JP4052299B2 - カメラ式車両感知器における露光制御方法及び装置 - Google Patents
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Description
そこで、カメラにて道路を撮影して画像処理することにより、車両の特徴を検出し、車両のナンバープレートなどの特定もできるカメラ式車両感知器が知られている。
ところが、撮影対象範囲に日向と日陰が混在する場合、前記制御を行うと、日向の車両は、太陽光の反射で明るく写って、明るい道路とのコントラストがとれず、車両識別が困難になり、ナンバープレートの読取りなど車両の特徴を検出するための後処理に支障を与えるおそれがある。日陰の車両についても、太陽光の陰のため暗く写って、暗い道路とのコントラストがとれず、車両識別が困難になるという同じ問題が発生する。
そこで、本発明は、日向と日陰が混在する画面でも、できるだけ多くの車両の識別が容易にできるカメラ式車両感知器における露光制御方法及び装置を提供することを目的とする。
したがって、画面が日向及び日陰を含む場合、日向に含まれる車両でコントラストの悪いものが多ければ、それらを適正な露出で検出できる方向に露光条件を変えることができ、日陰に含まれる車両でコントラストの悪いものが多ければ、それらを適正な露出で検出できる方向に露光条件を変えることができる。
前記露光制御方法において、日向に含まれる車両の存在範囲の輝度の最大値を用いて、その周囲の輝度とのコントラストを算出することとすれば(請求項2)、コントラストは低めに算出される。これは、日向では周囲の道路の輝度は高いので、車両の明るい部分(例えば、車体の光る部分、白い車なら車体の屋根など)とその周囲の道路との輝度差は少なくなるからである。したがってコントラストは低めに算出されるようになり、日向においてコントラストが閾値以下となる車両台数Aは多くなり、これらの車両を検出しやすくなるよう露光条件を変更することができる。
図1は、本発明の露光制御装置を適用したカメラ式車両感知システムの概略構成図である。
道路の近傍に設置されたポール2の上部にカメラ式車両感知器1が取り付けられている。このカメラ式車両感知器1から、道路の交通状態を収集する交通情報センター3のコンピュータ4まで、通信回線5が接続されている。通信回線5は、有線/無線のいずれか又はこれらの結合でもよく、専用回線、公衆通信回線を問わない。
カメラ11は、レンズ系15とイメージセンサ16とを含んでいる。レンズ系15における開口絞り量は、カメラDSP12からの絞り制御信号に基づいて調整される。カメラ11の視野は、道路(図示せず)に向けられており、カメラ11は道路状態を撮影しその撮影画像をイメージセンサ16に形成する。イメージセンサ16上に形成された画像のデータは、カメラDSP12へ出力される。イメージセンサ16の露光時間(シャッタ速度に相当)は、カメラDSP12からの露光時間制御信号に基づいて調整される。
図3は、画像処理装置13の行う露光制御の概要を説明するためのグラフである。横軸に時刻、縦軸に輝度と露光時間をとっている。露光制御は、夜間、朝、昼間、夕方別に実行される。夜間はヘッドライトの撮影が目的であり、図3に示すように露光時間固定の制御が行われる。昼間は車体やナンバープレートの撮影が目的であり、基準画像の輝度を基準となる輝度にあわせるための制御が行われる。この基準となる輝度を「目標輝度」という。なお、図3では、目標輝度は昼間固定されているが、これは目標輝度が固定される場合もあるということで、目標輝度は常に昼間固定されるものとはかぎらない。その日の時間帯ごとに目標輝度を変えてもよく、その日の天候の変化に応じて目標輝度を変えてもよい。
画像処理装置13は、基準画像データを入力し(ステップS1)、基準画像データに対して、基準画像データの画面全体にわたる輝度の平均値を算出する。なおこのとき、過去に一定回数取り込んだ基準画像データも考慮した移動平均をとってもよい。そして、この輝度平均値と、目標輝度との差を算出して(ステップS2,3)、この差が少なくなるように露光時間や絞りの増減を行う(ステップS4)。
図5において、まず基準画像を複数の区画に分割する(ステップT1)。これは、日向部分と日陰部分とを区画単位で区別するために行う。分割された区画の例を図7に示す。同図では基準画像を3×4に分割している。
次に、各区画内の車両の存在部分を切り取る。車両の存在部分を切り取る方法は、公知であり、例えば特開昭63-174199号公報に記載されている。図6に写っている4台の車両に対応して、切り取られた車両の存在部分をa1,a2,b1,c1で表わしている。そして車両が属する区画を決定する。車両存在部分a2は、右上の区画に属するが、車両存在部分a1,b1,c1は複数の区画にまたがっている。このようなときは、車両存在部分の一番大きな面積の部分が属する区画を、その車両が属する区画として決定する。これにより、車両ごとに日向、日陰の区別ができる。さらに車両存在部分の近くに、路面の輝度を求めるための部分を特定する。例えば区画r1〜r8が特定された路面部分である。
輝度差コントラスト=(車両輝度−路面輝度)の絶対値/(路面輝度)
ここで、車両輝度は、日向の車両の場合、車両存在部分の輝度の最大値とし、日陰の車両の場合、車両存在部分の輝度の最小値とする。路面輝度は、当該車両の近くの路面部分の輝度であり、これも日向の車両の場合、路面部分の輝度の最大値とし、日陰の車両の場合、路面部分の輝度の最小値とする。
なお、ステップT7,T9において、露光時間を変更する処理以外に、絞り量を変更してもよい。この場合、露光時間を長くすることは絞り量を大きくすることに対応し、露光時間を短くすることは絞り量を小さくすることに対応する。それ以外に、目標輝度を変更してもよい。露光時間を長くすることは目標輝度を上げることに対応し、露光時間を短くすることは目標輝度を下げることに対応する。
したがって、車両の検出、ナンバープレート読取り、車両の速度検出、渋滞長検出など後処理をする場合に、処理の確実性を向上させることができる。
図7の車両部分a1と、その周囲の路面部分r3の輝度を測定した。
路面部分r3の平均輝度は250、最大値は252、最小値は246であった。車両部分a1の平均輝度は214、最大値は255、最小値は26となった。車両部分a1の平均輝度と路面部分r3の平均輝度を用いて、車両部分a1の輝度差コントラスト(平均輝度)を算出し、車両部分a1の最大値と路面部分r3の最大値を用いて、車両部分a1の輝度差コントラスト(最大値)を算出し、車両部分a1の最小値と路面部分r3の最小値を用いて、車両部分a1の輝度差コントラスト(最小値)を算出した。その結果、
輝度差コントラスト(平均輝度)=0.144
輝度差コントラスト(最大値)=0.012
輝度差コントラスト(最小値)=0.894
となり、輝度差コントラスト(最大値)が最も低い値になっている。この輝度差コントラスト(最大値)が、当該車両のコントラストを最も適切に表わしているといえる。したがって、この輝度差コントラスト(最大値)を用いて、日向においてコントラストの低い車両であるかどうかの判定を行うことが好ましい。これによって、画面全体の露光条件を、日向の車両のコントラストがハッキリする方向に変更することができる。なお、日陰の車両のコントラストはすこし悪くなるが、悪くなっても後処理に支障を与えるほどでない。
図7の路面部分r8の平均輝度は43.4、最大値は50、最小値は38であった。車両部分c1の平均輝度は57.2、最大値は201、最小値は28となった。車両部分c1の平均輝度と路面部分r8の平均輝度を用いて、車両部分c1の輝度差コントラスト(平均輝度)を算出し、車両部分c1の最大値と路面部分r8の最大値を用いて、車両部分c1の輝度差コントラスト(最大値)を算出し、車両部分c1の最小値と路面部分r8の最小値を用いて、車両部分c1の輝度差コントラスト(最小値)を算出した。その結果、
輝度差コントラスト(平均輝度)=0.318
輝度差コントラスト(最大値)=3.02
輝度差コントラスト(最小値)=0.263
となり、輝度差コントラスト(最小値)が最も低い値になっている。したがって、この輝度差コントラスト(最小値)が、当該車両のコントラストを最も適切に表わしているといえる。したがって、この輝度差コントラスト(最小値)を用いて、日陰においてコントラストの低い車両であるかどうかの判定を行うことが好ましい。これによって、画面全体の露光条件を、日陰の車両のコントラストがハッキリする方向に変更することができる。なお、日向の車両のコントラストはすこし悪くなるが、悪くなっても後処理には支障がない。
2 ポール
3 交通情報センター
4 コンピュータ
5 通信回線
11 カメラ
12 カメラDSP
13 画像処理装置
14 通信インターフェイス
15 レンズ系
16 イメージセンサ
Claims (4)
- カメラ式車両感知器で撮影した画像を入力し、
撮影対象範囲の中から車両の存在部分を切り取り、
入力された画像の輝度のデータに基づいて、撮影対象範囲を日向又は日陰のいずれかに区分し、
日向に含まれる車両の存在部分の輝度と、その周囲の輝度とのコントラストを算出し、
日陰に含まれる車両の存在部分の輝度と、その周囲の輝度とのコントラストを算出し、
日向においてコントラストが閾値以下となる車両台数Aと、日陰においてコントラストが閾値以下となる車両台数Bとを算出し、
車両台数A>車両台数Bであれば、露光量を減らすよう露光条件を変更し、車両台数A<車両台数Bであれば、露光量を増やすよう露光条件を変更することを特徴とするカメラ式車両感知器における露光制御方法。 - 前記日向に含まれる車両の存在範囲の輝度と、その周囲の輝度とのコントラストを算出する場合に、
前記日向に含まれる車両の存在範囲の輝度の最大値を用いて、その周囲の輝度とのコントラストを算出することを特徴とする請求項1記載のカメラ式車両感知器における露光制御方法。 - 前記日陰に含まれる車両の存在範囲の輝度と、その周囲の輝度とのコントラストを算出する場合に、
前記日陰に含まれる車両の存在範囲の輝度の最小値を用いて、その周囲の輝度とのコントラストを算出することを特徴とする請求項1記載のカメラ式車両感知器における露光制御方法。 - カメラ式車両感知器のカメラで撮影した画像のデータを入力する画像データ入力手段と、
撮影対象範囲の中から車両の存在部分を切り取る車両存在部分特定手段と、
入力された画像の輝度のデータに基づいて、撮影対象範囲を日向又は日陰のいずれかに区分し、日向の区画に含まれる車両の存在部分の輝度と、その周囲の輝度とのコントラストを算出し、日陰の区画に含まれる車両の存在部分の輝度と、その周囲の輝度とのコントラストを算出するコントラスト算出手段と、
日向においてコントラストが閾値以下となる車両台数Aと、日陰においてコントラストが閾値以下となる車両台数Bとを算出し比較する台数比較手段と、
台数比較手段により車両台数A>車両台数Bと判定されれば、露光量を減らすよう露光条件を変更し、車両台数A<車両台数Bであれば、露光量を増やすよう露光条件補正手段とを備えることを特徴とするカメラ式車両感知器における画面の輝度調整装置。
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