JP4069192B2 - 故障点標定方法及び故障点標定システム - Google Patents

故障点標定方法及び故障点標定システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は落雷等によって発生する送配電線路の故障点を標定する故障点標定方法及び故障点標定システムに関する。詳しくは、1地点の測定のみで任意数の分岐を含む送配電線路上の故障点の標定を行うことができる故障点標定方法及び故障点標定システムに関する。本故障点標定方法及び故障点標定システムは、主に高圧送配電線路の鉄塔等に故障点標定装置を配設して使用される。
【0002】
【従来の技術】
落雷等の原因によって送配電線路が故障した場合、その故障点を求める方法として、線路の両端等、複数の測定地点に各種測定装置を設けて故障に伴って発生するサージを検出し、このサージがそれぞれの測定地点に到達する時刻差から、故障点を標定する方法が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
また、サージを構成する線間波及び対地波の特性の違いを用いて、1箇所の測定地点で故障点を標定する方法が知られている。(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許第2599613号公報(第2−3頁、第1図)
【特許文献2】
特開平7−167907号公報(第2頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に示す方法は、1区間につき測定装置を2箇所以上設置する必要とするため、測定装置設置の手間が掛かる他、測定装置2台分の維持作業を行う必要がある。更に、各測定装置間で時刻のずれが生じると正しい測定結果を得ることができないため、GPSの時刻情報等を用いて補正する必要があった。このため、GPS受信のための回路等が余分に必要であった。
また、特許文献2に示す方法は、送配電線路に分岐があり、分岐先に故障が生じた場合に、どちら側の支路に故障があるのかを判別する方法がなく、全ての支路を確認する必要があった。
本発明は、上記問題点を解決するものであり、1地点のみの測定で任意数の分岐を含む送配電線路上の故障点の標定を行うことができる故障点標定方法及び故障点標定システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本第1発明の故障点標定方法は、分岐を有する送配電線路上の故障点を標定するための故障点標定方法であって、該故障点から発せられる空間波を標定点で受信した空間波到達時刻と、該故障点から発せられる線間波及び対地波を該標定点で受信した線間波到達時刻及び対地波到達時刻とから2種以上の時刻差を求め、該各時刻差から求められる該標定点からの距離がいずれも一致する該送配電線路上の点を該故障点とすることを特徴とする。
また、上記空間波の発信方向が更に一致する上記送配電線路上の点を上記故障点とすることができる。
【0006】
本第3発明の故障点標定システムは、分岐を有する送配電線路上の故障点を標定するための故障点標定システムであって、空間波検知手段、線路サージ検知手段、波到達時刻算出手段、送配電線路情報蓄積手段、故障点算出手段及び出力手段を具備する故障点標定装置を備え、該空間波検知手段は、該故障点から発せられる空間波を受信し、該受信時の時刻を空間波到達時刻として該波到達時刻算出手段に出力し、該線路サージ検知手段は、該故障点から発せられる線間波及び対地波を受信し、該受信時の時刻を線間波到達時刻及び対地波到達時刻として該波到達時刻算出手段に出力し、該波到達時刻算出手段は、該空間波到達時刻、該線間波到達時刻及び該対地波到達時刻から2種以上の時刻差を算出して該故障点算出手段に出力し、該送配電線路情報蓄積手段は、該故障点算出手段での該故障点の算出に必要な該送配電線路に関する情報を送配電線路情報として蓄積し、該故障点算出手段は、該各時刻差と、該送配電線路情報蓄積手段から得た該送配電線路情報とから該故障点標定装置から該故障点までの距離をそれぞれ求め、該各距離が共に一致する地点を該故障点として算出して出力手段に出力し該出力手段は、算出した該故障点を出力することを特徴とする。
【0007】
また、上記時刻差は、上記空間波到達時刻及び上記線間波到達時刻の差と、上記空間波到達時刻及び上記対地波到達時刻の差とであるとすることができる。
更に、上記送配電線路情報は、上記各時刻差を元に上記故障点標定装置から上記故障点までの距離を算出するための故障点算出式を、上記分岐毎に具備することができる。
【0008】
また、上記故障点標定装置は、空間波受信方位算出手段を更に備え、上記空間波検知手段は、上記空間波を受信した時の状況を該空間波受信方位算出手段に出力し、該空間波受信方位算出手段は、該状況から該空間波の発信方向を求めて、該発信方向を該故障点算出手段に出力し、上記故障点算出手段は、上記各距離と、該発信方向とが一致する地点を上記故障点として算出して出力手段に出力することができる。
更に、上記送配電線路情報は、上記各時刻差を元に上記故障点標定装置から上記故障点までの距離を算出するための故障点算出式と、上記発信方向が一致する限定範囲とを上記分岐毎に具備することができる。
【0009】
【発明の効果】
本故障点標定方法によれば、故障点から発せられる電磁波である空間波と、送電線路上を伝播する線間波及び対地波との到達時刻差から故障点を標定するため、標定地点が1点であっても任意数の分岐を有する送配電線路上の故障点を標定することができる。また、複数の標定地点間で求めた各波の受信時刻を一致させる必要がないため、GPS等を用いた時刻同期手段が不要とすることができる。
更に、空間波の発信方向を用いて更に故障点を限定して標定することができるため、時刻差のみでは特定できない送配電線路であっても故障点を標定することができる。
【0010】
本故障点標定システムによれば、故障点から発せられる電磁波である空間波、並びに送電線路上を伝播する線間波及び対地波の到達時刻差から故障点を標定するため、標定地点が1点であっても任意数の分岐を有する送配電線路上の故障点を標定することができる。また、複数の標定地点間で求めた各波の受信時刻を一致させる必要がないため、GPS等を用いた時刻同期手段が不要とすることができる。
【0011】
更に、求める時刻差を空間波と線間波及び対地波との到達時間差に限定することによって、故障点までの距離を精度良く容易に求めることができる。
また、距離を算出する式を予め送配電線路情報として分岐線毎に蓄積することで故障が発生した時に即座に故障点までの距離を求めることができる。
【0012】
更に、空間波の発信方向を用いて更に故障点を限定して標定することができるため、時刻差のみでは特定できない送配電線路であっても故障点を標定することができる。また、距離を算出する式と、空間波の発信方向の限定範囲とを予め送配電線路情報として分岐線毎に蓄積することで故障が発生した時に即座に故障点を標定することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の故障点標定方法及び故障点標定システムを図1〜7に基づき詳しく説明する。
1.空間波、線間波及び対地波の説明
上記「空間波」は、送配電線路の故障によって故障点で発生したサージによって発せられる電磁波をいう。この空間波の検出は、空間波を検出することができる手段であれば、任意に選択することができ、アンテナを含む任意の電界センサ及び磁界センサ等を用いることができる。
また、好例としてループアンテナを挙げることができる。構造が簡単であると共に、指向性を備えるために空間波以外のノイズによる影響を受けにくいためである。また、空間波の発信方向により故障点を標定する場合は、2つのループアンテナを直交に組み合わせた直交ループアンテナを用いることによって、発信方向を求めることができる。
【0014】
更に、故障が雷撃によるものであれば、雷撃によって生じる電磁波を空間波として検出することができる。雷撃に伴う電磁波は図3に示すように周波数帯毎に波形が異なっている。このうち、通常10Hz〜100kHzの周波数帯が好ましい。この周波数帯の電磁波は雷撃によるパルスがみられるため、これを検知することで空間波としての利用目的を達成することができるためである。
【0015】
上記「線間波」及び上記「対地波」は、送配電線路を介して本装置に到達するサージに含まれる成分である。これら線間波及び対地波の検知手段は、任意に選択することができるが、例えば零相変流器及び変流器等の電流センサ、電圧検知素子等の電圧センサ等を挙げることができる。
また、線間波及び対地波は、送配電線の各相に流れる電流値又は電圧値を演算することで求めることができる。
【0016】
上記「分岐」は任意の形態とすることができる。この例として、図1に示すような一つの分岐点から2以上の分岐がある例の他、図7に示すような複数箇所の分岐点を有する分岐であってもよい。複雑な分岐を有していても、各分岐上の送配電線路についてそれぞれ故障点があるかどうかを求めることで、1箇所に限定された故障点を求めることができるためである。
【0017】
上記「時刻差」は、空間波到達時刻、線間波到達時刻及び対地波到達時刻のいずれか2つを選択した時刻の差である。これらの選択方法は任意に選択することができるが、例えば空間波到達時刻及び線間波到達時刻の時刻差と、空間波到達時刻及び対地波到達時刻の時刻差とを挙げることができる。これらの時刻差を選択することで、最も到達時間が早い空間波到達時刻と、その他の2時刻との差にすることで、最も長時間となる時刻差を用いることができ、検出精度を高めることができる。
【0018】
上記「送配電線路情報」は、故障点までの距離を算出するための故障点算出式を少なくとも含むことができる。この故障点算出式は、各波の時刻差を代入することで各波の伝播速度に基づき故障点までの距離を算出する。また、故障点算出式は送配電線路の分岐線毎に用意される。
また、送配電線路情報として、上記発信方向が一致する限定範囲とを上記分岐線毎に含むことができる。この限定範囲は、故障点標定装置からみて各分岐線がどの範囲の方向にあるかを表し、どの分岐線から空間波が発信されたかどうかの判断に用いられる。
【0019】
上記「出力手段」は、任意の出力方法を選択することができる。この例として、各種ディスプレイ装置による画面表示、プリンタ等による印刷、有線又は無線等の任意の接続手段を介して接続されたパーソナルコンピュータ、携帯端末(PDA等)及び携帯電話等への故障点情報の出力等を挙げることができる。
【0020】
2.故障点標定方法
本故障点標定方法は、空間波、線間波及び対地波のそれぞれの伝播速度が異なることと、空間波並びに線間波及び対地波の伝播経路が異なることとを用いて故障点の標定を行う。以下、図1に示すように、分岐点20から略Y字状に分岐する2本の分岐線22、23に分岐する送配電線路2の主線21上の一点に故障点標定装置1を設けた図を用いて説明する。
また、故障点31は分岐線22上、故障点32、33は分岐線23上である。更に、分岐線22、23の主線21に対する分岐角度221、231は異なるものとする。
故障点31等で故障が発生した場合、空間波は本故障点標定装置1へ直線状(図1に示す点線)に伝播すると考えることができる。また、線間波及び対地波は、送配電線路2を経由して伝播する。
【0021】
故障点31等の標定は、空間波、線間波及び対地波のそれぞれの伝播速度が異なるため、各波の時刻差を計測し、計測値から故障点31等と故障点標定装置1との間の距離を算出することで求めることができる。
また、故障点から最も短い時間で本装置に到達する波は電磁波である空間波である。これより、(線間波到達時刻)−(空間波到達時刻)で表される時間Aと、(対地波到達時刻)−(空間波到達時刻)で表される時間Bを算出することで、精度良い時間差を求めることができる。更に、時間差A、Bから故障点からの距離a、bを求めることができる。
【0022】
このように求めた距離は図4に示すように、時間差に対して比例するわけではなく、分岐点で勾配が不連続となることがわかる。送配電線路上の距離の増分と、空間波の距離の増分との比が分岐点で変化するためである。このため、時間差A、B及び故障点からの距離a、bが一致する故障点は特定の主線又は分岐線上の一点(故障点31)のみに限定することができる。
尚、本例では2本の分岐線に分岐した例であるが、図7に示すように3本以上に分岐したり、複数箇所の分岐点を有する送配電線路2であっても各分岐線上の距離を算出するための式を求めることで故障点を標定することができる。また、図7に示すように、送配電線路2の主線や分岐線が曲線である場合であっても算出することができる。
【0023】
2.空間波の発信方向を用いる故障点標定方法
次いで、空間波の発信方向を用いる故障点標定方法を説明する。この故障点標定方法は図5に示すように、分岐角度221、231が等角度の分岐線を備えた送配電線路において使用することができる。この送配電線路は、故障点31、32がそれぞれ分岐線22、23上であり、故障点標定装置1との送配電線路上の距離が等しい位置である。また、故障点31、32は、故障点標定装置1との空中を介した最短距離が等しい。
【0024】
このような送配電線路においては、故障点31で故障が発生した場合の時間A及び時間Bが他の分岐線上の故障点34と一致する。しかし、故障点標定装置1からみた場合、故障点31、34は空間波の受信する方向が異なることから、空間波の発信方向を判別することによって、どの分岐線上の故障点であるかどうかを区別することができる。
尚、本標定方法は、図1に示すような分岐角度が不等角度の分岐線に対しても用いることができる。また、空間波の発信方向を判別する手順は任意であり、例えば、時刻差を用いて1以上の故障点を求めたあとで判別することができる。また、判別した結果を用いて時刻差によって故障点を求める際に、故障点が含まれる分岐線であるかどうかを判定することもできる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の故障点標定システムの実施例を説明する。
1.故障点標定装置の構成
本実施例1の故障点標定システムに用いる故障点標定装置1は、図2に示すような分岐線22、23を有する送配電線路2の鉄塔等に配設して使用されるものであり、空間波検知手段11、線路サージ検知手段12、波到達時刻算出手段13、送配電線路情報蓄積手段14、故障点算出手段15及び出力手段16を備える。
【0026】
空間波検知手段11は、10Hz〜100kHzの空中波を受信するためのループアンテナ111を用いた電磁波受信手段である。また、分岐点20以降の送配電線路2の故障点から伝播する空間波を選択よく受信できる位置に配設している。更に、空間波を検知した場合は、波到達時刻算出手段13に検知したことを送信する。
【0027】
線路サージ検知手段12は送配電線路2に接続されて、線間波及び対地波を含むサージを検出する手段であり、変流器等の電流センサ121を用いて各相のサージ電流を測定し、サージに含まれる線間波及び対地波の検出を行う。更に、線間波又は対地波を検知した場合は、波到達時刻算出手段13に検知したことを送信する。
【0028】
波到達時刻算出手段13は、空間波検知手段11及び線路サージ検知手段12によって検知した空間波、線間波及び対地波の検知時刻を決定し、検知時刻を故障点算出手段15に送信する手段である。波到達時刻算出手段13は、水晶時計等の正確な時を刻むことができる時計を用いて各種波の到達時刻を決定する。尚、この時計は正確な暦を表す時刻でなくてもかまわない。
送配電線路情報蓄積手段14は、故障点算出手段15で必要な送配電線路2の送配電線路情報を蓄積する手段である。この手段は、半導体メモリ、ハードディスク装置及び光ディスク等を用いることができる。また、送配電線路情報は故障点算出式からなる。
【0029】
故障点算出手段15は、波到達時刻算出手段13から空間波、線間波及び対地波の検知信号を受け取って各時刻差を算出し、求めた時刻差と、波到達時刻算出手段13に蓄積された送配電線路情報と、を用いて故障点を算出する手段である。この算出は、前述の故障点標定方法によって行われる。また、求めた結果は出力手段16に送信される。
出力手段16は、故障点算出手段15によって求められた故障点を任意のディスプレイ装置によって表示する。また、無線又は光ファイバによる送配電線路管理用のコンピュータとの通信手段を備える。
【0030】
2.故障点標定システムの動作及び効果
以下、本実施例1の故障点標定システムの動作及び効果を詳しく説明する。
(1)送配電線路情報の作成
本故障点標定システムの故障点標定装置1を運用する前に、送配電線路の分岐線に応じた故障点算出式を用意し、送配電線路情報蓄積手段に蓄積する必要がある。また、蓄積する故障点算出式は、送配電線路の地図等から作成される。
【0031】
(2)平常時
故障が発生していない平常時は、空間波検知手段11及び線路サージ検知手段12によって空間波、線間波及び対地波の検知を行う。
(3)故障検知
空間波検知手段11及び線路サージ検知手段12によって空間波、線間波及び対地波の検知が行われた時には、波到達時刻算出手段13によって各波の波到達時刻が算出される。また、空間波、線間波及び対地波の全てが検出されるまで検知を続け、全ての波の検知が行われた後に、次の故障点標定が行われる。
【0032】
(4)故障点標定
空間波、線間波及び対地波の全ての検知が行われ、各到達時刻が故障点算出手段15に送信されたときに、故障点算出手段15は故障点の標定を行う。故障点算出手段15は、求めた時刻差と、波到達時刻算出手段13に蓄積された送配電線路情報とを用いて故障点を算出する。
(5)出力
波到達時刻算出手段13で求めた故障点は、出力手段16によってディスプレイ装置に表示すると共に通信手段によって送配電線路管理用のコンピュータへ送信される。
【0033】
このような故障点標定システムは、故障点から発せられる電磁波である空間波、並びに送電線路上を伝播する線間波及び対地波の到達時刻差から故障点を標定することで、標定地点が1点であっても任意数の分岐線を有する送配電線路上の故障点を標定することができる。また、複数の標定地点間で求めた各波の受信時刻を一致させる必要がないため、GPS等を用いた時刻同期手段が不要である。
【0034】
更に、求める時刻差を空間波と線間波及び対地波との到達時間差に限定することによって、故障点までの距離を精度良く容易に求めることができる。また、距離を算出する式を予め送配電線路情報として分岐毎に蓄積することで故障が発生した時に即座に故障点までの距離を求めることができる。
【0035】
3.空間波受信方位算出手段を備える故障点標定システム
実施例2として空間波受信方位算出手段を備える故障点標定システムを説明する。この故障点標定システムは、図6に示すように、空間波検知手段11、線路サージ検知手段12、波到達時刻算出手段13、送配電線路情報蓄積手段14、空間波受信方位算出手段17、故障点算出手段15及び出力手段16を備える。
このうち、実施例1と異なる部分を説明する。
【0036】
空間波検知手段11は、直交ループアンテナ112を具備し、空中波を受信するための電磁波受信手段である。直交ループアンテナ112を用いるため、空中波の発信方向を検出することができる。また、空間波を検知した場合は、波到達時刻算出手段13及び空間波受信方位算出手段17に送信を行う。
送配電線路情報蓄積手段14は、故障点算出式及び限定範囲が送配電線路情報として蓄積される。
空間波受信方位算出手段17は、空間波検知手段11の出力結果を元に故障点標定装置からみて空間波がどの方向から発信されたかどうかを算出するための手段である。空間波受信方位算出手段17により求められた空間波の発信方向は、故障点算出手段15に送信される。
【0037】
故障点算出手段15は、波到達時刻算出手段13から空間波、線間波及び対地波の検知信号を受け取って各時刻差を算出し、求めた時刻差と、波到達時刻算出手段13に蓄積された送配電線路情報と、を用いて故障点を算出する。また、空間波受信方位算出手段17によって求められた空間波の発信方向と、波到達時刻算出手段13に蓄積された送配電線路情報中の限定範囲とを比較し、故障点が含まれる分岐線等を限定する。更に、算出された故障点が、限定された分岐線上に位置するかどうかを判断し、限定された位置上の故障点のみを正しい結果として、出力手段16に送信する。
【0038】
このような空間波受信方位算出手段17を備える故障点標定システムは、空間波の発信方向を用いることで、図5に示すような時刻差のみでは特定できない位置に故障が発生しても故障点を標定することができる。
【0039】
尚、本発明においては、上記実施例に限らず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、既に故障した送配電線路に対しても使用することができる。例えば、適当な電圧上昇率で送配電線路に電圧を印加すると、一定の電圧で故障点において放電が起きる。この放電によって発生する空間波と、線間波及び対地波を含むサージを、故障点標定装置を用いて検知することで、故障点の標定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例1の故障点標定システムの構成を説明するための模式図である。
【図2】本実施例1の故障点標定システムに用いる故障点標定装置の構成を説明するための模式図である。
【図3】落雷に伴う電磁波の変化を説明するための模式図である。
【図4】空間波、線間波及び対地波の到着時刻差と、それから求めることができる故障点からの距離とをグラフにしたものである。
【図5】本実施例2の故障点標定システムの構成を説明するための模式図である。
【図6】本実施例2の故障点標定システムに用いる故障点標定装置の構成を説明するための模式図である。
【図7】複雑な分岐を有する送配電線路の例を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1;故障点標定装置、11;空間波検知手段、12;線路サージ検知手段、13;波到達時刻算出手段、14;送配電線路情報蓄積手段、15;故障点算出手段、16;出力手段、17;空間波受信方位算出手段、2;送配電線路、20;分岐点、21;主線、22、23;分岐線、221、231;分岐角度、31、32、33、34;故障点。

Claims (7)

  1. 分岐を有する送配電線路上の故障点を標定するための故障点標定方法であって、
    該故障点から発せられる空間波を標定点で受信した空間波到達時刻と、
    該故障点から発せられる線間波及び対地波を該標定点で受信した線間波到達時刻及び対地波到達時刻とから2種以上の時刻差を求め、
    該各時刻差から求められる該標定点からの距離がいずれも一致する該送配電線路上の点を該故障点とすることを特徴とする故障点標定方法。
  2. 上記空間波の発信方向が更に一致する上記送配電線路上の点を上記故障点とする請求項1記載の故障点標定方法。
  3. 分岐を有する送配電線路上の故障点を標定するための故障点標定システムであって、空間波検知手段、線路サージ検知手段、波到達時刻算出手段、送配電線路情報蓄積手段、故障点算出手段及び出力手段を具備する故障点標定装置を備え、
    該空間波検知手段は、該故障点から発せられる空間波を受信し、該受信時の時刻を空間波到達時刻として該波到達時刻算出手段に出力し、
    該線路サージ検知手段は、該故障点から発せられる線間波及び対地波を受信し、該受信時の時刻を線間波到達時刻及び対地波到達時刻として該波到達時刻算出手段に出力し、
    該波到達時刻算出手段は、該空間波到達時刻、該線間波到達時刻及び該対地波到達時刻から2種以上の時刻差を算出して該故障点算出手段に出力し、
    該送配電線路情報蓄積手段は、該故障点算出手段での該故障点の算出に必要な該送配電線路に関する情報を送配電線路情報として蓄積し、
    該故障点算出手段は、該各時刻差と、該送配電線路情報蓄積手段から得た該送配電線路情報とから該故障点標定装置から該故障点までの距離をそれぞれ求め、該各距離が共に一致する地点を該故障点として算出して出力手段に出力し
    該出力手段は、算出した該故障点を出力することを特徴とする故障点標定システム。
  4. 上記時刻差は、上記空間波到達時刻及び上記線間波到達時刻の差と、上記空間波到達時刻及び上記対地波到達時刻の差とである請求項3記載の故障点標定システム。
  5. 上記送配電線路情報は、上記各時刻差を元に上記故障点標定装置から上記故障点までの距離を算出するための故障点算出式を、上記分岐毎に具備する請求項3又は4記載の故障点標定システム。
  6. 上記故障点標定装置は、空間波受信方位算出手段を更に備え、
    上記空間波検知手段は、上記空間波を受信した時の状況を該空間波受信方位算出手段に出力し、
    該空間波受信方位算出手段は、該状況から該空間波の発信方向を求めて、該発信方向を該故障点算出手段に出力し、
    上記故障点算出手段は、上記各距離と、該発信方向とが一致する地点を上記故障点として算出して出力手段に出力する請求項3又は4記載の故障点標定システム。
  7. 上記送配電線路情報は、上記各時刻差を元に上記故障点標定装置から上記故障点までの距離を算出するための故障点算出式と、上記発信方向が一致する限定範囲とを上記分岐毎に具備する請求項6記載の故障点標定システム。
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