JP4057554B2 - 室端壁と室側壁との間の可撓性接続部を有する燃焼室 - Google Patents

Description

本発明は、軸Ｘのターボ機械用の環状燃焼室に関し、燃焼室は、径方向内側側壁と、径方向外側側壁と、前記燃焼室の上流側領域で前記内側側壁と前記外側側壁との間に配置される室端壁とを備え、室端壁が、複数の径方向内側の取り付け結合金具および複数の径方向外側の取り付け結合金具を用いて、内側側壁および外側側壁に固定され、径方向内側の取り付け結合金具および径方向外側の取り付け結合金具が、結合金具の各々のゾーンを側壁に対してボルト締めすることによって、室端壁の上流側に配置される。

現在、室端壁と、内側側壁および外側側壁は、類似の材料から作成されており、近似する膨張係数を有し、且つ室端壁と前記内側側壁および外側側壁との間の接続は、剛性なボルト締め結合金具によって実施され、ボルト締め結合金具は、軸方向に短くてもよい。

ターボ機械の効率を増加するために、特に航空機において、熱い燃焼ゾーンにおけるガスの温度は、一層上昇されており、側壁は、冷却空気の膜によって保護されている。

通常、外側側壁および内側側壁を作るために使用される材料と類似する材料で作成される室端壁が、過剰に高い温度に起因する不可逆的なレベルの変形を受けないことを確実にするために、室端壁は、径方向内側側壁および径方向外側側壁に使用される材料とは異なる材料で作成されることができ、その材料は、高温に耐えることができる。このような状況下で、室端壁を構成する材料の膨張係数は、内側側壁および外側側壁を構成する材料の膨張係数とは異なっており、且つ剛性なボルト締め、即ち短い結合金具を使用することによる、室端壁と前記内側側壁および外側側壁との間の接続は、含まれる部品の機械的強度の観点から予想できないものになる。

取り付け結合金具は、ボルト締めゾーンと結合金具が室端壁へ固定されるアンカーポイントとの間の径方向の膨張差の増加によって、増加された応力を受け、これらの応力は、アンカーポイントとボルト締めゾーンとの間の結合金具を横切る距離が短い時に、特に大きくなる。

径方向膨張における所定の差に関するこれらの応力を減少するために、可撓性の結合金具を使用して、アンカーポイントとボルト締めゾーンとの間の結合金具を横切る距離を増加させることが可能であり、可撓性の結合金具は、アーチ形状であって、且つボルトのナットの周りで径方向に向きを変える。しかしながら、このような可撓性の結合金具は、室端壁から上流側に配置されるエンクロージャ内の大きな空間を占めることになる。ここで、上流側とは、下流側に対する通常の上流側、或いは燃焼室を通って流れるガスの出口に対する入口のフロー方向に関して定義される。

残念なことに、前記エンクロージャ内の利用可能空間は、インジェクタシステムがあるために、制限される。

このように、種々の部品間での異なる度合の径方向膨張を許容するのに必要な可撓性を提供し、且つ径方向において過剰な空間を占めない、新規な取り付け結合金具が必要である。これは、本発明の目的である。

したがって、本発明は、導入部で特定された燃焼室を提供する。

この燃焼室は、複数の取り付け結合金具の少なくとも一つが、室端壁に固定されるリングと一体にされているとともに、ボルト締めゾーンを越えて上流側に延在する複数対のタブを備え、各対の二つのタブが、ボルト締めゾーンの両側で周囲に配置されるとともに、二つのタブの上流側端で固定プレートの上流側端に相互接続され、固定プレートが、二つのタブの間に延在し、且つ隣接する側壁への固定のためにボルト締めゾーンを呈することを特徴とする。

結合金具のこの構成は、小さな軸方向範囲の従来の剛性取り付け結合金具に比較して、本発明の結合金具の径方向範囲を大きく増加することなく、タブのアンカーポイントとボルト締めゾーンとの間の結合金具を横切る距離を、ボルト締めゾーンと固定プレートの上流側端との間の距離の二倍だけ増加する。

また、以下の構成が採用されることが好ましい。

一対のタブにおけるタブの上流側端および結合される固定プレートの上流側端は、径方向の曲げ応力に耐えるための余分な厚みの部分を含む。

各タブは、余分な厚みの部分の近傍に配置される孔に開口するスロットによって、結合される固定プレートから分離される。これらの孔によって、形状応力集中が、より大きな厚みの部分近くに減少されることができる。

タブが、タブの周囲と一体化されることができるように、タブは、リングとボルト締めゾーンとの間でＳ字形状部にされる。また、これらのＳ字形状部は、タブのアンカーポイントとボルト締めゾーンとの間の結合金具を横切る距離を増加して、タブの可撓性を改良する。

タブは、振動共振時に、室端壁が前記側壁に対して移動することができる範囲を制限するために、少なくともＳ字形状部の近傍において隣接する側壁を支持するのに適している。

本発明の他の特徴と利点は、例として与えられ且つ添付の図面を参照してなされる以下の記述を読むことによって明瞭となる。

図１は、ケーシングの内側壁３とケーシングの外側壁４との間でノズル２から下流側に配置される、軸Ｘのターボ機械の環状燃焼室１を示す。本明細書において、上流側および下流側は、燃焼室１を通って流れるガスの通常の流れの方向に関して定義される。

燃焼室１は、径方向内側側壁５と、径方向外側側壁６と、室１の上流側領域で径方向内側側壁５と径方向外側側壁６との間に延在する室端壁７とによって画定される。

径方向内側側壁５は、ケーシングの内側側壁３の径方向外側に配置され、且つ内側側壁３と協働して内側環状チャネル８を画定し、この内側環状チャネル８は、室１の下流側ゾーンにおける希釈のため及びタービンを冷却するために使用される空気流を受取る。

径方向外側側壁６は、ケーシングの外側側壁４の径方向内側に配置され、且つ同様に外側側壁４と協働して外側環状チャネル９を画定し、この外側環状チャネル９は、希釈のため及び（図面には示されていない）タービンのステータを冷却するための空気流を受取る。

室端壁７は、径方向内側側壁５および径方向外側側壁６によって画定される環状容積を、燃料パイプ１１が、インジェクタと室端壁７のための取り付け結合金具と共に収容される上流側ゾーン１０と、燃焼が行われる下流側ゾーン１２とに細分割する。

図１に示されるように、室端壁７の縁部７ａおよび７ｂは、室端壁７と側壁５および６との間で異なる径方向膨張を可能とするために、径方向内側側壁５と径方向外側側壁６から夫々ギャップ１３ａと１３ｂによって離間される。

室端壁７の外側縁部７ｂは、複数の可撓性取り付け結合金具１４によって、径方向外側側壁６の上流側部６ａに締着される。これらの可撓性取り付け結合金具１４は、アーチの形状であり、アーチは、上流側部６ａに形成されるオリフィスとアーチ１４の端部に形成されるオリフィスとを通る螺子１６を保持するナット１５の周りに延びる。十分な空間が上流側ゾーン１０の径方向外側部で利用可能であるので、このような構成が可能となる。

反対に、上流側ゾーン１０の径方向内側部で利用可能な空間は、図１において参照符号１４で参照されるようなアーチの形状の複数の取り付け結合金具によって、室端壁７の径方向内側縁部７ａが、径方向内側側壁５の上流側部５ａに固定されるには十分ではない。

更に、室端壁７が、径方向内側側壁５の膨張係数とは異なる膨張係数を有する材料で作成されている場合、または室端壁７が、側壁５が受ける温度よりも高い温度を受ける場合には、螺子１７とナット１８を使用する従来のブラケット形状の結合金具による、径方向内方縁部７ａの径方向内側側壁５の上流側部５ａへの固定は、検討することができない。

本発明において、図２から図４に示されるように、室端壁７の縁部７ａの径方向内側で且つ縁部７ａに近接する取り付け結合金具２０は、室端壁７へ溶接されたリング２１に一体化されているとともに、螺子１７およびナット１８が共にボルト締めされるゾーン１９を越えて、上流側ゾーン１０の径方向内側部で上流側へ延在する複数対のタブ２２ａ、２２ｂを備える。一対の二つのタブ２２ａと２２ｂは、ボルト締めゾーン１９の両側で周囲に配置されるとともに、それらの上流側端２２ａおよび２２ｂで、固定プレート２５の下流側端２４に接続される。固定プレート２５は、二つのタブ２２ａと２２ｂとの間に配置され、且つ二つのタブ２２ａと２２ｂの上側流部分と実質的に同じ平面に延在する。

また、タブ２２ａと２２ｂは、反対の方向に曲がる二つの湾曲ゾーン２７と２８によって実施されるＳ字形状部２６を呈し、径方向内側の湾曲ゾーン２８は、ボルト締めゾーン１９から僅かに下流側に配置され、且つ径方向内側側壁５の径方向外側面を支持する。

タブ２２ａおよび２２ｂは、スロット３０ａおよび３０ｂによって、固定プレート２５の縁部２９ａおよび２９ｂから分離されており、これらのスロットは、タブ２２ａの端部２３ａおよびタブ２２ｂの端部２３ｂの近傍で、固定プレート２５の上流側端２４に配置される孔３１ａおよび３１ｂに開口している。

孔３１ａおよび３１ｂは、これらのゾーンにおける応力を制限するに十分な径である。更に、タブ２２ａの端部２３ａおよびタブ２２ｂの端部２３ｂと、固定プレート２５の上流側端２４は、タブ２２ａおよび２２ｂと固定プレート２５との間の接続部を破損するリスクを制限するために、かなり余分の厚みを呈する。固定プレート２５は、当然、固定螺子１７が通るための貫通孔３２を含んでいる。

二つのタブ２２ａおよび２２ｂは、径方向外側湾曲ゾーン２７から下流側で共に接続しており、径方向内側側壁５の上流側部５ａに実質的に平行であるブランチ３３を形成する。

ブランチ３３のいずれかの側において、リング２１は、第１に、ギャップ１３ａの厚みに等しい距離だけ、径方向内側側壁５から離間された径方向内側リップ３４を呈すると共に、第２に、径方向外側リップ３５を呈する。

リング２１のブランチ３３のアンカーポイント３６と径方向内側側壁との間に、径方向の膨張差が無い場合、湾曲ゾーン２８から上流側に配置されるタブ２２ａおよび２２ｂの部分は、径方向内側側壁５の外側面を押圧する。同じことが、固定プレート５に当てはまる。この残りの部分、即ち取り付け結合金具２０に応力がない部分は、図５および図６において破線で示されている。

内側方側壁５が、室端壁７の膨張係数よりも大きな膨張係数を有する場合、図５に示されるように、アンカーポイント３６は、温度が上昇した時に距離ｄだけ内側側壁５の方に移動し、且つタブ２２ａおよび２２ｂの上流側部分は、内側側壁５を支持する湾曲ゾーン２８の周りで旋回し、一方、タブ２２ａの端部２３ａおよびタブ２２ｂの端部２３ｂは、固定プレートの端部２４と共に、距離ｄ’だけ内側側壁から離れるように移動する。タブ２２ａおよび２２ｂの下流側部分は、当然、径方向内側側壁により近づくように移動する。この構成は、タブ２２ａおよび２２ｂの変形を制限し、かつ室端壁７が、振動共振時に内側側壁５に対して移動できる範囲を制限するように作用する。

反対に、室端壁７が、径方向内側側壁５の膨張係数よりも大きな膨張係数を有する場合、図６に示されるように、分岐部３３のアンカーポイント３６は、温度上昇時に、距離ｄだけ内側側壁５から離れるように移動する。タブ２２ａおよび２２ｂの組が、内側側壁５から離れるように移動し、固定プレート２５が、図６に示される構成と同様な構成をとる。

図５と図６に示される構成の両方において、タブ２２ａの端部２３ａおよびタブ２２ｂの端部２３ｂと、孔３１ａおよび３１ｂから上流側に配置される固定プレート５の端部２４との間の接続部は、径方向の曲げ力を受け、それによって、前記端部の余分の厚み部に高いレベルの応力を導く。

当業者は、アーチ１４の代わりに、上述された取り付け結合金具１０が、室端壁７の径方向外側縁部７ａを径方向外側側壁６に固定するために使用されることができることを理解するであろう。

軸Ｘのターボ機械の燃焼室の断面の半分の図であり、この断面は、軸Ｘを含む径方向平面であり、燃焼室は、本発明に従う室の端壁を取り付けるための結合金具を含む。 本発明の取り付け結合金具の破断斜視図である。 燃焼室の径方向内側側壁に一対のタブを取り付けるための取り付けシステムを示す、図４のＩＩＩ−ＩＩＩ線の断面図である。 矢印Ｖに沿って見える図３の取り付けシステムの平面図である。 図３に類似し、燃焼室の径方向内側側壁に対する、室の端壁のタブの取り付けポイントの径方向の縮みの場合に、タブと固定プレートが受ける変形を示す。 図３に類似し、燃焼室の径方向内側側壁に対する、室の端壁のタブの取り付けポイントの径方向の膨張の場合に、タブと固定プレートが受ける変形を示す。

符号の説明

１ 環状燃焼室
２ ノズル
３ 内側壁
４ 外側壁
５、６ 側壁
５ａ、６ａ 上流側部
７ 室端壁
７ａ 径方向内側縁部
８ 内側環状チャネル
９ 外側環状チャネル
１０ 上流側ゾーン
１１ 燃料パイプ
１２ 下流側ゾーン
１３ａ、１３ｂ ギャップ
１４ 可撓性取り付け結合金具
１５、１８ ナット
１６、１７ 螺子
１９ ボルト締めゾーン
２０ 取り付け結合金具
２１ リング
２２ａ、２２ｂ タブ
２３ａ、２３ｂ、２４ 上流側端
２５ 固定プレート
２６、２７、２８ Ｓ字形状部
２９ａ、２９ｂ エッジ
３０ａ、３０ｂ スロット
３１ａ、３１ｂ 孔
３２ 貫通孔
３３ ブランチ
３４ 径方向内側リップ
３５ 径方向外側リップ
２６ アンカーポイント
ｄ、ｄ’ 距離

Claims (7)

1. 軸Ｘのターボ機械用の環状燃焼室であって、燃焼室は、径方向内側側壁（５）と、径方向外側側壁（６）と、前記燃焼室の上流側領域で前記内側側壁と前記外側側壁（５、６）との間に配置される室端壁（７）とを備え、前記室端壁が、複数の径方向内側の取り付け結合金具および複数の径方向外側の取り付け結合金具を用いて、前記内側側壁および前記外側側壁に固定され、前記径方向内側の取り付け結合金具および前記径方向外側の取り付け結合金具が、前記結合金具の各々のゾーンを前記側壁（５、６）に対してボルト締めすることによって、前記室端壁（７）の上流側に配置され、
   前記複数の取り付け結合金具（２０）の少なくとも一つが、室端壁（７）に固定されるリング（２１）と一体にされているとともに、ボルト締めゾーン（１９）を越えて上流側に延在する複数対のタブ（２２ａ、２２ｂ）を備え、各対の二つのタブ（２２ａ、２２ｂ）が、ボルト締めゾーン（１９）の両側で周囲に配置されるとともに、二つのタブの上流側端（２３ａ、２３ｂ）で固定プレート（２５）の上流側端（２４）に相互接続され、固定プレート（２５）が、前記二つのタブ（２２ａ、２２ｂ）の間に延在し、且つ隣接する側壁（５）への固定のためにボルト締めゾーン（１９）を呈することを特徴とする、環状燃焼室。
2. 一対のタブにおける前記タブ（２２ａ、２２ｂ）の上流側端（２３ａ、２３ｂ）及び結合される固定プレート（２５）の上流側端（２４）が、径方向の曲げ応力に耐えるために余分な厚みの部分を含むことを特徴とする、請求項１に記載の燃焼室。
3. 各タブ（２２ａ、２２ｂ）が、前記余分な厚みの部分の近傍に配置される孔（３１ａ、３１ｂ）に開口するスロット（３０ａ、３０ｂ）によって、結合される固定プレート（２５）から分離されることを特徴とする、請求項２に記載の燃焼室。
4. タブ（２２ａ、２２ｂ）が、前記リング（２１）とボルト締めゾーン（１９）との間でＳ字形状部（２７、２８）となっていることを特徴とする、請求項１から３のいずれか一項に記載の燃焼室。
5. タブ（２２ａ、２２ｂ）が、振動共振時に、室端壁（７）が前記側壁（５）に対して移動することができる範囲を制限するために、少なくともＳ字形状部（２７、２８）の近傍において隣接する側壁（５）を支持するのに適していることを特徴とする、請求項４に記載の燃焼室。
6. リング（２１）が、溶接によって、室端壁（７）に固定されることを特徴とする、請求項１から５のいずれか一項に記載の燃焼室。
7. リング（２１）が、前記室端壁（７）の径方向内側縁部（７ａ）に溶接されると共に、前記室端壁（７）と前記側壁（５）との間の径方向の膨張差を補償するように作用するギャップ（１３ａ）だけ、径方向内側側壁（５）から分離されていることを特徴とする、請求項６に記載の燃焼室。

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