JP4065668B2 - 断熱材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、石綿を含有せず切削加工が可能な高強度な断熱材及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
使用前に切削加工を必要とし、使用状態においては高い強度を要求されるような断熱材、例えば熱プレス、ゴム加硫機や射出成形機の断熱材、誘導炉のケーシングなどに利用される断熱材としては、従来より、石綿をポルトランドセメントで結合した断熱材(JISC2210)、タルク粉末とパルプをポルトランドセメントで結合した断熱材(特開昭61−109205号公報)、ケイ酸カルシウム水和物中にアラミド繊維やワラストナイトを短繊維状に分散した断熱材(特開平5−58702号公報)などが知られており、これらは切削加工性に優れるという利点がある。
【0003】
しかし、これらの断熱材は人体に有毒な石綿を含んでいるため好ましくないという問題があった。また、補強繊維がパルプだけであることから加熱による機械的強度の低下や寸法変化が大きく、断熱材として靱性が不足しているため、切削加工性は良好であるものの高荷重又は衝撃的荷重の付加により亀裂や欠けなどが発生し易い。
【0004】
これに対し、本願出願人は、先に、特願2000−45856号において、無機質繊維シートに、耐熱性粉末、第一燐酸アルミニウム及び第一燐酸アルミニウムの硬化剤を含むペーストを含浸したペースト含浸シートを、乾燥、積層、加熱加圧成形及びアフターキュアして、無機質繊維シート10〜50重量%と硬化組成物50〜90重量%とからなる断熱材を得る断熱材の製造方法を提案しており、該方法によれば得られる断熱材は、石綿を含まず、且つ、切削加工性、機械的強度、靱性等に優れるものとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、断熱材が使用される熱プレス、ゴム加硫機や射出成形機や、誘導炉のケーシング等の種類によっては、より高い曲げ強度や熱間繰り返し圧縮に対する耐性を有する断熱材が望まれていた。
【0006】
従って、本発明の目的は、石綿を含まないため人体への悪影響が少ないと共に、良好な加工性を有しつつ耐熱性、機械的強度、靱性、熱間繰り返し圧縮に対する耐性等において優れる高強度な断熱材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者は鋭意検討を行った結果、前記製造方法において、ペーストにさらに有機結合材を配合すれば、得られる断熱材がより高い曲げ強度や熱間繰り返し圧縮に対する耐性を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、無機質繊維シートに、耐熱性粉末40〜80重量%、第一燐酸アルミニウム5〜40重量%、第一燐酸アルミニウムの硬化剤5〜20重量%及び熱硬化性樹脂5〜25重量%からなるペースト固形分を含むペーストを含浸してペースト含浸シートを形成し、積層し、加熱加圧成形して得られる断熱材であって、前記無機質繊維シート10〜50重量%と前記ペーストの硬化物である硬化組成物50〜90重量%とからなることを特徴とする断熱材を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、無機質繊維シートに、耐熱性粉末40〜80重量%、第一燐酸アルミニウム5〜40重量%、第一燐酸アルミニウムの硬化剤5〜20重量%及び熱硬化性樹脂5〜25重量%からなるペースト固形分を含むペーストを含浸してペースト含浸シートを形成し、該ペースト含浸シートを乾燥して含水率5〜20重量%のシート状物を形成し、該シート状物を積層し、加熱加圧成形して成形体を形成し、該成形体をアフターキュアして得られる断熱材であって、前記無機質繊維シート10〜50重量%と前記ペーストの硬化物である硬化組成物50〜90重量%とからなることを特徴とする断熱材を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、無機質繊維シートに、耐熱性粉末40〜80重量%、第一燐酸アルミニウム5〜40重量%、第一燐酸アルミニウムの硬化剤5〜20重量%及び熱硬化性樹脂5〜25重量%からなるペースト固形分を含むペーストを含浸してペースト含浸シートを形成し、該ペースト含浸シートを乾燥して含水率5〜20重量%のシート状物を形成し、該シート状物を積層し、加熱加圧成形して成形体を形成し、該成形体をアフターキュアすることを特徴とする断熱材の製造方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る断熱材は、無機質繊維シートに、耐熱性粉末、第一燐酸アルミニウム、第一燐酸アルミニウムの硬化剤及び有機結合材からなる特定配合量のペースト固形分を含むペーストを含浸してペースト含浸シートを形成し、該ペースト含浸シートを積層し、加熱加圧成形して得られる断熱材であって、前記無機質繊維シート10〜50重量%と前記ペーストの硬化物である硬化組成物50〜90重量%とからなるものである。上記本発明に係る断熱材は、例えば、本発明に係る断熱材の製造方法、すなわち、無機質繊維シートに、耐熱性粉末、第一燐酸アルミニウム、第一燐酸アルミニウムの硬化剤及び有機結合材からなる特定配合量のペースト固形分を含むペーストを含浸してペースト含浸シートを形成し、該ペースト含浸シートを乾燥して含水率5〜20重量%のシート状物を形成し、該シート状物を積層し、加熱加圧成形して成形体を形成し、該成形体をアフターキュアする方法により得られる。以下、本発明に係る断熱材の製造方法に沿って説明する。
【0012】
本発明で用いられる無機質繊維シートは、得られる断熱材に優れた機械的強度及び靱性を付与するものである。このような無機質繊維シートとしては、例えば、無機繊維質クロスや無機繊維質マットが挙げられ、具体的には、EガラスやSガラス等のガラス繊維からなるガラスクロスやガラスマット;シリカ、アルミナ、ムライト等のセラミックファイバーからなるセラミッククロス;炭化珪素やカーボンファイバーからなるクロスやマット状物等が挙げられる。
【0013】
無機質繊維シートの材質は、断熱材の使用状況により適宜選択される。例えば、断熱材を500℃以下の比較的低温で使用する場合にはガラスクロスやガラスマットが比較的安価であるため好ましく、また、1000℃を越えるような高温で使用する場合はセラミックファイバーからなるセラミッククロスが耐熱性が高いため好ましい。また、断熱材を不活性ガス中等の特殊な雰囲気で使用する場合には、例えば、炭化珪素やカーボン等からなるクロスやマット状物が、特殊雰囲気下での劣化が小さいため好ましい。無機質繊維シートの目付量は、通常50〜500g/m2、好ましくは150〜350g/m2である。目付量がこの範囲内にあると、前記無機ペーストが内部まで均一に含浸され、また、適度な含浸量が得られ易いため好ましい。無機質繊維シートは、上記のものを1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0014】
本発明に係る断熱材の製造方法では、まず、上記無機質繊維シートに、耐熱性粉末、第一燐酸アルミニウム、第一燐酸アルミニウムの硬化剤及び有機結合材からなるペースト固形分を含むペーストを含浸してペースト含浸シートを形成する。
【0015】
ペースト固形分を構成する耐熱性粉末は、ペーストが乾燥、加熱加圧成形、アフターキュアを経て生成した硬化組成物においてその骨格をなし、断熱材に良好な耐熱性や切削加工性を付与するものである。このような耐熱性粉末としては、例えば、アルミナ、ムライト、コーディエライト、ジルコン、シリカ等が挙げられ、これらは耐熱性に優れ、安価であるため好ましい。また、耐熱性粉末は平均粒子径が通常10μm 以下、好ましくは2〜6μm である。該平均粒子径がこの範囲内にあると、断熱材を構成する硬化組成物中の耐熱性粉末が十分に細かいため、切削加工の際に切削面から耐熱性物質の粗い粒子が脱落して切削面が荒れることを抑制でき、断熱材の切削加工性を向上することができるため好ましい。耐熱性粉末は上記のものを1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0016】
ペースト固形分を構成する第一燐酸アルミニウムは、ペーストと無機質繊維シートとを一体化する結合材として作用するものである。第一燐酸アルミニウムとしては、例えば、第一燐酸アルミニウムの濃度が通常20〜60重量%、好ましくは30〜50重量%の水溶液が挙げられる。第一燐酸アルミニウムがこのような水溶液であると、ペースト固形分を構成する他の成分との混合が容易になると共に、ペーストを無機質繊維シートに含浸するのに適当な粘度にし易いため好ましい。
【0017】
ペースト固形分を構成する第一燐酸アルミニウムの硬化剤としては、水酸化アルミニウム及びワラストナイトが挙げられ、これらを所定の割合で併用する。これら水酸化アルミニウム及びワラストナイトは、人体に対して有害でなく、第一燐酸アルミニウムとの反応が速すぎないため好ましい。なお、水酸化アルミニウムはAl:Pのモル比が1:1となるように第一燐酸アルミニウムと反応してAlPO4 を生成し硬化組成物に耐水性を付与するが、この反応は反応温度が加熱加圧成形温度より高温で生じるため、事実上は100%反応させることが困難である。このため、硬化剤が水酸化アルミニウムのみであるとペーストが十分に硬化せず断熱材の耐水性が不十分になるおそれがある。そこで、本発明では第一燐酸アルミニウムの硬化剤として水酸化アルミニウムとワラストナイトを併用することによりペーストの硬化を十分に行い、断熱材に十分な耐水性を付与している。
【0018】
水酸化アルミニウムは、第一燐酸アルミニウムと反応してAlPO4 を生成することにより、硬化組成物に耐水性を付与するものである。このような水酸化アルミニウムとしては、例えば、平均粒子径が通常0.1〜10μm 、好ましくは0.5〜5μm の粉末状のものが用いられる。該平均粒子径がこの範囲内にあると、硬化反応がペースト内で均一に生じるとともに、第一燐酸アルミニウムとの反応が加熱加圧中の短い時間でも十分に起こるため好ましい。
【0019】
水酸化アルミニウムの配合量は、ペースト固形分中のAl原子及びP原子のモル比が1.2:1〜1:1.4、好ましくは1.1:1〜1:1.2、さらに好ましくは略1:1になる量にする。上記モル比よりもAlが少なくなるように水酸化アルミニウムを配合すると、断熱材の耐水性が低下するため好ましくない。また、上記モル比よりもAlが多くなるように水酸化アルミニウムを配合すると、本発明で得られる製品中に水酸化アルミニウムが残留し、水酸化アルミニウムが断熱材の製造の加熱の際又は使用の際に脱水し相変化して断熱材内部に歪みが発生するため、寸法変化が大きくなったり、クラックや割れを生じるおそれがあるため好ましくない。
【0020】
ワラストナイトは、第一燐酸アルミニウムと反応して燐酸カルシウム等を生成することにより、本発明により得られる製品に耐水性を付与するものである。このようなワラストナイトとしては、例えば、繊維長が100μm 以下、好ましくは50μm 以下の繊維状のものが用いられる。該繊維長がこの範囲内にあると、ペースト調製の際の混合性及びペースト中での分散性が良好であるため好ましい。水酸化アルミニウムと併用されるワラストナイトは、1種で又は上記の種々の繊維長のものを2種以上組み合わせて用いることができる。
【0021】
ペースト中の水酸化アルミニウムとワラストナイトとの併用の割合としては、水酸化アルミニウムに対するワラストナイトの配合量が、通常10重量%以下、好ましくは2重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以下である。該配合量が10重量%を越えると、ワラストナイトが水酸化アルミニウムよりも早く第一燐酸アルミニウムと反応して燐酸カルシウム等を生成し、ペーストの粘度が高くなって無機質繊維シートへの含浸性が低下するおそれがあるため好ましくない。
【0022】
なお、第一燐酸アルミニウムの硬化剤としては、上記水酸化アルミニウム及びワラストナイト以外に、石綿、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等も知られているが、石綿は人体に対して有害であり、酸化カルシウム、酸化マグネシウム及び酸化亜鉛は燐酸アルミニウムとの反応が速すぎるためそれぞれ好ましくない。
【0023】
ペースト固形分を構成する有機結合材は、硬化組成物中において結合材として作用し、硬化組成物に熱間繰り返し圧縮に対する耐性及び曲げ強度を向上させるものである。このような有機結合材としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ、このうち、フェノール樹脂は、ペースト中のリン分が硬化触媒として作用し相乗効果が得られるため好ましい。有機結合材の形態としては特に限定されないが、例えば、固体状、特に粉末状等の微細な粒状物であるとペースト固形分の他の成分と混合し易いため好ましい。
【0024】
ペースト固形分中、耐熱性粉末の配合量は40〜80重量%、好ましくは50〜70重量%である。該配合量が40重量%未満であると切削加工性が低下し易いため好ましくなく、80重量%を越えるとペースト固形分中の第一燐酸アルミニウムの分量が少なくなり断熱材の機械的強度が低下し易いため好ましくない。ペースト固形分中、第一燐酸アルミニウムの配合量は5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%、さらに好ましくは15〜25重量%である。該配合量が10重量%未満であると第一燐酸アルミニウムのバインダーとしての効果が得られないため好ましくなく、40重量%を越えるとバインドする対象である耐熱性粉末のペースト固形分中における含有量が少なくなり、相対的に第一燐酸アルミニウムが過剰になり経済的でないと共に、過剰な第一燐酸アルミニウムが断熱材の切削加工性を低下させ易いため好ましくない。
【0025】
ペースト固形分中、第一燐酸アルミニウムの硬化剤の配合量は5〜20重量%、好ましくは10〜15重量%である。該配合量が5重量%未満であると本発明により得られる製品の耐水性が低いため好ましくなく、20重量%を越えると過剰な硬化剤が製品中に残り使用の際に悪影響を与えたり、ペーストの粘度を上げて無機質繊維シートへの含浸性を低下させる等のため好ましくない。ペースト固形分中、有機結合材の配合量は5〜25重量%、好ましくは10〜15重量%である。該配合量が5重量%未満であると本発明により得られる製品の熱間繰り返し圧縮に対する耐性及び曲げ強度の向上に寄与しないため好ましくなく、20重量%を越えるとペーストの粘度が高くなり過ぎてペーストが無機質繊維シートに含浸し難くなるため好ましくない。
【0026】
ペーストは、上記所定配合量のペースト固形分に適宜水分を加え、成分が均一に、且つ、含水率が適当になるように混合・分散して得られる。混合・分散する方法としては特に限定されないが、例えば、プラネタリーミキサーを用い、該ミキサー内に第一燐酸アルミニウム溶液等の液状成分を装入した後、第一燐酸アルミニウム以外のペースト固形分を装入し、十分に攪拌、混合すればよい。
【0027】
ペーストの含水率は、通常21〜50重量%、好ましくは25〜40重量%である。該含水率がこの範囲内にあるとペースト固形分を構成する各原材料の混合に際して好適な粘度となるため好ましい。ここで、含水率とは、ペースト中における水分の合計量の重量比率をいい、残部はペースト固形分となる。ペーストへの水の供給方法としては、特に限定されず、例えば、耐熱性粉末、第一燐酸アルミニウム、第一燐酸アルミニウムの硬化剤及び有機結合材の混合物であるペースト固形分に水を別途添加し混合する方法でもよく、また、第一燐酸アルミニウムを予め水溶液としておきこれを固形材料である耐熱性粉末、第一燐酸アルミニウムの硬化剤や有機結合材と共に配合する方法でもよい。
【0028】
ペーストは、無機質繊維シートに含浸してペースト含浸シートを形成するものであり、ペースト含浸シートの乾燥により形成されるシート状物において半乾燥の状態になり積層されたシート状物の加熱加圧成形の際にシート状物同士を接着すると共に、成形体のアフターキュアにより脱水して強固な硬化組成物を形成し断熱材に耐熱性や切削加工性を付与する作用を有する。ここで、切削加工性とは、断熱材の切削加工の際に切削面の仕上がりの平滑さを示す指標であり、切削加工性が低いほど切削面が荒れることを示す。
【0029】
次に、ペーストを無機質繊維シートに含浸させる。この方法としては、特に限定されないが、例えば、無機質繊維シートをペーストに浸漬し引き上げる方法、ペーストをロール間より無機質繊維シートに供給するロールコート法、ペーストを一定間隔のブレードから無機質繊維シートに塗布するドクターブレード法等が挙げられる。
【0030】
ペーストの無機質繊維シートに対する含浸量は、無機質繊維シート100重量部に対し、通常、ペーストが300〜500重量部、好ましくは350〜450重量部である。ここで含浸とは、少なくとも無機質繊維シートが実質的にペーストで充填される状態になっていればよい意味である。例えば、無機質繊維シートが実質的にペーストで充填される限りペーストが無機質繊維シートの表面上にまで付着していても本発明でいう含浸に該当する。ペーストの含浸量が上記範囲内にあると、塗布の均一性やペースト含浸シートの搬送の具合がよく、アフターキュア後の断熱材の厚さが適当になる等のため好ましい。また、ペースト含浸シートは、無機質繊維シートが表面に露出しないようにペーストが表面を覆うように塗布含浸されたものであると、シート状物を加熱加圧成形する際にペーストの乾燥した層同士が密着して十分に接着されるため好ましい。このようにペーストを無機質繊維シートに含浸させるとペースト含浸シートが得られる。
【0031】
次に、ペースト含浸シートを積層するが、必要により積層前に乾燥してシート状物を形成すると、後の加熱加圧工程の際の密着性を保ちつつ、且つ一部成分の浸み出しがないため好ましい。乾燥の際の、乾燥温度としては通常60〜150℃、好ましくは80〜130℃が乾燥が均一に行われるため好ましい。シート状物はペースト含浸シートが乾燥され水分がある程度除去されることにより形成されるものであり、含水率が通常5〜20重量%、好ましくは8〜12重量%である。該含水率が20重量%を越えると、ペースト中の第一燐酸アルミニウムが浸み出してペーストの組成が変化するため好ましくない。また、該含水率が5重量%未満であると、シート状物を加熱加圧しても無機質繊維シート内の繊維の空隙に乾燥したペーストが十分に充填され難くなったり、シート状物間の密着強度が低下するおそれがあるため好ましくない。
【0032】
次に、ペースト含浸シート又は必要により乾燥して得られたシート状物を適宜枚数積層し、加熱加圧成形して断熱材を得る。積層数としては特に限定されないが、通常10〜50層、好ましくは20〜40層である。該積層数が10層未満であると機械的強度が不足して板材とすることが困難であり、50層を越えると内部の欠陥密度が多くなるおそれがある。積層後の加熱加圧成形の条件は、加熱温度が150〜200℃、好ましくは160〜180℃である。該加熱温度が上記範囲内にあると、第一燐酸アルミニウムと第一燐酸アルミニウムの硬化剤との反応が十分に行われると共に、シート状物から水分がスムーズに除去されるため好ましい。一方、該加熱温度が150℃未満であると、第一燐酸アルミニウムと第一燐酸アルミニウムの硬化剤との反応が十分に行われず、断熱材の機械的強度や耐水性が低くなるおそれがあるため好ましくない。また、該加熱温度が200℃を越えると、シート状物中の含有水分が蒸発する際にシート状物積層体中の内部圧力が高くなり、断熱材の組織が不均一になったりボイド等の欠陥が生じるおそれがあるため好ましくない。
【0033】
加熱加圧成形の条件のうちプレス圧は、通常20〜50kgf/cm2 、好ましくは25〜35kgf/cm2 である。該プレス圧が20kgf/cm2 未満であると、加圧不足により成形体のしまりにバラツキが生じたり、シート状物の積層界面が十分に接着しないおそれがあるため好ましくない。また、該プレス圧が50kgf/cm2 を越えると、シート状物から乾燥したペーストが流出して無機質繊維シートが露出したり、無機質繊維シートの繊維が変形や破損して該シートの補強効果が損なわれるおそれがあるため好ましくない。
【0034】
また、加熱加圧成形後、得られた成形体を必要により例えばオーブン等の内でアフターキュアすると、成形体をさらに硬化させると共に、実質的に余剰水分がゼロの断熱材が得られるため好ましい。この際、ペーストは硬化して硬化組成物になる。すなわち、得られた断熱材は、無機質繊維シートに硬化組成物が含浸した状態になっている。
【0035】
アフターキュア温度は、通常180〜230℃、好ましくは200〜220℃である。該アフターキュア温度が180℃未満であると、成形体の硬化の進行が遅くなり、また、硬化が進行しても得られた断熱材に十分な耐水性を付与できないおそれがあるため好ましくない。また、該アフターキュア温度が220℃を越えると、成形体から水分が急激に蒸発して、得られる断熱材に割れや膨れなどが生じるおそれがあるため好ましくない。アフターキュア終了後は、適宜冷却してもよい。
【0036】
上記方法で得られた断熱材は、無機質繊維シート10〜50重量%と前記ペーストのアフターキュア後の反応生成物である硬化組成物50〜90重量%とからなり、好ましくは無機質繊維シート20〜35重量%と前記ペーストのアフターキュア後の反応生成物である硬化組成物65〜80重量%とからなり、硬化組成物が無機質繊維シートに含浸しているものである。また、断熱材の密度は、通常1.8〜3.0g/cm3 、好ましくは2.0〜2.5g/cm3 である。
【0037】
本発明に係る断熱材は、良好な加工性を有しつつ耐熱性、曲げ強度等の機械的強度、靱性、熱間繰り返し圧縮に対する耐性等において優れるものである。具体的には、本発明に係る断熱材の機械的強度としては、曲げ強度が通常50MPa 以上、好ましくは65〜100MPa 、さらに好ましくは70〜100MPa であり、曲げタフネスが通常0.3J/cm2 以上である。また、該断熱材の熱間繰り返し圧縮に対する耐性としては、30×30×10mmの試料を200℃150MPa で測定した場合の熱間繰り返し圧縮試験における破壊までのサイクル数が、通常50サイクル以上、好ましくは100サイクル以上、さらに好ましくは200サイクル以上である。また、該断熱材の靱性としては、シャルピー衝撃値が通常0.8J/cm2 以上である。また、本発明に係る断熱材は断熱材から燐酸成分が拡散し難い。このため、燐酸が汚染源となるような電子部品等の被加熱材料を燐成分により汚染し難く、電子部品等の加熱にも好ましく用いることができる。断熱材からの燐酸成分の拡散の度合いは、例えば、断熱材を所定の条件で水に浸漬した後の水のpHを測定する溶出試験により測定することができ、水のpHの変化が少なく7に近いものほど燐酸の拡散が少ないため好ましいことを示す。また、本発明に係る断熱材には、本発明の効果を害しない範囲内で、顔料等を配合してもよい。
【0038】
本発明に係る断熱材は、熱プレス、ゴム加硫機や射出成形機の断熱材、誘導炉のケーシング等に使用することができる。また、本発明に係る断熱材は燐酸が拡散し難いため、特に燐酸が汚染源となるような電子部品等を被加熱材料とする誘導炉のケーシング等にも好適に使用することができる。
【0039】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0040】
実施例1
平均粒子径4μm のアルミナ粉末57重量部、第一燐酸アルミニウム水溶液を第一燐酸アルミニウム換算で20重量部、平均粒子径0.5μm の水酸化アルミニウム11重量部、繊維長50μm のワラストナイト0.5重量部、顔料0.5重量部及びフェノール樹脂11重量部をプラネタリーミキサーで十分混練して含水率30%のペーストを調製し、ロールコーター装置で該ペースト400重量部を目付量300g/m2のガラスマット100重量部に塗布し含浸させた。
得られたペースト含浸シートを熱風通風式乾燥機により85℃で1時間乾燥して含水率10%のシート状物を得、該シート状物を25枚重ねて熱プレス装置を用いて180℃、プレス圧30kgf/cm2 で加熱加圧成形した。次に、得られた成形体を熱風通風式乾燥機で200℃で1時間保持することによりアフターキュアして水分を除去して硬化させ断熱材を得た。断熱材の製造条件について表1に示す。
得られた断熱材について、組成、密度、曲げ強度、曲げタフネス、シャルピー衝撃値及び熱間繰り返し圧縮の各項目を評価した。結果を表2に示す。
曲げ強度、曲げタフネス、シャルピー衝撃値及び熱間繰り返し圧縮試験は以下のように評価した。
・曲げ強度:JIS C2210「電気絶縁用石綿セメント板」に準拠して求めた。
・曲げタフネス:曲げ強度測定と同様な方法で試験を行い、試験片が2mm撓んだ時点までの荷重(横軸)−たわみ(縦軸)曲線と、該時点における該曲線上の点から横軸に対して横軸に垂直に下ろした直線と、横軸とで囲まれる部分の面積を計算して求めた。
・シャルピー衝撃値:断熱材を断面1cm角、長さ11cmの棒状に加工して試料を作製し、衝撃試験器を用いて棒状試料の横方向からハンマーで衝撃を加えて、試料が折れる時の値を測定した。
シャルピー衝撃値は衝撃に対する耐性を示す指標であり、大きいほど断熱材が靱性及び高耐衝撃性に優れることを示す。
・熱間繰り返し圧縮強度:熱間繰り返し圧縮強度の測定は、30×30×10mmの試料を用い、この試料の上端面及び下端面に試料の縮み方向に荷重を掛けつつ加圧面が上下に移動可能なプレス機を用いて行った。即ち、試料温度を200℃に保ったままプレス機の上部加圧面の移動速度を1mm/secで下降させて試料に徐々に荷重を加え、加圧が150MPa に達した段階でその状態を20秒間維持し、その後上部加圧面の移動速度を1mm/secで荷重を150MPa から徐々に減じてゆき、プレス機の上部加圧面が試料から離れた時点で1サイクルの終了とした。そして、このサイクルを試料が破壊するまで繰り返し行い、そのサイクル数を求めた。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
比較例1
実施例1において、断熱材の製造条件を表1のように変えた以外は同様にして断熱材を作製した。得られた断熱材の組成及び物性について表2に示す。
【0044】
表1及び表2より、ペースト固形分として有機結合材であるフェノール樹脂を配合したものは、得られる断熱材の曲げ強度及び熱間繰り返し圧縮強度が大幅に向上することが分かる。
【0045】
【発明の効果】
本発明に係る断熱材によれば、石綿を含まず、良好な加工性を有しつつ耐熱性、曲げ強度等の機械的強度、靱性、熱間繰り返し圧縮に対する耐性等に優れると共に、断熱材から燐酸成分が拡散し難いため被加熱材料を燐成分により汚染し難い高強度なものが得られる。
Claims (8)
- 無機質繊維シートに、耐熱性粉末40〜80重量%、第一燐酸アルミニウム5〜40重量%、第一燐酸アルミニウムの硬化剤5〜20重量%及び熱硬化性樹脂5〜25重量%からなるペースト固形分を含むペーストを含浸してペースト含浸シートを形成し、積層し、加熱加圧成形して得られる断熱材であって、前記無機質繊維シート10〜50重量%と前記ペーストの硬化物である硬化組成物50〜90重量%とからなることを特徴とする断熱材。
- 無機質繊維シートに、耐熱性粉末40〜80重量%、第一燐酸アルミニウム5〜40重量%、第一燐酸アルミニウムの硬化剤5〜20重量%及び熱硬化性樹脂5〜25重量%からなるペースト固形分を含むペーストを含浸してペースト含浸シートを形成し、該ペースト含浸シートを乾燥して含水率5〜20重量%のシート状物を形成し、該シート状物を積層し、加熱加圧成形して成形体を形成し、該成形体をアフターキュアして得られる断熱材であって、前記無機質繊維シート10〜50重量%と前記ペーストの硬化物である硬化組成物50〜90重量%とからなることを特徴とする断熱材。
- 前記耐熱性粉末が、アルミナ、ムライト、コーディエライト、ジルコン、シリカのいずれか1種又は2種以上からなり、且つ、平均粒子径が10μm 以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の断熱材。
- 前記第一燐酸アルミニウムの硬化剤が、水酸化アルミニウム及び繊維状ワラストナイトからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の断熱材。
- 前記熱硬化性樹脂がフェノール樹脂、エポキシ樹脂又は不飽和ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項4記載の断熱材。
- 前記無機質繊維シートが、ガラスファイバー、シリカファイバー、アルミナファイバー、ムライトファイバー、炭化珪素ファイバー、カーボンファイバーのいずれか1種又は2種以上から形成されるシートであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の断熱材。
- 前記積層が、10〜50層の積層であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の断熱材。
- 無機質繊維シートに、耐熱性粉末40〜80重量%、第一燐酸アルミニウム5〜40重量%、第一燐酸アルミニウムの硬化剤5〜20重量%及び熱硬化性樹脂5〜25重量%からなるペースト固形分を含むペーストを含浸してペースト含浸シートを形成し、該ペースト含浸シートを乾燥して含水率5〜20重量%のシート状物を形成し、該シート状物を積層し、加熱加圧成形して成形体を形成し、該成形体をアフターキュアすることを特徴とする断熱材の製造方法。
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