JP4059322B2 - 圧電アクチュエータ、これを用いた撮像素子移動装置および撮像装置 - Google Patents

圧電アクチュエータ、これを用いた撮像素子移動装置および撮像装置 Download PDF

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Description

本発明は、圧電アクチュエータ、これを用いた撮像素子移動装置および撮像装置に関する。
圧電アクチュエータの一つとして、バイモルフ型圧電アクチュエータがある。
バイモルフ型圧電アクチュエータは、バイモルフ型圧電素子(以下、「バイモルフ素子」ということもある)を、機械的な駆動源として利用する電子部品である。
バイモルフ素子は、厚み方向に分極された2枚の圧電セラミックの薄板が貼り合わされ、その各圧電セラミック薄板の貼り合わせ面に沿って平面状の電極が埋め込まれ、かつ、各圧電セラミック薄板の表面および裏面(外部に露出している主面)に少なくとも一つの電極を取り付けた構造を有する。
ここで、圧電セラミックは、一般的なセラミック材料であるアルミナ(酸化アルミニュウム)、マグネシア(酸化マグネシウム)、シリカ(二酸化珪素)等に、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)等を添加し、焼結して得られる、圧電効果特性をもつセラミック材料である。
バイモルフ素子を構成する各圧電セラミック薄板の各々に電圧を印加すると、圧電効果によって、一方の圧電セラミック薄板は伸張し、他方の圧電セラミック薄板は収縮する。これによって、バイモルフ素子に曲がり(屈曲)が生じ、その端部(可動端)に変位が生じる。そして、そのバイモルフ素子の端部(可動端)の変位は、他の機械要素の機械的な駆動のために利用可能である。
バイモルフ型圧電アクチュエータは、積層圧電アクチュエータに比べて変位量が大きく、低消費電力、応答速度が速い、耐久性に優れる、という利点をもつ。
一方、発生する起電力(出力のパワー)は小さく、したがって、従来から、VTRヘッドのトラッキング調整等に使用されてきた。
また、近年は、ビデオカメラや電子スチルカメラ等の電子カメラ(携帯電話機やPDAに搭載するものも含まれる)の小型化、薄型化、軽量化を促進する観点から、圧電アクチュエータは、撮像素子の機械的駆動源として使用されるようになってきた。
すなわち、フォーカスレンズを動かす代わりに、圧電アクチュエータによって撮像素子(CCD等)を光軸方向に移動させて焦点調整を行う手振れ防止機構が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。特許文献2では、撮像素子の機械的駆動源として、バイモルフ型圧電アクチュエータが使用されている。
特許文献1には、圧電アクチュエータを撮像素子に直接に接続した例と、圧電アクチュエータにより生じた変位を、板バネを用いた変位拡大機構によって拡大し、その板バネの付勢力でもって撮像素子を移動させる例と、が記載されている。
また、特許文献2には、圧電アクチュエータで発生した変位を、弾力性をもつフレキシブル・プリント基板を介して撮像素子に伝達する構成を採用し、フレキシブル・プリント基板の付勢力によって圧電アクチュエータの変位を拡大する構成が記載されている。
特開2000−307937号公報 特開2003−32537号公報
上記の特許文献1,2に記載の技術は、デジタルカメラや携帯電話等の小型・軽量化が厳しく求められる機器への適用を考えた場合、以下の点で、問題があった。
下記(1)および(2)は、圧電アクチュエータを直接に接続する構成(特許文献1の図2)に関する考察であり、(3)および(4)は、圧電アクチュエータの変位を、変位拡大機構を用いて拡大する構成についての考察であり、(5)は、双方の構成に共通する考察である。
(1)撮像素子の移動距離の観点
つまり、特許文献1に記載される、圧電アクチュエータを撮像素子に直接接続する構成の場合、撮像素子の移動距離を十分にはとれない場合がある。つまり、圧電アクチュエータの変位量は、撮像素子の位置制御の観点からは十分ではなく、圧電アクチュエータで直接、撮像素子を駆動すると、撮像素子の移動距離を十分にとることができないことから、十分な合焦能力(ピント調整機能)を得ることができない場合がある。
(2)出力の大きさの観点
磁気ヘッドの駆動等と異なり、撮像素子は大きく(また、重く)、その機械的駆動にはかなりの高出力を要する。圧電アクチュエータ単体では、そのような高出力を得ることがむずかしい。
(3)小型化の観点
一方、特許文献1、特許文献2に記載される、変位拡大機構を用いる技術(板バネやフレキシブル・プリント基板を用いて圧電アクチュエータの変位を拡大する技術)では、撮像素子の移動距離は十分にとれ、また、高出力も期待できるが、変位拡大機構が存在することから、小型化には限界がある。特に、携帯電話などに組み込まれるカメラでは、カメラ全体を小型化する必要があり、撮像素子を平行に移動するための圧電アクチュエータの板幅を、撮像素子と同様の厚さ程度にすることが要求される。変位拡大機構の利用は、このような厳しい小型化の要求に応えようとする場合の妨げとなる。
(4)機械的耐久性、製造の容易等の観点
圧電アクチュエータの変位を、変位拡大機構を介して拡大して撮像素子に伝えるという構成は、そもそも構成が複雑であり、また、各部材間の連携をうまく調整しないと、変位の精度を保つことがむずかしくなる。各部材の特性は時間経過と共に劣化するから、機械的の耐久性の面で不利となることもないとは言えない。また、部品点数の増加により、製造組立がむずかしくなり、コスト面で不利となる場合もあり得る。
(5)撮像素子を光軸方向に正確に移動させるという観点
光学系の機器は光軸を中心に設計されるから、撮像素子の移動も、光学軸に沿って、きわめて正確に行われる必要がある。特に、撮像素子を移動させる場合に重要なのは、光軸に沿って直線上に移動することであり、回転応力が加わるなどして、移動方向がずれると、正確な合焦制御ができなくなる。このような懸念が生じる場合には、ガイド部材を設けて、撮像素子の移動方向を強制的に規制することが必要となるが、ガイド部材との摩擦が生じる分だけ撮像素子を移動させるための付勢力をロスし(付勢力の使用効率が悪くなる)、また、ガイド部材の存在が小型、軽量化等の妨げとなることも想定される。
このように、圧電アクチュエータを、撮像素子の位置制御用駆動源として用いる場合には、小型・軽量化、性能、コスト等を厳しく追求していくと、問題点が顕在化する。
今日の携帯電話機やデジタルカメラにおいては、小型・軽量化、性能向上、コスト削減への要求が高まる一方であり、この点を考慮すると、上記(1)〜(5)の課題をすべて克服することが重要となる。
また、近年、撮像素子の画素数(解像度)の増加に伴い、手振れ防止のための高精度かつ高速な位置制御を行うことができる、小型でしかも高出力のアクチュエータの実現が特に望まれているが、上記(1)〜(5)の課題を全部克服することはむずかしく、大きな壁が存在する状況である。
本発明は、このような考察に基づいてなされたものであり、その目的は、撮像素子のような大きな対象物を、所定方向に、回転ずれを伴うことなく直線的に高出力で駆動することができ、しかも、大きな移動量を確保でき、さらに、小型、軽量化に適し、機械的耐久性や製造コスト面でも有利となる、すぐれた特性を備えた圧電アクチュエータを実現することである。
本発明の圧電アクチュエータは、一対のバイモルフ型圧電素子がX字型に交差する形態で組み合わされたバイモルフ型圧電素子交差ユニットを、偶数個、積層して相互に固定した構造をもつ。
本発明では、複数のバイモルフ型圧電アクチュエータを組み合わせて機械的な構造体を形成し、その機械的な構造体の全体を圧電アクチュエータとする。この機械的な構造体は、一対のバイモルフ型圧電素子がX字型に交差する形態で組み合わされた「バイモルフ型圧電素子交差ユニット」を基本単位とし、この基本単位を、対象物の変位方向に沿って積み上げた構造をもつ。この基本単位(バイモルフ型圧電素子交差ユニット)は、バイモルフ素子がX字型に交差した、線対称の構造をもち、また、“X”の文字から明らかなように、上下に2カ所の端部が形成され、その2カ所の端部でバランスよく力を受けたり、力を伝達したりすることができるという、非常にバランスのとれた、機械的に安定した構造を有している。また、このバイモルフ型圧電素子交差ユニットを偶数個だけ積み重ねた構造(つまり、「偶数段」の積み重ね構造)とすると、各バイモルフ素子の連結点において生じる、対象物の変位方向に直交する方向の不要な変位が相殺され、結果的に、各バイモルフ素子に生じた、対象物の変位方向の変位のみが合成され、積み重ねられた交差ユニットの段数分だけ増幅されて取り出されることになる。したがって、本発明の圧電アクチュエータの2つの可動端は、所望の方向に、回転応力を伴うことなく直線的に、しかも、十分な距離だけ移動することができる。その移動距離は、各バイモルフ素子に印加する電圧レベルと、バイモルフ型圧電素子交差ユニットの積み上げ段数と、によって調整することができる。また、安定した機械的構造を有していることから高出力であり(つまり、対象物を強く付勢することができ)、また、圧電アクチュエータ自体が変位を増幅する機構を本来的に有していることから、それ以外の部材(板バネ等を用いた変位拡大機構等)が不要であり、部品点数が少なく、小型化に適し、製造も容易であり、コスト面でも有利となる。また、バイモルフ素子の複合構造体からなる圧電アクチュエータを対象物に直接に接続することができ、不要な部材が介在しないために、バイモルフ素子がもつ高速応答性や高耐久性といった性質をそのまま生かすことができ、また、対象物を、移動方向に直交する線上の2点(2つの端部)で安定に支持でき、さらに、各端部は、上記のとおり、所望方向のみに変位することから回転ずれが生じず、ガイドを設けなくても、対象物の姿勢を正しく保ちつつ所望方向に移動させることが可能である。
また、本発明の圧電アクチュエータの一態様では、前記バイモルフ型圧電素子交差ユニットの各々を構成する一対のバイモルフ型圧電素子に同方向の変位を生じさせた場合に、前記バイモルフ型圧電素子の各々に生じた変位が合成され、これにより、前記圧電アクチュエータの先端の2つの可動端の各々は、所定方向に、かつ、一つの前記バイモルフ型圧電素子に生じる変位量を越える距離、移動する。
本発明の圧電アクチュエータは、各バイモルフ素子に生じた変位のうち、対象物の移動方向の変位のみを合成し、積み重ねられたバイモルフ型圧電素子交差ユニットの段数分だけ増幅して取り出すことができる。そして、本発明の圧電アクチュエータは、交差ユニットを縦に少なくとも2段、積み上げた構造をもつため、一つのバイモルフ素子に生じる変位の、少なくとも2倍の変位を生じさせることができる。よって、本発明の圧電アクチュエータの先端の2つの可動端は、所定方向に、直線的に、かつ、一つのバイモルフ型圧電素子に生じる変位量を越える距離だけ移動することになる。
また、本発明の撮像素子移動装置は、本発明の圧電アクチュエータの先端の2つの可動端を、撮像素子または撮像素子と一体となって移動する枠体に固定し、前記圧電アクチュエータの駆動力によって前記撮像素子を移動させる。
本発明の圧電アクチュエータを、撮像装置の合焦制御(ピント合わせ)のための機械的駆動源として使用することにより、高速でかつ安定したピント制御が実現される。
また、本発明の撮像素子移動装置は、少なくとも二つの前記圧電アクチュエータを用いることにより、前記撮像素子を、直交する2軸の各軸方向に移動させることを可能としたものである。
2個の本発明の圧電アクチュエータの各々を、直交する2軸上に配置することにより、撮像素子を独立した2軸方向に移動させることが可能となる。これにより、手振れを効果的に防止することができる。
また、本発明の撮像装置は、本発明の撮像素子移動装置を搭載する。
これにより、高解像度であり、小型かつ軽量であり、携帯機機にも搭載可能であり、かつ、手振れ防止機能を有して使い勝手がよい、高性能なカメラを実現することができる。
また、本発明の撮像装置の他の態様は、本発明の撮像素子移動装置を搭載し、手振れ検出手段の検出結果に基づき、前記撮像装置の手振れによる移動量を算出し、算出された、その手振れによる移動量に基づき、前記撮像素子を合焦位置に移動させるために必要な前記圧電アクチュエータの各々の変位量を算出し、算出された、その圧電アクチュエータの変位量に対応する駆動電圧を発生させ、その駆動電圧を、前記撮像素子移動装置内の前記圧電アクチュエータの各々に印加して手振れを防止する機能をもつ。
手振れを検出するセンサの信号から、合焦調整に必要な撮像素子の移動量を計算し、圧電アクチュエータを駆動して、撮像素子を必要な距離だけ移動させ、手振れを防止するものである。これにより、携帯機機にも搭載可能であり、かつ、手振れ防止機能を有して使い勝手がよい、高性能なカメラを実現することができる。
本発明によれば、対象物を、移動方向に直交する線上の2点(2つの端部)で安定に支持でき、さらに、各端部は、所望方向のみに変位することから回転ずれを生じないため、ガイドを設けなくても、対象物の姿勢を正しく維持しつつ所望方向に移動させることが可能となる。
また、本発明の圧電アクチュエータは、バイモルフ型圧電素子をX字型に交差させた交差ユニット(線対称の構造をもち、力学的に安定した構造となっている)を基本単位とし、これを偶数段、積み上げて固定した独自の機械的な構造を具備しており、したがって、高出力な圧電アクチュエータを実現することができる。
また、一つのバイモルフ素子に生じる変位が、積み上げた段数分だけ増幅して取り出すことができ、十分な変位量(つまり、対象物の十分な移動距離)を確保することができる。
また、従来例のように拡大機構を用いることなく変位量を大きくすることができるため、部品点数を減らすことができ、装置全体の小型化ができる。また、製造も容易であり、コスト面でも有利となる。
また、圧電アクチュエータを、対象物(位置制御対象)に直接に接続することができ、不要な部材が介在しないために、バイモルフ素子がもつ高速応答性や高耐久性というすぐれた性質をそのまま生かすことができる。
本発明の圧電アクチュエータを、撮像装置の合焦制御(ピント合わせ)のための機械的駆動源として使用することにより、高速でかつ安定したピント制御が実現される。
また、2個の本発明の圧電アクチュエータの各々を、直交する2軸上に配置することにより、撮像素子を独立した2軸方向に移動させることが可能となる。これにより、カメラの手振れを効果的に防止することができる。
近年は、撮像素子の画素数(解像度)の増加に伴い、手振れ防止のための高精度かつ高速な位置制御を行うことができる、小型でしかも高出力のアクチュエータの実現が特に望まれているが、本発明の圧電アクチュエータは、小型・薄型であるため携帯電話等に組み込むカメラ等にも容易に搭載することができ、また、高出力であるため、大きな撮像素子を移動させることもでき、上記のニーズに十分に応えることができる。
したがって、本発明によって、高解像度であり、小型かつ軽量であり、十分な手振れ対策も実施できる、高性能なデジタルカメラを実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、圧電アクチュエータを用いた撮像素子移動装置の要部の構成を模式的に示す図である。
図1の撮像素子移動装置は、位置制御対象である撮像素子11に、本発明の圧電アクチュエータ12の一端を直接に接続し、また、この圧電アクチュエータ12の他端を撮像装置の機器本体(支持部材として機能する)13に固定した構造をもつことを特徴とするものである。
ここで撮像素子11は、例えば、画素数が約1MピクセルのCCD型撮像素子であって、アスペクト比は3:4であり、フレームレートは30フレーム/秒で画像を転送するものである。
圧電アクチュエータとしては、ピエゾ(PZT)素子による電歪素子を用いており、Kファクターとして、2.4μ/Vの変位量を得ることができる構成とする。ただし、これに限定されるものではなく、適宜変更することができる。
図1の圧電アクチュエータに電圧を印加すると屈曲変位が生じ、その変位は、撮像素子11に直接的に伝達され、その圧電アクチュエータ12に生じた変位分だけ、撮像素子11が所定方向(図1ではX方向)に移動する。
なお、圧電アクチュエータ12は、例えば、撮像素子11をX方向に、1.2μm/Vの変位で、スクロール120μm伸縮するように構成されている。
図2は、図1の撮像素子移動装置における圧電アクチュエータの具体的な構成の一例を示す図である。
図2において、参照符号21a〜21dはバイモルフ型圧電素子(バイモルフ素子)である。
図示されるように、バイモルフ型圧電素子21aと21bは互いにX字型に交差している。同様に、バイモルフ型圧電素子21c,21dは互いにX字型に交差している。
本発明の圧電アクチュエータの最大の特徴は、このような一対のバイモルフ型圧電素子をX字型に交差させて組み合わせた構造体(以下、バイモルフ型圧電素子交差ユニット、あるいは、単に交差ユニットという)を基本的な構成単位とし、これを、偶数段、積み上げて相互に固定することで、複数のバイモルフ型圧電素子からなる機械的な構造体を形成し、この全体を一つの圧電アクチュエータとする点である。
また、バイモルフ型圧電素子21a,21bの一方の端部(A−1,A−2)は、機器本体13上に固定されている。
また、バイモルフ型圧電素子21a,21bの他方の端部ならびにバイモルフ型圧電素子21c,21dの一方の端部とは、連結部(B−1,B−2)にて相互に接続(固定)されている。この連結部は、X方向と、これと垂直なY方向の双方に変位することが可能な可動端である。
また、バイモルフ型圧電素子21c,21dの他方の端部(先端の2つの可動端:C−1,C−2)は、撮像素子(位置制御対象)11の裏面に固定されている。
ここで、この2つの可動端(C−1,C−2)は、X方向のみに変位し、これと垂直なY方向には変位(つまり、そのような変位をさせるようとする力)が生じない。この点は重要であり、図7,図8を用いて後述する。
また、バイモルフ型圧電素子21aないし21dは、S字駆動のバイモルフ型圧電素子であり、長手方向の中心を境に変位方向が逆位相となるように構成してある。
ここで、S字駆動のバイモルフ型圧電素子の構造およびバイモルフ型圧電素子交差ユニットについて、図3、図4を用いて具体的に説明する。
図3は、一つのバイモルフ型圧電素子の、電圧を印加しない状態における断面図である。
図3では、左側の端部38aが固定端であり、右側の端部38bが可動端である。
図示されるように、このバイモルフ型圧電素子は、厚み方向に分極した2枚の圧電セラミック35a,35b同士を、スペーサ兼挟持電極36を介して貼り合わせた構造をもち、各圧電セラミック35a,35bの裏面および表面には、分割された電圧印加電極37c,37dおよび37a,37bが形成されている。
図4は、一つのバイモルフ型圧電素子の、電圧を印加した状態における断面図である。
バイモルフ型圧電素子に電圧Vを印加すると、図4に示されるように、バイモルフ型圧電素子は変形し、可動端38bは常に、長手方向に対して垂直な方向(すなわちY方向)に平行運動をする。
図5は、一対のバイモルフ型圧電素子をX字型に交差させた、バイモルフ型圧電素子交差ユニット(電圧を印加して各バイモルフ型圧電素子を変形させた状態)の斜視図である。
図示されるように、2枚のバイモルフ型圧電素子(21a,21b)の長手方向中心部には、それぞれ一方向からの切り欠き(25a,25b)が設けられており、その切り欠き同士を係合させて、X字に交差した構成としてある。2枚のバイモルフ型圧電素子(21a,21b)は、切り欠きを介して常に係合している。
バイモルフ型圧電素子交差ユニットは、バイモルフ素子がX字型に交差した線対称の構造をもち、また、“X”の文字から明らかなように、上下に2カ所の端部が形成され、その2カ所の端部でバランスよく力を受けたり、力を伝達したりすることができるという、非常にバランスのとれた、機械的に安定した構造を有している。
本発明の圧電アクチュエータは、このバイモルフ型圧電素子交差ユニットを偶数個(偶数段)だけ積み上げ、各ユニット同士を連結固定して構築された、機械的な構造体からなっている。
次に、図6を参照して、本発明の圧電アクチュエータの動作(変位の様子)を、より詳しく説明する。
図6は、図1の撮像素子移動装置における、電圧を印加しないときと、電圧を印加したときの圧電アクチュエータの具体的な形態を示す図であり、(a)は、電圧を印加しない状態を示し、(b)は電圧を印加した状態を示す。なお、図6(b)は、図2と実質的に同じである。
図6(a)に示すように、圧電アクチュエータに電圧を印加しない場合には、X字型に交差する各バイモルフ型圧電素子21a〜21dには屈曲変位が生じず、各々が重なり合った状態となっている。
図6(b)に示すように、圧電アクチュエータに電圧を印加した場合には、各バイモルフ型圧電素子21a〜21dに屈曲変位が生じ、撮像素子11の位置は、X方向にΔdだけ変位する。
ここで注目すべき点は、また、バイモルフ型圧電素子21a,21bの他方の端部ならびにバイモルフ型圧電素子21c,21dの一方の端部の連結部(B−1,B−2)は、X方向、および、これと垂直なY方向の双方に変位しているが(つまり、連結部B−1とB−2との間の距離は変化しているが)、撮像素子(位置制御対象)11の裏面に固定されているバイモルフ型圧電素子21c,21dの他方の端部(圧電アクチュエータの先端の2つの可動端:C−1,C−2)は、X方向の変位のみが生じ、これと垂直なY方向に変位させようとする応力が働かないようになっていることである。
よって、圧電アクチュエータの先端の2つの可動端(C−1,C−2)は、X方向のみに(直線的に)変位する。これにより、撮像素子11には回転応力が働かず、したがって、その姿勢を保ったまま、X方向(これが光軸方向である)に安定して移動することができる。したがって、ガイド部材は不要となる。
この点は重要であるため、図7、図8を用いて具体的に説明する。
図7は、上側および下側のバイモルフ型圧電素子の連結部(B)と、上側のバイモルフ型圧電素子と撮像素子との固定部(C)との変位の違いを説明するための、圧電アクチュエータ(電圧印加時)の要部の断面図である。
図7では、理解の容易を考慮して、X字型に交差する一対のバイモルフ素子のうちの一方のみを抜き出して示している。
図7では、前掲の図面と同じ部分には同じ参照符号を付してある。また、図7において、参照符号40,42,44は接着剤(固定材)である。
図7の右下側において丸で囲んで示される固定部(A)は、下側のバイモルフ型圧電素子(21b)と撮像装置の機器本体(支持部材として機能する)13との固定接続端である。
図7の左中央において丸で囲んで示される連結部(B)は、上側および下側の各バイモルフ型圧電素子(21c,21b)の連結端である。
図7の右上において丸で囲んで示される固定部(C)は、上側のバイモルフ型圧電素子(21c)と撮像素子11との固定端である。
連結部(B)は、X方向、Y方向の双方に変位するが、固定部(C)には、X方向の変位のみが生じ、Y方向の変位を生じさせようとする応力は働かない。よって、撮像素子11は、その姿勢を保ったまま、X方向にまっすぐに移動することができ、光軸の回転ずれが生じない。
図8は、図7の固定部(C)においてX方向の変位のみが生じ、Y方向の変位を生じさせようとする応力が働かない理由を説明するための模式図である。
図8では、説明の便宜のため、バイモルフ型圧電素子(21b,21c)を直線で示している。また、固定部(A,C)ならびに連結部(B)は、小さな丸で示してある。
また、図8では、電圧を印加しない場合の各バイモルフ型圧電素子(21b,21c)の位置を点線で示し、電圧を印加した場合の各バイモルフ型圧電素子(21b,21c)の位置を実線で示している。
図示されるように、下側のバイモルフ型圧電素子21bに電圧が印加されると、バイモルフ型圧電素子21bはX方向に曲がり、連結部(B)は、X方向に“d1”だけ変位し、同時に、Y方向(図面では右側)に“d2”だけ変位する。
同様に、上側のバイモルフ型圧電素子21cに電圧が印加されると、バイモルフ型圧電素子21cはX方向に曲がり、固定部(C)は、X方向に“d3”だけ変位し、同時に、Y方向(図面では左側)に“d4”だけ変位する。
ここで、連結部(B)に生じるY方向(図面では右側)の変位“d2”と、固定部(C)に生じる、Y方向(図面では左側)の“d4”の変位とは、その変位量が等しく(d2=d4)、かつ、その向きが逆であることから、相殺される。
よって、固定部(C)には、X方向のみの変位しか生じず、Y方向の変位(Y方向の変位を生じさせようとする応力)は生じない。つまり、圧電アクチュエータの先端の可動端(C)のY方向の位置は、電圧の印加の有無を問わず不変である。
ここで、d1+d3=Δdである。Δdは、図6(b)に示される、一対のバイモルフ圧電素子をX字型に交差させたユニットを2段積み重ねた構造に電圧を印加し、各バイモルフ圧電素子に変位を生じさせた場合における可動端の変位量である。各バイモルフ型圧電素子(21b,21c)に生じた各変位(d1,d3)が合成され、より大きな変位が生じていることがわかる。
また、上記の説明より、交差ユニットを2段(偶数段)積み重ねることによって、可動端におけるY方向の変位を相殺することができることがわかる。
つまり、撮像素子とバイモルフ型圧電素子との固定点(可動端)に関して、Y方向の変位を相殺するために、バイモルフ型圧電素子交差ユニットを少なくとも2段(つまり、偶数個)積み上げる必要がある。
バイモルフ型圧電素子交差ユニット一個(一段)だけの場合(あるいは奇数個の積み上げの場合)には、先端の2つの可動端がX方向のみならずY方向にも変位してしまい、撮像素子11への固定ができない。
また、その可動端を無理に撮像素子11に固定したとすると、Y方向に変位させようとする力が撮像素子11に加わり、撮像素子11の姿勢が乱れ、光軸ずれ(回転ずれ)が生じる。
よって、本発明では、バイモルフ型圧電素子交差ユニットを、「偶数個(偶数段)」だけ積み上げ、各ユニットを相互に固定して、複数のバイモルフ型圧電素子を組み合わせて構成される機械的な構造体を構築し、この構造体の全体を一つの圧電アクチュエータとする。
前述のようにX字型に交差した一対のバイモルフ型圧電素子からなる交差ユニットを偶数個積み上げ、各ユニット間を互いに固定し、その可動端に撮像素子を取り付けたことによって、撮像素子11を2点で安定的に支持でき、かつ、その姿勢を保ったまま、所望の方向に直線状に移動させることが可能となる。
従来装置では、バイモルフ型アクチュエータにより撮像素子を移動させる場合、撮像素子を2点で支持することが困難であったが、本発明によれば、2点で支持することができ、しかも、その2点は、所望方向のみに、等量だけ変位するため、撮像素子は、その姿勢を保ったまま移動でき、よって、撮像素子の移動を規制するためのガイドを不要とすることができる。
また、本発明の圧電アクチュエータには、以下ような特別の利点もある。
すなわち、バイモルフ型アクチュエータは変位量が印加電圧に比例するようにしてあり、Kファクター1.2μm/Vで変位を生じる。従ってKファクターの値をkとすると、印加電圧Eと変位Δdの間には、Δd=k×Eなる関係を有する。
ただし、この関係は二つ並んだX字型バイモルフ型圧電素子のKファクターが同じ場合である。違うKファクターのX字型バイモルフ型圧電素子を二つ接続すると、全体のKファクターはその中間の値となる。
そのため、この機構を量産する場合に、バイモルフ材料のKファクターにばらつきがあっても、複数組み合わせることで全体のKファクターが均一化され、安定した性能が得られる。更に言い換えれば、本発明によれば、装置のバラツキを低減することも可能となる。
本実施形態では、バイモルフ型アクチュエータをX字型に交差したものを2個(2段)積み上げて固定し、その可動端に撮像素子を取り付けたが、これに限定されるものではなく、X字に交差したユニットを、偶数個(偶数段)積み上げることにより、上述の効果を得ることができる。積み上げの段数には、特に制限はない。
(第2の実施形態)
図9は、図1の撮像素子移動装置における圧電アクチュエータの具体的な構成の他の例を示す図である。
図示されるように、この圧電アクチュエータの構成の特徴は、一対のバイモルフ型圧電素子を交差させてなる交差ユニットを6個(6段:図中のP1〜P6が各交差ユニットを示す)、積み上げて固定していることである。
図2や図6では、交差ユニットを2個(2段)積み上げていたが、図9では、その積み上げ段数が3倍となっている。これに伴い、得られる変位量もΔ3dとなり、図2や図6に比べて3倍となる。
このように、交差ユニットの積み上げ段数を増やすことにより、変位量を増大させることができる。よって、撮像素子を十分な距離、移動させることができる。
このことは、交差ユニットの積み上げ段数を適宜調整することにより、圧電アクチュエータの変位方向の厚み(そのアクチュエータを格納するために必要な空間)を調整できることも意味する。よって、確保可能なスペースの広さに応じて、交差ユニットの積み上げ段数を調整し、圧電アクチュエータの厚みを調整することができ、これにより、撮像装置の設計の自由度を増大させることもできる。
(第3の実施形態)
図10は、本発明の圧電アクチュエータを用いて構成された、手振れ防止機能をもつ撮像素子の移動装置の要部の構成の一例を示す図である。
本実施形態では、2個の圧電アクチュエータを、その先端の可動端の変位方向が互いに直交する方向となるように配置し、その2個の圧電アクチュエータから発生する機械的駆動力により、撮像素子を、光軸方向(X方向)ならびに光軸方向と直交する方向(Y方向)の双方に自在に移動させる。
図10において、参照符号71,72は、共に、本発明の圧電アクチュエータ(一対のバイモルフ型圧電素子をX字型に交差させて組み合わせた交差ユニットを偶数個、積み上げて相互に固定した構造をもつアクチュエータ)である。各々の圧電アクチュエータの特性の異同は問わない(設計により、適宜、決定されるものである)。
圧電アクチュエータ71,72の各々は、その変位方向が、直交する2軸の各軸方向となるように配置されている。図中、X方向は光軸方向であり、Y方向は、光軸に垂直な方向である。
圧電アクチュエータ71は、一方の端部が、撮像装置の機器本体13上に固定され、他方の端部(2つの可動端)が、撮像素子11と一体となってX方向にのみ移動可能な可動枠の一方の側板73a上に固定されている。
同様に、圧電アクチュエータ72は、一方の端部が、撮像素子11と一体となってX方向にのみ移動可能な可動枠の他方の側板73b上に固定され、他方の端部(2つの可動端)が撮像素子11に固定されている。
この構成によって、撮像素子11を直交する2軸方向に移動させることができる。すなわち、各軸方向の手振れを加速度センサ等により検出し、検出された手振れと逆の方向に、撮像素子11を瞬時に移動させることにより、手振れを防止することができる。
図11は、図10に示される撮像素子の移動装置を搭載するデジタルカメラ(撮像装置)の要部の構成を示す図である。
図示されるように、このデジタルカメラは、直交する2軸の各軸方向の手振れを検出する加速度センサ(手振れ検出手段)300a,300bと、A/D変換手段310a,310bと、カメラ移動量計算手段320と、アクチュエータ移動量計算手段330と、昇圧回路340a,340bと、図10の本発明の圧電アクチュエータ71,72(可動枠体72a,73bは図11では省略する)と、を備える。
図11のデジタルカメラでは、まず、手振れ検出手段300a,300bの手振れ検出結果に基づき、カメラ移動量計算手段320が、デジタルカメラの手振れによる移動量を算出する。
次に、算出された手振れによる移動量に基づき、アクチュエータ移動量計算手段330が、撮像素子11を合焦位置に移動させるために必要な圧電アクチュエータ71,72の各々の変位量を算出する。
次に、昇圧回路340a,340bが、算出された圧電アクチュエータの変位量に対応する駆動電圧を発生させる。
その駆動電圧は、圧電アクチュエータ71,72の各々に印加され、この結果、撮像素子11は、検出された手振れと逆の方向に瞬時に移動される。よって、ピント外れがなくなり、手振れが防止される。
このように、本発明により、携帯機器に搭載されるカメラに手振れ防止機能を付加することができ、カメラの使い勝手が格段に向上する。
以上説明したように、本発明によれば、対象物を、移動方向に直交する線上の2点(2つの端部)で安定に支持でき、さらに、各端部は、所望方向のみに変位することから回転ずれが生じず、ガイドを設けなくても、対象物の姿勢を正しく維持しつつ所望方向に移動させることが可能となる。
また、本発明の圧電アクチュエータは、バイモルフ型圧電素子をX字型に交差させた交差ユニット(線対称の構造をもち、力学的に安定した構造となっている)を基本単位とし、これを偶数段、積み上げて固定した独自の機械的な構造をもっており、したがって、高出力な圧電アクチュエータを実現することができる。
また、一つのバイモルフ素子に生じる変位が、積み上げた段数分だけ増幅して取り出すことができ、十分な変位量(つまり、対象物の十分な移動距離)を確保することができる。
また、従来例のように拡大機構を用いることなく変位量を大きくすることができるため、部品点数を減らすことができ、装置全体の小型化ができる。また、製造も容易であり、コスト面でも有利となる。
また、圧電アクチュエータを、対象物(位置制御対象)に直接に接続することができ、不要な部材が介在しないために、バイモルフ素子がもつ高速応答性や高耐久性というすぐれた性質をそのまま生かすことができる。
このように、本発明によって、撮像素子のような大きな対象物を、所定方向に、回転ずれを伴うことなく直線的に高出力で駆動でき、しかも、大きな移動量を確保でき、さらに、小型、軽量化に適し、機械的耐久性や製造コスト面でも有利となる、すぐれた特性を備えた圧電アクチュエータが実現される。
また、本発明の圧電アクチュエータを、撮像装置の合焦制御(ピント合わせ)のための機械的駆動源として使用することにより、高速でかつ安定したピント制御が実現される。
また、2個の本発明の圧電アクチュエータの各々を、直交する2軸上に配置することにより、撮像素子を独立した2軸方向に移動させることが可能となる。これにより、手振れを効果的に防止することができる。
近年は、撮像素子の画素数(解像度)の増加に伴い、手振れ防止のための高精度かつ高速な位置制御を行うことができる、小型でしかも高出力のアクチュエータの実現が特に望まれているが、本発明の圧電アクチュエータは、小型・薄型であるため携帯電話等に組み込むカメラ等にも容易に搭載することができ、また、高出力であるため、大きな撮像素子を移動させることもでき、上記の要請に十分に応えることができる。
したがって、本発明によって、高解像度であり、小型かつ軽量であり、十分な手振れ対策も実施できる、高性能なデジタルカメラを実現することができる。
本発明は、撮像素子等の大きな対象物を、所定方向に、大きな距離、移動させることが可能な高出力の圧電アクチュエータを実現できるという効果を奏し、したがって、圧電アクチュエータならびに手振れ防止機能をもつカメラ(撮像装置)に利用可能である。
圧電アクチュエータを用いた撮像素子移動装置の要部の構成を模式的に示す図 図1の撮像素子移動装置における圧電アクチュエータの具体的な構成の一例を示す図 一つのバイモルフ型圧電素子の、電圧を印加しない状態における断面図 一つのバイモルフ型圧電素子の、電圧を印加した状態における断面図 一対のバイモルフ型圧電素子をX字型に交差させた、バイモルフ型圧電素子交差ユニット(電圧を印加して各バイモルフ型圧電素子を変形させた状態)の斜視図 図1の撮像素子移動装置における、電圧を印加しないときと、電圧を印加したときの圧電アクチュエータの具体的な形態を示す図であり、(a)は、電圧を印加しない状態を示す図、(b)は電圧を印加した状態を示す図 上側および下側のバイモルフ型圧電素子の連結部(B)と、上側のバイモルフ型圧電素子と撮像素子との固定部(C)との変位の違いを説明するための、圧電アクチュエータ(電圧印加時)の要部の断面図 図7の固定部(C)においてX方向の変位のみが生じ、Y方向の変位を生じさせようとする応力が働かない理由を説明するための模式図 図1の撮像素子移動装置における圧電アクチュエータの具体的な構成の他の例を示す図 本発明の圧電アクチュエータを用いて構成された、手振れ防止機能をもつ撮像素子の移動装置の要部の構成の一例を示す図 図10に示される撮像素子の移動装置を搭載するデジタルカメラ(撮像装置)の要部の構成を示す図
符号の説明
11 撮像素子
12 圧電アクチュエータ
13 撮像装置の機器本体
35a,35b 圧電セラミック
36 スペーサ兼挟持電極
37c,37d 電圧印加電極
71,72 圧電アクチュエータ
72a,73b 可動枠体の側板
300a,300b 変位検出手段(加速度センサ)
310a,310b A/D変換手段
320 カメラ移動量計算手段
330 アクチュエータ移動量計算手段
340a,340b 昇圧回路

Claims (6)

  1. 一対のバイモルフ型圧電素子がX字型に交差する形態で組み合わされたバイモルフ型圧電素子交差ユニットを、偶数個、積層して相互に固定した構造をもつ圧電アクチュエータ。
  2. 請求項1記載の圧電アクチュエータであって、
    前記バイモルフ型圧電素子交差ユニットの各々を構成する一対のバイモルフ型圧電素子に同方向の変位を生じさせた場合に、前記バイモルフ型圧電素子の各々に生じた変位が合成され、これにより、前記圧電アクチュエータの先端の2つの可動端の各々は、所定方向に、かつ、一つの前記バイモルフ型圧電素子に生じる変位量を越える距離を、移動可能に構成された圧電アクチュエータ。
  3. 請求項1または請求項2記載の圧電アクチュエータの先端の2つの可動端を、撮像素子または撮像素子と一体となって移動する枠体に固定し、前記圧電アクチュエータの駆動力によって前記撮像素子を移動させる撮像素子移動装置。
  4. 請求項3記載の撮像素子移動装置であって、
    少なくとも二つの前記圧電アクチュエータを用いることにより、前記撮像素子を、直交する2軸の各軸方向に移動可能にした撮像素子移動装置。
  5. 請求項3または請求項4記載の撮像素子移動装置を搭載した撮像装置。
  6. 請求項4記載の撮像素子移動装置を搭載すると共に、手振れ検出手段の検出結果に基づき、前記撮像装置の手振れによる移動量を算出し、算出された、その手振れによる移動量に基づき、前記撮像素子を合焦位置に移動させるために必要な前記圧電アクチュエータの各々の変位量を算出し、この算出された変位量に基づき前記圧電アクチュエータの変位量に対応する駆動電圧を発生させ、その駆動電圧を前記撮像素子移動装置内の前記圧電アクチュエータの各々に印加して手振れを防止する機能を具備した撮像装置。
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