JP4063977B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技盤に配設されて複数の識別情報を可変表示可能な可変表示装置と、遊技盤の所要部位に配設され、遊技者にとって不利な第1状態と、遊技者にとって有利な第2状態とに変換可能な可動部材を有する特別入賞口手段と、遊技を統括的に制御する遊技制御装置と、を備え、前記遊技制御装置の制御によって、前記特別入賞口手段への遊技球の入賞を条件に特別遊技権利状態を発生させるとともに、特別遊技権利状態の発生中に予め定めた第3種始動口へ入賞することを条件に、大入賞口を開閉可能な変動入賞装置を開成した状態に変換可能で、また、特別遊技権利状態の発生中に、上記第3種始動口へ入賞した球数が所定数に達すること、若しくは、上記特別入賞口手段へ球が入賞することにより特別遊技権利状態が終了する遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、遊技球を用いた弾発遊技を行う遊技機は、遊技内容に応じていくつかの種類に区分して識別することが慣例となっており、いわゆる第3種の遊技機は、特定入賞口を有する役物内に形成された特別作動領域を遊技球が通過することを条件として、遊技者に特別の利益を与える遊技状態を確保する特別遊技権利状態を発生させ、当該特別遊技権利状態の発生中に限って有効となるいわゆる第3種始動口に遊技球が入賞したことに基づいて、大入賞口を所定時間あるいは所定個数入賞するまで開放する特別遊技を所定回数行わせるものである。但し、第3種始動口への入賞球が所定個数に達するか、あるいは特別遊技権利状態の発生中に再度特別作動領域を遊技球が通過すると、特別遊技権利状態消滅条件が成立して、当該特別遊技権利状態は終了する。
【0003】
また、上記のような第3種の遊技機に、上記特定入賞口へ遊技球が入賞し難い第1の状態と遊技球が入賞し易い第2の状態とに変換可能な可動装置と、複数の識別情報を可変表示可能な可変表示装置と、該可変表示装置を作動させる条件となる始動口とを設けおき、始動口への遊技球入賞を条件として可変表示装置を可変表示させ、この可変表示の停止結果態様が予め定められた特定表示態様になったか否かの補助遊技を行うものがあり、このような補助遊技を行う第3種の遊技機では、補助遊技の結果が特定表示態様になったことを条件として、可動装置を所定時間だけ第2の状態に変換し、特定入賞口への入賞を容易にすることで特別遊技権利状態を発生し易くし、遊技の興趣を高めるのである。
【0004】
なお、上述したような第3種の遊技機では、遊技者にとって特別な利益を与える特別遊技権利状態の発生中に、再度特別作動領域を遊技球が通過すると、特別遊技権利状態を消滅させる制御を行っているため、遊技者は、特別遊技権利状態が発生すると、特別作動領域が設けられている特定入賞口へ遊技球が入賞しないように調整がなされた範囲(例えば遊技盤の右側部分)を狙って遊技球を発射するなど、いわゆる「打ち分け」を行うことが有利に遊技を進行させる上で必要となる。そこで、遊技者は、特別遊技権利状態の発生中とそれ以外の遊技状態中とで、打球の発射勢を調整する等して遊技を行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の遊技機では、遊技者が遊技状態に応じて打ち分けできるように、遊技盤面の左側と右側との釘構成を変えたり、それに対応して第3種始動口、大入賞口、役物等の配置を変えたりすることで、特別遊技権利状態の発生中とそれ以外の遊技状態中とで、特定入賞口への遊技球の入賞のし易さに差を設けるようにしていたため、遊技盤の盤面構成が複雑にならざるを得なかった。
【0006】
しかも、従来の遊技機は、遊技盤面の左右に遊技球を打ち分けるタイミング等、遊技者に分かり難い遊技内容であるため、このタイプの遊技機に精通した特定の遊技者であれば多くの獲得球を得られるが、このタイプの遊技機での経験が少ない遊技者の場合は、特別遊技権利状態の発生中であっても、多くの遊技球を獲得できないうちに特別遊技権利状態が終了してしまうことが多かった。
【0007】
さらに、第3種の遊技機では、特別遊技権利状態を消滅させないために遊技球の発射勢を調整したり途中で発射を停止したりといった高度なテクニックが必要なため、この種の遊技機に不慣れな遊技者にあっては、特別遊技権利状態の発生中に大入賞口を最大回数まで開放させて多くの遊技利益を獲得することは非常に困難で、特別遊技権利状態が発生しても、大入賞口の開放回数が所定回数未満で特別遊技権利状態が消滅してしまい、第3種の遊技機における遊技を堪能できない遊技者が少なくなかった。
【0008】
このような事情から、この種の遊技機は遊技者に敬遠されがちで、遊技店における稼働率も低下ぎみであることから、上記の点を改善した遊技機の開発が望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る遊技機は、遊技盤に配設されて複数の識別情報を可変表示して補助遊技を行う可変表示装置と、遊技盤の所要部位に配設され、遊技者にとって不利な第1状態と、遊技者にとって有利な第2状態とに変換可能な可動部材を有する特別入賞口手段と、遊技を統括的に制御する遊技制御装置と、を備え、前記遊技制御装置の制御によって、前記特別入賞口手段への遊技球の入賞を条件に特別遊技権利状態を発生させるとともに、特別遊技権利状態の発生中に予め定めた第3種始動口へ入賞することを条件に、大入賞口を開閉可能な変動入賞装置を開成した状態に変換可能で、また、特別遊技権利状態の発生中に、上記第3種始動口へ入賞した球数が所定数に達すること、若しくは、上記特別入賞口手段へ遊技球が入賞することにより特別遊技権利状態が終了する遊技機において、前記遊技制御装置は、予め定めた普図始動口への遊技球の入賞により当り判定用乱数を取得し、該当り判定用乱数を普図始動記憶として所定数を上限に記憶し、当り判定用乱数の判定結果に基づいて前記可変表示装置を用いた補助遊技の停止表示態様を決定し、該補助遊技の停止表示態様が予め定められた特定表示態様であると判定された場合に、前記特別入賞口手段の可動部材を遊技者にとって有利な第2状態に変換制御するように構成され、特別遊技権利状態の発生中に可変表示装置の可変表示停止制御を行う場合に、特別遊技権利状態が終了するまで可変表示装置による補助遊技を継続させる可変表示停止規制手段を含み、前記特別遊技権利状態の発生中に、前記当り判定用乱数が当りであると判定された普図始動記憶に基づいて補助遊技を開始する場合には、前記可変表示停止規制手段により、現在行われている特別遊技権利状態が終了するまで、可変表示装置における識別情報の可変表示の停止を規制して当該補助遊技を継続させる一方、前記当り判定用乱数が外れであると判定された普図始動記憶に基づいて補助遊技を開始する場合には、前記可変表示停止規制手段による可変表示の停止規制を行わないで、補助遊技を順次実行するようにしたことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る遊技機の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0011】
遊技媒体としてのパチンコ球を弾発するパチンコ遊技を行える遊技機1は、図1に示すように、遊技ユニット2とカードユニット3とから構成してあり、遊技ユニット2には遊技に関連した各種機能(後に詳述)を付加し、カードユニット3にはプリペイドカード(所定の金額で予め販売されるパチンコ遊技用のカードであって、通貨と等価な有価データを記憶させたものをいう)の使用を可能ならしめるカード制御機能や球貸制御機能等を付加してある。
【0012】
上記遊技ユニット2は、中空箱枠状の機枠4の前面側へ額縁状の前面枠5を回動可能に設けることで構成してある。上記前面枠5に開設した窓部5aにはガラス枠6および前面パネル7を回動可能に設けてある。また、透明なガラスが配設されるガラス枠6の後方には、ガイドレール8で囲まれた遊技部9を有する遊技盤10を配設してある(図2参照)。上記遊技盤10はパチンコ遊技の主体となるもので、ロータリーソレノイド等の電気的駆動源によって弾発された遊技球が上記ガイドレール8に沿って遊技部9内へ到達すると、遊技釘に当たったり風車によって流下方向を変えられたりして流下して行き、遊技部9内に設けた各種入賞領域(後に詳述)の何れかに入賞すると、当該入賞球に対する遊技価値としての賞球が遊技者に与えられ、何れの入賞領域にも入賞しなかった球は、アウト口(図示省略)より外れ球として回収される。
【0013】
一方、上記ガラス枠6の下方に位置する前面パネル7には、賞球(遊技部9内の何れかの入賞領域に入賞することに基づいて遊技者が獲得する球)や貸球(当該遊技店から遊技者に貸し出された球)を貯留する球供給皿11を設けてあり、この球供給皿11より発射球待機部へ球を供給し、この発射球待機部に待機している遊技球を弾発ユニットの弾発機構によって弾発するのである。また、前面枠5の下部適所には弾発ユニットを操作するための操作ハンドル12や、上記球供給皿11に貯留できない球を受け入れる球受皿13等を適宜に設けてある。
【0014】
なお、上記した遊技ユニット2において、機枠4,前面枠5,ガラス枠6,前面パネル7等よりなる本体枠は、遊技機1でパチンコ遊技を行うための共通機能を備えたものであり、この本体枠に対して遊技盤10は着脱分離可能な構成としてある。すなわち、遊技内容の異なるパチンコ遊技を行えるように、異なる盤面構成の遊技盤10に交換することができるのである。
【0015】
上記カードユニット3内には、球貸制御に関連した諸機能を持たせてあり、カード挿排口14より挿入されたプリペイドカードの有価データを読み取ると共に、例えば上記球供給皿11の適所に設けた球貸ボタンを遊技客が操作することに応じて所定数の遊技球を貸し出し、貸し出した遊技球に相当する通貨を減算した値にプリペイドカードの有価データを書き換え、返却ボタンを遊技客が操作するか、もしくはプリペイドカードの有価データの残数が“0”になった場合に、内部に取り込んでいたプリペイドカードをカード挿排口14より排出するのである。
【0016】
なお、本実施形態として示す遊技機1は、上述したように、カードユニット3を備えることで遊技球の貸出機能を含むものとし、遊技ユニット2の遊技球排出装置から賞球用の遊技球と貸出用の遊技球を排出する構造ものもであるが、このような遊技球の貸出機能を略して、遊技ユニット単体でパチンコ遊技を行える構造の遊技機としても良い。
【0017】
上記した遊技機1において、弾発された遊技球が流下する遊技部9を備えた遊技盤10は、いわゆる第3種の遊技機としての遊技が可能な盤面構成としたものであり、その具体的構成を以下に詳述する。
【0018】
図2に示すように、遊技盤10のガイドレール8で囲まれた遊技部9のほぼ中央部には、複数種類の識別記号を可変表示可能な可変表示領域を有する可変表示装置としての普通図柄表示装置15を設け、該普通図柄表示装置15の適宜下方には、普図始動口16を設けてある。そして、この普図始動口16へ球が入賞すると、普通図柄表示装置15の可変表示領域たる可変表示部15aを可変表示させて所定時間後に停止表示させる補助遊技を行うのである。
【0019】
なお、普通図柄表示装置15の可変表示部15aは、例えば7セグメント式可変表示器や液晶表示器等より構成し、図柄変換タイミングや停止タイミングを任意に調整可能なものである。また、複数の可変表示部15aを並設して、例えば3桁の図柄を可変表示させるような構造のものとしても良い。さらに、普通図柄表示装置15には普図始動口16へ球が入賞したことを記憶表示する普図始動記憶表示器15b…を設けてあり、これらの記憶に基づいて普通図柄表示装置15による補助遊技が行われると、普図始動記憶表示器15bの表示を一つ宛て消してゆく。
【0020】
上記普図始動口16の適宜下方には、特別入賞口手段として機能する役物装置17を配設してあり、該役物装置17の上部に位置する普通電動役物18に設けた一対の可動部材18a,18aが閉じた状態(遊技者にとって不利な第1状態)から左右に回動して開いた状態(遊技者にとって有利な第2状態)に変換すると、遊技部9を流下してきた球が役物装置17内へ入ることが可能となり、役物装置17内へ入った遊技球は入賞球として検出された後に分別部19へ至り、該分別部19の略中央に形成した特別作動領域19aを通過するか、もしくは該特別作動領域19aの左右両側方に形成した一般領域19b,19bへ至るものとしてある。
【0021】
なお、普通電動役物18は、上記普通図柄表示装置15の停止結果態様が予め定めた特定表示態様になることを条件として可動部材18a,18aを第2状態に変換するものとし、役物装置17の分別部19内に形成された特別作動領域19aを通過する球は、特別作動領域通過センサ19cによって検出され、特別作動領域通過球が検出されることで、特別遊技権利状態が発生する。
【0022】
一方、上記普通図柄表示装置15の右側方には第3種始動入賞装置20を配設してあり、この第3種始動入賞装置20は円環状の周壁20aの上部を欠截して球流入部20bを形成し、周壁20aの内側で回転体21が回転しているものである。そして、回転体21の外周部に遊技球が1個だけ嵌まり込むような形状の球受け凹部21aを形成してあり、この球受け凹部21aがちょうど球流入部20bへ臨んだ際に、タイミング良く遊技球が球受け凹部21aに受け入れられると、そのまま回転体21の回転に伴って球受け凹部21aが下方へ移動して行き、球受け凹部21aが第3種始動口20cへ至ると、球受け凹部21aに受け入れられていた球が第3種始動口20cへ入賞する構造としてある。
【0023】
上記第3種始動入賞装置20の適宜下方に設けた変動入賞装置22は、横長形状の球受け扉22aにより大入賞口22bを開閉可能な構造としてある。すなわち、球受け扉22aによって大入賞口22bが閉成されている場合には、遊技球が大入賞口22bへ入賞し難いために遊技者にとって不利な第1状態となり、大入賞口22bが開成した場合には、盤面を流下して来た遊技球が球受け扉22aに受け止められて大入賞口22bへ入賞し易い遊技者にとって有利な第2状態となる。
【0024】
なお、この変動入賞装置22は、特別遊技権利状態の発生中に第3種始動口20cへ球が入賞することを条件として、球受け扉22aを開成するものとし、所定時間(例えば、9.8秒)が経過するか、もしくは所定個数(例えば、10個)の球が大入賞口22bへ入賞するか、どちらか最先の条件が達成されると、その時点で球受け扉22aを閉じて第1状態に戻る。その後、特別遊技権利状態が終了するまで、第3種始動口20cへの球入賞を条件として、変動入賞装置22は第2状態へ変換される。
【0025】
なお、特別遊技権利状態の終了条件の一つは、上記第3種始動口20cへの入賞した球数が所定数(16個)に達することとしてある。すなわち、大入賞口22bが開成している間に第3種始動口20cへ入賞した場合は、該入賞に基づいて大入賞口22bが開成することは無い上に、第3種始動口20cへの入賞球数としてカウントされて、特別遊技権利状態の終了条件に近づくこととなるので、特別遊技権利状態の発生中に変動入賞装置22が第2状態に変換されている時は、第3種始動入賞装置20へ球が入賞することの無いように変動入賞装置22の大入賞口22bへ向けて遊技球を入賞させることが、多くの利益を獲得できる遊技進行となる。
【0026】
また、特別遊技権利状態の終了条件の他の一つは、特別遊技権利状態の発生中に、役物装置17へ入って特別作動領域19aを通過する球が特別作動領域通過センサ19cによって検出されることで、このように特別遊技が突然消滅してしまう特別遊技の終了をパンクという。すなわち、特別遊技権利状態が発生中には、普通電動役物18の可動部材18a,18aが第2状態になって役物装置17内へ球が入賞しないことが望ましく、そのためには、普図始動口16へ球が入賞して可変表示装置15を可変表示させる補助ゲームで特定表示態様(例えば、3桁の可変表示領域の停止図柄が「7」「7」「7」)が形成されないことが望ましい。
【0027】
このように、第3種の遊技機1で遊技を行う場合、特別遊技権利状態が発生する前は、遊技部9の左半分側へ遊技球を打ち込むような遊技(いわゆる左打ち)を行って、始動口16へ球を入賞させるような遊技進行を行い、特別遊技権利状態が発生した後は、遊技部の右半分側(第3種始動入賞装置20や変動入賞装置22が配設されている側)へ遊技球を打ち込むような遊技(いわゆる右打ち)を行って、第3種始動入賞口20cや大入賞口22bへ球を入賞させるような遊技進行を行い、パンクによって特別遊技権利状態が終了しないように球の打ち分けをするのである。
【0028】
しかしながら、このような打ち分けといった遊技技術を必要とする第3種の遊技機1は、遊技に不慣れな遊技者にとっては円滑な遊技進行が困難であり、特に、役物装置17の特別遊技領域19aを球が通過して特別遊技権利状態が発生した後に、再び役物装置17の特別遊技領域19aを球が通過して特別遊技権利状態が消滅してしまうと、遊技者は変動入賞装置22への球入賞に基づく遊技利益を十分に獲得できないこととなり、第3種の遊技機での遊技を満喫できない。そこで、本発明に係る遊技機1では、遊技に不慣れな遊技者であっても、折角発生した特別遊技権利状態がパンクによって消滅することの無いような遊技制御を行うようにしたものである。以下、その具体的制御を行う遊技制御装置につき詳述する。
【0029】
上記遊技盤10に設けられた各種遊技装置等の制御を統括的に行うことでパチンコ遊技を可能とする遊技制御装置23は、図3に示す如く、CPU,ROM,RAM等を内蔵した遊技用マイクロコンピュータ23aを備え、発信器23bから供給される基本クロックを受けて、遊技用マイクロコンピュータ23aがROMに内蔵された遊技プログラムを実行し、遊技制御装置23外部からの入力信号をバッファ等の入力インターフェースを介して受けると共に、ラッチ等の出力インタフェースを介して遊技制御装置23の外部へ信号を出力する。
【0030】
上記遊技制御装置23へは、各種入賞口へ入賞した球を検出するセーフセンサ24からセーフ球検出信号が、普図始動口16への入賞球を検出する普図始動口センサ25から普図始動球検出信号が、第3種始動入賞装置20の第3種始動口20cへ入賞した球を検出する第3種始動口センサ26から第3種始動球検出信号が、役物装置17の分別部19における特別作動領域19aを通過した球を検出する特別作動領域通過センサ19cから特別作動領域通過球検出信号が、変動入賞装置22の大入賞口22bへ入賞した球を検出するカウントセンサ27から大入賞口入賞球検出信号が、各々入力される。
【0031】
なお、セーフセンサ24からのセーフ球検出信号は、遊技制御装置23内の分配回路23cを介して、遊技球の排出制御(プリペイドカードの使用に基づく貸し出し用の遊技球排出動作および各種入賞口への入賞に基づく賞球排出動作)を統括的に行う排出制御装置28へも供給されるものとしてある。
【0032】
一方、遊技制御装置23からは、普図始動記憶表示器15bへ普図始動記憶表示信号が、普通図柄表示装置15の可変表示部15aへ普通図柄表示信号が、普通電動役物18の可動部材18a,18aを開閉するための駆動源たる普通電動役物ソレノイド29へ普通電動役物ソレノイド駆動信号が、第3種始動入賞装置20の回転体21の駆動源たるパルスモータ30へ駆動パルス信号が、変動入賞装置22の球受け扉22aを開閉するための駆動源たる大入賞口ソレノイド31へ大入賞口ソレノイド駆動信号が、各種の表示装置内の装飾用ランプや表示用LED等の装飾用ランプ・LED32へ装飾表示信号が、遊技機1の外部(例えば、当該遊技機1が設置されている遊技店の管理装置等)との接続が可能な外部情報端子盤33へ遊技制御に関連した情報が、遊技中の各種効果音や合成音を生成してスピーカーから出す音制御装置34へ音制御情報信号が、排出制御装置28へ賞球数制御情報(賞球数データ等)が、各々出力される。
【0033】
上記した遊技制御装置23は、所定条件の成立に基づいて普通図柄表示装置15の可変表示部15aの可変表示制御を行うと共に、該可変表示の停止結果態様が予め定められている特定表示態様となったことに関連して、役物装置17が備える普通電動役物18の可動部材18a,18aを第2状態に変換制御する制御手段としての機能を有し、且つ、特別遊技権利状態の発生中に普通図柄表示装置15の可変表示停止制御を行う際に、予め定めた可変表示停止規制解除条件が成立するまで普通図柄表示装置15の可変表示を継続させる可変表示停止規制手段を含むものである。
【0034】
以下に、可変表示停止規制手段が可変表示規制停止の規制を解く可変表示停止規制解除条件を特別遊技権利状態の終了に設定した実施形態に係る遊技機1での遊技制御の流れを説明する。
【0035】
図4に示すのは、遊技機1の遊技制御におけるメインフローであり、先ず、遊技プログラムが開始されると、まず、この実行が電源投入に基づくものか否かを判定し(ステップS1)、電源投入時であればRAMの初期化等の初期設定を行う。続いて、入力信号のチャタリング除去や論理変換を行う入力処理を行い(ステップS2)、セットされた出力データを外部へ出力する出力処理を行い(ステップS3)、各種センサの検出状態の監視処理等を行うセンサ入力処理を行い(ステップS4)、普図当り乱数の生成を行うと共に当り停止図柄やハズレ停止図柄を記憶領域に格納する乱数生成処理を行い(ステップS5)、各種入賞口への入賞に基づく遊技者への賞球数を排出制御装置28へ送信する賞球処理を行い(ステップS6)、その後は、ステップS7〜ステップS12を時分割で処理する。
【0036】
なお、上述した一連の処理が終了した後に行う残余時間処理(ステップS13)では、次のリセット割込がかかるまで、所定周期のカウンタを回して、普通図柄表示装置15を用いた補助遊技における停止図柄を作成し、こうして作成された停止図柄は、上述したステップS5の乱数生成処理において、当り停止図柄に該当するかハズレ停止図柄に該当するか判定され、当り停止図柄の場合には当り停止図柄記憶領域に格納され、ハズレ停止図柄の場合にはハズレ停止図柄格納領域に格納されるのである。
【0037】
時分割処理においては、普通図柄表示装置15を用いた普通図柄ゲーム処理を行う普通図柄ゲーム処理を行い(ステップS7)、現在の遊技状態に対応する装飾用ランプ・LED32への装飾データをセットする装飾処理を行い(ステップS8)、上述したステップS4のセンサ入力処理でセットされたデータに基づくソレノイドデータ(普通電動役物ソレノイド29や大入賞口ソレノイド31の駆動データ)の設定や第3種始動入賞装置20の回転体21を駆動するパルスモータ30の駆動データを設定するソレノイド編集処理を行い(ステップS9)、サウンドジェネレータ等からなる音制御装置34へ音データを送信してスピーカから放音させる音声処理を行い(ステップS10)、普図当たり信号,権利中信号,図柄停止信号等を管理装置等の外部へ知らせるべく該当する事象の送信データを編集する外部端子情報編集処理を行い(ステップS11)、変動入賞装置22の大入賞口22a開放中におけるカウントセンサ27の検出信号に基づいて判定できるノーカウント不正等の監視を行う不正監視処理を行う(ステップS12)。
【0038】
上述したセンサ入力処理(ステップS4)の詳細は、図5に示す如く、普図始動口センサ25の信号入力を監視する普図始動センサ監視処理を行い(ステップS41)、特別図柄作動領域通過センサ19cからの信号入力を監視する特別作動領域通過センサ監視処理を行い(ステップS42)、次いで特別遊技権利状態の発生中か否かを判定し(ステップS43)、特別遊技権利が発生していなければ、一旦センサ入力処理を終了する。一方、特別遊技権利状態が発生していた場合には、第3種始動口センサ26からの信号入力を監視する第3種始動口センサ監視処理を行い(ステップS44)、カウントセンサ27からの信号入力を監視するカウントセンサ監視処理を行う(ステップS45)。
【0039】
ステップS41の普図始動センサ監視処理の詳細は、図6に示すように、普図始動口センサ25から信号入力があるか否かを判定し(ステップS41−1)、無い場合はそのまま復帰する。一方、普図始動口センサ25からの信号入力があった場合には、普図始動記憶カウンタから普図始動記憶値を取得し(ステップS41−2)、この取得した普図始動記憶値が4個よりも小さいか否かを判定し(ステップS41−3)、始動記憶が4以上であった場合には、普図始動口センサ25からの検出信号を記憶することなく、そのまま復帰する。
【0040】
上記ステップS41−3で始動記憶が4を越えていなかった場合には、始動記憶を更新し(ステップS41−4)、ステップS5の乱数生成処理で記憶された乱数値(普図用の乱数値)を普図乱数記憶領域より取得して普図判定用記憶領域に記憶し(ステップS41−5)、ステップS5の乱数生成処理で記憶された乱数値(リーチ用の乱数値)をリーチ乱数記憶領域より取得してリーチ乱数判定用記憶領域に記憶し(ステップS41−6)、ステップS5の乱数生成処理で記憶された当り停止図柄を当り停止図柄記憶領域より取得して当たり停止図柄格納領域に格納し(ステップS41−7)、ステップS5の乱数生成処理で記憶されたハズレ停止図柄をハズレ停止図柄記憶領域より取得してハズレ停止図柄格納領域に格納する(ステップS41−8)。
【0041】
すなわち、このステップS41の普図始動センサ監視処理においては、普図始動口センサ25への入賞に対して、「当り判定用乱数、リーチ乱数、当り停止図柄、ハズレ停止図柄」がセットで記憶させる処理を行うものである。
【0042】
ステップS42の特別作動領域通過センサ監視処理の詳細は、図7に示すように、特別作動領域通過センサ19cから信号入力があったか否かを判定し(ステップS42−1)、特別作動領域通過センサ19cからの入力がなければ、そのまま復帰するが、入力があった場合には、現在は特別遊技権利状態が発生中であるか否かを判定し(ステップS42−2)、特別遊技権利状態の発生中であれば当該権利を消滅(パンク)させるために権利中フラグをクリア(ステップS42−3)して復帰する。
【0043】
一方、ステップS42−2で特別遊技権利状態の発生中で無かった場合には、権利を発生させるべく、権利中フラグをセット(ステップS42−4)し、第3種始動口入賞カウンタのカウント値をクリア(ステップS42−5)して復帰する。
【0044】
ステップS44の第3種始動口センサ監視処理の詳細は、図8に示すように、第3種始動口センサ26からの信号入力があるか否かを判定し(ステップS44−1)、第3種始動口センサ26からの信号がなければ、そのまま復帰するが、入力があった場合には、第3種始動口入賞カウンタのカウント値を更新し(ステップS44−2)、第3種始動口入賞カウンタのカウント値が「16」になったか否かを判定し(ステップS44−3)、第3種始動口入賞カウンタのカウント値が「16」になっていた場合には、特別遊技権利状態の終了条件の一つである第3種始動口20cへの入賞球数が16個に達したことを意味するので、特別遊技権利状態を終了させるべく、権利中フラグをクリアする(ステップS44−4)。
【0045】
続いて、変動入賞装置22の大入賞口22bを開放すべく大入賞口開放フラグをセットし(ステップS44−5)、大入賞口22bの開放時間を設定するべく開放タイマをクリアする(ステップS44−6)。なお、上記ステップS44−5において大入賞口開放フラグが設定されると、ステップS9のソレノイド編集処理でソレノイドデータがセットされ、大入賞口ソレノイド31が駆動することにより、変動入賞装置22の球受け扉22aが開放されるのである。また、上記ステップS44−4で権利中フラグがクリアされると、以後、ステップS44の第3種始動口センサ監視処理とステップS45のカウントセンサ監視処理が行われなくなり、第3種始動口22cへの入賞に基づいて大入賞口開放フラグがセットされることがないので、変動入賞装置22が第2状態になることはなく、特別遊技権利状態が終了するのである。
【0046】
ステップS45のカウントセンサ監視処理の詳細は、図9に示すように、開放タイマ(上記ステップS44−6で設定された開放時間:例えば、9.8秒)がタイムアップしたか否かを判定し(ステップS45−1)、タイムアップしていない場合には、大入賞口22b内のカウントセンサ27からの信号入力があるか否かを判定し(ステップS45−2)、カウントセンサ27からの入力あった場合には、10カウント記憶を更新し(ステップS45−3)、この更新した10カウント記憶が「10個」になったか否かを判定し(ステップS45−4)、10カウント記憶が「10個」になっていた場合には、大入賞口開放フラグをクリア(ステップS45−5)して復帰する。また、上記ステップS45−1で開放タイマがタイムアップしていると判定した場合にも、上記ステップS45−5の大入賞口フラグをクリアするのである。
【0047】
すなわち、変動入賞装置22が第2状態から第1状態に復帰するための条件である、入賞球が所定数(10個)に達するか、解放時間が所定時間経過するか、何れか最先の条件が達成された時点で、大入賞口フラグがクリアされ、変動入賞装置22が第1状態に復帰するのである。なお、上記のような変動入賞装置22の第1状態復帰条件が達成されていない場合は、大入賞口フラグはクリアされない。
【0048】
次に、ステップS7の普通図柄ゲーム処理を詳細に説明する。図10に示すように、普通図柄表示装置15を用いた補助遊技である普通図柄ゲームでは、当該処理中でセットされている処理番号を判定して番号に応じた分岐を行い(ステップS71)、例えば、処理番号が“0”であった場合には普図始動記憶監視処理を行い(ステップS72)、処理番号が“1”であった場合には図柄停止監視処理を行う(ステップS73)。
【0049】
ステップS72の普図始動記憶監視処理の詳細は、図11に示すように、始動記憶(ステップS41−3でセットされた記憶)があるか否かを判定し(ステップS72−1)、始動入賞口16への入賞記憶がない場合はそのまま復帰し、始動記憶がある場合には、始動記憶を減算し(ステップS72−2)、普図判定用記憶領域から乱数値を取得して判定し(ステップS72−3)、その結果を当たり判定フラグ(例えば、当りの場合は判定フラグをセット、ハズレの場合は判定フラグをクリア)に記憶し(ステップS72−4)、リーチ判定用記憶領域から乱数値を取得して判定し(ステップS72−5)、その結果により分岐処理を行う(ステップS72−6)。すなわち、リーチを行うか否か、リーチを行うのであればどのタイプのリーチ(例えばリーチ1〜リーチ5の何れ)を行うのかを設定する(ステップS72−7)。
【0050】
続いて、上記ステップS72−4で取得した判定フラグが当りか否かを判定し(ステップS72−8)、ハズレと判定した場合には上記ステップS72−7の分岐処理で設定されたリーチ情報の有無に基づきリーチか否かを判定し(ステップS72−9)、リーチであると判定した場合には、当り停止図柄格納領域から当り停止図柄を取得してリーチ停止図柄を作成し(S72−10)、リーチを行わないと判定した場合には、ハズレ停止図柄格納領域からハズレ停止図柄を取得し(ステップS72−11)、上記ステップS72−8で判定フラグが当りと判定された場合には、当り停止図柄格納領域から当り停止図柄を取得する(ステップS72−12)。
【0051】
そして、上記ステップS72−10,ステップS72−11,ステップS72−12の何れかの処理で取得した停止図柄を停止図柄格納領域に記憶し(ステップS72−13)、図柄停止監視処理を行うための処理番号(例えば“1”)に変更する(ステップS72−14)。すなわち、この普図始動記憶監視処理で図柄停止監視処理へ移行させた際には、既に停止図柄やリーチの有無も決まっており、これらの決定情報に基づいて普通図柄表示装置15の表示制御が行われるのである。
【0052】
ステップS73の図柄停止監視処理の詳細は、図12に示すように、先ず現在は特別遊技権利状態の発生中か否かを判定し(ステップS73−1)、特別遊技権利状態の発生中であった場合には、上記ステップS72−13で停止図柄格納領域に記憶された停止図柄がハズレか否か、すなわち、今回の普通図柄ゲームの結果がハズレか否かを上記ステップS72−4の判定フラグにより判定し(ステップS73−2)、今回の普通図柄ゲームの結果がハズレ(停止させる図柄がハズレ停止図柄)であった場合には、変動停止タイミングか(例えば、第1図柄および第2図柄を既に停止させた状態で最後の第3図柄を停止させるタイミングになったか)否かを判定し(ステップS73−3)、未だ停止タイミングで無い場合には変動の前半か否かを判定し(ステップS73−4)、前半であった場合には高速変動処理を行い(ステップS73−5)、後半であった場合には低速変動処理を行って第1図柄および第2図柄を停止し(ステップS73−6)、停止させた図柄がリーチを構成しているか否かを上記ステップS72−7の分岐処理で設定したリーチ情報により判定し(ステップS73−7)、リーチを構成していた場合には、上記ステップS72−7で設定したリーチ種別に対応する第3図柄の変動処理を行う(ステップS73−8)。
【0053】
続いて、上記ステップS73−3における判定処理で、第3図柄の停止タイミングになると、最後の変動図柄である第3図柄を停止させる変動停止処理を行って図柄の組み合わせ態様を確定し(ステップS73−9)、今回の普通図柄ゲームにおける停止図柄の組合せ態様が当り図柄か否かを上記ステップS72−4でセットされた判定フラグにより判定し(ステップS73−10)、当り図柄であった場合、すなわち判定フラグが当りであった場合には普電開放フラグをセットし(ステップS73−11)、ステップS73−12で処理番号を“0”に変更して以後の普通図柄ゲーム処理では普図始動記憶監視処理が行われるようにして復帰する。一方、上記ステップS73−10において停止図柄がハズレ図柄であると判定フラグに基づき判定した場合には、普電開放フラグをセットすることなくステップS73−12に移行して処理番号を“0”に変更して復帰する。なお、上記ステップS73−11で普電開放フラグがセットされると、ステップS9のソレノイド編集処理においてソレノイドデータがセットされ、所定時間だけ普通電動役物18の可動部材18a,18aが開放されるのである。
【0054】
しかして、上記ステップS73−1において特別遊技権利状態の発生中と判定され、更に上記ステップS73−2において停止図柄が当りであると判定フラグに基づき判定した場合には、高速変動処理を通して復帰させる(ステップS73−13)。すなわち、特別遊技権利状態の発生中は、普通図柄表示装置15の可変表示を停止することを規制して、普通図柄ゲームの結果が当り(特定表示態様)となることを避け、普通電動役物18の可動部材18a,18aが開放されて役物装置17の特別作動領域19aを球が通過することのないようにするのである。
【0055】
従って、従来の第3種の遊技機の如く、特別遊技権利状態の発生前後で左打ちと右打ちを変えたりといった高度の遊技テクニックを必要とせず、遊技に熟練していない遊技者にとっても興趣の高いものとなる。加えて、右打ちから左打ちといった打ち分けを行う必要もないので、第3種始動口装置20や変動入賞装置22を遊技部9の右側へ配設する必要もなくなるので、釘配置や各種遊技装置の配置構成等の自由度を高めることができる。
【0056】
また、特別遊技権利状態が終了すると、ステップS73−1の判定でステップS73−3へ飛んで変動停止タイミングか否かを判定するようになるので、普通図柄ゲームを終了させて特別遊技権利状態を発生させるか否かの判定を行うようになる。すなわち、本実施形態では、役物装置17の特別作動領域19aを球が通過しても特別遊技権利状態が消滅することのない条件が達成されること(第3種始動口20cへ球が所定数入賞することによって特別遊技権利状態が終了すること)で、可変表示停止規制解除条件が成立するものとしてある。
【0057】
しかも、本実施形態においては、特別遊技権利状態の発生中であっても、普通図柄表示装置15の停止図柄がハズレの場合(特定表示態様に該当しない場合)には、可変表示停止規制解除条件に基づく可変表示停止の規制を行わないものとしたので、特別遊技権利状態の発生中であっても普通図柄表示装置15を用いた補助遊技の始動記憶を消化して行くことができる。これにより、ハズレとなる補助遊技が順次行われて始動記憶が費やされるため、普図始動口16への入賞に基づく始動記憶が追加更新されて行き、特別遊技権利状態の発生中においても、補助遊技の実行回数が増え、この実行回数の増加に伴って普通図柄ゲームにおける当りの発生確率が高まって行き、遊技者にとって興趣の高いものとなる。
【0058】
なお、本実施形態では、特別遊技権利状態の発生中に、普通図柄表示装置15の停止図柄が当り図柄となる場合に限って可変表示を継続させるものとし、普通図柄表示装置15の停止図柄がハズレ図柄となる場合には可変表示停止の規制を行わないものとしたが、これに限定されるものではなく、ハズレ図柄となる場合であっても、可変表示停止規制解除条件が達成されるまで停止制御を規制するようにしても良い。或いは、ハズレ図柄のパターンやリーチ制御のパターンに応じて、可変表示停止規制の対象としたり対象外としたりしても良い。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る遊技機によれば、遊技制御装置は、予め定めた普図始動口への遊技球の入賞により当り判定用乱数を取得し、該当り判定用乱数の判定結果に基づいて前記可変表示装置における可変表示の停止表示態様を決定し、該可変表示の停止表示態様が予め定められた特定表示態様であると判定された場合に、前記特別入賞口手段の可動部材を遊技者にとって有利な第2状態に変換制御するように構成され、特別遊技権利状態の発生中に可変表示装置の可変表示停止制御を行う際に、特別遊技権利状態が終了するまで可変表示装置における識別情報の可変表示を継続させる可変表示停止規制手段を含み、前記特別遊技権利状態の発生中に、前記当り判定用乱数が当りであると判定された場合には、前記可変表示停止規制手段により、現在行われている特別遊技権利状態が終了するまで、可変表示装置における識別情報の可変表示の停止を規制して当該可変表示を継続させる一方、前記当り判定用乱数が外れであると判定された場合には、前記可変表示停止規制手段による可変表示の停止規制を行わないようにしたので、特別遊技権利状態が終了するまで、可変表示の停止結果態様として特定表示態様となることがないので、特別入賞口手段の可動部材が第2状態に変換されて、特別遊技権利状態の消滅条件が成立しないよう遊技球の発射を調整したり途中で発射を停止するなどの高度なテクニックを以て特別入賞口手段への入賞を回避するような遊技進行を行う必要がない。
【0060】
よって、このような遊技内容の遊技機に精通していない遊技者であっても、特別遊技権利中の遊技を堪能しながら、遊技利益を獲得できる可能性を十分に持たせることができ、熟練した遊技者と不慣れな遊技者との遊技経験の差によって極端な獲得利益差が生ずることを抑止し、遊技店においても、敬遠されがちであったこの種の遊技機の稼働率を上げることができる。
【0061】
しかも、特別遊技権利の発生中とそうでないときとで、特別入賞口手段への遊技球の入賞のし易さに差を設けるべく、旧来のように遊技盤面の左側と右側との釘構成を変えたり、特別入賞口手段や変動入賞装置といった各種遊技装置の盤面構成を左右非対称にしたりする必要が無くなるので、盤面構成の自由度を大いに高めることができる。
【0062】
また、遊技制御装置は、特別遊技権利状態の発生中に、普図始動口への球の入賞により取得した当り判定用乱数が外れであると判定された普図始動記憶に基づいて補助遊技を開始する場合、すなわち特別入賞口手段が第2状態に変換制御されることのない場合に限って、可変表示停止規制手段は可変表示停止の規制を行わないで、補助遊技を順次実行するので、特別遊技権利状態の発生中であっても、特別入賞口手段の可動部材が第2状態に変換されることのない範囲で、可変表示装置によるゲームを進行させることができる。これにより、特別遊技権利状態の発生中にもハズレとなる補助遊技が順次行われて始動記憶が費やされるため、普図始動口への入賞に基づく始動記憶が追加更新されて行き、特別遊技権利状態の発生中においても、補助遊技の実行回数が増え、この実行回数の増加に伴って普通図柄ゲームにおける当りの発生確率が高まって行き、遊技者にとって興趣の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 遊技機の正面図である。
【図2】 遊技盤の正面図である。
【図3】 遊技制御装置の入出力に関連したブロック図である。
【図4】 遊技制御のメインフローチャートである。
【図5】 センサ入力処理を示すフローチャートである。
【図6】 普図始動センサ監視処理を示すフローチャートである。
【図7】 特別作動領域通過センサ監視処理を示すフローチャートである。
【図8】 第3種始動口センサ監視処理を示すフローチャートである。
【図9】 カウントセンサ監視処理を示すフローチャートである。
【図10】 普通図柄ゲーム処理を示すフローチャートである。
【図11】 普図始動記憶監視処理を示すフローチャートである。
【図12】 図柄停止監視処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 遊技機
10 遊技盤
15 普通図柄表示装置
17 役物装置
18a 可動部材
22 変動入賞装置
23 遊技制御装置
Claims (1)
- 遊技盤に配設されて複数の識別情報を可変表示して補助遊技を行う可変表示装置と、遊技盤の所要部位に配設され、遊技者にとって不利な第1状態と、遊技者にとって有利な第2状態とに変換可能な可動部材を有する特別入賞口手段と、遊技を統括的に制御する遊技制御装置と、
を備え、
前記遊技制御装置の制御によって、前記特別入賞口手段への遊技球の入賞を条件に特別遊技権利状態を発生させるとともに、特別遊技権利状態の発生中に予め定めた第3種始動口へ入賞することを条件に、大入賞口を開閉可能な変動入賞装置を開成した状態に変換可能で、また、特別遊技権利状態の発生中に、上記第3種始動口へ入賞した球数が所定数に達すること、若しくは、上記特別入賞口手段へ遊技球が入賞することにより特別遊技権利状態が終了する遊技機において、
前記遊技制御装置は、予め定めた普図始動口への遊技球の入賞により当り判定用乱数を取得し、該当り判定用乱数を普図始動記憶として所定数を上限に記憶し、当り判定用乱数の判定結果に基づいて前記可変表示装置を用いた補助遊技の停止表示態様を決定し、該補助遊技の停止表示態様が予め定められた特定表示態様であると判定された場合に、前記特別入賞口手段の可動部材を遊技者にとって有利な第2状態に変換制御するように構成され、
特別遊技権利状態の発生中に可変表示装置の可変表示停止制御を行う場合に、特別遊技権利状態が終了するまで可変表示装置による補助遊技を継続させる可変表示停止規制手段を含み、
前記特別遊技権利状態の発生中に、前記当り判定用乱数が当りであると判定された普図始動記憶に基づいて補助遊技を開始する場合には、前記可変表示停止規制手段により、現在行われている特別遊技権利状態が終了するまで、可変表示装置における識別情報の可変表示の停止を規制して当該補助遊技を継続させる一方、前記当り判定用乱数が外れであると判定された普図始動記憶に基づいて補助遊技を開始する場合には、前記可変表示停止規制手段による可変表示の停止規制を行わないで、補助遊技を順次実行するようにしたことを特徴とする遊技機。
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