JP4054956B2 - コンプライアンスユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、製品組立ロボット等に取付けて、結合すべきワーク相互間の位置ずれや寸法公差等を吸収する場合などに使用されるコンプライアンスユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、産業用ロボットによる製品の自動組立作業等において、コンプライアンスユニットを使用してワーク相互間の位置的誤差を吸収する場合には、ロボットアーム(またはワークチャック手段)に取付けられるボディに対して、ワークチャック手段(またはロボットアーム)に取付けられるテーブルが、ボディとテーブルの中心軸線に対して直交し且つ互いに直交するX軸方向とY軸方向、及び上記中心軸線の周りのθ回転方向の3方向の自由度を有しているものを要求されることが多い。上記コンプライアンスユニットにおいては、作業を行う毎に毎回その誤差を吸収するタイプが今まで主流であったが、近年、最初の作業で位置的誤差を記憶して次の作業に生かすタイプも市場のニーズに適合するものとなっている。
【0003】
このような位置的誤差を記憶するタイプのものにおいては、上記ボディに1つのシリンダを設け、このシリンダのピストンにより上記テーブルの中央部分を押圧させることにより、ボディとテーブルとの相対的な位置を固定することができる構成とし、これにより、位置的誤差の吸収により生じたボディとテーブルとの間の相互の位置ずれを記憶させるのが通常である。
しかしながら、この種のコンプライアンスユニットにおいては、通常、ピストンとテーブルとの接触は、平坦な面同士で行われることが前提となっているので、これらピストンとテーブルの各当接面を高精度で面接触するようにしなければ、図6に仮定的に示すように、ピストンPの先端周縁上の1点A0での接触になってしまう可能性がある。なお、図6中、bは鋼球、gはそれを保持するガイド、tはテーブルを示している。
この場合、ピストンPが回転可能であり、しかも、ピストンPの先端のテーブルtとの接触点A0が、該ピストンPの中心軸線から離れているため、テーブルtに作用する外力によってピストンPが容易に回転し、テーブルtの確実且つ安定的な固定が図れないことが考えられる。これは、ピストンが複数存在する場合も同様であり、いずれにしても、ボディとテーブルとの相対的な位置を正確に記憶させることができない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の技術的課題は、上記X軸、Y軸及びθ方向の3自由度のコンプライアンス機能を備えたコンプライアンスユニットにおいて、ボディとテーブルとの相対的な位置ずれを確実且つ正確に記憶させることができるものを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明のコンプライアンスユニットは、相互に変位可能に連結したボディとテーブルとの間に、それらの中心軸線に対して直交し且つ互いに直交するX及びY軸方向と、上記中心軸線の周りのθ回転方向とについてのコンプライアンス機能を発揮するコンプライアンス機構を介在させ、上記ボディに複数のシリンダを設けて、それらのピストンの先端を、上記テーブルと一体的に結合されて上記コンプライアンス機構によりボディ内を移動する揺動板に対向させ、それらのピストンの先端に、各ピストンの中心軸線上の一点に向かって先細ることにより該揺動板に点接触する凸曲面状の移動拘束部をそれぞれ設けたことを特徴とするものである。
この場合、上記ボディにおけるテーブル側に、表裏両面が平行平面をなす環状のベース板を固定し、該ベース板の表裏両面を、それぞれ鋼球を保持したリテーナを介して、上記テーブル及びそれと一体的に結合した揺動板で挟持させることにより、コンプライアンス機構を構成したものとすることができる。また、上記各ピストンの両端周囲を他の部分よりも小径に形成して、その小径部分に環状に配列された複数の鋼球を配設し、各ピストンの上記小径部分の外周面を円環状のガイドに保持された上記鋼球によって支持させたものとすることができる。
【0006】
上記構成を有するコンプライアンスユニットは、ボディに複数のシリンダを設けて、それらシリンダの各ピストンの先端に、各ピストンの中心軸線上で揺動板に点接触する凸曲面状の移動拘束部を設けたことにより、各ピストンが中心軸線周りで回転することなく上記テーブルを複数点で拘束することができるため、従来のようなピストンとテーブルとを面接触させる場合の弊害を伴うことなく、テーブルを確実に固定することができ、これにより、ボディとテーブルとの相対的な位置を安定的に固定して、その位置関係を正確に記憶させることができる。
【0007】
さらに、上記課題を解決するため、本発明のコンプライアンスユニットは、相互に変位可能に連結したボディとテーブルとの間に、それらの中心軸線に対して直交し且つ互いに直交するX及びY軸方向と、上記中心軸線の周りのθ回転方向とについてのコンプライアンス機能を発揮するコンプライアンス機構を介在させ、上記ボディに複数のシリンダを設けて、それらのピストンの先端を、上記テーブルと一体的に結合されて上記コンプライアンス機構によりボディ内を移動する揺動板に対向させると共に、それらのピストンの先端に、該揺動板に点接触する凸曲面状の移動拘束部を設け、上記各ピストンの先端側の外周面を、ガイドに保持された複数の鋼球を転がり接触させることにより支持させ、上記移動拘束部を、上記ピストンの中心軸線と上記揺動板とが垂直に交わった状態における該ピストンと上記鋼球との接点と同じ高さであって、且つ該ピストンの中心軸線上にある一点を中心とする球面状に形成したことを特徴とするものである。
上記構成を有するコンプライアンスユニットは、上記移動拘束部の球面の中心位置と鋼球のピストンの支持位置との関係で、該移動拘束部の球面の中心は常に該移動拘束部と揺動板との接点の鉛直方向に位置するため、揺動板に外力が作用してもピストンに回転力が生じない。したがって、たとえピストンの中心軸線が揺動板に対して若干傾いたとしても、移動拘束板の球面が揺動板に接している場合には、揺動板に外力が作用することによるピストンの回転が抑制されて、ボディとテーブルとの相対的な位置を正確に記憶させることができる。
【0008】
さらに、本発明においては、上記ボディとテーブルとの間に、コンプライアンス機構によって生じたそれら相互の位置ずれを原点位置に復帰させる原点復帰機構を備えたものとすることができ、この場合、上記原点復帰機構が、上記ボディまたはテーブルの何れか一方に設けられた鋼球と、その他方と一緒に変位するように設けられたボール受けと、上記鋼球を該ボール受けに圧嵌させる弾性手段との複数対で構成されたものとすることができ、または、上記ボディ及びテーブルと一緒に変位するように設けられ、相互に磁気的に吸引することより上記ボディとテーブルとを原点位置に引き戻す吸着部材とで構成されたものとすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1乃至図3は本発明のコンプライアンスユニットの第1実施例を示すもので、この実施例のコンプライアンスユニットは、ロボットアーム、またはエアチャックのようなワークチャック手段の何れか一方に取付けるためのボディ1と、他方に取付けるテーブル2とが相互に接合されたものである。
そして、上記ボディ1とテーブル2との間に、これらのボディ1及びテーブル2の中心軸線Lに対して直交し且つ互いに直交するX及びY軸方向と、上記中心軸線Lの周りのθ回転方向とについてのコンプライアンス機能を発揮するコンプライアンス機構3が介在されている。
【0010】
上記テーブル2は、ワークチャック等に取付けるための円板状のテーブル本体4と、上記テーブル本体4より小径の円板状の揺動板5と、これらテーブル本体4及び揺動板5の中央部に介在させたスペーサ6とを備えている。なお、この実施例では、上記テーブル本体4及び揺動板5とを、スペーサ6の中心軸線を貫通するピン2aによって相互に位置決めし、それらを一体的にボルト2bより一体的に結合している。
【0011】
上記ボディ1は、ロボットアーム等に取付けるための円柱状をした第1ボディ部7と、ボディ1におけるテーブル2側(第1ボディ部7の下端側)に設けられた円筒状の第2ボディ部8とを有している。
上記第2ボディ部8は、上記テーブル2の揺動板5の上面側を、上記第1ボディ7に内蔵した後述するシリンダ12A,12Bの各ピストン14A,14Bの先端と対向する位置に保持した状態で、揺動板5及びスペーサ6をその中空部内において移動可能に収容するものである。
【0012】
上記コンプライアンス機構3は、上記第2ボディ部8に固定的に取付けられ、上記テーブル本体4と第2ボディ部8に収容された上記揺動板5との間、即ちスペーサ6の中腹部分に位置するように配設された、表裏両面が平行平面をなす環状のベース板9と、該ベース板9の表裏面側にそれぞれ配設された複数の鋼球10、及びそれらの鋼球10を回転自在に保持する円環状のリテーナ11とを備えている。上記ベース板9は、その内径が上記揺動板5の外径よりも小さく形成されていて、上記鋼球10及びリテーナ11を介して上記揺動板5及びテーブル本体4とで挟持された態様となっている。
上記鋼球10は、上記ベース板9の表裏各面、上記揺動板5の下面側、及びテーブル本体4の上面側とにそれぞれ転がり接触しており、これらの鋼球10の介在によってベース板9と揺動板5及びテーブル本体4とがX及びY軸、並びにボディ1とテーブル2の中心軸線Lの周りのθ回転方向に相対的に変位できるようになっている。この結果、ワーク等の位置的誤差が吸収されることとなる。
【0013】
また、上記コンプライアンス機構3は、そのコンプライアンス機能によって生じたボディ1とテーブル2との相互の位置ずれを原点位置に戻すための原点復帰機構を有している。
この原点復帰機構は、図2に示すように、上記第1ボディ部7の下端側に設けられた復帰用の一対の鋼球22,22と、上記テーブル2の揺動板5の上面側に該揺動板5と一体に変位するように設けられた一対のボール受け23,23と、第1ボディ部7に設けられた、上記鋼球22,22を個別にボール受け23,23に押圧するための弾性手段としての一対のばね24,24とを備えている。
上記鋼球22,22及びばね24,24は、上記第1ボディ部7に、上記シリンダ12A,12Bと干渉しないように配設され、また、鋼球22,22は上記揺動板5に対向するように第1ボディ部7の端面から突出可能な状態で設けられている。一方、上記各ボール受け23,23は、上記揺動板5の上面に各鋼球22,22と対応する位置に設けられていて、各ボール受け23,23は円錐状の受け面23a,23aをそれぞれ有し、この受け面23a,23aの中心に上記鋼球22,22を圧嵌させることによりボディ1とテーブル2の相互の位置ずれを原点に復帰させるようになっている。
【0014】
上記ボディ1の第1ボディ部7には、内部に2つのシリンダ12,12が配設されていて、上記コンプライアンス機構3によってボディ1とテーブル2とが相対的に変位した場合に、テーブル2をその変位位置に固定して、ワークの位置的誤差を記憶させるのに使用されるものである。
上記シリンダ12A,12Bは、それぞれ第1ボディ部に設けられたシリンダ孔13A,13Bと、該シリンダ孔13A,13B内に摺動自在に嵌挿されたピストン14A,14Bと、上記シリンダ孔13A,13Bの上端側を気密に閉塞するヘッドカバー15A,15Bと、これらヘッドカバー15A,15Bと上記ピストン14A,14Bとの間の圧力室16A,16B内への圧縮流体の供給に供する給排ポート17とを備えていて、上記給排ポート17から圧縮流体を圧力室16A,16B内に供給することにより、上記ピストン14A,14Bの先端を揺動板5の方向に駆動するようになっている。なお、各シリンダ12A,12Bの圧力室16A,16Bは、流通路18を通じて相互に連通していて、一方のシリンダ12Bはこの流通路18を介して圧縮流体の給排を行う構成となっている。
【0015】
上記ピストン14A,14Bは、その先端側に、中心軸線上の一点に向かって緩やかに先細る凸曲面状球面状の移動拘束部19A,19Bを備えていて、各ピストン14A,14Bが前進した場合に、各移動拘束部19A,19Bがそれぞれの頂部で上記テーブル2の揺動板5の上面側を上記ベース板9に押し付け、揺動板5の移動を拘束するようになっている。
【0016】
また、上記ピストン14A,14Bの各外周面は、上下両端側が他の部分よりも小径に形成されていて、その小径部分に、環状に配列された複数の鋼球20A,20Bと、それらの鋼球20A,20Bを各ピストン14A,14Bの小径部分の外周面に常に接触し且つ回転自在なように保持する円環状のガイド21A,21Bとがそれぞれ配設されている。
上記鋼球20A,20Bは、各ピストン14A,14Bの小径部分の外周面、及びガイド部材21A,21Bの内周面と常に転がり接触していて、これにより、各ピストン14A,14Bのそれぞれの軸線が傾動することを抑止して、各ピストン14A,14B先端の移動拘束部19A,19Bが動いて揺動板5を一定位置で固定できなくなるのを防止している。
【0017】
ピストン14A,14Bの中心軸線が揺動板5上の鉛直線に対して傾いた状態になることもあり、図4は、ピストン14Aが傾いた状態を誇張して示すものである。
ここで、上記ピストン14Aの移動拘束部19Aは、上記図4に示すように、ピストン14Aの中心軸線と上記揺動板5とが垂直に交わった状態における該ピストン14Aと、該ピストン14Aの先端側の周りに配設した鋼球20Aとの接点と同じ高さであって、且つ該ピストン14Aの中心軸線上にある点O1を中心とし、先端が揺動板5に接する半径R1の球面状に形成するのが望ましい。
通常、揺動板5から水平方向の外力が作用した場合における上記ピストン14Aの中心軸線周りの回転力(モーメント)T1は、上記点O1から揺動板5上に垂下した垂線の交点と、ピストン14Aの先端と揺動板5との接点A1との間にずれ幅s1が生じた場合に発生し、その回転力は、テーブル2に外力F1が作用した場合には、
T1=F1s1
で表される。しかしながら、上述したように、移動拘束部19Aを、上記点O1を中心として先端が揺動板5に接する半径R1の球面状に形成した場合、図4に示すように、ピストン14Aが揺動板5に対して若干傾斜していても、常に、点O1が揺動板5と移動拘束部19Aとの接点A1の鉛直線上に位置し、上記ずれ幅s1が0になるため、回転力T1は0となる。
したがって、たとえピストン14Aの中心軸線が揺動板5上の鉛直線に対してα1だけ傾いた状態で接し、且つ揺動板5に外力F1が作用した場合であっても、ピストン14Aにその中心軸線周りの回転方向のモーメントが生じることはなく、これにより、ピストン14Aがシリンダ孔13A内で回転することが防止されるため、揺動板5を確実に且つ安定的に固定してその位置を正しく記憶することができる。
また、上記ピストン14Bの移動拘束部19Bも上記移動拘束部19Aと同様の構成となっていて、同様の作用、効果を発揮するため、説明は省略する。
なお、図6に示すものの場合、回転力T0は、上記点O0と接点A0との間にずれ幅s0が生じ、テーブルtに外力F0が作用した場合には、ピストンPの直径をd、点O0とテーブルtとの距離をh、ピストンPのテーブルtに対する傾きをα0とすると、上記点O0と接点A0との間にずれ幅s0がs0=(1/2d−htanα)で表されるため、
T0=F0{(1/2)d−htanα}
の式で表される。この場合、s0が0になる可能性は設計上きわめて乏しいため、ピストンPには回転力T0が作用することになる。
【0018】
上記構成を有するコンプライアンスユニットは、図ワーク相互間の位置的誤差を吸収した際に、コンプライアンス機構3によってボディ1とテーブル2との間に相対的な位置ずれが生じるが、このとき、シリンダ12A,12Bに圧縮流体を供給してピストン14A,14Bを駆動させて揺動板5の移動を拘束することによりその位置のずれを記憶する。
この場合、ボディ1における第1ボディ部7に一対のシリンダ12A,12Bを設け、それらシリンダ12A,12Bの各ピストン14A,14Bの中心軸線の傾動を抑制すると共に、それらのピストン14A,14Bの先端に凸曲面状の移動拘束部19A,19Bを設けて、該ピストン14A,14Bの中心軸線上において揺動板5に圧接するようにしているので、揺動板5からピストン14A,14Bの移動拘束部19A,19Bに対しX−Y方向の何れの方向に力が作用してもピストンが傾動しないばかりでなく、ピストン14A,14Bがその中心軸線の周りで回転することもなく、そして、テーブル2の揺動板5を複数点で押圧して該テーブル2の動きを拘束することができるため、従来のようなピストンとテーブルとを面接触させる場合の弊害を伴うことなく、テーブル2を確実に固定することができ、これにより、ボディ1とテーブル2との相対的な位置を安定的に固定して、その位置位置関係を正確に記憶させることができる。
【0019】
上記実施例のおいては、シリンダを2つ設けたものとしているが、2つに限らず3つ以上であってもよい。
また、この実施例では、ピストン14A,14Bの外周面における上下両端側に鋼球20A,20B、及びこれら鋼球20A,20Bを保持するガイド21A,21Bを配設して、各ピストン14A,14Bの軸線が傾動するのを抑止するようにしているが、これらの鋼球20A,20B及びガイド21A,21Bは、ピストンがシリンダ孔内を傾動することなく摺動可能であるときには必ずしも設ける必要はない。
【0020】
上記実施例においては、原点復帰機構において、鋼球22をばね24の弾性力によってボール受け面23に圧嵌しているが、鋼球22をボール受け面23に圧嵌させる手段としては、ばね以外の各種弾性手段、あるいは圧縮流体による作用力等、各種手段を用いることができる。
【0021】
また、原点復帰機構は、上記実施例の構成のものに限らず、図5に示す第2実施例のように、磁石の磁気吸着力を利用した構成であっても良い。
即ち、上記第1実施例の鋼球22、ボール受け23、ばね24に代えて、第1ボディ部7に一対のボディ側磁石25A,25Bを、それらの磁性が相互に逆になるように配して、それぞれ磁性材料からなるホルダー27A,27Bを介して非磁性材料からなる固定ピン28A,28Bにより取付けると共に、テーブル2の揺動板5の上面側における該ボディ側磁石25A,25Bと対向する位置に、そのボディ側磁石25A,25Bの先端側の磁極と逆極性の磁極を先端に持つテーブル側磁石26A,26Bを、同様に、それぞれ磁性材料からなるホルダー30A,30Bを介して非磁性材料からなる固定ピン31A,31Bにより取付けている。従って、このテーブル側磁石26A,26Bは、テーブル2と一緒に変位することになる。この場合、第1ボディ部7の上面板を形成して上記固定ピン28A,28Bを立設しているカバー32及び上記固定ピン31A,31Bを立設しているテーブル2の揺動板5は、それぞれ磁性材料により形成される。
上記構成を有する第2実施例の原点復帰機構では、対向する一対の磁石25Aと26A、及び他方の一対の磁石25Bと26B、並びに磁性材料からなる上記カバー32及び揺動板5を通して磁力線が閉じられ、対向する磁石同士が磁気的に強く吸引されて揺動板5が原点位置に復帰する動作を行い、この結果、ピストンによる揺動板5の拘束が解除されたときにはボディ1とテーブル2との相互の位置ずれは原点位置に復帰されることとなる。
上記第2実施例の原点復帰機構では、複数対の磁石26A,26B及び26A,26Bを通る磁力線が1つの閉ループを形成するようにしているが、かかる構造に限ることなく、相互に磁気的に吸引することによりボディとテーブルを原点位置に引き戻す磁石等の吸着部材を用いることができる。
なお、図5の第2実施例においては、原点復帰機構に係る構成以外が基本的に前記第1実施例と同じであるため、主要部に同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
【0022】
【発明の効果】
以上に詳述した本発明のコンプライアンスユニットによれば、ボディに複数のシリンダを設けて、それらシリンダの各ピストンの先端に凹曲面状の移動拘束部を設けたことにより、上記テーブルを複数点で拘束することができるため、従来のようなピストンとテーブルとを面接触させる場合の弊害を伴うことなくテーブルを確実に固定し、これにより、ボディとテーブルとの相対的な位置を安定的に固定して、その位置関係を正確に記憶させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンプライアンスユニットの断面図(図3のA−A位置)である。
【図2】本発明のコンプライアンスユニットの、図1とは異なる位置(図3のB−B位置)での断面図である。
【図3】本発明のコンプライアンスユニットの第1ボディ部の底面図である。
【図4】本発明のコンプライアンスユニットのピストンにおける移動拘束部の説明図である。
【図5】図2と異なる原点復帰機構を備えた第2実施例を示す断面図である。
【図6】ピストンの先端を平面とした場合の説明図である。
【符号の説明】
1 ボディ
2 テーブル
3 コンプライアンス機構
4 テーブル本体
5 揺動板
9 ベース板
10 鋼球
11 リテーナ
12A,12B シリンダ
14A,14B ピストン
19A,19B 移動拘束部
20A,20B 鋼球
21A,21B ガイド
22 鋼球
23 ボール受け
25A,25B ボディ側磁石
26A,25B テーブル側磁石
Claims (7)
- 相互に変位可能に連結したボディとテーブルとの間に、それらの中心軸線に対して直交し且つ互いに直交するX及びY軸方向と、上記中心軸線の周りのθ回転方向とについてのコンプライアンス機能を発揮するコンプライアンス機構を介在させ、
上記ボディに複数のシリンダを設けて、それらのピストンの先端を、上記テーブルと一体的に結合されて上記コンプライアンス機構によりボディ内を移動する揺動板に対向させ、
それらのピストンの先端に、各ピストンの中心軸線上の一点に向かって先細ることにより該揺動板に点接触する凸曲面状の移動拘束部をそれぞれ設けた、
ことを特徴とするコンプライアンスユニット。 - 上記ボディにおけるテーブル側に、表裏両面が平行平面をなす環状のベース板を固定し、該ベース板の表裏両面を、それぞれ鋼球を保持したリテーナを介して、上記テーブル及びそれと一体的に結合した揺動板で挟持させることにより、コンプライアンス機構を構成した、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンプライアンスユニット。 - 上記各ピストンの両端周囲を他の部分よりも小径に形成して、その小径部分に環状に配列された複数の鋼球を配設し、各ピストンの上記小径部分の外周面を円環状のガイドに保持された上記鋼球によって支持させた、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のコンプライアンスユニット。 - 相互に変位可能に連結したボディとテーブルとの間に、それらの中心軸線に対して直交し且つ互いに直交するX及びY軸方向と、上記中心軸線の周りのθ回転方向とについてのコンプライアンス機能を発揮するコンプライアンス機構を介在させ、
上記ボディに複数のシリンダを設けて、それらのピストンの先端を、上記テーブルと一体的に結合されて上記コンプライアンス機構によりボディ内を移動する揺動板に対向させると共に、それらのピストンの先端に、該揺動板に点接触する凸曲面状の移動拘束部を設け、
上記各ピストンの先端側の外周面を、ガイドに保持された複数の鋼球を転がり接触させることにより支持させ、上記移動拘束部を、上記ピストンの中心軸線と上記揺動板とが垂直に交わった状態における該ピストンと上記鋼球との接点と同じ高さであって、且つ該ピストンの中心軸線上にある一点を中心とする球面状に形成した、
ことを特徴とするコンプライアンスユニット。 - 上記ボディとテーブルとの間に、コンプライアンス機構によって生じたそれら相互の位置ずれを原点位置に復帰させる原点復帰機構を備えた、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のコンプライアンスユニット。 - 上記原点復帰機構が、上記ボディまたはテーブルの何れか一方に設けられた鋼球と、その他方と一緒に変位するように設けられたボール受けと、上記鋼球を該ボール受けに圧嵌させる弾性手段との複数対で構成された、
ことを特徴とする請求項5に記載のコンプライアンスユニット。 - 上記原点復帰機構が、上記ボディ及びテーブルと一緒に変位するように設けられ、相互に磁気的に吸引することより上記ボディとテーブルとを原点位置に引き戻す吸着部材とで構成された、
ことを特徴とする請求項5に記載のコンプライアンスユニット。
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