JP4065493B2 - 水性顔料インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器 - Google Patents

水性顔料インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗工紙は勿論、一般に、オフイスや家庭で使用されている非塗工紙、いわゆる普通紙に対しても、高速かつ高精細、高画質フルカラー記録が可能な水性顔料インク、インクジェット記録方法記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方法は、記録時の騒音の発生がなく、高集積のヘッドを使用することにより、高解像の記録画像が高速で得られるという利点を有している。このようなインクジェット記録方法では、記録液としてのインクとして各種の水溶性染料を水または、水と有機溶剤との混合液に溶解させたものが使用されている。しかしながら、水溶性染料を用い場合には、これらの水溶性染料は本来耐光性が劣るため、記録画像の耐光性が問題になる場合が多い。
【0003】
また、インクが水溶性であるために、記録画像の耐水性が問題となる場合が多い。すなわち、記録画像に、雨、汗、あるいは飲食用の水がかかったりした場合、記録画像が滲んだり、消失したりすることがある。
【0004】
一方、ボールペンなどの染料を用いた文房具においても同様の問題があり、耐光性、耐水性の問題を解決するために種々の文房具用水性顔料インクの提案がなされている。水性顔料インク実用化のため、分散安定性、ペン先でのインクの固化防止、ボールペンのボールの摩耗防止を検討している例として特開昭58−80368号公報、同61−200182号公報、同61−247774号公報、同61−272278号公報、同62−568号公報、同62−101671号公報、同101672号公報、特開平1−249869号公報、同1−301760号公報等が挙げられる。最近では、水性顔料インクを用いたボールペンや、マーカーが商品として市場にでるようになってきた。また、水性顔料インクを用いたインクジェット用インクとしては、特開昭56−147859号公報、同56−147860号公報等に、特定の水溶性溶剤と高分子分散剤を用いた顔料インクが提案されている。また、特開平4−57859号公報、同4−57860号公報等には、顔料と染料を併用したインクの提案がなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の水性顔料インクは、特に、非塗工紙である普通紙(コピー用紙、ボンド紙などの一般にオフィスに普及している紙)に記録を行った場合、紙の種類によっては、印字品位、印字濃度が、著しく劣化するという不都合が生じる。一般に、普通紙は、インクジェット専用紙と異なり、紙の表面状態が一定でないために、インクの吸収性、滲みかた等の違いにより、印字品位が変化する。特に、印字品位を大きく左右する印字濃度を考えた場合、水溶性染料を用いたインクでは、染料が紙の繊維に染着し、紙の表面に残りやすいために、紙の表面状態による印字濃度などへの影響は、比較的少ない。一方、水性顔料インクでは、紙の表面に顔料を残存させることにより、印字濃度を得ているために紙の表面状態が、印字物の印字濃度に与える影響は大きい。即ち、水性顔料インクは分散剤としてアルカリ可溶型樹脂を用いている例が多く、これが紙面上で凝集することによって印字濃度を上昇させていると考えられるが、この場合、紙の種類によっては著しく印字品位、印字濃度が劣化するものがある。この印字濃度、印字品位を上昇させる一つの手段として、pHを酸性側にさせる等の方法があるが、反面、分散状態を不安定にさせてしまい、インクジェット用インクとしての吐出安定性、長期分散安定性、更に微細ノズル先端における長期の放置による固化防止等多数の信頼性にかかわる問題が残り、印字濃度、印字品位との両立は困難な状態にある。また、よりpH安定性の高い樹脂を分散剤として用いた場合、信頼性にかかわる問題や紙種による印字濃度の差というものはかなり改善されるが、印字濃度、印字品位はかなり劣化してしまう。
【0006】
また、インク中の固形分を上昇させる事により印字品位、印字濃度をアップさせることも考えられるが、上記の信頼性問題が大きく低下してしまう。
【0007】
さらに、水性顔料インクを用いる場合、定着性も重要な問題となるが、この定着性をアップさせるために速乾性有機溶剤や界面活性剤の併用が考えられる。しかしながら満足できる定着性を得る範囲の添加量では印字濃度、印字品位の低下が著しいことが判っている。
【0008】
例えばこの印字濃度、印字品位を改善させる手段として、例えば特開昭56−147863号公報、同56−147868号公報、同56−157470号公報、同60−223074号公報、同60−223075号公報等にアルカリ可溶型樹脂を分散剤として用いたインクの記載がある。しかし、この方法ではインクジェット用として用いるには満足な印字濃度、印字品位は得られない。又、特開昭61−168677号公報、同61−235478号公報等にはグリコールのモノブチルエーテルをインク中の水溶性溶媒として、筆記具及びインクジェットの耐乾燥性、吐出性向上のため、使用することが報告されている。しかし、水溶性溶剤としてグリコールのモノブチルエーテルを使用するだけでは、満足のいく印字濃度、印字品位は得られない。
【0009】
更に、筆記具用として例えば特開昭59−98173号公報、特開昭62−91574号公報等にシリカ微粒子を混入させる記載があるが、この方法ではインクジェット用として用いるには満足な印字濃度、印字品位は得られない。さらに特開昭63−145381号公報、特開昭63−218779号公報等には球状樹脂粒子をインク中に含有させることが報告されているが、これらの方法によっても印字濃度、印字品位とインクジェット用としての信頼性の両立が満足なレベルではない。
【0010】
従って、インクジェット用インクとしての信頼性、特にこの場合、分散安定性、吐出安定性を満足しつつ、印字濃度、印字品位を改善させる手段の確立が望まれている。
【0011】
そこで本発明の目的は、前述した従来技術の問題点を解消し、各種の普通紙上においても、良好な印字濃度、印字品位を与え、信頼性に優れた水性顔料インク、これを用いたインクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】
上記の目的は、以下の本発明によって達成されることが検討の結果明らかになった。
【0013】
即ち本発明の第一の実施態様にかかる水性顔料インクは、顔料、分散剤、水溶性有機溶剤及び水を含むインクジェット記録用の水性顔料インクであって、水溶性有機溶剤としてジオールのモノアルキルエーテル(アルキル基の炭素数が4以上)、トリオールのモノアルキルエーテル(アルキル基の炭素数が4以上)及びトリオールのジアルキルエーテル(アルキル基の炭素数が4以上)から選択される少なくとも1種を含み、且つ分散剤が親水部と疎水部とを有し、該親水部が、下記式(I)及び(III)から選択される少なくとも1種の長鎖ノニオン基含有モノマーを3〜25モル%及び、α、β−エチレン性不飽和カルボン酸を5〜60モル%用いて重合したポリマーから構成されていることを特徴とするインクジェット記録用の水性顔料インク:
CH =C(R)−COO−(CH CH O) −H (I)
CH =C(R)−COO−(CH CH O) −phenyl−(CH H (III)
(但し、RはHもしくはCH であり、mは2〜24、pは1〜12、qは0〜16の数を表わす)。
【0014】
また本発明の第2の実施態様にかかるインクジェット記録用の水性顔料インクは、顔料、分散剤、水溶性有機溶剤及び水を含むインクジェット記録用の水性顔料インクであって、水溶性有機溶剤としてジオールのモノアルキルエーテル(アルキル基の炭素数が4以上)、トリオールのモノアルキルエーテル(アルキル基の炭素数が4以上)及びトリオールのジアルキルエーテル(アルキル基の炭素数が4以上)から選択される少なくとも1種を含み、且つ分散剤が親水部と疎水部とを有し、該親水部が、下記式(I)〜(III)から選択される少なくとも1種の長鎖ノニオン基含有モノマーを3〜25モル%及び、α、β−エチレン性不飽和カルボン酸を5〜60モル%用いて重合したポリマーから構成され、且つ該疎水部が、スチレン、αメチルスチレン及びビニルトルエンから選ばれる少なくとも1つのモノマーから構成されていることを特徴とするインクジェット記録用の水性顔料インク:
CH =C(R)−COO−(CH CH O) −H (I)
CH =C(R)−COO−(CH CH O) −(CH H (II)
CH =C(R)−COO−(CH CH O) −phenyl−(CH H (III)
(但し、RはHもしくはCH であり、m,nは2〜24、l,pは1〜12、qは0〜16の数を表わす(但し、lが1〜4であることを除く))。
【0016】
更に又本発明にかかるインクジェット記録方法の一実施態様は、記録信号に応じて記録ヘッドのオリフィスからインクを吐出させて被記録材に付着せしめる工程を有するインクジェット記録方法において、前記インクが、上記何れかの態様にかかる水性顔料インクであることを特徴とする。
【0017】
更に又本発明にかかる記録ユニットの一実施態様は、インクを収容しているインク収容部と該インクを吐出させる為のヘッド部とを具備し、前記インクが、上記何れかの態様にかかる水性顔料インクであることを特徴とする。
【0018】
次に本発明にかかるインクカートリッジは、インクを収容しているインク収容部を具備してなるインクカートリッジにおいて、前記インクが上記何れかの態様にかかる水性顔料インクであることを特徴とする。
【0019】
また、本発明にかかるインクジェット記録装置の一実施態様は、インクを収容しているインク収容部と該インクを吐出させる為のヘッド部とを有する記録ユニットを具備し、前記インクが、上記何れかの態様に係る水性顔料インクであることを特徴とする。
【0020】
本発明にかかるインクジェット記録装置の他の実施態様は、インクを収容しているインク収容部を有するインクカートリッジ、該インクを吐出する記録ヘッド及び該インクカートリッジに収容されているインクを該インクカートリッジから記録ヘッドに供給する為のインク供給部を具備し、前記インクが、上記何れかの態様にかかる水性顔料インクであることを特徴とする。
【0021】
本発明者らは顔料を使用した水性顔料インクを用いて普通紙上にインクジェット記録を行った場合、紙の種類によって、印字品位、印字濃度が、著しく劣化する原因を鋭意検討した結果、紙の表面状態が印字品位、とりわけ印字濃度に与える影響が大きいことを見いだし、本発明に至った。つまり、水性顔料インクは、吐出したインクが紙の表面に到達した直後にインクが凝集し、紙の表面に留まることによって印字濃度が得られ、紙の表面状態が、インクの安定性を壊すものであれば、良好な印字濃度が得られ、逆に、インクの凝集より、浸透が先に起これば、望ましい印字濃度は得られないということである。一方、普通紙は、大きく酸性紙と中性紙に分類されるが、その表面状態は、紙の用途により、いろいろな処理が施されており、全ての紙において、表面で瞬時に凝集が開始するようなインクを設計することは、困難である。また、前述したように、インクの分散状態を不安定にして、印字濃度を得るというインク設計は、インクジェット用インクに要求される吐出安定性、長期の貯蔵安定性、さらに、微細なノズル先端における長期の放置による固化防止とは、相反するものである。
【0022】
本発明にかかる第1の態様では、この分散剤に着目し、そのモノマー組成について検討を行った結果、親水部を有するモノマーとして上記のモノマーを含有するポリマーを分散剤として用いることにより、インクジェット用インクに要求される吐出安定性、長期の貯蔵安定性、さらに、微細なノズル先端における長期の放置による固化防止と印字濃度、印字品位の両立が可能となる事が明らかになった。
【0023】
即ち、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸部分の効果による従来の凝集効果による印字濃度、印字品位の向上に加えて、長鎖ノニオン基含有モノマー部分の効果、即ち水溶性の向上、pH安定性の向上により、インクジェット用インクに要求される吐出安定性、長期の貯蔵安定性、さらに、微細なノズル先端における長期の放置による固化防止に大きな効果を持つことが明らかになった。また、長鎖ノニオン基含有モノマーの分散剤中への導入は、印字濃度、印字品位の向上にも大きな効果を持つことが明らかになった。
【0024】
上記分散剤を限定し、さらにインク中の水溶性溶剤として、少なくともジオールのモノアルキルエーテル及び/又はトリオールのモノアルキルエーテル及び/又はトリオールのジアルキルエーテル(アルキル基の炭素数4以上)を含有させることが印字品位、印字濃度を満足させるために有効であることを発見した。
【0025】
以下、本発明にかかる第1の態様について詳細に述べる。
【0026】
本発明にかかる第1の態様で使用される分散剤としての水溶性樹脂は、上記の一般構造を有する3種の中から選ばれた少なくとも1種の長鎖ノニオン基含有モノマーを3−25モル%含むが、この様なモノマーの具体例として、
(1)CH=C(R)−COO−(CHCHO)−H(m=2〜24)CH=C(CH)−COO−(CHCHO)−H:ブレンマーPE−90(m=1.9,NipponOil&FatsCo.)
CH=C(CH)−COO−(CHCHO)−H:ブレンマーPE−200(m=4.4,NipponOil&FatsCo.)
CH=C(CH)−COO−(CHCHO)−H:ブレンマーPE−350(m=7.7,NipponOil&FatsCo.)
CH=CH−COO−(CHCHO)−H:m=24試作品
(2)CH=C(R)−COO−(CHCHO)n−(CHH(n=2〜24,l=1〜12)
メトキシトリエチレングリコールアクリレート(R=H,n=3,l=1,NKエステルAM−30G)
メトキシポリエチレングリコール#400アクリレート(R=H,n=約10,l=1,NKエステルAM−90G)
メトキシジエチレングリコールメタアクリレート(R=CH,n=2,l=1,NKエステルM−20G)
メトキシテトラエチレングリコールメタアクリレート(R=CH,n=4,l=1,NKエステルM−40G)
メトキシポリエチレングリコール#400メタアクリレート(R=CH,n=約10,l=1,NKエステルM−90G)
メトキシポリエチレングリコール#1000メタアクリレート(R=CH3 ,n=約24,l=1,NKエステルM−230G)
ブトキシジエチレングリコールアクリレート(R=H,n=2,l=4,NKエステルAB−20G)、以上は新中村化学工業の製品
(3)CH=C(R)−COO−(CHCHO)p−phenyl−(CH)qHP=1〜12,q=0〜16
フェノキシジエチレングリコールアクリレート(R=H,p=2,q=0,NKエステルAMP−20G)
フェノキシポリエチレングリコールアクリレート(R=H,p=約5,q=0,NKエステルAMP−60G)
ノニルフェノキシエチルアクリレート(R=H,p=1,q=8,NKエステルNPA−10G)、以上は新中村化学工業の製品
CH2=CH−COO−(CH2CH2O)10−phenyl−(CH216−H:試作品の様なモノマーを挙げることが出来る。
【0027】
さらに、親水性モノマーとしてα,β−エチレン性不飽和カルボン酸を5−60モル%含有させることが必須である。このようなモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クマール酸等をあげることができる。さらにこれらの誘導体でもよい。
【0028】
上記第一の態様に用いる分散剤の共重合時に用いられる疎水性モノマーとしては、スチレン、αメチルスチレン、ビニルトルエンなどのスチレン類、及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル類である。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしてはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブメチル(メタ)アクリレート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、2−エチルブチル(メタ)アクリレート、3−メチルブチル(メタ)アクリレート、1,3−ジメチルブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、3−ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、3−エトキシプロピルアクリレート、2−エトキシブチルアクリレート、3−エトキシブチルアクリレート、3−エトキシブチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート等が挙げられる。
【0029】
これらのモノマーを用いた本発明で使用する分散剤の重合は、通常のラジカル共重合により簡便に行うことが出来る。
【0030】
これらの重合体の重量平均分子量は500から30000の範囲が好ましい。さらに、好ましくは1000から15000の範囲である。
【0031】
さらに、これらの重合体の含有量はインク全量に対して0.1から5重量%の範囲である事が好ましい。
【0032】
次に本発明の参考例にかかる第2の態様について説明する。
【0033】
本発明の参考例にかかる第2の態様で使用される白色無機微粒子として、二酸化チタン微粒子或はアルミナ微粒子が好ましいが、その種類は特に限られるものではなく、インクジェット用インクとして用いられる色材としての顔料と同時に安定に分散するものであればよい。また、粒子形についても特に限定されるものではないが、球状のものが好ましく用いられる。また、これらを親水化、疎水化等表面処理したものでもよい。これらの中では特に表面を親水化した二酸化チタン粒子が特に好ましい。この製品としては出光興産(株)チタニアシリーズ、また、他の二酸化チタン微粒子域はアルミナ微粒子としては、日本アエロジル(株)チタニウムジオキサイドP25、アルミニウムオキサイドC等を挙げることが出来る。
【0034】
このインクに含まれる白色無機微粒子の1次粒径はその時に用いられる色材としての顔料の1次粒径に対して1/10〜5/1の範囲内にあることが好ましい。この範囲をはずれると、本発明の効果、とりわけ印字品位、印字濃度の点で満足のいく結果は得られにくい。この場合、インクジェット用インクに用いられる顔料の粒径を考慮すると、白色無機微粒子の1次粒径は5〜200nm程度となるが、本発明の目的を十分に満足させるには5〜100nm程度がより良好である。また、白色無機微粒子の重量含有率については、その時に用いられる色材としての顔料の重量含有率に対して1/20〜1/1が望ましく、1/20以下の重量含有率では特に印字品位、印字濃度の点で、また、1/1以上の重量含有率では特に保存安定性、吐出安定性等の信頼性の点で良好な結果が得られにくい。さらに、本発明の目的を十分に満足させるには1/10〜1/2の範囲がより望ましい。
【0035】
本発明の参考例にかかる第2の態様で使用する色材としての顔料、及び白色無機微粒子の分散剤としては、水溶性樹脂ならどんなものでも使用可能だが、重量平均分子量は500から30000の範囲が好ましい。さらに、好ましくは1000から15000の範囲である。具体的には、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも選ばれる2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、あるいは、ランダム共重合体、また、これらの塩等が挙げられる。これらの樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶なアルカリ可溶型樹脂であり、インクジェット用インクに用いるものとして、分散液の低粘度化が可能で、分散も容易であるという利点が有るために特に好ましく用いられる。さらに、親水性単量体からなるホモポリマー、また、それらの塩でも良い。また、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等の水溶性樹脂、ロジン、セラック等の天然樹脂も使用することが可能である。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類等各種界面活性剤を用いてもよい。前記水溶性樹脂、界面活性剤はインク全量に対して0.1から5重量%の範囲で含有される事が好ましい。以上のごとき、顔料、白色無機微粒子及び水溶性樹脂は水溶性媒体中に分散または溶解される。
【0036】
次に本発明にかかる第3の態様について説明する。
【0037】
本発明にかかる第3の態様で使用されるロジン変性マレイン酸については、その種類は特に限られるものではないが、マルキードNO.31、マルキードNO.32(以上荒川化学製)ハイパラックC、ハイパラックPR(以上日本シェラック製)ハリマック145P、ハリマックR−120AH(以上ハリマ化成製)等が挙げられる。尚、その他上記第3の態様で併用できる分散剤は、水溶性樹脂ならどんなものでも使用可能だが、重量平均分子量は500から30000の範囲が好ましい。さらに、好ましくは、1000から15000の範囲である。具体的には、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも選ばれる2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、あるいは、ランダム共重合体、また、これらの塩等が挙げられる。これらの樹脂は、塩基を溶解させた水溶液に可溶なアルカリ可溶型樹脂であり、インクジェット用インクに用いるものとして、分散液の低粘度化が可能で、分散も容易であるという利点が有るため特に好ましく用いられる。さらに、親水性単量体からなるホモポリマー、また、それらの塩でも良い。また、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等の水溶性樹脂、セラック等の天然樹脂も使用することが可能である。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類等各種界面活性剤を用いてもよい。前記水溶性樹脂、界面活性剤は記録液全量に対して0.1から5重量%の範囲で含有される事が好ましい。
【0038】
次に、第1の態様から第3の態様に共通に用いられる水溶性溶剤として、ジオールのモノアルキルエーテル及び/又はトリオールのモノアルキルエーテル及び/又はトリオールのジアルキルエーテル(アルキル基の炭素数は4以上)が挙げられ、その中でもジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリンのモノペンチルエーテル、1,2,6−ヘキサントリオールのジヘキシルエーテル1,2,4−ブタントリオールペトリオール等が好ましい。尚、前記ジオールのモノアルキルエーテル及び/又はトリオールのモノアルキルエーテル及び/又はトリオールのジアルキルエーテル(アルキル基の炭素数は4以上)の量はインク全量に対して0.01から5重量%の範囲で含有されることが好ましく、それ以下だと、印字濃度、印字品位向上に効果がなく、それ以上だと、インクの定着性が早くなり、印字品位が悪化する。
【0039】
また、その他、併用しうる任意の溶剤成分として、水と混合して使用される水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコールtert−ブチルアルコール等の炭素数1−4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2−6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でもジエチレングルコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル(アルキル基の炭素数3以下)が好ましい。
【0040】
さらに、吐出の安定性を得るためにはエタノール、あるいは、イソプロピルアルコール、または多価アルコールの低級アルキルエーテル類を添加することが効果的である。これはこれら溶剤を添加することによって記録液の薄膜抵抗体上での発泡をより安定に行うことができるからと考えられる。
【0041】
本発明にかかるインク中の上記水溶性有機溶剤の含有量は、多価アルコールのアルキルエーテル(アルキル基の炭素数は4以上)も含めて、インク全重量の3−50重量%の範囲であり、好ましくは3−40重量%の範囲である。
【0042】
本発明にかかるインクにおいて好適な水性媒体は、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒であり、水としては種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。使用する水は記録液全重量の10−90重量%、好ましくは30−80重量%の範囲である。
【0043】
本発明にかかるインクで使用する色材としての顔料の量は1−20重量%、好ましくは2−12重量%の範囲で用いる事が好ましい。本発明で使用する顔料は上記性能を満足するものならばどのようなものでも使用可能だが、黒インクに使用されるカーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒子径が15から40nm、BET法による比表面積が、50から300平方m/g、DBP吸油量が、40から150m1/100g、揮発分が0.5から10%、pH値が、2から9を有し、例えば、NO.2300,NO.900,MCF88,NO.33,NO.40,NO.52,MA7,MA8,NO.2200B(以上三菱化成製)、RAVEN1255(コロンビア製),REGAL400R,REGAL330R,REGAL660R,MOGULL(キャボット製)、Color Black FW1,Color Black FW18,Color Black S170,Color Black S150,Printex 35,Printex U(デグッサ)等の市販品を使用することが出来る。また、本発明のために新たに試作されたものでもよい。イエローインクに使用される顔料としては、C.I.Pigment Yellow 1,C.I.Pigment Yellow 2,C.I.Pigment Yellow 3,C.I.Pigment Yellow 13,C.I.Pigment Yellow 16,C.I.Pigment Yellow 83、マゼンタインクとして使用される顔料としては、C.I.Pigment Red 5,C.I.Pigment Red 7,C.I.Pigment Red 12,C.I.PigmentRed 48(Ca),C.I.Pigment Red 48(Mn)、C.I.Pigment Red 57(Ca),C.I.Pigment Red 112,C.I.Pigment Red 122、シアンインクとして使用される顔料としては、C.I.Pigment Blue 1,C.I.Pigment Blue 2,C.I.Pigment Blue 3,C.I.Pigment Blue 15:3,C.I.Pigment Blue 16,C.I.Pigment Blue 22,C.I.Vat Blue 4,C.I.Vat Blue 6等が挙げられるが、本発明のために新たに製造されたものでも使用可能である。
【0044】
さらに、本発明にかかるインクは、好ましくはインク全体が中性またはアルカリ性に調整されていることが、前記水溶性樹脂の溶解性を向上させ、一層の長期保存性に優れたインクとすることができるので望ましい。但し、この場合、インクジェット記録装置に使われている種々の部材の腐食の原因となる場合があるので好ましくは7−10のpH範囲とされるのが望ましい。
【0045】
また、pH調整剤としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸物等の無機アルカリ剤、有機酸や、鉱酸が挙げられる。
【0046】
以上のごとき、顔料、及び水溶性樹脂は水溶性媒体中に分散または溶解される。
【0047】
又、本発明にかかるインクは、上記の成分のほかに必要に応じて所望の物性値を持つ記録液とするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等を添加することができ、さらに、市販の水溶性染料などを添加することもできる。
【0048】
例えば界面活性剤としては前述したようなものでインクに対して保存安定性等の悪影響を及ぼさないものであれば限られるものではなく、例えば、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、アセチレンアルコール、アセチレングリコール等の非イオン性界面活性剤があり、これらの1種または、2種以上を適宜選択して使用できる。その使用量は分散剤により異なるがインク全量に対して0.01から5重量%が望ましい。この際、記録液の表面張力は30dyne/cm以上になるように活性剤の添加する量を決定する事が好ましい。なぜなら、記録液の表面張力がこれより小さい値を示す事は、本発明のような記録方式においてはノズル先端のぬれによる印字よれ(インク滴の着弾点のズレ)等好ましくない事態を引き起こしてしまうからである。
【0049】
本発明にかかるインクの作成方法としては、はじめに、分散樹脂、水を少なくとも含有する水溶液に顔料、(白色顔料)を添加し、撹拌した後、後述の分散手段を用いて分散を行い、必要に応じて遠心分離処理を行い、所望の分散液を得る。次に、この分散液に上記で挙げたような成分を加え、攪拌し記録液とする。
【0050】
更に、顔料を含む水溶液を分散処理する前にプレミキシングを30分間以上行うことも又必要である。このプレミキシング操作は、顔料表面の濡れ性を改善し、顔料表面への吸着を促進するものである。
【0051】
アルカリ可溶型樹脂を使用する場合の分散液に添加される塩基類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミンメチルプロパノール、アンモニア等の有機アミン、あるいは、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基が好ましい。
【0052】
一方、本発明に使用する分散機は、一般に使用される分散機なら、如何なるものでも良いが、たとえば、ボールミル、ロールミル、サンドミルなどが挙げられる。
【0053】
その中でも、高速型のサンドミルが好ましく、たとえば、スーパーミル、サンドグラインダー、ビーズミル、アジテータミル、グレンミル、ダイノーミル、パールミル、コボルミル(いずれも商品名)等が挙げられる。
【0054】
本発明において、所望の粒度分布を有する顔料の分散体を得る方法としては、分散機の粉砕メディアのサイズを小さくする、粉砕メディアの充填率を大きくする、また処理時間を長くする、吐出速度を遅くする、粉砕後フィルターや遠心分離機等で分級するなどの手法が用いられる。またはそれらの手法の組合せが挙げられる。
【0055】
本発明にかかるインクを用いて記録を行うのに好適な記録装置としては、記録ヘッドの室内の記録液に記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該エネルギーにより液滴を発生させる装置が挙げられる。
【0056】
主要部であるヘッド構成例を図1(a)、図1(b)、図2に示す。ヘッド13は、インクを通す溝14を有するガラス、セラミクス、またはプラスチック板などと、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15(図では薄膜ヘッドが示されているが、これに限定されるものではない)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は、酸化シリコンなどで形成される保護膜16、アルミニウム電極17ー1、17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性の良い基板20により成っている。
【0057】
インク21は吐出オリフィス(微細孔)22まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成している。
【0058】
いま、電極17−1、17−2に電気信号が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出し、オリフィス22より記録小滴24となり被記録体25に向かって飛翔する。図2には、図1(a)に示すヘッドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドはマルチ溝26を有するガラス板27と、図1(a)に説明したものと同様な発熱ヘッド28を接着して作られている。
【0059】
尚、図1(a)はインク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図1(b)は図1(a)のA−B線での切断面である。
【0060】
図3に、かかるヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示す。図3において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持されて固定端となりカンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッドによる記録領域に隣接した位置に配置され、又、本例の場合、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。62はキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐出面と当接しキャッピングを行う構成を具える。さらに63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ62、吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及び吸収体63によってインク吐出口面の水分、塵やほこり等の除去が行われる。65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリッジである。キャリッジ66は、ガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部は、モータ68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
【0061】
51は、被記録材を挿入するための給紙部、52は不図示のモータにより駆動される紙送りローラである。これら構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行するにつれて排紙ローラ53を配した排紙部へ排紙される。
【0062】
上記構成において、記録ヘッド65が記録終了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64のキャリッジ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。この結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。なお、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中へ突出するように移動する。
【0063】
記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても、記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。
【0064】
上述した記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0065】
図4は、ヘッドにインク供給チューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジ45の一例を示す図である。ここで40は供給用インクを収納したインク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能にできる。44は廃インクを受容するインク吸収体である。
【0066】
本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、上記のごときヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、図5に示すごときそれらが一体になったものも好適に用いられる。
【0067】
図5において、70はインクジェットカートリッジであって、この中にはインクを含浸させたインク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっている。72はカートリッジ内部を大気に連通させるための大気連通口である。
【0068】
このインクジェットカートリッジ70は、図3で示す記録ヘッド65に代えて用いられるものであって、キャリッジ66に対して着脱自在になっている。
【0069】
【発明の実施の形態】
(本発明の第1の態様)
実施例1
(合成例1)
スチレン50モル%、アクリル酸35モル%、ブレンマーPE−200 15モル%の割合でそれぞれエチレングリコールモノメチルエーテルとイソプロピルアルコールの混合溶媒中に仕込み常法によって溶液重合し、数平均分子量9700、重量平均分子量13500の重合体1を得た。
【0070】
(顔料分散液の調製)
上記で合成した重合体1 3部
モノエタノールアミン 1部
イオン交換水 75部
ジエチレングリコール 5部
上記成分を混合し、ウオーターバスで50℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させる。この溶液に新たに試作されたカーボンブラック(MCF88三菱化成製)15部、イソプロピルアルコール1部を加え、30分間プレミキシングをおこなった後、下記条件で分散処理を行った。
分散機サンドグラインダー(五十嵐機械製)
粉砕メディアジルコニウムビーズ1mm径
粉砕メディアの充填率50%(体積)
粉砕時間3時間
さらに遠心分離処理(12000RPM,20分間)をおこない、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0071】
(インクの作成)
上記分散液 30部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部
グリセリン 2部
ジエチレングリコール 15部
N−メチルピロリドン 4部
イオン交換水 48.5部
上記成分を混合し、pHをモノエタノールアミンで8から10になるように調製し、インクを得た。
【0072】
実施例2
(合成例2)
α−メチルスチレン45モル%、アクリル酸45モル%、メトキシテトラエチレングリコールメタアクリレート NKエステルM−40G 10モル%の割合でそれぞれエチレングリコールモノメチルエーテルとイソプロピルアルコールの混合溶媒中に仕込み常法によって溶液重合し、数平均分子量4900、重量平均分子量8800の重合体2を得た。
【0073】
(顔料分散液の調製)
上記で合成した重合体2 3.5部
アミノメチルプロパノール 0.5部
イオン交換水 78部
ジエチレングリコール 5部
上記成分を混合し、ウオーターバスで50℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させる。この溶液にカーボンブラック(MCF88,三菱化成製)13部を加え、30分間プレミキシングをおこなった後、下記の条件で分散処理を行った。
分散機パールミル(アシザワ製)
粉砕メディアガラスビーズ1mm径
粉砕メディアの充填率50%(体積)
吐出速度100ml/min.
さらに遠心分離処理(12000RPM,20分間)をおこない、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0074】
(インクの作成)
上記分散液 25部
エチレングリコールモノブチルエーテル 1部
グリセリン 8部
エチレングリコール 5部
イオン交換水 61部
上記成分を混合し、pHが8から10になるように、アミノメチルプロパノールで調製し、インクを得た。
【0075】
実施例3
(合成例3)
メチルメタクリレート52モル%、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート NKエステルAMP−60G 8モル%、アクリル酸40モル%の割合でそれぞれ、エチレングリコールモノメチル−エーテルとブチルアルコールの混合溶媒中に仕込み常法によって溶液重合し、数平均分子量7600、重量平均分子量12500の重合体3を得た。
【0076】
(顔料分散液の調製)
上記で合成した重合体3 1.5部
イオン交換水 77.5部
エチレングリコール 5部
上記成分を混合し、ウオーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させる。この溶液に新たに試作されたカーボンブラック(S170,デグサ製)15部、イソプロピルアルコール1部を加え、60分間プレミキシングをおこなった後、下記条件で分散処理を行った。
分散機サンドグラインダー(五十嵐機械製)
粉砕メディアジルコニウムビーズ0.5mm径
粉砕メディアの充填率70%(体積)
粉砕時間10時間
さらに遠心分離処理(12000RPM,20分間)をおこない、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0077】
(インクの作成)
上記分散液 30部
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 0.8部
グリセリン 12部
ジエチレングリコール 15部
2−ピロリドン 5部
イオン交換水 37.2部
上記成分を混合し、インクを得た。
【0078】
実施例4
(合成例4)
α−メチルスチレン55モル%、アクリル酸35モル%、試作モノマーCH=CH−COO−(CHCHO)24−H10モル%の割合でそれぞれエチレングリコールモノメチルエーテルとイソプロピルアルコールの混合溶媒中に仕込み常法によって溶液重合し、数平均分子量6800、重量平均分子量10200の重合体4を得た。
【0079】
(顔料分散液の調製およびインクの作成)
実施例1の顔料分散液の調製およびインクの作成において、分散樹脂を上記で合成した重合体4に変更した以外は実施例1と全く同様にして顔料分散液の調製およびインクの作成を行った。
【0080】
実施例5
(合成例5)
スチレン48モル%、メタアクリル酸45モル%、試作モノマーCH=CH−COO−(CHCHO)10−phenyl−(CH16−H7モル%の割合でそれぞれエチレングリコールモノメチルエーテルとイソプロピルアルコールの混合溶媒中に仕込み常法によって溶液重合し、数平均分子量6400、重量平均分子量9200の重合体5を得た。
【0081】
(顔料分散液の調製およびインクの作成)
実施例2の顔料分散液の調製およびインクの作成において、分散樹脂を上記で合成した重合体5に変更した以外は実施例2と全く同様にして顔料分散液および調製およびインクの作成を行った。
【0082】
比較例1
実施例1においてインク作成時にジエチレングリコールモノブチルエーテルを添加せず、その分をイオン交換水とし、他は実施例1と同様にインクを作成した。
【0083】
比較例2
実施例2において分散樹脂をスチレン−マレイン酸ランダム共重合体SMAレジン1440(商品名、ARCOChem.Co.製、酸価175、重量平均分子量2500)に変更し、他は全く実施例2と同様にして顔料分散液、インクを作成した。
【0084】
比較例3
実施例3において分散樹脂を縮合ナフタレンスルホン酸ソーダ塩ローマD(商品名、サンノプコ製、重量平均分子量1800)に変更し、インク作成時にトリエチレングリコールモノブチルエーテルを添加せず、その分をイオン交換水とし、他は全く実施例3と同様にして顔料分散液、インクを作成した。
【0085】
(評価)
インクを、記録信号に応じた熱エネルギーを付与することにより記録液を吐出させるオンデマンド型マルチ記録ヘッドを有するインクジェット記録装置であるBJ−10v(商品名、キヤノン製)に搭載して下記の試験を行った。
【0086】
(評価1)
インクの吐出性
上記のインクジェット記録装置を用いて、インクの吐出性の評価し、下記3段階で評価を行った。
〇:良好
△:べた部において、かすれがある
×:ほとんど吐出せず
(評価2)
印字物の印字濃度
上記のインクジェット記録装置を用いて、Xerox4024コピー用紙、キヤノンNP−DRYコピー用紙に印字を行い、印字物の印字濃度をマクベス濃度計(TR918)で測定した。
【0087】
(評価3)
印字物の品位評価
上記印字物を目視により、印字濃度むら、エッジのシャープさを評価し、下記3段階で評価をおこなった。
〇:べた印字部における均一性が高く、文字部のエッジもシャープである
△:文字部のエッジは、シャープであるが、べた印字部にむらがある
×:文字部のエッジが、ぼやけており、べた印字部のむらもひどい
表1に評価結果を示す。
【0088】
【表1】
表1 評価結果
Figure 0004065493
【0089】
(本発明の参考例にかかる第2の態様)
参考例1
(顔料分散液の作成)
スチレン−アクリル酸−アクリル酸ブチル共重合体 1.5部
(酸価116、重量平均分子量3700)
モノエタノ−ルアミン 1部
イオン交換水 79部
ジエチレングリコール 5部
上記成分を混合し、ウオーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させる。この溶液に新たに試作されたカーボンブラック(MCF88三菱化成製1次粒径18nm)10部、表面処理二酸化チタン(DS−4出光興産製、1次粒径17nm)2.5部、イソプロピルアルコール1部を加え、30分間プレミキシングをおこなった後、下記の条件で分散処理を行った。
分散機サンドグラインダー(五十嵐機械製)
粉砕メディアジルコニウムビーズ1mm径
粉砕メディアの充填率50%(体積)
粉砕時間3時間
さらに遠心分離処理(12000RPM,20分間)をおこない、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0090】
(インクの作成)
上記分散液 30部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部
グリセリン 2部
ジエチレングリコール 15部
N−メチルピロリドン 5部
イオン交換水 47.5部
上記成分を混合し、pHをモノエタノールアミンで8から10になるように調製し、インクを得た。
【0091】
参考例2
(顔料分散液の作成)
スチレン−マレイン酸−マレイン酸ハーフエステル共重合体 4部
(酸価200、重量平均分子量12000)
アミノメチルプロパノール 2部
イオン交換水 71部
ジエチレングリコール 5部
上記成分を混合し、ウオーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させる。この溶液にカーボンブラック(MCF88三菱化成製1次粒径18nm)15部、表面処理二酸化チタン(DS−4出光興産製、1次粒径17nm)3部を加え、30分間プレミキシングをおこなった後、下記の条件で分散処理を行った。
分散機パールミル(アシザワ製)
粉砕メディアガラスビーズ1mm径
粉砕メディアの充填率50%(体積)
吐出速度100ml/min.
さらに遠心分離処理(12000RPM,20分間)をおこない、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0092】
(インクの作成)
上記分散液 20部
エチレングリコールモノブチルエーテル 1部
グリセリン 8部
エチレングリコール 5部
イオン交換水 66部
上記成分を混合し、pHが8から10になるように、アミノメチルプロパノールで調製し、インクを得た。
【0093】
参考例3
参考例1においてカーボンブラックをMogulL(キャボット製、1次粒径24nm)に変更した以外は全く同様にしてインクを調製した。
【0094】
参考例4
参考例1において白色無機微粒子を表面処理二酸化チタン(IT−PC出光興産製、1次粒径60nm)に変更した以外は全く同様にしてインクを調製した。
【0095】
参考例5
参考例1において白色無機微粒子をアルミナ微粒子(アルミニウムオキサイドC日本アエロジル製、1次粒径13nm)に変更した以外は全く同様にしてインクを調製した。
【0096】
参考例6
(顔料分散液の作成)
ローマD(サンノプコ製、ナフタレンスルホン酸ソーダ塩) 1.5部
イオン交換水 79.5部
エチレングリコール 5部
上記成分を混合し、ウオーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させる。この溶液に新たに試作されたカーボンブラック(S170,デグサ製、1次粒径17nm)11部、表面処理二酸化チタン(DS−4出光興産製、1次粒径17nm)2部、イソプロピルアルコール1部を加え、60分間プレミキシングをおこなった後、下記の条件で分散処理を行った。
分散機サンドグラインダー(五十嵐機械製)
粉砕メディアジルコニウムビーズ0.5mm径
粉砕メディアの充填率70%(体積)
粉砕時間10時間
さらに遠心分離処理(12000RPM,20分間)をおこない、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0097】
(インクの作成)
上記分散液 30部
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部
グリセリン 12部
ジエチレングリコール 15部
2−ピロリドン 5部
イオン交換水 37.5部
上記成分を混合し、pHをモノエタノールアミンで8から10になるように調製し、インクを得た。
【0098】
比較例4
参考例1において、インク作成時にジエチレングリコールモノブチルエーテルを添加せず、その分をイオン交換水としたものを比較例4のインクとした。
【0099】
比較例5
参考例2において、インク作成時に白色無機微粒子を添加せず、その分をイオン交換水としたものを比較例5のインクとした。
【0100】
比較例6
参考例3において、インク作成時にジエチレングリコールモノブチルエーテルを添加せず、その分をイオン交換水としたものを比較例6のインクとした。
【0101】
比較例7
参考例6において、インク作成時に白色無機微粒子を添加せず、その分をイオン交換水としたものを比較例7のインクとした。
【0102】
比較例8
参考例1において、インク作成時に白色無機微粒子のかわりにポリメタクリル酸メチル系微粒子ME1000cf(綜研化学製、1次粒径450nm,水分散体)を固形分換算で2.5部加えたものを比較例8のインクとした。
【0103】
(評価)
実施例1と同様にして評価を行なった。その結果を表2に示す。
【0104】
【表2】
Figure 0004065493
【0105】
(本発明に係る第3の態様)
実施例6
(顔料分散液の作成)
マルキードNO.32(荒川化学製) 1.5部
モノエタノールアミン 1部
イオン交換水 81.5部
ジエチレングリコール 5部
上記成分を混合し、ウオーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させる。この溶液に新たに試作されたカーボンブラック(MCF88三菱化成製1次粒径18nm)10部、イソピロピルアルコール1部を加え、30分間プレミキシングをおこなった後、下記の条件で分散処理を行った。
分散機サンドグラインダー(五十嵐機械製)
粉砕メディアジルコニウムビーズ1mm径
粉砕メディアの充填率50%(体積)
吐出時間3時間
さらに遠心分離処理(12000RPM,20分間)をおこない、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0106】
(インクの作成)
上記分散液 30部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部
グリセリン 2部
ジエチレングリコール 15部
N−メチルピロリドン 4.5部
イソピロピルアルコール 3部
エマルボンT−83(有機ホウ素系界面活性剤、東邦化学製) 0.5部
イオン交換水 44.5部
上記成分を混合し、pHをモノエタノールアミンで8から10になるように調製し、インクを作成した。
【0107】
実施例7
(顔料分散液の作成)
ハイパラックC(日本シェラック製) 1部
アミノメチルプロパノール 2部
イオン交換水 77部
ジエチレングリコール 5部
上記成分を混合し、ウオーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させる。この溶液にカーボンブラック(MCF88三菱化成製1次粒径18nm)15部を加え、30分間プレミキシングをおこなった後、下記の条件で分散処理を行った。
分散機パールミル(アシザワ製)
粉砕メディアガラスビーズ1mm径
粉砕メディアの充填率50%(体積)
吐出速度100ml/min.
さらに遠心分離処理(12000RPM,20分間)をおこない、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0108】
(インクの作成)
上記分散液 25部
エチレングリコールモノブチルエーテル 0.8部
グリセリン 9部
エチレングリコール 5部
イオン交換水 60.2部
上記成分を混合し、pHが8から10になるように、アミノメチルプロパノールで調製し、インクを得た。
【0109】
実施例8
実施例7においてカーボンブラックをMogulL(キャボット製、1次粒径24nm)に変更した以外は全く同様にしてインクを調整した。
【0110】
実施例9
(顔料分散液の作成)
マルキードNO.31(荒川化学製) 1.5部
イオン交換水 82.5部
エチレングリコール 5部
上記成分を混合し、ウオーターバスで70℃に加温し、樹脂分を完全に溶解させる。この溶液に新たに試作されたカーボンブラック(S170デグサ製、1次粒径17nm)11部を加え、60分間プレミキシングをおこなった後、下記の条件で分散処理を行った。
分散機サンドグラインダー(五十嵐機械製)
粉砕メディアジルコニウムビーズ0.5mm径
粉砕メディアの充填率70%(体積)
粉砕時間10時間
さらに遠心分離処理(12000RPM,20分間)をおこない、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0111】
(インクの作成)
上記分散液 30部
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部
グリセリン 12部
ジエチレングリコール 15部
2−ピロリドン 5部
イオン交換水 37.5部
上記成分を混合し、pHをモノエタノールアミンで8から10になるように調製し、インクを作成した。
【0112】
比較例9
実施例6において、インク作成時に、本発明による多価アルコールのアルキエーテル(アルキル基の炭素数4以上)である、ジエチレングリコールモノブチルエーテルを使用せず、その分イオン交換水増し、インクを作成した。
【0113】
比較例10及び11
実施例7及び8において、分散液作成時に、ロジン変性マレイン酸である、ハイパラックCを分散剤として使用せず、そのかわりにスチレン−アクリル酸−アクリル酸ブチル共重合体(酸価110/重量平均分子量7000)を加えてインクを作成した。
【0114】
比較例12
実施例9において、インク作成時にトリエチレングリコールモノブチルエーテルを使用せず、その分イオン交換水の量を増やし、インクを作成した。
【0115】
(評価)
実施例1と同様に評価を行なった。その結果を表3に示す。
【0116】
【表3】
表3 評価結果
Figure 0004065493
【0117】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のインクは、熱エネルギーを利用したインクジェットプリンターに適用したとき、印字物の堅牢性に優れることはもちろんのこと、駆動条件の変動や長時間の使用で常に安定した吐出を行うことが出来、信頼性、長期保存安定性に優れている状態において、各種の普通紙に印字した場合にも印字品位、印字濃度に優れている効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明のヘッドの構成例を説明する断面図である。(b)は図1(a)のA−B線での切断面を説明する断面図である。
【図2】図1(a)に示されるヘッドを多数並べたマルチヘッドを説明する外観図である。
【図3】本発明のヘッドを組み込んだインクジェット記録装置を説明する斜視図である。
【図4】ヘッドにインク供給チューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジの一例を説明する断面図である。
【図5】ヘッドとインクカートリッジが一体となったインクジェット記録装置の例を説明する斜視図である。
【符号の説明】
13 ヘッド
14 溝
15 発熱ヘッド
16 保護膜
17−1,17−2 アルミニウム電極
18 発熱抵抗体層
19 蓄熱層
20 基板
21 インク
22 吐出オリフィス
23 メニスカス
24 記録小
25 被記録体
26マルチ溝
27 ガラス板
28 発熱ヘッド
40 インク袋
42 栓
44 インク吸収体
45 インクカートリッジ
51 給紙部
52 紙送りローラ
53 排紙ローラ
61 ブレード
62 キャップ
63 インク吸収体
64 吐出回復部
65 記録ヘッド
66 キャリッジ
67 ガイド軸
68 モータ
69 ベルト
70 インクジェットカートリッジ
71 ヘッド部
72 大気連通口

Claims (12)

  1. 顔料、分散剤、水溶性有機溶剤及び水を含むインクジェット記録用の水性顔料インクであって、水溶性有機溶剤としてジオールのモノアルキルエーテル(アルキル基の炭素数が4以上)、トリオールのモノアルキルエーテル(アルキル基の炭素数が4以上)及びトリオールのジアルキルエーテル(アルキル基の炭素数が4以上)から選択される少なくとも1種を含み、且つ分散剤が親水部と疎水部とを有し、該親水部が、下記式(I)及び(III)から選択される少なくとも1種の長鎖ノニオン基含有モノマーを3〜25モル%及び、α、β−エチレン性不飽和カルボン酸を5〜60モル%用いて重合したポリマーから構成されていることを特徴とするインクジェット記録用の水性顔料インク:
    CH =C(R)−COO−(CH CH O) −H (I)
    CH =C(R)−COO−(CH CH O) −phenyl−(CH H (III)
    (但し、RはHもしくはCH であり、mは2〜24、pは1〜12、qは0〜16の数を表わす)。
  2. 顔料、分散剤、水溶性有機溶剤及び水を含むインクジェット記録用の水性顔料インクであって、水溶性有機溶剤としてジオールのモノアルキルエーテル(アルキル基の炭素数が4以上)、トリオールのモノアルキルエーテル(アルキル基の炭素数が4以上)及びトリオールのジアルキルエーテル(アルキル基の炭素数が4以上)から選択される少なくとも1種を含み、且つ分散剤が親水部と疎水部とを有し、該親水部が、下記式(I)〜(III)から選択される少なくとも1種の長鎖ノニオン基含有モノマーを3〜25モル%及び、α、β−エチレン性不飽和カルボン酸を5〜60モル%用いて重合したポリマーから構成され、且つ該疎水部が、スチレン、αメチルスチレン及びビニルトルエンから選ばれる少なくとも1つのモノマーから構成されていることを特徴とするインクジェット記録用の水性顔料インク:
    CH =C(R)−COO−(CH CH O) −H (I)
    CH =C(R)−COO−(CH CH O) −(CH H (II)
    CH =C(R)−COO−(CH CH O) −phenyl−(CH H (III)
    (但し、RはHもしくはCHであり、m,nは2〜24、l,pは1〜12、qは0〜16の数を表わす(但し、lが1〜4であることを除く))。
  3. 前記水溶性溶剤が、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリンのモノペンチルエーテル、1,2,6−ヘキサントリオールのジヘキシルエーテル及び1,2,4−ブタントリオールペトリオールから選択される請求項1又は2に記載のインクジェット記録用の水性顔料インク。
  4. 記録剤と液媒体とを含むインクの液滴を記録信号に応じて記録ヘッドのオリフィスから吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、前記インクが、請求項1〜3の何れかに記載の水性顔料インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  5. 前記被記録材が非塗工紙である請求項4に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記インクの液滴を、インクに熱エネルギーを作用させることで形成する請求項4に記載のインクジェット記録方法。
  7. インクを収容したインク収容部、該インクをインク滴として吐出させる為のヘッド部を備えた記録ユニットにおいて、前記インクが請求項1〜3の何れかに記載の水性顔料インクであることを特徴とする記録ユニット。
  8. ヘッド部が、インクに熱エネルギーを作用させてインク滴を吐出させるヘッドを含む請求項7に記載の記録ユニット。
  9. インクを収容したインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、前記インクが請求項1〜3の何れかに記載の水性顔料インクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  10. 請求項7に記載の記録ユニットを備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  11. インク滴を吐出する為の記録ヘッド、インクを収容したインク収容部を有するインクカートリッジ及び該インクカートリッジから記録ヘッドにインクを供給する為のインク供給部を備えたインクジェット記録装置において、前記インクカートリッジが請求項9に記載のインクカートリッジであることを特徴とするインクジェット記録装置。
  12. 記録ヘッドが、インクに熱エネルギーを作用させてインク滴を吐出させるヘッドである請求項10又は11に記載のインクジェット記録装置。
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