JP4067161B2 - 舗装用改質アスファルト組成物 - Google Patents

舗装用改質アスファルト組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、舗装用改質アスファルトに関するものである。さらに詳しくは、車道、歩道、公園等にアスファルト舗装を行う際の密粒度混合物を用いた通常舗装混合物あるいは開粒度混合物を用いた排水性舗装に用いる改質アスファルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
道路舗装用のアスファルト材料としては、ストレートアスファルト及び改質アスファルトが主として用いられている。このうちストレートアスファルトの性能を改善した改質アスファルトには、ストレートアスファルトにゴム、熱可塑性エラストマーを単独、または両者を併用添加したゴム・熱可塑性エラストマー入りアスファルトとストレートアスファルトを原料油とし、高温下で空気を吹き込む操作、すなわちブローイング操作を行うことにより、感温性を改善し、かつ60℃における粘度を800から1200Pa・S(パスカル秒)に高めたセミブローンアスファルトがある。ストレートアスファルトに比べ、改質アスファルトは、重車両交通によるわだちぼれやタイヤチェーン等による磨耗抵抗性を高めており、アスファルト混合物性能の向上が図られている。なかでも雨天時における舗装表面上の滞水を防ぎ、自動車の高速走行時のハイドロプレーニング低減効果や騒音低減効果の高い開粒度混合物に用いらる排水性舗装用高粘度バインダーは、耐流動効果が高くなるように、60℃粘度を20000Pa・s以上、骨材との把握力を示す指標であるタフネス、テナシティに関しては、それぞれ20N・m以上、15N・m以上のように改質アスファルト協会での規格は定められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ゴム・熱可塑性エラストマー入りアスファルトは、ゴム・熱可塑性エラストマーの添加により60℃粘度、タフネス、テナシティが増大するという改質効果があるものの、従来のゴム・熱可塑性エラストマー入りアスファルトは、ベースアスファルトと改質材との相溶性が十分でなく、改質効果が低く、また、加熱貯蔵安定性が低下し、加熱貯蔵時に膜を張る場合もあり、満足な効果が得られていなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定の組成を持ち、かつ式(1)または(2)を満たすアスファルト類に、特定の改質材を配合した舗装用改質アスファルト組成物は、耐流動性としての指標である60℃粘度が高く、さらに骨材の把握力を示す指標の1つであるタフネスが高く、さらには加熱貯蔵安定性が高いことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、式(1)または(2)を満たし、かつ芳香族分質量に対するアスファルテン質量の比(AS/AR)が0〜0.25であり、アスファルテン分量が0〜30質量%、芳香族分量が1〜100質量%であるアスファルト類に、改質材としてスチレン含有量が30〜45質量%、重量平均分子量が100,000〜300,000のスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー、及び軟化点が80〜145℃、数平均分子量が300〜1300、重量平均分子量が400〜2800の石油樹脂のうち少なくとも1種が配合されており、配合されているときスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー、又は石油樹脂の含有量がそれぞれアスファルト類と前記各改質材の合計量の3〜30質量%であることを特徴とする舗装用改質アスファルト組成物を提供するものである。
以下、本発明の詳細を説明する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明で使用するアスファルト類は、式(1)または(2)を満たすアスファルト類であり、かつアスファルト類の組成が、アスファルト類の全体量に対して、アスファルテン分が0〜30質量%、好ましくは0〜20質量%であり、芳香族分が1〜100質量%、好ましくは10〜100質量%である。
アスファルテン分が30質量%を超える場合、ベースとなるアスファルト類が硬くなり過ぎ、低温ひび割れや施工性の面で好ましくない。また、アスファルテン分のような高分子量成分が多過ぎると、改質材との相溶性の面でも好ましくない。
ベースとなるアスファルト類の式(1)または式(2)におけるZ1値は0.52を超え、0.98以下の値であり、Z2値は0.57を超え、0.91以下の値である。Z1、Z2がこの範囲以外である場合、改質材を添加すると、改質材がアスファルト中に島状に点在し、改質材の分散状態が低下し、改質効果も小さく、加熱貯蔵時に膜を生成しやすいため好ましくない。
【0006】
上記アスファルト類は、具体的には、例えば各種原油を常圧蒸留装置及び減圧蒸留装置にかけ、軽質分を除去して得られる瀝青物質であるストレートアスファルト、原油を減圧蒸留した際の減圧蒸留留出油、溶剤脱れきアスファルト、もしくはストレートアスファルトを常圧下で230〜270℃の温度で空気を吹き込み、構成している炭化水素に脱水素重合、縮合反応を起こさせてコンシステンシーの高い状態にしたセミブローンアスファルトやブローンアスファルト等が挙げられる。
アスファルト類は、1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
上記記載における組成は、石油学会法(JPI−5S−22)による組成分析試験結果であり、数平均分子量(MN)および重量平均分子量(MW)は、ゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定し、ポリスチレン換算で求めた。
【0007】
本発明の式において構成されるのは、アスファルテンと芳香族分の比だけではなく、分子量や分子量の比または、両者の組み合わせにより構成されるものである。従って以下の組成や分子量に関する記述は、目安となるものである。
MW/MNは分子量分布の尺度となる値であり、その値が大きいほど、分子量分布が広いといえる。故に、MW/MNが大きいものは、平均分子量は小さくても、高分子量成分が多く存在する可能性がある。そして高分子量成分が多く存在すると、改質材の分散状態が低下する。MW/MNの好ましい範囲は、1〜5である。
また、AS/ARは、改質材の溶解成分として重要な尺度である。その値が大きければ改質材を溶解することができず、改質アスファルトとしての性状を示さない。さらに、AS/ARが小さい場合、すなわち、AS量に比べAR量が多い場合、改質材を溶解する効果が高いため、改質材の分散がよくなる。AS/ARは、0〜0.25である。
【0008】
本発明の舗装用改質アスファルト組成物に用いられる改質材としては特定のスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー及び特定の石油樹脂が挙げられる。改質材は、1種単独、もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの改質材の主な改質効果として特定のスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマーは60℃粘度、タフネス、特定の石油樹脂はタフネスの各性状の改善効果がある
【0009】
本発明に用いる特定の熱可塑性エラストマーは、スチレン含有量が30〜45質量%、重量平均分子量が100,000〜300,000のスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマーである。スチレン含有量が少な過ぎると、タフネス、60℃粘度の改善効果が低下し、また、スチレン含有量が多過ぎると、ベースアスファルトとの相溶性が低下する傾向がある。さらに、重量平均分子量が小さ過ぎると、改質効果が小さく、大量の配合が必要となる。逆に、重量平均分子量が大き過ぎると、ベースアスファルトとの相溶性が低下する傾向がある。
上記特定の熱可塑性エラストマーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せて用いてもよい。
【0010】
本発明に用いる特定の石油樹脂は、軟化点が80〜145℃、数平均分子量(MN)が300〜1300、重量平均分子量(MW)が400〜2800の石油樹脂である。軟化点が低過ぎると、改質効果が小さく、また逆に軟化点が高過ぎるとアスファルトが硬くなり過ぎ、施工性等の面で問題が生じるおそれがあるMN及びMWが小さ過ぎると、改質効果が小さく、大量の配合が必要となり、逆にMN及びMWが大き過ぎると、相溶性が低下するおそれがある。
石油樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
各種改質材の数平均分子量及び重量平均分子量はGPC法で測定し、ポリスチレン換算で求めたものである。
【0011】
改質材の含有量は、アスファルト類と各改質材の合計量に対して、それぞ3〜30質量%である。具体的には改質材として特定の熱可塑性エラストマーが配合されている場合、特定の熱可塑性エラストマーの含有量は、アスファルト類と特定の熱可塑性エラストマーの合計量に対して、3〜30質量%である。さらに、改質材として特定の石油樹脂が配合されている場合、特定の石油樹脂の含有量は、アスファルト類と特定の石油樹脂の合計量に対して、3〜30質量%である。これらの含有量が3質量%を下回るほど少ない場合、改質効果が小さくなり、また30質量%を超えるほど多くなると、高温時の動粘度が高くなるため、骨材との混合性が低下する傾向がある。
【0012】
本発明の舗装用改質アスファルト組成物は、上記各成分を所定割合で配合することにより製造することができる。各成分の配合順序は、特に制限されないが、ベース基材を混合した後、樹脂、熱可塑性エラストマー、あるいはゴム等の順序で改質材を配合することが好ましい。
ベース基材へのゴム、熱可塑性エラストマー等の混合は、プロペラ式攪拌機、ホモミキサー等の各種攪拌機が使用できるが、高せん断力をかけるホモミキサーが好ましい。ただし、石油樹脂の場合は、熱をかけるだけで溶解混合するので、必ずしも高せん断力をかける必要はない。
各成分の混合温度は、特に制限されるものではないが、通常150〜200℃で行うことができる。また、混合時間も特に制限されるものではないが、通常改質材1成分につき5分〜10時間、好ましくは10分〜5時間である。
【0013】
本発明の舗装用改質アスファルト組成物は、必要により、通常舗装用改質アスファルトに添加される他の添加剤、例えば剥離防止剤、分散剤、安定剤などを添加してもよい。また、可塑剤を配合して調製することも可能であり、例えば、常圧残査油、減圧残査油、減圧蒸留留出油、溶剤脱瀝油、ベースオイル、芳香族油等が挙げられる。
可塑剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】
また、本発明の舗装用改質アスファルト組成物の施工方法は、舗装用改質アスファルト組成物を所定の温度で骨材、フィラー等と混合し、舗装場所に敷設し、転圧することにより行うことができる。骨材、フィラー等との混合温度は、通常の混合温度でよく、例えば165〜185℃でよい。また、転圧時の温度は通常の転圧温度でよく、例えば150〜175℃でよい。
【0015】
【実施例】
次に、本発明を実施例、及び比較例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。
実施例、比較例における軟化点、針入度、伸度はJIS K2207に、60℃粘度、及びタフネスは舗装試験法便覧((社)日本道路協会、昭和63年版)に準拠して行った。
改質アスファルトの加熱貯蔵安定性は、約200gの改質アスファルトを、350mlのアルミ缶に入れ、160℃×7日間で加熱し、表面一面に改質材の膜が張っているものを安定性×、膜張りが全くないか、もしくは少ないものを安定性○とした。
また、組成分析は石油学会法(JPI−5S−22)に準拠して行い、数平均分子量(MN)および重量平均分子量(MW)はゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定し、ポリスチレン換算で求めた。GPC測定は、TOSOH HLC−8120の装置により、テトラヒドロフラン(THF)を移動相として、TSKgel SuperHM−Nカラムを用いて行った。
【0016】
実施例1
式(1)を満たすZ1=0.52(数平均分子量(MN)610、AS=10.6質量%、AR=42.3質量%、AS/AR=0.25)のストレートアスファルトに、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー(SBS、スチレン/ブタジエン重合比:40/60、重量平均分子量:150,000)を、ストレートアスファルトとSBSの合計量の6質量%を配合し、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃×2時間で混合し、改質アスファルト組成物を得た。表1に得られた組成物の性状を示す。
【0018】
実施例
式(1)を満たすZ1=1.09(数平均分子量(MN)570、AS=2.6質量%、AR=51.7%、AS/AR=0.05)のストレートアスファルトに、Z1=0.36の減圧残渣油(MN=680、AS=4.8質量%、AR=21.8%、AS/AR=0.22)を全体量の20%添加し、式(1)を満たすZ1=0.98(MN=590、AS=3.0質量%、AR=42.5%、AS/AR=0.07)のアスファルトを調製し、軟化点125℃、数平均分子量(MN)450、重量平均分子量(MW)720の石油樹脂をアスファルトと石油樹脂の合計量の20質量%、170℃×30分において混合し、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー(SBS、スチレン/ブタジエン重合比:40/60、重量平均分子量:150,000)を、アスファルトとSBSの合計量の6質量%、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃×2時間で混合し、改質アスファルト組成物を得た。表1に得られた組成物の性状を示す。
【0019】
実施例
式(2)を満たすZ2=1.09(数平均分子量(MN)540、重量平均分子量(MW)1240、AS=4.6質量%、AR=46.6%、AS/AR=0.10)のストレートアスファルトに、Z2=0.31の減圧残渣油(MN=680、MW=2000、AS=8.8質量%、AR=33.8%、AS/AR=0.26)を全体量の20%添加し、式(2)を満たすZ2=0.91(MN=590、MW=1380、AS=4.8質量%、AR=40.8%、AS/AR=0.12)のアスファルトを調製し、軟化点125℃、数平均分子量(MN)450、重量平均分子量(MW)720の石油樹脂をアスファルトと石油樹脂の合計量の20質量%、170℃×30分において混合し、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー(SBS、スチレン/ブタジエン重合比:40/60、重量平均分子量:150,000)を、アスファルトとSBSの合計量の8質量%、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃×2時間で混合し、改質アスファルト組成物を得た。表2に得られた組成物の性状を示す。
【0020】
実施例
式(2)を満たすZ2=0.63(数平均分子量(MN)620、重量平均分子量(MW)1650、AS=9.6質量%、AR=46.3%、AS/AR=0.21)のストレートアスファルトに、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー(SBS、スチレン/ブタジエン重合比:40/60、重量平均分子量:150,000)を、ストレートアスファルトとSBSの合計量の5質量%、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃×2時間で混合し、改質アスファルト組成物を得た。表2に得られた組成物の性状を示す。
【0021】
実施例
式(2)を満たすZ2=0.91(数平均分子量(MN)620、重量平均分子量(MW)1630、AS=5.2質量%、AR=47.9%、AS/AR=0.11)のストレートアスファルトに、軟化点125℃、数平均分子量(MN)450、重量平均分子量(MW)720の石油樹脂をストレートアスファルトと石油樹脂の合計量の25質量%、170℃×30分において混合し、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー(SBS、スチレン/ブタジエン重合比:40/60、重量平均分子量:150,000)を、ストレートアスファルトとSBSの合計量の10質量%、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃×2時間で混合し、改質アスファルト組成物を得た。表2に得られた組成物の性状を示す。
【0022】
実施例
式(2)を満たすZ2=0.57(数平均分子量(MN)660、重量平均分子量(MW)1710、AS=7.3質量%、AR=44.7%、AS/AR=0.16)のストレートアスファルトに、軟化点125℃、数平均分子量(MN)450、重量平均分子量(MW)720の石油樹脂をストレートアスファルトと石油樹脂の合計量の10質量%、170℃×30分において混合し、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー(SBS、スチレン/ブタジエン重合比:40/60、重量平均分子量:150,000)を、ストレートアスファルトとSBSの合計量の6質量%、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃×2時間で混合し、改質アスファルト組成物を得た。表2に得られた組成物の性状を示す。
【0023】
比較例1
式(1)においてZ1=0.20(数平均分子量(MN)680、AS= 13.2質量%、AR=45.2質量%、AS/AR=0.29)を示すストレートアスファルトに、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー(SBS、スチレン/ブタジエン重合比:40/60、重量平均分子量:150,000)を、ストレートアスファルトとSBSの合計量の6質量%、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃×2時間で混合し、改質アスファルト組成物を得た。表1に得られた組成物の性状を示す。
【0024】
比較例2
式(1)においてZ1=−0.02(数平均分子量(MN)710、AS=15.7質量%、AR=45.4質量%、AS/AR=0.35)を示すストレートアスファルトに、軟化点125℃、数平均分子量(MN)450、重量平均分子量(MW)720の石油樹脂をストレートアスファルトと石油樹脂の合計量の25質量%、170℃×30分において混合し、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー(SBS、スチレン/ブタジエン重合比:40/60、重量平均分子量:150,000)を、ストレートアスファルトとSBSの合計量の8質量%、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃×2時間で混合し、改質アスファルト組成物を得た。表1に得られた組成物の性状を示す。
【0025】
比較例3
式(2)においてZ2=0.18(数平均分子量(MN)770、重量平均分子量(MW)2240、AS=8.4質量%、AR=49.8質量%、AS/AR=0.17)を示すストレートアスファルトに、軟化点125℃、数平均分子量(MN)450、重量平均分子量(MW)720の石油樹脂をストレートアスファルトと石油樹脂の合計量の5質量%、170℃×30分において混合し、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー(SBS、スチレン/ブタジエン重合比:40/60、重量平均分子量:150,000)を、ストレートアスファルトとSBSの合計量の6質量%、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃×2時間で混合し、改質アスファルト組成物を得た。表2に得られた組成物の性状を示す。
【0026】
比較例4
式(2)においてZ2=0.23(数平均分子量(MN)850、重量平均分子量(MW)2370、AS=1.3質量%、AR=48.0質量%、AS/AR=0.03)を示すストレートアスファルトに、軟化点125℃、数平均分子量(MN)450、重量平均分子量(MW)720の石油樹脂をストレートアスファルトと石油樹脂の合計量の20質量%、170℃×30分において混合し、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー(SBS、スチレン/ブタジエン重合比:40/60、重量平均分子量:150,000)を、ストレートアスファルトとSBSの合計量の8質量%、高せん断力のホモミキサーを用いて、180℃×2時間で混合し、改質アスファルト組成物を得た。表2に得られた組成物の性状を示す。
【0027】
【表1】
Figure 0004067161
【0028】
【表2】
Figure 0004067161
【0029】
改質材として、SBSを6質量%混合した、実施例1と比較例1においては、ベースとなるアスファルトの数式(1)のZ1値0.52を超え、0.98以下を満たす実施例1は、SBSの分散状態が良好で、加熱貯蔵時における膜張りは認められなかった。また改質効果性状としての60℃粘度、タフネス、軟化点の改質効果も大きい。一方、ベースとなるアスファルト類の式(1)のZ1値0.52を超え、0.98以下を満足しない比較例1は、SBSの分散状態が不良であり、加熱貯蔵時における膜張りが認められ、改質効果も実施例1ほどは得られていない。
【0030】
式(1)のZ1値0.52を超え、0.98以下を満足するZ1値が0.653となる実施例2に関しては、SBS6質量%と石油樹脂20質量%だけでは改質効果が得られなかったため、可塑剤として減圧残渣油を20質量%配合した。本実施例2がもっともSBSの分散状態が優れ、60℃粘度も高く、加熱貯蔵時の膜張りも認められなかった。
請求項1の発明では、アスファルト類を説明する指標として、分子量のほかにAS/ARなる指標を併せて用いた結果、多変量解析の決定係数が分子量のみを用いた回帰式での0.82から0.92に上昇した。これは、アスファルトの改質効果、加熱貯蔵安定性に分子量だけでなく、AS/ARつまりアスファルト組成における改質材の溶解成分としての芳香族分と溶解阻害成分としてのアスファルテン分の比が寄与しているためと思われる。
【0031】
請求項2の発明では、アスファルトを説明する指標として、MN、MW、MW/MN、AS/ARの指標を用いた。多変量解析の決定係数はさらに0.94に上昇した。これは、MW/MNすなわち分子量分布の尺度となる値が大きいほど、分子量分布が広いと言えるが、MW/MNの値が大きいものは、平均分子量は小さくても、高分子量成分が多く存在する可能性があり、高分子量成分が多く存在すると、改質材の分散状態が低下することになる。このために数式の中に分子量の比すなわち分子量分布を取り入れることにより決定係数は向上した。特に比較例6に示すアスファルトでは、AS/AR=0.03と非常に小さな値を示し、改質材の溶解成分が多く、溶解阻害成分が少ないにも関わらず、貯蔵安定性や改質効果が実施例に比べて劣っているのは分子量や分子量分布が原因となっているためと考えられる。
【0032】
以上より、本発明の実施例1〜が舗装用改質アスファルト組成物として効果的であると言える。本発明は、改質アスファルトのベースとなるアスファルト類の平均分子量がある程度小さく、また高分子量成分が少ないほど、改質材の分散状態が良好になり、改質効果も大きくなり、さらに改質材の溶解成分としての芳香族分と溶解阻害成分としてのアスファルテンの比により改質効果が異なるとう知見に基づいたものである。例えば、SBSとアスファルトの混合が、SBSのポリマー鎖中にアスファルト分子が入り込み、絡みつくことにより成されるものと考察すると、分子量が小さいアスファルト類は、容易にポリマー鎖と混じり合うことができるが、分子量が大きいアスファルト類、あるいは高分子量成分が多いアスファルト類は、その高分子量成分が、そのようなポリマー鎖との混合を、立体的に阻害するために相溶性が低下するものと考えられる。さらに、溶解阻害成分としてのアスファルテンが多くても、可塑剤添加により、アスファルト類の組成を変化させて、改質材の溶解性を向上することが可能となる。
【0033】
【発明の効果】
本発明の舗装用改質アスファルト組成物は、ベースとなるアスファルト類と改質材との相溶性が良く、アスファルト舗装の耐轍掘れ性と相関が高いとされる60℃粘度、及びアスファルトバインダーと骨材の接着性とバインダー同志の結合力の指標となるタフネスの優れた性能を示し、加熱貯蔵安定性に優れている。従って、本発明の舗装用改質アスファルト組成物は、実用上極めて有用である。

Claims (2)

  1. 式(1)を満たし、かつ芳香族分質量に対するアスファルテン質量の比(AS/AR)が0〜0.25であり、アスファルテン分量が0〜30質量%、芳香族分量が1〜100質量%であるアスファルト類に改質材としてスチレン含有量が30〜45質量%、重量平均分子量が100,000〜300,000のスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー、及び軟化点が80〜145℃、数平均分子量が300〜1300、重量平均分子量が400〜2800の石油樹脂のうち少なくとも1種が配合されており、配合されているときスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー、又は石油樹脂の含有量がそれぞれアスファルト類と前記各改質材の合計量の3〜30質量%であることを特徴とする舗装用改質アスファルト組成物。
    Figure 0004067161
    (式中、MNはアスファルト類の数平均分子量、ASはアスファルテン質量%、ARは芳香族分質量%を示す。)
  2. 式(2)を満たし、かつ芳香族分質量に対するアスファルテン質量の比(AS/AR)が0〜0.25であり、アスファルテン分量が0〜30質量%、芳香族分量が1〜100質量%であるアスファルト類に改質材としてスチレン含有量が30〜45質量%、重量平均分子量が100,000〜300,000のスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー、及び軟化点が80〜145℃、数平均分子量が300〜1300、重量平均分子量が400〜2800の石油樹脂のうち少なくとも1種が配合されており、配合されているときスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体熱可塑性エラストマー、又は石油樹脂の含有量がそれぞれアスファルト類と前記各改質材の合計量の3〜30質量%であることを特徴とする舗装用改質アスファルト組成物。
    Figure 0004067161
    (式中、MNはアスファルト類の数平均分子量、MWはアスファルト類の重量平均分子量、ASはアスファルテン質量%、ARは芳香族分質量%を示す。)
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