JP4053277B2 - 電気炉 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ランタンクロマイトを主成分とする円筒型の抵抗発熱体の内部を加熱室として利用する電気炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
ペロブスカイト型結晶構造を有するランタンクロマイト(LaCrO3)を主成分とした、必要に応じてLaの一部をSr、Caなどで、Crの一部をCo、Ni、Al、Mgなどで置換固溶した組成を有する発熱体(以下単にランタンクロマイト系という)は、1500℃以上の高温酸化雰囲気において優れた安定性と長寿命をもつセラミックス抵抗発熱体として広く利用されている。
【0003】
従来、一般に用いられている抵抗発熱体を使用した電気炉は、図1に示すように複数の棒状発熱体12を用いて加熱室を加熱する構造になっているが、このような構造の電気炉では、装置の構造が複雑かつ大型化するなどの欠点があり、また熱効率が低く消費電力が高くなるため発熱体の使用温度及び昇温速度などの性能面及び寿命面にも限界があった。なお図1において、13は断熱材、14は炉心管を示す。
【0004】
そこで図2に示すように発熱体1の構造を円筒型の一本の発熱体を用いて、中空部を加熱室とする構造にすることにより、電気炉の熱効率を向上し、使用温度及び昇温速度などの性能面及び寿命面を改善することが可能であり、炭化ケイ素(SiC)のら管型、複ら管型発熱体などで一部実用化されている。なお、図2において、15は発熱部、16は電極、17はリード線、18は断熱材、19は炉心管を示す。
【0005】
しかしながら、従来より使用されている炭化ケイ素発熱体を大気中1500℃以上の温度領域で用いる場合には、炭化ケイ素の酸化、及び炭化ケイ素の熱伝導率が高いことから、発熱体の寸法を長尺化し、端子部の温度を低下させること及び発熱部の気密性を高める必要があり、所望の温度とする有効加熱領域に対して発熱体が大型化し、ひいては電気炉が大型化してしまう問題がある。また、急速加熱冷却を繰り返すと短期で破断してしまうため寿命にも問題がある。このため、発熱体の材質だけをランタンクロマイトに変えるなどの対策も物理的には可能であるが、炭化ケイ素は熱膨張率が低く、熱伝導がよく、耐熱衝撃性に優れるのに対し、ランタンクロマイトはこれらに劣る一方、耐熱性、導電性の温度に対する安定性、耐久性が優れるなどの長所がある。そのため、炭化ケイ素製発熱体と同等の構造に使用することが不適当である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の問題点を解決し、小型でありながら発熱体の有効加熱領域が大きく、1900℃まで急速加熱冷却が可能で長寿命のランタンクロマイト系発熱体からなるコンパクトな電気炉を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、発熱体の端子部を一ケ所に集中することにより発熱体の長尺化を防ぎ、発熱体内部を有効加熱室として用いることにより電気炉を一体型化し、これらにより電気炉をコンパクト化すること、及び発熱体の形状及び材料の特性を適切な範囲に設定することにより前記目的を達成することができた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1は、発熱部と両端部からなる円筒型のランタンクロマイト系発熱体において、該発熱体材料の気孔率が5%未満でありかつ1000℃における比抵抗が0.1Ωcm以上であり、発熱体の下端面を2等分割する位置から垂直方向に2ケ所のスリットを設けることによって端子部を一方に集中し、該スリットの幅が1〜10mm、端子部と発熱部の長さの合計とスリットの長さの比率([スリットの長さL 3 ]/{[端子部の長さL 1 ]+[発熱部の長さL 2 ]})が0.8〜1.2の範囲にあり、該端子部に高温用金属電極を取り付けた発熱体と、該発熱体の外側に装着した断熱材と、該発熱体の中空部内に装着したセラミックス炉心管とを備え、該炉心管の中空部内を有効加熱室としたことを特徴とする電気炉に関する。
本発明の第2は、請求項1におけるランタンクロマイト系発熱体において、発熱部と端子部の外径の比率([端子部外径]/[発熱部外径])が1.1〜1.6の範囲にあり、発熱部と端子部の長さの比率([端子部長さL1]/[発熱部長さL2])が0.3〜1.0の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の電気炉に関する。
【0009】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の電気炉について説明する。
【0010】
図3および4は、本発明の電気炉の発熱体を示す図である。
即ち、図3は本発明電気炉の発熱体を正面からみた図、図4(A)は本発明電気炉の発熱体を側面からみた図、図4(B)は図4(A)のA−A′断面図である。
【0011】
図3において、発熱体1は、端子部2と発熱部3と上端部4からなる円筒型のランタンクロマイト系セラミックスからなり、発熱部3の外径を端子部2の外径未満として、さらに発熱体1の下端面を2等分割する位置から垂直方向に2ケ所のスリット5を設け、端子部電極を一方に集中して端子部2とし、該端子部2に高温用電極6及び金属リード部品7を取り付け、両端部間を発熱部3としたものである。かくして、電流は、一方の端子部→一方の発熱体→上端部→他方の発熱体→他方の端子部へと流れることとなる。
【0012】
該発熱体1では、発熱部3と端子部2の外径の比率([端子部外径]/[発熱部外径])を1.1〜1.6の範囲とする必要がある。外径の比率が1.1未満の場合、発熱部3と端子部2の外径差がほとんどなくなり、端子部2の抵抗が発熱部3の抵抗とほぼ同じになるため、端子部電極が抵抗発熱を起こすため短寿命となる。また、外径の比率が1.6を超える場合、発熱部3と端子部2との外径差が大きすぎて発熱体1が不必要に大きくなるばかりでなく、消費電力の増大、端子部2への熱衝撃などにより発熱体が短寿命となり実用的でなくなる。このため、発熱部3と端子部2の外径の比率を1.1〜1.6の範囲とする必要があり、1.15〜1.5の範囲とすることがより望ましい。
【0013】
また、該発熱体1の発熱部3と端子部2の長さの比率([端子部の長さL1]/[発熱部の長さL2])が0.3〜1.0の範囲にある必要がある。長さの比率が0.3未満の場合、端子部2が短すぎるため端子部の冷却が十分にできず高温となり、端子部電極の劣化が速くなるため短寿命となり実用的でない。長さの比率が1.0を超える場合には端子部が不必要に長くなり消費電力が増大することにより寿命が短くなるだけでなく、発熱体の有効加熱領域に対して発熱体が大型化し、ひいては電気炉が大型化してしまい本発明の目的が達成されなくなる。このため発熱部と端子部の長さの比率が0.3〜1.0の範囲にある必要があり、0.6〜0.95の範囲にあることがより望ましい。また、発熱部3と端子部2の長さは上記の条件の範囲内で適宜決めることができるが、スリットの長さと有効加熱領域とを考慮すると発熱体全長と端子部の長さの比率[(端子部の長さL1+発熱部の長さL2+上端部の長さ)/端子部の長さL1]が2.0〜4.0の範囲にあることが望ましい。
【0014】
該発熱体1に設けられたスリット5の幅は1〜10mmとすることが必要である。スリット5の幅が1mm未満の場合には、長時間の使用による発熱体の変形によって接触、回路的短絡が発生する可能性があり、一方、スリット5の幅が10mmを超える場合には、スリット5からの熱のロスが大きくなるため消費電力が高くなり、さらにスリット5の幅が大きくなるために、発熱体の長時間使用による変形が大きくなり、発熱体が破損しやすくなるなど寿命面での問題があるばかりか、炉内温度分布が不均一となりやすく、発熱体として実用的ではない。このため、該発熱体1に設けられたスリット5の幅は1〜10mmとすることが必要であり、2〜6mmの範囲にあることがより望ましい。
【0015】
また、該発熱体1の端子部2と発熱部5の長さの合計とスリット5の長さの比率([スリットの長さL3]/{[端子部の長さL1]+[発熱部の長さL2]})が0.8〜1.2の範囲にあることが必要である。かかる比率が0.8未満の場合には、スリットの終端が肉薄である発熱部に位置するために強度的に弱く、発熱体の耐久性が低下する。また比率が1.2倍を超える場合には、上端部4にスリットが入ってくるために上端部の強度が低下し、発熱体の耐久性が低下する。このため、該発熱体1の端子部と発熱部の長さの合計とスリットの長さの比率([スリットの長さL3]/{[端子部の長さL1]+[発熱部の長さL2]})が0.8〜1.2の範囲にあることが必要であり、0.9〜1.05倍の範囲にあることがより望ましい。
【0016】
該発熱体1の材料として用いるランタンクロマイト系セラミックスは、気孔率が5%未満であることが必要であり、3%未満であることがより望ましい。気孔率を小さくすることにより繰り返しの熱衝撃に対する耐久性に優れた発熱体を得ることが可能となる。これに加えて、発熱体を形成するランタンクロマイト系セラミックスの1000℃における比抵抗が0.1Ωcm以上であることが必要である。比抵抗が0.1Ωcm未満の場合は、抵抗特性が低く電流値が大きくなり端子部電極の劣化が速くなるため短寿命となる。また逆に比抵抗が高くなりすぎると、制御に必要な印加電圧値の範囲が大きくなり実用的でなくなるため、比抵抗が0.2〜2.0Ωcmの範囲にあることがより望ましい。これらの特性制御は適宜、Laの一部をSr、Caなどで、Crの一部をCo、Ni、Al、Mgなどで置換固溶させることにより、上記特性を有する発熱体とすることができる。
【0017】
図5は、本発明の電気炉の一例を示す断面図であり、発熱体1の中空部内には、セラミックス炉心管8を装着し、この中空部内を有効加熱室とする。セラミックス炉心管8は、この内部に被加熱物を置くことにより、発熱体1からの蒸発物によって被加熱物が汚染されることを防止できる。該セラミックス炉心管8の厚さ、長さ、及び外寸法は、電気炉の仕様に応じて適宜決めることができ、さらに、該セラミックス炉心管8は電気炉の仕様に応じて長さ方向に対して位置によって厚みや外寸法などを変化させてもよい。また、該セラミックス炉心管8は発熱体1と密着させても良いが、発熱部3では非接触とすることで、より一層被加熱物への汚染防止効果が向上する。図4に示した本発明の電気炉は、縦型で示されているが、縦型での使用は勿論のこと、横型での使用も全く問題なく可能であり、横型での使用の場合には、試料の出し入れが容易となる。また、本発明の電気炉において、セラミック炉心管8の上端部は、開放状態で使用されるが、密閉状態で使用することもできる。その場合、試料搬入口と試料搬出口は同一となる。
【0018】
セラミックス炉心管8は、電気炉を使用する温度域に応じて、従来電気炉の炉心管として用いられている各種の公知のセラミックスを使用することができるが、特に、純度95%以上、相対密度93%以上のアルミナ、ムライト、スピネル、安定化ジルコニア(安定化剤も含めた純度が95%以上)、マグネシア又はイットリアを使用することが望ましく、これらの材料を用いることにより、セラミックス炉心管8の耐熱性がさらに向上すると共に、発熱体1との反応も抑制され、被加熱物への汚染防止効果も向上する。
【0019】
上記発熱体1の外側には、断熱材9を装着する。発熱体1の外側に断熱材9を装着することによって、電気炉の熱効率を上げることができる。断熱材の材質としては、耐火煉瓦、耐火断熱煉瓦、キャスタブル耐火物、セラミックファイバー成形体等の各種の公知の耐火物を使用できる。又、セラミックファイバー成形体を使用する場合には、断熱性に優れ、蓄熱量が小さいために、消費電力を低減することができ、発熱体1を更に長寿命化することが可能となる。また、断熱材の材質としてセラミックファイバー成形体を使用する場合、発熱体1と断熱材9との間に厚さ1〜3mm程度のセラミックス層を形成することにより、発熱体1と断熱材9との反応をより一層少なくすることができ、発熱体1をより一層長寿命化することが可能となる。
【0020】
【実施例】
以下に本発明の実施例について下記に説明するが、本発明はこれらの実施例だけに限定するものではない。
【0021】
実施例1
図5の電気炉において、発熱体1として、図3および図4(A)(B)に示すように、表1に記載した形状および特性を有し、内径32mm、端子部2及び上端部4の外径44mm(端子部2の長さ55mm、上端部4の長さ25mm)、発熱部3の外径36mm(有効発熱部の長さ75mm)、全長155mmの円筒型ランタンクロマイト系セラミックスを用い、端子部2の下端面を2等分割する位置から上端部に向かって垂直方向に2ケ所の幅3mm、長さ130mmの溝を設けスリット5とし、端子部2の下端から25mmの位置までの部位(外周面及び端面)に白金ペーストを塗布し、1300℃で焼き付けて、高温用電極6を形成したのち、ステンレス鋼SUS304からなる金属リード部品7を取り付けた。この発熱体1の中空部内に純度99.5%、相対密度97%のアルミナセラミックス炉心管8(以下炉心管と呼ぶ)(外径30mm×内径24mm×長さ400mm)を挿入し、発熱体1の外側に、純度99.5%、相対密度97%の円筒型のアルミナセラミックス10(外径10aの大きさが54mm、外径10bの大きさが50mm、内径10が46mm、全長120mm)を装着した。さらにその外側には断熱材9として、純度95%のα−アルミナ材質からなる、かさ密度0.7g/cm3の成形体(セラミックファイバー成形体)を、中央部に48mmの貫通孔を有する形状に加工して配置し、その外部を、耐火材を内張りにした金属缶体で取り囲み固定することによって、電気炉を得た。
【0022】
実施例2
図5の電気炉において、実施例1と同様の特性を有するランタンクロマイト系セラミックスを用いて、端子部2の外径50mm、端子部2の長さ60mm、全長160mm、スリットの長さ137mmとして発熱体1を作製し、発熱体1の外側に、純度99.5%、相対密度97%の円筒型のアルミナセラミックス10(外径10aの大きさが60mm、外径10bの大きさが56mm、内径10が52mm、全長120mm)を装着したこと以外は、実施例1と同様にして電気炉を得た。
【0023】
実施例3
図5の電気炉において、実施例1と同様の特性を有するランタンクロマイト系セラミックスを用いて、端子部2の長さ50mm、発熱部3の外径38mm、発熱部3の長さ80mmとして発熱体1を作製したこと以外は、実施例1と同様にして電気炉を得た。
【0024】
実施例4
図5の電気炉において、実施例1と同様の特性を有するランタンクロマイト系セラミックスを用いて、発熱体1の内径28mm、端子部2及び上端部4の外径40mm(端子部2の長さ65mm、上端部4の長さ25mm)、発熱部3の外径32mm、スリットの長さ140mmとして発熱体1を作製したこと以外は、実施例1と同様にして電気炉を得た。
【0025】
実施例5
図5の電気炉において、スリットの幅を5mm、発熱体1の全長160mm(上端部4の長さ30mm)、スリットの長さを132mmとして発熱体1を作製したこと以外は、実施例1と同様にして電気炉を得た。
【0026】
実施例6
図5の電気炉において、実施例1と同様の特性を有するランタンクロマイト系セラミックスを用いて、発熱体1の内径16mm、端子部2及び上端部4の外径24mm(端子部2の長さ35mm、上端部4の長さ15mm)、発熱部3の外径20mm(有効発熱部の長さ50mm)、全長100mm、スリットの幅2.5mm、スリットの長さ80mmとして発熱体1を作製し、発熱体1の中空部内に純度99.5%、相対密度97%のアルミナ炉心管(外径15mm×内径11mm×長さ200mm)を挿入し、発熱体1の外側に、純度99.5%、相対密度97%の円筒型のアルミナセラミックス10(外径10aの大きさが36mm、外径10bの大きさが32mm、内径10が25mm、全長80mm)を装着したこと以外は、実施例1と同様にして電気炉を得た。
【0027】
実施例7
図5の電気炉において、実施例1と同様の特性を有するランタンクロマイト系セラミックスを用いて、発熱体1の内径8mm、端子部2及び上端部4の外径15mm(端子部2の長さ20mm、上端部4の長さ30mm)、発熱部3の外径11mm(有効発熱部の長さ30mm)、全長60mm、スリットの幅2mm、スリットの長さ52mmとして発熱体1を作製し、発熱体1の中空部内に純度99.5%、相対密度97%のアルミナ炉心管(外径6mm×内径4mm×長さ90mm)を挿入し、発熱体1の外側に、純度99.5%、相対密度97%の円筒型のアルミナセラミックス10(外径10aの大きさが24mm、外径10bの大きさが20mm、内径10が16mm、全長75mm)を装着したこと以外は、実施例1と同様にして電気炉を得た。
【0028】
実施例8
図5の電気炉において、発熱体1の材料の比抵抗が0.56Ωcmであるランタンクロマイト系セラミックスを用いて、発熱体1の内径45mm、端子部2及び上端部4の外径60mm(端子部2の長さ100mm、上端部4の長さ40mm)、発熱部3の外径50mm(有効発熱部の長さ160mm)、全長300mm、スリットの幅5mm、スリットの長さ260mmとして発熱体1を作製し、発熱体1の中空部内に純度99.5%、相対密度97%のアルミナ炉心管(外径42mm×内径35mm×長さ450mm)を挿入し、発熱体1の外側に、純度99.5%、相対密度97%の円筒型のアルミナセラミックス10(外径10aの大きさが85mm、外径10bの大きさが75mm、内径10が65mm、全長230mm)を装着したこと以外は、実施例1と同様にして電気炉を得た。
【0029】
比較例1
実施例1における図5の電気炉において、発熱部3の外径を42mmとして発熱体1を作製したこと以外は、実施例1と同様にして電気炉を得た。
【0030】
比較例2
図5の電気炉において、実施例1と同様の特性を有するランタンクロマイト系セラミックスを用いて、発熱体1の内径18mm、端子部2及び上端部4の外径50mm、発熱部3の外径22mm、スリットの幅2.5mmとして発熱体1を作製し、発熱体1の中空部内に純度99.5%、相対密度97%のアルミナ炉心管(外径15mm×内径11mm×長さ400mm)を挿入し、発熱体1の外側に、純度99.5%、相対密度97%の円筒型のアルミナセラミックス10(外径10aの大きさが60mm、外径10bの大きさが56mm、内径10が52mm、全長120mm)を装着したこと以外は、実施例1と同様にして電気炉を得た。
【0031】
比較例3
実施例1における図5の電気炉において、発熱体1の内径33mm、端子部2の長さ35mm、発熱部3の長さ85mm(全長145mm、スリットの長さ120mm)として発熱体1を作製したこと以外は、実施例1と同様にして電気炉を得た。
【0032】
比較例4
図5の電気炉において、端子部2の長さを100mm(全長205mm、スリットの長さ180mm)として発熱体1を作製したこと以外は、実施例1と同様にして電気炉を得た。
【0033】
比較例5
図5の電気炉において、端子部2および上端部4の外径42mm、発熱部3の外径35mm、スリットの幅を0.5mmとして発熱体1を作製したこと以外は、実施例1と同様にして電気炉を得た。
【0034】
比較例6
図5の電気炉において、発熱体1の内径30mm、スリットの幅を12mm、全長160mmとして発熱体1を作製したこと以外は、実施例1と同様にして電気炉を得た。
【0035】
比較例7
実施例1における図5の電気炉において、端子部2及び上端部4の外径46mm、発熱部3の外径38mm、スリットの長さ110mmとして発熱体1を作製し、発熱体1の外側に、純度99.5%、相対密度97%の円筒型のアルミナセラミックス10(外径10aの大きさが58mm、外径10bの大きさが54mm、内径10が50mm、全長120mm)を装着したこと以外は、実施例1と同様にして電気炉を得た。
【0036】
比較例8
実施例1における図5の電気炉において、発熱体1の内径33mm、スリットの長さ145mm、全長160mmとして発熱体1を作製したこと以外は、実施例1と同様にして電気炉を得た。
【0037】
比較例9
実施例8における図5の電気炉において、発熱体1の材料として気孔率7.2%のランタンクロマイト系セラミックスを用いて発熱体1を作製したこと以外は、実施例8と同様にして電気炉を得た。
【0038】
比較例10
実施例6における図5の電気炉において、発熱体1の材料の比抵抗が0.08Ωcmであるランタンクロマイト系セラミックスを用いて、スリットの長さを85mmとして発熱体1を作製したこと以外は、実施例6と同様にして電気炉を得た。
【0039】
試験例1
実施例1〜8及び比較例1〜10のそれぞれの電気炉を、有効炉内中央での保持温度1800℃、保持時間30min、昇降温速度600℃/hで繰り返しサイクル通電試験を実施したときの、消費電力が最大となる保持温度到達時の電圧、電流、消費電力及び発熱体が破損するまでのサイクル回数を求めた。その結果を表2に示す。
【0040】
表2から明らかなように、実施例1〜8の電気炉は、高い耐久性を示した。また比較例1〜10の結果から明らかなように、本発明の要件を満足しないランタンクロマイト系発熱体を用いた電気炉は、耐久性に優れた電気炉とはならない。
【0041】
試験例2
実施例1及び6〜8のそれぞれの電気炉を、有効炉内中央での保持温度1900℃、保持時間30min、昇降温速度600℃/hで通電試験を実施したときの、消費電力が最大となる保持温度到達時の電圧、電流、消費電力を求めた。その結果を表3に示す。
【0042】
表3から明らかなように、本発明の電気炉は1900℃までの急速加熱冷却が可能であった。
【表1】
【表2】
【表3】
【0043】
【発明の効果】
本発明に係る電気炉においては、円筒型のランタンクロマイト系発熱体に2ケ所のスリットを設けることによって端子部を一方に集中しているため発熱体を従来よりも短尺化することができ、発熱体内部を有効加熱室として用いることにより電気炉を一体型化し、これらにより電気炉をコンパクト化することができる。また1900℃まで急速加熱冷却が可能で長寿命となるほか、各種雰囲気制御を行うことが可能である。また本電気炉は、縦型での使用はもちろんのこと、横型での使用も全く問題なく可能であり、試料の出し入れが容易であるというメリットも持ちあわせている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は従来の複数の発熱体を使用した管状型電気炉の縦断面図、図1(B)は従来の管状型電気炉の横断面図である。
【図2】図2(A)は従来の一本の発熱体を使用した一体型の管状型電気炉の縦断面図、図2(B)は従来の一本の発熱体を使用した一体型の管状型電気炉の横断面図である。
【図3】図3は本発明電気炉の発熱体を正面から見た図である。
【図4】図4(A)は本発明電気炉の発熱体を側面から見た図、図4(B)は図4(A)のA−A′断面図である。
【図5】図5は本発明電気炉の一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 発熱体
2 端子部
3 発熱部
4 上端部
5 スリット
6 電極
7 金属リード部品
8 セラミックス炉心管
9 断熱材
10 セラミックス層
10a セラミックス層
10b セラミックス層
11 金属缶体
12 棒状発熱体
13 断熱材
14 炉心管
15 発熱部
16 電極
17 リード線
18 断熱材
19 炉心管
Claims (2)
- 発熱部と両端部からなる円筒型のランタンクロマイト系発熱体において、該発熱体材料の気孔率が5%未満でありかつ1000℃における比抵抗が0.1Ωcm以上であり、発熱体の下端面を2等分割する位置から垂直方向に2ケ所のスリットを設けることによって端子部を一方に集中し、該スリットの幅が1〜10mm、端子部と発熱部の長さの合計とスリットの長さの比率([スリットの長さL 3 ]/{[端子部の長さL 1 ]+[発熱部の長さL 2 ]})が0.8〜1.2の範囲にあり、該端子部に高温用金属電極を取り付けた発熱体と、該発熱体の外側に装着した断熱材と、該発熱体の中空部内に装着したセラミックス炉心管とを備え、該炉心管の中空部内を有効加熱室としたことを特徴とする電気炉。
- 請求項1におけるランタンクロマイト系発熱体において、発熱部と端子部の外径の比率([端子部外径]/[発熱部外径])が1.1〜1.6の範囲にあり、発熱部と端子部の長さの比率([端子部長さL1]/[発熱部長さL2])が0.3〜1.0の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の電気炉。
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