JP4053742B2 - ハロゲン化銀写真乳剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン化銀写真感光材料及びこれに用いるハロゲン化銀写真乳剤に関するものである。さらに詳しくは、保存性ならびに現像処理依存性に優れたハロゲン化銀写真乳剤及びハロゲン化銀写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高感度のハロゲン化銀写真感光材料を得るために平板状ハロゲン化銀粒子(以下、「平板粒子という。」)を用いることは一般に良く知られている。これら平板粒子の増感法としてエピタキシャル接合を用いた増感法が特開昭58−108526ならびに59−133540号に開示されている。さらに、厚みがより薄いまたは円相当径がより大きい平板粒子への適用について特開平8−69069、8−101472、8−101474、8−101475、8−171162、8−171163、8−101473、8−101476、9−211762、9−211763号、米国特許第5,612,176号、同第5,614,359号、同第5,629,144号、同第5,631,126号、同第5,691,127号、同5,726,007号に開示されている。一方で円相当径がより小さい平板粒子への適用について特開平10−221798、10−268457、10−339924号に開示されている。しかしながら、塩化銀を主構成元素として用いるエピタキシャル増感方法は沃臭化銀を基本構成要素として組み立てられた撮影用感光材料においては基本的に不安定である。その理由は塩化銀の溶解度積が臭化銀および沃化銀の溶解度積よりも大きく、容易にハロゲン変換を受けることに起因する。そのためにエピタキシャル乳剤を用いた感光材料は保存時に感度の低下もしくはかぶりの上昇という問題を引き起こす。さらにはエピタキシャル部位の不安定な溶解性のために現像処理時のKBr量の変動により大きく写真性能が動くという問題点を有している。そのために、一般の撮影用感光感材への使用に対して汎用化できない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は従来のエピタキシャル乳剤ではエピタキシャル接合が粒子間で大きくばらついていることに注目した。さらにこのばらつきはエピタキシャル部に存在する転位線に関係することが明らかになった。従来のエピタキシャル乳剤においては、平板粒子によりエピタキシャル接合が平板粒子の頂点に一つから六つある粒子、平板粒子の辺上にある粒子、平板粒子の主表面上にある粒子、全くない粒子が混在している。さらにこれらエピタキシャル部に存在する転位線についてはさらに大きなばらつきがある。
【0004】
本発明者はエピタキシャル接合を行う基盤となる平板粒子の構造と組成、エピタキシャル接合時の調製条件を従来にない構造、組成および条件に設定することにより上記の問題が解決できることを見出した。さらに従来にないゼラチンを使用することによりエピタキシャル乳剤を用いた感光材料の保存性ならびに処理性の問題をほぼ完全に解決することができた。
【0005】
本発明は平板粒子の高感度化と保存性、処理性の問題の解決を同時に満足させることができる手段を提供しようとするものである。
【0006】
すなわち、本発明の目的は、高感度で保存性が良く、かつ処理依存性の小さなハロゲン化銀写真乳剤及び写真感光材料を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下記(1)〜(11)の手段によって達成された。
すなわち、
(1)全粒子の円相当径の変動係数が30%以下であり、全投影面積の70%以上が下記要件(i)、(ii)(iii)および (iv) 満たすハロゲン化銀粒子で占められていることを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤。
(i)(111)面を主表面とする沃塩臭化銀平板粒子
(ii)少なくとも一つの頂点部にエピタキシャル接合を有する
(iii)エピタキシャル部に少なくとも1本の転位線を有する
iv )10モル%以上の沃化銀を含有する最外層が銀換算で20%以下である
【0008】
(2)全粒子の円相当径の変動係数が30%以下であり、全投影面積の70%以上が下記要件(i)、(ii)(iii’)および (iv) 満たすハロゲン化銀粒子で占められていることを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤。
(i)(111)面を主表面とする沃塩臭化銀平板粒子
(ii)少なくとも一つの頂点部にエピタキシャル接合を有する
(iii’)エピタキシャル部に網目状の転位線を有する
iv )10モル%以上の沃化銀を含有する最外層が銀換算で20%以下である
【0009】
(3)全粒子の円相当径の変動係数が30%以下であり、全投影面積の70%以上が下記要件(i)、(ii’)(iii)および (iv) 満たすハロゲン化銀粒子で占められていることを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤。
(i)(111)面を主表面とする沃塩臭化銀平板粒子
(ii’)全ての頂点部にエピタキシャル接合を有する
(iii)エピタキシャル部に少なくとも1本の転位線を有する
iv )10モル%以上の沃化銀を含有する最外層が銀換算で20%以下である
【0010】
(4)全投影面積の70%以上が(1)ないし(3)の3要件に加えて、下記 v の要件を満たすハロゲン化銀粒子で占められていることを特徴とする(1)ないし(3)の何れか1項に記載のハロゲン化銀写真乳剤。
v エピタキシャル部以外には転位線を有しない。
【0011】
(5)全投影面積の70%以上が(1)ないし(3)の3要件に加えて、下記 vi )および( vii )の要件を満たすハロゲン化銀粒子で占められていることを特徴とする(1)乃至(3)の何れか1項に記載のハロゲン化銀写真乳剤。
vi 円相当径0.3μm以上1.2μm以下
vii 塩化銀含量が1モル%以上6モル%以
【0012】
(6)全投影面積の70%以上が(1)ないし(3)の3要件に加えて、下記(viii)の要件を満たすハロゲン化銀粒子で占められていることを特徴とする(1)ないし(3)の何れか1項に記載のハロゲン化銀写真乳剤。
(viii)最小の長さを有する辺の長さに対する最大の長さを有する辺の長さの比が2以下である六角形平板粒子。
【0013】
(7)全投影面積の70%以上が(1)ないし(3)の3要件に加えて、下記(ix)の要件を満たすハロゲン化銀粒子で占められていることを特徴とする(1)ないし(3)の何れか1項に記載のハロゲン化銀写真乳剤。
(ix)厚み0.1μm以下である。
【0014】
(8)全粒子の円相当径の変動係数が20%以下であることを特徴とする(1)に記載のハロゲン化銀写真乳剤。
【0015】
(9)全投影面積の70%以上が(1)ないし(3)の3要件に加えて、下記(x)の要件を満たす粒子で占められていることを特徴とする(1)ないし(3)の何れか1項に記載のハロゲン化銀写真乳剤。
(x)全ハロゲン化銀粒子の平均塩化銀含有率をCLモル%とした場合に、塩化銀含有率が0.7ないし1.3CLの範囲内にある。
【0016】
(10)全投影面積の70%以上が(1)ないし(3)の3要件に加えて、下記(xi)の要件を満たす粒子で占められていることを特徴とする(1)ないし(3)の何れか1項に記載のハロゲン化銀写真乳剤。
(xi)全ハロゲン化銀粒子の平均沃化銀含有率をIモル%とした場合に、沃化銀含有率が0.7ないし1.3Iの範囲内にある。
【0017】
(11)支持体上に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、該乳剤層に(1)ないし(3)の何れか1項の乳剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のハロゲン化銀写真乳剤について説明する。
本発明で平板粒子とは2つの対向する平行な(111)主表面を有するハロゲン化銀粒子を言う。本発明において用いる平板粒子は1枚の双晶面あるいは2枚以上の平行な双晶面を有する。双晶面とは(111)面の両側ですべての格子点のイオンが鏡像関係にある場合にこの(111)面のことをいう。
【0019】
この平板粒子は、粒子を主表面に対して垂直方向から見た時、三角形状、六角形状もしくはこれらが丸みを帯びた円形状をしており、それぞれ互いに平行な外表面を有している。
【0020】
本発明の乳剤は全粒子の投影面積の70%以上が最小の長さを有する辺の長さに対する、最大の長さを有する辺の長さの比が2ないし1である六角形の平板粒子であることが好ましい。より好ましくは全粒子の投影面積の90%以上が最小の長さを有する辺の長さに対する、最大の長さを有する辺の長さの比が2ないし1である六角形の平板粒子である。さらに好ましくは全投影面積の90%以上が最小の長さを有する辺の長さに対する、最大の長さを有する辺の長さの比が1.5ないし1である平板粒子である。平板粒子の主表面の形が丸みを帯びた三角形状や六角形状である場合、主表面の辺の長さは各辺を延長することにより形成される仮想の三角形や六角形の辺の長さとする。上記六角形以外の平板粒子が混入すると本発明のエピタキシャル乳剤の調製が困難となり保存性、処理依存性の問題が解決できにくい。
【0021】
本発明の乳剤は全粒子の円相当径の変動係数が30%以下である。
本発明の乳剤は単分散性であることが好ましい。本発明において用いる全ハロゲン化銀粒子の投影面積の円相当径の変動係数は25%以下であることが好ましく、特に好ましくは20%以下である。ここで円相当径の変動係数とは個々のハロゲン化銀粒子の円相当径の分布の標準偏差を平均円相当径で割った値である。単分散性が悪化するとエピタキシャル沈着が粒子間で不均一となるために本発明のエピタキシャル乳剤の調製が困難となる。
【0022】
平板粒子の円相当径は、例えばレプリカ法による透過電子顕微鏡写真を撮影して個々の粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径(円相当径)を求める。厚みはエピタキシャル沈着のために単純にはレプリカの影(シャドー)の長さからは算出できない。しかしながらエピタキシャル沈着する前のレプリカの影の長さを測定することにより算出できる。もしくはエピタキシャル沈着後でも平板粒子を塗布した試料を切断しその断面の電子顕微鏡写真を撮影して容易にもとめることができる。
【0023】
本発明において用いる平板粒子は全投影面積の70%以上が円相当径0.3μm以上1.2μm以下であることが好ましい。より好ましくは全投影面積の70%以上が円相当径0.5μm以上1.0μm以下である。特に好ましくは全投影面積の70%以上が厚み0.1μm以下である。一般に、円相当径が小さく厚みが薄いほど粒子個数が増加しエピタキシャル沈着の粒子間分布が通常大きくなるところ、本発明の乳剤は、このような円相当径が小さく、厚みが薄い場合においてもエピタキシャル沈着の粒子間分布が小さい乳剤である。
【0024】
本発明において用いる平板粒子のハロゲン化銀組成は沃塩臭化銀である。基本的にホスト平板粒子が沃臭化銀もしくは沃塩臭化銀でありエピタキシャル沈着部位が塩化銀もしくは塩臭化銀もしくは沃塩臭化銀の組み合わせからなる。塩化銀含量は1モル%以上6モル%以下が好ましい。より好ましくは塩化銀含量は2モル%以上5モル%以下である。沃化銀含量は好ましくは2モル%以上である。より好ましくは沃化銀含量は2モル%以上10モル%以下である。
【0025】
本発明のホスト平板粒子は10モル%以上の沃化銀を含有する最外層が銀換算で20%以下であることが好ましい。ここで最外層の沃化銀含量は最外層の銀に対するモル%である。最外層よりも内側の構造については任意であるが沃化銀含量は基本的には最外層よりも少ない。最外層は好ましくは銀換算で5%以上20%以下である。より好ましくは10%以上15%以下である。最外層の沃化銀含量は好ましくは15モル%以上30モル%以下である。この条件を逸脱するとエピタキシャル沈着が粒子間で不均一となり転位線が入らず本発明の効果は得られにくい。
【0026】
本発明においては好ましくは、全ハロゲン化銀粒子の平均塩化銀含有率をCLモル%とした場合に、全投影面積の70%以上が塩化銀含有率が0.7CLないし1.3CLの範囲内にあり、特に好ましくは0.8CLないし1.2CLの範囲内にある。本発明の乳剤はエピタキシャル沈着が粒子間で均一であるので基本的に粒子間の塩化銀含有率の分布は単分散である。さらに、好ましくは全ハロゲン化銀粒子の平均沃化銀含有率をIモル%とした場合に、全投影面積の70%以上が沃化銀含有率が0.7Iないし1.3Iの範囲内にあり、特に好ましくは0.8Iないし1.2Iの範囲内にある。粒子間の沃化銀含有率の分布が単分散であることによりエピタキシャル沈着が粒子間で均一となる。各々の粒子の塩化銀ならびに沃化銀含有率の測定には通常、EPMA法(Electron Probe Micro Analyzer法)が有効である。乳剤粒子を互いに接触しないように分散させた試料を作成し、電子線を放射することにより放射されるX線を分析することにより、電子線を照射した極微小領域の元素分析を行うことができる。この時、測定は電子線による試料損傷を防ぐため低温に冷却して行うことが好ましい。
【0027】
本発明の乳剤は全投影面積の70%以上が少なくとも一つの頂点部にエピタキシャル接合を有する平板粒子である。より好ましくは全投影面積の90%以上が少なくとも一つの頂点部にエピタキシャル接合を有する平板粒子である。ここで頂点部とは平板粒子を主表面に対して垂直方向から見た時に1つの頂点を中心とし、この頂点と、この頂点を構成する2つの辺とが形成する扇形であって、これら2辺の内、短い方の辺の長さの1/3を半径とする扇形内の部分を意味する。この頂点部の少なくとも一つ、最大で六つの頂点部にエピタキシャル接合を有する粒子が本発明のエピタキシャル乳剤である。平板粒子の主表面の形が丸みを帯びた三角形状や六角形状である場合、主表面の頂点及び辺は、各辺を延長することにより形成される仮想の三角形や六角形のそれぞれ頂点及び辺とする。通常は本発明のエピタキシャル乳剤以外に平板粒子の主表面もしくは頂点部以外の辺上にエピタキシャル接合が形成される。本発明のエピタキシャル乳剤の判断は以下のようにおこなうことができる。平板粒子のレプリカによる電子顕微鏡写真から任意に100粒子以上を抽出し、一つ以上の頂点部にエピタキシャル接合を有する粒子、頂点部を構成する辺以外の辺上もしくは頂点部以外の主表面上のみにエピタキシャル接合を有する粒子ならびにエピタキシャル接合を有しない粒子の3つの分類にクラス分けする。一つ以上の頂点部にエピタキシャル接合を有する粒子が全投影面積の70%以上あれば本発明のエピタキシャル乳剤に相当する。より好ましくは全投影面積の90%以上が本発明のエピタキシャル粒子である。
【0028】
エピタキシャル部は塩化銀または塩臭化銀または沃塩臭化銀である。好ましくはホスト平板粒子よりも塩化銀含有率は1モル%以上高い。より好ましくはホスト平板粒子よりも塩化銀含有率は10モル%以上高い。但し、エピタキシャル部の塩化銀含有率は50モル%以下が好ましい。エピタキシャル部の臭化銀含有率は30モル%以上が好ましく、50モル%以上が特に好ましい。エピタキシャル部の沃化銀含有率は1モル%以上20モル%以下が好ましい。エピタキシャル部の銀量はホスト平板粒子の銀量の1モル%以上10モル%以下であることが好ましく、2モル%以上7モル%以下が更に好ましい。
【0029】
本発明の乳剤は全投影面積の70%以上がエピタキシャル部に少なくとも1本の転位線を有する平板粒子からなる。好ましくは全投影面積の80%以上がエピタキシャル部に少なくとも1本の転位線を有する平板粒子からなる。本発明の乳剤はより好ましくは全投影面積の70%以上がエピタキシャル部に網目状の転位線を有する平板粒子からなる。最も好ましくは全投影面積の80%以上がエピタキシャル部に網目状の転位線を有する平板粒子からなる。ここで網目状の転位線とは、本数として数えられないような複数の転位線が網の目のように交錯した転位線である。二つ以上の頂点部にエピタキシャル接合を有する平板粒子において、必ずしも各エピタキシャル部に転位線が存在する必要はない。少なくとも一つの頂点部に接合したエピタキシャル部に1本の転位線、好ましくは網目状の転位線を含んでいれば本発明のエピタキシャル乳剤に相当する。好ましくは全投影面積の70%以上の粒子が、網目状の転位線を含むエピタキシャル部を有する。
【0030】
本発明において、全投影面積の70%以上がエピタキシャル部以外には転位線が存在しないことが好ましい。転位線はエピタキシャル沈着の優先的な沈着位を提供し本発明のエピタキシャル平板粒子の形成を阻害する。好ましくは全投影面積の70%以上が転位線がゼロである。この場合、エピタキシャル沈着した部位を除く。最も好ましくは全投影面積の90%以上が転位線がゼロである。平板粒子の転位線は、例えばJ.F.Hamilton,Phot.Sci.Eng.,11、57、(1967)やT.Shiozawa,J.Soc.Phot.Sci.Japan,35、213、(1972)に記載の、低温での透過型電子顕微鏡を用いた直接的な方法により観察することができる。すなわち乳剤から粒子に転位線が発生するほどの圧力をかけないよう注意して取り出したハロゲン化銀粒子を電子顕微鏡観察用のメッシュにのせ、電子線による損傷(プリントアウト等)を防ぐように試料を冷却した状態で透過法により観察を行う。この時粒子の厚みが厚い程、電子線が透過しにくくなるので高圧型(0.25μmの厚さの粒子に対して200kV以上)の電子顕微鏡を用いた方がより鮮明に観察することができる。このような方法により得られた粒子の写真より、主表面に対して垂直方向から見た場合の各粒子についての転位線の位置および数を求めることができる。
【0031】
本発明の乳剤は好ましくは全投影面積の70%以上、より好ましくは全投影面積の80%以上が、ホスト平板粒子の頂点部の主表面上に段丘状にエピタキシャル接合せず、ホスト平板粒子の側面方向に張り出してエピタキシャル接合する平板粒子からなる。主表面の頂点からホスト平板粒子の側面方向に張り出してエピタキシャル接合する平板粒子と、ホスト平板粒子の頂点部の主表面上に段丘状にエピタキシャル接合する平板粒子との区別は以下のようにして行う。平板粒子のレプリカ法電子顕微鏡写真から任意に100粒子以上を抽出し、1粒子あたりのエピタキシャル部の総投影面積のうち頂点部と重ならない側面方向に張り出した部分の面積が60%以上ある粒をホスト平板粒子の側面方向に張り出してエピタキシャル接合する平板粒子と定義する。エピタキシャル沈着後にこの形状を保つように制御しなければエピタキシャル沈着が再配列されることにより転位線が消えてしまう。
【0032】
以上の条件を満足する本発明のエピタキシャル平板乳剤は乳剤のpBrを下げることが可能となる。ここでpBrとは臭素イオン濃度の逆数の対数である。pBrを3.5以下に下げることが可能となったことにより保存性を著しく改良することができる。さらに沃臭化銀を基本構成要素として組み立てられた撮影用感光材料の中に組み込むことができ処理依存性の問題は解決できる。より好ましくは本発明の乳剤は40℃でのpBrが3.0以下であり、特に好ましくは2.5以下である。
【0033】
以下に上述した本発明のエピタキシャル乳剤の具体的な調製法についてホスト平板粒子の調製とエピタキシャル部の調製の2つに分けて詳しく説明する。
まず本発明のエピタキシャル乳剤の調製に必要なホスト平板粒子について詳述する。本発明のホスト平板粒子の粒子内沃化銀の分布については2重構造以上の多重構造粒子であることが好ましい。ここで沃化銀の分布について構造をもっているとは各構造間で沃化銀含量が0.5モル%以上、より好ましくは1モル%以上異なっていることを意味する。本発明において、ホスト平板粒子の「最外層」とは、沃化銀の分布についての多重構造の最も外側にある層状の相をいう。
【0034】
この沃化銀の分布についての構造は、基本的には粒子の調製工程の処方値から計算により求めることができる。各構造間での界面では沃化銀含有率の変化は急激に変化する場合となだらかに変化する場合があり得る。これらの確認のためには、分析上の測定精度を考慮する必要があるが、前述した、EPMA法が有効である。同手法により平板粒子を主表面に垂直方向から見た場合の粒子内沃化銀分布が解析できるが、同試料を固め、ミクロトームで超薄切片にカットした試料を用いることにより平板粒子の断面の粒子内沃化銀分布も解析することができる。
【0035】
本発明においてホスト平板粒子は最外層の沃化銀含量が10モル%以上であることが好ましい。最外層は全銀量に対して20%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以上20%以下であって、その沃化銀含有量が15モル%以上30モル%以下である。ここで最外層の比率とはホスト平板粒子調製工程における最終粒子を得るのに使用した銀量に対する最外層の調製に用いた銀量の比率を意味する。沃化銀含有量とは最外層の調製に用いた銀量に対する最外層の調製に用いた沃化銀量のモル比率の%を意味し、その分布については均一でも不均一でも良い。沃化銀含有量の分布が不均一な場合、沃化銀量は、最外層における平均値である。より好ましくは最外層の比率は全銀量に対して10%以上15%以下であって、その沃化銀含有量が15モル%以上25モル%以下である。
【0036】
ホスト平板粒子の調製は基本的には核形成、熟成ならびに成長の3工程の組み合わせよりなる。
核形成の工程においては米国特許第4,713,320号および同第4,942,120号に記載のメチオニン含量の少ないゼラチンを用いること、米国特許第4,914,014号に記載の高pBrで核形成を行うこと、特開平2−222940号に記載の短時間で核形成を行うことは本発明において用いる粒子の核形成工程においてきわめて有効である。本発明において特に好ましくは20℃から40℃の温度で低分子量の酸化処理ゼラチンの存在下で攪拌下、硝酸銀水溶液とハロゲン水溶液と低分子量の酸化処理ゼラチンを一分以内に添加することである。この時、系のpBrは2以上が好ましくpHは7以下が好ましい。硝酸銀水溶液の濃度は0.6モル/リットル以下の濃度が好ましい。以上の核形成法を用いることにより本発明のエピタキシャル乳剤の形成が容易になる。
【0037】
熟成工程においては米国特許第5,254,453号記載の低濃度のベースの存在下でおこなうこと、米国特許第5,013,641号記載の高いpHでおこなうことは、本発明の平板粒子乳剤の熟成工程において用いることが可能である。米国特許第5,147,771号,同第5,147,772号、同第5,147,773号、同第5,171,659号、同第5,210,013号ならびに同第5,252,453号に記載のポリアルキレンオキサイド化合物を熟成工程もしくは後の成長工程で添加することが可能である。本発明においては熟成工程は好ましくは50℃以上80℃以下の温度で行われる。核形成直後または熟成途中にpBrは2以下に下げることが好ましい。また核形成直後から熟成終了時までに追加のゼラチンが好ましくは添加される。特に好ましいゼラチンはアミノ基が95%以上コハク化またはトリメリット化に修飾されたものである。これらのゼラチンを用いることにより本発明のエピタキシャル乳剤の調製は容易になる。
【0038】
本発明の成長工程においては米国特許第4,672,027号および同第4,693,964号に記載の硝酸銀水溶液と臭化物を含むハロゲン水溶液と沃化銀微粒子乳剤を同時に添加することが好ましく用いられる。沃化銀微粒子乳剤は実質的に沃化銀であれば良く、混晶となり得る限りにおいて臭化銀および/または塩化銀を含有していても良い。好ましくは100%沃化銀である。沃化銀はその結晶構造においてβ体、γ体ならびに米国特許第4,672,026号に記載されているようにα体もしくはα体類似構造があり得る。本発明においては、その結晶構造の制限は特にはないが、β体とγ体の混合物、さらに好ましくはβ体が用いられる。沃化銀微粒子乳剤は米国特許第5,004,679号等に記載の添加する直前に形成したものでも良いし、通常の水洗工程を経たものでもいずれでも良い。沃化銀微粒子乳剤は、米国特許第4,672,026号等に記載の方法で容易に形成しうる。粒子形成時のpI値を一定にして粒子形成を行う、銀塩水溶液と沃化物塩水溶液のダブルジェット添加法が好ましい。ここでpIは系のI-イオン濃度の逆数の対数である。温度、pI、pH、ゼラチン等の保護コロイド剤の種類、濃度、ハロゲン化銀溶剤の有無、種類、濃度等に、特に制限はないが、粒子のサイズは0.1μm以下、より好ましくは0.07μm以下が本発明に都合が良い。微粒子であるために粒子形状は完全には特定できないが粒子サイズの分布の変動係数は25%以下が好ましい。特に20%以下の場合には、本発明の効果が著しい。ここで沃化銀微粒子乳剤のサイズおよびサイズ分布は、沃化銀微粒子を電子顕微鏡観察用のメッシュにのせ、カーボンレプリカ法ではなく直接、透過法によって観察して求める。これは粒子サイズが小さいために、カーボンレプリカ法による観察では測定誤差が大きくなるためである。粒子サイズは観察された粒子と等しい投影面積を有する円の直径と定義する。粒子サイズの分布についても、この等しい投影面積円直径を用いて求める。本発明において最も有効な沃化銀微粒子は粒子サイズが0.06μm以下0.02μm以上であり、粒子サイズ分布の変動係数が18%以下である。
【0039】
上述の粒子形成後、好ましくは米国特許第2,614,929号等に記載の通常の水洗およびpH、pI、ゼラチン等の保護コロイド剤の濃度調整ならびに含有沃化銀の濃度調整が行われる。pHは5以上7以下が好ましい。pI値は沃化銀の溶解度が最低になるpI値もしくはその値よりも高いpI値に設定することが好ましい。保護コロイド剤としては、平均分子量10万程度の通常のゼラチンが好ましく用いられる。平均分子量2万以下の低分子量ゼラチンも好ましく用いられる。また上記の分子量の異なるゼラチンを混合して用いると都合が良い場合がある。乳剤1kgあたりのゼラチン量は好ましくは10g以上100g以下である。より好ましくは20g以上80g以下である。乳剤1kgあたりの銀原子換算の銀量は好ましくは10g以上100g以下である。より好ましくは20g以上80g以下である。沃化銀微粒子乳剤は、通常あらかじめ溶解して添加するが、添加時には系の撹拌効率を十分に高める必要がある。好ましくは撹拌回転数は、通常よりも高めに設定される。撹拌時の泡の発生を防じるために消泡剤の添加は効果的である。具体的には、米国特許第5,275,929号の実施例等に記述されている消泡剤が用いられる。
【0040】
本発明の成長工程において最も好ましく用いられるのは特開平2−188741号に記載の方法である。添加の直前に調製した臭化銀または沃臭化銀または沃塩臭化銀の超微粒子乳剤を平板粒子の成長時に連続添加し該超微粒子乳剤を溶解させて平板粒子を成長させる。超微粒子乳剤を調製するための外部混合機は強力な攪拌能力を有しており、該混合機に硝酸銀水溶液とハロゲン水溶液とゼラチンが添加される。ゼラチンは硝酸銀水溶液および/またはハロゲン水溶液と事前もしくは直前に混合して添加することができるしゼラチン水溶液単独で添加することもできる。ゼラチンは分子量が通常のものより小さいものが好ましく10000から50000が特に好ましい。アミノ基がフタル化またはコハク化またはトリメリット化に90%以上修飾されたゼラチンおよび/またはメチオニン含量を低下させた酸化処理ゼラチンは特に好ましく用いられる。この方法を用いることにより本発明のエピタキシャル乳剤の調製は容易になる。
【0041】
本発明においてはホスト平板粒子の対向する(111)主表面を連結する側面は全側面の75%以下が(111)面から構成されていることが特に好ましい。
【0042】
ここで全側面の75%以下が(111)面から構成されるとは、全側面の25%よりも高い比率で(111)面以外の結晶学的な面が存在するということである。通常その面は(100)面であるとして理解しうるが、それ以外の面、すなわち(110)面や、より高指数の面である場合も含みうる。本発明においては全側面の70%以下が(111)面から構成されていると効果が顕著である。
【0043】
全側面の75%以下が(111)面から構成されているか否かは、その平板粒子のシャドーをかけたカーボンレプリカ法による電子顕微鏡写真から容易に判断しうる。通常側面の75%以上が(111)面から構成されている場合、6角形平板粒子においては、(111)主表面に直接連結する6つの側面はたがい違いに(111)主表面に対して鋭角と、鈍角で接続する。一方、全側面の75%以下が(111)面から構成されている場合、6角形平板粒子においては、(111)主表面に直接連結する6つの側面は(111)主表面に対してすべて鈍角で接続する。シャドーイングを50℃以下の角度でかけることにより主表面に対する側面の鈍角と鋭角の判断ができる。好ましくは30°以下10°以上の角度でシャドーイングすることにより鈍角と鋭角の判断は容易となる。
【0044】
さらに、(111)面と(100)面の比率を求める方法として増感色素の吸着を用いた方法が有効である。日本化学会誌、1984、6巻、ページ942〜947に記載されている手法を用いて(111)面と(100)面の比率を定量的に求めることができる。該比率と前述した平板粒子の円相当直径と厚みを用いて全側面における(111)面の比率を計算して求めることができる。この場合、平板粒子は該円相当直径と厚みを用いて円柱であると仮定する。この仮定によって総表面積に対する側面の比率を求めることができる。前述の増感色素の吸着を用いて求めた(100)面の比率を上記の側面の比率で割った値に100をかけた値が全側面における(100)面の比率である。100からその値をひけば全側面における(111)面の比率が求まることになる。本発明においては全側面における(111)面の比率が65%以下であると、さらに好ましい。
【0045】
本発明においてホスト平板粒子乳剤の全側面の75%以下を(111)面にする手法について説明する。最も一般的には、ホスト平板粒子乳剤の側面の(111)面の比率は平板粒子乳剤の調製時のpBrにて決定しうる。好ましくは最外層形成に要する銀量の30%以上の添加を側面の(111)面の比率が減少、すなわち側面の(100)面の比率が増加するようなpBrに設定する。より好ましくは最外層形成に要する銀量の50%以上の添加を側面の(111)面の比率が減少するようなpBrに設定する。
【0046】
別の方法として全銀量が添加された後に、側面の(100)面の比率が増加するようなpBrに設定し、熟成をすることによって、その比率を増加させることも可能である。
【0047】
側面の(100)面の比率が増加するようなpBrとは、系の温度、pH、ゼラチン等の保護コロイド剤の種類、濃度、ハロゲン化銀溶剤の有無、種類、濃度等によりその値は広範に変化しうる。通常は、好ましくはpBr2.0以上5以下である。さらに好ましくはpBr2.5以上4.5以下である。しかしながら、上述したようにこのpBrの値は例えばハロゲン化銀溶剤等の存在によって容易に変化しうる。
【0048】
本発明で用いることができるハロゲン化銀溶剤としては、米国特許第3,271,157号、同第3,531,286号、同第3,574,628号、特開昭54−1019号、同54−158917号等に記載された(a)有機チオエーテル類、特開昭53−82408号、同55−77737号、同55−2982号等に記載された(b)チオ尿素誘導体、特開昭53−144319号に記載された(c)酸素または硫黄原子と窒素原子とにはさまれたチオカルボニル基を有するハロゲン化銀溶剤、特開昭54−100717号に記載された(d)イミダゾール類、(e)亜硫酸塩、(f)アンモニア、(g)チオシアネート等があげられる。
特に好ましい溶剤としては、チオシアネート、アンモニアおよびテトラメチルチオ尿素がある。また用いられる溶剤の量は種類によっても異なるが、例えばチオシアネートの場合、好ましい量はハロゲン化銀1モル当り1×10-4モル以上1×10-2モル以下である。
【0049】
平板粒子乳剤の側面の面指数を変化させる方法として欧州特許第515894A1号等を参考にすることができる。また米国特許第5,252,453号等に記載のポリアルキレンオキサイド化合物を用いることもできる。有効な方法として米国特許第4,680,254号、同第4,680,255号、同第4,680,256号ならびに同第4,684,607号等に記載の面指数改質剤を用いることができる。通常の写真用分光増感色素も上記と同様な面指数の改質剤として用いることができる。
【0050】
本発明において、ホスト平板粒子は転位線を持たないことが好ましい。以上に詳述した核形成、熟成、成長工程を組み合わせて用いることにより転位線を消失させることができる。
【0051】
本発明のエピタキシャル乳剤の調製に必要なエピタキシャル接合について詳述する。エピタキシャル沈着はホスト平板粒子の形成後すぐにおこなっても良いしホスト平板粒子の形成後、通常の脱塩を行った後に行っても良い。エピタキシャル沈着前に好ましくはPAGI法に準じて測定された分子量分布において、分子量約200万以上の高分子量成分が5%以上30%以下、かつ分子量約10万以下の低分子量成分が55%以下の範囲にあるゼラチンを含有していることが好ましい。特に好ましくはPAGI法に準じて測定された分子量分布において、分子量約200万以上の高分子量成分が5%以上15%以下、かつ分子量約10万以下の低分子量成分が50%以下の範囲にあるゼラチンを含有している。高分子量ゼラチンはエピタキシャル接合を行う時に全ゼラチン量の10質量%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上含有される。塗布前までにこのゼラチンを添加しても有効であるが効果は小さくなる。以下に本発明のエピタキシャル乳剤の調製に重要な高分子量ゼラチンについて詳述する。
【0052】
本発明の乳剤に用いられるゼラチン(以下、「本発明のゼラチン」ともいう。)は、コラーゲン組織をアルカリまたは酸によりその構造を分解して水溶性を付与したものである。アルカリ処理ゼラチンの場合は、その分子量に基づいて、サブα(低分子量)、α(分子量約10万)、β(分子量約20万)、γ(分子量約30万)およびボイド(高分子量)等からなる。
【0053】
本発明におけるゼラチンの成分の比率、すなわち分子量分布は国際的に決められたPAGI法に準じて、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(以下「GPC法」と記す)で測定したものである。この方法に関しては大野隆司、小林裕幸、水澤伸也、"日本写真学会誌"、47巻4号、1984年、237〜247頁等に詳述されている。
【0054】
本発明に係わるゼラチンの分子量分布の測定条件を下記に示す。
(測定条件)
カラム:Shodex Asahipak GS-620 7G(8mmI.D.×500mm)×2
ガードカラム:Shodex Asahipak GS-1G 7B
溶離液:0.2モル/リットルりん酸バッファー(pH6.8)
流速:0.8ミリリットル/分
カラム温度:50℃
検出:UV230nm
サンプル濃度:0.5wt%
横軸にリテンションタイム(Retention Time)縦軸に吸光度をとって得られるGPC曲線は、まず排除限界のピークが現われ、次にゼラチンのβ成分、α成分のピークが現われ、さらにリテンションタイムが長くなるにつれて裾を引くような形になる。
【0055】
本発明における分子量約200万以上の高分子量成分の占める割合は、排除限界のピークの面積の全体に占める割合を算出することにより求める。具体的には、リテンションタイム17分位に現われるGPC曲線の極小点から横軸に対して垂線を引き、その垂線より高分子量側の部分(高分子量成分)の面積の全体の面積に占める割合を算出する。また、分子量約10万以下の低分子量成分の占める割合は、α成分以下の面積の全体に占める割合を算出することにより求める。具体的には、リテンションタイム23分位に現われるβ成分ピークとα成分ピークとの間のGPC曲線の極小点から横軸に対して垂線を引き、その垂線より低分子量側の部分(低分子量成分)の面積の全体の面積に占める割合を算出する。
【0056】
本発明の効果を発現するためには、分子量約200万以上の高分子量成分が5%以上15%以下、かつ分子量約10万以下の低分子量成分が50%以下であることが特に好ましい。高分子量成分が多すぎると濾過性が急激に悪化するため好ましくない。また、低分子量成分が多すぎる場合および/または高分子量成分が少なすぎる場合には本発明の効果が充分に発現しない。
【0057】
ゼラチンの一般的な製法に関してはよく知られており、例えばティー・エイチ・ジェームズ(T. H. James)著、ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス(The Theory of the Photographic Process)第4版、1977年[マクミラン(Macmillan) 社刊]、55頁、科学写真便覧(上)、72〜75頁(丸善株式会社)、菊地真一著、写真化学、1976年(共立出版)213頁、赤堀四郎、水島三郎編、蛋白質化学、1955年(共立出版)453頁等に記載されている。
【0058】
例えば、アルカリ処理ゼラチンの場合は、原料の骨や皮のカルシウムを除去した後、石灰処理漬けしてコラーゲン構造をほぐし、その後温水で抽出し、濃縮、乾燥して製造される。一般には抽出番数を1〜7段階とって抽出が行われ、抽出温度は抽出番数と共に上昇させていく。
【0059】
本発明のゼラチンの製造法としては下記の二つに大別される。
1.ゼラチンの架橋を行わない方法
例えば下記のような方法が用いられる。
製法▲1▼ 上記製法中の抽出操作で抽出後期のゼラチン抽出液を使用して抽出初期のゼラチン抽出液を排除する。
製法▲2▼ 上記製法中、抽出以後乾燥までの製造工程において処理温度を40℃未満とする。
製法▲3▼ ゼラチンゲルを冷水(15℃)透析する。[ザ・ジャーナル・オブ・フォトグラフィックサイエンス(The Journal of Photographic Science)、23巻33頁(1975)参照]。
製法▲4▼ イソプロピルアルコールの使用による分画法。[ディスカッションズ・オブ・ザ・フアラディ・ソサイエティ(Discussions of the Faraday Society)、18巻、288頁(1954)参照]。
上記の製法を単独もしくは組み合わせて用いることにより、本発明のゼラチンを得ることができる。
【0060】
2.ゼラチン架橋剤を用いる方法
本発明で用いられるゼラチンは、ゼラチンを架橋させることで分子量分布を制御したものがより好ましく用いられる。架橋方法としては酵素によってゼラチン分子間の架橋する方法と、架橋剤を添加して架橋剤がゼラチン分子間に化学結合を作ってゼラチン分子を架橋する方法との二つがある。
【0061】
本発明で用いられる酵素による方法の代表的な方法として、トランスグルタミナーゼで架橋されたゼラチンについて述べる。トランスグルタミナーゼ酵素は、蛋白質であるゼラチンのグルタミン残基のγ−カルボキシアミド基と各種一級アミンとの間のアシル転移反応を触媒する機能によってゼラチンを架橋する事ができる。トランスグルタミナーゼは動物由来、植物由来、微生物由来のものがあり例えば、動物由来のものとしては、モルモットの肝臓などの哺乳類の臓器、血液より抽出したもの、また植物由来のものとしては、エンドウ豆より抽出、微生物由来のものとしては放線菌より抽出されている。本発明ではトランスグルタミナーゼ活性を示すものであれば、どの様な起源のものも好ましく用いる事ができる。
【0062】
本発明で用いられるトランスグルタミナーゼは、例えばClark 等の方法(Achives of Biochemistry and Biophysics, 79, 338 (1959))、Connel等の方法(J.Bilogical Chemistry, 246 (1971))、特開平4−207149号記載の方法、特開平6−30770号記載の方法のいずれで合成されたものでも好ましく用いる事ができる。これらのトランスグルタミナーゼとしては商品名アクテバ(味の素(株)製)があげられる。本発明で用いられるトランスグルタミナーゼ活性は、ベンジルオキシカルボニルLグルタミニルグリシンとヒドロキシアミンを反応させ、生成したヒドロキサム酸の量を求める事により測定できる。この測定により1分間に1×10-6モルのヒドリキサム酸を生成するトランスグルタミナーゼ活性を1ユニット(unit)とする。本発明で用いられるトランスグルタミナーゼは、使用されるゼラチンによって異なるが、ゼラチン1gに対して1×10-6モル以上のヒドロキサム酸を生成する量を添加して分子量分布を制御するのが好ましい。
【0063】
架橋剤によりゼラチンを架橋する方法としては、これまでゼラチンの硬化剤として知られている架橋剤は全てこれを使用する事ができる。以下にその代表的な化合物をあげる。
【0064】
A.無機架橋剤(無機硬膜剤)
カチオン性のクロム錯体;錯体の配位子としてはヒドロキシル基、シュウ酸基、クエン酸基、マロン酸基、乳酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、硫酸塩、塩化物、硝酸塩。
アルミニウム塩;特に硫酸塩、カリみょうばん、アンモニウムみょうばん。上記の化合物はゼラチンのカルボキシル基を架橋する。
【0065】
B.有機架橋剤(有機硬膜剤)
1.アルデヒド系架橋剤;もっともよく使われるのはホルムアルデヒドである。またジアルデヒドでも有効な架橋ができ、その例としてはグリオキザール、スクシンアルデヒド、特にグルタルアルデヒドが有効である。ジグリコアルデヒドや種々の芳香族ジアルデヒド、またジアルデヒドスターチ、植物ガムのジアルデヒド誘導体も本発明の架橋に用いられる。
【0066】
2.N−メチロール化合物およびその他の保護されたアルデヒド架橋剤;ホルムアルデヒドと種々の脂肪族直鎖或いは環状のアミド、尿素、含窒素ヘテロ環との縮合によって得られるN−メチロール化合物。具体的には2,3−ジヒドロキジオキサン、ジアルデヒドとそのヘミアセタールの酢酸エステル、2,5−メトキシテトラヒドロフラン等があげられる。
【0067】
3.ケトン架橋剤;ジケトン、キノン類の化合物。よく知られているジケトンとして、2,3−ブタンジオン、CH3COCOCH3など。キノンとしては、p−ベンゾキノンがよく知られている。
4.スルホン酸エステルとスルホニルハライド;代表的化合物としてビス(スルホニルクロリド)類およびビス(スルホニルフロリド)類がある。
【0068】
5.活性ハロゲン化合物;2個以上の活性ハロゲン原子をもつ化合物。代表的化合物としてケトン、エステル、アミドの単純なビス−α−クロロ或いはビス−α−ブロモ誘導体、ビス(2−クロロエチル尿素)、ビス(2−クロロエチル)スルフォン、ホスホールアミジックハライド等があげられる。
6.エポキサイド;ブタジエンジオキサイドが代表的化合物としてあげられる。
【0069】
7.活性オレフィン;2個以上の二重結合、特に隣接する電子吸引基によって活性化された無置換ビニル基をもつ多くの化合物はゼラチンの架橋剤として有効である。この化合物の例としては、ジビニルケトン、レゾルシノールビス(ビニルスルホナート)、4,6−ビス(ビニルスルホナート)、4,6−ビス(ビニルスルホニル)−m−キシレン、ビス(ビニルスルホニルアルキル)エーテル或いはアミン、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ジアクリルアミド、1,3−ビス(アクリロイル)尿素等があげられる。
【0070】
8.s−トリアジン系化合物;下記一般式(H−I)で示される化合物。
【0071】
【化1】
Figure 0004053742
【0072】
式中、R1は水酸基、−OM基(Mは1価の金属原子)、炭素数1〜10のアルキル基(例えばメチル、エチル、2−エチルヘキシル)、−N(R2)(R3)基(R2、R3はそれぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基を表し、互いに同じであっても異なっても良い。)、−NHCOR4(R4は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数6〜20アリールチオ基を表わす。)、あるいは炭素数1〜20のアルコキシ基を表わす。また前記一般式(H−I)で示されるシアヌルクロリド系硬膜剤については特公昭47−6151号、同47−33380号、同54−25411号、特開昭56−130740号に詳細な記載がある。また一般式(H−I)の化合物と類似した構造を持つ特公昭53−2726号、特開昭50−61219号、同56−27135号等に記載されている化合物も本発明に有用である。
【0073】
9.ビニルスルホン系化合物;下記一般式(H−II)で示される化合物。
【0074】
【化2】
Figure 0004053742
【0075】
上記一般式中、X1およびX2は−CH=CH2又は、−CH2CH2Yのいずれかであり、X1およびX2は同じであっても異なっても良い。Yは求核性基により置換されるか、塩基によってHYの形で脱離し得る基(例えば、ハロゲン原子、スルホニルオキシ、硫酸モノエステル等)を表す。Lは2価の連結基であり、置換されていても良い。一般式(H−II)で表わされるビニルスルホン系硬膜剤については、例えば特公昭47−24259号、同50−35807号、特開昭49−24435号、同53−41221号、同59−18944号等の公報に詳細な記載がある。
【0076】
10.カルバモイルアンモニウム塩;下記一般式(H−III)で示される化合物。
【0077】
【化3】
Figure 0004053742
【0078】
式中、R1、R2は炭素数1〜10のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、2−エチルヘキシル基など)、炭素数6〜15のアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基など)、または炭素数7〜15のアラルキル基(例えばベンジル基、フェネチル基など)を表わし、互いに同じであっても異なっても良い。またR1、R2は互いに結合して窒素原子と共に複素環を形成することも好ましい。R3は水素原子、置換あるいは無置換の炭素数1〜10のアルキル基(例えば、メチル基、2−スルホエチル基)、炭素数6〜15のアリール基(例えば、フェニル基)、炭素数7〜15のアラルキル基(例えば、ベンジル基)、又はカルバモイル基を表す。X-は陰イオンを表わす。一般式(H−III)で表わされるカルバモイルアンモニウム塩系硬膜剤についての詳細な記載は、特公昭56−12853号、同58−32699号、特開昭49−51945号、同51−59625号、同61−9641号に詳しい。
【0079】
11.下記一般式(H−IV)で示される化合物。
【0080】
【化4】
Figure 0004053742
【0081】
1、R2、R3およびX-の定義は一般式(H−III)における定義と全く同様であり、これらの化合物はベルギー特許第825,726号に詳しい。
【0082】
12.アミジニウム塩系化合物;下記一般式(H−V)で示される化合物。
【0083】
【化5】
Figure 0004053742
【0084】
1、R2、R3およびR4は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基、または炭素数6〜20のアリール基であり、それぞれ同じであっても異なっても良い。Yは一般式(H−V)で表わされる化合物が求核試薬と反応した際に脱離し得る基を表わし、好ましい例としてハロゲン原子、スルホニルオキシ基、1−ピリジニウミル基等をあげられる。X-は陰イオンを表わす。一般式(H−V)で表わされるアミジニウム塩系硬膜剤については特開昭60−225148号に詳細な記述がある。
【0085】
13.カルボジイミド系化合物;下記一般式(H−VI)で示される化合物。
【0086】
【化6】
Figure 0004053742
【0087】
式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基(例えばメチル基、エチル基など)、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数3〜10のアルコキシアルキル基、または炭素数7〜15のアラルキル基を表わす。R2はR1に定義された基を表わす。これらのカルボジイミド系硬膜剤については、特開昭51−126125号、同52−48311号に詳しい。
【0088】
14.リジニウム塩基系化合物;下記一般式(H−VII)で示される化合物。
【0089】
【化7】
Figure 0004053742
【0090】
式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、または炭素数7〜15のアラルキル基を表わす。これらの基は置換されても良い。R2、R3は水素原子、ハロゲン原子、アシルアミド基、ニトロ基、カルバモイル基、ウレイド基、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基などの置換基を表わし、それぞれ同じであっても異なっても良い。またR2とR3が結合してピリジニウム環骨格と共に縮合環を形成することも好ましい。Yは一般式(H−VII)で表わされる化合物が求核試薬と反応した際に脱離し得る基を表わす。X-は陰イオンを表わす。これらのピリジニウム塩基硬膜剤については、特公昭58−50699号、特開昭57−44140号、同57−46538号に詳細な記載がある。
【0091】
15.ピリジニウム塩系化合物;下記一般式(H−VIII)で示される化合物。
【0092】
【化8】
Figure 0004053742
【0093】
式中、R1、R2の定義は一般式(H−III)におけるR1、R2の定義と全く同様であり、R3は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基または炭素数7〜15のアラルキル基を表わす。X-は陰イオンを表わす。一般式(H−VIII)で表わされるピリジニウム塩系硬膜剤については特開昭52−54427号に詳しく記載されている。
【0094】
本発明で用いられる硬膜剤としては前記の一般式(H−I)〜一般式(H−VIII)で表わされる化合物の他にも、特開昭50−38540号、同52−93470号、同56−43353号、同58−113929号、米国特許第3,321,313号に記載された化合物等も好ましい。
【0095】
以下に本発明に使用される化合物の具体的な例を分類してあげるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0096】
【化9】
Figure 0004053742
【0097】
【化10】
Figure 0004053742
【0098】
本発明の乳剤に用いられるゼラチンの製造においては、これまであげてきた架橋剤をゼラチン溶液に添加して、ゼラチン分子間架橋を起こさせる。その際の条件は、各架橋剤によって異なっているが、一定の反応温度と反応時間を設定してGPC法によってゼラチンの分子量分布を測定する事によって、反応条件を決定する事ができる。その際、ゼラチン溶液の粘度測定する事で架橋の進行を追跡する事ができる。添加された架橋剤は全部を反応させる事が望ましいが、未反応で残った場合は、架橋反応後ゼラチン溶液の限外濾過などにより残存した架橋剤を除去する事ができる。本発明のゼラチンの分子量分布は、架橋剤の添加量や架橋反応の温度、時間、pH等の架橋反応の条件を調節することにより制御できる。
【0099】
本発明のゼラチンとしては、上記の架橋剤いずれか1種または2種以上を組み合わせて架橋されたゼラチンを好ましく用いることができる。一般式(H−I)で表されるs−トリアジン系化合物、一般式(H−II)で表されるビニルスルホン系化合物、一般式(H−III)で表されるカルバモイルアンモニウム塩または一般式(H−VI)で表されるカルボジイミド系化合物を用いて架橋されたゼラチンが好ましい。特に、写真性能への影響が少ない点で一般式(H−II)で表されるビニルスルホン系化合物が好ましい。
【0100】
本発明のゼラチンの製造に用いる元ゼラチンとしては、アルカリ処理ゼラチン、酸処理ゼラチンのいずれも使用可能だが、写真性能に悪影響を及ぼす不純物含量が少ない点でアルカリ処理ゼラチンがより好ましい。特に不純物イオンや不純物を除去する脱イオン処理や限外濾過処理を施したアルカリ処理ゼラチンを用いることが好ましい。また、本発明において好ましく用いられる架橋されたゼラチンの元ゼラチンとしても、アルカリ処理ゼラチンが好ましい。
【0101】
米国特許第5,318,889号では、酸処理ゼラチンをビニルスルホン化合物で架橋することにより高分子量化したゼラチンが開示されている。該特許で開示されたゼラチンは、本発明のゼラチンの分子量分布には及ばないものであったが、酸処理ゼラチンの場合には高分子量成分を本発明のゼラチンと同等まで増加させた場合でも、写真感度を低下させるなど写真性能上の欠点のあることが明らかになっている。
【0102】
本発明のゼラチンは、下記の各種修飾処理を施されていても良い。例えば、アミノ基を修飾したフタル化ゼラチン、コハク化ゼラチン、トリメリットゼラチン、ピロメリットゼラチン、カルボキシル基を修飾したエステル化ゼラチン、アミド化ゼラチン、イミダゾール基を修飾したホルミル化ゼラチン、メチオニン基を減少させた酸化処理ゼラチンや増加させた還元処理ゼラチンなどが挙げられる。
【0103】
一方、それ以外の親水性コロイドも用いることができる。
例えば、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼインのような蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エステル類のようなセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体のような糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾールのような単一あるいは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用いることができる。ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほか、酸処理ゼラチンやBull.Soc.Sci.Photo.Japan.No.16.P30(1966)に記載されたような酵素処理ゼラチンを用いてもよく、また、ゼラチンの加水分解物や酵素分解物も用いることができる。
【0104】
本発明のエピタキシャル乳剤の調製のためにはpH、pAg、ゼラチン種と濃度、粘度を選択する。特にpHは重要であり、好ましくは4以上5.5以下である。特に好ましくは4.5以上5以下である。このpHに設定することによりエピタキシャル沈着を粒子間で均一におこなうことができ、本発明の効果が顕著になる。
【0105】
本発明のエピタキシャル接合の部位指示剤には増感色素を利用する。用いる色素の量や種類を選択することによって、エピタキシャルの沈着位置をコントロールすることができる。色素は、飽和被覆量の50%から90%を添加することが好ましい。用いられる色素には、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素およびヘミオキソノール色素が包含される。特に有用な色素は、シアニン色素に属する色素である。これらの色素類には、塩基性複素環核としてシアニン色素類に通常利用される核のいずれをも適用できる。すなわち、例えば、ピロリン核、オキサゾリン核、チオゾリン核、ピロール核、オキサゾール核、チアゾール核、セレナゾール核、イミダゾール核、テトラゾール核、ピリジン核;これらの核に脂環式炭化水素環が融合した核;及びこれらの核に芳香族炭化水素環が融合した核、即ち、例えば、インドレニン核、ベンゾインドレニン核、インドール核、ベンゾオキサドール核、ナフトオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール核、ベンゾセレナゾール核、ベンゾイミダゾール核、キノリン核が適用できる。これらの核は炭素原子上に置換基を有していてもよい。
【0106】
これらの増感色素は単独に用いてもよいが、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せは特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。その代表例は米国特許第2,688,545号、同第2,977,229号、同第3,397,060号、同第3,522,052号、同第3,527,641号、同第3,617,293号、同第3,628,964号、同第3,666,480号、同第3,672,898号、同第3,679,428号、同第3,703,377号、同第3,769,301号、同第3,814,609号、同第3,837,862号、同第4,026,707号、英国特許第1,344,281号、同第1,507,803号、特公昭43−4936号、同53−12375号、特開昭52−110618号、同52−109925号に記載されている。
増感色素とともに、それ自身分光増感作用をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を示す物質を同時または別個に添加してもよい。
【0107】
増感色素の吸着時にホスト平板粒子の最外層の極表面層の沃化銀含量を最外層よりもさらに高くしておくとエピタキシャル乳剤の調製に好ましい。増感色素の添加に先立って沃素イオンを添加することが行われる。本発明においては前述したAgI微粒子乳剤を添加してホスト平板粒子の表面の沃化銀含量を高くすることが最も好ましく用いられる。これにより粒子間の沃化銀含量の分布が均一となり増感色素の吸着も均一になる。これにより本発明のエピタキシャル乳剤の調製が可能となる。これら沃素イオンもしくは沃化銀の添加量はホスト平板粒子の銀量で1モルに対して1×10-4から1×10-2モルの範囲が好ましく1×10-3から5×10-3モルの範囲が特に好ましい。
【0108】
エピタキシャル部の形成法はハロゲンイオンを含む溶液とAgNO3を含む溶液の同時添加でも別々の添加でも良く、ホスト平板粒子よりも粒径の小さなAgCl微粒子、AgBr微粒子、AgI微粒子の添加、あるいはそれらの混晶粒子の添加等と適宜組み合わせて添加して形成しても良い。AgNO3溶液を添加する場合は添加時間は30秒以上10分以内であることが好ましく、1分以上5分以内が特に好ましい。本発明のエピタキシャル乳剤を形成するためには添加する硝酸銀溶液の濃度は1.5モル/リットル以下の濃度が好ましく特に0.5モル/リットル以下の濃度が好ましい。この時系中の攪拌は効率良く行う必要があり、系中の粘度は低い方が好ましい。
【0109】
エピタキシャル部の銀量はホスト平板粒子の銀量の1モル%以上10モル%以下であることが好ましく、2モル%以上7モル%以下が更に好ましい。少なすぎるとエピタキシャル乳剤の調製ができないし、多すぎても不安定になる。
【0110】
エピタキシャル部の形成時のpBrは3.5以上が好ましく、特に4.0以上が好ましい。温度は35℃以上45℃以下で行うことが好ましい。このエピタキシャル部の形成時に6シアノ金属錯体がドープされているのが好ましい。
【0111】
6シアノ金属錯体のうち、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム又はクロムを含有するものが好ましい。金属錯体の添加量は、ハロゲン化銀(エピタキシャル部とホスト部を合わせた全銀量)1モル当たり10-9乃至10-2モルの範囲であることが好ましく、ハロゲン化銀1モル当たり10-8乃至10-4モルの範囲であることがさらに好ましい。金属錯体は、水または有機溶媒に溶かして添加することができる。有機溶媒は水と混和性を有することが好ましい。有機溶媒の例には、アルコール類、エーテル類、グリコール類、ケトン類、エステル類、及びアミド類が含まれる。 金属錯体としては、下記式(I)で表される6シアノ金属錯体が特に好ましい。6シアノ金属錯体を使用した乳剤を用いることにより、高感度の感光材料が得られ、しかも感光材料を長期間保存したときでも被りの発生を抑制するという効果が得られる。
【0112】
(I)[M(CN)6n-
(式中、Mは鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウムまたはクロムであり、nは3または4である。)。
6シアノ金属錯体の具体例を以下に示す。
(I-1) [Fe(CN)64-
(I-2) [Fe(CN)63-
(I-3) [Ru(CN)64-
(I-4) [Os(CN)64-
(I-5) [Co(CN)63-
(I-6) [Rh(CN)63-
(I-7) [Ir(CN)63-
(I-8) [Cr(CN)64-
【0113】
6シアノ錯体の対カチオンは、水と混和しやすく、ハロゲン化銀乳剤の沈殿操作に適合しているイオンを用いることが好ましい。対イオンの例には、アルカリ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン、リチウムイオン)、アンモニウムイオンおよびアルキルアンモニウムイオンが含まれる。
【0114】
本発明の乳剤はエピタキシャル沈着後に前述した増感色素および/または後述するかぶり防止剤および/または安定剤を添加することが好ましい。本発明においてはこの後以降にpBrを下げることが好ましい。本発明外のエピタキシャル乳剤はこのpBrの低下によりエピタキシャルの破壊がおこり写真性能が低感度のものとなる。一方、本発明のエピタキシャル乳剤においてはこのpBrの低下が可能となり、保存性、処理性において顕著な効果を発揮できるようになる。好ましくは40℃でのpBrを3.5以下に下げる。より好ましくは本発明の乳剤は40℃でのpBrが3.0以下であり、特に好ましくは2.5以下である。pBrの低下はKBr、NaBr等の臭素イオンを添加することにより基本的に行われる。
【0115】
エピタキシャル沈着後、通常は水洗を行う。
水洗の温度は目的に応じて選べるが、5℃〜50℃の範囲で選ぶことが好ましい。水洗時のpHも目的に応じて選べるが2〜10の間で選ぶことが好ましい。さらに好ましくは3〜8の範囲である。水洗時のpAgも目的に応じて選べるが5〜10の間で選ぶことが好ましい。水洗の方法としてヌードル水洗法、半透膜を用いた透析法、遠心分離法、凝析沈降法、イオン交換法のなかから選んで用いることができる。凝析沈降法の場合には硫酸塩を用いる方法、有機溶剤を用いる方法、水溶性ポリマーを用いる方法、ゼラチン誘導体を用いる方法などから選ぶことができる。
【0116】
本発明の乳剤はエピタキシャル沈着後に化学増感を行うことが好ましい。本発明で好ましく実施しうる化学増感の一つはカルコゲン増感と貴金属増感の単独又は組合せであり、ジェームス(T.H.James)著、ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス、第4版、マクミラン社刊、1977年、(The Theory of the Photographic Process,4th ed,Macmillan,1977)67〜76頁に記載されるように活性ゼラチンを用いて行うことができるし、またリサーチ・ディスクロージャー、120巻、1974年4月、12008;リサーチ・ディスクロージャー、34巻、1975年6月、13452、米国特許第2,642,361号、同第3,297,446号、同第3,772,031号、同第3,857,711、同第3,901,714号、同第4,266,018号、および同第3,904,415号、並びに英国特許第1,315,755号に記載されるようにpAg5〜10、pH5〜8および温度30〜80℃において硫黄、セレン、テルル、金、白金、パラジウム、イリジウムまたはこれら増感剤の複数の組合せとすることができる。貴金属増感においては、金、白金、パラジウム、イリジウム等の貴金属塩を用いることができ、中でも特に金増感、パラジウム増感および両者の併用が好ましい。金増感の場合には、塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムオーリチオシアネート、硫化金、金セレナイドのような公知の化合物を用いることができる。パラジウム化合物はパラジウム2価塩または4価の塩を意味する。好ましいパラジウム化合物は、R2PdX6またはR2PdX4で表わされる。ここでRは水素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウム基を表わす。Xはハロゲン原子を表わし塩素、臭素または沃素原子を表わす。
【0117】
具体的には、K2PdCl4、(NH42PdCl6、Na2PdCl4、(NH42PdCl4、Li2PdCl4、Na2PdCl6またはK2PdBr4が好ましい。金化合物およびパラジウム化合物はチオシアン酸塩あるいはセレノシアン酸塩と併用することが好ましい。
【0118】
硫黄増感剤として、ハイポ、チオ尿素系化合物、ロダニン系化合物および米国特許第3,857,711号、同第4,266,018号および同第4,054,457号に記載されている硫黄含有化合物を用いることができる。いわゆる化学増感助剤の存在下に化学増感することもできる。有用な化学増感助剤には、アザインデン、アザピリダジン、アザピリミジンのごとき、化学増感の過程でカブリを抑制し、且つ感度を増大するものとして知られた化合物が用いられる。化学増感助剤改質剤の例は、米国特許第2,131,038号、同第3,411,914号、同第3,554,757号、特開昭58−126526号および前述ダフィン著「写真乳剤化学」、138〜143頁に記載されている。
【0119】
本発明の乳剤は金増感を併用することが好ましい。金増感剤の好ましい量としてハロゲン化銀1モル当り1×10-4〜1×10-7モルであり、さらに好ましいのは1×10-5〜5×10-7モルである。パラジウム化合物の好ましい範囲はハロゲン化銀1モル当たり1×10-3から5×10-7モルである。チオシアン化合物あるいはセレノシアン化合物の好ましい範囲はハロゲン化銀1モル当たり5×10-2から1×10-6モルである。
【0120】
本発明において用いるハロゲン化銀粒子に対して使用する好ましい硫黄増感剤量はハロゲン化銀1モル当り1×10-4〜1×10-7モルであり、さらに好ましいのは1×10-5〜5×10-7モルである。
【0121】
本発明の乳剤に対して好ましい増感法としてセレン増感がある。セレン増感においては、公知の不安定セレン化合物を用い、具体的には、コロイド状金属セレニウム、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメチルセレノ尿素、N,N−ジエチルセレノ尿素)、セレノケトン類、セレノアミド類のようなセレン化合物を用いることができる。セレン増感は硫黄増感あるいは貴金属増感あるいはその両方と組み合せて用いた方が好ましい場合がある。
【0122】
テルル増感においては、不安定テルル化合物を用い、特開平4−224595号、同4−271341号、同4−333043号、同5−303157号、同6−27573号、同6−175258号、同6−180478号、同6−208184号、同6−208186号、同6−317867号、同7−140579号、同7−301879号、同7−301880号などに記載されている不安定テルル化合物を用いることができる。
【0123】
具体的には、ホスフィンテルリド類(例えば、ノルマルブチル−ジイソプロピルホスフィンテルリド、トリイソブチルホスフィンテルリド、トリノルマルブトキシホスフィンテルリド、トリイソプロピルホスフィンテルリド)、ジアシル (ジ)テルリド類(例えば、ビス(ジフェニルカルバモイル)ジテルリド、ビス(N−フェニル−N−メチルカルバモイル)ジテルリド、ビス(N−フェニル−N−メチルカルバモイル)テルリド、ビス(N−フェニル−N−ベンジルカルバモイル)テルリド、ビス(エトキシカルボニル)テルリド)、テルロ尿素類(例えば、N,N’−ジメチルエチレンテルロ尿素)、テルロアミド類、テルロエステル類などを用いればよい。好ましくはホスフィンテルリド類、ジアシル(ジ)テルリド類である。
【0124】
本発明に用いられる写真乳剤には、感光材料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のかぶりを防止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の化合物を含有させることができる。すなわちチアゾール類、例えば、ベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾール類、ニトロベンズイミダゾール類、クロロベンズイミダゾール類、ブロモベンズイミダゾール類、メルカプトチアゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプトベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール類、アミノトリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ニトロベンゾトリアゾール類、メルカプトテトラゾール類(特に1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール);メルカプトピリミジン類;メルカプトトリアジン類;例えば、オキサドリンチオンのようなチオケト化合物;アザインデン類、例えば、トリアザインデン類、テトラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,7)テトラアザインデン類)、ペンタアザインデン類のようなかぶり防止剤または安定剤として知られた、多くの化合物を加えることができる。例えば、米国特許第3,954,474号、同第3,982,947号、特公昭52−28660号に記載されたものを用いることができる。好ましい化合物の一つに特開昭63−212932号に記載された化合物がある。かぶり防止剤および安定剤は粒子形成前、粒子形成中、粒子形成後、水洗工程、水洗後の分散時、エピタキシャル形成時、化学増感前、化学増感中、化学増感後、塗布前のいろいろな時期に目的に応じて添加することができる。乳剤調製中に添加して本来のかぶり防止および安定化効果を発現する以外に、粒子の晶壁を制御する、粒子サイズを小さくする、粒子の溶解性を減少させる、化学増感を制御する、色素の配列を制御するなど多目的に用いることができる。
【0125】
本発明の乳剤調製時、例えば粒子形成時、エピタキシャル形成時、脱塩工程、化学増感時、塗布前に金属イオンの塩を存在させることは目的に応じて好ましい。粒子にドープする場合には粒子形成時、粒子表面の修飾あるいは化学増感剤として用いる時は粒子形成後、化学増感終了前に添加することが好ましい。粒子全体にドープする場合と粒子のコアー部のみ、あるいはシェル部のみにドープする方法も選べる。例えば、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Sc、Y、La、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、Au、Cd、Hg、Tl、In、Sn、Pb、Biを用いることができる。これらの金属はアンモニウム塩、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、水酸塩あるいは6配位錯塩、4配位錯塩など粒子形成時に溶解させることができる塩の形であれば添加できる。例えば、CdBr2、CdCl2、Cd(NO32、Pb(NO32、Pb(CH3COO)2、K3[Fe(CN)6]、(NH44[Fe(CN)6]、K3IrCl6、(NH43RhCl6、K4Ru(CN)6があげられる。配位化合物のリガンドとしてハロ、アコ、シアノ、シアネート、チオシアネート、ニトロシル、チオニトロシル、オキソ、カルボニルのなかから選ぶことができる。これらは金属化合物を1種類のみ用いてもよいが2種あるいは3種以上を組み合せて用いてよい。
【0126】
金属化合物は水またはメタノール、アセトンのような適当な有機溶媒に溶かして添加するのが好ましい。溶液を安定化するためにハロゲン化水素水溶液(例えば、HCl、HBr)あるいはハロゲン化アルカリ(例えば、KCl、NaCl、KBr、NaBr)を添加する方法を用いることができる。また必要に応じ酸・アルカリなどを加えてもよい。金属化合物は粒子形成前の反応容器に添加しても粒子形成の途中で加えることもできる。また水溶性銀塩(例えば、AgNO3)あるいはハロゲン化アルカリ水溶液(例えば、NaCl、KBr、KI)に添加しハロゲン化銀粒子形成中連続して添加することもできる。さらに水溶性銀塩、ハロゲン化アルカリとは独立の溶液を用意し粒子形成中の適切な時期に連続して添加してもよい。さらに種々の添加方法を組み合せるのも好ましい。
【0127】
本発明のハロゲン化銀写真乳剤を粒子形成中、粒子形成後でかつ化学増感前あるいは化学増感中、あるいは化学増感後に還元増感することは好ましい。
ここで、還元増感とは、ハロゲン化銀乳剤に還元増感剤を添加する方法、銀熟成と呼ばれるpAg1〜7の低pAgの雰囲気で成長あるいは熟成させる方法、高pH熟成と呼ばれるpH8〜11の高pHの雰囲気で成長あるいは熟成させる方法のいずれを選ぶこともできる。また2つ以上の方法を併用することもできる。
還元増感剤を添加する方法は還元増感のレベルを微妙に調節できる点で好ましい方法である。
【0128】
還元増感剤としては、例えば、第一錫塩、アスコルビン酸およびその誘導体、アミンおよびポリアミン類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合物、ボラン化合物が公知である。本発明において用いる還元増感にはこれら公知の還元増感剤を選んで用いることができ、また2種以上の化合物を併用することもできる。還元増感剤としては塩化第一錫、二酸化チオ尿素、ジメチルアミンボラン、アスコルビン酸およびその誘導体が好ましい化合物である。還元増感剤の添加量は乳剤製造条件に依存するので添加量を選ぶ必要があるが、ハロゲン化銀1モル当り10-7〜10-3モルの範囲が適当である。
【0129】
還元増感剤は、例えば、水あるいはアルコール類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類のような有機溶媒に溶かし粒子成長中に添加される。あらかじめ反応容器に添加するのもよいが、粒子成長の適当な時期に添加する方法が好ましい。また水溶性銀塩あるいは水溶性アルカリハライドの水溶性にあらかじめ還元増感剤を添加しておき、これらの水溶液を用いてハロゲン化銀粒子を沈澱せしめてもよい。また粒子成長に伴って還元増感剤の溶液を何回かに分けて添加しても連続して長時間添加するのも好ましい方法である。
【0130】
本発明の乳剤の製造工程中に銀に対する酸化剤を用いることが好ましい。銀に対する酸化剤とは、金属銀に作用して銀イオンに変換せしめる作用を有する化合物をいう。特にハロゲン化銀粒子の形成過程および化学増感過程において副生するきわめて微小な銀粒子を、銀イオンに変換せしめる化合物が有効である。ここで生成する銀イオンは、例えば、ハロゲン化銀、硫化銀、セレン化銀のような水に難溶の銀塩を形成してもよく、又、硝酸銀のような水に易溶の銀塩を形成してもよい。銀に対する酸化剤は、無機物であっても、有機物であってもよい。無機の酸化剤としては、例えば、オゾン、過酸化水素およびその付加物(例えば、NaBO2・H22・3H2O、2NaCO3・3H22、Na427・2H22、2Na2SO4・H22・2H2O)、ペルオキシ酸塩(例えば、K228、K226、K228)、ペルオキシ錯体化合物(例えば、K2[Ti(O2)C24]・3H2O、4K2SO4・Ti(O2)OH・SO4・2H2O、Na3[VO(O2)(C242]・6H2O)、過マンガン酸塩(例えば、KMnO4)、クロム酸塩(例えば、K2Cr27)のような酸素酸塩、沃素や臭素のようなハロゲン元素、過ハロゲン酸塩(例えば、過沃素酸カリウム)、高原子価の金属の塩(例えば、ヘキサシアノ第二鉄酸カリウム)およびチオスルフォン酸塩がある。
また、有機の酸化剤としては、p−キノンのようなキノン類、過酢酸や過安息香酸のような有機過酸化物、活性ハロゲンを放出する化合物(例えば、N−ブロムサクシンイミド、クロラミンT、クロラミンB)が例として挙げられる。
【0131】
本発明において用いる好ましい酸化剤は、オゾン、過酸化水素およびその付加物、ハロゲン元素、チオスルフォン酸塩の無機酸化剤及びキノン類の有機酸化剤である。前述の還元増感と銀に対する酸化剤を併用するのは好ましい態様である。酸化剤を用いたのち還元増感を施こす方法、その逆方法あるいは両者を同時に共存させる方法のなかから選んで用いることができる。これらの方法は粒子形成工程でも化学増感工程でも選んで用いることができる。
【0132】
本発明で得られるハロゲン化銀乳剤を用いて製造される感光材料は、少なくとも1層の感光層を備えていればよい。好ましくは、支持体上に青感色性層、緑感色性層、赤感色性層のハロゲン化銀乳剤層を各々少なくとも1層設けられており、青感色性層、緑感色性層及び赤感色性層のうち、少なくとも1つが、感度の互いに異なる2層以上から構成されていればよく、ハロゲン化銀乳剤層および非感光性層の層数および層順に特に制限はない。典型的な例としては、支持体上に、実質的に感色性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る感色性層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀写真感光材料であり、該感光性層は青色光、緑色光、および赤色光の何れかに感色性を有する単位感光性層であり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料においては、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、緑感色性層、青感色性層の順に設置される。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、また同一感色性層中に異なる感光性層が挾まれたような設置順をもとり得る。
【0133】
上記のハロゲン化銀感光性層の間および最上層、最下層には各層の中間層等の非感光性層を設けてもよい。
該中間層には、特開昭61−43748号、同59−113438号、同59−113440号、同61−20037号、同61−20038号に記載されるようなカプラー、DIR化合物が含まれていてもよく、通常用いられるように混色防止剤を含んでいてもよい。
【0134】
各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化銀乳剤層は、***特許第1,121,470号あるいは英国特許第923,045号に記載されるように高感度乳剤層、低感度乳剤層の2層構成を好ましく用いることができる。通常は、支持体に向かって順次感光度が低くなる様に配列するのが好ましく、また各ハロゲン乳剤層の間には非感光性層が設けられていてもよい。また、特開昭57−112751号、同62−200350号、同62−206541号、同62−206543号に記載されているように支持体より離れた側に低感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよい。
【0135】
具体例として支持体から最も遠い側から、例えば低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(GL)/高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/RHの順等に設置することができる。
【0136】
また特公昭55−34932号公報に記載されているように、支持体から最も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL/RLの順に配列することもできる。
【0137】
また特開昭56−25738号、同62−63936号明細書に記載されているように、支持体から最も遠い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に設置することもできる。
【0138】
また特公昭49−15495号に記載されているように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次低められた感光度の異なる3層から構成される配列が挙げられる。このような感光度の異なる3層から構成される場合でも、特開昭59−202464号に記載されているように、同一感色性層中において支持体より離れた側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順に配置されてもよい。
その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高感度乳剤層などの順に配置されていてもよい。
また、4層以上の場合にも、上記の如く配列を変えてよい。
【0139】
本発明の乳剤を用いる好ましい層は、低感度乳剤層である。低感度乳剤層としては、赤感色性低感度乳剤層、緑感色性低感度乳剤層及び青感色性低感度乳剤層のいずれにも使用することができるが、赤感色性低感度乳剤層が好ましい。より好ましくは高感度乳剤層にエピタキシャル接合を有しないハロゲン化銀乳剤を含有させ,低感度層に本発明の乳剤を用いる場合である。エピタキシャル接合を有しないハロゲン化銀乳剤としては、特開平11−174606号、同11−295832号などに記載のフリンジ部に転位線を含有する平板粒子乳剤が好ましく用いられる。この使用法により感光材料の性能を向上させる一方で塗布銀量を低減させることが可能となる。各乳剤層で使用される乳剤の銀量(銀原子単位での質量)は、好ましくは0.3から3g/m2であり、より好ましくは0.5から2g/m2である。
上記のように、それぞれの感光材料の目的に応じて種々の層構成、配列を選択することができる。
【0140】
本発明に関する感光材料には、前記の種々の添加剤が用いられるが、それ以外にも目的に応じて種々の添加剤を用いることができる。
これらの添加剤は、より詳しくはリサーチ・ディスクロージャー Item 17643(1978年12月)、同 Item 18716(1979年11月)および同 Item 308119(1989年12月)に記載されており、その該当個所を後掲の表にまとめて示した。
【0141】
Figure 0004053742
【0142】
また、ホルムアルデヒドガスによる写真性能の劣化を防止するために、米国特許4,411,987号や同第4,435,503号に記載されたホルムアルデヒドと反応して、固定化できる化合物を感光材料に添加することが好ましい。
【0143】
本発明には種々のカラーカプラーを使用することができ、その具体例は前出のリサーチ・ディスクロージャーNo.17643、VII−C〜G、および同No.307105、VII−C〜Gに記載された特許に記載されている。
【0144】
イエローカプラーとしては、例えば米国特許第3,933,501号、同第4,022,620号、同第4,326,024号、同第4,401,752号、同第4,248,961号、特公昭58−10739号、英国特許第1,425,020号、同第1,476,760号、米国特許第3,973,968号、同第4,314,023号、同第4,511,649号、欧州特許第249,473A号、等に記載のものが好ましい。
【0145】
マゼンタカプラーとしては5−ピラゾロン系及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特許第4,310,619号、同第4,351,897号、欧州特許第73,636号、米国特許第3,061,432号、同第3,725,067号、リサーチ・ディスクロージャーNo.24220(1984年6月)、特開昭60−33552号、リサーチ・ディスクロージャーNo.24230(1984年6月)、特開昭60−43659号、同61−72238号、同60−35730号、同55−118034号、同60−185951号、米国特許第4,500,630号、同第4,540,654号、同第4,556,630号、国際公開WO88/04795号に記載のものが特に好ましい。
【0146】
シアンカプラーとしては、フェノール系及びナフトール系カプラーが挙げられ、米国特許第4,052,212号、同第4,146,396号、同第4,228,233号、同第4,296,200号、同第2,369,929号、同第2,801,171号、同第2,772,162号、同第2,895,826号、同第3,772,002号、同第3,758,308号、同第4,334,011号、同第4,327,173号、***特許公開第3,329,729号、欧州特許第121,365A号、同第249,453A号、米国特許第3,446,622号、同第4,333,999号、同第4,775,616号、同第4,451,559号、同第4,427,767号、同第4,690,889号、同第4,254,212号、同第4,296,199号、特開昭61−42658号等に記載のものが好ましい。
【0147】
ポリマー化された色素形成カプラーの典型例は、米国特許第3,451,820号、同第4,080,211号、同第4,367,282号、同第4,409,320号、同第4,576,910号、英国特許第2,102,137号、欧州特許第341,188A号に記載されている。
発色色素が適度な拡散性を有するカプラーとしては、米国特許第4,366,237号、英国特許第2,125,570号、欧州特許第96,570号、***特許(公開)第3,234,533号に記載のものが好ましい。
【0148】
発色色素の不要吸収を補正するためのカラード・カプラーは、リサーチ・ディスクロージャーNo.17643のVII−G項、同No.307105のVII−G項、米国特許第4,163,670号、特公昭57−39413号、米国特許第4,004,929号、同第4,138,258号、英国特許第1,146,368号に記載のものが好ましい。また、米国特許第4,774,181号に記載のカップリング時に放出された蛍光色素により発色色素の不要吸収を補正するカプラーや、米国特許第4,777,120号に記載の現像主薬と反応して色素を形成しうる色素プレカーサー基を離脱基として有するカプラーを用いることも好ましい。
【0149】
カップリングに伴って写真的に有用な残基を放出する化合物もまた本発明で好ましく使用できる。現像抑制剤を放出するDIRカプラーは、前述のRD17643、VII −F項及び同No.307105、VII −F項に記載された特許、特開昭57−151944号、同57−154234号、同60−184248号、同63−37346号、同63−37350号、米国特許第4,248,962号、同第4,782,012号に記載されたものが好ましい。
【0150】
現像時に画像状に造核剤もしくは現像促進剤を放出するカプラーとしては、英国特許第2,097,140号、同第2,131,188号、特開昭59−157638号、同59−170840号に記載のものが好ましい。また、特開昭60−107029号、同60−252340号、特開平1−44940号、同1−45687号に記載の現像主薬の酸化体との酸化還元反応により、かぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶剤等を放出する化合物も好ましい。
【0151】
その他、本発明の感光材料に用いることのできる化合物としては、米国特許第4,130,427号等に記載の競争カプラー、米国特許第4,283,472号、同第4,338,393号、同第4,310,618号等に記載の多当量カプラー、特開昭60−185950号、特開昭62−24252号等に記載のDIRレドックス化合物放出カプラー、DIRカプラー放出カプラー、DIRカプラー放出レドックス化合物もしくはDIRレドックス放出レドックス化合物、欧州特許第173,302A号、同第313,308A号に記載の離脱後復色する色素を放出するカプラー、RD.No.11449、同24241、特開昭61−201247号等に記載の漂白促進剤放出カプラー、米国特許第4,555,477号等に記載のリガンド放出カプラー、特開昭63−75747号に記載のロイコ色素を放出するカプラー、米国特許第4,774,181号に記載の蛍光色素を放出するカプラーが挙げられる。
【0152】
本発明に使用するカプラーは、種々の公知の分散方法により感光材料に導入できる。
水中油滴分散法に用いられる高沸点溶媒の例は、例えば、米国特許第2,322,027号に記載されている。
【0153】
水中油滴分散法に用いられる常圧での沸点が175℃以上の高沸点有機溶剤の具体例としては、フタル酸エステル類(例えば、ジブチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、デシルフタレート、ビス(2,4−ジ−tert−アミルフェニル)フタレート、ビス(2,4−ジ−tert−アミルフェニル)イソフタレート、ビス(1,1−ジエチルプロピル)フタレート);リン酸またはホスホン酸のエステル類(例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリクロロプロピルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルフェニルホスホネート);安息香酸エステル類(例えば、2−エチルヘキシルベンゾエート、ドデシルベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ヒドロキシベンゾエート);アミド類(例えば、N,N−ジエチルドデカンアミド、N,N−ジエチルラウリルアミド、N−テトラデシルピロリドン);アルコール類またはフェノール類(例えば、イソステアリルアルコール、2,4−ジ−tert−アミルフェノール);脂肪族カルボン酸エステル類(例えば、ビス(2−エチルヘキシル)セバケート、ジオクチルアゼレート、グリセロールトリブチレート、イソステアリルラクテート、トリオクチルシトレート);アニリン誘導体(例えば、N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−tert−オクチルアニリン);炭化水素類(例えば、パラフィン、ドデシルベンゼン、ジイソプロピルナフタレン)を例示することができる。
【0154】
また補助溶剤としては、例えば、沸点が約30℃以上、好ましくは50℃以上かつ約160℃以下の有機溶剤が使用でき、典型例としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−エトキシエチルアセテート、ジメチルホルムアミドが挙げられる。
ラテックス分散法の工程、効果および含浸用ラテックスの具体例は、例えば、米国特許第4,199,363号、***特許出願(OLS)第2,541,274号および、同第2,541,230号に記載されている。
【0155】
本発明のカラー感光材料中には、フェネチルアルコールや特開昭63−257747号、同62−272248号、および特開平1−80941号に記載の、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、n−ブチル−p−ヒドロキシベンゾエート、フェノール、4−クロル−3,5−ジメチルフェノール、2−フェノキシエタノール、2−(4−チアゾリル)ベンゾイミダゾールのような各種の防腐剤もしくは防黴剤を添加することが好ましい。
【0156】
本発明は種々の感光材料に適用することができるが、種々の白黒およびカラー感光材料に適用する場合が好ましい。例えば、一般用もしくは映画用のカラーネガフィルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反転フィルム、カラーペーパー、カラーポジフィルムおよびカラー反転ペーパーを代表例として挙げることができる。本発明は、カラーデュープ用フィルムにも特に好ましく使用できる。
【0157】
本発明に使用できる適当な支持体は、例えば、前述のRD.No.17643の28頁、同No.18716の647頁右欄から648頁左欄、および同No.307105の879頁に記載されている。
【0158】
本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の全親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm以下であることが好ましく、23μm以下がより好ましく、18μm以下が更に好ましく、16μm以下が特に好ましい。また膜膨潤速度T1/2が30秒以下が好ましく、20秒以下がより好ましい。ここでの膜厚は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)で測定した膜厚を意味する。また、膜膨潤速度T1/2は当該技術分野において公知の手法に従って測定することができ、例えばエー・グリーン(A.Green)らによりフォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Photogr.Sci.Eng.)、19巻、2号、124〜129頁に記載の型のスエロメーター(膨潤計)を使用することにより測定できる。なお、T1/2は発色現像液で30℃、3分15秒処理した時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚とし、飽和膜厚の1/2に到達するまでの時間と定義する。
膜膨潤速度T1/2は、バインダーとしてのゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時条件を変えることによって調整することができる。
【0159】
本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm〜20μmの親水性コロイド層(バック層と称す)を設けることが好ましい。このバック層には、例えば、前述の光吸収剤、フィルター染料、紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜剤、バインダー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤を含有させることが好ましい。このバック層の膨潤率は150〜500%が好ましい。
【0160】
本発明に従ったカラー写真感光材料は、前述のRD.No.17643の28〜29頁、同No.18716の651頁左欄〜右欄、および同No.307105の880〜881頁に記載された通常の方法によって現像処理することができる。
【0161】
本発明の感光材料の現像処理に用いる発色現像液は、好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主薬を主成分とするアルカリ性水溶液である。この発色現像主薬としては、アミノフェノール系化合物も有用であるが、p−フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用され、その代表例としては3−メチル−4−アミノ−N,Nジエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−β−メトキシエチルアニリン、及びこれらの硫酸塩、塩酸塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩などが挙げられる。これらの中で、特に、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリンの硫酸塩が好ましい。これらの化合物は目的に応じ2種以上併用することもできる。
【0162】
発色現像液は、例えば、アルカリ金属の炭酸塩、ホウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、塩化物塩、臭化物塩、沃化物塩、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾール類もしくはメルカプト化合物のような現像抑制剤またはかぶり防止剤を含むのが一般的である。また必要に応じて、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、亜硫酸塩、N,N−ビスカルボキシメチルヒドラジンの如きヒドラジン類、フェニルセミカルバジド類、トリエタノールアミン、カテコールスルホン酸類の如き各種保恒剤;エチレングリコール、ジエチレングリコールのような有機溶剤;ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、四級アンモニウム塩、アミン類のような現像促進剤;色素形成カプラー、競争カプラー、1−フェニル−3−ピラゾリドンのような補助現像主薬;粘性付与剤;アミノポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノカルボン酸に代表されるような各種キレート剤を用いることができる。キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリル三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N,N−テトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−ジ(o−ヒドロキシフェニル酢酸)及びそれらの塩を代表例として挙げることができる。
【0163】
また、反転処理を実施する場合は、通常黒白現像を行なってから発色現像する。この黒白現像液には、例えば、ハイドロキノンのようなジヒドロキシベンゼン類、例えば、1−フェニル−3−ピラゾリドンのような3−ピラゾリドン類、または例えば、N−メチル−p−アミノフェノールのようなアミノフェノール類の公知の黒白現像主薬を単独であるいは組み合わせて用いることができる。これらの発色現像液及び黒白現像液のpHは、9〜12であることが一般的である。また、これらの現像液の補充量は、処理するカラー写真感光材料にもよるが、一般に感光材料1平方メートル当たり3リットル(以下、リットルを「L」とも表記する。)以下であり、補充液中の臭化物イオン濃度を低減させておくことにより500ミリリットル(以下、ミリリットルを「mL」とも表記する。)以下にすることもできる。補充量を低減する場合には、処理液の空気との接触面積を小さくすることによって液の蒸発、空気酸化を防止することが好ましい。
【0164】
処理槽での写真処理液と空気との接触面積は、以下に定義する開口率で表わすことができる。即ち、
開口率=[処理液と空気との接触面積(cm2)]÷[処理液の容量(cm3)]。
【0165】
上記の開口率は0.1以下であることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.05である。このように開口率を低減させる方法としては、処理槽の写真処理液面に、例えば浮き蓋のような遮蔽物を設ける方法に加えて、特開平1−82033号に記載された可動蓋を用いる方法、特開昭63−216050号に記載されたスリット現像処理方法を挙げることができる。開口率を低減させることは、発色現像及び黒白現像の両工程のみならず、後続の諸工程、例えば、漂白、漂白定着、定着、水洗、安定化の全ての工程において適用することが好ましい。また、現像液中の臭化物イオンの蓄積を抑える手段を用いることにより、補充量を低減することもできる。
発色現像処理の時間は通常2〜5分の間で設定されるが、高温高pHとし、かつ発色現像主薬を高濃度に使用することにより、更に処理時間の短縮を図ることもできる。
【0166】
発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理される。漂白処理は定着処理と同時に行なわれてもよいし(漂白定着処理)、個別に行なわれてもよい。更に処理の迅速化を図るため、漂白処理後に漂白定着処理する処理方法でもよい。さらに、二槽の連続した漂白定着浴で処理すること、漂白定着処理の前に定着処理すること、又は漂白定着処理後に漂白処理することも目的に応じ任意に実施できる。漂白剤としては、例えば、鉄(III)のような多価金属の化合物、過酸類(特に、過硫酸ソーダは映画用カラーネガフィルムに適する)、キノン類、ニトロ化合物が用いられる。代表的漂白剤としては、鉄(III)の有機錯塩、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチルイミノ二酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸のようなアミノポリカルボン酸類との錯塩、または、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸との錯塩を用いることができる。これらのうち、エチレンジアミン四酢酸鉄(III)錯塩、及び1,3−ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)錯塩をはじめとするアミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩は、迅速処理と環境汚染防止の観点から好ましい。さらに、アミノボリカルボン酸鉄(III)錯塩は、漂白液においても、漂白定着液においても特に有用である。これらのアミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩を用いた漂白液又は漂白定着液のpHは通常4.0〜8であるが、処理の迅速化のためにさらに低いpHで処理することもできる。
【0167】
漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴には、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書に記載されている:例えば、米国特許第3,893,858号、***特許第1,290,812号、同第2,059,988号、特開昭53−32736号、同53−57831号、同53−37418号、同53−72623号、同53−95630号、同53−95631号、同53−104232号、同53−124424号、同53−141623号、同53−18426号、リサーチ・ディスクロージャーNo.17129号(1978号7月)に記載のメルカプト基またはジスルフィド基を有する化合物;特開昭51−140129号に記載のチアゾリジン誘導体;特公昭45−8506号、特開昭52−20832号、同53−32735号、米国特許第3,706,561号に記載のチオ尿素誘導体、***特許第1,127,715号、特開昭58−16235号に記載の沃化物塩;***特許第966,410号、同第2,748,430号に記載のポリオキシエチレン化合物類;特公昭45−8836号に記載のポリアミン化合物;その他特開昭49−40943号、同49−59644号、同53−94927号、同54−35727号、同55−26506号、同58−163940号記載の化合物;臭化物イオン等が使用できる。なかでも、メルカプト基またはジスルフィド基を有する化合物が促進効果が大きい観点で好ましく、特に米国特許第3,893,858号、***特許第1,290,812号、特開昭53−95630号に記載の化合物が好ましい。更に、米国特許第4,552,884号に記載の化合物も好ましい。これらの漂白促進剤は感材中に添加してもよい。撮影用のカラー感光材料を漂白定着するときに、これらの漂白促進剤は特に有効である。
【0168】
漂白液や漂白定着液には上記の化合物の他に、漂白ステインを防止する目的で有機酸を含有させることが好ましい。特に好ましい有機酸は、酸解離定数(pKa)が2〜5である化合物で、具体的には、例えば、酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸を挙げることができる。
【0169】
定着液や漂白定着液に用いられる定着剤としては、例えば、チオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエーテル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物塩を挙げることができる。このなかではチオ硫酸塩の使用が一般的であり、特にチオ硫酸アンモニウムが最も広範に使用できる。また、チオ硫酸塩と、例えば、チオシアン酸塩、チオエーテル系化合物、チオ尿素の併用も好ましい。定着液や漂白定着液の保恒剤としては、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、カルボニル重亜硫酸付加物あるいは欧州特許第294,769A号に記載のスルフィン酸化合物が好ましい。更に、定着液や漂白定着液には、液の安定化の目的で、各種アミノポリカルボン酸類や有機ホスホン酸類の添加が好ましい。
【0170】
本発明において、定着液または漂白定着液には、pH調整のためにpKaが6.0〜9.0の化合物、好ましくはイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、2−メチルイミダゾールの如きイミダゾール類を0.1〜10モル/L添加することが好ましい。
【0171】
脱銀工程の時間の合計は、脱銀不良が生じない範囲で短い方が好ましい。好ましい時間は1分〜3分、更に好ましくは1分〜2分である。また、処理温度は25℃〜50℃、好ましくは35℃〜45℃である。好ましい温度範囲においては脱銀速度が向上し、かつ処理後のステイン発生が有効に防止される。
【0172】
脱銀工程においては、撹拌ができるだけ強化されていることが好ましい。撹拌強化の具体的な方法としては、特開昭62−183460号に記載の感光材料の乳剤面に処理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭62−183461号に回転手段を用いて撹拌効果を上げる方法が挙げられる。更には、液中に設けられたワイパーブレードと乳剤面を接触させながら感光材料を移動させ、乳剤表面を乱流化することによってより撹拌効果を向上させる方法や、処理液全体の循環流量を増加させる方法が挙げられる。このような撹拌向上手段は、漂白液、漂白定着液、定着液のいずれにおいても有効である。撹拌の向上は、乳剤膜中への漂白剤および、定着剤の供給を速め、結果として脱銀速度を高めるものと考えられる。また、前記の撹拌向上手段は漂白促進剤を使用した場合により有効であり、促進効果を著しく増加させたり、漂白促進剤により定着阻害作用を解消させることができる。
【0173】
本発明の感光材料の現像に用いられる自動現像機は、特開昭60−191257号、同60−191258号、同60−191259号に記載の感光材料搬送手段を有していることが好ましい。前記の特開昭60−191257号に記載のとおり、このような搬送手段は前浴から後浴への処理液の持込みを著しく削減でき、処理液の性能劣化を防止する効果が高い。このような効果は、各工程における処理時間の短縮や処理液補充量の低減に特に有効である。
【0174】
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料は、脱銀処理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一般的である。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性(例えば、カプラーのような使用素材による)、用途、更には、例えば、水洗水温、水洗タンクの数(段数)、向流、順流のような補充方式、その他種々の条件に応じて広範囲に設定し得る。このうち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の関係は、Journal of the Society of Motion Picture and Television Engineers 第64巻、P.248〜253(1955年5月号)に記載の方法で求めることができる。
【0175】
前記文献に記載の多段向流方式によれば、水洗水量を大幅に減少し得るが、タンク内における水の滞留時間の増加によりバクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に付着するというような問題が生じる。本発明のカラー感光材料の処理おいては、このような問題の解決策として、特開昭62−288838号に記載のカルシウムイオン、マグネシウムイオンを低減させる方法を極めて有効に用いることができる。また、特開昭57−8542号に記載の、例えば、イソチアゾロン化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソシアヌール酸ナトリウムのような塩素系殺菌剤、その他、例えば、ベンゾトリアゾールのような、堀口博著「防菌防黴剤の化学」(1986年)三共出版、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0176】
本発明の感光材料の処理おける水洗水のpHは、4〜9、好ましくは5〜8である。水洗水温および水洗時間も、例えば感光材料の特性、用途に応じて種々設定し得るが、一般には、15〜45℃で20秒〜10分、好ましくは25〜40℃で30秒〜5分の範囲が選択される。更に、本発明の感光材料は、上記水洗に代えて、直接安定液によって処理することもできる。このような安定化処理においては、特開昭57−8543号、同58−14834号、同60−220345号に記載の公知の方法はすべて用いることができる。
【0177】
また、前記水洗処理に続いて、更に安定化処理する場合もある。その例として、撮影用カラー感光材料の最終浴として使用される、色素安定化剤と界面活性剤を含有する安定浴を挙げることができる。色素安定化剤としては、例えば、ホルマリンやグルタルアルデヒドのようなアルデヒド類、N−メチロール化合物、ヘキサメチレンテトラミンあるいはアルデヒド亜硫酸酸付加物を挙げることができる。この安定浴にも、各種キレート剤や防黴剤を加えることができる。
【0178】
上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオーバーフロー液は脱銀工程のような他の工程において再利用することもできる。
例えば自動現像機を用いた処理において、上記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合には、水を加えて濃縮補正することが好ましい。
【0179】
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料には、処理の簡略化及び迅速化の目的で発色現像主薬を内蔵させても良い。内蔵させるためには、発色現像主薬の各種プレカーサーを用いるのが好ましい。例えば、米国特許第3,342,597号記載のインドアニリン系化合物、例えば、同第3,342,599号、リサーチ・ディスクロージャーNo.14,850及び同No.15,159に記載のシッフ塩基型化合物、同No.13,924に記載のアルドール化合物、米国特許第3,719,492号に記載の金属塩錯体、特開昭53−135628号に記載のウレタン系化合物を挙げることができる。
【0180】
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料は、必要に応じて、発色現像を促進する目的で、各種の1−フェニル−3−ピラゾリドン類を内蔵しても良い。典型的な化合物は、例えば、特開昭56−64339号、同57−144547号、および同58−115438号に記載されている。
【0181】
本発明における各種処理液は、10℃〜50℃において使用される。通常は33℃〜38℃の温度が標準的であるが、より高温にして処理を促進し処理時間を短縮したり、逆により低温にして画質の向上や処理液の安定性の改良を達成することができる。
【0182】
また、本発明のハロゲン化銀感光材料は、米国特許第4,500,626号、特開昭60−133449号、同59−218443号、同61−238056号、欧州特許第210,660A2号などに記載されている熱現像感光材料にも適用できる。
また、本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料は、特公平2−32615号、実公平3−39784号などに記載されているレンズ付きフィルムユニットに適用した場合に、より効果を発現しやすく有効である。
【0183】
【実施例】
以下に実施例をもって本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例−1)
本発明のエピタキシャル乳剤について詳しく説明する。
(本発明の乳剤の調製)
KBr0.87g、平均分子量20000の低分子量酸化処理ゼラチン0.95gを含む水溶液1100mLを35℃に保ち撹拌した。AgNO3(3.0g)水溶液とKBr(2.1g)と平均分子量20000の低分子量酸化処理ゼラチン28g)を含む水溶液を40秒間に渡り添加した。KBr2.6gを含む水溶液を添加した後、50℃に昇温した。平均分子量100000の琥珀化ゼラチン32gを含む水溶液を添加した後、カテコールジスルホン酸ナトリウム塩を71g含む水溶液を添加した。その後、第1成長としてAgNO3(231.4g)水溶液とKBr水溶液をダブルジェット法で流量加速して添加した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して−20mVに保った。途中で6塩化イリジウムカリウム(0.1mg)を含む水溶液を添加した。AgNO3の添加終了時にベンゼンチオスルホン酸ナトリウム(2mg)を含む水溶液を添加した。その後、最外層成長としてAgNO3水溶液(34.1g)とKIを含むKBr水溶液を14分間に渡って添加した。KIの濃度は沃化銀含量が12モル%になるように調整した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して30mVに保った。
【0184】
この後、ゼラチン14gを添加した。このゼラチンは、牛骨を原料とするアルカリ処理オセイン1番抽出ゼラチン(PAGI法により測定された分子量分布は、高分子量成分が2.5%、低分子量成分が60.0%)を、詳細な説明に記載の架橋剤H−VI−3で架橋したゼラチンである。PAGI法により測定された分子量分布は、高分子量成分が12.4%、低分子量成分が48.3%である。温度を40℃に降温した後、フェノキシエタノール9.7mlを添加し、さらにKI(0.47g)水溶液を添加した。増感色素I、II、IIIを69:30:1のモル比で飽和被覆量の70%の比率で添加した。但し増感色素は、特開平11−52507号に記載の方法で作成した固体微分散物として、使用した。すなわち硝酸ナトリウム0.8質量部および硫酸ナトリウム3.2質量部をイオン交換水43質量部に溶解し、増感色素13質量部を添加し、60℃の条件下でディゾルバー翼を用い2000rpmで20分間分散することにより、増感色素の固体分散物を得た。ヘキサシアノルテニウム(II)酸カリウム(3.2mg)を含む水溶液を添加した後、AgNO3(12.66g)水溶液とKBr(4.66g)とKI(0.88g)とNaCl(3.83g)を含む水溶液を1分6秒間に渡ってダブルジェット法で添加した。
【0185】
エピタキシャル部形態安定化剤I(60mg)を添加した後、通常の水洗を行なった。この時、温度は35℃に保った。前述のゼラチン77gを添加した後、40℃でpHを6.5に、銀電位をNaCl水溶液を用いて飽和カロメル電極に対して80mVに調整した。エピタキシャル部形態安定化剤兼保存性改良剤II(6mg)を添加した後、50℃に昇温し、ハロゲン化銀1モルに対して、チオシアン酸カリウム(1.1×10-4モル)、塩化金酸(5.5×10-6モル)、チオ硫酸ナトリウム(1.9×10-5モル)およびN,N−ジメチルセレノ尿素(4.7×10-6モル)を添加し最適に化学増感を施した。かぶり防止剤I(12.1×10-4モル)添加して化学増感を終了した。
【0186】
本発明の乳剤は平均円相当径0.70μm、円相当径の変動係数19%、平均厚み0.70μm、平均アスペクト比10.0の平板粒子であった。また、全投影面積の90%以上が円相当径0.5μm以上0.90μm以下、厚み0.08μm以下の、最小の長さを有する辺の長さに対する最大の長さを有する辺の長さの比が5以下である主表面が(111)面の六角形平板粒子であり、6つの頂点部全てにエピタキシャル接合を有していた。低温での透過電子顕微鏡観察の結果、全投影面積の90%以上の粒子がエピタキシャル部以外の主表面部には転位線を持たず、かつエピタキシャル部に網目状の転位線を有していた。図1に代表的な写真(倍率 10万倍)を示す。本粒子は12モル%の沃化銀を含有する最外層が銀換算で12%の粒子である。エピタキシャル部は銀換算で4.5%であり組成はAgBr(52)Cl(40)I(8)である。また全投影面積の90%以上が平均塩化銀含有率および平均沃化銀含有率に対して30%以内の範囲に入っていた。
【0187】
【化11】
Figure 0004053742
【0188】
(比較例の乳剤の調製)
KBr0.87g、平均分子量20000の低分子量酸化処理ゼラチン0.95gを含む水溶液1100mLを35℃に保ち撹拌した。AgNO3(3.0g)水溶液とKBr(2.1g)と平均分子量20000の低分子量酸化処理ゼラチン28g)を含む水溶液を40秒間に渡り添加した。KBr2.6gを含む水溶液を添加した後、50℃に昇温した。平均分子量100000の琥珀化ゼラチン32gを含む水溶液を添加した後、カテコールジスルホン酸ナトリウム塩を71g含む水溶液を添加した。その後、第1成長としてAgNO3(199.9g)水溶液とKBr水溶液をダブルジェット法で流量加速して添加した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して−20mVに保った。途中で6塩化イリジウムカリウム(0.1mg)を含む水溶液を添加した。さらに続けてAgNO3(32.5g)水溶液とKBrとKIを含む水溶液をダブルジェット法で流量加速して添加した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して−20mVに保ち、沃化銀含量が6.1モル%になるように調整した。AgNO3の添加終了時にベンゼンチオスルホン酸ナトリウム(2mg)を含む水溶液を添加した。その後、AgNO3水溶液(34.1g)とKIを含むKBr水溶液を14分間に渡って添加した。KIの濃度は沃化銀含量が6.1モル%になるように調整した。
【0189】
この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して30mVに保った。この後、ゼラチン14gを添加した。このゼラチンは、牛骨を原料とするアルカリ処理オセイン1番抽出ゼラチン(PAGI法により測定された分子量分布は、高分子量成分が2.5%、低分子量成分が60.0%)である。温度を40℃に降温した後、KI(0.47g)水溶液を添加した。増感色素I、II、IIIを69:30:1のモル比で飽和被覆量の70%の比率で添加した。但し増感色素は、特開平11−52507号に記載の方法で作成した固体微分散物として、使用した。すなわち硝酸ナトリウム0.8質量部および硫酸ナトリウム3.2質量部をイオン交換水43質量部に溶解し、増感色素13質量部を添加し、60℃の条件下でディゾルバー翼を用い2000rpmで20分間分散することにより、増感色素の固体分散物を得た。ヘキサシアノルテニウム(II)酸カリウム(3.2mg)を含む水溶液を添加した後、AgNO3(12.66g)水溶液とKBr(5.13g)とKI(0.22g)とNaCl(3.83g)を含む水溶液を1分6秒間に渡ってダブルジェット法で添加した。そして通常の水洗を行なった。
【0190】
この時、温度は35℃に保った。前述のゼラチン77gを添加した後、40℃でpHを6.5に、銀電位をNaCl水溶液を用いて飽和カロメル電極に対して80mVに調整した。50℃に昇温し、ハロゲン化銀1モルに対して、チオシアン酸カリウム(1.1×10-4モル)、塩化金酸(5.5×10-6モル)、チオ硫酸ナトリウム(1.9×10-5モル)およびN,N−ジメチルセレノ尿素(4.7×10-6モル)を添加し最適に化学増感を施した。かぶり防止剤I(12.1×10-4モル)添加して化学増感を終了した。
【0191】
この乳剤は平均円相当径0.70μm、円相当径の変動係数19%、平均厚み0.70μm、平均アスペクト比10.0の平板粒子であった。また、全投影面積の90%以上が円相当径0.5μm以上0.90μm以下、厚み0.08μm以下の、最小の長さを有する辺の長さに対する最大の長さを有する辺の長さの比が5以下である主表面が(111)面の六角形平板粒子であり、少なくとも1つの頂点部にエピタキシャル接合を有していた。低温での透過電子顕微鏡観察の結果、全投影面積の40%以上の粒子がエピタキシャル部以外の主表面部に1本以上の転位線を有しており、かつ全投影面積の50%以上の粒子がエピタキシャル部に転位線は観測されなかった。本粒子は6モル%の沃化銀を含有する最外層が銀換算で24%の粒子である。エピタキシャル部は銀換算で4.5%であり組成はAgBr(58)Cl(40)I(2)である。また全投影面積の90%以上が平均塩化銀含有率および平均沃化銀含有率に対して30%以内の範囲に入っていた。
【0192】
下塗り層を設けてある三酢酸セルロースフィルム支持体に下記表−1に示すような塗布条件で上記の化学増感を施した乳剤を保護層を設けて塗布し、試料No.701と702を作成した。
【0193】
【表1】
Figure 0004053742
【0194】
これらの試料を40℃、相対湿度70%の条件下に14時間放置した。その後、富士フィルム(株)製ゼラチンフィルターSC−50と連続ウェッジを通して1/100秒間露光した。
富士写真フィルム(株)製ネガプロセサーFP−350を用い、以下に記載の方法で(液の累積補充量がその母液タンク容量の3倍になるまで)処理した。
【0195】
Figure 0004053742
【0196】
次に、処理液の組成を記す。
Figure 0004053742
【0197】
Figure 0004053742
【0198】
Figure 0004053742
【0199】
(水洗液) タンク液、補充液共通
水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR−120B)と、OH型アニオン交換樹脂(同アンバーライトIR−400)を充填した混床式カラムに通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3mg/L以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール酸ナトリウム20mg/Lと硫酸ナトリウム0.15g/Lを添加した。この液のpHは6.5〜7.5の範囲にあった。
【0200】
Figure 0004053742
【0201】
処理済みの試料を緑色フィルタ−で濃度測定した。また露光前に50℃、相対湿度60%の条件に14日保存した試料についても同様の評価を行い保存性について評価した。
以上により得られた、かぶりプラス0.2の濃度での感度値、かぶり値を表−2に示す。
【0202】
【表2】
Figure 0004053742
【0203】
表−2の結果から明らかなように、本発明の全投影面積の70%以上が少なくとも一つの頂点部にエピタキシャル接合を有しエピタキシャル部に少なくとも1本の転位線を有する平板粒子をもちいることによりかぶりが低く高感度な感光材料が得られる。さらに保存後のかぶり変化、感度変化が小さい。
【0204】
(実施例−2)
ホスト平板の沃化銀の構造について説明する。
(平板粒子乳剤aの調製)
KBr4.1g、平均分子量20000の低分子量酸化処理ゼラチン7.1gを含む水溶液1500mLを40℃に保ち撹拌した。AgNO3(8.4g)水溶液とKBr(5.9g)とKI(1.11g)を含む水溶液を40秒間に渡り添加した。平均分子量100000の琥珀化ゼラチン35.5gを含む水溶液を添加した後58℃に昇温した。その後、第1成長としてAgNO3(184.7g)水溶液とKBr水溶液をダブルジェット法で流量加速して添加した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して−20mVに保った。途中で6塩化イリジウムカリウムとベンゼンチオスルホン酸ナトリウムを添加した。その後、最外層成長としてAgNO3水溶液(21.5g)とKIを含むKBr水溶液を5分間に渡って添加した。KIの濃度は沃化銀含量が17モル%になるように調整した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して0mVに保った。通常の水洗を行い、平均分子量100000のゼラチンを添加し、40℃でpH5.5、銀電位30mVに調整した。この乳剤を乳剤aとした。
【0205】
乳剤aは平均円相当径0.83μm、円相当径の変動係数19%、平均厚み0.086μm、平均アスペクト比9.7の平板粒子であった。また、全投影面積の90%以上が円相当径0.5μm以上1.0μm以下、厚み0.1μm以下の、最小の長さを有する辺の長さに対する最大の長さを有する辺の長さの比が1.5以下である主表面が(111)面の六角形平板粒子で占められていた。低温での透過電子顕微鏡観察の結果、転位線は観測されなかった。また側面の(111)面比率は65%であった。本粒子は17モル%の沃化銀を含有する最外層が銀換算で10%の粒子である。
【0206】
(平板粒子乳剤b、c、d、e、f、g、h、i、jの調製)
乳剤aの第1成長と最外層成長の銀量比および最外層の沃化銀含量を変更することにより乳剤b、c、d、e、f、g、h、i、jを調製した。粒子形状等は銀電位等を調整することにより乳剤aに合わせた。表3に平板粒子乳剤の最外層の銀量と沃化銀含量についてまとめて示す。なお、乳剤b〜jの円相当径の変動係数は、乳剤aのものとほぼ同等であった。
【0207】
【表3】
Figure 0004053742
【0208】
(エピタキシャル接合)
ホスト平板粒子乳剤a〜jに以下に示した▲1▼から▲3▼のエピタキシャル沈着を行った。
▲1▼ホスト平板粒子乳剤を40℃で溶解しKI水溶液をホスト平板粒子の銀量1モルに対して2.4×10-3モル添加した。増感色素I、II、IIIを69:30:1のモル比で飽和被覆量の70%の比率で添加した。但し増感色素は、特開平11−52507号に記載の方法で作成した固体微分散物として、使用した。すなわち硝酸ナトリウム0.8質量部および硫酸ナトリウム3.2質量部をイオン交換水43質量部に溶解し、増感色素13質量部を添加し、60℃の条件下でディゾルバー翼を用い2000rpmで20分間分散することにより、増感色素の固体分散物を得た。ヘキサシアノルテニウム(II)酸カリウムを8.1×10-6モル(以降ホスト平板粒子の銀量1モルに対して)添加した後KBr水溶液を1.18×10-2モル添加した。その後、1モル/Lの硝酸銀水溶液3.56×10-2モルとNaCl水溶液3.14×10-2モルをダブルジェット法で10分間に渡って定流量で添加した。添加終了時の銀電位は飽和カロメル電極に対して+85mVであった。かぶり防止剤Iを3.87×10-5モル添加した後、乳剤を50℃に昇温し、チオシアン酸カリウム(6.6×10-4モル)、塩化金酸(7.9×10-6モル)、チオ硫酸ナトリウム(2.7×10-5モル)およびN,N−ジメチルセレノ尿素(4.7×10-6モル)を添加し最適に化学増感を施した。かぶり防止剤Iを6.6×10-4モル添加して化学増感を終了した。
【0209】
▲2▼ホスト平板粒子乳剤を38℃で溶解しAgI微粒子乳剤をホスト平板粒子の銀量1モルに対して2.4×10-3モル添加した。増感色素I、II、IIIを69:30:1のモル比で飽和被覆量の70%の比率で添加した。但し増感色素は、特開平11−52507号に記載の方法で作成した固体微分散物として、使用した。すなわち硝酸ナトリウム0.8質量部および硫酸ナトリウム3.2質量部をイオン交換水43質量部に溶解し、増感色素13質量部を添加し、60℃の条件下でディゾルバー翼を用い2000rpmで20分間分散することにより、増感色素の固体分散物を得た。ヘキサシアノルテニウム(II)酸カリウムを8.1×10-6モル(以降ホスト平板粒子の銀量1モルに対して)添加した後KBr水溶液を1.18×10-2モル添加した。NaCl水溶液を3.14×10-2モル添加した後、0.1モル/Lの硝酸銀水溶液3.56×10-2モルを1分間に渡って定流量で添加した。添加終了時の銀電位は飽和カロメル電極に対して+85mVであった。かぶり防止剤Iを3.87×10-5モル添加した後、▲1▼と同様に化学増感を行った。
【0210】
▲3▼ホスト平板粒子乳剤を38℃で溶解しpHを5.0に調整した。AgI微粒子乳剤をホスト平板粒子の銀量1モルに対して2.4×10-3モル添加した。増感色素I、II、IIIを69:30:1のモル比で飽和被覆量の70%の比率で添加した。但し増感色素は、特開平11−52507号に記載の方法で作成した固体微分散物として、使用した。すなわち硝酸ナトリウム0.8質量部および硫酸ナトリウム3.2質量部をイオン交換水43質量部に溶解し、増感色素13質量部を添加し、60℃の条件下でディゾルバー翼を用い2000rpmで20分間分散することにより、増感色素の固体分散物を得た。ヘキサシアノルテニウム(II)酸カリウムを8.1×10-6モル(以降ホスト平板粒子の銀量1モルに対して)添加した後KBr水溶液を1.18×10-2モル添加した。その後、0.1モル/Lの硝酸銀水溶液3.56×10-2モルとNaCl水溶液3.14×10-2モルをダブルジェット法で2分間に渡って定流量で添加した。添加終了時の銀電位は飽和カロメル電極に対して+85mVであった。かぶり防止剤Iを3.87×10-5モル添加した後、▲1▼と同様に化学増感を行った。
【0211】
ホスト平板粒子乳剤に上記エピタキシャル接合を組み合わせて調製した乳剤についてEPMA法を用いて粒子間の沃化銀含量と塩化銀含量の分布を測定した。
【0212】
またレプリカでの電子顕微鏡観察からエピタキシャル沈着の様子を観察した。結果をまとめて表−4に示す。塩化銀含量の平均値は、2.1モル%であった。
【0213】
【表4−1】
Figure 0004053742
【0214】
【表4−2】
Figure 0004053742
【0215】
追加で低温での透過型電子顕微鏡観察を行いエピタキシャル部の転位線観察を行った。結果を表−5に示す。
【0216】
【表5】
Figure 0004053742
【0217】
表−4と表−5の結果から明らかなように、ホスト平板粒子乳剤の最外層の沃化銀含量と銀量ならびにエピタキシャル接合の方法に応じて、少なくとも一つの頂点部にエピタキシャル接合を有する粒子の比率、エピタキシャル部に転位線を有する粒子の比率が変化する。最外層の沃化銀含量と銀量が本発明の好ましい範囲の場合に少なくとも一つの頂点部にエピタキシャル接合を有し、エピタキシャル部に転位線を有する粒子の比率が高くなることが判る。全ハロゲン化銀粒子の平均塩化銀含有率をCLモル%とした場合に、塩化銀含有率が0.7CLないし1.3CLの範囲内にある比率が高いほど、少なくとも一つの頂点部にエピタキシャル接合を有する粒子の比率が増加する。全ハロゲン化銀粒子の平均沃化銀含有率をIモル%とした場合に、沃化銀含有率が0.7Iないし1.3Iの範囲内にある比率が高いほど少なくとも一つの頂点部にエピタキシャル接合を有する粒子の比率が増加する。また本発明の好ましい最外層の沃化銀含量と銀量を満足する場合でもエピタキシャル接合の方法により、少なくとも一つの頂点部にエピタキシャル接合を有する粒子の比率が大きく変化する。この時、エピタキシャル接合時のpHを本発明の好ましい範囲にすることによりエピタキシャル接合を少なくとも一つの頂点部に有する粒子の比率が顕著に増加できることが判る。
【0218】
下塗り層を設けてある三酢酸セルロースフィルム支持体に実施例1の塗布条件で上記の化学増感を施した乳剤を保護層を設けて塗布し、試料No.1〜30を作成した。
【0219】
実施例1と同様に露光、処理を行った。処理済みの試料を緑色フィルタ−で濃度測定した。また露光前に50℃、相対湿度60%の条件に14日保存した試料についても同様の評価を行い保存性について評価した。
以上により得られた、かぶりプラス0.2の濃度での感度値、かぶり値を表−6に示す。
【0220】
【表6】
Figure 0004053742
【0221】
表−6の結果から明らかなように、本発明の、少なくとも一つの頂点部にエピタキシャル接合を有し、エピタキシャル部に転位線を有する粒子の比率が高くなるとかぶりが低く高感度になる。特定塩化銀含有率をCLモル%とした場合に塩化銀含有率が0.7ないし1.3CLの範囲内にある比率が高いほど、効果が大きい。特定沃化銀含有率をIモル%とした場合に沃化銀含有率が0.7ないし1.3Iの範囲内にある比率が高いほど効果が大きい。また、エピタキシャル接合時のpHを本発明の好ましい範囲にすることにより本発明の効果が顕著になる。また保存後のかぶり変化、感度変化が小さい。なお、ホスト平板粒子に転位線が存在するものを用いた場合には本発明の効果はより小さかった。
【0222】
(実施例−3)
本発明のゼラチンの効果について説明する。
以下の乳剤調製において用いたゼラチンは以下のゼラチンである。
【0223】
(ゼラチン1) 牛骨を原料とするアルカリ処理オセイン1番抽出ゼラチン。
PAGI法により測定された分子量分布は、高分子量成分が2.5%、低分子量成分が60.0%である。
(ゼラチン2)
ゼラチン1の水溶液に、50℃、pH9.0の条件下で無水フタル酸を加えて化学反応させた後、残留するフタル酸を除去して乾燥させたゼラチン。ゼラチン中のアミノ基の95%が化学修飾されている。
(ゼラチン3)
ゼラチン1の水溶液に、分解酵素を作用させて低分子量化して、平均分子量を15000とした後、酵素を失活させて乾燥させたゼラチン。
【0224】
(ゼラチン4)
ゼラチン1の2番抽出品と3番抽出品の混合物。PAGI法により測定された分子量分布は、高分子量成分が9.8%、低分子量成分が49.5%である。
(ゼラチン5)
ゼラチン1の6番抽出品と7番抽出品の混合物。PAGI法により測定された分子量分布は、高分子量成分が32.0%、低分子量成分が30.5%である。
(ゼラチン6)
ゼラチン1を詳細な説明に記載のトランスグルタミナ−ゼ酵素で架橋したゼラチン。PAGI法により測定された分子量分布は、高分子量成分が10.1%、低分子量成分が48.6%である。
【0225】
(ゼラチン7)
ゼラチン1を詳細な説明に記載の架橋剤H−I−1で架橋したゼラチン。PAGI法により測定された分子量分布は、高分子量成分が6.6%、低分子量成分が49.1%である。
(ゼラチン8)
ゼラチン1を詳細な説明に記載の架橋剤H−II−4で架橋したゼラチン。PAGI法により測定された分子量分布は、高分子量成分が11.8%、低分子量成分が42.5%である。
(ゼラチン9)
ゼラチン1を詳細な説明に記載の架橋剤H−VI−3で架橋したゼラチン。PAGI法により測定された分子量分布は、高分子量成分が8.2%、低分子量成分が48.2%である。
【0226】
(ゼラチン10)
ゼラチン1を詳細な説明に記載の架橋剤H−VI−3で架橋したゼラチン。PAGI法により測定された分子量分布は、高分子量成分が26.0%、低分子量成分が34.7%である。
(ゼラチン11)
ゼラチン1を詳細な説明に記載の架橋剤H−VI−3で架橋したゼラチン。PAGI法により測定された分子量分布は、高分子量成分が34.3%、低分子量成分が29.9%である。
(ゼラチン12)
ゼラチン1を詳細な説明に記載の架橋剤H−VI−3で架橋したゼラチン。PAGI法により測定された分子量分布は、高分子量成分が12.4%、低分子量成分が48.3%である。
上記のゼラチン1〜12は、全て脱イオン処理を行った後、5%水溶液の35℃におけるpHが6.0になるように調整されている。
【0227】
(平板粒子乳剤kの調製)
KBr4.1g、ゼラチン3を1.9g含む水溶液1500mLを35℃に保ち撹拌した。AgNO3(8.4g)水溶液とKBr(5.9g)とKI(1.11g)とゼラチン3を4.7g含む水溶液を30秒間に渡り添加した。ゼラチン2を35.5g含む水溶液を添加した後58℃に昇温した。その後、第1成長としてAgNO3(184.7g)水溶液とKBr水溶液とゼラチン3の水溶液を特開平10−43570号に記載の磁気カップリング誘導型攪拌機を有する別のチャンバ−内で添加直前混合して添加した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して−25mVに保った。途中で6塩化イリジウムカリウムとベンゼンチオスルホン酸ナトリウムを添加した。
【0228】
その後、最外層成長としてAgNO3水溶液(21.5g)とKBr水溶液と予め調製したAgI超微粒子乳剤をトリプルジェット法で10分間に渡って添加した。AgI超微粒子乳剤の添加量は沃化銀含量が17モル%になるように調整した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して0mVに保った。通常の水洗を行い、ゼラチン1を銀換算で1モルあたり50g添加し、40℃でpH5.0、銀電位30mVに調整した。この乳剤を乳剤kとした。乳剤kは平均円相当径0.76μm、円相当径の変動係数18%、平均厚み0.068μm、平均アスペクト比11.2の平板粒子であった。また、全投影面積の90%以上が円相当径0.5μm以上1.0μm以下、厚み0.08μm以下の、最小の長さを有する辺の長さに対する最大の長さを有する辺の長さの比が1.5以下である主表面が(111)面の六角形平板粒子で占められていた。低温での透過電子顕微鏡観察の結果、転位線は観測されなかった。また側面の(111)面比率は60%であった。本粒子は17モル%の沃化銀を含有する最外層が銀換算で10%の粒子である。
【0229】
(平板粒子乳剤l、m、n、o、p、q、r、s、tの調製)
乳剤kの水洗後に添加するゼラチン1を各々ゼラチン4〜12に変更することにより乳剤l〜tを調製した。粒子形状等は乳剤kと同じである。
(エピタキシャル接合)
乳剤k〜tを38℃で溶解し、AgI微粒子乳剤をホスト平板粒子の銀量1モルに対して2.8×10-3モル添加した。実施例1で使用した増感色素I、II、IIIを69:30:1のモル比で飽和被覆量の75%の比率で添加した。但し増感色素は、特開平11−52507号に記載の方法で作成した固体微分散物として、使用した。すなわち硝酸ナトリウム0.8質量部および硫酸ナトリウム3.2質量部をイオン交換水43質量部に溶解し、増感色素13質量部を添加し、60℃の条件下でディゾルバー翼を用い2000rpmで20分間分散することにより、増感色素の固体分散物を得た。ヘキサシアノルテニウム(II)酸カリウムを2.7×10-5モル(以降ホスト平板粒子の銀量1モルに対して)添加した後、AgI微粒子乳剤を3.9×10-3モル添加した。その後、0.1モル/Lの硝酸銀水溶液3.56×10-2モルとNaCl(3.14×10-2モル)とKBr(1.18×10-2モル)を含む水溶液をダブルジェット法で2分間に渡って定流量で添加した。添加終了時の銀電位は飽和カロメル電極に対して+85mVであった。実施例1で使用したかぶり防止剤Iを4.01×10-5モル添加した後、乳剤を50℃に昇温し、チオシアン酸カリウム(3.3×10-4モル)、塩化金酸(8.3×10-6モル)、チオ硫酸ナトリウム(1.3×10-5モル)およびN,N−ジメチルセレノ尿素(9.2×10-6モル)を添加し最適に化学増感を施した。かぶり防止剤Iを6.9×10-4モル添加して化学増感を終了した。
【0230】
レプリカでの電子顕微鏡観察からエピタキシャル沈着の様子を観察した。また乳剤のろ過性を評価した。乳剤を45℃で溶解し、各溶液のろ過圧変化率(ろ過開始20分後のろ過圧値をろ過開始直後の初期ろ過圧値で割った値(変化率1の変化なしが好ましい)の測定を行った。ろ過条件はろ過断面積3.14cm2、ろ過流量100mL/分、ろ過フィルター孔サイズ5μmで行った。また実施例1と同様に塗布し試料No.101〜110を作成し、露光、現像を行った。以上の結果をまとめて表−7に示す。
【0231】
【表7】
Figure 0004053742
【0232】
追加で低温での透過型電子顕微鏡観察を行った。エピタキシャル部の転位線についての結果を表−8に示す。
【0233】
【表8】
Figure 0004053742
【0234】
表−7、表−8から明らかなように本発明の好ましいゼラチンを使用することにより、ろ過性が良化し、少なくとも一つの頂点部にエピタキシャル接合を有し、エピタキシャル部に転位線を有する粒子の比率が増加する。またフレシュの感度/かぶり比ならびに保存後の感度/かぶり比も顕著に改良される。但し、高分子量成分を増加しすぎたゼラチンを用いた乳剤では極端にろ過性が悪化する。なお、本発明の好ましいゼラチンの効果は円相当径が1.2μmよりも大きな平板粒子を用いた場合には小さかった。
【0235】
(実施例−4)
多層カラ−写真感光材料における本発明の乳剤の効果を示す。
以下の製法によりハロゲン化銀乳剤Em−AからEm−Mを調製した。
【0236】
(Em−Aの製法)
フタル化率97%のフタル化した分子量15000の低分子量ゼラチン31.7g、KBr31.7gを含む水溶液42.2Lを35℃に保ち激しく攪拌した。AgNO3316.7gを含む水溶液1583mLとKBr221.5g、分子量15000の低分子量ゼラチン52.7gを含む水溶液1583mLをダブルジェット法で1分間に渡り添加した。添加終了後、直ちにKBr52.8gを加えて、AgNO3398.2gを含む水溶液2485mLとKBr291.1gを含む水溶液2581mLをダブルジェット法で2分間に渡り添加した。添加終了後、直ちにKBr44.8gを添加した。その後、40℃に昇温し、熟成した。熟成終了後、フタル化率97%のフタル化した分子量100000のゼラチン923gとKBr79.2gを添加し、AgNO35103gを含む水溶液15947mLとKBr水溶液をダブルジェット法で最終流量が初期流量の1.4倍になるように流量加速して10分間に渡り添加した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して−60mVに保った。水洗した後、ゼラチンを加えpH5.7、pAg8.8、乳剤1kg当たりの銀換算の質量131.8g、ゼラチン質量64.1gに調整し、種乳剤とした。
【0237】
フタル化率97%のフタル化ゼラチン46g、KBr1.7gを含む水溶液1211mLを75℃に保ち激しく攪拌した。前述した種乳剤を9.9g加えた後、変成シリコンオイル(日本ユニカ−株式会社製品、L7602)を0.3g添加した。H2SO4を添加してpHを5.5に調整した後、AgNO37.0gを含む水溶液67.6mLとKBr水溶液をダブルジェット法で最終流量が初期流量の5.1倍になるように流量加速して6分間に渡り添加した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して−20mVに保った。ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム2mgと二酸化チオ尿素2mgを添加した後、AgNO3105.6gを含む水溶液328mLとKBr水溶液をダブルジェット法で最終流量が初期流量の3.7倍になるように流量加速して56分間に渡り添加した。この時、0.037μmの粒子サイズのAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が27mol%になるように同時に流量加速して添加し、かつ銀電位を飽和カロメル電極に対して−50mVに保った。AgNO345.6gを含む水溶液121.3mLとKBr水溶液をダブルジェット法で22分間に渡り添加した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して+20mVに保った。
【0238】
82℃に昇温し、KBrを添加して銀電位を−80mVに調整した後、前述したAgI微粒子乳剤をKI質量換算で6.33g添加した。添加終了後、直ちに、AgNO366.4gを含む水溶液206.2mLを16分間に渡り添加した。添加初期の5分間はKBr水溶液で銀電位を−80mVに保った。水洗した後、ゼラチンを添加し40℃でpH5.8、pAg8.7に調整した。化合物11および12を添加した後、60℃に昇温した。増感色素11および12を添加した後に、チオシアン酸カリウム、塩化金酸、チオ硫酸ナトリウム、N,N−ジメチルセレノウレアを添加し最適に化学増感した。化学増感終了時に化合物13および化合物14を添加した。ここで、最適に化学増感するとは、増感色素ならびに各化合物をハロゲン化銀1molあたり10-1から10-8molの添加量範囲から選択したことを意味する。
【0239】
【化12】
Figure 0004053742
【0240】
【化13】
Figure 0004053742
【0241】
【化14】
Figure 0004053742
【0242】
【化15】
Figure 0004053742
【0243】
【化16】
Figure 0004053742
【0244】
【化17】
Figure 0004053742
【0245】
(Em−Bの製法)
低分子量ゼラチン0.96g、KBr0.9gを含む水溶液1192mLを40℃に保ち、激しく攪拌した。AgNO31.49gを含む水溶液37.5mLとKBrを1.05g含む水溶液37.5mLをダブルジェット法で30秒間に渡り添加した。KBrを1.2g添加した後、75℃に昇温し熟成した。熟成終了後、アミノ基をトリメリット酸で化学修飾した分子量100000のトリメリット化ゼラチン、35gを添加し、pHを7に調整した。二酸化チオ尿素6mgを添加した。AgNO329gを含む水溶液116mLとKBr水溶液をダブルジェット法で最終流量が初期流量の3倍になるように流量加速して添加した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して−20mVに保った。AgNO3110.2gを含む水溶液440.6mLとKBr水溶液をダブルジェット法で最終流量が初期流量の5.1倍になるように流量加速して30分間に渡り添加した。この時、Em−Aの調製で使用したAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が15.8mol%になるように同時に流量加速して添加し、かつ銀電位を飽和カロメル電極に対して0mVに保った。
【0246】
AgNO324.1gを含む水溶液96.5mLとKBr水溶液をダブルジェット法で3分間に渡り添加した。この時、銀電位を0mVに保った。エチルチオスルホン酸ナトリウム26mgを添加した後、55℃に降温し、KBr水溶液を添加し銀電位を−90mVに調整した。前述したAgI微粒子乳剤をKI質量換算で8.5g添加した。添加終了後、直ちにAgNO357gを含む水溶液228mLを5分間に渡り添加した。この時、添加終了時の電位が+20mVになるようにKBr水溶液で調整した。Em−Aとほぼ同様に水洗し、化学増感した。
【0247】
(Em−Cの製法)
1g当たり35μmolのメチオニンを含有する分子量100000のフタル化率97%のフタル化ゼラチン1.02g、KBr 0.9gを含む水溶液1192mLを35℃に保ち、激しく攪拌した。AgNO34.47gを含む水溶液、42mLとKBr3.16g含む水溶液、42mLをダブルジェット法で9秒間に渡り添加した。KBrを2.6g添加した後、63℃に昇温し、熟成した。熟成終了後、Em−Bの調製で使用した分子量100000のトリメリット化ゼラチン41.2gとNaCl 18.5gを添加した。pHを7.2に調整した後、ジメチルアミンボラン8mgを添加した。AgNO326gを含む水溶液203mLとKBr水溶液をダブルジェット法で最終流量が初期流量の3.8倍になるように添加した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して−30mVに保った。
【0248】
AgNO3110.2gを含む水溶液440.6mLとKBr水溶液をダブルジェット法で最終流量が初期流量の5.1倍になるように流量加速して24分間に渡り添加した。この時、Em−Aの調製で使用したAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が2.3mol%になるように同時に流量加速して添加し、かつ銀電位を飽和カロメル電極に対して−20mVに保った。1Nのチオシアン酸カリウム水溶液10.7mLを添加した後、AgNO324.1gを含む水溶液153.5mLとKBr水溶液をダブルジェット法で2分30秒間に渡り添加した。この時、銀電位を10mVに保った。KBr水溶液を添加して銀電位を−70mVに調整した。前述したAgI微粒子乳剤をKI質量換算で6.4g添加した。添加終了後、直ちにAgNO357gを含む水溶液404mLを45分間に渡り添加した。この時、添加終了時の電位が−30mVになるようにKBr水溶液で調整した。Em−Aとほぼ同様に水洗し、化学増感した。
【0249】
(Em−Dの製法)
Em−Cの調製において核形成時のAgNO3添加量を2.3倍に変更した。
そして、最終のAgNO357gを含む水溶液404mLの添加終了時の電位が+90mVになるようにKBr水溶液で調整するように変更した。それ以外はEm−Cとほぼ同様にして調製した。
【0250】
(Em−Eの製法)
分子量15000の低分子量ゼラチン0.75g、KBr 0.9g、Em−Aの調製で使用した変成シリコンオイル0.2gを含む水溶液1200mLを39℃に保ち、pHを1.8に調整し激しく攪拌した。AgNO30.45gを含む水溶液と1.5mol%のKIを含むKBr水溶液をダブルジェット法で16秒間に渡り添加した。この時、KBrの過剰濃度を一定に保った。54℃に昇温し熟成した。熟成終了後、1g当たり35μmolのメチオニンを含有する分子量100000のフタル化率97%のフタル化ゼラチン20gを添加した。pHを5.9に調整した後、KBr2.9gを添加した。AgNO328.8gを含む水溶液288mLとKBr水溶液をダブルジェット法で53分間に渡り添加した。この時、Em−Aの調製で使用したAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が4.1mol%になるように同時に添加し、かつ銀電位を飽和カロメル電極に対して−60mVに保った。KBr2.5gを添加した後、AgNO387.7gを含む水溶液とKBr水溶液をダブルジェット法で最終流量が初期流量の1.2倍になるように流量加速して63分間に渡り添加した。この時、上述のAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が10.5mol%になるように同時に流量加速して添加し、かつ銀電位を−70mVに保った。
【0251】
二酸化チオ尿素1mgを添加した後、AgNO341.8gを含む水溶液132mLとKBr水溶液をダブルジェット法で25分間に渡り添加した。添加終了時の電位を+20mVになるようにKBr水溶液の添加を調整した。ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム2mgを添加した後、pHを7.3に調整した。KBrを添加して銀電位を−70mVに調整した後、上述のAgI微粒子乳剤をKI質量換算で5.73g添加した。添加終了後、直ちにAgNO366.4gを含む水溶液609mLを10分間に渡り添加した。添加初期の6分間はKBr水溶液で銀電位を−70mVに保った。水洗した後、ゼラチンを添加し40℃でpH6.5、pAg8.2に調整した。化合物11および12を添加した後、56℃に昇温した。上述したAgI微粒子乳剤を銀1molに対して0.0004mol添加した後、増感色素13および14を添加した。チオシアン酸カリウム、塩化金酸、チオ硫酸ナトリウム、N,N−ジメチルセレノウレアを添加し最適に化学増感した。化学増感終了時に化合物13および14を添加した。
【0252】
【化18】
Figure 0004053742
【0253】
【化19】
Figure 0004053742
【0254】
(Em−Fの製法)
Em−Eの調製において核形成時のAgNO3添加量を4.12倍に変更した以外はEm−Eとほぼ同様にして調製した。但しEm−Eの増感色素を増感色素12、15、16および17に変更した。
【0255】
【化20】
Figure 0004053742
【0256】
【化21】
Figure 0004053742
【0257】
【化22】
Figure 0004053742
【0258】
(Em−Gの製法)
分子量15000の低分子量ゼラチン0.70g、KBr 0.9g、KI 0.175g、Em−Aの調製で使用した変成シリコンオイル0.2gを含む水溶液1200mLを33℃に保ち、pHを1.8に調製し激しく攪拌した。AgNO31.8gを含む水溶液と3.2mol%のKIを含むKBr水溶液をダブルジェット法で9秒間に渡り添加した。この時、KBrの過剰濃度を一定に保った。62℃に昇温し熟成した。熟成終了後、1g当たり35μmolのメチオニンを含有する分子量100000のアミノ基をトリメリット酸で化学修飾したトリメリット化ゼラチン27.8gを添加した。pHを6.3に調製した後、KBr2.9gを添加した。AgNO327.58gを含む水溶液270mLとKBr水溶液をダブルジェット法で37分間に渡り添加した。この時、分子量15000の低分子量ゼラチン水溶液とAgNO3水溶液とKI水溶液を特開平10−43570号に記載の磁気カップリング誘導型攪拌機を有する別のチャンバ−内で添加前直前混合して調製した粒子サイズ0.008μmのAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が4.1mol%になるように同時に添加し、かつ銀電位を飽和カロメル電極に対して−60mVに保った。
【0259】
KBr2.6gを添加した後、AgNO387.7gを含む水溶液とKBr水溶液をダブルジェット法で最終流量が初期流量の3.1倍になるように流量加速して49分間に渡り添加した。この時、上述の添加前直前混合して調製したAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有率が7.9mol%になるように同時に流量加速し、かつ銀電位を−70mVに保った。二酸化チオ尿素、1mgを添加した後、AgNO341.8gを含む水溶液132mLとKBr水溶液をダブルジェット法で20分間に渡り添加した。添加終了時の電位を+20mVになるようにKBr水溶液の添加を調整した。78℃に昇温し、pHを9.1に調整した後、KBrを添加して電位を−60mVにした。Em−Aの調製で使用したAgI微粒子乳剤をKI質量換算で5.73g添加した。添加終了後、直ちにAgNO366.4gを含む水溶液321mLを4分間に渡り添加した。添加初期の2分間はKBr水溶液で銀電位を−60mVに保った。Em−Fとほぼ同様に水洗し、化学増感した。
【0260】
(Em−Hの製法)
イオン交換した分子量100000のゼラチン17.8g、KBr6.2g、KI 0.46gを含む水溶液を45℃に保ち激しく攪拌した。AgNO311.85gを含む水溶液とKBrを3.8g含む水溶液をダブルジェット法で45秒間に渡り添加した。63℃に昇温後、イオン交換した分子量100000のゼラチン24.1gを添加し、熟成した。熟成終了後、AgNO3133.4gを含む水溶液とKBr水溶液をダブルジェット法で最終流量が初期流量の2.6倍になるように20分間に渡って添加した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して+40mVに保った。
【0261】
また添加開始10分後にK2IrCl6を0.1mg添加した。NaClを7g添加した後、AgNO3を45.6g含む水溶液とKBr水溶液をダブルジェット法で12分間に渡って添加した。この時、銀電位を+90mVに保った。また添加開始から6分間に渡って黄血塩を29mg含む水溶液100mLを添加した。KBrを14.4g添加した後、Em−Aの調製で使用したAgI微粒子乳剤をKI質量換算で6.3g添加した。添加終了後、直ちにAgNO342.7gを含む水溶液とKBr水溶液をダブルジェット法で11分間に渡り添加した。この時、銀電位を+90mVに保った。Em−Fとほぼ同様に水洗し、化学増感した。
【0262】
(Em−Iの製法)
Em−Hの調製において核形成時の温度を35℃に変更した以外はほぼ同様にして調製した。
【0263】
(Em−Jの製法)
フタル化率97%の分子量100000のフタル化ゼラチン0.38g、KBr 0.9gを含む水溶液1200mLを60℃に保ち、pHを2に調整し激しく攪拌した。AgNO31.96gを含む水溶液とKBr 1.67g、KI 0.172gを含む水溶液をダブルジェット法で30秒間に渡り添加した。熟成終了後、1g当たり35μmolのメチオニンを含有する分子量100000のアミノ基をトリメリット酸で化学修飾したトリメリット化ゼラチン12.8gを添加した。pHを5.9に調整した後、KBr2.99g、NaCl 6.2gを添加した。AgNO327.3gを含む水溶液60.7mLとKBr水溶液をダブルジェット法で31分間に渡り添加した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して−50mVに保った。AgNO365.6gを含む水溶液とKBr水溶液をダブルジェット法で最終流量が初期流量の2.1倍になるように流量加速して37分間に渡り添加した。この時、Em−Aの調製で使用したAgI微粒子乳剤をヨウ化銀含有量が6.5mol%になるように同時に流量加速して添加し、かつ銀電位を−50mVに保った。
【0264】
二酸化チオ尿素1.5mgを添加した後、AgNO341.8gを含む水溶液132mLとKBr水溶液をダブルジェット法で13分間に渡り添加した。添加終了時の銀電位を+40mVになるようにKBr水溶液の添加を調整した。ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム2mgを添加した後、KBrを添加して銀電位を−100mVに調整した。上述のAgI微粒子乳剤をKI質量換算で6.2g添加した。添加終了後、直ちにAgNO388.5gを含む水溶液300mLを8分間に渡り添加した。添加終了時の電位が+60mVになるようにKBr水溶液の添加で調整した。水洗した後、ゼラチンを添加し40℃でpH6.5、pAg8.2に調整した。化合物11および12を添加した後、61℃に昇温した。増感色素18、19、20および21を添加した後、K2IrCl6、チオシアン酸カリウム、塩化金酸、チオ硫酸ナトリウム、N,N−ジメチルセレノウレアを添加し最適に化学増感した。化学増感終了時に化合物13および14を添加した。
【0265】
【化23】
Figure 0004053742
【0266】
【化24】
Figure 0004053742
【0267】
【化25】
Figure 0004053742
【0268】
【化26】
Figure 0004053742
【0269】
(Em−Kの製法)
分子量15000の低分子量ゼラチン4.9g、KBr5.3gを含む水溶液1200mLを60℃に保ち激しく攪拌した。AgNO38.75gを含む水溶液27mLとKBr6.45gを含む水溶液36mLを1分間に渡りダブルジェット法で添加した。75℃に昇温した後、AgNO36.9gを含む水溶液21mLを2分間に渡り添加した。NH4NO326g、1N,NaOH56mLを順次、添加した後、熟成した。熟成終了後pHを4.8に調製した。AgNO3141gを含む水溶液438mLとKBrを102.6g含む水溶液458mLをダブルジェット法で最終流量が初期流量の4倍になるように添加した。55℃に降温した後、AgNO37.1gを含む水溶液240mLとKIを6.46g含む水溶液をダブルジェット法で5分間に渡り添加した。KBrを7.1g添加した後、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム4mgとK2IrCl60.05mg添加した。AgNO357.2gを含む水溶液177mLとKBr40.2gを含む水溶液223mLを8分間に渡ってダブルジェット法で添加した。Em−Jとほぼ同様に水洗し、化学増感した。
【0270】
(Em−Lの製法)
Em−Kの調製において核形成時の温度を40℃に変更した以外は、ほぼ同様にして調製した。
【0271】
(Em−Mの製法)
Em−Jとほぼ同様にして調製した。但し化学増感はEm−Fとほぼ同様の方法で行った。
【0272】
Em−AからEm−Mのハロゲン化銀乳剤の特性値を表−9にまとめて示した。
【0273】
【表9】
Figure 0004053742
【0274】
1)支持体
本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作成した。
【0275】
ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマー100質量部と紫外線吸収剤としてTinuvin P.326(チバ・ガイギーCiba−Geigy社製)2質量部とを乾燥した後、300℃にて溶融後、T型ダイから押し出し、140℃で3.3倍の縦延伸を行い、続いて130℃で3.3倍の横延伸を行い、さらに250℃で6秒間熱固定して厚さ90μmのPEN(ポリエチレンナフタレート)フィルムを得た。なおこのPENフィルムにはブルー染料、マゼンタ染料及びイエロー染料(公開技法:公技番号94−6023号記載のI−1、I−4、I−6、I−24、I−26、I−27、II−5)を適当量添加した。さらに、直径20cmのステンレス巻き芯に巻き付けて、110℃、48時間の熱履歴を与え、巻き癖のつきにくい支持体とした。
【0276】
2)下塗層の塗設
上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV放電処理、さらにグロー放電処理をした後、それぞれの面にゼラチン0.1g/m2、ソウジウムα−スルホ ジ−2−エチルヘキシルサクシネート0.01g/m2、サリチル酸0.04g/m2、p−クロロフェノール0.2g/m2、(CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2CH20.012g/m2、ポリアミド−エピクロルヒドリン重縮合物0.02g/m2の下塗液を塗布して(10cc/m2、バーコーター使用)、下塗層を延伸時高温面側に設けた。乾燥は115℃、6分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115℃となっている)。
【0277】
3)バック層の塗設
下塗後の上記支持体の片方の面にバック層として下記組成の帯電防止層、磁気記録層さらに滑り層を塗設した。
【0278】
3−1)帯電防止層の塗設
平均粒径0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複合物の比抵抗は5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次凝集粒子径約0.08μm)を0.2g/m2、ゼラチン0.05g/m2、(CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2CH2 0.02g/m2、ポリ(重合度10)オキシエチレン−p−ノニルフェノール0.005g/m2及びレゾルシンと塗布した。
【0279】
3−2)磁気記録層の塗設 3−ポリ(重合度15)オキシエチレン−プロピルオキシトリメトキシシラン(15質量%)で被覆処理されたコバルト−γ−酸化鉄(比表面積43m2/g、長軸0.14μm、単軸0.03μm、飽和磁化89emu/g、Fe+2/Fe+3=6/94、表面は酸化アルミ酸化珪素で酸化鉄の2質量%で処理されている)0.06g/m2をジアセチルセルロース1.2g/m2(酸化鉄の分散はオープンニーダーとサンドミルで実施した)、硬化剤としてC25C(CH2OCONH−C63(CH3)NCO)30.3g/m2を、溶媒としてアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンを用いてバーコーターで塗布し、膜厚1.2μmの磁気記録層を得た。マット剤としてシリカ粒子(0.3μm)と3−ポリ(重合度15)オキシエチレン−プロピルオキシトリメトキシシラン(15質量%)で処理被覆された研磨剤の酸化アルミ(0.15μm)をそれぞれ10mg/m2となるように添加した。乾燥は115℃、6分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115℃)。X−ライト(ブルーフィルター)での磁気記録層のDBの色濃度増加分は約0.1、また磁気記録層の飽和磁化モーメントは4.2Am2/kg、保磁力7.3×104A/m、角形比は65%であった。
【0280】
3−3)滑り層の調製
ジアセチルセルロース(25mg/m2)、C613CH(OH)C1020COOC4081(化合物a,6mg/m2)/C50101O(CH2CH2O)16H(化合物b,9mg/m2)混合物を塗布した。なお、この混合物は、キシレン/プロピレンモノメチルエーテル(1/1)中で105℃で溶融し、常温のプロピレンモノメチルエーテル(10倍量)に注加分散して作製した後、アセトン中で分散物(平均粒径0.01μm)にしてから添加した。マット剤としてシリカ粒子(0.3μm)と研磨剤の3−ポリ(重合度15)オキシエチレンプロピルオキシトリメトキシシラン(15質量%)で被覆された酸化アルミ(0.15μm)をそれぞれ15mg/m2となるように添加した。乾燥は115℃、6分行った(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115℃)。滑り層は、動摩擦係数0.06(5mmφのステンレス硬球、荷重100g、スピード6cm/分)、静摩擦係数0.07(クリップ法)、また後述する乳剤面と滑り層の動摩擦係数も0.12と優れた特性であった。
【0281】
4)感光層の塗設
次に、前記で得られたバック層の反対側に、下記の組成の各層を重層塗布し、カラーネガ感光材料である試料201を作成した。
(感光層の組成)
各層に使用する素材の主なものは下記のように分類されている;
ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤
ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤
ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤
(具体的な化合物は以下の記載で、記号の次に数値が付けられ、後ろに化学式が挙げられている)
各成分に対応する数字は、g/m2単位で表した塗布量を示し、ハロゲン化銀については銀換算の塗布量を示す。
【0282】
第1層(第1ハレーション防止層)
黒色コロイド銀 銀 0.155
0.07μmの表面かぶらせAgBrI(2) 銀 0.01
ゼラチン 0.87
ExC−1 0.002
ExC−3 0.002
Cpd−2 0.001
HBS−1 0.004
HBS−2 0.002。
【0283】
第2層(第2ハレーション防止層)
黒色コロイド銀 銀 0.066
ゼラチン 0.407
ExM−1 0.050
ExF−1 2.0×10-3
HBS−1 0.074
固体分散染料 ExF−2 0.015
固体分散染料 ExF−3 0.020。
【0284】
第3層(中間層)
0.07μmのAgBrI(2) 0.020
ExC−2 0.022
ポリエチルアクリレートラテックス 0.085
ゼラチン 0.294。
【0285】
第4層(低感度赤感乳剤層)
実施例2の乳剤a 銀 0.323
ExC−1 0.109
ExC−3 0.044
ExC−4 0.072
ExC−5 0.011
ExC−6 0.003
Cpd−2 0.025
Cpd−4 0.025
HBS−1 0.17
ゼラチン 0.80。
【0286】
第5層(中感度赤感乳剤層)
Em−K 銀 0.21
Em−L 銀 0.62
ExC−1 0.14
ExC−2 0.026
ExC−3 0.020
ExC−4 0.12
ExC−5 0.016
ExC−6 0.007
Cpd−2 0.036
Cpd−4 0.028
HBS−1 0.16
ゼラチン 1.18。
【0287】
第6層(高感度赤感乳剤層)
Em−J 銀 1.47
ExC−1 0.18
ExC−3 0.07
ExC−6 0.029
ExC−7 0.010
ExY−5 0.008
Cpd−2 0.046
Cpd−4 0.077
HBS−1 0.25
HBS−2 0.12
ゼラチン 2.12。
【0288】
第7層(中間層)
Cpd−1 0.089
固体分散染料ExF−4 0.030
HBS−1 0.050
ポリエチルアクリレートラテックス 0.83
ゼラチン 0.84。
【0289】
第8層(赤感層へ重層効果を与える層)
Em−E 銀 0.560
Cpd−4 0.030
ExM−2 0.096
ExM−3 0.028
ExY−1 0.031
ExG−1 0.006
HBS−1 0.085
HBS−3 0.003
ゼラチン 0.58。
【0290】
第9層(低感度緑感乳剤層)
Em−G 銀 0.39
Em−H 銀 0.28
Em−I 銀 0.35
ExM−2 0.36
ExM−3 0.045
ExG−1 0.005
HBS−1 0.28
HBS−3 0.01
HSB−4 0.27
ゼラチン 1.39。
【0291】
第10層(中感度緑感乳剤層)
Em−F 銀 0.20
Em−G 銀 0.25
ExC−6 0.009
ExM−2 0.031
ExM−3 0.029
ExY−1 0.006
ExM−4 0.028
ExG−1 0.005
HBS−1 0.064
HBS−3 2.1×10-3
ゼラチン 0.44。
【0292】
第11層(高感度緑感乳剤層)
Em−M 銀 0.99
ExC−6 0.004
ExM−1 0.016
ExM−3 0.036
ExM−4 0.020
ExM−5 0.004
ExY−5 0.003
ExM−2 0.013
ExG−1 0.005
Cpd−4 0.007
HBS−1 0.18
ポリエチルアクリレートラテックス 0.099
ゼラチン 1.11。
【0293】
第12層(イエローフィルター層)
黄色コロイド銀 銀 0.047
Cpd−1 0.16
油溶性染料ExF−5 0.010
固体分散染料ExF−6 0.010
HBS−1 0.082
ゼラチン 1.057。
【0294】
第13層(低感度青感乳剤層)
Em−B 銀 0.18
Em−C 銀 0.20
Em−D 銀 0.07
ExC−1 0.041
ExC−8 0.012
ExY−1 0.035
ExY−2 0.71
ExY−3 0.10
ExY−4 0.005
Cpd−2 0.10
Cpd−3 4.0×10-3
HBS−1 0.24
ゼラチン 1.41。
【0295】
第14層(高感度青感乳剤層)
Em−A 銀 0.75
ExC−1 0.013
ExY−2 0.31
ExY−3 0.05
ExY−6 0.062
Cpd−2 0.075
Cpd−3 1.0×10-3
HBS−1 0.10
ゼラチン 0.91。
【0296】
第15層(第1保護層)
0.07μmのAgBrI(2) 銀 0.30
UV−1 0.21
UV−2 0.13
UV−3 0.20
UV−4 0.025
F−18 0.009
F−19 0.005
F−20 0.005
HBS−1 0.12
HBS−4 5.0×10-2
ゼラチン 2.3。
【0297】
第16層(第2保護層)
H−1 0.40
B−1(直径1.7μm) 5.0×10-2
B−2(直径1.7μm) 0.15
B−3 0.05
S−1 0.20
ゼラチン 0.75。
【0298】
更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくするために、W−1ないしW−5、B−4ないしB−6、F−1ないしF−18及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、パラジウム塩、イリジウム塩、ルテニウム塩、ロジウム塩が含有されている。また、第8層の塗布液にハロゲン化銀1モル当たり8.5×10-3グラム、第11層に7.9×10-3グラムのカルシウムを硝酸カルシウム水溶液で添加し、試料を作製した。
第4層の実施例2で調製した乳剤a▲1▼を乳剤a▲2▼、a▲3▼に変更することにより試料201から203を作成した。
【0299】
有機固体分散染料の分散物の調製 下記、ExF−3を次の方法で分散した。即ち、水21.7mL及び5%水溶液のp−オクチルフェノキシエトキシエトキシエタンスルホン酸ソーダ3mL並びに5%水溶液のp−オクチルフェノキシポリオキシエチレンエーテル(重合度10)0.5gとを700mLのポットミルに入れ、染料ExF−3を5.0gと酸化ジルコニウムビーズ(直径1mm)500mLを添加して内容物を2時間分散した。この分散には中央工機製のBO型振動ボールミルを用いた。分散後、内容物を取り出し、12.5%ゼラチン水溶液8gに添加し、ビーズを濾過して除き、染料のゼラチン分散物を得た。染料微粒子の平均粒径は0.24μmであった。
【0300】
同様にして、ExF−4の固体分散物を得た。染料微粒子の平均粒径は、0.45μmであった。ExF−2は欧州特許出願公開(EP)第549,489A号明細書の実施例1に記載の微小析出(Microprecipitation)分散方法により分散した。平均粒径は0.06μmであった。
【0301】
ExF−6の固体分散物を以下の方法で分散した。
水を18%含むExF−6のウェットケーキ2800gに4000gの水及びW−2の3%溶液を376g加えて攪拌し、ExF−6の濃度32%のスラリーとした。次にアイメックス(株)製ウルトラビスコミル(UVM−2)に平均粒径0.5mmのジルコニアビーズを1700mL充填し、スラリーを通して周速約10m/sec、吐出量0.5L/minで8時間粉砕した。平均粒径は0.52μmであった。
【0302】
上記各層の形成に用いた化合物は、以下に示すとおりである。
【0303】
【化27】
Figure 0004053742
【0304】
【化28】
Figure 0004053742
【0305】
【化29】
Figure 0004053742
【0306】
【化30】
Figure 0004053742
【0307】
【化31】
Figure 0004053742
【0308】
【化32】
Figure 0004053742
【0309】
【化33】
Figure 0004053742
【0310】
【化34】
Figure 0004053742
【0311】
【化35】
Figure 0004053742
【0312】
【化36】
Figure 0004053742
【0313】
【化37】
Figure 0004053742
【0314】
【化38】
Figure 0004053742
【0315】
【化39】
Figure 0004053742
【0316】
【化40】
Figure 0004053742
【0317】
【化41】
Figure 0004053742
【0318】
これらの試料を40℃、相対湿度70%の条件下で14時間硬膜処理を施した。その後、富士フイルム(株)製ゼラチンフィルターSC−39(カットオフ波長が390nmである長波長光透過フィルター)と連続ウェッジを通して1/100秒間露光した。現像は富士写真フイルム社製自動現像機FP−360Bを用いて以下により行った。尚、漂白浴のオーバーフロー液を後浴へ流さず、全て廃液タンクへ排出する様に改造を行った。このFP−360Bは発明協会公開技法94−4992号に記載の蒸発補正手段を搭載している。
【0319】
処理工程及び処理液組成を以下に示す。
Figure 0004053742
【0320】
安定液及び定着液は(2)から(1)への向流方式であり、水洗水のオーバーフロー液は全て定着浴(2)へ導入した。尚、現像液の漂白工程への持ち込み量、漂白液の定着工程への持ち込み量、及び定着液の水洗工程への持ち込み量は感光材料35mm幅1.1m当たりそれぞれ2.5mL、2.0mL、2.0mLであった。また、クロスオーバーの時間はいずれも6秒であり、この時間は前工程の処理時間に包含される。
上記処理機の開口面積は発色現像液で100cm2、漂白液で120cm2、その他の処理液は約100cm2であった。
【0321】
以下に処理液の組成を示す。
Figure 0004053742
【0322】
Figure 0004053742
【0323】
(定着(1)タンク液)
上記漂白タンク液と下記定着タンク液の5対95(容量比)混合液
(pH6.8)。
【0324】
Figure 0004053742
【0325】
(水洗水)
水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR−120B)と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同アンバーライトIR−400)を充填した混床式カラムに通水してカルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3mg/L以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール酸ナトリウム20mg/Lと硫酸ナトリウム150mg/Lを添加した。この液のpHは6.5〜7.5の範囲にあった。
【0326】
Figure 0004053742
【0327】
発色現像液の補充量を半分にして同様の処理を行った。結果を表−10に示す。
【0328】
【表10】
Figure 0004053742
【0329】
表−10から明らかなように、本発明の乳剤を低感度層に用いることにより感度が高くかつ現像処理依存性が改良された感材を得ることができることが判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の代表的なハロゲン化銀乳剤の電子顕微鏡写真(倍率10万倍)である。

Claims (3)

  1. 全粒子の円相当径の変動係数が30%以下であり、全投影面積の70%以上が下記要件(i)、(ii)(iii)および (iv) 満たすハロゲン化銀粒子で占められていることを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤。
    (i)(111)面を主表面とする沃塩臭化銀平板粒子
    (ii)少なくとも一つの頂点部にエピタキシャル接合を有する
    (iii)エピタキシャル部に少なくとも1本の転位線を有する
    iv )10モル%以上の沃化銀を含有する最外層が銀換算で20%以下である
  2. 全粒子の円相当径の変動係数が30%以下であり、全投影面積の70%以上が下記要件(i)、(ii)(iii’)および (iv) 満たすハロゲン化銀粒子で占められていることを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤。
    (i)(111)面を主表面とする沃塩臭化銀平板粒子
    (ii)少なくとも一つの頂点部にエピタキシャル接合を有する
    (iii’)エピタキシャル部に網目状の転位線を有する
    iv )10モル%以上の沃化銀を含有する最外層が銀換算で20%以下である
  3. 全粒子の円相当径の変動係数が30%以下であり、全投影面積の70%以上が下記要件(i)、(ii’)(iii)および (iv) 満たすハロゲン化銀粒子で占められていることを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤。
    (i)(111)面を主表面とする沃塩臭化銀平板粒子
    (ii’)全ての頂点部にエピタキシャル接合を有する
    (iii)エピタキシャル部に少なくとも1本の転位線を有する
    iv )10モル%以上の沃化銀を含有する最外層が銀換算で20%以下である
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