JP4054979B2 - インクジェットヘッドユニットおよびそれを搭載したプリンタ - Google Patents

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクタンクからインクが供給されるシルアル型のインクジェットプリンタのヘッドユニットに関し、詳しくは、ヘッドユニットの移動に起因して発生するインク圧力変動を確実に抑制可能なダンパ機構を備えたヘッドユニットおよびそれを搭載したプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクタンクとキャリッジに搭載されたヘッドユニットの間を可撓性のインクチューブによって接続した構成のシリアル型のインクジェットプリンタでは、キャリッジによってヘッドユニットが移動すると、当該ヘッドユニットに供給されるインクに圧力が作用する。この圧力は、ヘッドユニットの加速度、インクタンクからヘッドユニットまでのインク流路の長さ、およびインクの比重に大きく左右される。この圧力がヘッドユニットのインクノズルに作用すると、インク液滴を適切に吐出することができなくなり、インク液滴の飛び散りやドット抜けといった印字不良を引き起こす原因となる。
【0003】
そこで、ヘッドユニットには、ヘッドユニットの移動に伴ってインク流路に作用する圧力を吸収するためのダンパ機構が設けられている。例えば、特開平3−224744号公報、特開平4−269553号公報には、このようなダンパ機構を備えたヘッドユニットが開示されている。
【0004】
これらの公開公報に開示されているように、従来のヘッドユニットはインクノズル面に対して直交する方向に長い形状とされている。すなわち、ヘッドユニットの移動方向に対して直交する方向に長い形状とされている。この理由は、ヘッドユニットの移動方向に対してダンパ室を直交する方向に配置した方がダンパ効果が効率よく得られると考えられていたためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ヘッドユニットに搭載されているダンパ機構によって吸収可能な圧力は、当該ダンパ機構とインクタンクの間のインク流路に作用する圧力であり、ダンパ機構からインクノズルまでの間のインク流路に作用する圧力を吸収することができない。よって従来技術のようにヘッドユニットをインクノズル面に直交する方向に長い形状とした場合には、ダンパ機構からインクノズルまでのインク流路が長くなるので、ヘッドユニットの移動に伴って大きな圧力が当該インク流路に発生して、インクノズルに直接に伝わり、ドット抜けなどの弊害が発生しやすいものであった。
【0006】
また、移動方向に直交する方向に長い形状のヘッドユニットは、その移動のためのスペースが多く必要になり、インクジェットプリンタの小型化、コンパクト化の障害となっていた。
【0007】
本発明の目的は、このような点に鑑みて、ダンパ機構を形成しているダンパ室からインクノズルまでのインク流路が極めて短いインクジェットプリンタのヘッドユニットを提案することにある。
【0008】
また、本発明の目的は、移動方向に直交する方向の寸法が極めて小さいインクジェットプリンタのヘッドユニットを提案することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明のヘッドユニットは、インクを吐出するノズルが形成されたインクノズル面を前面とし、前記インクノズル面に対して平行な方向に扁平状に形成されたヘッドチップと、このヘッドチップを前面に支持し、後面に凹部が形成されたユニット基体と、前記ヘッドチップに供給する前記インクに作用する圧力変動を緩和するダンパ室であって、前記ユニット基体の前記凹部に前記インクノズル面に対して平行な方向に扁平状に前記ヘッドチップと層状に形成されたインクタンクとは別体のダンパ室と、
前記ユニット基体の前記前面に形成され、前記ダンパ室から前記ヘッドチップに前記インクを供給するインク供給口とを有することを特徴としている。
【0010】
上記の構成により、ヘッドチップとダンパ室がユニット基体を介して積層した構成となっているので、ヘッドチップとダンパ室の間のインク流路の長さ、すなわちインク供給口の長さは、ユニット基体の厚さ分だけであり、当該ユニット基体におけるヘッドチップとダンパ室の間の部分の厚さを薄くすれば、インク流路を極めて短いものにできる。よって、ヘッドユニットの移動に伴って当該インク流路に作用する圧力は極めて小さな力にできるので、ドット抜けなどの印字品質の低下を回避できる。また、ヘッドチップおよびダンパ室をインクノズル面に対して平行な方向に扁平で層状に形成すれば、ヘッドユニットにおける移動方向(インクノズル面の方向)に直交した方向の寸法を短くできる。この結果、ヘッドユニットの移動に必要なスペースを小さくできるので、インクジェットプリンタの小型化、コンパクト化に有利である。
【0011】
また、本発明では、前記インクの圧力変動を吸収するための変形し易い可撓部を備え、前記凹部を封鎖するダンパ膜とを有しており、前記ダンパ室は、前記凹部および前記ダンパ膜によって区画形成されているが望ましい。
【0013】
さらに、カラーインクジェットプリンタに搭載されるヘッドユニットの場合には、各色のインク流路毎にダンパ室が設けられる。この場合には、各ダンパ室を、前記ヘッドチップのインクノズル面に平行な方向に配列すれば、各ダンパ室からインクノズルまでのインク流路を短くでき、ヘッドユニットにおける移動方向に直交する方向の寸法を小さくできるので好ましい。
さらに、複数の前記ダンパ室に対応するそれぞれのダンパ膜は、共通する一枚のシートより構成されていること、あるいは、前記ダンパ膜は、複数の前記ダンパ室のそれぞれに対応する前記可撓部を少なくとも2以上を有していることは、部品数が少なくなることから、部品費、組立費等々を安くしてコストダウンをすることができるので望ましい。 次に、本発明のヘッドユニットは、前記ダンパ室にインクを供給するインク供給管を有しており、前記ダンパ膜は、前記インク供給管を差し込み可能な差込孔を備えており、前記インク供給管は、前記差込孔に差し込まれて前記ダンパ室に連通している先端部分を備えていることを特徴としている。
【0014】
また、この場合、前記ダンパ膜をゴム膜とし、前記差込孔を前記インク供給管の先端部分よりも小径とし、当該差し込み孔を押し広げた状態で前記インク供給管の先端部分を前記差し込み孔に差し込むことが望ましい。
【0015】
このようにすれば、ダンパ室とインク供給管との接続を、インク供給管をダンパ膜に差し込むという簡単な作業により行うことができる。また、インク供給管とダンパ膜の間は、ダンパ膜の弾性力によってシールされた状態になるので、これらの間をシールするための対策を講ずる必要がない。よって、インク供給管の組み付け作業が簡単にできる。
【0016】
さらに、インク供給管の先端部分をダンパ室内に所定の長さだけ突出させておくと、当該インク供給管を介してダンパ室内に侵入した気泡が当該インク供給管の先端部分に留まって、インク供給管を封鎖してしまうという弊害を防止できるので好ましい。
【0017】
次に、本発明のヘッドユニットは、前記ダンパ膜の裏面に取り付けたダンパ押さえを有し、前記インク供給管は、前記ダンパ押さえに一体形成されていることを特徴としている。このようにすれば、ダンパ室へのインク供給路を簡単に形成でき、ヘッドユニットの組立てが簡単になり、また、ヘッドユニットの小型化にも有利になる。
【0018】
一方、本発明のヘッドユニットは、その構成部品が収納されている前面開口部を備えたユニットカバーを有し、前記前面開口からは、前記ヘッドチップのインクノズル面が露出しており、当該ユニットカバーは、前記ヘッドチップのインクノズル面に直交する方向よりも、当該インクノズル面に平行な方向に長い輪郭形状をしていることを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したインクジェットプリンタのヘッドユニットの実施例を説明する。
【0020】
図1は、本例のインクジェットプリンタの主要部分を示す概略構成図である。本例のインクジェットプリンタ1は、シルアル型のものであり、ガイド軸2に沿って往復移動可能なキャリッジ3にヘッドユニット4が搭載されている。このヘッドユニット4に対しては、定位置に配置したインクタンク5から可撓性のインクチューブ6を介してインクが供給される。本例では、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの四色のインクがそれぞれ貯溜されているインクタンク5−1〜5−4から四本のインクチューブ6−1〜6−4を介してヘッドユニット4に供給される。
【0021】
図2は本例のヘッドユニット4を示す断面図であり、図3ヘッドユニット4を分解して前方からの分解斜視図であり、図4はヘッドユニット4を分解して後方からの分解斜視図である。図5(a)および(b)はそれぞれヘッドユニット4のユニット基体13を前方および後方から見た解斜視図である。
これらの図を参照して説明すると、本例のヘッドユニット4は、後面側が開口している直方体形状のユニットカバー11を備えており、このユニットカバー11の中にヘッドユニット構成部材が収納されている。
【0022】
ユニットカバー11の中には、その前面側から、ヘッドチップ12、ユニット基体13、ダンパゴム膜14、ダンパ押さえ15および中継基板16がこの順序で積層されている。ユニット基体13とダンパゴム膜14によって4つのダンパ室21(1)〜21(4)が区画形成されている。ユニットカバー11、ユニット基体13、ダンパ押さえ15は例えば樹脂成形品からなるものである。
【0023】
各ダンパ室21(1)〜21(4)には、ダンパ押さえ15に一体に形成されたインク供給管22(1)〜22(4)の先端部分22a(1)〜22a(4)が連通しており、各インク供給管22(1)〜22(4)の後端部分22b(1)〜22b(4)には各インクチューブ6(1)ないし6(4)が接続されている。各ダンパ室21(1)〜21(4)は、インク供給口23(1)〜23(4)を介して、ヘッドチップ12に形成されている4個のインク取り込み口24(1)〜24(4)に連通している。
【0024】
したがって、インクタンク5(1)〜5(4)からのインクは、インクチューブ6(1)〜6(4)およびインク供給管22(1)〜22(4)を経由して各ダンパ室21(1)〜21(4)に供給され、各ダンパ室21(1)〜21(4)からインク供給口23(1)〜23(4)およびインク取り込み口24(1)〜24(4)を介して、各色のインクノズル群に供給される。
【0025】
ヘッドチップ12は扁平な直方体形状をしており、その前面12aがインクノズル面であり、ここには各色のインクを吐出するインクノズル列(図示せず)が形成されている。このインクノズル面12aがユニットカバー11の前面開口部11aから露出している。また、ヘッドチップ12の各側面からは給電用のフレキシブル配線基板25(1)、25(2)が引き出され、ユニットカバー11の各側面の内側に沿って後ろ側に引き出されて、中継基板16の後面に接続されている。各フレキシブル配線基板25(1)、25(2)におけるユニットカバー11の各側面に対峙している部分にはヘッドチップ駆動用IC26(1)、26(2)が取り付けられている。
【0026】
ヘッドチップ12の後側に配置されているユニット基体13は、ヘッドチップ12が接着固定された前板部分31と、この前板部分31の四周縁から後方に向けて直角に延びる外周側板部分32と、これら前板部分31の後面と外周側板部分32によって囲まれた部分を十文字状に仕切っている縦仕切り板部分33および横仕切り板部分34とを備えている。
【0027】
前板部分31の前面にはヘッドチップ14がはめ込まれた装着用凹部31aが形成され、この装着用凹部31aの底面には接着剤を充填するための接着溝31bが刻まれており、これらの接着溝31bの上端部分は外周板部分32の上面まで引き出されている。ヘッドチップ12は、当該装着用凹部31aにはめ込まれて、接着溝31bに充填した接着剤によって前板部分31に接着固定されている。
【0028】
ユニット基体13の後側の部分には、縦仕切り板部分33および横仕切り板部分34とによって4つのダンパ室用凹部35(1)〜35(4)が形成されている。各凹部は実質的に同一形状であり、各ダンパ室用凹部35(1)〜35(4)の底面35aには、前板部分31に形成したインク供給口23(1)〜23(4)が開いている。また、この底面35aを覆う状態にフィルタ36が熱溶着されている。
【0029】
次に、ダンパゴム膜14は、ユニット基体13の後面すなわち、その外周側板部分32および縦横の仕切り板部分33、34の後面に接着されて固定されている。また、ダンパゴム膜14はその後面側に取り付けたダンバ押さえ15によってユニット基体13に押圧されている。
【0030】
ダンパゴム膜14は各ダンパ室用凹部35(1)〜35(4)に対峙している部分14(1)〜14(4)が薄肉とされ、面外方向へ撓み易くなっている。このダンパゴム膜14の可撓部である各薄肉部分14(1)〜14(4)によって各ダンパ室用凹部35(1)〜35(4)が封鎖されて、ダンパ室21(1)〜21(4)が区画形成されている。
【0031】
ダンパ押さえ15は、後板部分41と、その四周縁から前方に向けて直角に延びている外周板部分42と、後板部分41の前面と外周側板部分42で囲まれた前側部分を十文字に仕切っている縦仕切り板部分43および横仕切り板部分44とを備えており、ダンパ室21(1)〜21(4)に対峙する4個の凹部45(1)〜45(4)が形成されている。これらの凹部45(1)〜45(4)は、後板部分41に形成した各通気孔46を介して大気に連通しており、かかる凹部45(1)〜45(4)によって各ダンパゴム膜の薄肉部分14(1)〜14(4)が面外方向に自由に撓むことが可能となっている。
【0032】
ここで、本例のダンパ押さえ15は、その縦横の仕切り板部分が交差している部分47に、4本のインク供給管22(1)〜22(4)が一体形成されており、例えば樹脂成形品からなっている。各インク供給管22(1)〜22(4)の後端部分22b(1)〜22b(4)は中継基板16に開けた貫通孔51(1)〜51(4)を貫通して後側に突出して、インクチューブ6(1)〜6(4)に接続されている。これに対して、各インク供給管22(1)〜22(4)の先端部分22a(1)〜22a(4)は、ダンパゴム膜14に開けた差込孔52(1)〜52(4)を貫通して、各ダンパ室21(1)〜21(4)の中に突出している。差し込み孔52(1)〜52(4)は、各ダンパ室21(1)〜21(4)内に突出している所定の長さのものであり、その内径寸法は、各インク供給管22(1)〜22(4)の先端部分22a(1)〜22a(4)の外径寸法よりも僅かに小さな寸法に成形されている。
【0033】
したがって、各差込孔52(1)を形成しているダンパゴム膜14の部分は、それ自身の弾性復帰力によって先端部分22a(1)〜22a(4)の外周面に密着しており、これらの間が完全にシールされた状態となっている。
【0034】
このように構成した本例のヘッドユニット4は、図1、2において矢印Aで示す方向に移動しながら、インク液滴の吐出を行う。移動に起因してインクチューブ6内のインクに作用する圧力変動は、ヘッドユニット4に設けられた4個のダンパ室21(1)〜21(4)によって吸収あるいは緩和される。また、ダンパ室21(1)〜21(4)によるダンパ効果を期待できない部分は各ダンパ室21(1)〜21(4)からヘッドチップ12に到るインク供給口23(1)〜23(4)迄の部分であるが、その長さは極めて短い。よって、この部分のインクに作用する圧力は極僅かであるので、インクノズルからのインク液滴の吐出に悪影響を及ぼすことはない。したがって、ヘッドユニット4の移動に起因したインク圧力変動にるドット抜けなどの印字不良を確実に防止できる。
【0035】
本例では、ユニット基体13の前板部分31の厚さを薄くすることにより、そこに形成されているインク供給口23(1)〜23(4)を短くできる。基本的には、接着溝31bを形成するために必要な厚さまでインク供給口を短くできる。
【0036】
また、本例では、ヘッドチップ12のインクノズル面12aに平行な方向、すなわちヘッドユニット4の移動方向に沿って4個のダンパ室21(1)〜21(4)を配置してあり、各ダンパ室21(1)〜21(4)はインクノズル面12aに直交する方向よりもそれに平行な方向に長い形状とされている。したがって、本例によれば、ヘッドチップ4の移動方向に直交する方向よりもそれに平行な方向に長い直方体形状のユニットカバー11内に各構成部品を組み込むことができる。この結果、移動方向に直交する方向の寸法が小さなヘッドユニットを構成できるので、その移動に必要なスペースを小さくでき、以って、インクジェットプリンタの小型化、コンパクト化を実現できる。
さらにダンパゴム膜14は4個のダンパ室21(1)〜21(4)に対して1枚のゴム膜で形成されている。このため4個のダンパ室21(1)〜21(4)は、外周仕切り部32、縦仕切り部33、横仕切り部34にてダンパゴム膜14により簡単にシールを取ることができる。
【0037】
次に、本例では、ダンパ押さえ15にインク供給管22(1)〜22(4)を一体形成してあり、これらインク供給管をダンパゴム膜14にあけた差込孔52(1)〜52(4)に差し込むという簡単な作業によって、各ダンパ室21(1)〜21(4)へのインク供給経路を形成できる。よって、ヘッドユニット4の組立てを簡単に行うことができ。また、当該インク供給経路の部分の構造を簡素化できるので、ヘッドユニットの小型化、コンパクト化に有利である。
【0038】
また、本例では、ダンパゴム膜14の弾性力を利用して、そこに形成された差込孔52(1)〜52(4)と、そこに差し込まれたインク供給管22(1)〜22(4)の間のシール状態を形成している。したがって、シール状態を形成するために別の部材を取り付ける必要がなく、しかも、インク供給管を差し込むだけで自動的にシール状態が形成される。よって、ヘッドユニットの組立て作業が簡単になると共に、部品点数を削減でき、小型・コンパクト化およびコスト低減化も実現できる。
【0039】
さらに、本例では、各インク供給管22(1)〜22(4)の先端部分22a(1)〜22a(4)を各ダンパ室21(1)〜21(4)の中に所定長さだけ突出させてある。このようにすれば、インク供給管22(1)〜22(4)を介してダンパ室21(1)〜21(4)に侵入した気泡が、当該インク供給管22(1)〜22(4)の先端に留まって、インク供給管22(1)〜22(4)を詰まらせてしまうという弊害を回避できる。すなわち、インク供給管22(1)〜22(4)の先端は、それ以外のダンパ室内周面部分から突出しているので、この部分に留まっている気泡は不安定な状態にあり、当該部分からダンパ室内周面部分に移動しやすいからである。
【0040】
(その他の実施の形態)
なお、上記の例は4色のカラー印字を行うインクジェットプリンタに搭載されるヘッドユニットに関するものであるが、本発明は単色の印字を行うインクジェットプリンタ用のヘッドユニット、あるいは4色以外の複数の色で印字を行うインクジェットプリンタ用のヘッドユニットに対しても同様に適用可能である。
【0041】
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる。
例えば、4個のダンパ室21(1)〜21(4)のダンパゴム膜14を1枚のゴム膜で形成しているが、1枚のゴム膜で2個のダンパ室に対応するものを2枚使用するものであっても構わないが、枚数が少ないほどコスト低減に寄与できる。
【0042】
また、ダンパ室21(1)〜21(4)が4個の例を示しているが、1個であっても、扁平状に形成されたヘッドチップの後部に扁平状のダンパ室を積層する構成にすれば、本発明の作用効果であるインク流路に作用する圧力は極めて小さな力にできるので、ドット抜けなどの印字品質の低下を回避できるし、また、ヘッドユニットにおける移動方向(インクノズル面の方向)に直交した方向の寸法を短くできる等を有するものである。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のインクジェットプリンタのヘッドユニットは、ユニット基体の前面にヘッドチップを取り付け、その後面にダンパ室を区画形成した構成としてあるので、ダンパ室からヘッドチップのインクノズルまでのインク流路を短くでき、ヘッドユニット移動時にかかるインク流路に作用する圧力変動を小さくできる。よって、ヘッドユニット移動に伴うドット抜けなどの印字不良を確実に回避することができる。
【0044】
また、本発明では、ダンパ室をヘッドチップのインクノズル面に平行な方向に長い、すなわち、ヘッドユニットの移動方向に長い形状としてある。よって、ヘッドユニットにおけるその移動方向に直交する方向の寸法を小さくできる。したがって、ヘッドユニットの移動に必要なスペースを小さくできるので、インクジェットヘッドの小型化、コンパクト化に有利である。
【0045】
さらに、本発明では、複数のダンパ室を備えている場合に、それらをユニット基体の後面においてヘッドユニットの移動方向に沿って配列してある。よって、各ダンパ室からヘッドチップのインクノズルへのインク流路を短くでき、しかも、ヘッドユニットにけるその移動方向に直交する方向の寸法を小さくできる。この結果、ヘッドユニット移動に伴う圧力変動に起因するドット抜けなどの印字不良を確実に防止でき、しかも、小型でコンパクトなインクジェットプリンタを実現できる。
また各ダンパ室にたいし、ダンパ膜は一枚で構成すると、部品が少なく、簡易でかつ安定して各ダンパ室間のシールを取ることが可能となる。
【0046】
次に、本発明のヘッドユニットでは、ダンパ膜に形成した差込孔にインク供給管を差し込むことにより、ダンパ室へのインク流路を形成できるようにしている。したがって、簡単な組立て作業によってヘッドユニットを製造することができる。また、インク供給管をダンパ膜に差し込むことによりそれらの間のシール状態を形成できるようにしているので、シールを形成するために別の部材を取り付ける必要がない。よって、組立て作業が極めて簡単になると共に、ヘッドユニットの部品点数の削減およびコスト低減に有利である。
【0047】
さらに、本発明では、インク供給管の先端部分をダンパ室の内部に所定量だけ突出させてあるので、当該部分に気泡が詰まってインク供給管が詰まってしまうという弊害を確実に回避できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用したシリアル型のインクジェットプリンタの主要部分を示す概略構成図である。
【図2】 図1のインクジェットプリンタのヘッドユニットを示す断面図である。
【図3】 図2のヘッドユニットを分解して前方から見た状態を示す分解斜視図である。
【図4】 図2のヘッドユニットを分解して後側から見た状態を示す分解斜視図である。
【図5】 図3および図4のヘッドユニットのユニット基体を前方および後方から見た解斜視図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ
2 ガイド軸
3 キャリッジ
4 ヘッドユニット
5 インクタンク
6 インクチューブ
11 ユニットカバー
11a 前面開口部
12 ヘッドチップ
12a インクノズル面
13 ユニット基体
14 ダンパゴム膜
15 ダンパ押さえ
16 中継基板
21(1)〜21(4) ダンパ室
22(1)〜22(4) インク供給管
22a(1)〜22a(4) インク供給管の先端部分
23(1)〜23(4) インク供給口
24(1)〜24(4) インク取り込み口
35(1)〜35(4) ダンパ室用凹部
36 フィルタ
45(1)〜45(4) 凹部
52(1)〜52(4) 差込孔
A ヘッドユニットの移動方向

Claims (11)

  1. インクを吐出するノズルが形成されたインクノズル面を前面とし、前記インクノズル面に対して平行な方向に扁平状に形成されたヘッドチップと、
    このヘッドチップを前面に支持し、後面に凹部が形成されたユニット基体と、
    前記ヘッドチップに供給する前記インクに作用する圧力変動を緩和するダンパ室であって、前記ユニット基体の前記凹部に前記インクノズル面に対して平行な方向に扁平状に前記ヘッドチップと層状に形成されたインクタンクとは別体のダンパ室と、
    前記ユニット基体の前記前面に形成され、前記ダンパ室から前記ヘッドチップに前記インクを供給するインク供給口とを有することを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 請求項1において、前記インクの圧力変動を吸収するための変形し易い可撓部を備え、前記凹部を封鎖するダンパ膜を有しており、前記ダンパ室は、前記ユニット基体の前記凹部および前記ダンパ膜によって区画形成されていることを特徴とするインクジェットヘッドユニット。
  3. 請求項1において、複数の前記ダンパ室を有しており、各ダンパ室は、前記ヘッドチップの前記インクノズル面に平行な方向に配列されていることを特徴とするインクジェットヘッドユニット。
  4. 請求項3において、複数の前記ダンパ室に対応するそれぞれのダンパ膜は、共通する一枚のシートより構成されていることを特徴とするインクジェットヘッドユニット。
  5. 請求項3において、前記ダンパ膜は、複数の前記ダンパ室のそれぞれに対応する前記可撓部を少なくとも2以上を有していることを特徴とするインクジェットヘッドユニット。
  6. 請求項2において、前記ダンパ室に前記インクを供給するインク供給管を有しており、前記ダンパ膜は、前記インク供給管を差し込み可能な差込孔を備えており、前記インク供給管は、前記差込孔に差し込まれて前記ダンパ室内に連通していることを特徴とするインクジェットヘッドユニット。
  7. 請求項6において、前記ダンパ膜はゴム膜であり、前記差込孔は前記インク供給管の先端部分よりも小径とされ、当該差込孔を押し広げた状態で前記インク供給管の先端部分が前記差込孔を貫通していることを特徴とするイクジェットヘッドユニット。
  8. 請求項6において、前記差込孔に差し込まれている前記インク供給管の先端部分は、前記ダンパ室内に所定の長さだけ突出していることを特徴とするインクジェットヘッドユニット。
  9. 請求項6において、前記ダンパ膜の裏面に取り付けたダンパ押さえを有し、前記インク供給管は、前記ダンパ押さえに一体形成されていることを特徴とするインクジェットヘッドユニット。
  10. 請求項8において、前面開口部を備えたユニットカバーを有し、前記前面開口からは、前記ヘッドチップのインクノズル面が露出しており、当該ユニットカバーは、前記ヘッドチップのインクノズル面に直交する方向よりも、当該インクノズル面に平行な方向に長い輪郭形状をしていることを特徴とするインクジェットヘッドユニット。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドユニットと、該インクジェットヘッドユニットを搭載し往復移動するキャリッジと、前記インクジェットヘッドユニットから吐出されるインクを貯蔵しているインクタンクと、該インクタンクの前記インクを前記ダンパ室へ供給するための可撓性のインクチューブとを有するインクジェットプリンタ。
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