JP4055519B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、操舵部材の操作に基づいて転舵輪を転舵させる車両用操舵装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ステアリングホイール等の操舵部材と転舵輪との間の機械的な連結を解き、操舵伝達系の一部を電気的な経路で構成する、いわゆるステア・バイ・ワイヤ・システム(単にSBWとも称する)を搭載した車両用操舵装置が提供されている。
例えば特開平1−233170号公報の装置では、ステアリングシャフトに設けたエンコーダによってステアリングホイールの操舵位置を検出し、車両の進行方向をヨーレイトジャイロによって検出する。そして、検出された操舵位置に基づく進行変化指示値と、ヨーレイトジャイロの検出結果に基づく実際の進行方向変化量との偏差がゼロになるように、転舵輪を転舵制御している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種のステア・バイ・ワイヤ・システムでは、例えば反力用のアクチュエータとしての電動モータに断線等を生じたとき等に対するフェールセーフ対策が重要である。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、いわゆるステア・バイ・ワイヤ・システムにおける故障発生時にも良好な操舵を達成することができる車両用操舵装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、操舵部材と、この操舵部材に連なる太陽ギヤこの太陽ギヤと噛み合う遊星ギヤを回転可能に保持し転舵輪に連なるキャリア、並びに、上記遊星ギヤと噛み合うリングギヤを含む遊星ギヤ機構からなる差動伝達機構と、転舵輪を転舵させるための操舵用アクチュエータと、差動伝達機構のリングギヤに駆動伝達可能に連結され、操舵部材に操舵反力を与えるための反力用アクチュエータと、この反力用アクチュエータの異常を検出するための異常検出手段と、この異常検出手段によって反力用アクチュエータの異常が検出されたときに上記リングギヤを回転不能に拘束する回転不能拘束手段、及び異常検出手段によって反力用アクチュエータの異常が検出されたときに差動伝達機構の2つの要素の相対回転を拘束する相対回転拘束手段のうちの何れか一方とを備え、上記回転不能拘束手段は、固定部と、固定部から伸縮してリングギヤの外周面に押圧可能な可動部とを含み、上記相対回転拘束手段は、太陽ギヤに隣接するテーパ部の、遊星ギヤへの噛み込みによる圧壊を伴って、遊星ギヤと太陽ギヤを互いに拘束させることを特徴とするものである。
【0005】
本発明では、通常時は、反力用アクチュエータに適当なトルクを生じさせることで、差動伝達機構を介して操舵部材に適正な操舵反力を付与する。また、反力用アクチュエータに異常が発生したときには、回転不能拘束手段によって差動伝達機構の上記第3要素を回転不能に拘束することで、差動伝達機構の残りの2つの要素による伝達比でのマニュアル操舵を達成することができる。
また、反力用アクチュエータに異常が発生したときに、相対回転拘束手段によって、差動伝達機構の2つの要素の相対回転を拘束することで、差動伝達機構全体が一体に回転することになり、伝達比1:1でのマニュアル操舵を達成することができる。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1において、請求項1において、上記操舵用アクチュエータを駆動制御するための操舵制御部と、反力用アクチュエータを駆動制御するための反力制御部とをさらに備え、操舵制御部と反力制御部とが互いに独立して設けられており、反力用アクチュエータの異常発生時に、反力制御部による制御を中止すると共に、操舵制御部によって操舵用アクチュエータを操舵補助のために駆動制御し、上記操舵制御部は、反力用アクチュエータの異常発生時にのみ、操舵用アクチュエータを操舵補助のために駆動制御することを特徴とするものである。本発明では、反力用アクチュエータの異常発生時に、操舵制御部が操舵補助のための制御に切り換えて、操舵用アクチュエータを制御し、通常の電動パワーステアリング装置としての機能を実現する。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2において、上記操舵部材の操舵角を検出する操舵角検出手段と、転舵輪の転舵角を検出する転舵角検出手段とをさらに備え、上記異常検出手段は、操舵角検出手段により検出された検出操舵角と転舵角検出手段により検出された検出転舵角との比較に基づいて反力用アクチュエータの異常を検出することを特徴とするものである。
例えば反力用アクチュエータがロックしたり空回り状態になる場合には、検出操舵角と検出転舵角の比が正常範囲を逸脱する異常値をとるので、この比に基づいて反力用アクチュエータの異常を判断することができる。また、本発明では、もととも設けられている操舵角検出手段や転舵角検出手段の出力を用いてコスト安価に反力用アクチュエータの異常を検出することができる。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2において、上記操舵部材の操舵トルクを検出するための操舵トルク検出手段をさらに備え、上記異常検出手段は、反力制御部により設定される目標反力と操舵トルク検出手段により検出される検出操舵トルクとの偏差が所定値を超える場合に、反力用アクチュエータの異常を検出することを特徴とするものである。本発明では、もともと設けられている操舵トルク検出手段の出力を用いてコスト安価に反力用アクチュエータの異常を検出することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の一実施の形態の車両用操舵装置の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、本車両用操舵装置1は、例えばステアリングホイール等の操舵部材2に一体回転可能に連結される第1操舵軸3と、この第1操舵軸3と同軸上に設けられラックアンドピニオン機構等の舵取り機構4に連結される第2操舵軸5と、第1及び第2操舵軸3,5間の差動回転を許容するための差動伝達機構を構成する遊星伝達機構としての遊星ギヤ機構6とを備える。
【0010】
舵取り機構4は、車両の左右方向に延びて配置された転舵軸7と、この転舵軸7の両端にタイロッド8を介して結合され、転舵輪9を支持するナックルアーム10とを備える。転舵軸7はハウジング11により支承されて軸方向に摺動可能とされており、その途中部に、電動モータからなる操舵用アクチュエータ12が同軸的に組み込まれている。操舵用アクチュエータ12の駆動回転は、ボールねじ機構等の運動変換機構等によって転舵軸7の摺動に変換され、この転舵軸7の摺動により転舵輪9の転舵が達成される。
【0011】
本実施の形態の特徴とするところは、操舵装置1が、通常時は、操舵部材2から転舵輪9への操舵伝達系Aの途中部において機械的な連結が断たれたステア・バイ・ワイヤ・システムとして機能し、反力用アクチュエータ20の故障発生時には、回転不能拘束手段としてのプランジャ13によって、遊星ギヤ機構6の1要素である例えばリングギヤ18を回転不能に拘束することにより、操舵部材2と転舵輪9との間を機械的に連結して、残りの2要素である例えば太陽ギヤ15と遊星ギヤ17とのギヤ比でのマニュアルステアリング、若しくは後述するように電動パワーステアリングとして機能させる点にある。
【0012】
プランジャ13としては、ソレノイドその他の電磁式のプランジャや油圧式のプランジャを用いることができる。また、プランジャ13に代えて、パウダーブレーキ、ヒステリシスブレーキ、その他公知の電磁ブレーキを用いることができる。ただし、本実施の形態では、電磁式のプランジャ13を用いる場合に則して説明する。
転舵軸7の一部には、ラック7aが形成されており、このラック7aには、第2操舵軸5の端部に設けられて第2操舵軸5と一体回転するピニオン14が噛み合わされている。後述するように、操舵用アクチュエータ12の故障時に、操舵部材2の操作に応じて第2操舵軸5が回転駆動されると、この第2操舵軸5の回転がピニオン14及びラック7aにより、転舵軸7の摺動に変換され、転舵輪9の転舵が達成される。
【0013】
遊星ギヤ機構6は、第1操舵軸3の端部に一体回転可能に連結された入力側となる第1要素(太陽部材)としての太陽ギヤ15と、出力側となるキャリア16により回転自在に保持されて太陽ギヤ15と噛み合う第2要素(遊星部材)としての複数の遊星ギヤ17と、各遊星ギヤ17に噛み合う内歯18aを内周に持つリング部材としてのリングギヤ18とを含む。
リングギヤ18は外歯18bを形成することで例えばウォームホイールを構成している。この外歯18bは例えばウォームからなる駆動伝達ギヤ19を介して、操舵部材2に操作反力を与えるための反力用アクチュエータ20に駆動連結されている。この反力用アクチュエータ20は例えば電動モータからなり、そのケーシングは車体の適所に固定されている。
【0014】
電磁式のプランジャ13は、例えばステアリングコラム等の固定部材に固定される固定部22と、固定部22から伸縮してリングギヤ18の外周面に押圧可能な可動部23とを備える。固定部22は第1操舵軸3の回りに回動できないようになっている。プランジャ13は単一でも良いし、リングギヤ18と同心の円周上に並べて複数設けても良い。プランジャ13の可動部23は通常時は図1に示すように縮小され、リングギヤ18から離反している。
【0015】
反力用アクチュエータ20に異常が発生したときに、プランジャ13は、例えば内蔵するソレノイドが励磁されることにより、可動部23を伸長させ、リングギヤ18に押圧して、リングギヤ18の回転を拘束する。その結果、操舵部材2の回転がピニオン1に太陽ギヤ15からキャリア16伝達比で伝達され、本車両用操舵装置1をマニュアルステアリング状態にすることができる。さらには、後述するように電動パワーステアリング状態にすることができる。
【0016】
本車両用操舵装置1の制御系としては、CPU(中央処理装置)を含む電子制御ユニットによりそれぞれ構成される主制御部50、反力制御部51及び操舵制御部52が設けられる。
反力用アクチュエータ20及び操舵用アクチュエータ12には、ドライバ53及び54をそれぞれ介して駆動電流が与えられる。すなわち、反力制御部51は反力用アクチュエータ20をドライバ53を介して駆動制御(電流フィードバック制御)する。操舵制御部52は操舵用アクチュエータ12をドライバ54を介して駆動制御(電流フィードバック制御)する。また、電磁式のプランジャ13には、ドライバ55を介して内蔵ソレノイドを励磁するための駆動電流が与えられる。
【0017】
反力制御部51と操舵制御部52とは制御信号線Cを介して接続されていて互いの間で制御信号をやりとりできるようになっている。
一方、第1操舵軸3には操舵部材2による操舵角を検出するための操舵角検出手段としての操舵角センサ24、及び操舵部材2から入力される操舵トルクを検出するための操舵トルク検出手段としてのトルクセンサ25が設けられている。また、第2操舵軸5には、当該第2操舵軸5の回転位置に関連して転舵角を検出するための転舵角検出手段としての転舵角センサ26が設けられている。
【0018】
操舵角センサ24、トルクセンサ25、転舵角センサ26、車速を検出するための車速センサ27からの各検出信号は、信号線L1を介して主制御部50に与えられる。主制御部50は、これらのセンサ24〜27からの検出信号に基づいて、反力制御部51及び操舵制御部52を制御する。すなわち、主制御部50は、センサ24〜27の検出信号のうち、反力制御部51及び操舵制御部52においてそれぞれ必要とされるものを、反力制御部51及び操舵制御部52にそれぞれ伝達したり、反力制御部51及び操舵制御部52を制御するための制御指令を発生したりする。
【0019】
一方、反力制御部51には、操舵角センサ24及び車速センサ27からの検出信号が、主制御部50を介することなく、信号線L2を介して入力されるようになっている。
また、操舵制御部52には、操舵角センサ24、トルクセンサ25、転舵角センサ26及び車速センサ27からの検出信号が、主制御部50を介することなく、信号線L3を介して入力されるようになっている。
【0020】
図2は各制御部50,51,52により実行される舵取り制御の処理について説明するためのフローチャートである。図2を参照して、主制御部50は反力用アクチュエータ20が正常に動作しているか否かを監視している(ステップS1)。
反力用アクチュエータ20に異常が発生していない場合には(ステップS1でNO)、操舵制御部52が、電磁式のプランジャ13の励磁を解除しておき(ステップS2)、反力用アクチュエータ20によって例えば路面反力に応じた操舵反力を操舵部材2に与えるためのトルクを発生させるべく、検出操舵角及び検出車速に基づいて反力制御部51が反力制御を実施する(ステップS3)。
【0021】
また、例えば車両の走行状況等に応じて操舵部材2の回転量と転舵輪9の転舵量との比(伝達比、ギヤ比)を設定し、VGR(Variable Gear Ratio)機能を作用させることも可能である。この設定した伝達比及び操舵部材2の操作量などに基づいて、操舵用アクチュエータ12の電圧指令値を設定し、その電圧指令値に応じた制御信号を駆動回路54に与えて、操舵制御部52が操舵制御パターン1により操舵用アクチュエータ12を駆動制御する(ステップS4)。
【0022】
これにより、操舵用アクチュエータ12から、操舵部材2の操作方向に応じた方向に転舵軸7を摺動させるためのトルクが出力され、車両の走行状況や操舵部材2の操作態様に応じた良好な操舵が達成される。なお、必ずしも、VGR機能を設定する必要はない。
こうして、操舵用アクチュエータ12を駆動制御している間に、反力用アクチュエータ20に異常が発生すると(ステップS1でYES)、反力制御部51による反力アクチュエータ20の反力制御を中止する(ステップS5)。次いで、駆動回路55に制御信号を出力し、それまで励磁を解除させていた電磁式のプランジャ13を励磁する(ステップS6)。これにより、操舵部材2と舵取り機構4との間で、遊星ギヤ機構6を介する機械的な結合が達成される。次いで、操舵制御部52が操舵用アクチュエータ12を操舵制御パターン2により操舵制御することにより(ステップS7)、通常の電動パワーステアリング装置として機能させる。
【0023】
なお、ステップS4での通常時の操舵制御部32による操舵制御パターン1は、いわゆるSBWでの操舵制御のパターンであり、ステップS7の異常発生時で操舵伝達系Aの機械的な結合が達成されている操舵制御部32による操舵制御パターン2は、通常の電動パワーステアリング装置の操舵補助と同じ制御パターンである。
次いで、図3は図2のフローチャートのステップS1における異常検出のフローの別の例を示している。この異常検出は主制御部50にて実施しても良いし、反力制御部51又は操舵制御部52にて実施するようにしても良い。
【0024】
操舵角センサ24及び転舵角センサ26からの入力信号に基づいて検出された検出操舵角F及び検出転舵角Gが読み込まれる(ステップT1)。
検出操舵角F及び検出転舵角Gの比F/Gが正常範囲(例えば予め定められる操舵角と転舵角との相関マップ値とこれに近似する範囲)にある場合には(ステップT2にてNO)、反力アクチュエータ20が正常に動作しているので、図2のフローチャートのステップS2へ移行し、反力制御部51による反力制御と、SBW用の操舵制御パターン1にて操舵制御部52による操舵用アクチュエータ12の操舵制御が実施される。
【0025】
一方、比F/Gが正常範囲(上記のマップ値とこれに近似する範囲)を逸脱する異常値を一定時間とる場合には(ステップT2にてYES)、反力アクチュエータ20の異常と判定し(ステップT3)、ステップS5へ移行し、反力制御部51による反力制御を中止すると共に、操舵部材2と舵取り機構4が機械的に結合された通常の電動パワーステアリング装置の操舵補助の制御パターンに相当する操舵制御パターン2にての操舵制御を操舵制御部52により実施する。
【0026】
例えば、反力用アクチュエータ20がロックする(回転不能となる)場合には、リングギヤ18が回転不能となり、比F/Gは、差動伝達機構6の残りの2要素の伝達比で規定される異常値をとり常に一定となる。
以上のように、本実施の形態では、通常時はステア・バイ・ワイヤ・システムとして機能させ、反力用アクチュエータ20により適当な操舵反力を操舵部材2に与え、必要であればVGR機能を発揮させる。
【0027】
そして、反力用アクチュエータ20の故障発生時には、遊星ギヤ機構6の1要素の回転を拘束する簡便な構造にて、操舵部材2と舵取り機構4とを遊星ギヤ機構6を介して機械的に結合させる。また、反力アクチュエータ20の駆動制御を中止する一方、操舵制御パターン2に切り換えられて駆動制御される操舵用アクチュエータ12を用いて操舵補助する。つまり、通常の電動パワーステアリング装置としての機能を発揮させてフェール時にも良好な操舵を達成することができる。
【0028】
次いで、図4は図2のフローチャートのステップS1における異常検出のフローの別の例を示している。この異常検出は主制御部50にて実施しても良いし、反力制御部51又は操舵制御部52にて実施するようにしても良い。
操舵トルクセンサ24からの検出信号に基づいて検出される検出操舵トルクT及び、反力制御部51による目標反力トルク値TAを読み込む(ステップR1)。これらの値T及びTAの偏差(TA−T)が所定値P未満のときは(ステップR2でNO)、図2のフローチャートのステップS2へ移行し、反力制御部51による反力制御と、SBW用の操舵制御パターン1にての操舵制御部52による操舵用アクチュエータ12の操舵制御が実施される。
【0029】
一方、検出操舵トルクTと目標反力トルク値TAとの偏差(TA−T)が所定値P以上のときは(ステップR2でYES)、反力用アクチュエータ20の異常であると判定し(ステップR3)、図2のフローチャートのステップS5へ移行し、反力制御部51による反力制御を中止すると共に、操舵伝達系Aの機械的な結合が達成された通常の電動パワーステアリング装置における操舵補助制御に相当する操舵制御パターン2にての操舵制御を操舵制御部52により実施する。
【0030】
なお、転舵トルクセンサが設けられる場合には、検出操舵トルクに代えて、転舵トルクセンサによる検出転舵トルクを用い、検出転舵トルク値と目標反力トルク値TAとの偏差に基づいて、反力用アクチュエータ20の異常の有無を判定するようにしても良い。
また、上記の各実施の形態では、反力アクチュエータ20の異常発生時に、差動伝達機構6の1要素であるリングギヤ18を回転不能に拘束することで、操舵伝達系Aの機械的な結合を達成したが、これに限らず、差動伝達機構6の何れか2つの要素の相対回転を拘束することで、差動伝達機構6全体を一体回転可能として操舵伝達系Aの機械的な結合を達成するようにしても良い。
【0031】
その例を、図5を参照しつつ説明する。図5では、図1と異なる構成の部分のみを示してある。すなわち、第1の操舵軸3がアッパ軸3aとロア軸3bに分割され、これらのアッパ軸3aとロア軸3bが、例えばスプライン等を有する継手31を介して一体回転可能で且つ軸方向に相対移動可能に連結される。
第1の操舵軸3のロア軸3bに、太陽ギヤ15に隣接するテーパ部42を設けて、これを相対回転拘束手段とする。テーパ部42は操舵部材2側にいくにしたがってその径が次第に大きくなっている。
【0032】
また、ロア軸3bにラック34を設け、これにピニオン35を噛み合わせている。ピニオン35は駆動手段としてのモータ36により回転駆動され、このピニオン35の回転がラック34の軸方向移動に変換される。 なお、図示していないが、ピニオン35及びモータ36は、第1の操舵軸3と一体回転し且つアッパ軸3aに対する軸方向移動を止められる、すわなち、ロア軸3bに対して軸方向移動可能な部材に支持される。
【0033】
操舵制御部52はドライバ56を介してモータ36を制御し、ロア軸3bを昇降させる。このロア軸3b昇降に伴って、テーパ部42が遊星ギヤ17から軸方向に離間する拘束解除位置と、遊星ギヤ17へ噛み込む拘束位置とに変位される。
図6は図5の実施の形態における舵取り制御の処理を示すフローチャートである。図6のフローが図2のフローと異なるのは、ステップU2とステップU6である。ステップU2において、テーパ部42が差動伝達機構6を拘束しない状態が維持される。すなわち、ロア軸3bが上昇位置にあってテーパ部42は遊星ギヤ17から軸方向に離間する拘束解除位置に保持される。
【0034】
一方、ステップU6では、モータ36によってロア軸3bを矢印の如く下降させ、テーパ部42が遊星ギヤ17へ噛み込む拘束位置に移動させる。これにより、差動伝達機構6の太陽ギヤ15と遊星ギヤ17の相対回転を拘束し、差動伝達機構6が一体回転できるようにする。図6において、他のステップについては図2のフローと同様であるので、説明を省略する。
本実施の形態においても、反力用アクチュエータ20の異常発生時に、テーパ部42を遊星ギヤ17に噛み込ませ、例えばテーパ部42の圧壊を伴って遊星ギヤ17と太陽ギヤ15(すなわち第1操舵軸3のロア軸3b)を互いに拘束させ、これにより、伝達比1:1の電動パワーステアリング装置として機能させることができる。
【0035】
特に、テーパ部42を破壊しながら対応するギヤ15,17を互いに拘束するので、相対回転量が大きい場合でも容易に両ギヤ15,17を相拘束することができる。
また、上記各実施の形態において、操舵部材2に第1要素としての太陽ギヤ15が連なり、転舵輪9に第2要素としての遊星ギヤ17を支持するキャリア16が連なるようにしたが、これに限らず、操舵部材2に連なる第1要素、及び転舵輪9に連なる第2要素を、太陽ギヤ15、キャリア16及びリングギヤ18の中から何れか2つを選び、残りのギヤを第3要素として、該第3要素に反力用アクチュエータ20を駆動伝達可能に連結するようにすれば良い。
【0036】
その他、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、例えば、遊星ギヤ機構6に代えて、遊星ローラ機構を用いることが可能である。
その他、本発明の特許請求の範囲で種々の変更を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の車両用操舵装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】図1の車両用操舵装置の舵取り制御の流れを示すフローチャートである。
【図3】異常検出の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の別の実施の形態の異常検出の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明のさらに別の実施の形態の車両用操舵装置の要部の概略構成を示す模式図である。
【図6】図5の車両用操舵装置の舵取り制御の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 車両用操舵装置
2 操舵部材
3 第1操舵軸
3a アッパ軸
3b ロア軸
4 舵取り機構
5 第2操舵軸
6 遊星ギヤ機構(差動伝達機構)
7 転舵軸
7a ラック
9 転舵輪
A 操舵伝達系
12 操舵用アクチュエータ
13 プランジャ(回転不能拘束手段)
14 ピニオン
15 太陽ギヤ(第1要素)
16 キャリア(第2要素)
17 遊星ギヤ(第2要素)
18 リングギヤ(第3要素)
18a 内歯
18b 外歯
19 駆動伝達ギヤ
20 反力用アクチュエータ
24 操舵角センサ(操舵角検出手段)
25 トルクセンサ
26 転舵角センサ(転舵角検出手段)
27 車速センサ
31 継手
34 ラック
35 ピニオン
36 モータ(駆動手段)
42 テーパ部(相対回転拘束手段)
50 主制御部
51 反力制御部
52 操舵制御部
53,54,55,56 ドライバ

Claims (4)

  1. 操舵部材と、
    この操舵部材に連なる太陽ギヤこの太陽ギヤと噛み合う遊星ギヤを回転可能に保持し転舵輪に連なるキャリア、並びに、上記遊星ギヤと噛み合うリングギヤを含む遊星ギヤ機構からなる差動伝達機構と、
    転舵輪を転舵させるための操舵用アクチュエータと、
    差動伝達機構のリングギヤに駆動伝達可能に連結され、操舵部材に操舵反力を与えるための反力用アクチュエータと、
    この反力用アクチュエータの異常を検出するための異常検出手段と、
    この異常検出手段によって反力用アクチュエータの異常が検出されたときに上記リングギヤを回転不能に拘束する回転不能拘束手段、及び異常検出手段によって反力用アクチュエータの異常が検出されたときに差動伝達機構の2つの要素の相対回転を拘束する相対回転拘束手段のうちの何れか一方とを備え、
    上記回転不能拘束手段は、固定部と、固定部から伸縮してリングギヤの外周面に押圧可能な可動部とを含み、
    上記相対回転拘束手段は、太陽ギヤに隣接するテーパ部の、遊星ギヤへの噛み込みによる圧壊を伴って、遊星ギヤと太陽ギヤを互いに拘束させることを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 請求項1において、上記操舵用アクチュエータを駆動制御するための操舵制御部と、反力用アクチュエータを駆動制御するための反力制御部とをさらに備え、操舵制御部と反力制御部とが互いに独立して設けられており、
    反力用アクチュエータの異常発生時に、反力制御部による制御を中止すると共に、操舵制御部によって操舵用アクチュエータを操舵補助のために駆動制御し、
    上記操舵制御部は、反力用アクチュエータの異常発生時にのみ、操舵用アクチュエータを操舵補助のために駆動制御することを特徴とする車両用操舵装置。
  3. 請求項1又は2において、上記操舵部材の操舵角を検出する操舵角検出手段と、転舵輪の転舵角を検出する転舵角検出手段とをさらに備え、
    上記異常検出手段は、操舵角検出手段により検出された検出操舵角と転舵角検出手段により検出された検出転舵角との比較に基づいて反力用アクチュエータの異常を検出することを特徴とする車両用操舵装置。
  4. 請求項1又は2において、上記操舵部材の操舵トルクを検出するための操舵トルク検出手段をさらに備え、
    上記異常検出手段は、反力制御部により設定される目標反力と操舵トルク検出手段により検出される検出操舵トルクとの偏差が所定値を超える場合に、反力用アクチュエータの異常を検出することを特徴とする車両用操舵装置。
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