JP4066742B2 - ガスヒートポンプ用エンジンシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスヒートポンプ用エンジンシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガスヒートポンプでは、ガスエンジンによってコンプレッサーを駆動するため、ランニングコストの低減のためには、ガスエンジンの熱効率の向上、燃費の向上が重要である。
【0003】
ガスエンジンの熱効率を向上させる方法の一つとして、実用回転域の範囲内において、なるべくスロットルバルブを全開近くで運転する方法が挙げられる。こうすれば、実用回転域での運転においてポンピングロスを小さくすることができ、熱効率のより高い運転状態を実現できる。
【0004】
一方、ガスヒートポンプに使用されるガスエンジンは、乗用車用エンジンと比較し使用時間が長く、また、ユーザーのニーズとしてメンテナンス間隔も長期化が求められており、計時劣化を考慮する必要がある。そこで、ガスエンジンには、経時劣化に伴う性能低下が起きても、スロットル開度をより開きさえすればコンプレッサの要求トルクに応じた出力トルクが得られるように、使用初期コンプレッサーより要求されるトルクの最大値から想定される排気量よりも大排気量のものが使用されていた。そして、経時劣化に伴う出力トルクの低下が小さいうちは、コンプレッサーが要求するトルクの最大値を出力するときでも、経時劣化の余裕を見込んだ分だけスロットル全開よりも閉じ側のスロットル開度で運転されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ガスエンジンの経時劣化に伴う出力トルクの低下が小さいうちは、スロットル開度をより閉じ側にして運転されることから、ポンピングロスが大きく、熱効率が低い状態での運転が避けられなかった。このため、ガスエンジンの燃費を向上させることができず、ガスヒートポンプのランニングコストを低減することができなかった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、熱効率がより高い状態でガスエンジンを運転することができ、その燃費を向上することができるガスヒートポンプ用エンジンシステムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、コンプレッサーをガスエンジンにより駆動し、吸気通路内に配置されるスロットルバルブにて前記ガスエンジンのエンジン回転数を制御するガスヒートポンプ用エンジンシステムにおいて、前記ガスエンジンに対して燃焼用空気を過給可能な過給手段と、前記スロットルバルブのスロットル開度がほぼ全開であり、かつ、前記エンジン回転数が、要求回転数に達しない出力低下状態であるか否かを、その運転状態に基づいて判定する判定手段と、前記ガスエンジンが前記出力低下状態であると判定されたときには、過給を行う過給制御手段とを備え 前記過給手段は、前記吸気通路に対して前記スロットルバルブよりも上流側で接続された副吸気通路と、前記副吸気通路を通じてガスエンジンに燃焼用空気を過給可能な過給機とからなり、前記過給制御手段は、前記副吸気通路と前記吸気通路との接続部にて、前記吸気通路の上流側と前記副吸気通路とを切り換える通路切換手段と、前記過給機を運転又は停止する運転手段と、前記判定手段の判定結果に基づいて前記通路切換手段及び運転手段を制御し、前記出力低下状態と判定されたときには、前記接続部より下流側の吸気通路と前記副吸気通路を連通させるとともに、前記過給機を運転するように前記運転手段を制御する吸気制御手段とからなっている。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、ガスエンジンが経時劣化し、スロットル開度がほぼ全開のときの出力トルクが不足し、エンジン回転数が要求回転数に達しない出力低下状態となると過給手段がガスエンジンに過給し、要求トルクに応じた出力トルクが確保される。このため、コンプレッサーより要求されるトルクの最大値に対し、従来より排気量が小さいガスエンジンを用いることができ、スロットル開度をより全開側にして運転することができるため、運転中のポンピングロスがより小さくなる。
また、ガスエンジンが出力低下状態となると、吸気通路に対してスロットルバルブよりも上流側で接続された副吸気通路を通じて、過給機からガスエンジンに燃焼用空気が過給される。ガスエンジンが出力低下状態となると、過給制御手段が通路切換手段を制御して副吸気通路を吸気通路に連通させるとともに過給機を運転する。そして、副吸気通路を通じてガスエンジンに過給する。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記判定手段は、前記ガスエンジン各部に配置されたセンサにより運転状態に関わる値を検出する運転状態検出手段と、前記運転状態検出手段の検出値と予め設定された判定基準とに基づき、前記出力低下状態であるか否かを判定する出力状態判定手段とからなる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、運転状態検出手段が、ガスエンジン各部に配置されたセンサにより、運転状態に関する値を検出する。そして、この検出値と、予め設定された判定基準とに基づき、出力状態判定手段が、出力低下状態であるか否かを判定する。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記運転状態検出手段は、前記スロットル開度と前記エンジン回転数を検出する。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の作用に加えて、スロットル開度とエンジン回転数とに基づいて出力低下状態であるか否かが判定される。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記運転状態検出手段は、前記ガスエンジンの吸気量を検出する。
請求項4に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の作用に加えて、ガスエンジンの吸気量に基づいて出力低下状態であるか否かが判定される。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記運転状態検出手段は、前記ガスエンジンの振動を検出する。
請求項5に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の作用に加えて、ガスエンジンの振動に基づいて出力低下状態であるか否かが判定される。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明をガスヒートポンプ用エンジンシステムに具体化した第1実施形態を図1及び図2を用いて説明する。
【0019】
図1に示すように、本実施形態のエンジンシステム10は、ガスヒートポンプシステムに設けられるものであって、ガスエンジン11、電気式過給機12、オルタネータ13、電磁クラッチ14、コントローラ15及びバイパスバルブ16等によって構成されている。
【0020】
ガスエンジン11は、ガスヒートポンプの構成要素であるコンプレッサー17を直接駆動する。ガスエンジン11には、燃焼用空気を導入するためのメイン吸気管(吸気通路)18が接続されている。メイン吸気管18は、図示しないエアクリーナを介して外気に連通されている。
【0021】
メイン吸気管18の下流域には、ガスエンジン11が吸入する燃焼用空気の吸気量を調節するスロットルバルブ19が設けられている。スロットルバルブ19は、そのスロットル開度が全閉から全開の範囲で調節される。
【0022】
スロットルバルブ19は、スロットルアクチュエータ20によって作動する。スロットルアクチュエータ20は、ガスヒートポンプの図示しないメインコントローラによって作動制御される。このメインコントローラは、例えば、設定温度及び実際の室温等の情報に基づいて、コンプレッサー17の回転数に比例するガスエンジン11の回転数について、要求回転数(目標回転数)を設定する。そして、ガスエンジン11の実際の回転数がこの目標回転数となるように、スロットルアクチュエータ20を作動制御してスロットル開度を調節する。
【0023】
なお、エンジンシステム10には、図示しないキャブレターが設けられている。キャブレターは、スロットル開度に応じた量のガスをガスエンジン11に供給する。
【0024】
メイン吸気管18には、バイパス吸気管(副吸気通路)21が接続されている。バイパス吸気管21は、メイン吸気管18の上流域と下流域とを連通し、下流域においてスロットルバルブ19の上流側に接続されている。
【0025】
バイパス吸気管21上には、モータにてコンプレッサーを駆動する電気式過給機(過給機)12が設けられている。電気式過給機12は、バイパス吸気管21を通じてガスエンジン11に燃焼用空気を過給可能である。
【0026】
メイン吸気管18とバイパス吸気管21との下流側の接続部には、バイパスバルブ16が設けられている。バイパスバルブ16は、メイン吸気管18の上流側とバイパス吸気管21とを切り換える。そして、接続部より下流側のメイン吸気管18にその上流側を連通させたときには、メイン吸気管18を通じてのみガスエンジン11に空気が供給されるようにする。一方、バイパス吸気管21をメイン吸気管18の下流側に連通させたときには、バイパス吸気管21を通る空気のみがガスエンジン11に供給されるようにする。
【0027】
バイパスバルブ16は、バルブアクチュエータ22によって作動する。バルブアクチュエータ22は、コントローラ15から供給される駆動電流によって作動する。
【0028】
ガスエンジン11には、電磁クラッチ14を介してオルタネータ13が連結されている。電磁クラッチ14は、コントローラ15から供給される励磁電流によって作動し、ガスエンジン11の動力をオルタネータ13に伝達又は遮断する。オルタネータ13は、電磁クラッチ14を介して伝達されるガスエンジン11の動力によって駆動され、発電した電力を電気式過給機12に供給する。
【0029】
電気式過給機12は、オルタネータ13から供給される電力によって運転され、バイパス吸気管21を通じて燃焼用空気をガスエンジン11に過給する。
次に、本実施形態の電気的構成について説明する。
【0030】
ガスエンジン11には、そのエンジン回転数を検出する回転数センサ23が設けられている。また、スロットルバルブ19には、そのスロットル開度を検出する開度センサ24が設けられている。
【0031】
コントローラ15は、回転数センサ23から入力する検出信号に基づいてエンジン回転数を取得し、又、開度センサ24から入力する検出信号に基づいてスロットル開度を取得する。
【0032】
コントローラ15は、エンジン回転数及びスロットル開度に基づき、電磁クラッチ14及びバイパスバルブ16を作動制御する吸気切換制御を行う。
なお、コントローラ15は、ガスエンジン11の要求回転数をメインコントローラから取得し、吸気切換制御で用いる。
【0033】
本実施形態では、電気式過給機12及びバイパス吸気管21が過給手段を構成し、コントローラ15が運転状態検出手段、出力状態判定手段及び判定手段である。また、バイパスバルブ16及びバルブアクチュエータ22が通路切換手段を構成し、オルタネータ13及び電磁クラッチ14が運転手段を構成し、また、コントローラ15が吸気制御手段である。そして、通路切換手段、運転手段及び吸気制御手段が過給制御手段を構成する。
【0034】
吸気切換制御では、ガスエンジン11が、スロットル開度が全開であって、かつ、ガスエンジン11の出力トルクの不足により、エンジン回転数が要求回転数に達しない出力低下状態であるか否かを、その運転状態に基づいて判定する。
【0035】
本実施形態では、スロットル開度が全開であって、かつ、エンジン回転数が要求回転数に達していないときに、出力低下状態であると判定する。すなわち、開度センサ24が検出するスロットル開度と、回転数センサ23が検出するエンジン回転数とが運転状態に関わる値であって、スロットル開度が全開であってエンジン回転数が要求回転数に達しない運転状態であるか否かが判定基準である。
【0036】
そして、ガスエンジン11が出力低下状態でないときには電気式過給機12による過給を行わないとともにメイン吸気管18を通じてのみガスエンジン11に空気が供給されるようにする。反対に、出力低下状態のときには、電気式過給機12による過給を行うとともにバイパス吸気管21を通る空気のみがガスエンジン11に供給されるようにする。
【0037】
次に、吸気切換制御の制御内容を、図2に示すフローチャートに従って説明する。
先ず、ステップ(以下、Sと略記する。)100で、回転数センサ23が検出するエンジン回転数が、メインコントローラが設定する要求回転数に一致するか否かを判定する。この要求回転数は、ガスヒートポンプに対する設定温度と、実際の室温との温度差等などに応じ、メインコントローラによって設定される。
【0038】
S100でエンジン回転数が要求回転数に一致しなかったときには、次にS101で、そのエンジン回転数がその要求回転数よりも低いか否かを判定する。
S101でエンジン回転数が要求回転数以上であったときには、次にS102で、開度センサ24が検出するスロットル開度に基づき、スロットル開度を所定量だけ閉じ側に調節するための指令信号をメインコントローラに出力する。そして、メインコントローラを介してスロットルアクチュエータ20を作動させ、スロットル開度を所定量だけ閉じ側に調節した後、S100に戻る。
【0039】
一方、S101でエンジン回転数が要求回転数よりも低かったときには、次にS103で、そのときのスロットル開度が全開であるか否かを判定する。
S103でスロットル開度が全開でなかったときには、次にS104でスロットル開度を開き側に調節するための指令信号をメインコントローラに出力する。そして、メインコントローラを介してスロットルアクチュエータ20を作動させ、スロットル開度を所定量だけ開き側に調節した後、S100に戻る。
【0040】
従って、S100〜S104の処理により、ガスエンジン11の経時劣化に伴い、スロットル開度に対して得られる出力トルクが低下していても、エンジン回転数及び要求回転数に基づいてスロットル開度がより開き側に調節され、要求回転数に応じたエンジン回転数が確保される。
【0041】
一方、S103でスロットル開度が全開であったときには、次にS105で、バルブアクチュエータ22を作動させてバイパスバルブ16を作動させ、メイン吸気管18に対してバイパス吸気管21を連通させる。そして、バイパス吸気管21を通る空気のみがガスエンジン11に供給されるようにする。
【0042】
S105の次にS106で、電磁クラッチ14を作動させてオルタネータ13をガスエンジン11に駆動連結させ、ガスエンジン11の動力によってオルタネータ13を駆動させる。そして、オルタネータ13が発電する駆動電流によって電気式過給機12を作動させ、電気式過給機12からバイパス吸気管21を通じてガスエンジン11に過給する。
【0043】
従って、S103,S105,S106の処理により、ガスエンジン11の経時劣化が進行し、スロットル開度が全開のときの出力トルクが不足し、エンジン回転数が要求回転数に達しなくなると、電気式過給機12が運転開始され、ガスエンジン11が過給される。その結果、必要な要求トルクが確保され、要求回転数までガスエンジン11の回転数が上昇する。
【0044】
次に、S107で、エンジン回転数が要求回転数に一致しているか否かを判定する。そして、エンジン回転数が要求回転数に一致していたときには、スロットル開度を全開に維持する。
【0045】
一方、S107で、エンジン回転数が要求回転数に一致していなかったときには、次にS108で、エンジン回転数が要求回転数未満であるか否かを判定する。
【0046】
S108でエンジン回転数が要求回転数以上であったときには、次にS109で、メインコントローラを介してスロットル開度をより全閉側に調節し、エンジン回転数を低下させる。
【0047】
一方、S108でエンジン回転数が要求回転数未満であったときには、次にS110でメインコントローラを介してスロットル開度を全開側に調節し、エンジン回転数を上昇させる。
【0048】
従って、S107〜S110の処理により、ガスエンジン11が過給されている状態において、エンジン回転数と要求回転数とに基づいてスロットル開度が調節され、エンジン回転数が要求回転数に維持される。
【0049】
以上詳述した本実施形態の効果を列記する。
(1) ガスエンジン11が経時劣化し、スロットル全開のときの出力トルクが不足し、エンジン回転数が要求回転数に達しない出力低下状態となると電気式過給機12が運転開始され、ガスエンジン11が過給される。その結果、要求トルクに応じた出力トルクが確保され、エンジン回転数が要求回転数に制御される。このため、コンプレッサー17より要求されるトルクの最大値に対し、従来より排気量が小さいガスエンジン11を用いることができ、スロットル開度をより全開側にして運転することができるため、運転中のポンピングロスが小さくなる。
【0050】
その結果、熱効率がより高い状態でガスエンジン11を運転することができ、その燃費を向上することができる。従って、ガスヒートポンプのランニングコストを低減することができる。
【0051】
(2) コントローラ15が、エンジン回転数及びスロットル開度からガスエンジン11の運転状態を把握し、出力低下状態であるか否かを判定する。従って、エンジン制御に必要な基本的な検出量を用いるので、新たに検出する必要がある検出量が不要であり、そのための新たなセンサを必要としない。
【0052】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図3,図4を用いて説明する。本実施形態は、前記第1実施形態における電気式過給機12、オルタネータ13、電磁クラッチ14及びバイパス吸気管21を、スーパーチャージャ30、電磁クラッチ31及びバイパス吸気管32に変更したことと、吸気切換制御の一部を変更したことのみが第1実施形態と異なる。従って、第1実施形態と同じ構成については、符号を同じにしてその説明を省略し、スーパーチャージャ30、電磁クラッチ31及びバイパス吸気管32と、吸気切換制御の変更部分のみについて詳述する。
【0053】
スーパーチャージャ(過給機)30は、電磁クラッチ31を介してガスエンジン11の出力軸に連結されている。電磁クラッチ31は、コントローラ15から供給される励磁電流によって作動し、ガスエンジン11の動力をスーパーチャージャ30に伝達又は遮断する。
【0054】
スーパーチャージャ30は、電磁クラッチ31を介して伝達されるガスエンジン11の動力によって駆動される。スーパーチャージャ30の供給口は、バイパス吸気管(副吸気通路)32を介してメイン吸気管18に対し、スロットルバルブ19よりも上流側で接続されている。スーパーチャージャ30は、ガスエンジン11から供給される動力によって運転され、バイパス吸気管32を通じてガスエンジン11に燃焼用空気を過給する。
【0055】
メイン吸気管18とバイパス吸気管32との接続部には、バイパスバルブ16が設けられている。バイパスバルブ16は、メイン吸気管18の上流側とバイパス吸気管32とを切り換える。そして、接続部よりも上流側のメイン吸気管18をその下流側に連通させたときには、メイン吸気管18を通じてのみガスエンジン11に空気が供給されるようにする。一方、バイパス吸気管32をメイン吸気管18の下流側に連通させたときには、バイパス吸気管32を通る空気のみがガスエンジン11に空気が供給されるようにする。
【0056】
本実施形態では、スーパーチャージャ30及びバイパス吸気管32が過給手段を構成し、コントローラ15が運転状態検出手段、出力状態判定手段及び判定手段である。また、バイパスバルブ16及びバルブアクチュエータ22が通路切換手段を構成し、電磁クラッチ31が運転手段であり、また、コントローラ15が吸気制御手段である。そして、通路切換手段、運転手段及び吸気制御手段が過給制御手段を構成する。
【0057】
本実施形態のコントローラ15は、エンジン回転数及びスロットル開度に基づき、電磁クラッチ31及びバイパスバルブ16を作動制御する吸気切換制御を行う。
【0058】
本実施形態の吸気切換制御においても、前記第1実施形態と同様に、スロットル開度が全開であって、かつ、エンジン回転数が要求回転数に達しない運転状態が発生したか否かを判定し、このような運転状態が発生したときにはガスエンジン11が出力低下状態であると判定する。すなわち、スロットル開度及びエンジン回転数が運転状態に関わる値であって、エンジン回転数が要求回転数に達していない状態においてスロットル開度が全開であるか否かが判定基準である。
【0059】
そして、ガスエンジン11が出力低下状態でないときにはスーパーチャージャ30による過給を行わないとともにメイン吸気管18を通じてのみガスエンジン11に空気が供給されるようにする。反対に、出力低下状態のときには、スーパーチャージャ30による過給を行うとともにバイパス吸気管32を通る空気のみがガスエンジン11に供給されるようにする。
【0060】
本実施形態の吸気切換制御は、図4に示すように、前記第1実施形態の吸気切換制御におけるS106の処理内容が異なるだけである。
本実施形態のS106では、電磁クラッチ31を作動させてガスエンジン11の動力によってスーパーチャージャ30を駆動させる。そして、スーパーチャージャ30からバイパス吸気管32を通じてガスエンジン11に過給する。
【0061】
以上詳述した本実施形態も、前記第1実施形態の(1),(2)に記載した各効果を有する。
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態を図5、図6を用いて説明する。本実施形態は、前記第1実施形態における電気式過給機12、オルタネータ13、電磁クラッチ14及びバイパス吸気管21に代えて、ターボチャージャ40、メイン排気管41、バイパス吸気管42、バイパス排気管43、排気側バイパスバルブ44及びバルブアクチュエータ45を設けたことが異なる。また、吸気切換制御の一部を変更したことが第1実施形態と異なる。従って、第1実施形態と同じ構成については、符号を同じにしてその説明を省略し、ターボチャージャ40、バイパス吸気管42、メイン排気管41、バイパス排気管43、排気側バイパスバルブ44及びバルブアクチュエータ45と、吸気切換制御の変更部分のみについて詳述する。
【0062】
ターボチャージャ(過給機)40は固定容量型であって、ガスエンジン11の排気口に接続されたメイン排気管41が接続され、このメイン排気管41を通じて供給される排気ガスによって駆動される。また、ターボチャージャ40は、その供給口がバイパス吸気管(副吸気通路)42を介してメイン吸気管18に対しスロットルバルブ19よりも上流側で接続されている。ターボチャージャ40は、バイパス吸気管42を通じてガスエンジンに燃焼用空気を過給可能である。
【0063】
メイン排気管41には、ターボチャージャ40を迂回するバイパス排気管43が接続されている。バイパス排気管43は、ガスエンジン11から排出される排気ガスをターボチャージャ40に供給することなく外部に直接排出する。
【0064】
メイン排気管41とバイパス排気管43との両接続部の内、ターボチャージャ40より上流側の接続部には排気側バイパスバルブ44が設けられている。排気側バイパスバルブ44は、メイン排気管41に対しバイパス排気管43を連通又は遮断する。そして、メイン排気管41に対してバイパス排気管43を連通させないときは、メイン排気管41を通じてのみ排気ガスが排出されるようにする。また、メイン排気管41に対してバイパス排気管43を連通させたときには、バイパス排気管43を通じてのみ排気ガスが排出されるようにする。
【0065】
排気側バイパスバルブ44は、バルブアクチュエータ45によって作動する。バルブアクチュエータ45は、コントローラ15から供給される駆動電流によって作動する。
【0066】
メイン吸気管18とバイパス吸気管42との接続部には、バイパスバルブ16が設けられている。バイパスバルブ16は、メイン吸気管18の上流側とバイパス吸気管42とを切り換える。そして、接続部よりも上流側のメイン吸気管18をその下流側に連通させたときには、メイン吸気管18を通じてのみガスエンジン11に空気が供給されるようにする。一方、バイパス吸気管42をメイン吸気管18の下流側に連通させたときには、バイパス吸気管42を通る空気のみがガスエンジン11に空気が供給されるようにする。
【0067】
本実施形態では、ターボチャージャ40及びバイパス吸気管42が過給手段を構成し、コントローラ15が運転状態検出手段、出力状態判定手段及び判定手段である。また、バイパスバルブ16及びバルブアクチュエータ22が通路切換手段を構成し、メイン排気管41、バイパス排気管43、排気側バイパスバルブ44及びバルブアクチュエータ45が運転手段を構成し、また、コントローラ15が吸気制御手段である。そして、通路切換手段、運転手段及び吸気制御手段が過給制御手段を構成する。
【0068】
本実施形態のコントローラ15は、エンジン回転数及びスロットル開度に基づき、バイパスバルブ16及び排気側バイパスバルブ44を作動制御する吸気切換制御を行う。
【0069】
本実施形態の吸気切換制御においても、第1実施形態と同様に、スロットル開度が全開であって、かつ、エンジン回転数が要求回転数に達しない運転状態が発生したか否かを判定し、このような運転状態が発生したときにはガスエンジン11が出力低下状態であると判定する。すなわち、スロットル開度及びエンジン回転数が運転状態に関わる値であって、エンジン回転数が要求回転数に達していない状態においてスロットル開度が全開であるか否かが判定基準である。
【0070】
そして、ガスエンジン11が出力低下状態でないときにはターボチャージャ40による過給を行わないとともにメイン吸気管18を通じてのみガスエンジン11に空気が供給されるようにする。反対に、出力低下状態のときには、ターボチャージャ40による過給を行うとともにバイパス吸気管42を通る空気のみがガスエンジン11に供給されるようにする。
【0071】
本実施形態の吸気切換制御は、図6に示すように、前記第1実施形態の吸気切換制御におけるS106の処理内容が異なるだけである。
本実施形態のS106では、バルブアクチュエータ45を作動させて排気側バイパスバルブ44を作動させ、ガスエンジン11から排出される排気ガスをメイン排気管41を通じてターボチャージャ40に供給する。そして、この排気ガスによってターボチャージャ40を駆動し、バイパス吸気管42を通じてガスエンジン11に過給する。
【0072】
以上詳述した本実施形態も、前記第1実施形態の(1),(2)に記載した各効果を有する。
(第4実施形態)
次に、本発明を具体化した第4実施形態を図7及び図8を用いて説明する。本実施形態は、前記第3実施形態における回転数センサ23及び開度センサ24に代えて吸気量センサ50を設けたことと、吸気切換制御の内容を変更したことのみが第3実施形態と異なる。従って、第3実施形態と同じ構成については、符号を同じにしてその説明を省略し、吸気量センサ50と、吸気切換制御の変更部分のみについて詳述する。
【0073】
吸気量センサ50は、メイン吸気管18の入り口に設けられ、エアクリーナを通してメイン吸気管18に導入される燃焼用空気の吸気量を検出する。
コントローラ15は、吸気量センサ50から入力する検出信号に基づいて、燃焼用空気の吸気量を取得する。
【0074】
本実施形態では、ターボチャージャ40及びバイパス吸気管42が過給手段を構成し、コントローラ15が運転状態検出手段、出力状態判定手段及び判定手段である。また、バイパスバルブ16及びバルブアクチュエータ22が通路切換手段を構成し、メイン排気管41、バイパス排気管43、排気側バイパスバルブ44及びバルブアクチュエータ45が運転手段を構成し、また、コントローラ15が吸気制御手段である。そして、通路切換手段、運転手段及び吸気制御手段が過給制御手段を構成する。
【0075】
本実施形態のコントローラ15は、吸気量に基づき、バイパスバルブ16及び排気側バイパスバルブ44を作動制御する吸気切換制御を行う。
吸気切換制御では、ガスエンジン11が、スロットル開度が全開であって、かつ、その出力トルクの不足により、エンジン回転数が要求回転数に達しない出力低下状態であるか否かを、その運転状態に基づいて判定する。
【0076】
本実施形態では、ガスエンジン11の吸気量が経時的に減少するときに、出力低下状態であると判定する。すなわち、吸気量センサ50が検出する吸気量が運転状態に関わる値であり、吸気量が経時的に減少するか否かが判定基準である。
【0077】
そして、ガスエンジン11が出力低下状態でないときにはターボチャージャ40による過給を行わないとともにメイン吸気管18を通じてのみガスエンジン11に空気が供給されるようにする。反対に、出力低下状態のときには、ターボチャージャ40による過給を行うとともにバイパス吸気管42を通る空気のみがガスエンジン11に供給されるようにする。
【0078】
なお、本実施形態の吸気切換制御では、前記第1、第2及び第3実施形態の吸気切換制御と異なり、ガスエンジン11の経時劣化に伴うスロットル開度の調節を行わない。経時劣化に伴うスロットル開度の調節は、コントローラ15が行う別の制御によって実行される。
【0079】
次に、吸気切換制御の制御内容を、図8に示すフローチャートに従って説明する。
先ず、S200、S201で、所定時間が経過する毎に、吸気量センサ50が検出する燃焼用空気の吸気量を取得し、今回検出された吸気量が前回検出された吸気量に対して同量であるか又は増加しているか否かを判定する。
【0080】
そして、今回の吸気量が前回の吸気量と同量であるか又は増加しているときには、このS200,S201の処理を繰り返す。
このS200,S201の処理において、今回の吸気量が前回の吸気量と同量であるか又は増加しているときには、コンプレッサー17より要求されるトルクの最大値に応じた出力トルクをガスエンジン11が過給なしで供給し、エンジン回転数が要求回転数に達している状態であると判断する。すなわち、吸気量が経時的に同量であるか又は増加するのは、ガスエンジン11の経時劣化が進んでないか、又は、経時劣化の進行に伴って低下したエンジン回転数を要求回転数に維持するためにスロットル開度がより開き側に調節されるためである。この場合には、スロットル開度が全開となっていないと判断できるので、吸気量の監視を継続する。
【0081】
一方、今回の吸気量が前回の吸気量よりも減少しているときには、スロットル開度が全開となったにも拘らず、コンプレッサー17より要求されるトルクの最大値に出力トルクが達せず、エンジン回転数が要求回転数に達しなくなった状態である。この場合には、吸気量の監視を中止して、S202を実行する。
【0082】
従って、S200,S201の処理により、ガスエンジン11の経時劣化が進行しても、スロットル開度が全開のときの出力トルクが、コンプレッサー17より要求されるトルクの最大値に達し、エンジン回転数が要求回転数に達する状態においてはターボチャージャ40が運転されることはない。
【0083】
S202ではバルブアクチュエータ22を作動させてバイパスバルブ16を作動させ、ガスエンジン11に対してバイパス吸気管42を通る空気のみが供給される状態とする。
【0084】
そして、次に、S203でバルブアクチュエータ45を作動させて排気側バイパスバルブ44を作動させ、ガスエンジン11から排出される排気ガスをメイン排気管41を通じてターボチャージャ40に供給する。そして、この排気ガスによってターボチャージャ40を駆動し、バイパス吸気管42を通じてガスエンジン11に過給する。
【0085】
従って、S202,S203の処理により、ガスエンジン11の経時劣化が進行し、スロットル開度が全開のときの出力トルクが不足し、エンジン回転数が要求回転数に達しなくなるとターボチャージャ40が運転開始され、ガスエンジン11が過給される。その結果、必要な要求トルクが確保され、エンジン回転数が要求回転数に達する。
【0086】
以上詳述した本実施形態も、前記第1実施形態の(1),(2)に記載した各効果を有する。
(第5実施形態)
次に、本発明を具体化した第5実施形態を図9、図10を用いて説明する。本実施形態は、前記第1実施形態における回転数センサ23及び開度センサ24に代えて吸気量センサ50を設けたことと、前記第4実施形態における吸気切換制御の一部を変更して実行することのみが第1実施形態と異なる。従って、第1実施形態及び第4実施形態と同じ構成については、符号を同じにしてその説明を省略し、吸気切換制御の変更部分のみについて詳述する。
【0087】
本実施形態では、電気式過給機12及びバイパス吸気管21が過給手段を構成し、コントローラ15が運転状態検出手段、出力状態判定手段及び判定手段である。また、バイパスバルブ16及びバルブアクチュエータ22が通路切換手段を構成し、オルタネータ13及び電磁クラッチ14が運転手段を構成し、また、コントローラ15が吸気制御手段である。そして、通路切換手段、運転手段及び吸気制御手段が過給制御手段を構成する。
【0088】
本実施形態のコントローラ15は、ガスエンジン11の吸気量に基づき、バイパスバルブ16及び電磁クラッチ31を作動制御する吸気切換制御を行う。
本実施形態の吸気切換制御においても、前記第4実施形態と同様に、燃焼用空気の吸気量が経時的に減少する運転状態が発生したか否かを判定し、このような運転状態が発生したときにガスエンジン11が出力低下状態であると判定する。すなわち、吸気量センサ50が検出する吸気量が運転状態に関わる値であって、吸気量が経時的に減少するか否かが判定基準である。
【0089】
そして、ガスエンジン11が出力低下状態でないときには電気式過給機12による過給を行わないとともにメイン吸気管18を通じてのみガスエンジン11に空気が供給されるようにする。反対に、出力低下状態のときには、電気式過給機12による過給を行わせるとともにバイパス吸気管21を通る空気のみがガスエンジン11に供給されるようにする。
【0090】
本実施形態の吸気切換制御は、図10に示すように、前記第4実施形態の吸気切換制御におけるS203の処理内容が異なるだけである。
本実施形態のS203では、電磁クラッチ14を作動させてガスエンジン11の動力によってオルタネータ13を駆動し、オルタネータ13が供給する駆動電流によって電気式過給機12を作動させる。そして、電気式過給機12からバイパス吸気管21を通じてガスエンジン11に過給する。
【0091】
以上詳述した本実施形態も、前記第1実施形態の(1),(2)に記載した各効果を有する。
(第6実施形態)
次に、本発明を具体化した第6実施形態を図11及び図12を用いて説明する。本実施形態は、前記第2実施形態における回転数センサ23及び開度センサ24に代えて吸気量センサ50を設けたことと、前記第4実施形態における吸気切換制御の一部を変更して実行することのみが第2実施形態と異なる。従って、第2実施形態及び第4実施形態と同じ構成については、符号を同じにしてその説明を省略し、吸気切換制御の変更部分のみについて詳述する。
【0092】
本実施形態では、スーパーチャージャ30及びバイパス吸気管32が過給手段を構成し、コントローラ15が運転状態検出手段、出力状態判定手段及び判定手段である。また、バイパスバルブ16及びバルブアクチュエータ22が通路切換手段を構成し、電磁クラッチ31が運転手段であり、また、コントローラ15が吸気制御手段である。そして、通路切換手段、運転手段及び吸気制御手段が過給制御手段を構成する。
【0093】
本実施形態のコントローラ15は、ガスエンジン11の吸気量に基づき、バイパスバルブ16及び電磁クラッチ31を作動制御する吸気切換制御を行う。
本実施形態の吸気切換制御においても、前記第4実施形態と同様に、燃焼用空気の吸気量が経時的に減少する運転状態が発生したか否かを判定し、この運転状態が発生したときにガスエンジン11が出力低下状態であると判定する。すなわち、吸気量センサ50が検出する吸気量が運転状態に関わる値であって、吸気量が経時的に減少するか否かが判定基準である。
【0094】
そして、ガスエンジン11が出力低下状態でないときにはスーパーチャージャ30による過給を行わないとともにメイン吸気管18を通じてのみガスエンジン11に空気が供給されるようにする。反対に、出力低下状態のときには、スーパーチャージャ30による過給を行わないとともにバイパス吸気管32を通る空気のみがガスエンジン11に供給されるようにする。
【0095】
本実施形態の吸気切換制御の制御内容は、図12に示すように、前記第4実施形態の吸気切換制御におけるS203の処理内容が異なるだけである。
本実施形態のS203では、電磁クラッチ31を作動させてガスエンジン11の動力によってスーパーチャージャ30を駆動させる。そして、スーパーチャージャ30からバイパス吸気管32を通じてガスエンジン11に過給する。
【0096】
以上詳述した本実施形態も、前記第1実施形態の(1),(2)に記載した各効果を有する。
(第7実施形態)
次に、本発明を具体化した第7実施形態を図13及び図14を用いて説明する。本実施形態は、前記第2実施形態における回転数センサ23及び開度センサ24に代えて振動センサ60を設けたことと、吸気切換制御の内容を変更したことのみが第2実施形態と異なる。従って、第2実施形態と同じ構成については、符号を同じにしてその説明を省略し、振動センサ60と、吸気切換制御の変更部分のみについて詳述する。
【0097】
振動センサ60は例えば歪みゲージからなり、図示しないエンジンマウントに設けられてガスエンジン11の振動を検出する。
本実施形態では、スーパーチャージャ30及びバイパス吸気管32が過給手段を構成し、コントローラ15が運転状態検出手段、出力状態判定手段及び判定手段である。また、バイパスバルブ16及びバルブアクチュエータ22が通路切換手段を構成し、電磁クラッチ31が運転手段であり、また、コントローラ15が吸気制御手段である。そして、通路切換手段、運転手段及び吸気制御手段が過給制御手段を構成する。
【0098】
コントローラ15は、振動センサ60から入力する検出信号に基づいて、ガスエンジン11に発生する振動を取得する。
本実施形態のコントローラ15は、エンジン回転数及び振動に基づき、バイパスバルブ16及び電磁クラッチ31を作動制御する吸気切換制御を行う。
【0099】
吸気切換制御では、ガスエンジン11が、スロットル開度が全開であって、かつ、その出力トルクの不足により、エンジン回転数が要求回転数に達しない出力低下状態であるか否かを、その運転状態に基づいて判定する。
【0100】
本実施形態では、ガスエンジン11の振動の大きさが予め設定された基準値より大きくなったときに、出力低下状態であると判定する。すなわち、振動センサ60が検出する振動の大きさが運転状態に関わる値であって、この検出値が基準値より大きいか否かが判定基準である。
【0101】
そして、ガスエンジン11が出力低下状態でないときにはスーパーチャージャ30による過給を行わないとともにメイン吸気管18を通じてのみガスエンジン11に空気が供給されるようにする。反対に、出力低下状態のときには、スーパーチャージャ30による過給を行うとともにバイパス吸気管32を通る空気のみがガスエンジン11に供給されるようにする。
【0102】
次に、吸気切換制御の制御内容を、図14に示すフローチャートに従って説明する。
先ず、S300で、回転数センサ23が検出するエンジン回転数が要求回転数に一致するときの振動の大きさを検出し、この振動の大きさを基準値として保存する。この基準値は、過給されていないガスエンジン11が要求トルクと同じ大きさの出力トルクを供給するときの振動の大きさである。
【0103】
次に、S301,S302で、所定時間が経過する毎に、その時点における振動の大きさを検出し、その振動の大きさが、基準値よりも大きいか否かを判定する。
【0104】
そして、検出した振動の大きさが基準値以下であるときには、このS301,S302の処理を繰り返す。
このS301,S302の処理において、新たに検出された振動の大きさが基準値以下であるときには、コンプレッサー17より要求されるトルクの最大値に応じた出力トルクをガスエンジン11が過給なしで供給し、エンジン回転数が要求回転数に達している状態であると判断する。すなわち、振動の大きさが基準値を超えないのは、ガスエンジン11の経時劣化がそれほど進行しておらず、スロットル開度が全開となっていないためである。この場合には、振動の監視を継続する。
【0105】
一方、新たに検出した振動の大きさが基準値を超えるときには、スロットル開度が全開であるにも拘らず、コンプレッサー17より要求されるトルクの最大値に出力トルクが達せず、不足する出力トルクでコンプレッサー17を駆動しようとするガスエンジン11の振動が大きくなったと判断できる。この場合には、振動の監視を終了して、S303を実行する。
【0106】
従って、S300〜S301の処理により、ガスエンジン11の経時劣化が進行しても、スロットル開度が全開のときの出力トルクが、コンプレッサー17より要求されるトルクの最大値に達し、エンジン回転数が要求回転数に達する状態においてはスーパーチャージャ30が運転されることはない。
【0107】
S303ではバルブアクチュエータ22を作動させてバイパスバルブ16を作動させ、ガスエンジン11に対してバイパス吸気管32を通る空気のみが供給される状態とする。
【0108】
次に、S304で電磁クラッチ31を作動させてガスエンジン11の動力によってスーパーチャージャ30を駆動する。そして、スーパーチャージャ30からバイパス吸気管32を通じてガスエンジン11に過給する。
【0109】
従って、S303,S304の処理により、ガスエンジン11の経時劣化が進行し、スロットル開度が全開のときの出力トルクが不足し、エンジン回転数が要求回転数に達しなくなるとスーパーチャージャ30が運転開始され、ガスエンジン11が過給される。その結果、必要な要求トルクが確保され、エンジン回転数が要求回転数に達する。
【0110】
次に、S305,S306で、所定時間が経過する毎に、その時点における振動の大きさを計測し、その振動の大きさが、基準値よりも大きいか否かを判定する。
【0111】
そして、検出した振動の大きさが基準値以下であるときには、このS305,S306の処理を繰り返す。
このS305,S306の処理において、新たに検出された振動の大きさが基準値以下であるときには、エンジンシステム10が正常に作動していると判定する。一方、振動の大きさが基準値を超えるときには、コンプレッサー17内の循環不良や、冷媒回路内の切替弁の作動異常によって、コンプレッサー17に異常に過大な負荷が加わった状態であると判定する。この場合、例えば、異常ランプ、異常ブザー等による報知や、ガスエンジン11の運転停止を行うことができる。
【0112】
以上詳述した本実施形態は、前記第1実施形態の(1)に記載した効果の他、下記の効果を有する。
(3) ガスエンジン11が出力低下状態となったか否かを、振動センサ60が検出するガスエンジン11の振動に基づいて判定するようにした。このため、振動センサ60が検出する振動から、コンプレッサー17の循環不良による負荷増大等による異常がエンジンシステム10に発生したか否かを容易に判定することができる。
【0113】
(第8実施形態)
次に、本発明を具体化した第8実施形態を図15及び図16を用いて説明する。本実施形態は、前記第1実施形態における回転数センサ23及び開度センサ24に代えて振動センサ60を設けたことと、前記第7実施形態における吸気切換制御の一部を変更して実行することのみが第1実施形態と異なる。従って、第2実施形態及び第7実施形態と同じ構成については、符号を同じにしてその説明を省略し、吸気切換制御の変更部分のみについて詳述する。
【0114】
本実施形態では、電気式過給機12及びバイパス吸気管21が過給手段を構成し、コントローラ15が運転状態検出手段、出力状態判定手段及び判定手段である。また、バイパスバルブ16及びバルブアクチュエータ22が通路切換手段を構成し、オルタネータ13及び電磁クラッチ14が運転手段であり、また、コントローラ15が吸気制御手段である。そして、通路切換手段、運転手段及び吸気制御手段が過給制御手段を構成する。
【0115】
本実施形態のコントローラ15は、エンジン回転数及び振動の大きさに基づき、電磁クラッチ14及びバイパスバルブ16を作動制御する吸気切換制御を行う。
【0116】
本実施形態の吸気切換制御においても、前記第7実施形態と同様に、ガスエンジン11の振動の大きさが基準値を超える運転状態が発生したか否かを判定し、このような運転状態が発生したときにガスエンジン11が出力低下状態であると判定する。すなわち、振動センサ60が検出する振動の大きさが運転状態に関わる値であって、この検出値が基準値より大きいか否かが判定基準である。
【0117】
そして、ガスエンジン11が出力低下状態でないときには電気式過給機12による過給を行わないとともにメイン吸気管18を通じてのみガスエンジン11に空気が供給されるようにする。反対に、出力低下状態のときには、電気式過給機12による過給を行うとともにバイパス吸気管21を通る空気のみがガスエンジン11に供給されるようにする。
【0118】
本実施形態の吸気切換制御は、図16に示すように、前記第7実施形態の吸気切換制御におけるS304の処理内容が異なるだけである。
本実施形態のS304では、電磁クラッチ14を作動させてガスエンジン11の動力によってオルタネータ13を駆動し、オルタネータ13が供給する駆動電流によって電気式過給機12を作動させる。そして、電気式過給機12からバイパス吸気管32を通じてガスエンジン11に過給する。
【0119】
以上詳述した本実施形態は、前記第1実施形態の(1)、前記第7実施形態の(3)に記載した各効果を有する。
(第9実施形態)
次に、本発明を具体化した第9実施形態を図17及び図18を用いて説明する。本実施形態は、前記第3実施形態における回転数センサ23及び開度センサ24に代えて振動センサ60を設けたことと、前記第7実施形態における吸気切換制御の一部を変更して実行することのみが第3実施形態と異なる。従って、第3実施形態及び第7実施形態と同じ構成については、符号を同じにしてその説明を省略し、吸気切換制御の変更部分のみについて詳述する。
【0120】
本実施形態では、ターボチャージャ40及びバイパス吸気管42が過給手段を構成し、コントローラ15が運転状態検出手段、出力状態判定手段及び判定手段である。また、バイパスバルブ16及びバルブアクチュエータ22が通路切換手段を構成し、メイン排気管41、バイパス排気管43、排気側バイパスバルブ44及びバルブアクチュエータ45が運転手段を構成し、また、コントローラ15が吸気制御手段である。そして、通路切換手段、運転手段及び吸気制御手段が過給制御手段を構成する。
【0121】
本実施形態のコントローラ15は、エンジン回転数及び振動の大きさに基づき、バイパスバルブ16及び排気側バイパスバルブ44を作動制御する吸気切換制御を行う。
【0122】
本実施形態の吸気切換制御においても、前記第7実施形態と同様に、ガスエンジン11の振動の大きさが所定の基準値を超える運転状態が発生したか否かを判定し、このような運転状態が発生したときにガスエンジン11が出力低下状態であると判定する。すなわち、振動センサ60が検出する振動の大きさが運転状態に関わる値であって、この検出値が基準値より大きいか否かが判定基準である。
【0123】
そして、ガスエンジン11が出力低下状態でないときにはターボチャージャ40による過給を行わないとともにメイン吸気管18を通じてのみガスエンジン11に空気が供給されるようにする。反対に、出力低下状態のときには、ターボチャージャ40による過給を行うとともにバイパス吸気管42を通る空気のみがガスエンジン11に供給されるようにする。
【0124】
本実施形態の吸気切換制御は、図18に示すように、前記第7実施形態の吸気切換制御におけるS304の処理内容が異なるだけである。
本実施形態のS304ではバルブアクチュエータ45を作動させて排気側バイパスバルブ44を作動させ、ガスエンジン11から排出される排気ガスをメイン排気管41を通じてターボチャージャ40に供給する。そして、この排気ガスによってターボチャージャ40を駆動し、バイパス吸気管42を通じてガスエンジン11に過給する。
【0125】
以上詳述した本実施形態は、前記第1実施形態の(1)、前記第7実施形態の(3)に記載した各効果を有する。
(第10実施形態)
次に、本発明を具体化した第10実施形態を図19及び図20を用いて説明する。本実施形態は、前記第3実施形態における固定容量型のターボチャージャ40を可変ノズルターボチャージャ70に変更してバイパス排気管43及び排気側バイパスバルブ44を廃止したことと、吸気切換制御の一部を変更したことのみが第3実施形態と異なる。従って、可変ノズルターボチャージャ70と、吸気切換制御の変更部分のみについて詳述する。
【0126】
過給機としての可変ノズルターボチャージャ(過給機。以下、可変ノズルターボという。)70には、ガスエンジン11の排気口に接続されたメイン排気管41が接続され、メイン排気管41を通じて供給される排気ガスによって駆動される。可変ノズルターボ70は、その供給口がバイパス吸気管(副吸気通路)42を介してメイン吸気管18に対しスロットルバルブ19よりも上流側で接続されている。可変ノズルターボ70は、バイパス吸気管42を通じてガスエンジン11に過給可能である。
【0127】
本実施形態では、バイパス吸気管42及び可変ノズルターボ70が過給手段を構成し、コントローラ15が運転状態検出手段、出力状態判定手段及び判定手段である。また、バイパスバルブ16及びバルブアクチュエータ22が通路切換手段を構成し、メイン排気管41及びノズルアクチュエータ71が運転手段を構成し、また、コントローラ15が吸気制御手段である。そして、通路切換手段、運転手段及び吸気制御手段が過給制御手段を構成する。
【0128】
可変ノズルターボ70は、その図示しないノズルベーンのノズル開度が、ノズルアクチュエータ71によって調節されることでその過給能力が調節される。ノズルアクチュエータ71は、コントローラ15から供給される駆動電流によって作動する。
【0129】
本実施形態のコントローラ15は、エンジン回転数及びスロットル開度に基づき、バイパスバルブ16及びノズルアクチュエータ71を制御する吸気切換制御を行う。
【0130】
本実施形態の吸気切換制御においても、前記第1実施形態と同様に、スロットル開度が全開であって、かつ、エンジン回転数が要求回転数に達しない運転状態が発生したか否かを判定し、このような運転状態が発生したときには出力低下状態であると判定する。すなわち、スロットル開度及びエンジン回転数が運転状態に関わる値であって、エンジン回転数が要求回転数に達していない状態においてスロットル開度が全開であるか否かが判定基準である。
【0131】
そして、ガスエンジン11が出力低下状態でないときには可変ノズルターボ70のノズル開度を全開にするとともにメイン吸気管18を通じてのみガスエンジン11に空気が供給されるようにする。反対に、出力低下状態のときには、可変ノズルターボ70のノズル開度を全閉側に切り換えるとともにバイパス吸気管42を通る空気のみがガスエンジン11に供給されるようにする。
【0132】
さらに、本実施形態の吸気切換制御では、ガスエンジン11が出力低下状態となり、可変ノズルターボ70のノズル開度が全閉側に調節されている状態において、エンジン回転数に基づいてノズルアクチュエータ71を制御し、出力トルクを要求トルクに維持する。
【0133】
次に、吸気切換制御の制御内容を、図20に示すフローチャートに従って説明する。
S400〜S404は、第1実施形態の吸気切換制御におけるS100〜S104とそれぞれ同じ処理である。
【0134】
従って、S400〜S404の処理により、ガスエンジン11の経時劣化に伴い、スロットル開度に対して得られる出力トルクが低下していても、エンジン回転数及び要求回転数に基づいてスロットル開度がより開き側に調節され、要求回転数に応じたエンジン回転数が確保される。
【0135】
S403でスロットル開度が全開であったときには、次に、S405でバルブアクチュエータ22を作動させてバイパスバルブ16を作動させ、メイン吸気管18に対してバイパス吸気管42を連通させる。そして、バイパス吸気管42を通る空気のみがガスエンジン11に供給されるようにする。
【0136】
次に、S406でノズルアクチュエータ71を作動させ、ノズルベーンのノズル開度を、全開から全閉側の所定のノズル開度に切り換える。そして、ガスエンジン11から排出される排気ガスによって可変ノズルターボ70を駆動させ、バイパス吸気管42を通じてガスエンジン11に過給させる。
【0137】
従って、S403,S405,S406の処理により、ガスエンジン11の経時劣化が進行し、スロットル開度が全開のときの出力トルクが不足し、エンジン回転数が要求回転数に達しなくなると、可変ノズルターボチャージャ70のノズル開度が全開から全閉側に切り換えられ、ガスエンジン11が過給される。その結果、必要な要求トルクが確保され、エンジン回転数が要求回転数に達する。
【0138】
次に、S407で、エンジン回転数が要求回転数に一致しているか否かを判定し、一致しているときには、そのときのノズル開度を維持する。
S407でエンジン回転数が要求回転数に一致していなかったときには、次にS408で、エンジン回転数が要求回転数よりも低いか否かを判定する。
【0139】
S408でエンジン回転数が要求回転数以上であったときには、次に、S409でノズル開度を所定量だけ全開側に調節する。そして、可変ノズルターボの過給圧を減少させ、エンジン回転数を下降させる。
【0140】
一方、S408でエンジン回転数が要求回転数未満であったときには、次に、S410で、ノズル開度を所定量だけ全閉側に調節する。そして、可変ノズルターボの過給圧を増大させ、エンジン回転数を上昇させる。
【0141】
従って、S407〜S410の処理により、ガスエンジン11が過給されている状態において、エンジン回転数と要求回転数とに基づいて可変ノズルターボチャージャ70のノズル開度が調節され、エンジン回転数が要求回転数に維持される。
【0142】
以上詳述した本実施形態は、前記第1実施形態の(1)に記載した効果の他、下記の効果を有する。
(4) ガスエンジン11が出力低下状態となったときに過給能力を最大側に調節して過給を開始した後、エンジン回転数及び要求回転数に基づいてノズル開度を調節し、エンジン回転数を要求回転数に一致させるようにした。従って、エンジン回転数及び要求回転数に基づいてスロットル開度を調節することでエンジン回転数を要求回転数に一致させる場合に比較して、より早い時点でエンジン回転数を低下させることができるので、ガスエンジン11の制御性が向上する。
【0143】
(その他の実施形態)
次に、上記第1〜第10実施形態以外の実施形態を列記する。
○ 前記第1実施形態において、電気式過給機12からガスエンジン11に過給が行われている状態において、エンジン回転数と要求回転数とに基づいてコントローラ15が電気式過給機12に供給する駆動電流を制御し、エンジン回転数が要求回転数に一致するようにその過給能力を制御する構成とする。
【0144】
○ 前記第4、第5、第6、第7、第8及び第9実施形態で、ガスエンジン11に過給が行われている状態において、エンジン回転数と要求回転数とに基づいてコントローラ15がスロットル開度を調節し、エンジン回転数を要求回転数に一致させる構成とする。
【0145】
○ 前記第1〜第3及び第10実施形態で、エンジン回転数が要求回転数に達しなくなった状態においてスロットル開度が全開に近い所定の開度となったときに、過給機を運転開始する構成とする。この所定のスロットル開度は、例えば、コンプレッサー17より要求されるトルクの最大値と同じ出力トルクを発生するときのスロットル開度と、同じく要求トルクの最小値と同じ出力トルクを発生するときのスロットル開度との差分値だけ、全開値より閉じ側のスロットル開度とする。この場合には、ガスエンジン11が出力低下状態となったときに、コンプレッサー17の要求トルクがその最小値であってスロットル開度が全開となっていなくても、過給が開始される。このため、この状態から要求トルクが最小値から急上昇したときにも出力トルクが不足しないようにし、エンジン回転数を要求回転数により確実に維持することができる。
【0146】
○ 前記第3、第4及び第9実施形態で、バイパス排気管43に代えて、ターボチャージャ40のハウジングに設けられたウェイストゲートを用い、排気側バイパスバルブ44に代えてウェイストゲートバルブを用いる構成とする。この場合にも、それぞれの効果がある。
【0147】
○ 前記第4、第5及び第6実施形態で、吸気量センサ50は、エアフローメータ、吸気管圧力を圧力センサで検出する方式、カルマン渦センサ、ホットワイヤセンサ、ホットフィルムセンサ等のいずれでもよい。
【0148】
○ 前記第2、第6及び第7実施形態で、スーパーチャージャ30の形式は、ルーツブロワタイプ、リショルムコンプレッサータイプ、スパイラルコンプレッサータイプ、プレッシャウェイブタイプ等のいずれであってもよい。
【0149】
○ 前記第10実施形態で、可変ノズルターボチャージャ70に代えて、例えばタービンケーシングの容量を変化させるタイプの可変容量型ターボチャージャを用いた構成とする。
【0150】
(その他の技術的思想)
以下、前記各実施形態から把握される技術的思想を列記する。
(1) 記過給機は電気式過給機(12)であって、前記運転手段は、電気式過給機に駆動電流を供給可能な発電手段(オルタネータ13)と、前記ガスエンジンの動力を発電手段に対し伝達又は遮断する伝達手段(電磁クラッチ14)とからなることを特徴とするガスヒートポンプ用エンジンシステム。
【0151】
(2) 記過給機はスーパーチャージャ(30)であって、前記運転手段は、前記ガスエンジンの動力を前記スーパーチャージャに伝達又は遮断する伝達手段(電磁クラッチ31)であることを特徴とするガスヒートポンプ用エンジンシステム。
【0152】
(3) 記過給機はターボチャージャ(40)であって、前記運転手段は、前記ガスエンジンが排出する排気ガスを前記ターボチャージャに供給した後に排出する主排気通路(メイン排気管41)と、該主排気通路に接続され、ターボチャージャを迂回して排気ガスを排出する副排気通路(バイパス排気管43)と、主排気通路に対し副排気通路を連通又は遮断することでターボチャージャに対し排気ガスを供給又は供給停止する排気通路切換手段(排気側バイパスバルブ44、バルブアクチュエータ45)とからなることを特徴とするガスヒートポンプ用エンジンシステム。
【0153】
(4) 記過給手段がガスエンジンに過給している状態において、前記出力トルクが前記要求トルクとなるように前記スロットル開度を調節するスロットル開度制御手段(コントローラ15、スロットルアクチュエータ20、回転数センサ23)を備えていることを特徴とするガスヒートポンプ用エンジンシステム。
【0154】
(5) 記過給機は、前記ガスエンジンに対する過給能力を調節可能な可変容量型ターボチャージャ(70)であって、該可変用容量型ターボチャージャの過給能力を調節するアクチュエータ(ノズルアクチュエータ71)を備え、前記吸気制御手段は、前記運転状態に基づいて前記アクチュエータを制御し、前記ガスエンジンが前記出力低下状態でないときには前記過給能力をほぼ最小に調節し、また、前記出力低下状態のときには過給能力を最大側に調節することを特徴とするガスヒートポンプ用エンジンシステム。
【0155】
(6) 上記技術的思想(5)に記載の発明において、前記過給能力が最大側に調節されている状態において、前記出力トルクが前記要求トルクとなるように過給能力を調節する過給力制御手段(コントローラ15、ノズルアクチュエータ71)を備えていることを特徴とするガスヒートポンプ用エンジンシステム。
【0156】
【発明の効果】
請求項1〜請求項に記載の発明によれば、コンプレッサーより要求されるトルクの最大値に対し、従来より排気量が小さいガスエンジンを用い、スロットル開度をより全開側にして運転することができるため、運転中のポンピングロスがより小さくなる。従って、熱効率がより高い状態でガスエンジンを運転することができ、その燃費を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態のガスヒートポンプ用エンジンシステムを示す模式図。
【図2】 吸気切換制御を示すフローチャート。
【図3】 第2実施形態のエンジンシステムを示す模式図。
【図4】 吸気切換制御のステップを示す図。
【図5】 第3実施形態のエンジンシステム示す模式図。
【図6】 吸気切換制御のステップを示す図。
【図7】 第4実施形態のエンジンシステムを示す模式図。
【図8】 吸気切換制御を示すフローチャート。
【図9】 第5実施形態のエンジンシステムを示す模式図。
【図10】 吸気切換制御のステップを示す図。
【図11】 第6実施形態のエンジンシステムを示す模式図。
【図12】 吸気切換制御のステップを示す図。
【図13】 第7実施形態のエンジンシステムを示す模式図。
【図14】 吸気切換制御を示すフローチャート。
【図15】 第8実施形態のエンジンシステムを示す模式図。
【図16】 吸気切換制御のステップを示す図。
【図17】 第9実施形態のエンジンシステムを示す模式図。
【図18】 吸気切換制御のステップを示す図。
【図19】 第10実施形態のエンジンシステムを示す模式図。
【図20】 吸気切換制御を示すフローチャート。
【符号の説明】
10…エンジンシステム、11…ガスエンジン、12…過給手段を構成する過給機としての電気式過給機、13…過給制御手段、運転手段を構成するオルタネータ、14…同じく電磁クラッチ、15…判定手段、運転状態検出手段、出力状態判定手段及び吸気制御手段としてのコントローラ、16…過給制御手段、通路切換手段を構成するバイパスバルブ、17…コンプレッサー、18…吸気通路としてのメイン吸気管、19…スロットルバルブ、21…過給手段を構成する副吸気通路としてのバイパス吸気管、22…過給制御手段、通路切換手段を構成するバルブアクチュエータ、23…回転数センサ、24…開度センサ、30…過給手段を構成する過給機としてのスーパーチャージャ、31…過給制御手段を構成する運転手段としての電磁クラッチ、32…過給手段を構成する副吸気通路としてのバイパス吸気管、40…過給手段を構成する過給機としてのターボチャージャ、41…過給制御手段、運転手段を構成するメイン排気管、42…過給手段を構成する副吸気通路としてのバイパス吸気管、43…過給制御手段、運転手段を構成するバイパス排気管、44…同じく排気側バイパスバルブ、45…同じくバルブアクチュエータ、50…吸気量センサ、60…振動センサ、70…過給手段を構成する過給機としての可変容量型ターボチャージャ、71…過給制御手段を構成する運転手段としてのノズルアクチュエータ。

Claims (5)

  1. コンプレッサーをガスエンジンにより駆動し、吸気通路内に配置されるスロットルバルブにて前記ガスエンジンのエンジン回転数を制御するガスヒートポンプ用エンジンシステムにおいて、
    前記ガスエンジンに対して燃焼用空気を過給可能な過給手段と、
    前記スロットルバルブのスロットル開度がほぼ全開であり、かつ、前記エンジン回転数が、要求回転数に達しない出力低下状態であるか否かを、その運転状態に基づいて判定する判定手段と、
    前記ガスエンジンが前記出力低下状態であると判定されたときには、過給を行う過給制御手段とを備え、
    前記過給手段は、
    前記吸気通路に対して前記スロットルバルブよりも上流側で接続された副吸気通路と、
    前記副吸気通路を通じてガスエンジンに燃焼用空気を過給可能な過給機とからなり、
    前記過給制御手段は、
    前記副吸気通路と前記吸気通路との接続部にて、前記吸気通路の上流側と前記副吸気通路とを切り換える通路切換手段と、
    前記過給機を運転又は停止する運転手段と、
    前記判定手段の判定結果に基づいて前記通路切換手段及び運転手段を制御し、前記出力低下状態と判定されたときには、前記接続部より下流側の吸気通路と前記副吸気通路を連通させるとともに、前記過給機を運転するように前記運転手段を制御する吸気制御手段とからなることを特徴とするガスヒートポンプ用エンジンシステム。
  2. 前記判定手段は、
    前記ガスエンジン各部に配置されたセンサにより運転状態に関わる値を検出する運転状態検出手段と、
    前記運転状態検出手段の検出値と予め設定された判定基準とに基づき、前記出力低下状態であるか否かを判定する出力状態判定手段と
    からなることを特徴とする請求項1に記載のガスヒートポンプ用エンジンシステム。
  3. 前記運転状態検出手段は、前記スロットル開度と前記エンジン回転数を検出することを特徴とする請求項2に記載のガスヒートポンプ用エンジンシステム。
  4. 前記運転状態検出手段は、前記ガスエンジンの吸気量を検出することを特徴とする請求項2に記載のガスヒートポンプ用エンジンシステム。
  5. 前記運転状態検出手段は、前記ガスエンジンの振動を検出することを特徴とする請求項2に記載のガスヒートポンプ用エンジンシステム
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