JP4065880B2 - レーザー装置及び和周波発生方法 - Google Patents
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第1のレーザー光源を用いて、第1の波長を有する第1のレーザー光を発生する第1のレーザー光発生工程と、
内部に定在波型の共振器を有する第2のレーザー光源を用いて、前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する第2のレーザー光を縦マルチモード光で発生する第2のレーザー光発生工程と、
前記第1のレーザー光発生工程により発生された第1のレーザー光を第1の外部共振器内に取込んで共振させ、取込まれた第1のレーザー光に非線形結晶を通過させる第1の共振工程と、
前記第2のレーザー光発生工程により発生された第2のレーザー光を前記第2のレーザー光源内の共振器長の2n倍(但し、nは整数)の共振器長に構成された第2の外部共振器内に取込んで共振させ、取込まれた前記第2のレーザー光に前記非線形結晶を通過させる第2の共振工程と、
を備えたことを特徴とする。
第1の波長を有する第1のレーザー光を発生する第1のレーザー光源と、
前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する第2のレーザー光を縦マルチモード光で発生する第2のレーザー光源と、
前記第1のレーザー光源から発生された第1のレーザー光を取込んで共振させる第1の外部共振器と、
前記第1の外部発振器内に設けられた非線形結晶と、
前記第2のレーザー光源から発生された第2のレーザー光を取込んで共振させ、取込まれた前記第2のレーザー光が前記非線形結晶を通過するように配置された第2の外部共振器と、
を備え、
前記第2のレーザー光源は、内部に定在波型の共振器を有し、
前記第2の外部共振器は、前記第2のレーザー光源内の共振器長の2n倍(但し、nは整数)の共振器長に構成されたことを特徴とする。
以下、図面を用いて説明する。
図1は、実施の形態1におけるレーザー装置の構成を示す概念図である。
図1において、レーザー装置100は、縦シングルモードのレーザー光である基本波1として、波長が、238nm〜400nmの赤外光を発生するレーザー光源200と、縦モード(周波数領域)についてマルチモードのレーザー光である基本波2として、波長が、750nm〜1300nmの紫外光を発生するレーザー光源300と、レーザー光源200から発生した基本波1を取込んで共振させる外部共振器400と、レーザー光源300から発生された基本波2を取込んで共振させる外部共振器500と、外部共振器400,500内に設けられた非線形結晶600とを備えている。すなわち、実施の形態1では、縦モード(周波数領域)について、シングルモード基本波1とマルチモード基本波2を採用し、それぞれに独立な電界強調共振器となる外部共振器400と外部共振器500とを構成する。
外部共振器400は、インピーダンス整合ミラー412、高反射ミラー414,416,418を有し、リング共振器を構成している。そして、外部共振器500は、インピーダンス整合ミラー512、高反射ミラー514,516,518を有し、リング共振器を構成し、さらに、高反射ミラー522,524を有している。各ミラーは、可動ミラーである。
図2では、図1の構成を理解し易くするため、基本波1用の外部共振器と基本波2用の外部共振器とを別々に示した。
一方、基本波2のレーザー光発生工程として、レーザー光源300から基本波2を発生する。
図3(a)に示すように、縦シングルモード光同士の基本波を用いて和周波発生を行なった場合には、出力される和周波も縦シングルモード光となる。従来は、かかる縦シングルモード光同士の基本波を用いて和周波発生を行なっていたため、出力された和周波も線幅が狭帯化され、干渉ノイズが問題となっていた。図3(b)では、縦シングルモード光の基本波とマルチモードの基本波とを用いて和周波発生を行なった場合を示している。かかる場合には、出力される和周波がマルチモード光となり、スペクトル幅を広くすることができる。同様に、図3(c)に示すように、マルチモードの基本波同士を用いて和周波発生を行なった場合も、出力される和周波がマルチモード光となり、スペクトル幅を広くすることができる。
ここで、計測用照明用光源として和周波のような非線形変換による光源を用いた場合には、単一縦モード発振である基本波では、その発振線幅を反映して、光源の線幅が狭帯化される。例えば、波長1064nmNd:YAGレーザーの発振線幅は、1MHzである。また、波長244nmのアルゴンレーザーの2倍波の線幅は14MHzである。これらの和周波による光源の線幅は(142+12)1/2から14MHzとなる。いっぽう、マルチモード発振のレーザー光源の場合には、発振線幅は光源により大きく異なるが通常1GHzから30GHzと広い。よって、スペクトル幅が広く、制御し易いマルチモードを発生するレーザー光源が望まれる。
図4では、縦シングルモード光の基本波とマルチモードの基本波とを用いて和周波発生を行なった場合を示している。そして、後述するように共振構成が組みにくいマルチモード光については、共振器を組まずに非線形結晶を通過させるシングルパスにより、外部共振器により共振させた縦シングルモード光と和周波発生を行なうと、出力光は、電界が小さいマルチモード光に合わせて微量光となってしまう。これでは、光源として用いるレーザー装置としては、不十分となる。よって、マルチモード光についても電界強度を向上させる必要がある。
図5は、Nd:YAGの4倍波(波長266nm)を発生させるレーザー光源の構成を示す概念図である。
基本波1を発生するレーザー光源200内では、まず、レーザー光源210から1064nmの波長をもつNd:YAGレーザーを発振し、インピーダンス整合ミラー221と高反射ミラー222,223,224とで構成されるリング共振器220を用いて共振させ、非線形結晶225を通過させる。これにより2倍高調波(532nm)を得ることができる。さらに、2倍高調波(532nm)をインピーダンス整合ミラー231と高反射ミラー232,233,234とで構成されるリング共振器230を用いて共振させ、非線形結晶235を通過させる。これにより4倍高調波(266nm)を得ることができる。
ここで、例えば、1064nmを常光、266nmを常光として、和周波213nmを異常光とすると、結晶温度160度のときに、和周波発生条件としてエネルギー保存則:1064(o)+266(o)=213(e)が成立させ、かつ、位相整合条件、すなわち角運動量保存則としての位相整合角θ(結晶入射時の方位角、内角)は、68.5度となる。
基本波1の波長をλ1、基本波2の波長をλ2、和周波の波長をλ3とすると、波長λ1、λ2、λ3との間には、図6に示すような関係が成り立つ。よって、これらの2つの基本波の和周波発生により、深紫外光となるマルチモードのNd:YAGの5倍波(波長213nm)を得ることができる。
外部共振器500では、一対の高反射ミラー522と高反射ミラー524とのミラーペアにより、高反射ミラー516で反射された基本波2の光束を取込み、互いに相手に繰り返し反射させて光路長を長くしてから、本来の光路となる高反射ミラー518に基本波2を戻している。例えば、図7(a)に示すように、反射回数の少ない状態から、高反射ミラー524の角度θ1と高反射ミラー522の角度θ2とを、図7(b)に示すように、反射回数の多い状態になるように調整することにより、基本波2が共振する設置角に合わせることができる。
例えば、高反射ミラーペアの一例として、基板は、合成石英を用い、形状は、円板上に形成する。但し、矩形でも構わない。また、構成は、反射面同士が向かいあい、平行設置から、数度まで調整できるものであれば好適である。さらに、反射率は当該波長で、99.999%程度のものがより望ましい。また、面精度当該波長で、1/50λ以下がより望ましい。
図8におけるレーザー装置100では、レーザー光源200を配置する位置を図1の構成と異なっている。そのため、外部共振器400を構成するインピーダンス整合ミラー412、高反射ミラー414,416,418を配置する位置も図1の構成と異なっている。図8では、レーザー光源200を配置する位置が図1における位置と比べ、非線形結晶600を軸に約180°回転した場合と同等となっている。かかる構成でも同様に和周波発生を行なうことができる。
実施の形態1では、基本波2のすべてのモードに対して、和周波用に外部共振器を形成したが、実施の形態2では、その一部のモードに対して、和周波用に外部共振器を形成する場合について説明する。
まず、実施の形態2では、基本波2としてマルチモードアルゴンレーザーを用いた例を説明する。1W以上の出力をもつアルゴンレーザーは、共振器の光学長は1m以上であることが多い。横モード(空間領域)がシングルモードであっても、周波数制限をおこなわない限り、縦モードはマルチモードとなる。ここで、光学長が1mである共振器の縦モード間隔は、光速/2×1mであり、約150MHzである。使用するアルゴンレーザーの利得幅が15GHzであったとき、約100の縦モードが存在することになる。このすべてのモードに対して、和周波用に外部共振器を形成するには、この外部共振器をリング共振器で構成すると、共振器の光学長を2mにしなければならない。かかる場合には、実施の形態1で説明したような共振器長調整手段を必要とする。
しかし、共振器形成に伴う光学損失を考慮すると、必ずしもすべてのモードに対して共振器で強調する必要が無いこともある。発明者は、基本波2のマルチモードのうち、複数の一部のモードについて、共振させることでも十分な基本波強調が得られる場合があることを見出した。例えば、モード間隔が900MHzの共振器を用いても、十分な基本波強調が得られる結果を得た。かかる場合、リング共振器として、約33cmの共振器長で形成することができ、小型の共振器を形成することができた。
図9において、レーザー装置110は、図1の構成から一対の高反射ミラー522,524とを除いた以外は、図1の構成と同様である。すなわち、レーザー装置110は、縦シングルモードのレーザー光である基本波1を発生するレーザー光源200と、マルチモードのレーザー光である基本波2を発生するレーザー光源300と、レーザー光源200から発生された基本波1を取込んで共振させる外部共振器400と、レーザー光源300から発生された基本波2を取込んで共振させる外部共振器500と、外部発振器400,500内に設けられた非線形結晶600とを備えている。すなわち、実施の形態1では、シングルモード基本波1とマルチモード基本波2を採用し、それぞれに独立な電界強調共振器となる外部共振器400と外部共振器500とを構成する。
外部共振器400は、インピーダンス整合ミラー412、高反射ミラー414,416,418を有し、リング共振器を構成している。そして、外部共振器500は、インピーダンス整合ミラー512、高反射ミラー514,516,518を有し、リング共振器を構成している。
図10(a)には、マルチモードのレーザー光である基本波2のスペクトルを示している。ここで、モード間隔は、光速c/共振器長Lで示すことができる。したがって、全縦モードのうち、数本ずつ間引くこと、言い換えれば、数本ずつおきに共振させれば、モード間隔が広がることになり、その分、共振器長Lを小さくすることができる。図10(b)に示すように、全縦モードを6本おきに共振させることにより、モード間隔が6倍となり、共振器長Lを1/6にすることができる。よって、本来必要な共振器長2mを約33cmにすることができる。
図11は、検査装置の構成を示す概念図である。
図11では、実施の形態1或いは実施の形態2の光源となるレーザー装置100を搭載した照明系を持つ検査装置で、70nmレベルのマスク欠陥を検査する画像入力装置を含んだ検査装置の構成例を示す。検査装置は、実施の形態1或いは実施の形態2により構成されるレーザー装置である光源100と、光源100から照射された干渉ノイズをもたらさない線幅を制御した高出力な深紫外光をハーフミラー610で基板630側に反射させて、対物レンズ620を介して、マスクやウェハといった被測定物である反射型被検査パターンが形成された基板630に照明する。基板630から反射された光は、対物レンズ620を介してハーフミラー610を透過して、投影レンズ640を介してセンサ650で受光する。そして、プロセッサー660により画像処理を行なうことにより被検査パターンの画像を取得する。言い換えれば、既述の和周波出力をハーフミラーを介して被検査パターンに照射、照明し、その画像をセンサに取り込み、プロセッサーによる信号処理で欠陥の有無を検査している。
200,300 レーザー光源
400,500 外部共振器
412,512 インピーダンス整合ミラー
600 非線形結晶
414,416,418,514,516,518,522,524 高反射ミラー
Claims (5)
- 第1の波長を有する第1のレーザー光を発生する第1のレーザー光源と、
前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する第2のレーザー光を縦マルチモード光で発生する第2のレーザー光源と、
前記第1のレーザー光源から発生された第1のレーザー光を取込んで共振させる第1の外部共振器と、
前記第1の外部発振器内に設けられた非線形結晶と、
前記第2のレーザー光源から発生された第2のレーザー光を取込んで共振させ、取込まれた前記第2のレーザー光が前記非線形結晶を通過するように配置された第2の外部共振器と、
を備え、
前記第2のレーザー光源は、内部に定在波型の共振器を有し、
前記第2の外部共振器は、前記第2のレーザー光源内の共振器長の2n倍(但し、nは整数)の共振器長に構成されたことを特徴とするレーザー装置。 - 前記レーザー装置は、さらに、前記第2の外部共振器内の光路上の一部に、前記第2の外部共振器に取込まれた前記第2のレーザー光を取込み、繰り返し反射させてから前記第2の外部共振器内の光路上に前記第2のレーザー光を戻す一対のミラーを備えたことを特徴とする請求項1記載のレーザー装置。
- 第1のレーザー光源を用いて、第1の波長を有する第1のレーザー光を発生する第1のレーザー光発生工程と、
内部に定在波型の共振器を有する第2のレーザー光源を用いて、前記第1の波長とは異なる第2の波長を有する第2のレーザー光を縦マルチモード光で発生する第2のレーザー光発生工程と、
前記第1のレーザー光発生工程により発生された第1のレーザー光を第1の外部共振器内に取込んで共振させ、取込まれた第1のレーザー光に非線形結晶を通過させる第1の共振工程と、
前記第2のレーザー光発生工程により発生された第2のレーザー光を前記第2のレーザー光源内の共振器長の2n倍(但し、nは整数)の共振器長に構成された第2の外部共振器内に取込んで共振させ、取込まれた前記第2のレーザー光に前記非線形結晶を通過させる第2の共振工程と、
を備えたことを特徴とする和周波発生方法。 - 前記第2の共振工程において、一対のミラーを用いて前記第2のレーザー光を互いに相手に繰り返し反射して共振器長を調整することを特徴とする請求項3記載の和周波発生方法。
- 前記第2の外部共振器は、前記第2のレーザー光のマルチモードのうち、複数の一部のモードについて、共振させることを特徴とする請求項1記載のレーザー装置。
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