JP4067640B2 - 荷電粒子源および荷電粒子ビーム装置並びに不良解析方法および半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

荷電粒子源および荷電粒子ビーム装置並びに不良解析方法および半導体デバイスの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば半導体製造ラインにおける不良解析に用いる微細な部分を加工、観察するための荷電粒子ビームを発生させる荷電粒子源および荷電粒子ビーム装置並びに不良解析方法および半導体デバイスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスの製造においては、2〜3年ごとに新しいデバイス開発を進める必要があり、いかにして開発期間の歩留りを上げて早く量産ラインを立ち上げることが課題となっている。そして、ラインのクリーン度が進んだ現在では歩留りを下げる原因のほとんどが装置にまつわる異物であるといわれている。このため、早期に異物を発見してプロセスにフィードバックかけることが不良を押さえる鍵になっている。
具体的には特開平8−313460号公報に検査による異物発見後に、異物がライン内のどこの工程で発生したのかを走査型電子顕微鏡装置(SEM=Scanning Electron Microscopy)+エネルギー分散形X線分析装置(EDX=Energy Dispersive X-ray spectroscopy)や集束イオンビーム装置(FIB=Focused Ion Beam)+飛行時間形質量分析装置(TOF−SIMS=Time-Of-Flight Secondary Ion Mass Spectroscopy)により分析する手法が示されている。
【0003】
このFIB装置においては従来イオン源としてガリウムなどの液体金属イオン源(LMIS=Liquitd Metal Ion Source)が広く利用されてきた。このLMISを用いたFIB装置ではイオンソース径が0.1μm以下であるため、イオン光学系レンズにより容易に0.1μm以下にビームを集束することができるので高精度に微細加工、観察できることが特徴となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のFIB装置ではイオン源としてLMISを用いており、先端のとがった針先に液体金属を供給して電界をかけることによりその金属をイオン化して先端からイオンを引き出す方式のイオン源であり、先端に形成される液体の円錐の先端径が0.1μm以下であるためにイオン光学系により0.1μm以下に集束することができる。しかし、イオン化するために先端に高電界を印加しなければならないために、引き出すイオンの量、すなわちイオンビーム電流を連続的に調整することが難しい。そこで、LMISを用いたFIB装置ではイオン源自体でイオンビーム電流を調整せず、イオン光学系に組み込まれたビーム制限アパーチャの径を変えることによりイオンビーム電流を調整していた。この場合、必要に応じた数種類の異なった径のアパーチャを交換できる機構を設けなければならず、ビーム電流を連続的に変えることはできなかった。また、大きなビーム電流を得るために大きなアパーチャを用いると実効的にイオンソース径が大きくなるために微細にビームを絞ることができなかった。また、常にアパーチャがビームによりスパッタリングされたり、アパーチャ交換にともなう異物の発生などが起こる可能性があり、異物の発生箇所を特定しにくくなるという問題もあった。
以上のような背景から、不純物、異物を発生せずにビーム電流制御が可能なFIB装置が望まれていた。
【0005】
本発明の目的は、アパーチャを用いずにビーム電流を連続的に変更でき、不純物、異物を発生しない荷電粒子源および荷電粒子ビーム装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、異物等の欠陥を発生させている製造工程を特定できるようにして、早期に欠陥の発生要因を減少または取り除くことによって半導体デバイス等の高歩留まりと品質向上を図るようにした不良解析方法および半導体デバイスの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、マイクロ波を共振させる半同軸共振器と、該半同軸共振器の半同軸部分に対向する空洞部分に設置され、プラズマ化するガスが導入されるプラズマチャンバと、該プラズマチャンバ内に前記半同軸共振器によって共振されたマイクロ波電力を導入するマイクロ波電力導入窓と、前記プラズマチャンバ内に高周波電力を導入する高周波アンテナと、前記プラズマチャンバ内でプラズマ化された荷電粒子を引き出す引き出し電極とを備えたことを特徴とする荷電粒子源である。即ち、本発明は、ガスをプラズマ化して、そのプラズマ中のイオンまたは電子を引き出して荷電粒子源とするプラズマ荷電粒子源において、ガスをプラズマ化する直流や交流電力を変化させることにより無段階でビーム電流を調整することができるようにしたものである。プラズマ荷電粒子源では、プラズマの密度とイオンまたは電子ビーム電流とは比例しており、電力を増加することでプラズマに電力が供給されてプラズマ密度が増加し、その結果、イオンビーム電流または電子ビーム電流が増加することになる。
【0007】
また、本発明は、前記荷電粒子源において、前記高周波アンテナを前記プラズマチャンバに対向するように半同軸部分に設けたことを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電粒子源において、前記高周波アンテナに供給する高周波電力を制御する高周波電力制御手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記荷電粒子源において、更に、前記プラズマチャンバ内でプラズマ化されたプラズマ内を電磁波が電子サイクロトロン共鳴ECR(Electron Cyclotron Resonance)ポイントまで伝搬できるように前記プラズマチャンバ内の周囲にカスプ磁場を形成するカスプ磁場発生手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記荷電粒子源において、更に、前記高周波アンテナによって発生した高周波の電磁波が、前記プラズマチャンバ内でプラズマ化されたプラズマ中を伝搬できるような磁力線を発生させる磁力線発生手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記荷電粒子源における半同軸共振器において、半同軸部分を軸方向に可動に構成したことを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電粒子源における半同軸共振器において、該共振器内のマイクロ波の共振状態を調整する整合器を備えたことを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電粒子源において、前記プラズマチャンバ内に導入されるガスとして、不活性ガスや窒素ガスの何れかのガス種であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、マイクロ波を共振させる半同軸共振器と該半同軸共振器の半同軸部分に対向する空洞部分に設置され、プラズマ化するガスが導入されるプラズマチャンバと該プラズマチャンバ内に前記半同軸共振器によって共振されたマイクロ波電力を導入するマイクロ波電力導入窓と前記プラズマチャンバ内に高周波電力を導入する高周波アンテナと前記プラズマチャンバ内でプラズマ化された荷電粒子を引き出す引き出し電極とを備えた荷電粒子源と、該荷電粒子源の引き出し電極から引き出された荷電粒子ビームを集束、偏向させて対象物に照射する光学系と、前記対象物から発生した2次荷電粒子を検出する2次荷電粒子検出器とを設けたことを特徴とする荷電粒子ビーム装置である。
また、本発明は、前記荷電粒子ビーム装置における荷電粒子源において、前記高周波アンテナを前記プラズマチャンバに対向するように半同軸部分に設けたことを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電粒子ビーム装置における荷電粒子源において、前記高周波アンテナに供給する高周波電力を制御する高周波電力制御手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記荷電粒子ビーム装置における荷電粒子源において、更に、前記プラズマチャンバ内でプラズマ化されたプラズマ内を電磁波がECRポイントまで伝搬できるように前記プラズマチャンバ内の周囲にカスプ磁場を形成するカスプ磁場発生手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電粒子ビーム装置における荷電粒子源において、更に、前記高周波アンテナによって発生した高周波の電磁波が、前記プラズマチャンバ内でプラズマ化されたプラズマ中を伝搬できるような磁力線を発生させる磁力線発生手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電粒子ビーム装置における荷電粒子源において、前記プラズマチャンバ内に導入されるガスとして、不活性ガスや窒素ガスの何れかのガス種であることを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電粒子ビーム装置において、更に、対象物に対してイオンビームと電子ビームとを切り換えて照射するように前記荷電粒子源の引き出し電極、および前記光学系に供給する電源電圧を切り換え制御する制御手段を設けたことを特徴とする。
また、本発明は、前記荷電粒子ビーム装置において、前記2次荷電粒子検出器によって検出される2次荷電粒子によって対象物に形成された物質の元素分析を行う分析手段を設けたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、半導体製造ラインで処理される基板上に発生する異物等の欠陥を検査する検査工程と、マイクロ波を共振させる半同軸共振器と該半同軸共振器の半同軸部分に対向する空洞部分に設置され、プラズマ化するガスが導入されるプラズマチャンバと該プラズマチャンバ内に前記半同軸共振器によって共振されたマイクロ波電力を導入するマイクロ波電力導入窓と前記プラズマチャンバ内に高周波電力を導入する高周波アンテナと前記プラズマチャンバ内でプラズマ化された荷電粒子を引き出す引き出し電極とを備えた荷電粒子源から引き出されたイオンビーム若しくは電子ビーム等の荷電粒子ビームを光学系によって集束させて前記検査工程で検査された基板上の欠陥に照射し、該欠陥から発生した荷電粒子若しくはX線若しくは光を検出器で検出して欠陥の元素分析を行う欠陥の元素分析工程と、該欠陥の元素分析工程で分析された欠陥の元素に基づいて前記半導体製造ラインの不良製造工程を特定する特定工程とを有することを特徴とする不良解析方法である。
また、本発明は、半導体製造ラインで処理される基板上に発生する異物等の欠陥を検査する検査工程と、マイクロ波を共振させる半同軸共振器と該半同軸共振器の半同軸部分に対向する空洞部分に設置され、プラズマ化するガスが導入されるプラズマチャンバと該プラズマチャンバ内に前記半同軸共振器によって共振されたマイクロ波電力を導入するマイクロ波電力導入窓と前記プラズマチャンバ内に高周波電力を導入する高周波アンテナと前記プラズマチャンバ内でプラズマ化された荷電粒子を引き出す引き出し電極とを備えた荷電粒子源から引き出されたイオンビーム等の荷電粒子ビームを光学系によって集束させて(更に偏向させても良い。)前記検査工程で検査された基板上の欠陥領域に照射して、該欠陥を露出させる欠陥露出工程と、該欠陥露出工程で露出された欠陥について元素分析を行う欠陥の元素分析工程と、該欠陥の元素分析工程で分析された欠陥の元素に基づいて前記半導体製造ラインの不良製造工程を特定する特定工程とを有することを特徴とする不良解析方法である。
【0014】
また、本発明は、基板に対して半導体製造ラインで処理して半導体デバイスを製造する半導体デバイスの製造方法において、前記半導体製造ラインで処理される基板上に発生する異物等の欠陥を検査する検査工程と、マイクロ波を共振させる半同軸共振器と該半同軸共振器の半同軸部分に対向する空洞部分に設置され、プラズマ化するガスが導入されるプラズマチャンバと該プラズマチャンバ内に前記半同軸共振器によって共振されたマイクロ波電力を導入するマイクロ波電力導入窓と前記プラズマチャンバ内に高周波電力を導入する高周波アンテナと前記プラズマチャンバ内でプラズマ化された荷電粒子を引き出す引き出し電極とを備えた荷電粒子源から引き出されたイオンビーム若しくは電子ビーム等の荷電粒子ビームを光学系によって集束させて前記検査工程で検査された基板上の欠陥に照射し、該欠陥から発生した荷電粒子若しくはX線若しくは光を検出器で検出して欠陥の元素分析を行う欠陥の元素分析工程と、該欠陥の元素分析工程で分析された欠陥の元素に基づいて前記半導体製造ラインの不良製造工程を特定し、該特定された不良製造工程にフィードバックして欠陥を発生させる要因を低減または除去するように制御する制御工程とを有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法である。
【0015】
また、本発明は、基板に対して半導体製造ラインで処理して半導体デバイスを製造する半導体デバイスの製造方法において、前記半導体製造ラインで処理される基板上に発生する異物等の欠陥を検査する検査工程と、マイクロ波を共振させる半同軸共振器と該半同軸共振器の半同軸部分に対向する空洞部分に設置され、プラズマ化するガスが導入されるプラズマチャンバと該プラズマチャンバ内に前記半同軸共振器によって共振されたマイクロ波電力を導入するマイクロ波電力導入窓と前記プラズマチャンバ内に高周波電力を導入する高周波アンテナと前記プラズマチャンバ内でプラズマ化された荷電粒子を引き出す引き出し電極とを備えた荷電粒子源から引き出されたイオンビーム等の荷電粒子ビームを光学系によって集束させて(更に偏向させても良い。)前記検査工程で検査された基板上の欠陥領域に照射して、該欠陥を露出させる欠陥露出工程と、該欠陥露出工程で露出された欠陥について元素分析を行う欠陥の元素分析工程と、該欠陥の元素分析工程で分析された欠陥の元素に基づいて前記半導体製造ラインの不良製造工程を特定し、該特定された不良製造工程にフィードバックして欠陥を発生させる要因を低減または除去するように制御する制御工程とを有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法である。
【0016】
以上説明したように、前記構成によれば、マイクロ波を共振器の大きさによるカットオフ周波数のない半同軸共振器で共振させて共振器内部に設置したプラズマチャンバ内に封入したガスをプラズマ化することによって、局所的に高密度のプラズマを発生させ、しかも数pA〜数nAの広い範囲にわたるイオンビーム電流が得られように構成することによって、例えばFIB加工では高精度に微細な加工を行ったり、広範囲を高速に粗加工したりすることが可能となる。
もし、この広い範囲のイオンビーム電流をマイクロ波の電力のみで変更しようとすると、数十W〜数千Wまで安定、連続して変えることができるマイクロ波電源が必要となる。しかし、現実的な太さの同軸線路の最大通過電力は200〜300Wであって、それ以上の電力を供給することは不可能である。そこで本発明では、このマイクロ波電力に加えて、数百k〜数百MHzといったマイクロ波の周波数に比べて低い周波数の高周波電力を高周波アンテナから同時にプラズマチャンバ内部のプラズマに加えることによりプラズマの密度を広範囲に変化させ、FIB加工に要求されるイオンビーム電流を200〜300Wのマイクロ波電源+高周波電源により得ることが可能となる。
【0017】
従って、マイクロ波に加えて同時に高周波電力をプラズマに供給することにより、従来のアパーチャを使ったビーム電流制御と同じ性能を持ち、かつ不純物や異物を出さないビーム電流を制御することが可能となる。なお、従来のLMISからのイオンは金属イオンであるのに対してプラズマイオン源の場合にはガスを用いているために半導体に対して不純物とならないガス種を選択すればイオンそのものが汚染源になることがないことは特開平7−320670号公報で示されている。
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、アパーチャを用いずにビーム電流を連続的に変更でき、不純物、異物を発生しない荷電粒子源および荷電粒子ビーム装置を実現することができ、最適なビーム電流、即ちビーム径で分析や加工等を行うことが可能となる。
また、本発明によれば、不純物、異物を発生しない荷電粒子ビームを用いて最適なビーム電流、即ちビーム径で分析や加工等を行うことが可能となり、その結果半導体製造ラインの不良解析を高精度に行って、異物等の欠陥を発生させている製造工程を特定し、早期に欠陥の発生要因を減少または取り除くことによって半導体デバイス等の高歩留まりと品質向上を図ることが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施の形態を図面を用いて説明する。
まず、本発明に係るプラズマ荷電粒子源の第1の実施の形態について、図1〜図7、図12および図14を用いて説明する。以下の説明においては、プラズマイオン源について説明する。当然、プラズマ荷電粒子源は、後述するようにプラズマイオン源と同様にプラズマ電子線源としても使用することができる。
図1は、本発明に係る半同軸共振器とスリットによりガスをプラズマ化したイオン源の第1の実施の形態の要部を模式的に示した断面図である。図1中の1はアルミニューム等の材料で形成された半同軸共振器である。2は半同軸共振器1内にマイクロ波を導入するアンテナ2aを備えたマイクロ波導入同軸コネクタである。3は半同軸部分を形成する可動中心導体である。4はプラズマチャンバ8内に数百k〜数百MHzといったマイクロ波の周波数に比べて低い高周波電力を供給する高周波電力導入用高周波アンテナであり、半同軸部分である可動中心導体3内に設置されている。5は高周波アンテナ4に高周波電力を供給する高周波用同軸ケーブルである。6はスリースタブチューナ等から構成された可動スタッブ整合器で、半同軸共振器1において最適なマイクロ波の共振状態を得るために調整するものである。8は石英やセラミック等から形成されたプラズマチャンバで、半同軸共振器1の半同軸部分に対向する空洞部分に設置されている。即ち、プラズマチャンバ8内には、プラズマ化するためのガスがガス流路11から導入されることになる。9はプラズマチャンバ8内の周囲にカスブ磁場を発生させるマグネットで、プラズマチャンバ8内に導入されたマイクロ波電力の減衰を防止させるためのものである。13はプラズマチャンバ8内にプラズマ化したイオン23または電子22を引き出す引き出し電極である。14は引き出し電極13から引き出されたイオンビーム(FIB)を示す。16はガス導入管で、プラズマチャンバ8内にプラズマ化するガスをガス流路11から導入するためのものである。なお、高周波アンテナ4に高周波電力を0〜100W程度まで変化させて供給する高周波電力制御装置(図示せず)が高周波用同軸ケーブル5に接続されている。また、10は、可動中心導体3を上下にガイドするリニアシャフトである。15は、スリースタブチューナ6に高電圧を印加する高電圧印加端子である。
【0020】
ガス導入管16から導入されたガスは、プラズマチャンバ8に設けたガス流路11を通してプラズマチャンバ8内部に流れ込む。このガスをマイクロ波導入窓(スリット)30を通して導入されたマイクロ波によりプラズマ化して、引き出し電極13に開いた穴を通してイオンを引き出してイオン源とする。引き出されたイオンは図14に示す光学系101により、集束されて加工または分析処理する対象物102に照射される。なお、導入するガスとしては、ネオン、クリプトン、アルゴン、ゼノンなどの不活性ガスや窒素の何れかのガス等で構成される。
ところで、電磁波であるマイクロ波は空間を伝わるために、通常の電気回路とは違って立体回路を用いなければならない。本プラズマイオン源においても同軸ケーブル2のアンテナ2aから、立体回路である半同軸共振器1にマイクロ波を伝搬させ、共振器1内でマイクロ波を共振させて200〜300W程度の電力をプラズマチャンバ8におけるマイクロ波導入窓30を通してプラズマに供給している。図2に示すように、同軸型の空洞共振器には共振波長の違いにより同軸共振器と半同軸共振器の2種類があるが本発明では図1中のプラズマチャンバ8を共振器内に設置するために、半同軸共振器の形になる。半同軸共振器1の共振長は3/4波長であり、同軸共振器より1/4波長分長くなる。また同軸共振器の特性インピーダンスは図中aとbの比により決まる。例えば、2.45GHzのマイクロ波では波長が122mmであるので、半同軸共振器1では約91mmが共振器長になる。
【0021】
さて、ガスをプラズマチャンバ8内に流す。次に、マイクロ波をアンテナ2aから半同軸共振器1内部に導入すると半同軸共振器1内部でマイクロ波の共振状態が起こる。このままではプラズマチャンバ8内部にはマイクロ波が伝搬しないため、図3に示すように可動中心導体3を引き上げて共振器1内部にプラズマチャンバ8を露出させる。その結果、マイクロ波電界は共振器1の底部と可動中心導体3の間の隙間(マイクロ波導入窓)、即ちスリット(マイクロ波導入窓)30を通してプラズマチャンバ8内部のガスに伝搬する。可動中心導体3の引き上げによって、マイクロ波の共振状態がずれるので共振する位置まで可動中心導体3の位置を上下方向に調整することによって、プラズマチャンバ8内のガスに効率よくマイクロ波電界が伝搬し、ガス原子あるいは分子が電離されてプラズマ7となる。プラズマ7の着火によって再度、マイクロ波の共振状態がずれるので、これを可動中心導体3の位置、または可動スタブ整合器の1種であるスリースタブチューナ6の3本の棒の位置(共振器内に出す量)の調整により共振状態を最適化して、マイクロ波電力をプラズマ7に効率よく供給する。
【0022】
ところで、半導体製造ラインにおいて例えばウエハ上に発生した異物等の欠陥について元素分析等を行ってその発生原因を究明する不良解析が必要となってきている。そのために例えばFIB加工においては、高精度な微細加工や広範囲の高速粗加工が必要となり、数pA〜数nAの広い範囲に亘って連続的にイオンビーム電流を変えられるもの、即ち、任意のイオンビーム電流が得られるプラズマイオン源が要望されてきている。
そこで、イオンビーム電流を上げるためにマイクロ波電力を増加すると、プラズマ密度が増加するが、密度が増加するとその密度に比例してプラズマ内部を伝搬できる電磁波の周波数の上限(カットオフ周波数)が変化する。このため、本発明においては、プラズマチャンバ8内の壁に沿って図4(a)に示すような例えば8極のカスプ磁場を作り出すマグネット9を図1に示す位置に配置した。なお、18はヨークを示す。このカスプ磁場は、図4(b)に示すように、電磁波をカットオフ周波数に関係なく磁力線に沿って電子サイクロトロン共鳴ECR(Electron Cyclotron Resonance)ポイントまでプラズマ内を伝搬できることを利用したものである。これにより、マイクロ波電力の供給限界はマイクロ波電源系統の容量で決まることになる。
【0023】
しかしながら、すでに説明したようにマイクロ波電源のみでFIBの電流範囲(数pA〜数nAの広い範囲)を制御しようとすると大きな容量の電源が必要となり現実的でない。そこで、本発明では、可動中心導体3内部に設けた高周波アンテナ4に高周波電力を高周波ケーブル5を通して供給し、マイクロ波電力が低くても高いビーム電流を得ることができる構造にした。図5は一定のマイクロ波電力(図5中では72W)を供給しておき、高周波電力を印加した場合のイオンビーム電流の変化を示したものである。マイクロ波電力のみの場合(高周波電力0W時)に比べ、マイクロ波+高周波電力の場合にはイオンビーム電流が高周波電力の増加に伴って大きく増加していることが分かる。一方、リターディング法によりイオンビームのエネルギー幅を測定した結果、高周波印加時にはエネルギー幅が増加していることが分かる。
従って、本実施の形態によれば、図6に示すように従来のアパーチャによるビーム電流制御法において電流の増加に伴ってビーム径が大きくなるのと同じく、ビーム電流増加に伴ってエネルギー幅が増加するのでビーム径が増加することになる。ただし、従来のアパーチャによるビーム電流制御法は常にビームがアパーチャに当たるのでスパッタリングにより不純物が発生したり、アパーチャの可動に伴う異物の発生などの問題も発生する可能性があるが、本実施の形態によればその問題はなく、また高周波電力の増加にともなってビーム電流も連続的に制御できる利点もある。
【0024】
以上説明したプラズマ荷電粒子源を備えたFIB装置は、図12(a)または図14によって構成される。即ち、103は、図1および図3に示すプラズマ荷電粒子源である。そして、プラズマチャンバ8内にプラズマ化されたイオン23は、基準電極24に対して引き出し電極13に印加された電源電圧31aによって引き出され、引き出し電極13とコンデンサレンズ25との間に印加されている電源電圧32aによって加速されることになる。ところで、引き出し電極13のイオン引き出し口をイオンシースの厚さよりも小さい径にすることにより、プラズマが引き出し口から加速電極側へ拡散することがなくなるので、引き出し電極13には、プラズマ7中のイオン23を引き出すための比較的小さい電圧31aを印加するだけでよくなるので、引き出し電極13がスパッタされて異物が発生することをなくすことができる。即ち、アパーチヤレスを実現することができる。即ち、プラズマ7中に設置された基準電極24に対して引き出し電極13に電圧31aを加えることにより、効率よくプラズマ7に電界がかかり、数十ボルト程度の低電圧で最大限のイオン23を引き出すことができ、引き出し電極13の付近での絶縁破壊も生じない。
【0025】
なお、光学系101は、コンデンサレンズ25と偏向電極26とオブジェクトレンズ27とを有することになる。33a、34a、35aはコンデンサレンズ25、オブジェクトレンズ27に印加する電源電圧である。これら電源電圧31a、32a、33a、34a、35aは、図示していない制御装置によって最適な電圧が与えられるように制御可能に構成されている。また光学系101および対象物102を載置する試料ステージ28は、真空排気される真空室(図示せず)内に設置されている。
従って、図示していない制御装置によって、可動中心導体3内部に設けた高周波アンテナ4に高周波電力を制御することによって、数pA〜数nAの広い範囲で最適化されたビーム電流でイオンビーム14を引き出すことを可能にし、その結果ビーム電流増加に伴ってエネルギー幅が増加する関係からビーム径の最適化も可能となる。このように、対象物102に対して加工または分析処理等施す高精度な微細加工や広範囲の高速粗加工に対して最適化されたビーム電流およびビーム径を有するイオンビーム14を試料ステージ28上に載置された対象物(例えば半導体ウエハ21)102に対して照射することができる。なお、104は、対象物102から発生する2次荷電粒子(2次イオンや2次電子)を検出する2次荷電粒子検出器である。この2次荷電粒子検出器104から検出される2次荷電粒子検出信号によって、対象物102に対するイオンビーム14の照射位置を決めたりすることも可能である。
【0026】
次に、以上説明したFIB装置を半導体製造ラインへ適用した応用例について説明する。
たとえば、上記不純物、異物を発生せずにビーム電流を連続制御できるFIB装置を、工程a、工程b、工程c、・・・工程zからなる半導体製造ラインの不良解析に使用した例では、図7に示すように製造ライン内の工程a、工程b、工程cから得られるウエハに対して検査される異物検査や外観検査装置(検査A、検査B、検査C等からなる。)により発見された異物等の欠陥20に関するデータベース71から得られる位置データ72をもとに、FIB装置においてFIB14を照射し、2次荷電粒子検出器104で検出される異物20から得られる2次荷電粒子像に基づいてその異物20の形状を観察する。なお、異物20の形状を観察するのに、走査電子顕微鏡(SEM)によって行っても良い。そして、FIB装置を用いる工程73において、異物20が半導体ウエハ表面21に付着している場合には、ウエハの大気中の運搬などにより最表面層に薄い酸化膜が形成されているので、ビーム電流を大きくしてビーム径の大きなFIB14によりこれを除去加工した上で、次に異物(2μm〜0.05μm程度)の大きさに適合するようにビーム電流を小さくしてビーム径を(1μm〜0.01μm)程度にして表面からスパッタされた2次イオンをTOF−SIMS分析19することで異物の元素分析を行い、その元素分析結果をデータベース71に登録する。
【0027】
不良解析装置は、データベース71に登録された異物の元素分析結果からどの工程で発生した物質であるかを特定し、早急に製造ラインに不良を改善するようにフィードバックをかける。即ち、不良解析装置は、異物の元素分析結果から異物の元素を把握することが可能となり、その結果どの工程で異物が発生したかを究明することができ、工程を特定することが可能となる。
また、FIB装置を用いる工程73において、異物が表面になく下層に存在している場合にはビーム電流を大きくしてビーム径の大きなFIB14により異物の上層から断面加工した上で、次に異物(2μm〜0.05μm程度)の大きさに適合するようにビーム電流を小さくしてビーム径を(1μm〜0.01μm)程度にしてTOF−SIMS分析19をすれば、不良解析装置において、同様に異物発生工程を特定することができる。即ち、異物20の表面層に形成された薄い酸化膜を除去加工したり、異物が表面になく下層に存在している場合に異物の上層から断面加工する場合には、ビーム電流を増大してビーム径を著しく大きくする(1μm〜数10μm程度)ことにより高速で実行することが可能となる。なお、異物の分析を行う上で従来のガリウムイオンではなくプラズマを使ったイオン源からのガスイオン(ネオン、クリプトン、アルゴン、ゼノンなどの不活性ガスや窒素の何れかのガスに基づくイオン)であり、かつアパーチャを用いない電流制御であるため、ウエハを不純物で汚染することなく、精度良く元素分析、不良工程を特定できることも特徴である。
【0028】
次に、本発明に係るプラズマイオン源の第2の実施の形態について、図5、図6、図8、図9、図12および図14を用いて説明する。
図8は、本発明に係る半同軸共振器とスリットによりガスをプラズマ化したイオン源の第2の実施の形態の要部を模式的に示した断面図である。この第2の実施の形態の第1の実施の形態と相違する点は、半同軸共振器1とスリット30を用いてマイクロ波によりプラズマチャンバ8内のネオン、クリプトン、アルゴン、ゼノンなどの不活性ガスや窒素の何れかのガスをプラズマ化し、引き出し電極13に開いた穴からイオンを引き出すプラズマイオン源において、イオンビーム電流を制御する高周波電力導入用高周波アンテナ4の上部に縦方向に磁場を発生するマグネット17を設置したものである。このマグネット17の磁力線により高周波アンテナ4から発生した高周波の電磁波がホイッスラーモードでプラズマ中に伝搬し、高周波電力の供給効率を上げる構造となっている。なお、ホイッスラーモードとは、プラズマ中を電磁波が伝搬するときのモードのことである。このように、マグネット17を設置することによって、高周波電力導入用高周波アンテナ4による高周波電力の供給効率を上げることが可能となり、図5に実線で示す特性よりもビーム電流(pA)およびエネルギー幅(eV)を増大させることが可能となる。従って、図6に示すように、ビーム電流(pA)を連続的に変えることが可能となり、その結果エネルギー幅(eV)の増大に伴ってビーム径を連続的に変えることが可能となり、対象物102(21)への最適な加工や分析処理等を実現することが可能となる。
【0029】
次に、以上説明したFIB装置を半導体製造ラインへ適用した応用例について説明する。
たとえば、上記不純物、異物を発生せずにビーム電流を連続制御できるFIB装置を用いて、工程a、工程b、工程c、・・・工程zからなる半導体製造ラインの不良解析に使用すれば、図9に示すように製造ライン内の異物検査や外観検査装置(検査A、検査B、検査C等)により発見された異物をデータベース71の位置データ72をもとに、工程74において、走査型電子顕微鏡(SEM)によりその形状を観察する。そして、異物が表面層に付着している場合にはウエハの大気中の運搬などにより最表面層に薄い酸化膜が形成されているので、FIB装置を用いる工程75においてFIB14を照射し、2次荷電粒子検出器104で検出される異物から得られる2次荷電粒子像に基づいて位置決めし、異物の表面層に付着している薄い酸化膜にビーム電流を大きくしてビーム径の大きなFIB14を照射して除去加工を行う。その後、FIB装置を用いる工程76において異物(2μm〜0.05μm程度)の大きさに適合するようにビーム電流を小さくしてビーム径を(1μm〜0.01μm)程度にして断面のオージェ電子分光(AES=Auger Electron Spectroscopy)分析を行うことで異物の元素分析を行ってその結果をデータベース71として登録する。
【0030】
不良解析装置は、データベース71として登録された異物の元素分析結果からどの工程で発生した物質であるかを特定し、早急にラインに不良を改善するようにフィードバックをかける。また、異物が表面になく、表面より下層に存在している場合にはビーム電流を大きくしてビーム径の大きなFIB14により異物の上層から断面加工した上で、次に異物(例えば、2μm〜0.05μm程度)の大きさに適合するようにビーム電流を小さくしてビーム径を(1μm〜0.01μm)程度にしてAES分析をすれば、不良解析装置において、同様に異物発生工程を特定することができる。なお、異物の断面加工を行う上で従来のガリウムイオンではなくプラズマを使ったイオン源からのガスイオンであり、かつアパーチャを用いない電流制御であるため、ウエハを不純物で汚染することなく、精度良く元素分析、不良工程を特定できることも特徴である。
【0031】
次に、本発明に係るプラズマイオン源の第3の実施の形態について、図5、図6、図8、図9、図12および図14を用いて説明する。
図10は、本発明に係る半同軸共振器とスリットによりガスをプラズマ化したイオン源の第3の実施の形態の要部を模式的に示した断面図である。この第3の実施の形態の第1の実施の形態と相違する点は、半同軸共振器1とスリット30を用いてマイクロ波によりプラズマチャンバ8内のネオン、クリプトン、アルゴン、ゼノンなどの不活性ガスや窒素の何れかのガスをプラズマ化し、引き出し電極13に開いた穴からイオンを引き出すプラズマイオン源において、カスプ磁場を発生するマグネット9を取り外し、イオンビーム電流を制御する高周波アンテナ4の上部に縦方向にのみ磁場を発生するマグネット17を設置したものである。マグネット9をはずしたことでマグネット17の縦方向磁力線の乱れを低減し、高周波電磁波のホイッスラーモードのプラズマへの供給効率を上げる構造となっている。
【0032】
次に、以上説明したFIB装置を半導体製造ラインへ適用した応用例について説明する。
たとえば、上記不純物、異物を発生せずにビーム電流を連続制御できるFIB装置を用いて、工程a、工程b、工程c、・・・工程zからなる半導体製造ラインの不良解析に使用すれば、図11に示すように製造ライン内の異物検査や外観検査装置(検査A、検査B、検査C等)により発見された異物をデータベース71の位置データ72をもとに、工程74において走査型電子顕微鏡によりその形状を観察する。そして、異物が半導体ウエハの表面層に付着している場合にはウエハの大気中の運搬などにより最表面層に薄い酸化膜が形成されているので、FIB装置を用いる工程75においてFIB14を照射し、2次荷電粒子検出器104で検出される異物から得られる2次荷電粒子像に基づいて位置決めし、異物の表面層に付着している薄い酸化膜にビーム電流を大きくしてビーム径の大きなFIB14を照射して除去加工を行う。その後、FIB装置を用いる工程77において異物(例えば、2μm〜0.05μm程度)の大きさに適合するようにビーム電流を小さくしてビーム径を(1μm〜0.01μm)程度にして、断面のEDX分析を行うことで異物の元素分析を行ってその結果をデータベース71として登録する。
【0033】
不良解析装置は、データベース71として登録された異物の元素分析結果からどの工程で発生した物質であるかを特定し、早急にラインに不良を改善するようにフィードバックをかける。また、異物が表面より下層に存在している場合にはビーム電流を大きくしてビーム径の大きなFIB14により異物の上層から断面加工した上で、次に異物(例えば、2μm〜0.05μm程度)の大きさに適合するようにビーム電流を小さくしてビーム径を(1μm〜0.01μm)程度にしてEDX分析をすれば、不良解析装置において、同様に異物発生工程を特定することができる。なお、異物の断面加工を行う上で従来のガリウムイオンではなくプラズマを使ったイオン源からのガスイオンであり、かつアパーチャを用いない電流制御であるため、ウエハを不純物で汚染することなく、精度良く元素分析、不良工程を特定できることも特徴である。
【0034】
以上のように異物の位置を検査装置A,B,Cで特定した後、その異物をSEMあるいはFIB装置で形状等を確認し、ビーム電流を大きくしてビーム径の大きなFIB14で異物の断面を加工した後、異物(例えば、2μm〜0.05μm程度)の大きさに適合するようにビーム電流を小さくしてビーム径を(1μm〜0.01μm)程度にしてTOF−SIMS、AES、EDX分析等の表面分析手法を用いて異物の元素分析を行って異物の元素分析結果をデータベース71に登録することで、不良解析装置において半導体製造ラインのどの工程で発生した異物なのかを特定して不良解析を行うことができる。なお、不良工程を特定する不良解析装置は、分析装置(FIB加工装置も含む)および検査装置A,B,Cとネットワークで接続して構成することも可能である。また、不良解析装置は、分析装置(FIB加工装置も含む)内に設置することも可能である。
また、異物等の形状を確認するSEMあるいはFIB装置は、後述するように、分析装置と同じ装置によって構成することもできる。
【0035】
次に、本発明に係るプラズマ荷電粒子源を用いたSEM装置の一実施の形態について説明する。
上記第1〜第3の実施の形態では、プラズマ荷電粒子源として、引き出し電極13への電圧をプラズマの電位に対して負の電位にしているため、プラズマ7中の正イオン23が引き出されてFIB14として動作した。
【0036】
一方プラズマ7中には、ネオン、クリプトン、アルゴン、ゼノンなどの不活性ガスや窒素の何れかのガス等で構成されるガスがイオン化した結果、発生する電子22が存在している。従って、電源電圧31bによって与えられる引き出し電極13への電圧を、基準電極24により与えられているプラズマの電位に対して正の電位にした場合には電子22が引き出せ、電子源として動作する。ところで、これまで異物を分析するのに使用していたオージェ分光分析やEDX分析では分析表面に照射する1次ビームとして専用にSEMのような集束した電子ビームを発生する鏡筒を必要としていたが、本発明によれば、図12(a)、(b)に示すようにプラズマ荷電粒子源の引き出し電極13への電圧の極性とイオン光学系101のコンデンサレンズ25、オブジェクトレンズ27、偏向制御系26の電圧の極性を変えるだけでFIB14が対象物102(21)へ照射されるFIBの機能が電子ビーム29が対象物102(21)へ照射されるSEMの機能に切り替わり、分析専用の鏡筒が不要になる。即ち、図1および図3または図8または図10に示す如く構成されたプラズマ荷電粒子源103のプラズマチャンバ8内にプラズマ化された電子22は、基準電極24に対して引き出し電極13に印加された電源電圧31bによって引き出され、引き出し電極13とコンデンサレンズ25との間に印加される電源電圧32bによって加速されることになる。ところで、引き出し電極13の電子引き出し口を電子シースの厚さよりも小さい径にすることにより、プラズマが引き出し口から加速電極側へ拡散することがなくなるので、引き出し電極13には、プラズマ7中の電子22を引き出すための比較的小さい電圧31bを印加するだけでよくなる。即ち、プラズマ7中に設置された基準電極24に対して引き出し電極13に電圧31bを加えることにより、効率よくプラズマ7に電界がかかり、数十ボルト程度の低電圧で最大限の電子22を引き出すことができ、引き出し電極13の付近での絶縁破壊も生じない。なお、33b、34b、35bはコンデンサレンズ25、オブジェクトレンズ27に印加する電源電圧である。これの電源電圧31b、32b、33b、34b、35bは、図示していない制御装置によって最適な電圧が与えられるように制御可能に構成されている。
また、電源電圧31aと電源電圧31b、電源電圧32aと電源電圧32b、電源電圧33aと電源電圧33b、電源電圧34aと電源電圧34b、電源電圧35aと電源電圧35bとの切り換えも、制御装置によって可能に構成されている。
【0037】
次に、本発明に係るFIB装置の半導体製造ラインへの応用例について説明する。
たとえば、図13に示すように工程a、工程b、工程c、・・・工程zからなる半導体製造ライン内の異物検査や外観検査装置(検査A、検査B、検査C等)により発見された異物をデータベース71の位置データ72をもとに、FIB装置を用いて過程78において、引き出し電極13への電圧31bをプラズマ電位に対して正に、イオン光学系101の電圧を電子を集束する極性に変更することで、異物が付着された対象物102(21)に対して電子ビーム29を照射し、対象物102(21)から発生する2次電子を荷電粒子検出器104によって検出するSEMとして機能させ、該検出された2次電子像に基づいて異物の形状を観察する。
そして、異物が表面に付着している場合にはウエハの大気中の運搬などにより最表面層に薄い酸化膜が形成されているので、FIB装置を用いて過程79において、引き出し電極13への電圧をプラズマ電位に対して負に、イオン光学系101の電圧をイオンを集束する電圧に切り替え、ビーム電流を大きくしてビーム径の大きなFIB14を照射してFIB機能により除去加工する。
【0038】
そして、FIB装置を用いて過程80において、再び引き出し電圧及びイオン光学系101の電圧を切り替え、更にビーム電流を小さくしてビーム径を異物より小さくして電子ビーム29を断面に走査して表面から放出されるオージェ電子あるいはX線のエネルギー分析(EDX)を行うことで異物の元素分析を行って異物の元素分析結果をデータベース71に登録する。なお、1次ビームとして電子ビームを用いる分析であれば、オージェ分光分析、EDX分析以外でも分析を行うことができる。そして、不良解析装置において、分析結果からどの工程で発生した物質であるかを特定し、早急にラインに不良を改善するようにフィードバックをかける。
また、異物が表面より下層に存在している場合には、FIB装置を用いて過程79において、引き出し電極13への電圧をプラズマ電位に対して負に、イオン光学系101の電圧をイオンを集束する電圧に切り替え、ビーム電流を大きくしてビーム径の大きなFIB14を照射してFIB機能により異物の上層から断面加工を施す。その後、FIB装置を用いて過程80において、再び引き出し電圧及びイオン光学系101の電圧を切り替え、更にビーム電流を小さくしてビーム径を異物より小さくして電子ビーム29を断面に走査して、SEM機能を使ってオージェ分光分析をすれば、不良解析装置において、同様に異物発生工程を特定することができる。
【0039】
なお、SEM機能時にも不純物や異物が発生しないプラズマ密度制御による電流制御であり、かつFIB機能時には異物の断面加工を行う上で従来のガリウムイオンではなくプラズマを使ったイオン源からのガスイオンであり、かつアパーチャを用いない電流制御であるため、ウエハを不純物で汚染することなく、精度良く元素分析、不良工程を特定できることも特徴である。
なお、本実施の形態では当然1つの装置内でSEM観察・FIB加工・分析が実施できるが、図7、図9、図11に示した実施の形態においてもSEM観察・FIB加工・分析の2つ以上を同一装置内で実施できれば、真空排気時間を含む装置間搬送時間や異物への位置決め時間等の短縮による異物解析時間の短縮が図れ、さらに、装置占有面積を縮小を図れる効果もあり、解析装置として望ましい形態となることは言うまでもない。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、マイクロ波電源から半同軸共振器に供給したマイクロ波電力により、半同軸共振器内部に設置したプラズマチャンバ内のガスをプラズマ化し、局所的に高密度のプラズマを発生させ、このプラズマに可動中心導体内部に設けた高周波アンテナを通して、高周波電力をマイクロ波と同時に供給してさらにプラズマを高密度化することで、高いビーム電流を発生させることを可能にし、その結果数pAから数nA程度の広範囲なビーム電流を得ることが可能となり、不純物、異物を発生しない荷電粒子ビームを用いて最適なビーム電流、即ちビーム径で分析や加工等を行うことができる効果を奏する。
また、本発明によれば、不純物、異物を発生しない荷電粒子ビームを用いて最適なビーム電流、即ちビーム径で分析や加工等を行うことが可能となり、その結果半導体製造ラインの不良解析を高精度に行って、異物等の欠陥を発生させている製造工程を特定し、早期に欠陥の発生要因を減少または取り除くことによって半導体デバイス等の高歩留まりと品質向上を図ることが可能となる。
【0041】
また、本発明によれば、不純物や異物を発生せずに断面加工が行えるようになり、半導体製造ラインの不良解析に適用した場合、異物検査装置や外観検査装置で発見された異物の位置データをもとに異物の断面加工および分析装置により異物の元素分析が行えるようになった。これにより異物の発生した不良工程を特定できるすることによりFIB加工に必要な数pAから数nAのビーム電流をアパーチャを使用せずに得ることができ、るようになった。また、アパーチャを用いないことで不純物や異物の発生を押さえることができるようになった。
また、本発明によれば、FIB装置により不純物や異物を発生せずに異物等の欠陥を露出するための断面加工や酸化膜等の除去加工が行えるようになり、半導体製造ラインの不良解析に適用した場合、異物検査装置や外観検査装置で発見された異物等の欠陥の位置データをもとに異物等の欠陥を露出する加工および分析装置により異物等の欠陥の元素分析が可能となり、その結果異物等の欠陥を発生させる不良製造工程を特定することができる効果を奏する。
【0042】
また、本発明によれば、荷電粒子ビーム装置でのFIBとSEM機能の切替動作により、従来分析用に1次電子ビームの別鏡筒を必要としていたオージェ分光分析やEDX分析等の分析が同じ荷電粒子ビーム装置により行えるようになった。これにより分析する試料周囲のスペース確保、FIBと分析用1次ビームの軸ずれ防止、真空排気時間を含む装置間搬送時間や異物への位置決め時間などの短縮による異物解析時間の短縮、装置専有面積の縮小が図れるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマ荷電粒子源の第1の実施の形態を示す要部断面図である。
【図2】本発明に係る同軸共振器と半同軸共振器の構造を示す断面図である。
【図3】図1に示すプラズマ荷電粒子源の第1の実施の形態の動作を示す要部断面図である。
【図4】図1に示すカスプ磁場を発生するためのマグネットの配置と磁束密度分布を示す図である。
【図5】一定のマイクロ波電力を加えた状態でのイオンビーム電流とエネルギー幅とについての高周波アンテナから導入される高周波電力依存性を示す図である。
【図6】本発明の制御方式と従来アパーチャによる制御方式の特性比較を示した図である。
【図7】本発明に係るプラズマ荷電粒子源の第1の実施の形態を半導体製造ラインへ応用させた応用例を説明するための図である。
【図8】本発明に係るプラズマ荷電粒子源の第2の実施の形態を示す要部断面図である。
【図9】本発明に係るプラズマ荷電粒子源の第2の実施の形態を半導体製造ラインへ応用させた応用例を説明するための図である。
【図10】本発明に係るプラズマ荷電粒子源の第3の実施の形態を示す要部断面図である。
【図11】本発明に係るプラズマ荷電粒子源の第3の実施の形態を半導体製造ラインへ応用させた応用例を説明するための図である。
【図12】本発明に係る荷電粒子ビーム装置として、電源電圧を切り換えることによってFIB機能とSEM機能とを切り換える構成を説明するための図である。
【図13】本発明に係る荷電粒子ビーム装置としてSEM機能を持たせた場合の半導体製造ラインへの応用例を説明するための図である。
【図14】本発明に係るプラズマ荷電粒子源と光学系を設置した荷電粒子ビーム装置を示す図である。
【符号の説明】
1…半同軸共振器、2…マイクロ波導入同軸コネクタ、2a…アンテナ、3…可動中心導体、4…高周波電力導入用高周波アンテナ、5…高周波用同軸ケーブル、6…スリースタブチューナ(可動スタブ整合器)、7…プラズマ、8…プラズマチャンバ、9…マグネット、10…リニアシャフト、11…ガス流路、12…高電圧ケーブル、13…引き出し電極、14…イオンビーム(FIB)、15…高電圧印加端子、16…ガス導入管、17…マグネット、18…ヨーク、19…TOF−SIMIS、20…異物、21…半導体ウエハ表面、22…電子、23…イオン、24…基準電極、25…コンデンサレンズ、26…偏向制御系、27…オブジェクトレンズ、28…試料ステージ、29…電子ビーム
101…光学系、102…対象物、103…プラズマ荷電粒子源、104…二次荷電粒子検出器

Claims (17)

  1. マイクロ波を共振させる半同軸共振器と、
    該半同軸共振器の半同軸部分に対向する空洞部分に設置され、プラズマ化するガスが導入されるプラズマチャンバと、
    該プラズマチャンバ内に前記半同軸共振器によって共振されたマイクロ波電力を導入するマイクロ波電力導入窓と、
    前記プラズマチャンバ内に高周波電力を導入する高周波アンテナと、
    前記プラズマチャンバ内でプラズマ化された荷電粒子を引き出す引き出し電極とを備え
    前記高周波アンテナを前記プラズマチャンバに対向するように半同軸部分に設けたことを特徴とする荷電粒子源。
  2. 前記高周波アンテナに供給する高周波電力を制御する高周波電力制御手段を備えたことを特徴とする請求項記載の荷電粒子源。
  3. 更に、前記プラズマチャンバ内でプラズマ化されたプラズマ内を電磁波がECRポイントまで伝搬できるように前記プラズマチャンバ内の周囲にカスプ磁場を形成するカスプ磁場発生手段を備えたことを特徴とする請求項1または記載の荷電粒子源。
  4. 更に、前記高周波アンテナによって発生した高周波の電磁波が、前記プラズマチャンバ内でプラズマ化されたプラズマ中を伝搬できるような磁力線を発生させる磁力線発生手段を備えたことを特徴とする請求項1または2または記載の荷電粒子源。
  5. 前記半同軸共振器において、半同軸部分を軸方向に可動に構成したことを特徴とする請求項1または2または3または記載の荷電粒子源。
  6. 前記半同軸共振器において、該共振器内のマイクロ波の共振状態を調整する整合器を備えたことを特徴とする請求項1または2または3または記載の荷電粒子源。
  7. 前記プラズマチャンバ内に導入されるガスとして、不活性ガスや窒素ガスの何れかのガス種であることを特徴とする請求項1または2または3または記載の荷電粒子源。
  8. マイクロ波を共振させる半同軸共振器と該半同軸共振器の半同軸部分に対向する空洞部分に設置され、プラズマ化するガスが導入されるプラズマチャンバと該プラズマチャンバ内に前記半同軸共振器によって共振されたマイクロ波電力を導入するマイクロ波電力導入窓と前記プラズマチャンバ内に高周波電力を導入する高周波アンテナと前記プラズマチャンバ内でプラズマ化された荷電粒子を引き出す引き出し電極とを備え、前記高周波アンテナを前記プラズマチャンバに対向するように半同軸部分に設けた荷電粒子源と、
    該荷電粒子源の引き出し電極から引き出された荷電粒子ビームを集束、偏向させて対象物に照射する光学系と、
    前記対象物から発生した2次荷電粒子を検出する2次荷電粒子検出器とを設けたことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  9. 前記荷電粒子源において、前記高周波アンテナに供給する高周波電力を制御する高周波電力制御手段を備えたことを特徴とする請求項記載の荷電粒子ビーム装置。
  10. 前記荷電粒子源において、更に、前記プラズマチャンバ内でプラズマ化されたプラズマ内を電磁波がECRポイントまで伝搬できるように前記プラズマチャンバ内の周囲にカスプ磁場を形成するカスプ磁場発生手段を備えたことを特徴とする請求項8または9記載の荷電粒子ビーム装置。
  11. 前記荷電粒子源において、更に、前記高周波アンテナによって発生した高周波の電磁波が、前記プラズマチャンバ内でプラズマ化されたプラズマ中を伝搬できるような磁力線を発生させる磁力線発生手段を備えたことを特徴とする請求項8または9または10記載の荷電粒子ビーム装置。
  12. 更に、対象物に対してイオンビームと電子ビームとを切り換えて照射するように前記荷電粒子源の引き出し電極、および前記光学系に供給する電源電圧を切り換え制御する制御手段を設けたことを特徴とする請求項8または9または10または11記載の荷電粒子ビーム装置。
  13. 前記2次荷電粒子検出器によって検出される2次荷電粒子によって対象物に形成された物質の元素分析を行う分析手段を設けたことを特徴とする請求項8または9または10または11または12記載の荷電粒子ビーム装置。
  14. 半導体製造ラインで処理される基板上に発生する異物等の欠陥を検査する検査工程と、
    マイクロ波を共振させる半同軸共振器と該半同軸共振器の半同軸部分に対向する空洞部分に設置され、プラズマ化するガスが導入されるプラズマチャンバと該プラズマチャンバ内に前記半同軸共振器によって共振されたマイクロ波電力を導入するマイクロ波電力導入窓と前記プラズマチャンバ内に高周波電力を導入する高周波アンテナと前記プラズマチャンバ内でプラズマ化された荷電粒子を引き出す引き出し電極とを備え、前記高周波アンテナを前記プラズマチャンバに対向するように半同軸部分に設けた荷電粒子源から引き出された荷電粒子ビームを光学系によって集束させて前記検査工程で検査された基板上の欠陥に照射し、該欠陥から発生した荷電粒子若しくはX線若しくは光を検出器で検出して欠陥の元素分析を行う欠陥の元素分析工程と、
    該欠陥の元素分析工程で分析された欠陥の元素に基づいて前記半導体製造ラインの不良製造工程を特定する特定工程とを有することを特徴とする不良解析方法。
  15. 半導体製造ラインで処理される基板上に発生する異物等の欠陥を検査する検査工程と、
    マイクロ波を共振させる半同軸共振器と該半同軸共振器の半同軸部分に対向する空洞部分に設置され、プラズマ化するガスが導入されるプラズマチャンバと該プラズマチャンバ内に前記半同軸共振器によって共振されたマイクロ波電力を導入するマイクロ波電力導入窓と前記プラズマチャンバ内に高周波電力を導入する高周波アンテナと前記プラズマチャンバ内でプラズマ化された荷電粒子を引き出す引き出し電極とを備え、前記高周波アンテナを前記プラズマチャンバに対向するように半同軸部分に設けた荷電粒子源から引き出された荷電粒子ビームを光学系によって集束させて前記検査工程で検査された基板上の欠陥領域に照射して、該欠陥を露出させる欠陥露出工程と、
    該欠陥露出工程で露出された欠陥について元素分析を行う欠陥の元素分析工程と、
    該欠陥の元素分析工程で分析された欠陥の元素に基づいて前記半導体製造ラインの不良製造工程を特定する特定工程とを有することを特徴とする不良解析方法。
  16. 基板に対して半導体製造ラインで処理して半導体デバイスを製造する半導体デバイスの製造方法において、
    前記半導体製造ラインで処理される基板上に発生する異物等の欠陥を検査する検査工程と、
    マイクロ波を共振させる半同軸共振器と該半同軸共振器の半同軸部分に対向する空洞部分に設置され、プラズマ化するガスが導入されるプラズマチャンバと該プラズマチャンバ内に前記半同軸共振器によって共振されたマイクロ波電力を導入するマイクロ波電力導入窓と前記プラズマチャンバ内に高周波電力を導入する高周波アンテナと前記プラズマチャンバ内でプラズマ化された荷電粒子を引き出す引き出し電極とを備え、前記高周波アンテナを前記プラズマチャンバに対向するように半同軸部分に設けた荷電粒子源から引き出された荷電粒子ビームを光学系によって集束させて前記検査工程で検査された基板上の欠陥に照射し、該欠陥から発生した荷電粒子若しくはX線若しくは光を検出器で検出して欠陥の元素分析を行う欠陥の元素分析工程と、
    該欠陥の元素分析工程で分析された欠陥の元素に基づいて前記半導体製造ラインの不良製造工程を特定し、該特定された不良製造工程にフィードバックして欠陥を発生させる要因を低減または除去するように制御する制御工程とを有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
  17. 基板に対して半導体製造ラインで処理して半導体デバイスを製造する半導体デバイスの製造方法において、
    前記半導体製造ラインで処理される基板上に発生する異物等の欠陥を検査する検査工程と、
    マイクロ波を共振させる半同軸共振器と該半同軸共振器の半同軸部分に対向する空洞部分に設置され、プラズマ化するガスが導入されるプラズマチャンバと該プラズマチャンバ内に前記半同軸共振器によって共振されたマイクロ波電力を導入するマイクロ波電力導入窓と前記プラズマチャンバ内に高周波電力を導入する高周波アンテナと前記プラズマチャンバ内でプラズマ化された荷電粒子を引き出す引き出し電極とを備え、前記高周波アンテナを前記プラズマチャンバに対向するように半同軸部分に設けた荷電粒子源から引き出された荷電粒子ビームを光学系によって集束させて前記検査工程で検査された基板上の欠陥領域に照射して、該欠陥を露出させる欠陥露出工程と、
    該欠陥露出工程で露出された欠陥について元素分析を行う欠陥の元素分析工程と、
    該欠陥の元素分析工程で分析された欠陥の元素に基づいて前記半導体製造ラインの不良製造工程を特定し、該特定された不良製造工程にフィードバックして欠陥を発生させる要因を低減または除去するように制御する制御工程とを有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
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