを用いた分別によって単離する前記画分がコーン画分II+IIIであることを特徴とする、請求項1に記載のウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法。
- 前記糖−アルコールが2%と10%の間の濃度(w/v)であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法。
- 2.5%〜5.5%の濃度(w/w)および4.8〜5.5のpHで、PEGを用いた沈殿を行うことを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載のウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法。
- 樹脂カラムに注入する溶液のpHを5.7と6.3の間に調整することを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載のウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法。
- 前記陰イオン交換カラムがDEAE−アガロース樹脂を含み、樹脂1ml当たり1gと2.5gの間のコーン画分II+IIIからなる装入物を収容することを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載のウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法。
- pH4.0〜4.8および膜間圧力1.2バール(120kPa)未満の条件下で、糖−アルコールを2%〜10%の濃度(w/v)含む溶液の3倍以上の体積に対してダイアフィルトレーションした100kDaの見かけの分子断片の膜を介して、前記カラムの流出液を限外濾過することを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載のウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法。
- 35℃〜38℃で1〜4時間3.95〜4.05のpHで、2%〜10%の濃度(w/v)の糖−アルコールの存在下において、酸性pHにおける前記任意の処理を行うことを特徴とする、請求項2から9のいずれかに記載のウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法。
- 25%〜35%の濃度(w/w)の糖−アルコールの存在下における低温殺菌処理後、溶媒/洗浄剤を用いる前記化学的不活性化処理を行う前に、注入用の水を用いた希釈を行い、糖−アルコール濃度を25%(w/w)未満、タンパク質濃度を1%と3%(w/v)の間にすることを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載のウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法。
- 溶媒/洗浄剤を用いてウイルス不活性化した前記溶液を注入用の水を用いて、溶液1kg当たりについて1kgと2kgの間の量を加えて、希釈し、ひとたびpHを7.0と9.0の間に調整し、12%と17%の間の最終濃度(w/w)までPEGを添加することによって沈殿を行うことを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載のウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法。
- 溶媒/洗浄剤を用いてウイルス不活性化した前記溶液を注入用の水を用いて、溶液1kg当たりについて1kgと2kgの間の量を加えて、希釈し、ひとたびpHを7.8と8.4の間に調整し、12%と17%の間の最終濃度(w/w)までPEGを添加することによって沈殿を行うことを特徴とする、請求項1から12のいずれかに記載のウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法。
- PEGを用いた前記沈殿の懸濁液を、最初の値の4分の1〜8分の1倍程度に体積を減少させることによって、孔サイズが0.1ミクロン〜0.45ミクロンの接面流動型濾過膜上で分離することを特徴とする、請求項1から13のいずれかに記載のウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法。
- 前記接面流動型濾過膜によって保持されるPEGを用いた前記沈殿物を、前記沈殿条件と等しいかまたは類似の組成物特性を有する溶液を4倍以上の体積加えることによって、同一器具中で洗浄することを特徴とする、請求項1から14のいずれかに記載のウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法。
- pHが5.5未満であり糖−アルコールを含み、1mM〜10mMに調整した濃度の酢酸によって形成される酸性溶液を加え、それに5%〜20%の濃度(w/w)の糖−アルコールをアルカリを用いてpH4.0〜4.5に調整して、加えることによって、同一の接面流動型濾過器具中でPEGで洗浄した前記沈殿物の懸濁液を可溶化することを特徴とする、請求項1から15のいずれかに記載のウイルス不活性化ヒトγ グロブリンGを生成するための方法。
- PEGで洗浄した前記沈殿物の懸濁液に加える酸性可溶化溶液の量が、前記懸濁液の量の2.5倍〜4.5倍であり、PEGの最終濃度(w/w)が2%〜4%であり、糖−アルコールの濃度(w/w)が5%〜20%であることを特徴とする、請求項1から16のいずれかに記載のウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法。
- PEGで洗浄した前記沈殿物の懸濁液に加える酸性可溶化溶液の量が、前記懸濁液の量の2.5倍〜4.5倍であり、PEGの最終濃度(w/w)が2.8%〜3.4%であり、糖−アルコールの濃度(w/w)が5%〜20%であることを特徴とする、請求項1から17のいずれかに記載のウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法。
- アルカリを加えることによって前記可溶化生成物をpH7.5〜8.5に調整し、不溶性の高分子量凝集体を沈殿させ濾過によって分離することを特徴とする、請求項1から18のいずれかに記載のウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法。
- 高分子量凝集体が実質的にない前記濾過液をダイアフィルトレーションし、100kDaの見かけの分子断片の限外濾過膜を介して濃縮し、糖−アルコールを2%〜10%の濃度(w/v)含む溶液の5倍以上の体積に関して、膜間圧力1.2バール(120kPa)未満および1%〜3%(w/v)のタンパク質濃度で、ひとたびpHを4.0〜4.8に調整することを特徴とする、請求項1から19のいずれかに記載のウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法。
- 前記糖−アルコールがソルビトールである請求項1から20のいずれかに記載のウイルス不活性化γグロブリンGを生成するための方法。
- ダイアフィルトレーションし1%〜3%(w/v)のタンパク質に濃縮し、pHを4.4と5.0の間に調整した溶液を、25±5℃に加熱し、次いでみ かけの孔サイズが50nm未満でありタンパク質の回収率が90%を超え面積1m2当たり濾過生産性がタンパク質1kgを超える膜を介してナノ濾過によって任意のウイルス分離を行うことを特徴とする、請求項1から21のいずれかに記載のウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法。
- ダイアフィルトレーションし1%〜3%(w/v)のタンパク質に濃縮し、pHを4.4と5.0の間に調整した溶液を、25±5℃に加熱し、次いでみかけの孔サイズが約20nmでありタンパク質の回収率が90%を超え面積1m2当たり濾過生産性がタンパク質1kgを超える膜を介してナノ濾過によって任意のウイルス分離を行うことを特徴とする、請求項1から22のいずれかに記載のウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法。
- ダイアフィルトレーションし1%〜3%(w/v)のタンパク質に濃縮し、pHを4.4と5.0の間に調整した溶液を、25±5℃に加熱し、次いでみかけの孔サイズが15〜20nmでタンパク質の回収率が80%を超える膜を介してナノ濾過によって任意のウイルス分離を行うことを特徴とする、請求項1から23のいずれかに記載のウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法。
- 100kDaの見かけの分子断片または孔サイズがより小さい膜を介して、ダイアフィルトレーションおよび任意にウイルス濾過した溶液を限外濾過によって5%〜10%(w/v)に濃縮し、pHを5〜6に調整し清澄化および滅菌濾過した後、その最終容器中に99%、超えるモノマー二量体分子形を含み、目に見える粒子が存在せず濁度が5NTU未満であり、検出可能な量のIgA(0.003mg/ml未満)およびIgM(0.002mg/ml未満)が存在せず、PEGが500ppmであり、非イオン洗浄剤が50ppmであり有機溶媒が検出不可能であり(3.6ppm未満)、抗補体活性がタンパク質1mg当たり1 CH50未満であり、Fcフラグメントを有する全長分子構造が100%を超え、IgG分布サブクラスが生理学的範囲であることを特徴とする、請求項1から24のいずれかに記載のウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法。
- 100kDaの見かけの分子断片または孔サイズがより小さい膜を介して、ダイアフィルトレーションおよび任意にウイルス濾過した溶液を限外濾過によって5%〜10%(w/v)に濃縮し、pHを5〜6に調整し清澄化および滅菌濾過した後、その最終容器中に99.9%を超えるモノマー二量体分子形を含み、目に見える粒子が 存在せず濁度が5NTU未満であり、検出可能な量のIgA(0.003mg/ml未満)およびIgM(0.002mg/ml未満)が存在せず、PEGが500ppmであり、非イオン洗浄剤が50ppmであり有機溶媒が検出不可能であり(3.6ppm未満)、抗補体活性がタンパク質1mg当たり1 CH50未満であり、Fcフラグメントを有 する全長分子構造が100%を超え、IgG分布サブクラスが生理学的範囲であることを特徴とする、請求項1から25のいずれかに記載のウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法。
- パッケージした最終生成物を25℃で15日間の最小限の検疫に通し、前記溶液が透明であり目に見える粒子が明らかに存在しないことが証明されており、2℃〜8℃および25℃までの両方の保存温度で安定性があることを証明することを特徴とする、請求項1から26のいずれかに記載のウイルス不活性化ヒトγグロブリンGを生成するための方法。
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