JP4055427B2 - 硬化性組成物、それを用いたハードコート処理物品及び画像表示装置 - Google Patents

硬化性組成物、それを用いたハードコート処理物品及び画像表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬度が高く硬化収縮が少ない硬化物が得られる硬化性組成物に関する。本発明は、また該硬化性組成物を基材上に塗布、硬化させることで得られる硬化樹脂層を有するハードコート処理物品に関する。さらに詳しくは、本発明は、膜剥がれやヒビワレの発生が少なく、優れた耐擦傷性、表面硬度を有するハードコート処理物品に関する。また、本発明は、膜剥がれやヒビワレの発生が少なく、硬化後のカールの少ない、優れた耐擦傷性、表面硬度を有するハードコートフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プラスチック製品が、加工性、軽量化の観点でガラス製品と置き換わりつつあるが、これらプラスチック製品の表面は傷つきやすいため、耐擦傷性を付与する目的で硬化樹脂層からなるハードコート層を直接塗設したり、ハードコート層付きプラスチックフィルム(本発明において「ハードコートフィルム」と称する。)を貼合して用いる場合が多い。また、従来のガラス製品についても、飛散防止のためにプラスチックフィルムを貼合する場合が増えており、これらのフィルム表面の硬度強化のために、その表面にハードコート層を形成することは有用であり、広く行われている。
【0003】
従来のハードコート塗料としては、熱硬化性塗料、あるいは紫外線硬化型塗料が用いられているが、これをプラスチックフィルム上に塗布し、硬化させて得られるハードコートフィルム用途にはプラスチックフィルム自身の耐熱性が低いため、低温で硬化可能な紫外線硬化型塗料が広く用いられている。一般に、紫外線硬化型塗料に用いられている硬化性成分は、分子内に2〜6個のアクリル酸エステル基を有する多官能アクリレートモノマーと称される化合物やウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートと称される分子内に数個のアクリル酸エステル基を有する分子量が数百から数千のオリゴマーが用いられる。しかしながら、該オリゴマー化合物はアクリル基の導入量が少ないものが多く、単独では十分な硬度が得られないため、より高い硬度が要求されるハードコート塗料としては、多官能アクリレートモノマーが広く用いられている。
【0004】
一般にハードコートフィルムは、上記のようなハードコート塗料をプラスチックフィルム上に直接、或いは1μm程度のプライマー層を介して3〜10μm程度の薄い塗膜を形成して製造している。しかしながら、従来のハードコートフィルムは、そのハードコート層の硬度が不十分であったこと、また、その塗膜厚みが薄いことに起因して、下地のプラスチック基材フィルムが変形した場合に、それに応じてハードコート層も変形し、ハードコートフィルム全体としての硬度は低く、十分に満足できるものではなかった。例えば、プラスチック基材フィルムとして広く利用されているトリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、紫外線硬化型塗料を上記の厚みで塗工したハードコートフィルムにおいては、鉛筆硬度で2H〜3Hレベルが一般的であり、ガラスの鉛筆硬度である9Hには全く及ばないものである。
【0005】
一方、硬度が不充分であってもハードコート層の厚みを通常の3〜10μmよりも単に厚くすれば、得られたハードコートフィルムの硬度は向上するが、ハードコート層のヒビ割れが生じやすくなると同時に硬化時の体積収縮により基材との接着性が悪化し剥離を生じたりハードコートフィルムのカールが大きくなるという問題がある。このため従来の技術では、実用上使用できる良好な特性を有するハードコートフィルムを得ることは困難であった。
【0006】
ハードコート層の樹脂形成成分を多官能アクリレートモノマーとし、これにアルミナ、シリカ、酸化チタン等の粉末状無機充填剤および重合開始剤を含有する被覆用組成物が特公平02−60696号に開示されている。また、アルコキシシラン等で表面処理したシリカもしくはアルミナからなる無機質の装填材料を含む光重合性組成物が特公昭62−21815号に開示されている。また、ハードコート層を2層化し、第一層に微粒子のシリカを添加することで、カールと耐傷性を満足させる方法が特開2000−52472に提案されている。これらに記載されるように、無機微粒子を添加することで、ハードコート層の硬度は向上し、さらに硬化収縮量も低減されるが、近年要求されているハードコートの表面硬度に対して満足いくものではなかった。
【0007】
特開平8−73771号には1分子内に3個以上のラジカル重合性基を含む化合物と1分子内にエポキシ基を1〜5個含有するカチオン重合性化合物の混合物からなる光硬化性ハードコート組成物についての記載がある。該公報の形態は硬化収縮量はある程度低減されるが、十分な硬度が得られず、表面硬度を高めるために膜厚を厚くするとハードコートフィルムのカールが大きくなり、硬度、硬化収縮の点で満足いくものではなかった。
【0008】
特開2000−71392号にハードコート層を2層構成とし、下層をラジカル硬化性樹脂とカチオン硬化性樹脂のブレンドからなる硬化樹脂層を使用し、上層にラジカル硬化性樹脂のみからなる硬化樹脂層を使用したハードコートフィルムの記載がある。該公報によると下層の弾性率を上層よりも低くすることで加えられた応力をハードコート層の変形により吸収できると記載があり、実施例中においても下層に単官能もしくは2官能のカチオン硬化性化合物を用いることにより、確かに膜剥がれやひび割れ、カールが少なく、4Hの鉛筆硬度を実現している。しかしながら、このような構成は、JIS K5400で傷として定義されている塗膜の剥がれや塗膜の擦り傷は発生しにくいが、塗膜のへこみが顕著であり、これを改良しようとして上層の硬度を高めたり膜厚を厚くするとフィルム裁断時のエッジ部でのひび割れが発生し、近年要求されているハードコートの表面硬度に対して満足いくものではなかった。
【0009】
われわれは鋭意検討の結果、特定の化合物を用いることで硬度が高く、硬化収縮の少ない硬化物が得られる硬化性組成物を見出した。また基材上に該硬化性組成物を塗設することで硬化後の膜剥がれやひび割れが生じにくく、十分な硬度を有するハードコート処理物品を得られることを見出した。さらに基材にプラスチックフィルムを用いても硬化収縮に起因するカールが少なく、十分な硬度を有するハードコートフィルムを得られることを見出した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、硬度が高く硬化収縮が少ない硬化物が得られる硬化性組成物を提供することにある。また、膜剥がれやヒビ割れが生じにくく、十分な硬度を有するハードコート処理物品を提供することにある。また、プラスチックフィルム基材を使用した場合も膜剥がれやヒビ割れが生じにくく、更には硬化収縮に起因するカールの問題を回避し、十分な硬度を有するハードコートフィルムを提供することにある。その他の課題は、以下の記載から明らかになるであろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の手段によって達成された。
1)下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーと、同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物の両方を含有し、架橋性ポリマー中の開環重合性基とエチレン性不飽和基の両方を重合させることにより硬化することを特徴とする硬化性組成物。
一般式(1)
【化4】
Figure 0004055427
式中Rは水素原子もしくは炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、
は開環重合性基を含む一価の基であり、Lは単結合もしくは二価の連結基である。
2)一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーを含有し、開環重合性基とエチレン性不飽和基の両方を重合させることにより硬化することを特徴とする硬化性組成物。
一般式(1)
【化5】
Figure 0004055427
式中Rは水素原子もしくは炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、
は開環重合性基を含む一価の基であり、Lは単結合もしくは二価の連結基である。
一般式(2)
【化6】
Figure 0004055427
式中Rは水素原子もしくは炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、
はエチレン性不飽和基を含む一価の基であり、Lは単結合もしくは二価の連結基である。
3)開環重合性基がカチオン重合性基である上記1)または2)に記載の硬化性組成物。
4)エチレン性不飽和基がアクリロイル基又はメタクリロイル基である上記1)ないし3)いずれか1つに記載の硬化性組成物。
5)一般式(1)で表される繰り返し単位がグリシジルメタクリレート又はグリシジルアクリレートから誘導される繰り返し単位である上記1)ないし4)いずれか1つに記載の硬化性組成物。
6)活性エネルギー線を利用して硬化させることができる上記1)ないし5)いずれか1つに記載の硬化性組成物。
7)硬化性組成物中に感光性カチオン重合開始剤と感光性ラジカル重合開始剤の両方を含む上記1)ないし6)いずれか1つに記載の硬化性組成物。
8)硬化性組成物に架橋微粒子を含有する上記1)ないし7)いずれか1つに記載の硬化性組成物。
9)1)ないし8)いずれか1つに記載の硬化性組成物を用いたハードコート処理物品。
10)ハードコート層が複数層からなるハードコート処理物品であって、少なくとも一つのハードコート層が、上記1)ないし8)いずれか1つに記載の硬化性組成物を硬化して形成されたハードコート層であるハードコート処理物品。
11)ハードコート層が単層からなる上記9)記載のハードコート処理物品。
12)少なくともハードコート層の最外層が、上記1)ないし8)いずれか1つに記載の硬化性組成物を硬化して形成されたハードコート層である上記10)記載のハードコート処理物品。
13)ハードコート層を硬化した後のハードコート層表面の鉛筆硬度が4H〜9Hである上記9)ないし12)いずれか1つに記載のハードコート処理物品。
14)硬化後のハードコート層の膜厚が、20〜200μmである上記9)ないし13)いずれか1つに記載のハードコート処理物品。
15)ハードコート層上に反射防止層を有する上記9)ないし14)いずれか1つに記載のハードコート処理物品。
16)基材がプラスチックフィルムである上記9)ないし15)いずれか1つに記載のハードコートフィルム。
17)上記16)記載のハードコートフィルムを取り付けた画像表示装置。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の硬化性組成物は、一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーと同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物の両方を含有するか、一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーを含有するいずれかの組成物である。また、本発明のハードコート処理物品は、基材上に本発明の硬化性組成物を塗設し、硬化して形成されるハードコート層を有するものであって、ハードコート層は単層であっても複数層から構成されていてもよいが、製造工程上簡便な単層であることが好ましい。この場合の単層とは同一組成物で形成されるハードコート層であって、塗布、乾燥(両者を合わせて「塗設」という。)後の組成が、同一組成のものであれば、複数回の塗布で形成されていてもよい。一方、複数層とは組成の異なる複数の組成物で形成されることを表し、本発明では少なくとも一層が、本発明の硬化性組成物を塗設し、硬化して形成されるハードコート層であることが必要であり、特に最外層が本発明の硬化性組成物を塗設し、硬化して形成されるハードコート層であることが好ましい。
【0013】
以下に本発明の一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーについて詳細に説明する。一般式(1)の式中Rは水素原子もしくは炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、好ましくは水素原子もしくはメチル基である。Lは単結合もしくは二価の連結基であり、好ましくは単結合、−O−、アルキレン基、アリーレン基および*側で主鎖に連結する*−COO−、*−CONH−、*−OCO−、*−NHCO−である。Pは開環重合性基を含む一価の基である。開環重合性基を含む一価の基とはカチオン、アニオン、ラジカルなどの作用により開環重合が進行する環構造を有する一価の基であり、この中でもヘテロ環状化合物のカチオン開環重合が好ましい。好ましいPとしては、エポキシ環、オキセタン環、テトラヒドロフラン環、ラクトン環、カーボネート環、オキサゾリン環などのイミノエーテル環などを含む一価の基が挙げられ、この中でも特に好ましくはエポキシ環、オキセタン環、オキサゾリン環を含む一価の基であり、最も好ましくはエポキシ環を含む一価の基である。
【0014】
本発明の一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは、対応するモノマーを重合させて合成することが簡便で好ましい。この場合の重合反応としてはラジカル重合が最も簡便で好ましい。
以下に一般式(1)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0015】
【化7】
Figure 0004055427
【0016】
【化8】
Figure 0004055427
【0017】
【化9】
Figure 0004055427
【0018】
本発明の一般式(1)で表される繰り返し単位のうち、より好ましい例としては、エポキシ環を有するメタクリレートまたはアクリレートから誘導される繰り返し単位であり、その中でも特に好ましい例としてグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートから誘導されるE−1、E−3をあげることができる。また、本発明の一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは複数種の一般式(1)で表される繰り返し単位で構成されたコポリマーであってもよく、その中でも特にE−1、E−3いずれかのコポリマーとすることでより効果的に硬化収縮を低減できる。
【0019】
本発明の一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは一般式(1)以外の繰り返し単位(例えば開環重合性基を含まない繰り返し単位)を含んだコポリマーでもよい。特に架橋性ポリマーのTgや親疎水性をコントロールしたい場合や、架橋性ポリマーの開環重合性基の含有量をコントロールする目的で一般式(1)以外の繰り返し単位を含んだコポリマーとすることができる。一般式(1)以外の繰り返し単位の導入方法は、対応するモノマーを共重合させて導入する手法が好ましい。
【0020】
一般式(1)以外の繰り返し単位を、対応するビニルモノマーを共重合することによって導入する場合、好ましく用いられるモノマーとしては、アクリル酸またはα−アルキルアクリル酸(例えばメタクリル酸など)類から誘導されるエステル類もしくはアミド類(例えば、N−i−プロピルアクリルアミド、N−n−ブチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−メチル−2−ニトロプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ペンチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−メトキシメトキシエチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2−ジメチルブチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、3−ペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロペンチルアクリレート、セチルアクリレート、ベンジルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、4−メチル−2−プロピルペンチルアクリレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、n−オクタデシルアクリレート、メチルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、n−オクタデシルメタクリレート、2−イソボルニルメタクリレート、2−ノルボルニルメチルメタクリレート、5−ノルボルネン−2−イルメチルメタクリレート、3−メチル−2−ノルボルニルメチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートなど)、アクリル酸またはα−アルキルアクリル酸(アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸など)、ビニルエステル類(例えば酢酸ビニル)、マレイン酸またはフマル酸から誘導されるエステル類(マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチルなど)、マレイミド類(N−フェニルマレイミドなど)、マレイン酸、フマル酸、p−スチレンスルホン酸のナトリウム塩、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ジエン類(例えばブタジエン、シクロペンタジエン、イソプレン)、芳香族ビニル化合物(例えばスチレン、p−クロルスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム)、N−ビニルピロリドン、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルサクシンイミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、1−ビニルイミダゾール、4−ビニルピリジン、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸ナトリウム、ビニリデンクロライド、ビニルアルキルエーテル類(例えばメチルビニルエーテル)、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等が挙げれる。これらのビニルモノマーは2種類以上組み合わせて使用してもよい。これら以外のビニルモノマーはリサーチディスクロージャーNo.1955(1980年、7月)に記載されているものを使用することができる。本発明ではアクリル酸またはメタクリル酸から誘導されるエステル類、およびアミド類、および芳香族ビニル化合物が特に好ましく用いられるビニルモノマーである。
【0021】
一般式(1)以外の繰り返し単位として開環重合性基以外の反応性基を有する繰り返し単位も導入することができる。特に、ハードコート層の硬度を高めたい場合や、基材もしくはハードコート上に別の機能層を用いる場合の層間の接着性を改良したい場合、開環重合性基以外の反応性基を含むコポリマーとする手法は好適である。開環重合性基以外の反応性基を有する繰り返し単位の導入方法は対応するビニルモノマー(以下、「反応性モノマー」と称する。)を共重合する手法が簡便で好ましい。
【0022】
以下に反応性モノマーの好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】
ヒドロキシル基含有ビニルモノマー(例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルアルコール、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなど)、イソシアネート基含有ビニルモノマー(例えば、イソシアナトエチルアクリレート、イソシアナトエチルメタクリレートなど)、N−メチロール基含有ビニルモノマー(例えば、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど)、カルボキシル基含有ビニルモノマー(例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、カルボキシエチルアクリレート、安息香酸ビニル)、アルキルハライド含有ビニルモノマー(例えばクロロメチルスチレン、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタクリレート)、酸無水物含有ビニルモノマー(例えばマレイン酸無水物)、ホルミル基含有ビニルモノマー(例えばアクロレイン、メタクロレイン)、スルフィン酸基含有ビニルモノマー(例えばスチレンスルフィン酸カリウム)、活性メチレン含有ビニルモノマー(例えばアセトアセトキシエチルメタクリレート)、酸クロライド含有モノマー(例えばアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド)、アミノ基含有モノマー(例えばアリルアミン)、アルコキシシリル基含有モノマー(例えばメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)などが挙げられる。
【0024】
本発明の一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマー中、一般式(1)で表される繰り返し単位が含まれる割合は、30質量%以上100質量%以下、好ましくは50質量%以上100質量%以下、特に好ましくは70質量%以上100質量%以下である。一般式(1)以外の繰り返し単位が、架橋反応性基を有さない場合、その含量が多すぎると硬度が低下し、架橋反応性基を有する場合、硬度は維持できることもあるが、硬化収縮が大きくなったり、脆性が悪化する場合がある。特にアルコキシシリル基含有モノマー(例えばメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)と一般式(1)で表される繰り返し単位の共重合体を用いる場合などのように架橋反応時に脱水、脱アルコールなどの分子量低下を伴う場合、硬化収縮が大きくなりやすい。このような分子量低下を伴って架橋反応が進行する架橋反応性基を有する繰り返し単位を本発明の一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーに導入する場合の一般式(1)で表される繰り返し単位が含まれる好ましい割合は、70質量%以上99質量%以下、より好ましくは80質量%以上99質量%以下、特に好ましくは90質量%以上99質量%以下である。
【0025】
一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい分子量範囲は重量平均分子量で1000以上100万以下、さらに好ましくは3000以上20万以下である。最も好ましくは5000以上10万以下である。
【0026】
以下に一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい例を表1および表2に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、前記で具体例を挙げた一般式(1)で表される繰り返し単位は前記で挙げた具体例の番号で表し、共重合可能なモノマーから誘導される繰り返し単位は、モノマー名を記載し、共重合組成比を質量%で付記した。
【0027】
【表1】
Figure 0004055427
【0028】
【表2】
Figure 0004055427
【0029】
以下、本発明に用いることのできる同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物について説明する。好ましいエチレン性不飽和基の種類は、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、ビニルエーテル基であり、特に好ましくはメタクリロイル基又はアクリロイル基であり、特に好ましくはアクリロイル基である。エチレン性不飽和基を含む化合物はエチレン性不飽和基を分子内に2個以上有していればよいが、より好ましくは3個以上である。そのなかでもアクリロイル基を有する化合物が好ましく、分子内に2〜6個のアクリル酸エステル基を有する多官能アクリレートモノマーと称される化合物やウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートと称される分子内に数個のアクリル酸エステル基を有する分子量が数百から数千のオリゴマーを好ましく使用できる。
【0030】
これら分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物の好ましい具体例としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオールポリアクリレート類、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジアクリレート、ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのジアクリレート等のエポキシアクリレート類、ポリイソシナネートとヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有アクリレートの反応によって得られるウレタンアクリレート等を挙げることができる。また、このような化合物は市販もされていて、EB−600、EB−40、EB−140、EB−1150、EB−1290K、IRR214、EB−2220,TMPTA、TMPTMA(以上、ダイセル・ユーシービー(株)製)、UV−6300、UV−1700B(以上、日本合成化学工業(株)製)などが、挙げられる。
上記で挙げた分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物のなかでも特に好ましい化合物として分子内に3個以上のアクリロイル基を有しアクリロイル当量が120以下の化合物が挙げられ、具体例としてはトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどが挙げられる。
【0031】
また、本発明では分子内に複数のエチレン性不飽和基を有する化合物として一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーも好ましく使用できる。以下、一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーについて詳細に説明する。
【0032】
一般式(2)
【化10】
Figure 0004055427
一般式(2)の式中Rは水素原子もしくは炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、好ましくは水素原子もしくはメチル基である。Pはエチレン性不飽和基を含む一価の基であり、Lは単結合もしくは二価の連結基であり、好ましくは単結合、−O−、アルキレン基、アリーレン基および*側で主鎖に連結する*−COO−、*−CONH−、*−OCO−、*−NHCO−である。好ましいPとしては、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基を含む一価の基であり、最も好ましくはアクリロイル基を含む一価の基である。
【0033】
以下に一般式(2)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】
【化11】
Figure 0004055427
【0035】
【化12】
Figure 0004055427
【0036】
【化13】
Figure 0004055427
【0037】
【化14】
Figure 0004055427
【0038】
【化15】
Figure 0004055427
【0039】
一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは、(a)対応するモノマーを重合させて直接エチレン性不飽和基を導入する手法で合成してもよく、(b)任意の官能基を有するモノマーを重合して得られるポリマーに高分子反応によりエチレン性不飽和基を導入する手法で合成してもよい。また、(a)および(b)の手法を組み合わせて合成することもできる。重合反応としてはラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合などが挙げられる。前記、(a)の方法を用いる場合、重合反応により消費されるエチレン性不飽和基と架橋性ポリマー中に残されるエチレン性不飽和基の重合性の差を利用することが必要である。例えば、一般式(2)の好ましいPのなかで、アクリロイル基、メタクリロイル基を含む一価の基を用いる場合、架橋性ポリマーを生成させる重合反応をカチオン重合とすることで前記(a)の手法によって本発明の架橋性ポリマーを得ることができる。一方、Pをスチリル基を含む一価の基とする場合、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合のいずれの方法をとってもゲル化が進行しやすいため通常前記(b)の手法によって本発明の架橋性ポリマーを合成する。
【0040】
このように前記(b)に記述した高分子反応を利用する手法は一般式(2)で示される架橋性ポリマー中に導入されるエチレン性不飽和基の種類によらず、架橋性ポリマーを得ることが可能であり、有用である。高分子反応は、I)例えば2−クロロエチル基から塩酸を脱離させるようなエチレン性不飽和基をプレカーサー化した官能基を含むポリマーを生成させたあとに官能基変換(脱離反応、酸化反応、還元反応、脱保護反応など)によりエチレン性不飽和基に誘導する方法と、II)任意の官能基を含むポリマーを生成させたあとに、該ポリマー中の官能基と結合生成反応が進行し、共有結合を生成しうる官能基とエチレン性不飽和基の両方を有する化合物(以降、「反応性モノマー」と称する。)を反応させる方法が挙げられる。またこれら I)、II)の方法は組み合わせて行ってもよい。ここで言う結合形成反応とは、一般に有機合成分野で用いられる結合生成反応のなかで共有結合を形成する反応であれば特に制限なく使用できる。一方で、架橋性ポリマーに含まれるエチレン性不飽和基が反応中に熱重合し、ゲル化してしまう場合があるので、できるだけ低温(好ましくは60℃以下、特に好ましくは室温以下)で反応が進行するものが好ましい。また反応の進行を促進させる目的で触媒を用いても良く、ゲル化を抑制する目的で重合禁止剤を用いてもよい。
【0041】
以下に好ましい高分子結合形成反応が進行する官能基の組み合わせの例を挙げるが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0042】
加熱もしくは室温で反応が進行する官能基の組み合わせとしては、
(イ)ヒドロキシル基に対して、エポキシ基、イソシアネート基、N−メチロール基、カルボキシル基、アルキルハライド、酸無水物、酸クロライド、活性エステル基(例えば硫酸エステル)、ホルミル基、アセタール基、
(ロ)イソシアネート基に対してヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、N−メチロール基、
(ハ)カルボキシル基に対して、エポキシ基、イソシアネート基、アミノ基、N−メチロール基、
(ニ)N−メチロール基に対して、イソシアネート基、N−メチロール基、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、
(ホ)エポキシ基に対して、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、N−メチロール基、
(ヘ)ビニルスルホン基に対してスルフィン酸基、アミノ基、
(ト)ホルミル基に対してヒドロキシル基、メルカプト基、活性メチレン基、
(チ)メルカプト基に対して、ホルミル基、ビニル基(アリル基、アクリル基など)、エポキシ基、イソシアネート基、N−メチロール基、カルボキシル基、アルキルハライド、酸無水物、酸クロライド、活性エステル基(例えば硫酸エステル)、
(リ)アミノ基に対して、ホルミル基、ビニル基(アリル基、アクリル基など)、エポキシ基、イソシアネート基、N−メチロール基、カルボキシル基、アルキルハライド、酸無水物、酸クロライド、活性エステル基(例えば硫酸エステル)、などの組み合わせが挙げられる。
【0043】
以下に反応性モノマーの好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0044】
ヒドロキシル基含有ビニルモノマー(例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルアルコール、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなど)、イソシアネート基含有ビニルモノマー(例えば、イソシアナトエチルアクリレート、イソシアナトエチルメタクリレートなど)、N−メチロール基含有ビニルモノマー(例えば、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど)、エポキシ基含有ビニルモノマー(例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、CYCLOMER−M100、A200(ダイセル化学工業(株)製)など)、カルボキシル基含有ビニルモノマー(例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、カルボキシエチルアクリレート、安息香酸ビニル)、アルキルハライド含有ビニルモノマー(例えばクロロメチルスチレン、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタクリレート)、酸無水物含有ビニルモノマー(例えばマレイン酸無水物)、ホルミル基含有ビニルモノマー(例えばアクロレイン、メタクロレイン)、スルフィン酸基含有ビニルモノマー(例えばスチレンスルフィン酸カリウム)、活性メチレン含有ビニルモノマー(例えばアセトアセトキシエチルメタクリレート)、ビニル基含有ビニルモノマー(例えばアリルメタクリレート、アリルアクリレート)、酸クロライド含有モノマー(例えばアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド)、アミノ基含有モノマー(例えばアリルアミン)、が挙げられる。
【0045】
前記 II)に記載した任意の官能基を含むポリマーは、反応性官能基とエチレン性不飽和基の両方を有する反応性モノマーの重合を行うことで得ることができる。また、ポリ酢酸ビニルを変性して得られるポリビニルアルコールのように反応性の低い前駆体モノマーの重合後、官能基変換を行うことで得ることもできる。これらの場合の重合方法としては、ラジカル重合が最も簡便で好ましい。
【0046】
本発明の一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは複数種の一般式(2)で表される繰り返し単位で構成されたコポリマーであってもよく、また、一般式(2)以外の繰り返し単位(例えばエチレン性不飽和基を含まない繰り返し単位)を含んだコポリマーでもよい。特に架橋性ポリマーのTgや親疎水性をコントロールしたい場合や、架橋性ポリマーのエチレン性不飽和基の含有量をコントロールする目的で一般式(2)以外の繰り返し単位を含んだコポリマーとする手法は好適である。一般式(2)以外の繰り返し単位の導入方法は、a)対応するモノマーを共重合させて直接導入する手法を用いてもよく、b)官能基変換可能な前駆体モノマーを重合させ、高分子反応により導入する手法を用いてもよい。また、a)およびb)の手法を組み合わせて導入することもできる。
【0047】
a)の手法によって一般式(2)以外の繰り返し単位を、対応するビニルモノマーを重合することによって導入する場合、好ましく用いられるモノマーの例としては、一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの説明で述べた一般式(1)以外の繰り返し単位として挙げたものと同じである。
【0048】
また、一般式(2)で表される繰り返し単位を前記(b)のように高分子反応で導入し、反応を完結させない場合、エチレン性不飽和基をプレカーサー化した官能基や反応性官能基を含む繰り返し単位を有する共重合体となるが、本発明では特に制限なく用いることができる。
【0049】
上記で挙げたビニルモノマーから誘導されるエチレン性不飽和基を含まない繰り返し単位の大部分は前述したb)官能基変換可能な前駆体モノマーを重合させ、高分子反応により導入することも可能である。一方で、本発明の一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは、高分子反応によってのみでしか、導入できない一般式(2)以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。典型的な例としてポリ酢酸ビニルを変性して得られるポリビニルアルコールやポリビニルアルコールのアセタール化反応によって得られるポリビニルブチラール等を挙げることができる。これらの繰り返し単位の具体的な例を以下に示すが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0050】
【化16】
Figure 0004055427
【0051】
本発明の一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマー中、一般式(2)で表される繰り返し単位が含まれる好ましい割合は、30質量%以上100質量%以下、より好ましくは50質量%以上100質量%以下、特に好ましくは70質量%以上100質量%以下である。
【0052】
一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい分子量範囲は重量平均分子量で1000以上100万以下、さらに好ましくは3000以上20万以下である。最も好ましくは5000以上10万以下である。
【0053】
以下に一般式(2)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい例を表3に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、前記で具体例を挙げた一般式(2)で表される繰り返し単位とポリビニルアルコールなどの繰り返し単位は前記で挙げた具体例の番号で表し、共重合可能なモノマーから誘導される繰り返し単位は、モノマー名を記載し、共重合組成比を質量%で付記した。
【0054】
【表3】
Figure 0004055427
【0055】
以下に本発明の一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーについて詳細に説明する。ここで言う一般式(1)および(2)で表される繰り返し単位は前記したものと同じものであり、好ましい形態も同じである。また、一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーは複数種の一般式(1)および(2)で表される繰り返し単位で構成されるコポリマーであってもよく、一般式(1)および(2)以外の繰り返し単位を含んだコポリマーであってもよい。また、エチレン性不飽和基および開環重合性基以外の反応性基を有する繰り返し単位を含んだコポリマーであってもよく、いずれの場合も好ましい態様は前記で挙げたものと同じである。
【0056】
一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマー中、一般式(1)で表される繰り返し単位が含まれる割合は、1質量%以上99質量%以下、好ましくは20質量%以上80質量%以下、特に好ましくは30質量%以上70質量%以下であり、一般式(2)で表される繰り返し単位が含まれる割合は、1質量%以上99質量%以下、好ましくは20質量%以上80質量%以下、特に好ましくは30質量%以上70質量%以下である。
【0057】
一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい分子量範囲は重量平均分子量で1000以上100万以下、さらに好ましくは3000以上20万以下である。最も好ましくは5000以上10万以下である。一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーが、一般式(1)および(2)以外の繰り返し単位を含んだコポリマーの場合、一般式(1)および(2)以外の繰り返し単位が、架橋反応性基を有さない場合、その含量が多すぎると硬度が低下し、架橋反応性基を有する場合、硬度は維持できることもあるが、硬化収縮が大きくなったり、脆性が悪化する場合がある。特にアルコキシシリル基含有モノマー(例えばメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)と一般式(1)および(2)で表される繰り返し単位の3元共重合体を用いる場合などのように架橋反応時に脱水、脱アルコールなどの分子量低下を伴う場合、硬化収縮が大きくなりやすい。このような分子量低下を伴って架橋反応が進行する架橋反応性基を有する繰り返し単位を本発明の一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーに導入する場合の一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位が含まれる好ましい割合は、70質量%以上99質量%以下、より好ましくは80質量%以上99質量%以下、特に好ましくは90質量%以上99質量%以下である。
【0058】
一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの好ましい例を表4に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、前記で具体例を挙げた一般式(1)および(2)で表される繰り返し単位とポリビニルアルコールなどの繰り返し単位は前記で挙げた具体例の番号で表し、共重合可能なモノマーから誘導される繰り返し単位は、モノマー名を記載し、共重合組成比を質量%で付記した。
【0059】
【表4】
Figure 0004055427
【0060】
本発明の硬化性組成物は、一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーと同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物の両方を含有するか、一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーを含有するいずれかの組成物である。
【0061】
本発明の硬化性組成物が、一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーと同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物の両方を含有する場合、一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーと同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物の好ましい混合比は用いる化合物の種類によっても異なるが、エチレン性不飽和基を含む化合物の割合が30質量%以上90質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは50質量%以上80質量%以下である。
【0062】
また、本発明の硬化性組成物中には、一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマー以外の開環重合性基を含む化合物も添加することができる。ここで言う開環重合性基を含む化合物とはカチオン、アニオン、ラジカルなどの作用により開環重合が進行する環構造を有する化合物であり、この中でもヘテロ環状化合物のカチオン開環重合が好ましい。このような化合物としてエポキシ誘導体、オキセタン誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、環状ラクトン誘導体、環状カーボネート誘導体、オキサゾリン誘導体などの環状イミノエーテル類などが挙げられ、特にエポキシ誘導体、オキセタン誘導体、オキサゾリン誘導体が好ましい。同一分子内に有する開環重合性基の数は特に制限はなく、1個以上有していればよいが、2個以上の開環重合性基を有する化合物がより好ましい。このような化合物の具体例としては、例えばグリシジルエーテル類としてエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテルなど、脂環式エポキシ類としてセロキサイド2021P、セロキサイド2081、エポリードGT−301、エポリードGT−401、EHPE3150CE(以上、ダイセル化学工業(株)製)、フェノールノボラック樹脂のポリシクロヘキシルエポキシメチルエーテルなど、オキセタン類としてOXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX−1009(以上、東亞合成(株)製)などが挙げられる。
【0063】
また、本発明の硬化性組成物中には、同一分子内に1個のエチレン性不飽和基を含む化合物も添加することができる。このような化合物の好ましい例としては一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの説明で述べた共重合可能なビニルモノマーや反応性モノマーの例を挙げることができる。
【0064】
本発明の硬化性組成物が、一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーと同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物の両方を含有する場合の上記で挙げた一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマー以外の開環重合性基を含む化合物および同一分子内に1個のエチレン性不飽和基を含む化合物の添加量は、架橋性ポリマーも含めた全ての開環重合性基を含む化合物およびエチレン性不飽和基を含む化合物の総質量に対し、50質量%以下であり、好ましくは30質量%以下である。
【0065】
本発明の硬化性組成物が、一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーを含有する場合も、一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマー以外の開環重合性基を含む化合物を添加することができ、好ましい化合物例は上記で挙げたものと同じである。また、一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマー以外のエチレン性不飽和基を含む化合物も添加することができる。この場合、同一分子内に少なくとも1個のエチレン性不飽和基が含まれていればよいが、2個以上がより好ましく、3個以上が特に好ましい。同一分子内に1個のエチレン性不飽和基を含む化合物の好ましい例としては一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの説明で述べた共重合可能なビニルモノマーや反応性モノマーの例を挙げることができ、同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物の例としては一般式(1)で表される繰り返し単位を含む架橋性ポリマーと併用する場合と同じであり、好ましい例も同じである。
【0066】
本発明の硬化性組成物が、一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーを含む場合、上記で挙げた一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマー以外の開環重合性基を含む化合物およびエチレン性不飽和基を含む化合物の添加量は、一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーの一般式(1)および(2)で表される繰り返し単位を含む割合により異なるが、架橋性ポリマーも含めた全ての開環重合性基を含む化合物およびエチレン性不飽和基を含む化合物の総質量に対し、50質量%以下であり、好ましくは30質量%以下である。
【0067】
本発明では、エチレン性不飽和基を含む化合物と開環重合性基を含む化合物の両方の化合物の架橋反応が進行することが好ましい。エチレン性不飽和基の好ましい架橋反応はラジカル重合反応であり、開環重合性基の好ましい架橋反応はカチオン重合反応である。いずれの場合も熱および/または光の作用により、重合反応を進行させることができる。通常、重合開始剤と称される少量のラジカル発生剤もしくはカチオン発生剤(もしくは酸発生剤)を添加し、熱および/または光によりこれらを分解し、ラジカルもしくはカチオンを発生させ重合を進行させる方法が一般的である。ラジカル重合とカチオン重合は別々に行ってもよいが、同時に進行させることが好ましい。ラジカル発生剤を添加せずに架橋反応を進行させる方法として単に加熱する方法もあるが、電子線を照射する方法が好ましく用いられる。
【0068】
本発明では基材にプラスチックフィルムを用いる場合、プラスチックフィルム自身の耐熱性が低いため加熱により硬化させる場合は、できるだけ低温で硬化させることが好ましい。その場合の加熱温度は、140度以下、より好ましくは100℃以下である。一方で光の作用による硬化は、低温で架橋反応が進行する場合が多く、好ましく用いられる。さらに放射線、ガンマー線、アルファー線、電子線、紫外線などの活性エネルギー線を利用する方法が好ましく、その中でも紫外線によりラジカルもしくはカチオンを発生させる重合開始剤を添加し、紫外線により硬化させる方法が特に好ましい。また、活性エネルギー線を照射するときの温度は特に制限はないが、低温で行うことにより硬化後の体積収縮が抑えられたり、基材としてプラスチックフィルムを用いた場合、基材の変形が少なくなり、有利な場合が多い。この場合の好ましい温度は80℃以下であり更に好ましくは50℃以下である。また活性エネルギー線を照射した後、加熱することにより、さらに硬化を進行させることができる場合があり、必要に応じて用いることができる。この場合の好ましい加熱温度は140℃以下である。
【0069】
光の作用によってカチオンを発生させる光酸発生剤としては、トリアリールスルホニウム塩やジアリールヨードニウム塩などのイオン性の化合物やスルホン酸のニトロベンジルエステルなどの非イオン性の化合物が挙げられ、有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」ぶんしん出版社刊(1997)などに記載されている化合物等種々の公知の光酸発生剤が使用できる。この中で特に好ましくはスルホニウム塩もしくはヨードニウム塩であり、対イオンとしてはPF 、SbF 、AsF 、B(C などが好ましい。
【0070】
光の作用によりラジカルを発生させる重合開始剤の例としてはアセトフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンジル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物等が好ましい。アセトフェノン系化合物としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシメチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、p−ジメチルアミノアセトン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトフェノン等が挙げられる。ベンジル系化合物としては、例えば、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。ベンゾインエーテル系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラーズケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン等が挙げられる。チオキサントン系化合物としては、例えば、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。このような芳香族ケトン類からなる感光性ラジカル重合開始剤の中でも、アセトフェノン系化合物及びベンジル系化合物が、硬化特性、保存安定性、臭気等の面で特に好ましい。これらの芳香族ケトン類からなる感光性ラジカル重合開始剤は、1種あるいは2種以上のものを所望の性能に応じて配合して使用することができる。
【0071】
また上記で挙げたように通常、光酸発生剤として用いられるスルホニウム塩やヨードニウム塩なども光の作用によりラジカル発生剤として機能するため、本発明ではこれらを単独でもちいてもよい。また、感度を高める目的で重合開始剤に加えて、増感剤を用いてもよい。増感剤の例には、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、およびチオキサントン等が含まれる。
【0072】
重合開始剤は、それぞれ複数種を組み合わせて用いてもよいし、単独でラジカルとカチオンの両方を発生させるような化合物の場合など単独で用いることができる。重合開始剤の添加量としては、硬化性組成物中に含まれる架橋性ポリマーも含めたエチレン性不飽和基含有化合物と開環重合性基含有化合物の総質量に対し、0.1乃至15質量%の範囲で使用することが好ましく、1乃至10質量%の範囲で使用することがさらに好ましい。
【0073】
本発明において一般式(1)で表される繰り返し単位を有する架橋性ポリマーや、一般式(2)で表される繰り返し単位を有する架橋性ポリマーおよび一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマー(本発明において、これらを合わせて「本発明のポリマー」とも称する。)は通常、固体もしくは高粘度液体となり単独での塗布は困難であり、ポリマーが水溶性の場合や水分散物とした場合は水系で塗布することもできるが、通常有機溶媒に溶解して塗布される。有機溶媒としては、本発明のポリマーを可溶ならしめるものであれば特に制限なく使用できる。好ましい有機溶媒としては、メチルエチルケトン等のケトン類、イソプロパノール等のアルコール類、酢酸エチルなどのエステル類などが挙げられる。また、前記した単官能もしくは多官能のビニルモノマーや単官能もしくは2官能もしくは3官能以上の開環重合性基を有する化合物が低分子量化合物である場合、これらを併用すると、硬化性組成物の粘度を調節することが可能であり、溶媒を用いなくても塗布可能とすることもできる。
【0074】
また本発明では硬化性組成物中に必要に応じて架橋微粒子を添加することができる。架橋微粒子を添加することでハードコート層の硬化収縮量を低減できるため基材との密着性が向上したり、基材がプラスチックフィルムである場合などカールを低減でき好ましい。架橋微粒子としては、無機架橋微粒子、有機架橋微粒子、有機−無機複合架橋微粒子のいずれも特に制限なく使用できる。無機架橋微粒子としては例えば、二酸化ケイ素粒子、二酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化アルミニウム粒子などが挙げられる。このような無機架橋微粒子は一般に硬質であり、ハードコート層に充填させることで、硬化時の収縮を改良できるだけではなく、表面の硬度も高めることができる。
【0075】
一般に無機架橋微粒子は本発明のポリマーや多官能ビニルモノマーなどの有機成分との親和性が低いため単に混合するだけでは凝集体を形成したり、硬化後のハードコート層がひび割れやすくなる場合がある。本発明では無機架橋微粒子と有機成分との親和性を増すため、無機架橋微粒子表面を有機セグメントを含む表面修飾剤で処理することができる。表面修飾剤は、無機架橋微粒子と結合を形成するか無機架橋微粒子に吸着しうる官能基と、有機成分と高い親和性を有する官能基を同一分子内に有するものが好ましい。無機架橋微粒子に結合もしくは吸着し得る官能基を有する化合物としては、シラン、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム等の金属アルコキシド化合物や、リン酸、スルホン酸、カルボン酸基等のアニオン性基を有する化合物が好ましい。さらに有機成分との親和性の高い官能基としては単に有機成分と親疎水性を合わせただけのものでもよいが、有機成分と化学的に結合しうる官能基が好ましく、特にエチレン性不飽和基、もしくは開環重合性基が好ましい。本発明において好ましい無機架橋微粒子表面修飾剤は金属アルコキシドもしくはアニオン性基とエチレン性不飽和基もしくは開環重合性基を同一分子内に有する化合物である。
【0076】
これら表面修飾剤の好ましい例として以下の不飽和二重結合や開環重合性基を有するカップリング剤やリン酸、スルホン酸、カルボン酸化合物等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
S−1 HC=C(X)COOCSi(OCH
S−2 HC=C(X)COOCOTi(OC
S−3 HC=C(X)COOCOCOC10OPO(OH)
S−4 (HC=C(X)COOCOCOC10O)POOH
S−5 HC=C(X)COOCOSO
S−6 HC=C(X)COO(C10COO)
S−7 HC=C(X)COOC10COOH
S−8 γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン
(X=H、あるいはCHをあらわす)
【0077】
これらの無機架橋微粒子の表面修飾処理方法は、従来公知のいずれの手法を用いてもよい。例えば溶液中で表面修飾処理を行う場合、無機架橋微粒子を機械的に微細分散する時に、一緒に表面修飾剤を存在させるか、または無機架橋微粒子を微細分散したあとに表面修飾剤を添加して攪拌するか、さらには無機架橋微粒子を微細分散する前に表面修飾を行って(必要により、加温、乾燥した後に加熱、またはpH変更を行う)、そのあとで微細分散を行う方法でも良い。この場合の溶媒としては、極性の高い有機溶剤が好ましい。具体的には、アルコール類、ケトン類、エステル類等の公知の有機溶剤が挙げられる。また分散機としては超音波分散機、ディスパー、ホモジナイザー、ディゾルバー、ポリトロン、ペイントシェーカー、サンドグラインダー、ニーダー、アイガーミル、ダイノミル、コボールミル等を用いることが好ましい。
【0078】
有機架橋微粒子としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル類およびアミド類、ポリ塩化ビニル、アセチルセルロース、ニトロセルロース、ポリジメチルシロキサン等の汎用樹脂を架橋させたものやSBR、NBRなどの架橋ゴム微粒子も好ましく使用できる。有機架橋微粒子は軟質なゴム粒子から硬質粒子まで任意に選択できる。例えば、前記した硬度の高い無機架橋微粒子は、ハードコート層に対する添加量を上げていくと硬化収縮量や硬度は向上するが、もろく割れやすくなる場合がある。このような場合、硬度を任意に調節した有機架橋微粒子を同時に添加することで割れにくくすることができ好ましい。また、硬度の高いコアと硬度の低いシェルまたは硬度の低いコアと硬度の高いシェルのようなコア−シェル粒子とすることもできる。またハードコート層中もしくは塗布溶媒中での分散安定性を確保する目的で親疎水性を変えたコア−シェル粒子とすることも好ましい。また、コアに無機架橋微粒子を用いた有機−無機複合微粒子とすることもできる。これら架橋微粒子をコア−シェル粒子とする場合、コア部とシェル部の両方が架橋されていてもよいし、いずれか一方が架橋されていてもよい。
【0079】
本発明に用いることのできる架橋微粒子の平均粒子径は1〜20000nmであり、2〜1000nmであることがより好ましく、5〜500nmであることがさらに好ましく、10〜200nmであることが最も好ましい。また、架橋微粒子の形状は、球状、棒状、針状、板状など特に制限なく使用できる。なお、本発明で述べる平均粒子径は、個々の粒子の投影面積と同じ面積を持つ円の直径の平均値である。
【0080】
これら架橋微粒子を添加する場合の添加量は、硬化後のハードコート層の1乃至60体積%であることが好ましく、3乃至40体積%であることがさらに好ましい。
【0081】
本発明において基材自身の硬度が低い場合にもハードコート処理物品の硬化後のハードコート層の膜厚を厚くすることで、ハードコート処理物品の硬度を高めることができる。本発明におけるハードコート層の膜厚は基材の硬度によっても異なり、特に制限はないが、ハードコート層の膜厚を厚くすることで本発明の特徴である硬度が高く、ひび割れ、膜剥がれが生じにくいという効果が顕著に現れる。好ましい膜厚としては、20〜200μmであり、より好ましくは30〜200μmであり、さらに好ましくは40〜200μmであり、その中でも特に好ましくは50〜200μmである。
【0082】
本発明に用いられる基材は、金属、プラスチック、ガラス、木材、紙など特に制限なく使用できる。その中でも特にプラスチック基材が好ましく、さらにはプラスチックフィルムを基材に用いた場合、本発明の効果が顕著に現れるため、好ましい。プラスチックフィルムとしては、特に制限はないが、具体例としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリスルフォン、ポリエーテルケトン、アクリル、ナイロン、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフォン等のフィルムもしくはシートを挙げることができる。その中でも特にポリエチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等のセルロース樹脂等のフィルムが好ましい。なお、光学的には、透明性に優れている方が好ましい場合が多いが、用途によっては半透明であっても不透明であってもよい。また屈折率の異方性が無い方が好ましい場合が多いが、液晶表示装置等で異方性が付いているものの方が好まれる場合もある。フィルムの厚みは、薄すぎると膜強度が弱く、厚いとスティフネスが大きくなり過ぎるため20〜500μmが好ましく、80〜300μmがより好ましい。
【0083】
本発明のハードコート処理物品は表面の硬度が高いことが好ましい。本発明で言うハードコート処理物品の表面の硬度はJIS K5400で定義される鉛筆硬度で表すことができ、ハードコート処理物品のハードコート処理表面を直接鉛筆で引っかくことによって鉛筆硬度を評価することができる。この場合の鉛筆硬度は基材の種類によっても異なるため特に制限はないが、好ましくは3H〜9H、より好ましくは4H〜9H、特に好ましくは5H〜9Hである。
【0084】
本発明のハードコート処理物品は、本発明の架橋性ポリマーのほかにエチレン性不飽和基含有化合物、開環重合性基含有化合物、重合開始剤、架橋微粒子、溶媒などで構成される硬化性組成物を基材上に塗設し、硬化することで得ることができる。硬化性組成物にはその他、紫外線吸収剤、塗布性改良のための界面活性剤、帯電防止剤など、従来公知の添加剤を添加してもよい。塗布方法としてはカーテンコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、印刷コーティング、スプレーコーティング、スロットコーティング、ロールコーティング、スライドコーテティング、ブレードコーティング、グラビアコーティング、ワイヤーバー法等の公知の塗布方法が挙げられる。
【0085】
さらに、基材とハードコート層の接着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法や凹凸化法等により表面処理を施すことができる。上記表面処理法としては、例えば薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、グロー放電処理、クロム酸処理(湿式)、火焔処理、高周波処理、熱風処理、オゾン処理、紫外線照射処理、活性プラズマ処理、混酸処理等が挙げらる。更に、一層以上の下塗り層を設けることができる。下塗り層の素材としては塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、ビニルエステル等の共重合体またこれらのラテックス、ポリエステル、ポリウレタン、およびゼラチン等の水溶性ポリマー等が挙げられる。
【0086】
本発明のハードコート処理物品はハードコート層上に、反射防止層、紫外線・赤外線吸収層、選択波長吸収性層、電磁波シールド層や防汚性層等の各種機能を有する機能性層を設けることができる。これらの機能性層は、従来公知の技術で作製することができる。また、これら機能性層と本発明のハードコート処理物品のハードコート層の接着性を向上させる目的で、ハードコート層上に表面処理を施したり、接着層を設けたりすることができる。表面処理法としては、前記、基材の表面処理方法として挙げた方法が好ましく使用できる。また、接着層としては前記、基材上に施される下塗り層で挙げた素材が好ましく使用できる。
これら機能性層の中で本発明のハードコート処理物品に反射防止層を設けることで、各種ディスプレイなどの視認性が要求される用途に用いた場合、外光の映り込みを低減でき好ましい。反射防止層は、単層もしくは複数層からなり、各層の屈折率、膜厚を調整することで所望の反射率に調節可能であり、種々の公知の方法を利用できる。本発明のハードコート処理物品に反射防止層を設けた場合の好ましい反射率(正反射率)は3.0%以下であり、1.5%以下がさらに好ましい。
【0087】
本発明のハードコート処理物品において基材にプラスチックフィルムを用いた場合に得られるハードコートフィルムは様々な物品の表面保護フィルムとして粘着剤などを用いて貼り合わせて使用することができ、該ハードコートフィルムを貼り付けた物品も本発明のハードコート処理物品に含まれる。特にハードコート層上に上述のような反射防止などの機能性層を施した場合、高硬度の機能性フィルムとして供され、陰極管表示装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、有機ELディスプレイ等のディスプレイ、家電製品等のタッチパネル、自動車部品用、ショーウインドウ、窓ガラス等の保護フィルムに好適である。
【0088】
以下に本発明のポリマーの合成例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(合成例1)例示化合物K−1の合成
メチルエチルケトン(MEK)275mlを窒素気流下、60℃で1時間攪拌後、V−65(和光純薬工業(株)製重合開始剤)0.5gをMEK8.3mlに溶解したものを全量添加した。その後、グリシジルメタクリレート(50g)を2時間かけて滴下し、滴下終了後、V−65(0.5g)のMEK(8.3ml)溶液を添加し、2時間反応させた。その後、反応温度を80℃として2時間反応させ、反応終了後、室温まで冷却させた。得られた反応溶液をヘキサン10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を35℃、8時間減圧乾燥し、K−1を45g得た。
【0089】
(合成例2)例示化合物P−1の合成
【化17】
Figure 0004055427
【0090】
1b(3.0mol)をテトラヒドロフラン(THF)1400ml中に溶かし、反応器を5℃に冷却した。そこに1a(3.15mol)を1時間かけて滴下し、その後6時間反応させた。得られた反応溶液を30℃で減圧濃縮後、重合禁止剤として1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル,フリーラジカルを0.3g添加し、減圧蒸留を行った。133Pa減圧下で118〜121℃の留分を採取し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:アセトン/ヘキサン=5/95(体積比))にて精製し、1cを362g得た。
次にメチルエチルケトン(MEK)275mlを窒素気流下、60℃で1時間攪拌後、V−65(和光純薬工業(株)製重合開始剤)0.5gをMEK8.3mlに溶解したものを全量添加した。その後、1c(50g)を2時間かけて滴下し、滴下終了後、V−65(0.5g)のMEK(8.3ml)溶液を添加し、2時間反応させた。その後、反応温度を80℃として2時間反応させ、反応終了後、室温まで冷却させた。得られた反応溶液をヘキサン10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を35℃、8時間減圧乾燥し、1dを43g得た。
次に1d(43g)をアセトン(390ml)に溶解し、5℃に冷却した。そこにトリエチルアミン(390mmol)を1時間かけて滴下させ、滴下終了後、室温で24時間反応させた。その後、反応容器を5℃に冷却し、6規定の塩酸水溶液29.3mlを1時間かけて滴下し、滴下終了後、1時間攪拌させた。得られた反応溶液に酢酸エチル(1L)と10質量%の塩化ナトリウム水溶液(1L)を加えて攪拌後、水層を分離した。更に有機層を10質量%の塩化ナトリウム水溶液(1L)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムを100g添加し、1時間乾燥した後、硫酸ナトリウムを濾別した。得られた溶液を500mlまで濃縮後、ヘキサン10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を20℃、8時間減圧乾燥し、例示化合物P−1を33g得た。
【0091】
(合成例3) 例示化合物P−19の合成
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−105:鹸化度98.5%)30gをジメチルスルホキシド1000mlに溶解後、ピリジン(200ml)とニトロベンゼン10mlを添加し、10℃まで冷却した。その後、無水アクリル酸100mlを1時間かけて滴下し、滴下終了後、室温で24時間反応させた。得られた反応溶液を水20Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を1Lの酢酸エチルに溶解し、2規定の塩酸水溶液(1L)で2回洗浄した。さらに10質量%の塩化ナトリウム水溶液(1L)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムを100g添加し、1時間乾燥した後、硫酸ナトリウムを濾別した。得られた溶液を500mlまで濃縮後、ヘキサン10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を20℃、8時間減圧乾燥し、例示化合物P−19を28g得た。
【0092】
(合成例4)例示化合物C−1の合成
【化18】
Figure 0004055427
【0093】
1b(3.0mol)をテトラヒドロフラン(THF)1400ml中に溶かし、反応器を5℃に冷却した。そこに1a(3.15mol)を1時間かけて滴下し、その後6時間反応させた。得られた反応溶液を30℃で減圧濃縮後、重合禁止剤として1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル,フリーラジカルを0.3g添加し、減圧蒸留を行った。133Pa減圧下で118〜121℃の留分を採取し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:アセトン/ヘキサン=5/95(体積比))にて精製し、1cを362g得た。
次にメチルエチルケトン(MEK)275mlを窒素気流下、60℃で1時間攪拌後、V−65(和光純薬工業(株)製重合開始剤)0.5gをMEK8.3mlに溶解したものを全量添加した。その後、1c(41.9g)とグリシジルメタクリレート(15.0g)の混合物を2時間かけて滴下し、滴下終了後、V−65(0.5g)のMEK(8.3ml)溶液を添加し、2時間反応させた。その後、反応温度を80℃として2時間反応させ、反応終了後、室温まで冷却させた。得られた反応溶液をヘキサン10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を35℃、8時間減圧乾燥し、1dを49g得た。
次に1d(49g)をアセトン(390ml)に溶解し、5℃に冷却した。そこにトリエチルアミン(390mmol)を1時間かけて滴下させ、滴下終了後、室温で24時間反応させた。その後、反応容器を5℃に冷却し、6規定の塩酸水溶液29.3mlを1時間かけて滴下し、滴下終了後、1時間攪拌させた。得られた反応溶液に酢酸エチル(1L)と10質量%の塩化ナトリウム水溶液(1L)を加えて攪拌後、水層を分離した。更に有機層を10質量%の塩化ナトリウム水溶液(1L)で2回洗浄し、硫酸ナトリウムを100g添加し、1時間乾燥した後、硫酸ナトリウムを濾別した。得られた溶液を500mlまで濃縮後、ヘキサン10Lに1時間かけて滴下し、沈殿物を20℃、8時間減圧乾燥し、例示化合物C−1(x/y=70/30質量%)を36g得た。
【0094】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0095】
【実施例】
<無機架橋微粒子分散液の調製>
セラミックコートのベッセルに各試薬を以下の量計量した。
メチルイソブチルケトン 234g
アニオン性官能基含有表面処理剤 S−6(X=H) 36g
アルミナ微粒子(平均粒径:15nm) 180g
上記混合液をサンドミル(1/4Gのサンドミル)にて1600rpm、10時間微細分散した。メディアは1mmΦのジルコニアビーズを1400g用いた。分散後、ビーズを分離し、表面修飾した無機架橋微粒子分散液を得た。
【0096】
<硬化性組成物の調製>
▲1▼本発明の架橋性ポリマーと▲2▼エチレン性不飽和基含有化合物と▲3▼開環重合性基含有化合物と▲4▼ラジカル重合開始剤(イルガキュア184(チバガイギー社製))と▲5▼カチオン重合開始剤(UVI−6990(ユニオンカーバイド日本(株)製)をメチルエチルケトンに溶解後、▲5▼有機架橋微粒子を添加し、30分攪拌し、▲6▼無機架橋微粒子分散液の混合液を添加し、30分間攪拌し、硬化性組成物を得た。なお、▲1▼本発明の架橋性ポリマーと▲2▼エチレン性不飽和基含有化合物と▲3▼開環重合性基含有化合物の種類は表5記載の組み合わせで選択し、▲1▼、▲2▼、▲3▼および架橋微粒子の混合比は表5記載の比率になるように調製した。なお、本発明の架橋性ポリマーのうちエチレン性不飽和基と開環重合性基の両方を有するポリマーは本発明のコポリマーの欄に開環重合性基のみを有するポリマーは開環重合性基含有化合物の欄にエチレン性不飽和基のみを有するポリマーはエチレン性不飽和基含有化合物の欄に記載した。
【0097】
重合開始剤は、本発明の架橋性ポリマーも含めたエチレン性不飽和基含有化合物と開環重合性基含有化合物の総質量に対し、ラジカル重合開始剤とカチオン重合開始剤を2.9%ずつ添加した。なお、開環重合性基含有化合物を含まない場合はラジカル重合開始剤のみを5.8%添加した。
有機架橋微粒子は、コア/シェル比が70/30質量%のラテックス(平均粒子径:110nm)をスプレードライ法により乾燥し、そのまま用いた(コア:ブチルアクリレート/エチレングリコールジメタクリレート(90/10質量比)の共重合体、シェル:メチルメタクリレート/アクリル酸/エチレングリコールジメタクリレート(90/3/7質量比)の共重合体)。
DPHA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート/ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(日本化薬(株)製)
DPPA:ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート
UV−6300:ウレタンアクリレート(日本合成化学工業(株)製)
DTPTA:ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(Aldrich製)
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレート(Aldrich製)
PETTA:ペンタエリスリトールテトラアクリレート(Aldrich製)
ECMECC:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート:(Aldrich製)
CHDMDV:1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル
(Aldrich製)
GT−401:4官能エポキシ化合物(ダイセル化学工業(株)製)
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート(Aldrich製)
BADGE:ビスフェノールAジグリシジルエーテル
TMPTGE:トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル
【0098】
【表5】
Figure 0004055427
【0099】
<ハードコートフィルム試料(試料101〜130)の作製>
透明基材として188μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにグロー放電処理した後、上記で作成した硬化性組成物を表5記載の膜厚になるようにスロットコーターで塗布、120℃で2分乾燥し、750mj/cmの紫外線照射後、120℃、10分加熱することによって、ハードコートフィルムを作製した。なお、試料104、105、118は下層を塗設、硬化したあとに上層を塗設、硬化し、以下の評価は上層塗設、硬化後に行った。
※試料104:特開2000−71392号実施例1記載の配合、層構成
※試料106:特開平8−73771号実施例10記載の配合
※試料107:特開平8−73771号実施例12記載の配合
【0100】
<ハードコートガラス試料(試料131〜133)の作製>
透明基材として曲面ガラス(曲面CRT前面版)にシランカップリング剤(メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン)で表面処理を施した後、上記で作成した硬化性組成物を表5記載の膜厚になるようにスプレーコート、120℃で2分乾燥し、750mj/cmの紫外線照射後、120℃、10分加熱することによって、ハードコートガラスを作製した。
【0101】
試料の評価法は以下に示す方法で行った。
(鉛筆硬度の評価法)
作製したハードコートフィルムおよびハードコートガラス試料を温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間放置した後、JIS S6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS K5400が規定する鉛筆硬度評価方法に従い、1kgのおもりを用いて各硬度の鉛筆で引っ掻きを5回繰り返し、傷が全く認められなかった回数を表した。なお、JIS K5400で定義される傷は▲1▼塗膜の破れ、▲2▼塗膜のすり傷であり、▲3▼塗膜のへこみは対象としないと記載されているが、ここでは、▲3▼塗膜のへこみも含めて傷と判断している。
【0102】
(膜剥がれの評価法)
ハードコートフィルムおよびハードコートガラス試料のハードコート層表面にカッターによって1mm×1mmのクロスハッチ(升目)を100個入れ、温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間放置した後、その上にセロテープ(登録商標;ニチバン(株)製)を貼り付け、該セロテープを剥がしたときに硬化被膜がフィルム基材から剥がれた升目の数を計測することで評価した。
【0103】
(カールの評価法)
ハードコートフィルム試料を35mm×140mmに切断し、温度25℃、相対湿度60%の条件でハードコート層側を上にして水平面に2時間放置した後、水平面からの4角の浮いた高さの平均値を測定することで評価した。
【0104】
(ひび割れの評価法)
ハードコートフィルム試料を35mm×140mmに切断し、温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間放置した後、筒状に丸めたときのひび割れが発生し始める曲率直径を測定し、表面のひび割れを評価した。また、エッジ部のひび割れを目視で評価し、全くひび割れのないものを○、わずかでもひび割れのあるものを×とした。
【0105】
(高屈折率層塗布液の調製)
二酸化チタン微粒子(TTO−55B、石原産業(株)製)30.0質量部、カルボン酸基含有モノマー(アロニクスM−5300東亞合成(株)製)4.5質量部およびシクロヘキサノン65.5質量部を、サンドグラインダーミルにより分散し、質量平均径55nmの二酸化チタン分散液を調製した。前記二酸化チタン分散物にジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、日本化薬(株)製)と、光ラジカル重合開始剤(イルガキュア184、チバガイギー社製、モノマーの合計量(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アニオン性モノマーおよびカチオン性モノマーの合計量に対し5%)とを混合し、高屈折率層の屈折率が1.85になるように調整した。
【0106】
(低屈折率層塗布液の調製)
二酸化ケイ素微粒子(アエロジル200、日本アエロジル(株)製)30.0質量部、カルボン酸基含有モノマー(アロニクスM−5300東亞合成(株)製)4.5質量部およびシクロヘキサノン65.5質量部を、サンドグラインダーミルにより分散調整した、質量平均径12nmの二酸化ケイ素微粒子分散液を調整した。前記二酸化ケイ素分散物にペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA、日本化薬(株)製)60質量部、光ラジカル重合開始剤(イルガキュア184、チバガイギー社製)2質量部、メガファック531A(C17SON(C)CHCHOCOCH=CH、大日本インキ化学工業(株)製)9質量部、およびメチルエチルケトンを混合、攪拌して、低屈折率層の塗布液を調製した。なお、二酸化ケイ素微粒子分散物は低屈折率層の屈折率が1.50となるように添加量を調整した。
【0107】
(反射防止層付ハードコートフィルム、ハードコートガラス試料の作製)
上記で作製したハードコートフィルム試料101〜130およびハードコートガラス試料131〜133上に上記で調製した高屈折率層塗布液をバーコーターを用いて塗布し(ガラス試料にはスプレーコート)、120℃で1分乾燥後、350mj/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ75nmの高屈折率層を形成した。この各高屈折率層の上に上記で作製した低屈折率層塗布液をバーコーターを用いて塗布し(ガラス試料にはスプレーコート)、120℃で1分乾燥後、350mj/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ90nmの低屈折率層を形成した。なお、分光光度計(日本分光(株)製)を用いて450〜650nmの波長領域における入射光5°における正反射の平均反射率を測定したところ全ての反射防止層付試料で1.0〜1.2%であり、良好な反射防止性能を示していた。
【0108】
(反射防止ハードコート層を設けたフイルムを取り付けた画像表示装置)
上記で作製した反射防止層付ハードコートフイルム試料101〜130のハードコート層を設けていない面にアクリル系粘着剤をつけ、PDP:日立製42型プラズマディスプレイ(CMP4121HDJ)、CRT:松下(株)製28型フラットテレビ(TH−28FP20)、LCD:三菱(株)製15型TFT液晶モニター(RDT151A)、タッチパネル:シャープ(株)製Zaurus(MI−L1)にそれぞれ積層し、外光反射(蛍光灯の映り込み)を目視で評価したところ全ての反射防止層付ハードコートフィルムを貼り付けた画像表示装置において映り込みが見えにくく、良好な画像視認性を有していた(ただし、反射防止層付ハードコートフィルム試料101、102、103、105、108、109はカールが大きくいずれの画像表示装置にも貼り付けることができなかったので外光反射の評価は行わなかった)。
【0109】
表5に示す結果より、基材としてガラスを用いた比較試料131は鉛筆硬度に優れたサンプルとなるが、膜剥がれが不十分である。それに対し、本発明の試料132、133は鉛筆硬度に優れ、膜剥がれも見られない。さらに基材としてプラスチックフィルムを用いた比較試料101〜103は、膜厚を厚くすることで鉛筆硬度に優れたサンプルとなるが、膜剥がれ、カール、ひび割れが不十分であり、比較試料104、105は、膜剥がれ、カールの改良は見られるが、ひび割れが十分に改良できていない。また、比較試料106〜109は、膜厚を厚くすることである程度の鉛筆硬度を発現できるが、カール、表面のひび割れが悪化してしまうことが分かる。これに対して本発明の試料110〜130は、大幅な鉛筆硬度の向上に加えて、膜剥がれ、カールがほとんどなく、ひび割れも大幅に改良されることがわかる。さらにハードコート層上に反射防止層を設けたハードコートフィルムを画像表示装置に貼り付ける際にカールの大きい比較試料101、102、103、105、108、109は貼り付けることができなかったが、本発明の反射防止層付ハードコートフィルム試料110〜130は反射率が低く、カールも少ないために貼り付けが可能であり、これらを貼り付けた画像表示装置は外光の映り込みも少なく、視認性に優れたものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の反射防止ハードコートフィルムの一実施態様について、その基本的な層構成を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1:支持体
2:ハードコート層
3:高屈折率層
4:低屈折率層

Claims (5)

  1. プラスチックフィルムよりなる基材を、硬化性組成物を硬化させたハードコート層被膜により処理したハードコートフィルムであって、
    一般式(1)および(2)で表される両方の繰り返し単位を含む架橋性ポリマーを含有し、
    前記架橋性ポリマーに含有される開環重合性基とエチレン性不飽和基の両方を重合させることにより硬化する硬化性組成物を硬化させた膜厚20〜200μmのハードコート層を有し、
    前記架橋性ポリマー中の一般式(1)で表される繰り返し単位の割合が30質量%以上70質量%以下であり、
    一般式(2)で表される繰り返し単位の割合が30質量%以上70質量%以下であることを特徴とする、
    ハードコートフィルム。
    一般式(1)
    Figure 0004055427
    式中R1は水素原子もしくは炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、P1は開環重合性基を含む一価の基であり、L1は単結合もしくは二価の連結基である。
    一般式(2)
    Figure 0004055427
    式中、R2は水素原子もしくは炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、P2はアクリロイル基、メタクリロイル基及びビニルフェニル基よりなる群から選ばれたエチレン性不飽和基を含む一価の基であり、L2は単結合もしくは二価の連結基である。
  2. 硬化性組成物中に感光性カチオン重合開始剤と感光性ラジカル重合開始剤の両方を含む請求項1に記載のハードコートフィルム。
  3. ハードコート層がプラスチックフィルムよりなる基材に直接接触して設けられている請求項1または2に記載のハードコートフィルム。
  4. 基材が、ポリエステル、ポリカーボネートおよびセルロース樹脂よりなる群から選ばれたフィルムである請求項1〜3いずれか1つに記載のハードコートフィルム。
  5. 請求項1〜4いずれか1つに記載のハードコートフィルムを有する画像表示装置。
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