JP4056347B2 - 半導体発光装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体発光装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は半導体発光装置およびその製造方法にかかり、特に、電極パッド部の寄生容量の低減に関する。
【0002】
【従来の技術】
化合物半導体を用いた半導体発光装置、特に、化合物半導体レーザは、光機器に広く用いられている。図11はそのような化合物半導体レーザの一例を模式的に示す斜視図、図12はその要部断面図である。図示されるように化合物半導体レーザ1は、第1電極3と、第2電極2と、これら第1電極3及び第2電極2の間に設けられた複数の化合物半導体層とから構成されている。化合物半導体層は、例えば半導体基板4(例えばN+−GaAs)と、その上面に形成された下部多層反射膜(例えばAlxGa1-xAs)5と、下部クラッド層(例えばAly Ga1-yAs)6を介してその上面に形成された量子井戸活性層7と、上部クラッド層(例えばAluGa1-uAs)8を介してその上面に形成された上部クラッド層(例えばAlrGa1-rAs)9とから構成されている。また、上部クラッド層8の上には、所定幅にわたり開口して電流狭窄部10aを有するAlGaAs酸化層からなる電流狭窄層10が形成されている。更に、第2電極2は上部多層反射膜9の上に形成されたコンタクト層11を介して形成され、第1電極3は半導体基板4の電極形成面に形成されている。
【0003】
このようにして形成されたメサ部のまわりはポリイミドからなる絶縁膜12で覆われ、この絶縁膜12上に前記メサ部の頂面に形成された第2電極2に接続された電極パッド13が形成されている。なおここで第2電極2は遮光膜で構成されているため、発光領域となる開口を具備している。
【0004】
このような備える半導体レーザ1は、例えば以下の方法により作製される。
【0005】
先ず、MOCVD法等により、図12に示す層構成において、第1の電極3を除く量子井戸活性層7までを形成する。
【0006】
その後、再びMOCVD法等により上部クラッド層8より上の各層を順次積層し、最後に第1電極3及び第2電極2を蒸着する。尚、電流狭窄層10は、例えば、ヒ化アルミニウム(AlAs)膜を成膜した後、素子の端面から水蒸気を導入し、ヒ化アルミニウム膜を酸化して酸化アルミニウム(Al23)を形成することにより得られ、この水蒸気酸化が起こらない部分(ヒ化アルミニウム残存部)が電流狭窄部10aとなる。
【0007】
そして、層間絶縁膜12としてのポリイミド膜を形成し、これにコンタクトを形成し、発光面となるメサ部頂面上にコンタクトするように電極パッド13を含む配線部を形成する。
【0008】
このような面発光型半導体レーザの場合、発光強度は電流密度に依存するため、発光部の面積を縮小する必要がある。このためメサ部の面積は微細化が進む一方であり、メサ部の面積に比べて、電極パッドの面積が大きくなる。従って電極パッドと基板との間に形成される容量(以下パッド容量)が大きいため、これがレーザの変調速度の高速化を阻む問題となっている。
【0009】
また、電流狭窄部10aを囲む領域はAlGaAsの選択酸化により形成された酸化アルミニウムとなっており、ヒ素についてもAsH3として脱離するため、ポーラスな状態となっている。このため機械的強度も低い。
このようにメサ部自体の機械的強度が低い上、メサ部の面積も低減するため、メサ部を囲むように形成される絶縁膜12によってメサ部を補強するのが望ましい。しかしながらポリイミドはメサ部に対して熱膨張率の差が大きい。また、ポリイミドは350℃程度で焼成する際に、膜厚が1/2になる。このため、成膜時、使用時の両方においてメサ部に大きなストレスを与えることになり、界面で剥がれを生じたりすることもあり、これが信頼性低下の原因となることがあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、電極パッドによるパッド容量を低減し、変調速度の高速化をはかることのできる半導体発光装置を提供することを目的とする。
【0011】
また本発明では、成膜時、使用時の両方におけるメサ部へのストレスを低減し、信頼性の高い半導体発光装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明では、基板上に形成された化合物半導体層からなるn型クラッド層と活性層とp型クラッド層のサンドイッチ構造を少なくとも有してなるメサ部と、コンタクト領域を除く前記メサ部を覆うように形成された無機絶縁膜とを具備し、前記無機絶縁膜は、前記基板表面に平行となるように空孔が配向せしめられ、空孔率50%以上の無機絶縁膜で構成されていることを特徴とする。
【0013】
コンタクト領域を除くメサ部を空孔率50%以上の無機絶縁膜で被覆しているため、パッド部における容量を低減することができ、変調速度の高い半導体発光装置を提供することが可能となる。
【0014】
また望ましくは、この無機絶縁膜が、2種以上の周期的ポーラス構造を有する無機絶縁膜を含むようにすれば、より機械的強度の高い絶縁膜を得ることが可能となる。
【0015】
更に望ましくは、前記メサ部は、頂部に電極を備えた面発光構造を有しており、化合物半導体からなる量子井戸構造を有する活性層を形成してなる半導体層を備え、前記無機絶縁膜上に、前記電極にコンタクトするパッドが設けられている。
【0016】
かかる構造によれば、無機絶縁膜の誘電率が低いため、容量の低減をはかることができる。また機械的強度の低いメサ部を無機絶縁膜で被覆しているため、機械的強度の向上をはかり、信頼性の高いメサ部構造を得ることが可能となる。
【0017】
また望ましくは、前記無機絶縁膜は、基板表面に形成され、前記基板表面に平行となるように配向せしめられた円柱状の空孔を含む周期的ポーラス構造を具備してなることを特徴とする。
【0018】
かかる構成によれば、基板表面に平行となるように空孔が配向せしめられているため、基板表面に垂直な方向で均一に低誘電率をもつことになり、特に層間絶縁膜として用いる場合には、上層配線および下層配線に対して開口部を持たない閉じた構造をとることができ、耐湿性に優れ信頼性の高い有効な低誘電率薄膜としての役割を奏効する。
【0019】
望ましくは、基板表面に形成され、前記基板表面に平行となるように一方向に配向せしめられた円柱状の空孔を含む周期的ポーラス構造ドメインが複数含まれており、隣接する各ポーラス構造ドメインは互いに異なる方向に配向していることを特徴とする。
【0020】
かかる構成によれば、ドメイン毎に異なる方向にポーラス構造が配向しているため、空孔の開口部を互いに閉じることが可能になり、緻密な膜の耐湿性と同程度の優れた耐湿性を有し、かつ周期構造により機械的強度にも優れた究極的に低い誘電率をもつ低誘電率薄膜を得ることが可能となる。さらにまた、層間の空間を隣接する層が支えることで、通常不安定と考えられる層状の周期的ポーラス形状を安定かつ優れた機械的強度で構築することが可能となる。
【0021】
望ましくは、前記無機絶縁膜は、基板表面に平行となるように層状の空孔が周期的に一方向に配向せしめられた周期的ポーラス構造ドメインを具備してなる。
【0022】
かかる構成によれば、基板表面に平行となるように層状の空孔が配向せしめられているため、基板表面に垂直な方向で均一に低誘電率をもつことになり、特に層間絶縁膜として用いる場合には、上層配線および下層配線に対して開口部を持たない閉じた構造をとることができ、耐湿性に優れ信頼性の高い有効な低誘電率薄膜としての役割を奏効する。この構造では円筒状の空孔を有するものに比べてさらに空孔率が高く低誘電率化を図ることが可能となる。
【0023】
本発明の方法では、無機絶縁膜の形成工程が、シリカ誘導体と界面活性剤を含む前駆体溶液を生成する工程と、前記前駆体溶液を昇温し、架橋反応を開始する予備架橋工程と、前記予備架橋工程で架橋反応の開始された前記前駆体溶液を基板表面に接触させる接触工程と、前記前駆体溶液が接触せしめられた基板を焼成し、前記界面活性剤を分解除去する工程とを含むことを特徴とする。
【0024】
かかる構成によれば、極めて制御性よく、密着性が良好で機械的強度に優れ究極的に低い誘電率をもつ絶縁膜を提供することが可能となる。また低温下での形成が可能であるため、特に高温でダメージを受けやすい化合物半導体層からなる下地に影響を与えることなく信頼性の高い絶縁膜を形成することが可能となる。
【0025】
かかる構成によれば、界面活性剤と、酸触媒とを、所望のモル比で溶媒に溶解し、混合容器内で、前駆体(プレカーサー)溶液を調整し、基板に塗布し、シリカ誘導体を加水分解(重縮合反応)で重合させて(予備架橋工程)、界面活性剤の周期的な自己凝集体を鋳型とする空洞を備えた、メゾポーラスシリカ薄膜を形成し、焼成工程において鋳型の界面活性剤を完全に熱分解除去して純粋なメゾポーラスシリカ薄膜を形成する。このとき、焼成に先立ち、基板をシリカ誘導体雰囲気下に晒し、シリカ誘導体を供給しつつ乾燥することにより、加水分解による膜の収縮が抑制され、空洞は破壊されることなくそのまま維持された状態で、強固な界面活性剤の自己凝集体を鋳型とするメゾポーラスシリカ薄膜が得られる。そして焼成工程により、鋳型の界面活性剤を完全に熱分解除去して純粋なメゾポーラスシリカ薄膜が得られる。
【0026】
このようにして、極めて制御性よく機械的強度に優れ究極的に低い誘電率をもつ絶縁膜を提供することが可能となる。また低温下での形成が可能であるため、この絶縁膜がパッド下のみならず集積回路の層間絶縁膜として用いられる場合にも下地に影響を与えることなく信頼性の高い絶縁膜を形成することが可能となる。
【0027】
また、前駆体液の濃度を調整することにより空孔率は適宜変更可能であり、極めて作業性よく所望の誘電率の絶縁体薄膜を形成することが可能となる。
【0028】
このようにして、空孔率50%以上の無機絶縁膜が形成され、空気の誘電率は低いためフッ素を添加したりするよりもさらに誘電率を低下せしめることができ、絶縁膜の極限的な低誘電率化をはかることが可能となる。
【0029】
また、前記無機絶縁膜の空孔が配向性を具備するように形成することも可能である。これにより、空孔が配向性をもち、周期的なポーラス構造をもつため、機械的強度を高めることができ、信頼性の高い絶縁膜を得ることが可能となる。
【0030】
また、前記無機絶縁膜は、前記基板表面に平行となるように配向せしめられた円柱状の空孔を含む周期的ポーラス構造を具備するように形成することも可能である。これにより、基板表面に平行となるように空孔が配向せしめられているため、基板表面に垂直な方向で均一に低誘電率をもつことになり、特に層間絶縁膜として用いる場合には、上層配線および下層(基板)に対して開口部を持たない閉じた構造をとることができ、耐湿性に優れ信頼性の高い有効な低誘電率薄膜としての役割を奏効する。
【0031】
さらにまた、前記基板表面に平行となるように一方向に配向せしめられた円柱状の空孔を含む周期的ポーラス構造ドメインが複数含まれており、隣接する各ポーラス構造ドメインは互いに異なる方向に配向させることも可能である。これにより、ドメイン毎に異なる方向にポーラス構造が配向しているため、空孔の開口部を互いに閉じることが可能になり、緻密な膜の耐湿性と同程度の優れた耐湿性を有し、かつ周期構造により機械的強度にも優れた究極的に低い誘電率をもつ低誘電率薄膜を得ることが可能となる。さらにまた、層間の空間を隣接する層が支えることで、通常不安定と考えられる層状の周期的ポーラス形状を安定かつ優れた機械的強度で構築することが可能となる。
【0032】
また、前記無機絶縁膜は、基板表面に形成され、前記基板表面に平行となるように層状の空孔が周期的に一方向に配向せしめられた周期的ポーラス構造ドメインを具備するように形成することも可能である。さらにこの構造では円筒状の空孔を有するものに比べてさらに空孔率が高く低誘電率化を図ることが可能となる。
【0033】
望ましくは、前記処理工程は、前記界面活性剤が熱分解しない程度の温度でシリカ誘導体蒸気に接触させる工程を含むようにすれば、構造体を破壊することなく良好に空孔率が高く配向性の優れた低誘電率薄膜を形成することが可能となる。
【0034】
望ましくは、前記処理工程は、シリカ誘導体蒸気の飽和蒸気圧下で実行されるようにすれば、飽和蒸気圧下で処理するため、充分なシリカ誘導体が効率よくシリカ誘導体が表面から拡散され、構造体を破壊することなく良好に空孔率が高く配向性の優れた低誘電率薄膜を形成することが可能となる。
また、シリカ誘導体の分圧を上げたり、シリカ誘導体の圧力を上げたりするなどにより、反応速度が向上する。
【0035】
望ましくは、前記処理工程は、室温〜250℃の温度下で実行されるようにすれば、効率よくシリカ誘導体が表面に供給される。室温以下であると、反応性が悪く、250℃を越えると界面活性剤の分解が始まる場合がある。
【0036】
望ましくは、前記処理工程は、90〜200℃の温度下で実行されるようにすれば、反応性も高く、良好にシリカ誘導体の拡散が進行する。
【0037】
望ましくは、前記処理工程は、90〜200℃のTEOSの蒸気雰囲気中で実行されるようにすれば、より高い強度をもつ低誘電率薄膜を得ることが可能となる。
【0038】
望ましくは、前記処理工程は、90〜200℃のTMOSの蒸気雰囲気中で実行されるようにすれば、より高い強度をもつ低誘電率薄膜を得ることが可能となる。
【0039】
望ましくは、前記接触工程は、基板を前駆体溶液に浸漬するようにすれば、生産性よく低誘電率絶縁膜を形成することが可能となる。
【0040】
また望ましくは、前記接触工程は、基板を前駆体溶液に浸漬し、所望の速度で引き上げるようにすれば、生産性よく低誘電率絶縁膜を形成することが可能となる。
【0041】
望ましくは、前記接触工程は、前駆体溶液に基板上に塗布するようにすれば、生産性よく低誘電率絶縁膜を形成することが可能となる。
【0042】
望ましくは、前記接触工程としては、前駆体溶液に基板上に滴下し、前記基板を回転させる回転塗布工程を用いるようにすれば、膜厚や空孔率を容易に調整可能であり、生産性よく低誘電率絶縁膜を形成することが可能となる。
【0043】
また望ましくは、前記前駆体溶液を昇温し、架橋反応を開始する予備架橋工程を含むようにすれば、予備架橋を行うことにより、架橋が効率よく進行し、信頼性の高い低誘電率薄膜を高速で形成することが可能となる。
【0044】
さらに望ましくは、前記接触工程に先立ち、前記前駆体溶液を昇温し、架橋反応を開始する予備架橋工程を含み、前記予備架橋工程で架橋反応の開始された前駆体溶液を基板に接触せしめるようにしてもよい。かかる方法によれば、あらかじめ予備架橋を行った後、基板表面に接触せしめているため、架橋が効率よく進行し、信頼性の高い低誘電率薄膜を高速で形成することが可能となる。
【0045】
また、シリカ誘導体を供給しながら焼成を行うようにしてもよい。また、焼成工程において、鋳型の界面活性剤を熱分解除去する際に、気相からシリカ誘導体を補給しているため、構造体の破壊を抑制し、強く純粋なメゾポーラスシリカ薄膜を得ることが可能となる。なお、表面に堆積物が析出することもあるが、その場合は成膜後表面処理を行うようにしてもよい。
【0046】
【発明の実施の形態】
本発明に係る半導体発光装置およびその製造方法の一実施形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0047】
第1の実施の形態
本発明の第1の実施の形態として、本発明の方法を用いて形成した低誘電率薄膜を層間絶縁膜として用いた面発光型半導体レーザについて説明する。
本発明の第1の実施形態の面発光型半導体レーザは図1に斜視図、図2に要部拡大断面図、図3に製造工程図、図4及び図5に、本実施の形態で用いる絶縁膜の構造模式図及びその製造工程図を示すように、パッド13下の絶縁膜を低誘電率薄膜で構成したことを特徴とする。
【0048】
発光部となるメサ部の構造については、図11及び図12に示した従来例の半導体レーザと同様であり、詳細な説明は省略するが、この低誘電率絶縁膜は、図4に示すように、基板表面に平行となるように一方向に配向せしめられた円柱状の空孔hを含む周期的ポーラス構造ドメインを複数含むように形成されたメゾポーラスシリカ薄膜からなるものである。
【0049】
すなわちこの化合物半導体レーザ1は、クロムと金の2層構造体であるCr/Au構造膜からなる第1電極3と、クロムと金の2層構造体であるCr/Au構造膜からなる第2電極2と、これら第1電極3及び第2電極2の間に設けられた複数の化合物半導体層からなるメサ部とから構成されている。そしてこの化合物半導体層は、N+−GaAsからなる半導体基板4と、その上面に形成されたAlxGa1-xAsなどの多層構造膜からなる下部多層反射膜5と、Aly Ga1-yAsからなる下部クラッド層6を介してその上面に形成された量子井戸活性層7と、AluGa1-uAsからなる上部クラッド層8を介してその上面に形成されたAlrGa1-rAsなどからなる上部多層反射膜9とから構成されている。また、上部クラッド層8の上には、所定幅にわたり開口して電流狭窄部10aを有するAlGaAs酸化層からなる電流狭窄層10が形成されている。更に、第2電極2は、上部多層反射膜9の上に形成された高濃度ドープされたAlrGa1-rAsからなるコンタクト層11を介して形成され、第1電極3は半導体基板4の電極形成面に形成されている。
【0050】
このようにして形成されたメサ部のまわりはポリイミドからなる薄い絶縁膜12で覆われ、この絶縁膜12上に低誘電率薄膜22からなる絶縁膜が形成され、前記メサ部の頂面に形成された第2電極2に接続された電極パッド13が形成されている。この第2電極2は中央に開口部を有するリング状パターンで構成され、この開口部から光を取り出すことができるようになっている。
【0051】
このような半導体レーザ1は、例えば以下の方法により作製される。
【0052】
先ず、図3(a)に示すように、MOCVD法等により、n+GaAs基板4の表面に、第1の電極3及び第2電極2を除く半導体層を順次積層する。
【0053】
その後、図3(b)に示すように、フォトリソグラフィにより形成したレジストパターンをマスクとして反応性ドライエッチングにより上部クラッド層8より上の各層をパターニングする。
【0054】
この後、図3(c)に示すように、水蒸気雰囲気中で加熱し、電流狭窄層10は、素子の端面から水蒸気を導入し、ヒ化アルミニウム膜を酸化して酸化アルミニウム(Al23)を形成することにより得られ、この水蒸気酸化が起こらない内部の部分(ヒ化アルミニウム残存部)が電流狭窄部10aとなる。
【0055】
そして、図3(d)に示すように、層間絶縁膜22としての低誘電率薄膜を以下に示す方法で形成し、これにコンタクトを形成し、図3(e)に示すように、発光面となるメサ部頂面上にコンタクトするように第2電極2を形成する。そして第1電極3を形成するとともに電極パッド13を含む配線部を形成する。
【0056】
この低誘電率薄膜の形成方法は、前駆体溶液を基板表面に供給し、予備架橋を行うために90℃で一晩放置した後、180℃のTEOS雰囲気中で一晩放置し、膜中にシリカ蒸気を拡散せしめ、リジッドな状態にし、焼成することにより、信頼性が高く誘電率の低い低誘電率薄膜を形成するものである。
【0057】
他は通常の方法で形成される。
【0058】
この方法では、基板表面に平行となるように一方向に配向せしめられた円柱状の空孔を含む周期的ポーラス構造ドメインを複数含むようにメゾポーラスシリカ薄膜を形成する(図4)。
【0059】
すなわち、図5(a)に示すように、まず界面活性剤として陽イオン型のセチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB:C1633+(CH33Br-)と、シリカ誘導体としてテトラメトキシシラン(TMOS:Tetramethoxy Silane)と、酸触媒としての塩酸(HCl)とを、H2O/アルコール混合溶媒に溶解し、混合容器内で、前駆体(プレカーサー)溶液を調整する。この前駆体溶液の仕込みのモル比は、溶媒を100として、界面活性剤0.05、シリカ誘導体0.1、酸触媒2として混合し(必要に応じて粘度調整を行った後)、スピナー上に載置され、前記面発光型レーザの形成された基板4上に、この混合溶液を滴下する。
【0060】
そして図5(b)に示すように、500乃至5000rpmで回転し、所望の厚さに前駆体溶液を塗布する。そしてこの塗布された基板4を、90℃で一晩保持することによりシリカ誘導体を加水分解(重縮合反応)で重合させて(予備架橋工程)、界面活性剤の周期的な自己凝集体を鋳型とする、メゾポーラスシリカ薄膜を形成する。
【0061】
この自己凝集体は図6(a)に示すようにC16H33N+(CH33Br-を1分子とする複数の分子が凝集してなる球状のミセル構造体(図6(b))を形成し、高濃度化により凝集度が高められる。
【0062】
そして基板4を、図5(c)に示すように、180℃の飽和TEOS雰囲気中で、一晩の乾燥を行う。
【0063】
この後、このようにして乾燥のなされた基板4を、図5(d)に示すように、400℃の酸素雰囲気中で3時間加熱・焼成し、鋳型の界面活性剤を完全に熱分解除去して純粋なメゾポーラスシリカ薄膜を形成する。
【0064】
かかる方法によれば、高濃度化により凝集度が高められるにつれて、メチル基の脱落した部分が空洞化しているが(図6(c))、この状態で180℃の飽和TEOS雰囲気中に晒すことにより(図5(c))、空洞は破壊されることなくそのまま維持された状態で、乾燥がなされたのち、焼成される(図5(d))。
【0065】
このため、円柱状の空孔が配向してなる円筒体(図6(d))が形成され、より低誘電率の薄膜の形成が可能となるものである。
このようにして、空孔が配向してなるポーラスな薄膜からなる低誘電率薄膜となっていることがわかる。
【0066】
このようにして、本発明の実施の形態の低誘電率薄膜22を備えた半導体発光装置が形成される。
【0067】
本発明の実施形態の方法によれば、TEOS蒸気雰囲気中での処理により、架橋反応が良好に進行し、構造体の強度が向上し、焼成に際しても、崩れることなく維持され、その結果、回折ピークが一致し、結晶構造のくずれなしに、良好に焼成が完了しておりすぐれた機械的強度を示すものである。
【0068】
かかる構成によれば、パッド絶縁膜が、基板表面に平行となるように空孔が良好に配向せしめられているため、強度が高められまた、基板表面に垂直な方向で均一に低誘電率をもつことになり、特に上層のパッド配線および下地基板に対して開口部を持たない、閉じた構造をとることができ、耐湿性に優れ機械的強度が高く、かつ信頼性の高い有効な低誘電率薄膜となる。従ってパッド容量が大幅に低減され、高速変調が可能で、かつリーク電流もなく、長寿命の層間絶縁膜となる。
【0069】
なお、前記実施例では焼成に先立ち、膜をTEOS蒸気雰囲気下にさらすようにしたが、この、蒸気雰囲気として用いるシリカ誘導体としては、TEOS(テトラエトキシシランTEOS:Tetraethoxy Silane)に限定されることなく、TMOS(テトラメトキシシランTEOS:Tetra−methoxy Silane)などのシリコンアルコキシド材料を用いるのが望ましい。
【0070】
また、TEOS、TMOS以外にも、下式に示すような構造式をもつシリカ誘導体は使用可能である。
【0071】
【化学式1】
Figure 0004056347
Rn(n=1,2,3,4・・)はCH3,C25などの飽和鎖状炭化水素系や、不飽和鎖状炭化水素系、あるいはベンゼン環などの芳香族系、シクロヘキサンなどの飽和環状炭化水素であり、R1,R2,R3,R4は同一でもそれぞれ異なるものでもよい。
【0072】
さらにまた、上記工程で用いる、シリカ誘導体としては、上記の化学式において、"R1-O"に代えてR1を用いるようにしてもよい。
【0073】
更に望ましくは、"R1-O"、"R2-O"、"R3-O"、"R4-O"、の官能基の内、1原子団から3原子団までをそれぞれ"R1"、"R2"、"R3"、"R4"等に置換するようにしてもよい。その一例を次式に示す。
【0074】
【化学式2】
Figure 0004056347
このような、シリル化剤を蒸気として用いることにより、高強度・高密着性の特性のみならず、極めて耐湿性に優れたメソポーラスシリカ膜を構築することが可能となる。
【0075】
また、前駆体溶液の組成については、前記実施形態の組成に限定されることなく、溶媒を100として、界面活性剤0.1から5、シリカ誘導体0.1から10、酸触媒0から5とするのが望ましい。かかる構成の前駆体溶液を用いることにより、円柱状の空孔を有する低誘電率絶縁膜を形成することが可能となる。
【0076】
また、前記実施形態では、界面活性剤として陽イオン型のセチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB:C1633+(CH33Br-)を用いたが、これに限定されることなく、他の界面活性剤を用いてもよいことは言うまでもない。
【0077】
ただし、触媒としてNaイオンなどのアルカリイオンを用いると半導体材料としては、劣化の原因となるため、陽イオン型の界面活性剤を用い、触媒としては酸触媒を用いるのが望ましい。酸触媒としては、HClの他、硝酸(HNO3)、硫酸(H2SO4)、燐酸(H3PO4)、H4SO4等の無機触媒を用いてもよい。また、カルボン酸、スルホン酸、スルフィン酸、フェノールなどの有機酸触媒を用いるようにしてもよい。
【0078】
また原料として用いるシリカ誘導体としては、TMOSに限定されることなく、テトラエトキシシラン(TEOS:Tetraethoxy Silane)などのシリコンアルコキシド材料を用いるのが望ましい。
【0079】
また溶媒としては水H2O/アルコール混合溶媒を用いたが、水のみでもよい。
【0080】
さらにまた、焼成雰囲気としては酸素雰囲気を用いたが、大気中でも、減圧下でも、窒素雰囲気中でもよい。望ましくは窒素と水素の混合ガスからなるフォーミングガスを用いることにより、耐湿性が向上し、リーク電流の低減を図ることが可能となる。
【0081】
また、界面活性剤、シリカ誘導体、酸触媒、溶媒の混合比については適宜変更可能である。
【0082】
さらに、予備重合工程は、90℃で一晩としたが、30から150℃で1時間乃至120時間の範囲であれば適宜選択可能である。望ましくは、60から120℃、更に望ましくは90℃とする。
【0083】
また、TEOSを180℃の飽和蒸気圧下に晒す工程は、1晩から3晩程度であればよい。さらにまた、容器内に外部からTEOS蒸気を供給したり、TEOS分圧を高めたり、プロセス温度を高めることで、時間の短縮化を図ることも可能である。また、温度については、シリカ誘導体の蒸気に晒せばよいため、180℃に限定されることなく、90℃以下でもよい。また上限は界面活性剤の熱分解の開始温度(200〜250℃)以下であればよい。
【0084】
また、焼成工程は、400℃1時間としたが、300℃から500℃で1乃至5時間程度としてもよい。望ましくは350℃から450℃とする。
【0085】
加えて、前記実施形態では、焼成に先立ち、TEOSを飽和蒸気圧下に晒すようにしたが、TEOSなどのシリカ誘導体蒸気雰囲気下で焼成するようにしてもよい。この場合は表面に酸化物などの堆積物を伴う場合がある。その場合は、焼成後表面処理を行うことにより堆積物を除去するようにすればよい。
【0086】
実施形態2
なお、前記第1の実施形態では、メサ構造の面発光型半導体レーザについて説明したが、これに限定されることなく図7に示すようなトレンチ構造の面発光型半導体レーザに対しても適用可能である。
この構造では前記第1の実施の形態におけるメサ部がトレンチで囲まれ、このトレンチ内にも前記低誘電率薄膜22が充填されていることを特徴とする。2は電極である。
【0087】
かかる構成によっても、メサ部の機械的強度の増大をはかることができるとともにパッド容量の小さい、面発光型半導体レーザを提供することができる。
なお、ディップコート法としては、上記方法の他、基板上に前駆体溶液を滴下する方法も有効である。
【0088】
実施形態3
なお、前記第1の実施形態では、メゾポーラスシリカ薄膜の形成は、前駆体溶液を回転塗布法によって行ったが、回転塗布(スピンコート)法に限定されることなく、図8(a)、(b)に示すように、浸漬法によってもよい。
【0089】
前記実施形態と同様にして図8(a)に示すように、混合し前駆体溶液を形成し、この溶液に前記メサ部が形成された基板4を図8(b)に示すように、浸漬する。そしてこの塗布された基板4を、90℃で一晩保持することによりシリカ誘導体を加水分解(重縮合反応)で重合させて(予備架橋工程)、界面活性剤の周期的な自己凝集体を鋳型とする、メゾポーラスシリカ薄膜を得る。
【0090】
そして最後に、前記第1の実施形態と同様に、90℃で二晩保持することによりシリカ誘導体を加水分解重縮合反応で重合させ、この後、180℃の飽和TMOS雰囲気中で、一晩の乾燥を行う。そして最後に、基板4を、400℃の酸素雰囲気中で3時間加熱・焼成し、鋳型の界面活性剤を完全に熱分解除去して純粋なメゾポーラスシリカ薄膜を形成する。
【0091】
かかる構成によれば、周期的なポーラス構造をもつため、機械的強度を高めることができ、信頼性の高い絶縁膜を得ることが可能となる。また、基板表面に平行となるように空孔が配向せしめられているため、基板表面に垂直な方向で均一に低誘電率をもつことになり、層間絶縁膜として用いる場合には、上層配線および下層配線に対して開口部を持たない閉じた構造をとることができ、耐湿性に優れ信頼性の高い有効な低誘電率薄膜としての役割を奏効する。
【0092】
実施形態4
なお前記実施形態では、一方向に配向せしめられた円柱状の空孔を含む周期的ポーラス構造ドメインが複数含まれ、隣接する各ポーラス構造ドメインは互いに異なる方向に配向している絶縁膜について説明したが、図9に示すように、空孔hが基板表面全体にわたって同一方向に配孔しているように形成してもよい。
【0093】
実施形態5
さらにまた、図10(e)および図10(f)に示すように空孔hが層状に配向してなる構造も有効である。ここでは更に前駆体溶液における界面活性剤の濃度を高めることにより形成したもので、他の工程については前記第1乃至第4の実施形態と同様である。
【0094】
図6(c)に示した構造体においてさらに界面活性剤の濃度を高めると、図10(e)に示すように分子が層状に配向し、図10(f)に示すような空孔hが層状に配向してなる低誘電率絶縁膜が形成される。この構造では円筒状の空孔を有するものに比べてさらに空孔率が高く低誘電率化を図ることが可能となる。
【0095】
なお、前駆体溶液を形成する際に、界面活性剤とシリカ誘導体の比率により、得られる構造体の構造が変化することがわかっている。
例えばCATB/TEOSなど界面活性剤とシリカ誘導体の分子比が0.3から0.8であるときは3次元ネットワーク構造(キュービック)となることがわかっている。この分子比よりも小さく、0.1から0.5であるときは筒状の空孔が配向してなる低誘電率絶縁膜となり、一方この分子比よりも大きく、0.5から2であるときは層状の空孔が配向してなる低誘電率絶縁膜となる。
【0096】
なお、前記実施形態では、スピナーを用いた回転塗布方法について説明したが、刷毛で塗布するいわゆる刷毛塗り法も適用可能である。
また、予備架橋工程は、塗布、浸漬などの基板への接触工程に先立ち行うことにより、予備架橋反応を生起せしめた前駆体溶液を接触せしめることが可能となる。また、前駆体溶液を基板に接触した後、予備架橋を行うようにしてもよい。
【0097】
加えて、前記実施形態では、面発光型半導体レーザのパッド絶縁膜について説明したが、例えば第2の実施の形態においてトレンチで半導体レーザと素子分離された半導体レーザの外側領域にHEMTなど化合物半導体を用いたデバイスを集積化した高速デバイスである半導体発光装置などにも適用可能である。
【0098】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、半導体レーザなどの半導体発光素子の絶縁膜に、低誘電率薄膜を形成しているので、パッド容量を低減し、高速動作の可能は半導体発光素子を提供することが可能となる。
また、機械的強度も高いため信頼性の向上をはかることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の面発光型半導体レーザ装置の斜視図である。
【図2】図1の面発光型半導体レーザ装置の要部拡大断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における面発光型半導体レーザ装置の製造工程を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における絶縁膜を示す説明図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における絶縁膜の形成工程を示す説明図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における絶縁膜を示す説明図である。
【図7】本発明の第2の実施形態の半導体レーザ装置を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施形態における絶縁膜の形成工程を示す説明図である。
【図9】本発明の第4の実施形態における絶縁膜を示す説明図である。
【図10】本発明の第5の実施形態における絶縁膜を示す説明図である。
【図11】従来例の半導体レーザ装置を示す斜視図である。
【図12】従来例の半導体レーザ装置の要部断面図である。
【符号の説明】
h 空孔
1 半導体レーザ装置
2 第2電極
3 第1電極
4 基板
5 下部多層反射膜
6 下部クラッド層
7 量子井戸活性層
8 上部スペーサ層
9 上部多層反射膜
10 電流狭窄層
10a 電流狭窄部
11 コンタクト層
12 ポリイミド膜
22 低誘電率薄膜

Claims (10)

  1. 基板上に形成された化合物半導体層からなるn型クラッド層と活性層とp型クラッド層のサンドイッチ構造を少なくとも有してなるメサ部と、
    コンタクト領域を除く前記メサ部を覆うように形成された無機絶縁膜とを具備し、
    前記無機絶縁膜は、前記基板表面に平行となるように空孔が配向せしめられ、空孔率50%以上の無機絶縁膜で構成されていることを特徴とする半導体発光装置。
  2. 前記無機絶縁膜は、基板表面に平行となるように円柱状の空孔が配向せしめられなることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
  3. 前記無機絶縁膜は、基板表面に平行となるように層状の空孔が配向せしめられなる請求項 1 に記載の半導体発光装置。
  4. 前記無機絶縁膜は、2種以上の周期的ポーラス構造を有する無機絶縁膜を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の半導体発光装置。
  5. 前記メサ部は、頂部に電極を備えた面発光構造を有しており、化合物半導体からなる量子井戸構造を有する活性層を形成してなる半導体層を備え、
    前記無機絶縁膜上に、前記電極にコンタクトするパッドが設けられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の半導体発光装置。
  6. 基板上に形成された化合物半導体層からなるn型クラッド層と活性層とp型クラッド層のサンドイッチ構造を少なくとも有してなるメサ部と、コンタクト領域を除く前記メサ部を覆うように形成された無機絶縁膜とを具備した半導体発光装置の製造方法において、
    前記無機絶縁膜の形成工程が、
    シリカ誘導体と界面活性剤を含む前駆体溶液を生成する工程と、
    前記前駆体溶液を昇温し、架橋反応を開始する予備架橋工程と、
    前記予備架橋工程で架橋反応の開始された前記前駆体溶液を基板表面に接触させる接触工程と、
    前記前駆体溶液が接触せしめられた基板を焼成し、前記界面活性剤を分解除去する工程とを含み前記基板表面に平行となるように空孔が配向せしめられた絶縁膜を形成するようにしたことを特徴とする半導体発光装置の製造方法。
  7. 前記接触工程は、基板を前駆体溶液に浸せきする工程であることを特徴とする請求項6に記載の半導体発光装置の製造方法。
  8. 前記接触工程は、基板を前駆体溶液に浸せきし、所望の速度で引き上げる工程であることを特徴とする請求項6に記載の半導体発光装置の製造方法。
  9. 前記接触工程は、前駆体溶液を基板上に塗布する工程であることを特徴とする請求項6に記載の半導体発光装置の製造方法。
  10. 前記接触工程は、前駆体溶液を基板上に滴下し、前記基板を回転させる回転塗布工程であることを特徴とする請求項9に記載の半導体発光装置の製造方法。
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