JP4058448B2 - レーザピーニング処理方法及びレーザ吸収粉体層シート - Google Patents

レーザピーニング処理方法及びレーザ吸収粉体層シート Download PDF

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Description

本発明は、被加工物に施すレーザピーニング処理方法及びそのレーザピーニング処理を行うためのレーザ吸収粉体層シートに関する。
例えば、エンジンのピストン、シリンダ等は、母材である鋳鉄の表面に酸化皮膜処理等の表面処理を施すことで、鋳鉄の強度と表面処理による高い摺動性の両方を得ている。このように、被加工物に表面処理を施すと、その被加工物の母材の特性と、表面処理による特性の両方を兼ね備えることができる。そして、レーザを用いた金属材料の表面処理方法としては、従来から、レーザ焼入れ、レーザ肉盛り、レーザ合金化、レーザピーニング等が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
レーザ学会編集、「レーザーハンドブック(第2版)」、オーム出版、平成17年4月25日発行、P834,P936
しかしながら、技術躍進が著しい昨今、陳腐化した従来の表面処理方法を前提に製品開発を行っていたのでは、各種工業製品に対する競争力が低下してしまう。
そこで、本発明は、従来にはないレーザピーニング処理方法とそのようなレーザピーニング処理を行うためのレーザ吸収粉体層シートの提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るレーザピーニング処理方法は、樹脂、ガラス、紙、テープ、フィルム又は金属薄膜からなるベースシートと、そのベースシートの一方の面にグラファイト或いは黒色顔料を塗布し、又は、酸化皮膜処理或いはリン酸皮膜処理を施して形成されたレーザ吸収増強皮膜と、ベースシートの他方の面に樹脂、金属、金属間化合物、金属炭化物、金属酸化物、セラミックス、ガラス、超硬合金、ダイヤモンド、カーボン及び立方晶窒化ホウ素の群から選ばれる少なくとも1種の粉体を塗布して形成された粉体皮膜層とからなるレーザ吸収粉体層シートを、被加工物の被加工面に粉体被膜層を向けて敷設し、レーザ吸収増強皮膜にピーク出力(パワー)密度が1GW/cm2乃至10GW/cm2の範囲内の高ピーク出力密度のレーザを照射した際に発生するプラズマの衝撃波により粉体を被加工物の被加工面に打ち込むところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のレーザピーニング処理方法において、レーザ吸収増強皮膜に、水、油、溶融塩又はプラスチック等からなるレーザを透過可能なレーザ干渉層を積層し、そのレーザ干渉層を通してレーザ吸収増強皮膜にレーザを照射するところに特徴を有する。
請求項3の発明に係るレーザピーニング処理方法は、被加工物の被加工面にリン酸処理、メッキ、溶射又は金属コーティングの表面前処理を施し、その上に、レーザ吸収粉体層シートを積層し、レーザ吸収増強皮膜にレーザを照射した際に発生するプラズマの衝撃波により粉体を被加工面に打ち込むところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載のレーザピーニング処理方法において、ベースシートのうち粉体皮膜層側に離型剤を塗布するところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載のレーザピーニング処理方法において、レーザ通過孔を備えたマスクを、レーザを照射するレーザ吸収増強皮膜又はレーザ干渉層に対して間隔を開けて積層し、レーザ通過孔を横切るようにマスク上にレーザを照射するところに特徴を有する。
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れか一項に記載のレーザピーニング処理方法において、被加工物液体を内部で化学反応させるための反応容器であり、その化学反応を促進させるための触媒としての白金、チタン、銀、ダイヤ、グラファイト、マグネシウム又はニッケルを前記粉体にして被加工物の被加工面としての反応容器の内面に打ち込むところに特徴を有する。
請求項7の発明は、請求項1乃至5の何れか一項に記載のレーザピーニング処理方法において、被加工物は摺動部品であり、固体潤滑材を前記粉体にして、被加工面としての摺動面に打ち込むところに特徴を有する。
請求項8の発明は、請求項1,2,4乃至7の何れか一項に記載のレーザピーニング処理方法において、レーザを照射する前に、被加工物の被加工面に、予め、金属、金属間化合物、樹脂又はセラミックスのコーティングを施して皮膜を生成しておくところに特徴を有する。
請求項9の発明は、請請求項1,2,4乃至7の何れか一項に記載のレーザピーニング処理方法において、レーザを照射する前に、被加工物の被加工面に、予め、浸炭処理又は浸窒処理を施しておくところに特徴を有する。
請求項10の発明は、請求項1乃至9の何れか一項に記載のレーザピーニング処理方法において、レーザを照射した際に発生するプラズマの衝撃波により、被加工物の被加工面に陥没部を形成しかつ、その陥没部の内面に粉体皮膜層を構成する粉体が打ち込まれるように、レーザの強度及び/又は照射時間を設定するところに特徴を有する。
請求項11の発明は、請求項1又は2に記載のレーザピーニング処理方法において、被加工物を構成する部材が半凝固状態である間に、レーザを照射した際に発生するプラズマの衝撃波により粉体皮膜層を構成する粉体を被加工物の被加工面に打ち込むところに特徴を有する。
請求項12の発明は、請求項1乃至11の何れか一項に記載のレーザピーニング処理方法において、レーザの出力装置におけるレーザビーム加工光学系とレーザの照射方向を変更する光偏向装置とのうち少なくとも一方を数値制御してレーザを空間的に正確に位置制御して照射するところに特徴を有する。
請求項13の発明に係るレーザ吸収粉体層シートは、樹脂、ガラス、紙、テープ、フィルム又は金属薄膜からなるベースシートと、そのベースシートの一方の面にグラファイト或いは黒色顔料を塗布し、又は、酸化皮膜処理或いはリン酸処理を施して形成されたレーザ吸収増強皮膜と、ベースシートの他方の面に、樹脂、金属、金属間化合物、金属炭化物、金属酸化物、セラミックス、ガラス、超硬合金、ダイヤモンド、カーボン及び立方晶窒化ホウ素の群から選ばれる少なくとも1種の粉体を塗布して形成された粉体皮膜層とで構成されたところに特徴を有する。
請求項14の発明は、請求項13に記載のレーザ吸収粉体層シートにおいて、レーザ吸収粉体層シートのうちレーザ吸収増強皮膜側に、レーザを透過可能なレーザ干渉層を備えたところに特徴を有する。
請求項15の発明は、請求項13又は14に記載のレーザ吸収粉体層シートにおいて、レーザ吸収粉体層シートのうちレーザ吸収増強皮膜側に、レーザ通過孔を有しかつレーザ通過孔以外の部分でレーザの通過を規制可能なマスクを間隔を開けて配置したところに特徴を有する。
本発明の請求項1の発明によれば、高ピーク出力密度のレーザを照射した際に発生するプラズマの衝撃波により粉体皮膜層を構成する固体潤滑剤及び/又は硬化材を被加工物の被加工面に打ち込むという従来にはない新規な方法でレーザピーニング処理を行うので、新しい材料特性を有した製品の製造、又は、レーザピーニング処理設備の改良が可能になる。しかも、被加工物の被加工面が金属で形成されている場合には、レーザを照射した際に発生するプラズマの衝撃波により固体潤滑剤及び/又は硬化材が被加工物の被加工面に打ち込まれると共に、被加工物の表面部が塑性変形して金属結晶が細分化するので、被加工物の被加工面が硬化して、被加工物の被加工面の耐摩耗性、耐摺動性及び耐腐食性を著しく向上させることができる。ここで、本発明の範囲には含まれないが、元来黒色の粉体又は黒色に着色された粉体を被加工物の被加工面に塗布して粉体皮膜層を形成し、その粉体皮膜層にレーザを直接照射してプラズマを発生させ、そのプラズマの衝撃波により粉体皮膜層を被加工物の被加工面に打ち込んでもよい。
また、発明のレーザ吸収粉体層シートは、レーザ吸収増強皮膜をベースシートの一方の面に備えているので、照射されたレーザを効率よく吸収することができる。これにより、プラズマの発生が容易になり、レーザを照射した際に発生するプラズマの衝撃波によってベースシートの他方の面に備えた粉体を被加工物の被加工面に打ち込むという、従来のレーザピーニング処理方法にはない効果を発揮することができる。また、レーザ吸収粉体層シートは、粉体皮膜層とレーザ吸収増強皮膜とがベースシートを介して一体に形成されているので、このレーザ吸収粉体層シートを被加工物の被加工面に敷設するだけで、被加工物の被加工面に粉体皮膜層を形成すると共にレーザ吸収増強皮膜を敷設することになり、効率よくレーザピーニング処理の準備をすることができる。そして、レーザ吸収粉体層シートを構成するベースシートのうち粉体皮膜層側に離型剤を塗布しておけば、レーザピーニング処理を行ってからベースシートを被加工物から容易に捲り取ることが可能になる(請求項の発明)。なお、レーザ吸収粉体層シートを構成するベースシートは、所定の効果を発揮し得る厚さのものであればよい。具体的には、例えば、比較的厚い、所謂「薄板材」であっても、比較的薄い、所謂「フィルム」であっても、ベースシートの一方の面に形成されたレーザ吸収増強皮膜にレーザが照射された際に発生するプラズマの衝撃波によりベースシートの他方の面に形成された粉体皮膜層を構成する粉体が被加工物の被加工面に打ち込まれる厚みであれば、厚みに拘わらず何れもレーザ吸収粉体層シートを構成するベースシートに該当する。
ここで、一例として、被加工物が反応容器である場合には、本発明に係るレーザピーニング処理方法を用いることで、被加工面としての反応容器の内面に触媒の粉体を打ち込むことができる。これにより、反応容器内で液体を効率よく化学反応させることが可能になりかつ腐食も抑えることができる(請求項の発明)。また、被加工物が摺動部品である場合には、本発明に係るレーザピーニング処理方法を用いることで、摺動部品の摺動面に、個体潤滑材としての粉体を打ち込むことができる。これにより、摺動部品の摺動性が向上し、摩耗を抑えることが可能になる(請求項の発明)。さらに、被加工物が工具刃である場合には、本発明に係るレーザピーニング処理方法を用いることで、ダイヤモンド、セラミックス、超硬合金等の粉体を打ち込むことができる。これにより、工具刃による切削性を向上させることができる。
ここで、固体潤滑材及び/又は硬化材を構成する粉体の材質は、金属、金属間化合物、金属炭化物、金属酸化物、樹脂、セラミックス、超硬合金、ダイヤモンド、カーボン、ガラス及び立方晶窒化ホウ素(cBN)が挙げられる。また、粉体の構造は、球状、ファイバー、ナノチューブその他の構造であってもよい。
被加工物の被加工面には、粉体皮膜層を設ける前に予め、リン酸処理、メッキ、溶射又は金属コーティングの表面前処理を施しておいてもよい(請求項3の発明)。また、被加工物の被加工面には、レーザを照射する前に予め、酸化皮膜処理又はリン酸処理を施しておいてもよいし、金属、金属間化合物、樹脂又はセラミックスのコーティングを施しておいてもよい(請求項の発明)。或いは、浸炭処理、浸窒処理その他の含浸処理を施しておいてもよい(請求項の発明)。ここで、被加工物の母材の材質は問わない。従って、被加工物は、金属、樹脂又はセラミックスの何れであってもよい。被加工物が金属である場合には、その金属には、鉄鋼材料、鋳物材、非鉄金属ダイキャスト鋳物、チタン合金、アルミニウム合金やマグネシウム合金、ニッケル合金、銅合金、銀、金が含まれる。なお、請求項11のレーザピーニング処理方法のように、被加工物を構成する部材が半凝固状態である間に、レーザを照射した際に発生するプラズマの衝撃波により粉体皮膜層を構成する粉体を被加工物の被加工面に打ち込んでもよい。ここで、半凝固状態とは、固相率が30[%]〜80[%]程度となる状態をいう。
被加工物の被加工面にグラファイト或いは黒色顔料を塗布し、又は、酸化皮膜処理或いはリン酸皮膜処理を施してレーザ吸収皮膜を形成しておくと、レーザ吸収増強皮膜におけるレーザの吸収効率が高くなり、プラズマの発生が容易になる。
請求項2及び請求項14の発明によれば、レーザはレーザ干渉層を透過してレーザ吸収増強皮膜に照射され、そのレーザ吸収増強皮膜でプラズマが発生する。レーザを照射した際に発生したプラズマは、レーザ干渉層の慣性力により膨張が押さえられ、粉体皮膜層及び被加工物の被加工面に付与する衝撃波の強度を高めることができる。ここで、レーザ干渉層は、水、油、溶融塩その他の透明な液体であってもよいし、プラスチックその他の透明なシートであってもよい。
請求項及び請求項15の発明によれば、レーザ通過孔を横切るようにマスク上にレーザを照射することで、被加工物の被加工面のうちレーザ通過孔に対応した部分に選択的に粉体皮膜層を打ち込むことができる。
請求項12の発明のように、レーザの出力装置におけるレーザ加工光学系と、レーザの照射方向を変更する光偏向装置とのうち少なくとも一方を数値制御してレーザを照射すれば、レーザを空間的に正確に位置制御して照射することができる。また、レーザの照射位置を高速で移動させることができるので、レーザピーニング処理作業を高速化することができる。
また、レーザ吸収増強皮膜で粉体皮膜層を覆う前に、その粉体皮膜層を加圧して被加工物の被加工面に押し付けておけば、即ち、予備打込工程を行っておけば、粉体皮膜層をレーザ吸収増強皮膜で覆ってからレーザを照射してプラズマを発生させた際に、粉体皮膜層を被加工物の被加工面に確実に打ち込むことができる。その予備打込工程は、粉体皮膜層に超音波ピーニングを施すことで行うことができる。
上記によれば、被加工物の被加工面に陥没部が形成されかつ、その陥没部の内面に粉体皮膜層を打ち込むという、今までないレーザピーニング処理を行うことができる。このレーザピーニング処理を摺動面に施せば、陥没部に潤滑油又は減摩材が溜まり、摺動面に潤滑油等を留めておくことができる。また、被加工物よりも硬度が大きい粉体を粉体皮膜層として陥没部の内面に打ち込んだ場合には、被加工物の被加工面の摩耗が進んで陥没部の内面に打ち込まれた粉体が相手部品と摺接するようになると、相手部品と摺接する面の耐摩耗性が全体として向上するので、被加工物の摩耗の進行を抑制することができる。しかも、相手部品に摺接していた粉体の摩耗が進むと近接して埋め込まれた他の粉体が次々に相手部品と摺接するので、被加工物の摩耗の進行を抑制する効果を継続して発揮することができる。
[第1実施形態]
以下、本発明に係るレーザピーニング処理方法の一実施形態について、図1及び図2に基づいて説明する。本実施形態においてレーザピーニング処理の対象となるワーク10(本発明の「被加工物」に相当する)は、摺動部品、例えば、エンジンのシリンダであって、図1にはワーク10の一部が拡大して示されている。なお、ワーク10は、摺動部品であれば、例えば、ベアリング、エンジンのピストン又はバルブ、直動ガイド等であってもよい。ワーク10の母材11は、例えば、鉄鋼材料であり、その母材11の被加工面には、潤滑剤、例えば、アモルファス合金からなる表面処理層12が、レーザを照射する前に、予め、例えばメッキ処理により形成されている。なお、表面処理層12は、アモルファス合金に代えて、ニッケル超合金、二硫化モリブデン等で構成してもよい。この表面処理層12の表面は、ワーク10の摺動面(本発明の「被加工面」に相当する)となる。なお、母材11の表面に表面処理層12を設けない場合は、母材11の表面がワーク10の摺動面となる。
このワーク10に本発明のレーザ吸収粉体層シート40を用いてレーザピーニング処理を施すには、以下のようである。まず、ワーク10の摺動面にレーザ吸収粉体層シート40を敷設する。このレーザ吸収粉体層シート40は、図1に示すように、ベースシート14と、ベースシート14の一方の面に形成された粉体皮膜層13と、ベースシート14の他方の面に形成されたレーザ吸収増強皮膜14Bと、レーザ吸収増強皮膜14Bに重ねて形成されたレーザ干渉層15とで構成されている。より詳細には、ベースシート14は、例えば、薄いシート状のアルミホイルで形成されている。このベースシート14のうち摺動面を向いた面には、粉体皮膜層13が形成されている。この粉体皮膜層13は、ベースシート14に、ワーク10の摺動面、より正確には表面処理層12の材質と異なる材質の粉体又は混合物13F(本発明の「粉体」に相当する)、例えば、フッ素系樹脂を塗布して形成されている。この粉体又は混合物13Fの個々の形状は、不均一な微粉となっている。なお、粉体又は混合物13Fは、フッ素系樹脂に代えて金属間化合物で構成してもよいし、フッ素系樹脂と金属間化合物との混合物で構成してもよい。即ち、材質が異なる複数種類の粉体の混合物で粉体皮膜層13を構成してもよい。ベースシート14のうち粉体皮膜層13が形成された面と反対側の面に形成されているレーザ吸収増強皮膜14Bは、例えば、ベースシート14を黒色顔料で黒色に着色してなる。なお、レーザ吸収増強皮膜14Bは、黒色顔料に代えてグラファイトをベースシート14の他方の面に塗布して形成してもよい。レーザ干渉層15は、レーザ吸収増強皮膜14Bを、例えば、厚みが100[μm]〜500[μm]の膜状であってレーザ透過性を有する合成樹脂で覆って形成されている。
なお、レーザ吸収粉体層シート40を、ベースシート14と、ベースシート14の一方の面に形成された粉体皮膜層13と、ベースシート14の他方の面に形成されたレーザ吸収増強皮膜14Bとで構成した場合には、レーザ吸収粉体層シート40をワーク10の摺動面に敷設しておき、ベースシート14のうちワーク10の摺動面と反対側の面に形成されたレーザ吸収増強皮膜14Bに重ねてレーザ干渉層15を設け、上記と同様にレーザを照射すればよい。この際、レーザ干渉層15は、レーザ透過性の合成樹脂であってもよいし、水、油、溶融塩その他の透明な液体であってもよい。また、水、油は、厚さを1[mm]〜5[mm]とするのが好ましい。さらに、水、油は、静止していてもよいし、流れていてもよい。
次いで、レーザ干渉層15に向けてレーザを照射する。具体的には、QスイッチのNd:YAGレーザ装置を用い、エネルギー出力が100[mJ/pulse]〜300[mJ/pulse]、波長が例えば、532[nm]、ピーク出力密度が3.0[GW/cm]、 繰り返し周期が10[Hz]〜100[Hz]のパルス波をレーザ干渉層15に向けて出力する。このとき、図示しないレーザ装置(本発明の「出力装置」に相当する)におけるレーザ光出射部20に集光レンズ21(本発明の「レーザビーム加工光学系」に相当する)を設けて、レーザ干渉層15上におけるレーザ照射径が0.2[mm]〜6.0[mm]になるようにレーザを集光する。
上記の如くレーザが出力されると、そのレーザは、レーザ干渉層15を透過し、黒色のレーザ吸収増強皮膜14Bに吸収され、さらにレーザ吸収粉体層シート40の一部又は全部に吸収され、レーザ吸収粉体シート40の構成物質である原子、分子、イオン等の粒子群が高温に加熱され、爆発的にプラズマが放出される。そして、それら粒子群の放出による反作用力が粉体皮膜層13へと付与され、粉体皮膜層13の粉体又は混合物13Fがワーク10の表面処理層12に打ち込まれる。ここで、レーザ吸収粉体層シート40にレーザ干渉層15を設けたので、そのレーザ干渉層15の慣性力により粒子群の放出による反作用力が大きくなり、レーザ干渉層15を設けない場合に比べて粉体又は混合物13Fがワーク10の表面処理層12に強く、例えば、1[GPa]〜10[GPa]の圧力で押し付けられ、粉体又は混合物13Fがワーク10の表面処理層12に強く打ち込まれる。そして、レーザを照射する部分を移動していき、ワーク10のうち本発明に係るレーザピーニング処理が必要な部分全体にレーザを照射する。
次いで、レーザ吸収粉体層シート40をワーク10から捲り取る。すると、図2に示すように、粉体皮膜層13のうちの一部の粉体又は混合物13Fがワーク10の表面処理層12に埋め込まれた状態で残り、その他の粉体又は混合物13Fはレーザ吸収粉体層シート40と共に取り除かれる。なお、ワーク10に表面処理層12が設けられていない場合は、ワーク10の母材11の表面に粉体又は混合物13Fが直接打ち込まれる。
このワーク10を図示しない相手部品に組み付けて摺動させると、粉体又は混合物13Fがワーク10と相手部品との間に介在し、摺動抵抗を低減することができる。しかも、レーザを照射した際に発生したプラズマの衝撃波によりワーク10の表面処理層12に粉体又は混合物13Fが打ち込まれると、表面処理層12としての金属が塑性変形して金属結晶が細分化するので、表面処理層12が硬化してワーク10の摺動面の耐摩耗性、耐摺動性及び耐腐食性を著しく向上させることができる。なお、粉体又は混合物13Fがワーク10の表面処理層12よりも硬い場合は、耐摩耗性をより向上させることができる。
なお、レーザ干渉層15が水で構成されている場合は、本実施形態のレーザ装置のように、波長が532[nm]のレーザを用いる方が、その倍の波長の1064[nm]のレーザを用いるより、レーザ干渉層15にレーザを容易に透過させることができる。よって、レーザ干渉層15を水で構成した場合に使用するYAGレーザ装置の設定は、波長を532[nm]、パルス幅が1[ns]〜数10[ns]、そのパルスエネルギーが数100[mJ]〜10[J]で、そのピーク出力密度が1[GW/cm]〜10[GW/cm]の高ピーク出力密度のレーザとすることが好ましい。これにより、レーザによる衝撃波を、数10[Hz]〜数100[Hz]の周波数で付与することができる。
[第2実施形態]
本実施形態では、前記第1実施形態のレーザ装置を用いてレーザ干渉層15の所定の箇所をレーザで照射したら、一度、レーザを停止して、別の箇所をレーザで照射する動作を繰り返す。すると、図3及び図4に示すように、ワーク10の摺動面には、レーザが照射された複数の箇所にそれぞれレーザが照射された際に発生するプラズマの衝撃波により陥没した陥没部30が形成され、それら陥没部30の内面に粉体又は混合物13Fが打ち込まれた状態になる。この陥没部30は、深さが例えば5[μm]〜50[μm]になっている。さらに、陥没部30は衝撃波によって陥没したものであるから、陥没部30の縁部はエッジ形状に緩やかに湾曲した形状になる。
従って、このワーク10を図5(A)に示すように相手部品60に組み付け、その相手部品60と陥没部30との間に潤滑油61を付着させると、ワーク10のうち相手部品60に密着した部分で陥没部30が油溜まりの役割を果たす。これにより、潤滑油61を摺動面に長時間に亘って保持することが可能なる。また、ワーク10よりも硬度が大きい粉体又は混合物13Fを陥没部30の内面に打ち込んだ場合には、隣り合う陥没部30と陥没部30の間に形成される尾根部12Pが相手部品60と摺動して摩耗すると、図5(B)に示すように陥没部30の内面に打ち込まれた粉体又は混合物13Fが相手部品60と摺動するようになるので、摺動面全体の耐摩耗性が向上して、ワーク10の摩耗の進行を抑制することができる。しかも、相手部品60と摺接していた粉体又は混合物13Fの摩耗が進行すると、近接する他の粉体又は混合物13Fが次々に相手部品60と摺接するので、ワーク10の摩耗の進行を抑制する効果を継続して発揮することができる。また、陥没部30の縁部は緩やかに湾曲しているので、ワーク10と相手部品60とを摺動させる際に陥没部30の縁部が相手部品60の被加工面を削り取るようなこともない。
上記した本実施形態に係る表面処理方法では、レーザの照射・停止を繰り返してワーク10の被加工面に複数の陥没部30を形成したが、例えば、図6及び図7に示すように複数のレーザ通過孔18Aを備えたマスク18をレーザ吸収粉体層シート40と間隔を開けて配置しておき、レーザ通過孔18Aを横切るようにマスク18上にレーザを照射してもよい。これにより、レーザの照射・停止を繰り返す場合より、迅速に陥没部30を形成することができる。なお、マスク18は、例えば、厚さ0.1[mm]〜5.0[mm]の金属シート又はセラミックスシートで構成すればよい。
[第3実施形態]
図8には、本発明に係るレーザ吸収粉体層シート40が示されている。このレーザ吸収粉体層シート40は、例えば、前記第1実施形態と同様の構成のベースシート14を主要部として備えている。そして、ベースシート14の一方の面にレーザ吸収増強皮膜14Bとレーザ干渉層15とを設け、ベースシート14の他方の面に離型剤16を塗布し、その離型剤16に粉体粉体又は混合物13Fを付着させて粉体皮膜層13を形成した構造になっている。
このレーザ吸収粉体層シート40は、粉体皮膜層13側を図示しないワーク10の被加工面に宛がって敷設される。そして、レーザ干渉層15側にレーザを照射すれば、前記第1及び第2実施形態と同様に、ワーク10の被加工面に粉体又は混合物13Fを打ち込むことができかつ、レーザの強度や照射時間等の設定により、ワーク10の被加工面に陥没部を形成しかつその陥没部の内面に粉体又は混合物13Fを打ち込むことができる。
また、図9に示すように、このレーザ吸収粉体層シート40を供給するシート供給装置22をレーザ光出射部20に固定しておき、シート供給装置22をレーザ光出射部20に先行させて、レーザ吸収粉体層シート40をワーク10の被加工面に敷設しながらレーザを照射してもよい。これにより、効率よく粉体又は混合物13Fをワーク10の打ち込むことができる。
[第4実施形態]
本実施形態では、図10に示すように、レーザ装置のレーザ光出射部20にブラケット23を介して噴射ノズル24が取り付けられている。噴射ノズル24は、レーザ光出射部20が出力するレーザの光軸に対して、5〜45度程度傾けて取り付けられ、噴射ノズル24の先端側がレーザの光軸側に接近するように配置されている。そして、レーザ光出射部20からワーク10の被加工面に向けてレーザを照射した場合に、噴射ノズル24の先端がワーク10の被加工面のうちレーザの照射部分から若干ずれた位置に突き合わされる。また、噴射ノズル24には、粉体皮膜層を構成する粉体又は混合物13Fを圧縮ガス(本発明の「キャリアガス」に相当する)、例えば、二酸化炭素と共に供給する図示しない粉体供給装置が連結されている。なお、圧縮ガスは、二酸化炭素に代えて、アルゴンその他の不活性ガスでもよい。噴射ノズル24におけるレーザ光出射部20側には、シート供給装置25が取り付けられている。そのシート供給装置25には、一方の面にレーザ吸収増強皮膜14Bを備えたベースシート14が巻回されて装着されている。このベースシート14は、前記第1実施形態と同一の構成をなしている。また、レーザ吸収増強皮膜14は、ベースシート14の一方の面に、例えば、黒色顔料を塗布して形成されている。
そして、粉体供給装置とシート供給装置25とを作動させ、レーザ光出射部20に先行させて噴射ノズル24をワーク10の被加工面に沿って移動する。すると、噴射ノズル24からガスと共に粉体又は混合物13Fが吐出され、ワーク10の被加工面に吹き着けられて、粉体皮膜層13が形成されると共に、粉体皮膜層13が形成されていくところに追従してレーザ吸収増強皮膜14Bを備えたベースシート14がレーザ吸収増強皮膜14Bが形成された面を粉体皮膜層13と反対側に向けて敷設され、さらに、レーザ吸収増強皮膜14Bを備えたベースシート14が敷設されたところに追従してレーザ吸収増強皮膜14Bにレーザが照射される。この構成により、効率よく粉体又は混合物13Fをワーク10の被加工面に打ち込むことができる。
なお、粉体皮膜層13は、ワーク10の被加工面と、ベースシート14のうちレーザ吸収増強皮膜14Bと反対側の面との両方に形成してもよい。また、粉体皮膜層13にレーザ吸収増強皮膜14Bを備えたベースシート14を敷設する代わりに、粉体皮膜層13に、例えば、グラファイト又は黒色顔料を吹き付けてレーザ吸収増強皮膜14Bを形成し、レーザ吸収増強皮膜14Bを備えたベースシート14を敷設する場合と同様の手順でレーザ吸収増強皮膜14Bにレーザを照射してもよい。
[第5実施形態]
本実施形態の被加工物は、例えば、化学プラントで使用される反応容器(図示せず)であって、液体を貯留して化学反応させるために用いられる。本実施形態では、その化学反応に必要な触媒、例えば、白金を粉体にし、上記した第1乃至第4の実施形態の何れかのレーザピーニング処理方法を用いて、反応容器の内面(本発明の「被加工面」に相当する)に打ち込む。これにより、反応容器内の化学反応を促進させることができる。なお、
触媒は、白金の粉体に代えて、チタン、銀、ダイヤモンド、グラファイト、マグネシウム又はニッケルの粉体としてもよい。
[第6実施形態]
図11に示すように本実施形態のレーザピーニング処理方法では、前記第4実施形態で説明した噴射ノズル24とシート供給装置25との間に超音波出力部26を設け、噴射ノズル24から吐出された粉体又は混合物13Fよりなる粉体皮膜層13に、超音波出力部26が出力し超音波を付与して超音波ピーニングを施している。そして、その粉体皮膜層13の上に前記第4実施形態で説明したレーザ吸収増強皮膜14Bを備えたベースシート14を敷設し、そのベースシート14のうちレーザ吸収増強皮膜14Bにレーザを照射してワーク10に粉体又は混合物13Fを打ち込んでいる。
本実施形態の構成によれば、超音波ピーニングにより粉体又は混合物13Fをワーク10の被加工面に仮打ち込みする予備打ち込み工程を行ってからレーザを照射し、レーザを照射した際に発生するプラズマの衝撃波により粉体又は混合物13Fをワーク10の被加工面に本打ち込みするので、レーザを照射した際に発生するプラズマの衝撃波のみにより一度に粉体又は混合物13Fをワーク10に打ち込む場合に比べて確実に粉体又は混合物13Fをワーク10の被加工面に打ち込むことができる。従って、ワーク10の被加工面に表面前処理、具体的には、メッキ或いは溶射をした場合、又は、酸化皮膜処理或いはリン酸皮膜処理を施した場合、又は、金属、金属間化合物、樹脂或いはセラミックスのコーティングした場合、又は、浸炭処理、浸窒処理その他の含浸処理をした場合は、ワーク10の被加工面の硬度が高くなっているので、本実施形態のレーザピーニング処理方法を用いることが好ましい。なお、予備打ち込み工程は、粉体超音波ピーニングで行ってもよいし、打撃針を用いた超音波ピーニングで行ってもよい。
以上、第1〜第6の実施形態で例示したように、本発明に係るレーザピーニング処理方法は、レーザを照射した際に発生するプラズマの衝撃波により粉体又は混合物13Fをワーク10の被加工面に打ち込むという従来にはない新規な方法でレーザピーニング処理を行うので、新しい材料特性を有した製品の製造、又は、レーザピーニング処理設備の改良が可能になる。
なお、本発明の発明の範囲には含まれないが、ワーク10の被加工面に、スプレー缶内の粉体又は混合物13F、例えば、トリクロルエタンとグラファイトと金属粉末との混合物を吹き付けて粉体皮膜層13を形成してもよい。ここで、粉体又は混合物13Fは、トリクロルエタンとグラファイトと金属粉体との混合物に代えて、トリクロルエタンと元来黒色の粉体又は黒色に着色した粉体とを混合したものに、セラミックス粉体又は固体潤滑材及び/又は硬化材を加えたものでもよい。そして、図12に示すように、粉体皮膜層13を、水、油、溶融塩又はプラスチック等からなるレーザ干渉層15で覆い、そのレーザ干渉層15にレーザを照射すると、粉体皮膜層13の表面で発生したプラズマの衝撃波により粉体皮膜層13をワーク10の表面処理層12に打ち込むことができる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記第1乃至第3実施形態では、レーザ吸収粉体層シート40のベースシート14をアルミホイルで構成していたが、樹脂、ガラス、紙、テープ、フィルム又は金属薄膜のシートで構成してもよい。なお、シートを構成する樹脂としては、例えば、ナイロン膜がある。
(2)前記第1乃至第3実施形態では、レーザ吸収粉体層シート40の粉体皮膜層13を構成する粉体又は混合物13Fとしてフッ素系樹脂と金属間化合物とを例示したが、これらに加えて、例えば、樹脂、金属、金属炭化物、金属酸化物、セラミックス、ガラス、超硬合金、ダイヤモンド、カーボン、立方晶窒化ホウ素等の粉体で粉体皮膜層13を構成してもよい。
(3)前記第1乃至第4実施形態では、レーザ吸収増強皮膜14Bを、ベースシート14の一方の面に黒色顔料又はグラファイトを塗布して形成していたが、レーザ吸収増強皮膜14Bを、ベースシート14の一方の面に酸化皮膜処理又はリン酸皮膜処理を施して形成してもよい。
(4)また、本発明に係るレーザピーニング処理方法を用いて、工具の表面に、固体潤滑材、又は硬化材としてセラミックス粉体、ダイヤモンドの粉体、立方晶窒化ホウ素(cBN)の粉体、超硬合金の粉体を打ち込んでもよい。
(5)前記各実施形態では、1つのレーザ光出射部20で1種類のレーザをワーク10に照射していたが、複数のレーザ装置を設け、波長の異なる複数種類のレーザをレーザ吸収増強皮膜14Bに照射してもよい。これにより、レーザ吸収増強皮膜14Bにおけるレーザの吸収率を向上させることができる。具体的には、図13に示すように波長が1064[nm]のレーザを出力する第1レーザ装置63と、波長が532[nm]のレーザを出力する第2レーザ装置64とを設け、これら第1及び第2のレーザ装置63,64が出力したレーザをレーザ合成部65で合成する。そのレーザ合成部65には、図14に示したプリズム66を設けておき、例えば第1レーザ装置63のレーザを、プリズム66の斜面66Aに貫通させてレーザ吸収増強皮膜14Bに照射し、第2レーザ装置64のレーザを、プリズム66の斜面66Aで反射させて、第1レーザ装置63のレーザの照射部分に重ねて第2レーザ装置64のレーザを照射すればよい。このとき、レーザ吸収増強皮膜14B上におけるレーザ照射径を、第1と第2のレーザ装置63,64の間で異ならせてもよい。
(6)レーザ光出射部20が出力したレーザを、光偏向装置、例えば、X−Yガルバノミラーを利用してワーク10上に走査して表面処理を施すようにしてもよい。これにより、レーザ光出射部20から出射されたレーザは、X−Yガルバノミラーの角度により照射方向が制御されてワーク10に照射されたレーザの照射部分を変更する場合に比べて、レーザピーニング処理の高速化が図られる。
(7)前記各実施形態において、レーザ光出射部20に設けられた集光レンズ21と、光偏向装置とのうち少なくとも一方を数値制御すると、レーザ光出射部20から出射されたレーザを空間的に正確に位置制御して照射することができる。また、ワーク10の被加工面を連続して照射することができるので、パルス幅が1[ns]〜数10[ns]というレーザ装置の特性がより活かされるようになり、作業を高速化することができる。
(8)前記第3実施形態では、ベースシート14の片面に塗布した離型剤16に粉体又は混合物13Fを付着させていたが、離型剤16に代えて、接着剤又は粘着テープ等で粉体又は混合物13Fを付着させてもよい。
(9)前記第1乃至第3の実施形態では、レーザ吸収粉体層シート40をワーク10の被加工面に敷設していたが、ワーク10の被加工面に粉体皮膜層13を設け、その粉体皮膜層13をレーザ吸収増強皮膜14Bで覆い、このレーザ吸収増強皮膜14Bにレーザを照射するようにしてもよい。なお、粉体皮膜層13は、樹脂、金属、金属間化合物、金属炭化物、金属酸化物、セラミックス、ガラス、超硬合金、ダイヤモンド、カーボン及び立方晶窒化ホウ素等の固体潤滑材及び/又は硬化材で構成すればよい。ここで、固体潤滑剤には、粉体と皮膜とが含まれる。また、レーザ吸収増強皮膜14Bは、粉体皮膜層13の上、又は、前記第4実施形態と同様にベースシート14の一方の面に、グラファイト或いは黒色顔料を塗布し、又は、酸化皮膜処理或いは酸皮膜処理を施して形成すればよい。さらに、図15に示すように、レーザ吸収増強皮膜14Bに重ねて、レーザ干渉層15を設けてもよい。このレーザ干渉層15は、前記第1実施形態と同様に、レーザ吸収増強皮膜14Bに、水、油、溶融塩又はプラスチック等を積層して形成すればよい。
本発明の第1実施形態に係るワークにレーザ吸収皮膜層シートを敷設した状態を示した断面図 ワークの表面に粉体が打ち込まれた状態を示した断面図 第2実施形態に係るワークの表面に陥没部が形成されかつその陥没部内に粉体が打ち込まれた状態を示した断面図 その斜視図 (A)ワークと相手部品との摺動面に潤滑油を浸した状態を示した断面図(尾根部摩耗前)、(B)ワークと相手部品との摺動面に潤滑油を浸した状態を示した断面図(尾根部摩耗後) レーザ吸収粉体層シートにマスクを重ねた状態を示した斜視図 その断面図 第3実施形態に係るレーザ吸収粉体層シートの断面図 レーザ吸収粉体層シートを供給しながらレーザを照射する構成を示した断面図 第4実施形態に係るワークの表面に粉体皮膜層とレーザ吸収増強皮膜とを同時に形成しながらレーザを照射する構成を示した断面図 第6実施形態に係るワークの表面に粉体皮膜層を形成しならがその粉体皮膜層に超音波を付与する構成を示した断面図 本発明の範囲に含まれない実施形態に係るワークの表面に設けた粉体皮膜層にレーザ干渉層を積層した状態を示した断面図 他の実施形態(5)に係る2つのレーザを合成して照射するためのレーザ装置の斜視図 レーザ合成部の概念図 他の実施形態(9)に係るワークに粉体皮膜層、レーザ吸収増強皮膜及びレーザ干渉層を積層した状態を示した断面図
符号の説明
10 ワーク(被加工物)
13 粉体皮膜層
13F 粉体又は混合物(粉体)
14 ベースシート
14B レーザ吸収増強皮膜
15 レーザ干渉層
16 離型剤
18 マスク
18A レーザ通過孔
21 集光レンズ(レーザビーム加工光学系)
24 噴射ノズル
30 陥没部
40 レーザ吸収粉体層シート

Claims (15)

  1. 樹脂、ガラス、紙、テープ、フィルム又は金属薄膜からなるベースシートと、そのベースシートの一方の面にグラファイト或いは黒色顔料を塗布し、又は、酸化皮膜処理或いはリン酸塩処理を施して形成されたレーザ吸収増強皮膜と、前記ベースシートの他方の面に樹脂、金属、金属間化合物、金属炭化物、金属酸化物、セラミックス、ガラス、超硬合金、ダイヤモンド、カーボン及び立方晶窒化ホウ素の群から選ばれる少なくとも1種の粉体を塗布して形成された粉体皮膜層とを備えたレーザ吸収粉体層シートを、被加工物の被加工面に前記粉体被膜層を向けて敷設し、前記レーザ吸収増強皮膜にピーク出力密度が1GW/cm2乃至10GW/cm2の範囲内の高ピーク出力密度のレーザを照射した際に発生するプラズマの衝撃波により前記粉体を前記被加工物の前記被加工面に打ち込むことを特徴とするレーザピーニング処理方法。
  2. 前記レーザ吸収増強皮膜に、水、油、溶融塩又はプラスチックの何れかからなる前記レーザを透過可能なレーザ干渉層を積層し、そのレーザ干渉層を通して前記レーザ吸収増強皮膜に前記レーザを照射することを特徴とする請求項1に記載のレーザピーニング処理方法。
  3. 被加工物の被加工面にリン酸塩処理、メッキ、溶射又は金属コーティングの表面前処理を施すことを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザピーニング処理方法。
  4. 前記ベースシートのうち前記粉体皮膜層側に離型剤を塗布することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のレーザピーニング処理方法。
  5. レーザ通過孔を備えたマスクを、前記レーザを照射する前記レーザ吸収増強皮膜又は前記レーザ干渉層に対して間隔を開けて積層し、前記レーザ通過孔を横切るように前記マスク上に前記レーザを照射することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のレーザピーニング処理方法。
  6. 前記被加工物は液体を内部で化学反応させるための反応容器であり、その化学反応を促進させるための触媒としての白金、チタン、銀、ダイヤ、グラファイト、マグネシウム又はニッケルを前記粉体にして前記被加工物の前記被加工面としての前記反応容器の内面に打ち込むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のレーザピーニング処理方法。
  7. 前記被加工物は摺動部品であり、固体潤滑材を前記粉体にして、前記被加工面としての摺動面に打ち込むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のレーザピーニング処理方法。
  8. 前記レーザを照射する前に、前記被加工物の前記被加工面に、予め、金属、金属間化合物、樹脂又はセラミックスのコーティングを施して皮膜を生成しておくことを特徴とする請求項1,2,4乃至7の何れか一項に記載のレーザピーニング処理方法。
  9. 前記レーザを照射する前に、前記被加工物の前記被加工面に、予め、浸炭処理、又は浸窒処理を施しておくことを特徴とする請求項1,2,4乃至7の何れか一項に記載のレーザピーニング処理方法。
  10. 前記レーザを照射した際に発生する前記プラズマの衝撃波により、前記被加工物の前記被加工面に陥没部を形成しかつ、その陥没部の内面に前記粉体皮膜層を構成する前記粉体が打ち込まれるように、前記レーザの強度及び/又は照射時間を設定することを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載のレーザピーニング処理方法。
  11. 前記被加工物を構成する部材が半凝固状態である間に、前記レーザを照射した際に発生する前記プラズマの衝撃波により前記粉体被膜層を構成する粉体を前記被加工物の前記被加工面に打ち込むことを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザピーニング処理方法。
  12. 前記レーザの出力装置におけるレーザビーム加工光学系と前記レーザの照射方向を変更する光偏向装置とのうち少なくとも一方を数値制御して前記レーザを空間的に正確に位置制御して照射することを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載のレーザピーニング処理方法。
  13. 樹脂、ガラス、紙、テープ、フィルム又は金属薄膜からなるベースシートと、そのベースシートの一方の面にグラファイト或いは黒色顔料を塗布し、又は、酸化皮膜処理或いはリン酸塩処理を施して形成されたレーザ吸収増強皮膜と、前記ベースシートの他方の面に、樹脂、金属、金属間化合物、金属炭化物、金属酸化物、セラミックス、ガラス、超硬合金、ダイヤモンド、カーボン及び立方晶窒化ホウ素の群から選ばれる少なくとも1種の粉体を塗布して形成された粉体皮膜層とで構成されたことを特徴とするレーザ吸収粉体層シート。
  14. 前記レーザ吸収粉体層シートのうち前記レーザ吸収増強皮膜側に、前記レーザを透過可能なレーザ干渉層を備えたことを特徴とする請求項13に記載のレーザ吸収粉体層シート。
  15. 前記レーザ吸収粉体層シートのうち前記レーザ吸収増強皮膜側に、レーザ通過孔を有しかつレーザ通過孔以外の部分で前記レーザの通過を規制可能なマスクを間隔を開けて配置したことを特徴とする請求項13又は14に記載のレーザ吸収粉体層シート。
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