JP4056740B2 - エアゾール容器のための装置のハウジング - Google Patents

Description

【０００１】
[技術分野]
本発明は、エアゾール容器のネックの周囲に取り付けられたカラーに接合して化学薬品ディスペンサを構成する機械または電気の装置のためのハウジングに関する。特に、投与量カウンタのハウジングをエアゾール容器のネックの周囲に固定されたカラーに溶接することによって形成することができる薬剤用ディスペンサに関する。
【０００２】
[発明の背景]
エアゾール容器は、様々な化学薬品の使用に家庭、商業及び産業の場で広く利用されている。このような形で分配できる化学薬品の典型的な例として、化粧品、健康用製品、塗料、医薬品及び農薬がある。例えば容器から出る化学薬品の流量を調整したり記録したりするために、また、環境保護のセンサとして役割を果たすために、機械又は電気の装置をそのようなエアゾール容器に取り付ける必要が頻繁に生じる。そのような装置は、接着剤の使用及びはんだ付けまたは溶接等の加熱処理等の様々な技術を用いて容器に取り付けることができる。しかし、加熱または溶接の過程で加えられる過度の熱が化学薬品の完全性に影響を及ぼしかねないため、そのような装置をエアゾール容器に取り付けるには安定した接合が困難である。同様に、化学薬品の分配時に接着剤の低濃度の揮発性成分が存在することから、接着剤の使用も汚染の問題につながりかねない。
【０００３】
薬剤ディスペンサは、薬の投与、とりわけ呼吸器疾患の治療薬投与に大いに利用されている。エアゾールに含ませ、吸入装置によって患者に投薬する薬剤が広くこのような治療に使用されている。一般的にこれらの吸入装置は、エアゾール容器を配置する筒状のハウジング又はスリーブとそのハウジングにつながる出口チューブからなる。そのような吸入装置によって使用されるエアゾール容器は、作動させることで所定量の薬剤を投与するように設計されている。バルブ部自体を押し下げることによって、あるいはバルブ部が動かない状態で容器を押し下げることによって、バルブが開くのである。そのような装置の使用において、エアゾール容器は、容器の出口バルブ部が例えばノズルやマウスピースのような出口チューブに連通する状態で筒状ハウジング内に設置されている。
【０００４】
この技術分野の近年の進展は、薬剤の投与回数または薬剤ディスペンサ内の残量を記録するための機械式又は電気式の投与量カウンタが使われるようになったことである。投与量カウンタは、筒状ハウジング内に設置可能で、患者のディスペンサ使用時のエアゾール容器の動きに対応するハウジングの動きを感知することによって作動する。投与量カウンタの目盛り機構がディスペンサの作動を記録し、何服投与されたか又はエアゾール容器にどの程度の量が残っているかをカウンタが表示するのである。
【０００５】
投与量カウンタは、エアゾール容器から取り外し可能なのものがある。そのような装置では、個々の部品がばらばらになり分離した状態で使われかねないという問題がある。投与量カウンタがエアゾール容器から一度取り外されてしまうと、一般的には小さな子供に、いたずらをされて誤った読み込みをしかねないということもそのような装置の問題である。それ故、投与量カウンタをエアゾール容器から取り外すことは、エアゾール容器に再度取り付ける時に誤った読み込みにつながりかねない。更に、いくつかの異なる吸入器を持つ患者については、投与量カウンタを違うディスペンサに取り付けてしまう恐れもある。
フランス特許番号ＦＲ２７４３０５５号に説明されているガス及び香水の容器のような、装置をエアゾール容器に逆に取り付けることができるハウジングも、前述のような不都合がある。
【０００６】
投与量カウンタは、原則的にエアゾール容器に逆に取り付けられないものもある。投与量カウンタをエアゾール容器に取り付けるひとつの方法としてスナップ式機構があり、投与量カウンタのハウジングの筒状の握り部品をバルブの環状リングのネック周囲にはめることで投与量カウンタとエアゾール容器を係止する。この状態で二つの部品がしっかりと繋ぎとめられる一方で、時には、一方の部品の他方に関する横方向への動き、または「遊び」が生じることがある。機械式投与量カウンタは、投与量カウンタのハウジングに関するエアゾール容器の相対運動を記録することで作動するので、いかなる遊び又は横方向への動きも、誤った読み込みを投与量カウンタに記録する結果につながりかねない。それらの投与量カウンタの作動及び機能を生かすために大切な要因は、作動時以外ではエアゾール容器に対するハウジングの動きを最小限にすることである。
【０００７】
エアゾール容器と投与量カウンタハウジングの製造上の公差から生じる寸法のばらつきは、薬剤ディスペンサの組み立てと作動に更なる問題を引き起こしてしまう。投与量表示器機構を正しく機能させるためには、容器とカウンタハウジングを堅く組み合わせなければならない。故に、どちらの部品の寸法のばらつきもカウンタハウジングと容器の間にゆるみを生じ、更なる相対運動が上述の誤読の問題につながりかねない。
【０００８】
これらの寸法公差の問題を克服するには、カウンタハウジングとエアゾール容器双方の製造において許容公差を厳しく定める必要がある。この考え方は、どちらの部品も要求された工業規格を満たしているということを確実にするために必要な高水準の品質管理と合わせて、製造業者にとって費用がかかることである。
【０００９】
本発明の目的は、機械又は電気の装置のためのエアゾール容器への取り付け、特に投与量カウンタハウジングの取り付けに関して、前述の問題を解決することである。本発明は、部品の相対運動を最小限にするために、装置のハウジングをエアゾール容器のネックの周囲に固定されたリング又はカラーに接合することを含む。この接合は、「ホットステ−キング」による部品の溶接や、表面のはんだ付け、ハウジングを枠に固定する接着剤の使用等様々な技術によって成し遂げ得る。溶接技術は、この目的に特に適している。
【００１０】
[発明の概要]
本発明は、容器のネック周囲に固定可能なカラーと、カラーを受けるスリーブと、ハウジングを容器に係止するためのスリーブとカラーの間の接合部とを備えた、化学薬品を入れるエアゾール容器に用いられる機械又は電気の装置のためのハウジングを提供する。
【００１１】
本発明の一つによれば、カラーは、分割カラーである。(a split collar)
また、他の本発明によれば、前記カラーは、スリーブと同素材から成る。
【００１２】
更に、他の本発明によれば、接合部は溶接である。
【００１３】
更に他の本発明によれば、溶接は超音波溶接である。
【００１４】
更に他の本発明によれば、溶接は単一の連続溶接である。
【００１５】
溶接は複数のスポット溶接でもよい。溶接点の数は、好ましくは２点から１００点、６点であれば更に良い。
【００１６】
また、溶接は、エネルギー出力１００〜２００Ｗ、周波数２０〜５０ｋＨｚ、持続時間０．１〜０．２秒のソニトロードヘッド（sonitrode head）で生成されるエネルギーによってなし得る。典型的なソニトロードヘッド（sonitrode head）は、変換器である。
【００１７】
本発明の一つによれば、ハウジングは更に機械又は電気装置を備える。
【００１８】
機械又は電気の装置は、投与量カウンタであるであることが好ましい。
【００１９】
電気装置は、センサであることが好ましい。
【００２０】
センサは、呼吸サイクルにおける圧力波形を感知することが好ましい。このタイプのセンサには圧力トランスデューサが適している。
【００２１】
センサは、呼吸サイクルにおける空気量波形を感知することが更に好ましい。このタイプのセンサにはバネ翼付きセンサや風力計付きセンサが適している。
【００２２】
センサは、呼吸サイクルにおける温度波形を感知することが更に好ましい。呼吸サイクル上の呼気と吐気の温度は様々なので、物差しとして利用できる。
【００２３】
センサは、呼吸サイクルにおける湿度波形を感知することが特に好ましい。呼吸サイクル上の呼気と吐気の含水量は様々なので、これも物差しとして利用できる。
【００２４】
更に、電気装置は、データを送受信するトランシーバを備える。トランシーバは、ラジオ波エネルギーを送受信するアンテナを有する無線自動識別子と、アンテナと接続するＩＣチップを備えていることが好ましい。
【００２５】
無線自動識別子は、知られている任意の公知の無線自動識別子でもよい。それらの識別子は、時には無線トランスポンダ又は無線ＩＤ（ＲＦＩＤ）タグ又はラベルとして知られる。ハイタグ（Hitag）及びアイコード(Icode)の商標で登録されたオランダのフィリップス・セミコンダクターズが販売する無線自動識別子、インテリタグ(Intellitag)の商標で登録されたアメリカ合衆国のアムテック・システムズ・コーポレーションが販売する無線自動識別子、及びタグイット(Tagit)の商標で登録されたアメリカ合衆国のテキサス・インスツルメンツが販売する無線自動識別子等が適している。
【００２６】
トランシーバは、磁場エネルギーを送受信するアンテナを有する磁気ラベルまたはタグと、前記アンテナと接続するＩＣチップを備えていることが好ましい。
【００２７】
磁気ラベルまたはタグは、互いに関連する複数の磁性素子を有し、その磁性素子が問い合わせる磁場に応じて互いに対して動くものが適している。このタイプの磁気ラベルまたはタグは、アメリカ合衆国特許番号４，９４０，９６６に記載されている。または、磁気ラベルまたはタグが、磁気バイアスフィールドにおいて異なる所定周波数に磁気制限素子が共鳴する問い合わせ磁場交流を適用し、読み取ることができる磁気制限素子を備えているものが適している。このタイプの磁気ラベルは、ＰＣＴ特許出願番号ＷＯ９２／１２４０２に記載されている。他に、適切な磁気ラベルまたはタグとして、直線配列において複数の別々の磁気活性の領域を有するものが、ＰＣＴ特許出願番号ＷＯ９６／３１７９０に記載されている。適切な磁気ラベルまたはタグは、プログラム可能磁気共鳴（Programmable Magnetic Resonance: PMR）（商品名）技術を利用している。
【００２８】
また、電気装置はマイクロ電子メモリチップを備えている。マイクロ電子メモリチップは、プログラム可能な読み出し専用メモリ（ＰＲＯＭ）、消去及びプログラム可能な読み出し専用メモリ、（ＥＰＲＯＭ）、電気的消去及びプログラム可能な読み出し専用メモリ（ＥＥＰＲＯＭ）及び使用者識別モジュール（ＳＩＭ）カード式メモリチップから成るグループから選択できる。マイクロ電子メモリチップは、電池等の適当な電源で動くランダムアクセスメモリ（ＲＡＭ）でも代用される。
【００２９】
また、本発明の一つによれば、ハウジングは、前記機械または電気の装置の読みを見るための窓を更に備える。読みは、一般的に、画像表示ユニットまたは計測器でデジタル値を表示するか、または色付きライトの点滅で、例えば容器内の残量を表示する形で行う。
【００３０】
更に、本発明の他の一つによれば、容器のネックの周囲にカラーを設置し、前記カラーの周囲にスリーブを配置し、前記カラーを前記スリーブに接合する、連続したステップを含む機械または電気の装置のためのハウジングをエアゾール容器に固定する方法を提供するものである。
【００３１】
本発明の一つによれば、その方法は更に、機械または電気装置を前記スリーブに結合することを含む。前記装置は、スナップ式構造を用いてスリーブに結合させてもよい。好ましくは、前記方法は、前記スリーブ内に前記機械または電気の装置を密封させることを更に含む。前記装置は、溶接、はんだ付けまたは接着剤等の様々な密封手段を用いて前記スリーブ内に密封させ得る。溶接手段は、前記装置を前記スリーブ内に密封させるのに特に適している。
【００３２】
前記方法は、好ましくは、前記カラーを前記スリーブに接合する前に前記機械または電気の装置を前記スリーブに挿入することを含む。更に好ましくは、前記方法は、前記カラーを前記スリーブに接合する前に前記機械または電気の装置を前記スリーブ内に密封させることを含む。
【００３３】
前記方法は、選択的に、前記カラーを前記スリーブに接合した後に前記機械または電気装置を前記ハウジングに挿入することを含む。更に好ましくは、前記方法は、前記カラーを前記スリーブに接合した後に前記機械または電気の装置を前記ハウジング内に密封させることを含む。
【００３４】
本発明の一つによれば、前記装置は投与量カウンタである。また、他の本発明によれば、前記装置はセンサである。更に、他の本発明によれば、前記装置はデータを送受信するトランシーバである。また、他の本発明によれば、前記装置はマイクロ電子メモリチップである。
【００３５】
本発明の一つによれば、前記カラーは分割カラー(a split collar)である。好ましくは、前記カラーは、容器の周囲のスリーブと同じ素材から成る。
【００３６】
他の本発明によれば、前記方法は、前記カラーを前記スリーブに溶接によって接合することを含む。好ましくは、前記溶接は超音波溶接である。
【００３７】
更に好ましくは、前記方法は、単一の連続溶接を適用することを含む。更に好ましくは、前記方法は、複数のスポット溶接を適用することを含む。更に好ましくは、スポット溶接は、２点から１００点溶接であり、６点溶接だと更に良い。
【００３８】
更に他の本発明によれば、前記方法は、出力１００〜２００Ｗ、周波数２０〜５０ｋＨｚ、持続時間０．１〜０．２秒の溶接条件を生成するために、ソニトロードヘッド（sonitrode head）を用いることを含む。
【００３９】
更に他の本発明によれば、エアゾール容器に固定し得るハウジングを備えたディスペンサを提供するものである。
【００４０】
好ましくは、前記ディスペンサは駆動体を備える。
【００４１】
好ましくは、前記ディスペンサは、前記エアゾール容器が噴射剤に薬剤を含む、薬剤ディスペンサである。更に好ましくは、前記噴射剤は液体ＨＦＡ１３４ａまたはＨＦＡ−２２７である。特に好ましくは、前記薬剤は、アルブテロール、サルメテロール、臭化イプラトロピウム、プロピオン酸フルチカゾン及びジプロピオン酸ベクロメタゾン及びそれらの塩または溶媒化合物、及びそれらの組み合わせのグループからいずれかを選択する。
【００４２】
本発明は更に、本発明によるハウジングと化学薬品を収納するエアゾール容器を含む部品キットを提供する。好ましくは、キットは更に駆動体を含む。更に好ましくは、前記化学薬品は薬剤である。
【００４３】
本発明の更に一つによれば、患者に薬剤を投与するための本発明による薬剤ディスペンサの使用方法を提供する。
【００４４】
[図面の詳細な説明]
図１に示す標準の計量式吸入器は、エアゾール容器２０を中に設置することができるハウジング１０を有する。前記ハウジングは、一方の端で開放し（以下、説明の便宜上、この端を装置の上端とみなす。）、他方の端で閉鎖している。出口３０が、ハウジング１０の閉鎖した端から横方向に延びている。図示された実施形態では、出口３０は、患者の口内に挿入するためのマウスピースの形態であるが、用途に応じて患者の鼻孔に挿入するノズルとして設計してもよい。
【００４５】
ネック部２１と環状リング２２を備えたエアゾール容器２０には、一端に出口バルブステム４０が設けられている。このバルブ部材を押すことによって、所定投薬量をエアゾール容器から噴射することができる。あるいは、代わりに、前記バルブステム４０を固定し、エアゾール容器の本体を前記バルブ部材に対して動かすことによって、所定投薬量をエアゾール容器から噴射することもできる。
【００４６】
図１に示されるように、エアゾール容器２０は、容器の一端がハウジング１０の開放した上端から突出しネック２１とバルブ環状リング２２がハウジング１０に囲まれるように、ハウジング１０の中に設置される。容器２０の外側面とハウジング１０の内側面の間隔を保つように、ハウジングの内側に間隙リブ（図示せず）を設けるのもよい。ハウジング１０の下端には支持体５０が設けられ、支持体５０は通路６０を備え、エアゾール容器２０のバルブステム４０を中に配置し支持することができる。第二通路７０が支持体５０の中に設けられ、出口３０の内側に向いている。このようにして、これらの部品が図１に示された位置にある場合は、エアゾール容器２０の突出している部分を押し下げて容器をバルブステム４０に対して動かすことでバルブを開くことができ、エアゾールに含まれた所定量の薬剤を、患者に吸入される出口３０へ通路７０を通じて放出することができる。エアゾール容器が一杯迄押し込まれる度毎に、一投薬分が噴出される。
【００４７】
図２は、エアゾール容器１２０に連結した本発明による投与量表示装置ハウジング１００（内側の詳細は図示せず）を示す概略図である。ハウジングは、カウンタ本体（詳細は図示せず）の内部に配置されたカウンタ機構を支持する架台１０１を備え、エアゾール容器１２０とバルブステム１４０を受ける筒状スリーブ１０２を有するハウジング１００である。カラー１２５は、通常は分割したリングで、エアゾール容器１２０のネック１２１の周囲に係止される。筒状スリーブ１０２は、バルブ環状リング１２２の周囲に合わせられ、エアゾール容器１２０のネック１２１の周囲にしっかりと取り付けられたカラー１２５に係合する。このようにして、筒状スリーブ１０２とカラー１２５は、ハウジング１００とエアゾール容器１２０とをしっかりと連結する。カラー１２５は、筒状スリーブ１０２に超音波エネルギーで溶接される。筒状スリーブ１０２は、一連の溶接点１８０によってカラー１２５に係止する。普通は溶接の過程でソニトロード（sonitrodes）（図示せず）を二つ使用し、各ソニトロード（sonitrode）の三個のピンを押しつけてスリーブ１０２と接触する。エネルギーは、前記ソニトロード（sonitrode）ピンを通じて移行しピンを振動させ、スリーブ１０２をカラー１２５に融合する。ピンは振動しながらスリーブ１０２を貫通しカラー１２５本体に深さ２ミリ程入り、それらの物質を溶かして融合し、一連の溶接点ができる。ここでは、ソニトロードヘッド（sonitrode head）を前記スリーブの周囲に沿って移動させるか、またはその逆をして、一回の連続溶接で代用させてもよい。
【００４８】
図３は、装置の下部を示す概略図であり、図１の装置と同様であるが、図２に示したエアゾール容器に取り付けた本発明による投与量表示装置２００のハウジングを組み込んでいる。カウンタ機構（図示せず）が架台２０１の上で支持されポスト２１８と係合している。超音波溶接部２８０が容器２２０のネック２２１周囲のカラーを筒状スリーブ２０２に係止し、それによってエアゾール容器２２０を投与量カウンタハウジング２００に取り付ける。組み立て部はハウジング２１０の内部に配置されることになる。このようにして、エアゾール容器２２０を押し下げると、容器はバルブステム２４０に対して動き、容器バルブ（図示せず）を開き、バルブステム２４０を通りそこから出口２３０を経て所定投与量の薬剤が患者に放出される。容器２２０のカウンタハウジング２００に対する相対運動はカウンタ機構（図示せず）によって記録され、薬剤の投与回数または容器内の残量がカウンタ窓２０５に表示され、ハウジング窓２１５から見ることができる。
【００４９】
図４（ａ）−（ｃ）は、本発明の別の実施形態として、カラー３２５を容器３２０のネック３２１周囲に組み合わせて投与量カウンタ３００の筒状スリーブ３０２に溶接する過程である。図４（ａ）は、カラー３２５を容器３２０とカウンタ窓３０５を表示した投与量カウンタハウジング３００の間に配置する分解図である。カラー３２５は、容器３２０のネック３２１周囲にはめる（図４（ｂ））。そして、図４（ｃ）に示すように、カラー３２５は、ネック３２１の最大部にある環状リング３２２の最下部に設置されるように矢印Ａの方向に押し上げられ、一方で投与量カウンタハウジング３００は、矢印Ｂの方向に押し下げられ容器３２０の最上部を覆って配置される。このようにして、カラー３２５は、筒状スリーブ３０２と容器のネック３２１の間に押し込まれる。矢印Ｃに示す部分における超音波溶接によってカラー３２５を筒状スリーブ３０２に接合し、それによって投与量カウンタハウジング３００を容器３２０に固定する。
【００５０】
図５（ａ）及び図５（ｂ）は、電気的消去可能なＰＲＯＭ（ＥＥＰＲＯＭ）チップ４９０で構成される受動トランシーバのハウジング４００を示す。図５（ａ）では、ハウジング４００は、出口４４０を有するエアゾール容器４２０のネック４２１に上述のように係止されたカラー４２５（図示せず）に溶接点４８０において溶接される。チップ４９０は、ハウジング４００の内部に設けられ、電気接続パッド４９５と連結する。図５（ｂ）は、図５（ａ）の一部を切断した断面図で、ハウジング４００に溶接したカラー４２５を示すためエアゾール容器は取り除かれている。この断面図は、ＥＥＰＲＯＭチップ４９０と電気接続パッド４９５を明確に示している。
【００５１】
本発明を計量式吸入器に関して詳細に説明したが、同様に、電気式センサやリーダのような他の機械または電気の装置もエアゾール容器に取り付けられることは理解されよう。例えば、塗料ディスペンサに利用する温度・圧力センサも、このような方法でエアゾール容器に取り付けることができる。
【００５２】
ディスペンサの薬液に接触する部分は、薬品を密着しにくくするフッ素重合体のような塗膜材で上塗りをするとよい。好みの動き具合になるように、動く部分にも塗膜材を塗るとよい。それ故、必要に応じて、摩擦接触を増すために摩擦用塗膜材を塗ってもよいし、摩擦接触を緩和するために滑材を使用してもよい。
【００５３】
本発明の薬剤ディスペンサは、薬剤の分配、特に喘息や慢性閉塞性肺疾患のような呼吸疾患の治療に適する。故に、適切な薬剤は、例えば、コデイン、ジヒドロモルヒネ、エルゴタミン、フェンタニルまたはモルヒネ等の鎮痛剤、ジルチアゼム等の狭心症の製剤、クロモグリケイト（例えばナトリウム塩として）、ケトチフェンまたはネドクロミル（例えばナトリウムとして）等の抗アレルギー剤、セファロスポリン、ペニシリン、ストレプトマイシン、サルファ剤、テトラサイクリン及びペンタミジン等の抗感染剤、メタピリレン等の抗ヒスタミン剤、ベクロメタゾン（例えばジプロピオン酸エステルとして）、フルチカゾン（例えばプロピオン酸エステルとして）、フルニソリド、ブデソニド、ロフレポニド、モメタゾン（例えばフロン酸エステルとして）、シクレソニド、トリアムシノロン（例えばアセトニドとして）または6α,9α-ジフルオロ-11β-ヒドロキシ-16α-メチル-3-オキソ-17α-プロピオニロキシ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17β-カルボチオ酸S-(2-オキソ-テトラヒドロ-フラン-3-イル)エステル等の抗炎症剤、ノスカピン等の鎮咳薬、アルブテロール（例えば遊離塩基または硫酸塩として）、サルメテロール（例えばキシナフォエーとして）、エフェドリン、アドレナリン、フェノテロール（例えば臭化水素酸塩として）フォルモテロール（例えばフマル酸塩として）、イソプレナリン、メタプロテレノール、フェニレフリン、フェニルプロパノラミン、ピルブテロール（例えば酢酸塩として）、レプロテロール（例えば塩酸塩として）、リミテロール、テルブタリン（例えば流酸塩として）、イソエタリン、ツロブテロール、または4-ヒドロキシ-7-[2-[[2-[[3-(2-フェニレトキシ)プロピル]スルホニル]エチル]アミノ]エチル-2(3H)-ベンゾチアゾロン等の気管支拡張剤、(2R,3R,4S,5R)-2-[6-アミノ-2-(1S-ヒドロキシメチル-2-フェニル-エチルアミノ)-プリン-9-イル]-5-(2-エチル-2H-テトラゾール-5-イル)-テトラヒドロ-フラン-3,4-ジオール（例えばマレイン塩酸として）等のアデノシン２ａ作用薬、(2S)-3-[4-({[4-(アミノカルボニル)-1-ピペリジニル]カルボニル}オキシ)フェニル]-2-[((2S)-4-メチル-2-{[2-(2-メチルフェノキシ)アセチル]アミノ}ペンタノイル)アミノ]プロパン酸（例えば遊離酸またはカリウム塩として）等のα４インテグリン阻害薬、アミロリド等の利尿薬、イプラトロピウム（例えば臭化物として）、チオトロピウム、アトロピンまたはオキシトロピウム等の抗コリン作用薬、コルチゾン、ヒドロコルチゾンまたはプレドニゾロン等のホルモン、アミノフィリン、コリンテオフィリン酸、リジンテオフィリン酸またはテオフィリン等のキサンチン、インスリンまたはグルカゴン等の治療用プロテイン及びペプチド、ワクチン、診断用薬及び遺伝子治療薬等から選択できる。薬剤は、薬剤の働き及び/または安定性を最大限に利用するために、及び/または薬剤の噴射剤への溶解性を最小限に抑えるために、塩（例えばアルカリ金属またはアミン塩類、または酸性の添加塩として）の形で、またはエステル（例えば低アルキル基エステル）として、または溶媒化合物（例えば水化物）として適切に使用されてもよいということは当業者にとって明らかであろう。望ましい薬剤は、アルブテロール、サルメテロール、プロピオン酸フルチカゾン及びジプロピオン酸ベクロメタゾン及びアルブテロール流酸塩及びサルメテロールキシナフォエート等のようなそれらの塩または溶解化合物から選択される。
【００５４】
薬剤は組み合わせても供給できる。有効成分の組み合わせを含む望ましい処方は、サルブタモール（例えば遊離塩基または流酸塩として）またはサルメテロール（例えばキシナフォエート塩として）またはフォルモテロール（例えばフマル酸塩として）と、ベクロメタゾンエステル（例えばジプロピオン酸）またはフルチカゾンエステル（例えばプロピオン酸）またはブデソニド等の抗炎症性ステロイドとの組み合わせを含む。特に望ましい組み合わせは、プロピオン酸フルチカゾンとサルメテロール、またはその塩（特にキシナフォエート塩）の組み合わせである。更に興味深い組み合わせは、ブデソニドとフォルモテロール（例えばフマル酸塩として）である。
【００５５】
本開示は、単に説明のみを目的とし、本発明が変形、変更及び改良を含むことは理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図１】 標準の計量式吸入装置の概略断面図。
【図２】 本発明によるハウジングに取り付けられたエアゾール容器の概略断面図。
【図３】 本発明による医療用ディスペンサの概略断面図。
【図４】 投与量カウンタハウジングを超音波溶接によって標準の計量式吸入装置に固定する過程の概略説明図。
【図５】 図５（ａ）はエアゾール容器に取り付けられたトランシーバのハウジングの図と、図５（ｂ）は本発明による前記ハウジングの斜視図。

Claims (19)

1. 機械または電気の装置のためのハウジングをエアゾール容器に固定する方法であって、前記容器は、対向する上方と下方の端部と、前記上方と下方の端部の間に延在する側壁と、前記上方の端部の下方の側壁にあるネックとを有し、前記ネックは前記上方端部に向かって外方に拡開する傾斜面を有し、前記方法は、
   （ａ）前記容器の前記ネックの周囲に分割カラー（ a split collar ）を配置し、
   （ｂ）前記ハウジングのスリーブが前記ネックの周囲に延在するように、前記ハウジングを前記容器の上方の端部に嵌め込み、前記分割カラーが前記スリープと前記ネックの傾斜面の間でくさび留めにされるまで、前記分割カラーを前記ネックの表面上を上方に移動させ、
   （ｃ）前記分割カラーを、前記スリーブに溶接する、
   という連続して行われる工程を有する方法。
2. 前記機械または電気の装置を前記スリーブに結合することを更に含む、請求項１に記載の方法。
3. 前記スリーブ内に前記機械または電気の装置を密封させることを更に含む、請求項２に記載の方法。
4. 前記分割カラーを前記スリーブに接合する前に、前記機械または電気の装置を前記スリーブに挿入することを含む、請求項２に記載の方法。
5. 前記分割カラーを前記スリーブに接合する前に、前記機械または電気の装置を前記スリーブ内に密封させることを含む、請求項４に記載の方法。
6. 前記分割カラーを前記スリーブに接合した後に、前記機械または電気の装置を前記ハウジングに挿入することを含む、請求項２に記載の方法。
7. 前記分割カラーを前記スリーブに接合した後に、前記機械または電気装置を前記ハウジング内に密封させることを含む、請求項６に記載の方法。
8. 前記装置は投与量カウンタである、請求項２乃至請求項７のいずれか一項に記載の方法。
9. 前記装置はセンサである、請求項２乃至請求項８のいずれか一項に記載の方法。
10. 前記装置はデータを送受信するトランシーバである、請求項２請求項９のいずれか一項に記載の方法。
11. 前記装置はマイクロ電子メモリチップ（４９０）である、請求項２乃至請求項１０のいずれか一項に記載の方法。
12. 前記分割カラーは前記容器の周囲の前記スリーブと同じ素材から成る、請求項１乃至請求項１１のいずれか一項に記載の方法。
13. 前記分割カラーを前記スリーブに溶接によって接合することを含む、請求項１乃至請求項１２のいずれか一項に記載の方法。
14. 前記溶接は超音波溶接である、請求項１３に記載の方法。
15. 単一の連続溶接部を適用することを含む、請求項１３または請求項１４に記載の方法。
16. 複数のスポット溶接部（１８０，２８０，４８０）を適用することを含む、請求項１３または請求項１４に記載の方法。
17. 前記スポット溶接部は２点溶接から１００点溶接を適用することを含む、請求項１６に記載の方法。
18. 前記スポット溶接部は６点溶接のみを適用することを含む、請求項１６または請求項１７に記載の方法。
19. 出力１００〜２００Ｗ、周波数２０〜５０ｋＨｚ、持続時間０．１〜０．２秒の溶接条件を生成するために、ソニトロードヘッド（sonitrode head）を用いることを含む、請求項１３乃至請求項１８のいずれかに記載の方法。

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