JP4051738B2 - ブレ検出装置及びブレ補正カメラ - Google Patents

ブレ検出装置及びブレ補正カメラ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影装置などにおける手ブレなどによる振動を検出するブレ検出装置及びブレ補正カメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種のブレ検出装置の利用例として、スチルカメラなどの撮影装置や双眼鏡などの光学装置に内蔵する例が提案されている。このような撮影装置などは、カメラに生ずるブレをブレ検出装置が検出し、撮影レンズの一部のレンズ(以下、ブレ補正レンズという)を光軸と直交する方向に、その検出信号に基づいて移動している。そして、カメラが撮影時に振動することにより生ずるブレを、ブレ補正レンズが補正している。
【0003】
従来のブレ補正を行う光学系の構造については、特開平4−76525号公報の第3図に開示されている。特開平4−76525号公報の防振手段を有するカメラは、光軸と直角方向の平面内で平行移動可能なブレ補正レンズと、このブレ補正レンズを保持する枠部材と、この枠部材を保持する板部材と、この板部材に取り付けられた4本のワイヤと、このワイヤを支持する本体と、巻線コイル,ヨーク及び永久磁石からなり、ブレ補正レンズを上下及び左右方向に駆動するアクチュエータと、発光素子と受光素子からなり、ブレ補正レンズの位置を検出する位置検出装置などを備えている。
【0004】
以下に、図7を参照して、従来のブレ補正装置の動作について説明する。
図7は、従来のブレ補正装置のブロック線図である。
角速度センサ10は、例えば、コリオリ力を検出するための圧電振動式角速度センサであり、カメラの振動をモニタするためのセンサである。角速度センサ10の出力信号は、積分部40に入力し、積分部40は、この出力信号を時間積分する。積分部40は、角速度センサ10の出力信号をカメラのブレ角度に変換した後に、ブレ補正レンズの目標駆動位置情報に変換し出力する。サーボ回路100は、この目標駆動位置情報に応じてブレ補正レンズを駆動するために、目標駆動位置情報と現在のブレ補正レンズの位置情報との差を演算し、アクチュエータ110に信号を出力する。アクチュエータ110は、光軸と直交する面内において、この信号に基づいてブレ補正レンズを駆動する。位置検出装置120は、ブレ補正レンズの動きをモニタして、サーボ回路100にフィードバックする。
【0005】
従来のブレ補正装置は、角速度センサ10の出力信号を積分部40が一度積分し、角変位情報に変換してから処理している。このために、角速度センサ10の出力信号を積分部が時間積分するときに、ブレ補正制御の基準値(オメガゼロ値)となる積分定数(以下、基準値という)を決定する必要がある。例えば、特開平4−211230号公報の第17図及び第18図は、この基準値の演算方法を開示している。
【0006】
特開平4−211230号公報が開示する手振れ補正装置のブレセンサは、コリオリ力を検出する角速度センサと、中央演算処理装置(CPU)とメモリとからなり、現時点から所定の時間前までの間にサンプリングした角速度センサの出力信号の平均値を移動平均法により算出するドリフト成分検出部と、角速度センサの出力信号から平均値を減算することによりドリフト成分を除去し、その減算値を出力する減算器とを備えている。
【0007】
角速度センサの出力信号は、ドリフト成分検出部に10ms毎に入力し、0.5秒(10ms×50)毎に50個分の出力信号が入力する。そして、ドリフト成分検出部のメモリは、算出された50個分の平均値(以下、平均1とする)を格納し、10秒(0.5秒×20)経過後には、さらに20個分の平均1が入力する。その結果、スタートから10秒経過後には、1000個分(50×20)の角速度センサの出力信号の平均値を算出することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来のブレ補正装置は、一般に、カメラが静止した状態の角速度センサ10の出力信号(以下、オメガゼロという)を、この出力信号を積分するときの積分定数として用いている。
しかし、カメラなどの撮影装置を手持ちで撮影するときには、カメラは、撮影者の手ブレにより通常振動している。このような状況下では、角速度センサの静止時の出力を直接測ることができないために、手ブレによる振動がのった角速度センサの出力信号から、オメガゼロを演算により求める必要がある。
従来のブレ検出装置は、例えば、特開平4−211230号公報の第18図に示すように、オメガゼロの演算に移動平均法などの平均演算を用いていた。
しかし、従来のブレ検出装置による移動平均法には、以下のような問題点があった。
【0009】
従来のブレ検出装置は、圧電振動式の角速度センサを使用しており、この角速度センサは、電源を投入してから出力が安定するまでに、ある程度の時間を必要としていた。
【0010】
図8は、角速度センサが静止した状態で電源を投入したときの出力変動及び角速度センサの出力信号の一例を示す図である。図8(A)は、時間=0のときに、角速度センサに電源を投入(通電を開始)したときの出力変動を示し、図8(B)は、手ブレ波形にドリフトがのったときの角速度センサの出力信号を示す図である。
図8(A)では、静止した状態で角速度センサが出力する出力値(オメガゼロ)をゼロとしている。また、図8(B)では、説明を簡単なものとするために、手ブレ波形は、正弦波としている。
図8(A)に示すように、電源投入後しばらくの間は、角速度センサが静止しているにもかかわらず、出力値が変動しており、角速度センサの電源投入直後に発生する出力変動は、起動時ドリフトと呼ばれている。図8(A)では、起動時ドリフトの収まる時間は、時刻md である。
図8(A)では、角速度センサは、静止状態にあるものと仮定しているが、実際には、図8(B)に示すように、角速度センサをカメラなどに搭載したときには、撮影者の手ブレによる振動の出力値が起動時ドリフトに加算する。
【0011】
図9は、従来のブレ検出装置における移動平均法による演算結果及び演算誤差を示す図である。図9(A)は、角速度センサの出力信号及び移動平均法による演算結果を示し、図9(B)は、移動平均法による演算誤差と真のオメガゼロ値との演算誤差を示す図である。
図9(A)では、図8(A)と同様に、角速度センサの起動時ドリフトがなくなってからの出力値(オメガゼロ)をゼロとしている。
図9(B)に示すように、従来の移動平均法は、角速度センサの起動時ドリフトも平均化演算に使用するために、起動時ドリフトが収まった以降も、なお演算誤差が大きくなったままになっている。その結果、演算誤差が許容値内になかなか収まっていない。このために、角速度センサの起動時ドリフトの影響が、オメガゼロの演算にかなり悪い影響を与えている。
【0012】
このように、起動時ドリフトがのったままの角速度センサの出力信号をオメガゼロの演算に使用すると、オメガゼロの演算結果に誤差を生じ、ブレ補正の効果が低下したり、ブレが悪化してしまうという問題があった。
また、ブレ補正の精度を上げるために、演算誤差が許容値内に入るのを待っていると、シャッタチャンスを逃してしまうという問題があった。
【0013】
本発明の課題は、演算誤差が少なく、正確にブレを補正することができるブレ検出装置及びブレ補正カメラを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定するものではない。すなわち、請求項1の発明は、ブレを検出し、ブレ検出信号(ω(t))を出力(S400)するブレ検出部(10)と、前記ブレ検出信号に含まれるドリフト成分(ω(t))を演算(S6030,S6080)し、前記ドリフト成分を前記ブレ検出信号の第1の基準値(ω(t))として出力する第1の基準値演算部(330)と、前記ブレ検出信号と前記ドリフト成分との差分を演算することにより、前記ブレ検出信号の第2の基準値(ω(t))を演算(S6120)して出力する第2の基準値演算部(350)と、前記ブレ検出部がブレ検出信号の出力を開始(S400)してからの経過時間(m)を計測する経過時間計測部(90)と、前記経過時間が所定時間に満たないときには、前記第1の基準値を選択し、前記経過時間が所定時間以上であるときには、前記第2の基準値を選択する基準値選択部と、を含むことを特徴とするブレ検出装置である。
【0018】
請求項の発明は、請求項に記載のブレ検出装置において、前記第1の基準値演算部は、前記ブレ検出信号に基づいて移動平均を演算(S6080)し、前記第2の基準値演算部は、前記差分及び前記ブレ検出信号とに基づいて、移動平均を演算(S6120)することを特徴とするブレ検出装置である
【0019】
請求項の発明は、請求項に記載のブレ検出装置において、前記第1の基準値演算部が移動平均を演算する際に必要とするデータ数をMとし、前記第2の基準値演算部が移動平均を演算する際に必要とするデータ数をNとしたときに、M<Nであることを特徴とするブレ検出装置である。
【0022】
請求項の発明は、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、前記ブレ検出部は、電源が供給されているときに、ブレを検出可能であることを特徴とするブレ検出装置である。
【0025】
請求項の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、前記所定時間は、前記ドリフト成分が継続して出力する時間(m)以上であることを特徴とするブレ検出装置である。
【0026】
請求項の発明は、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、前記ブレ検出部は、角速度を検出する角速度検出器若しくは角加速度を検出する角加速度検出器又は加速度を検出する加速度検出器であることを特徴とするブレ検出装置である。
請求項の発明は、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、前記ブレ検出信号から前記基準値選択部で選択された第1の基準値または第2の基準値を減算した値より、ブレ補正光学系を駆動するための駆動信号を演算する駆動信号円残部を備えたことを特徴とするブレ検出装置である。
【0029】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態について、さらに詳しく説明する。
まず、本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置が使用される一眼レフカメラについて説明し、このブレ検出装置の概要を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置が搭載された一眼レフカメラを示すブロック図である。
【0030】
角速度センサ10は、カメラに印加する振動を検出し、このカメラに作用するコリオリ力に比例する電圧値を出力するセンサである。角速度センサ10は、2軸方向の角速度を検出するために、X軸まわりの角速度を検出するピッチ角速度センサと、Y軸まわりの角速度を検出するヨー角速度センサとからなる2つのセンサを通常搭載している。図1では、1軸分の角速度センサについて図示することを省略している。角速度センサ10は、半押しタイマ90がON動作を維持し、電源供給部130が電源を供給している間は、角速度の検出が可能である。
【0031】
角速度センサ10の出力信号が一定間隔でサンプリングされると、不連続な時系列データω(t1 ),ω(t2 ),ω(t3 ),・・・,ω(tN ),・・・が計測される。
ここで、ω(t)は、角速度センサ10がある時刻で検出した角速度データである。また、tのサフィックス1,2,3,・・・,m,・・・は、時間が進むごとにインクリメントされるカウント値であり、ある時刻tN とカウント値mとは単位は違うが、これらは等価なものとして考えることができる。
【0032】
増幅部20は、角速度センサ10の出力信号を増幅するものである。増幅部20は、角速度センサ10からの出力電圧を増幅し、増幅した出力信号を、オメガゼロ演算部30と、駆動信号演算部45とに出力する。
【0033】
オメガゼロ値演算部30は、増幅部20が増幅したブレ検出信号に基づいて、角速度センサ10の出力値であるブレ補正制御の基準値(オメガゼロ値)を演算するものである。オメガゼロ値演算部30は、半押しタイマ90が出力するカウンタ値に応じて、演算手法を切り替えるとともに、演算した2種類のオメガゼロ値のいずれか一方を選択する。オメガゼロ値演算部30は、選択したオメガゼロ値を駆動信号演算部45に出力する。オメガゼロ値演算部30は、角速度センサ10が角速度の検出が可能なときに、演算を実行する。
【0034】
図2は、本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置におけるオメガゼロ値演算部を示すブロック図である。
オメガゼロ値演算部30は、時間判定部310と、演算切替部320と、ドリフト成分演算部330と、差分演算部340と、平均演算部350と、出力切替部360とからなる。
【0035】
時間判定部310は、半押しタイマ90が出力するカウント値(時間情報)に基づいて、オメガゼロ値の演算手法を選択したり、演算したオメガゼロ値を選択したりするための判定信号を出力するものである。時間判定部310は、演算切替部320及び出力切替部360に、この判定信号を出力する。
【0036】
演算切替部320は、時間判定部310が出力する判定信号に基づいて、ドリフト成分演算部330及び平均演算部350に、オメガゼロ値の演算手法の切り替えを指示するものである。演算切替部320には、時間判定部310が出力する判定信号と、増幅部20が出力するブレ検出信号とが入力する。演算切替部320には、ドリフト成分演算部330と、平均演算部350とが接続されている。演算切替部320は、時間判定部310が出力する判定信号に基づいて、ドリフト成分演算部330及び平均演算部350の双方又は一方に、ブレ検出信号を出力する。
【0037】
ドリフト成分演算部330は、電源供給部130が角速度センサ10に電源を供給したときに生ずるドリフト成分(起動時ドリフト)を演算するものである。ドリフト成分演算部330は、演算したドリフト成分を差分演算部340及び出力切替部360に出力する。
【0038】
差分演算部340は、ドリフト成分演算部330が演算したドリフト成分とブレ検出信号との差分を演算するものである。差分演算部340は、演算した差分を平均演算部350に出力する。
【0039】
平均演算部350は、差分演算部340が出力する差分の平均値、演算切替部320が出力するブレ検出信号の平均値、又は、この差分とブレ検出信号の平均値を演算するものである。平均演算部350は、演算した平均値を出力切替部360に出力する。
【0040】
出力切替部360は、時間判定部310が出力する判定信号に基づいて、ドリフト成分演算部330が演算したドリフト成分又は平均演算部が演算した平均値に切り替えて出力するものである。出力切替部360は、選択したドリフト成分又は平均値をオメガゼロ値として、駆動信号演算部45に出力する。
【0041】
図1に示す駆動信号演算部45は、増幅部20が増幅したブレ検出信号から、出力切替部360が出力するオメガゼロ値を減算し、積分演算するものである。駆動信号演算部45は、積分演算により、角速度信号を角変位信号に変換し、さらに、この角変位信号に応じた信号に変換する。駆動信号演算部45は、この信号を駆動部50に出力する。
【0042】
駆動部50は、駆動信号演算部45からの出力信号に基づいて、ブレ補正レンズ60を駆動するための駆動信号を出力し、この駆動信号に基づいてブレ補正レンズ60を駆動制御するものである。駆動部50は、制御用のサーボ回路と、ブレ補正レンズ60を駆動するアクチュエータと、ブレ補正レンズ60の駆動位置を検出するための位置検出装置などを備えている。
【0043】
ブレ補正レンズ60は、撮影光路を変更してブレを補正するレンズである。ブレ補正レンズ60は、例えば、光軸I方向に対して略直交する方向(図中矢印方向)に駆動するレンズである。ブレ補正レンズ60は、撮影装置の結像光学系に内蔵されている。ブレ補正レンズ60は、駆動部50からの駆動信号に基づいて、光軸Iと交差する方向に駆動し、撮影装置の結像光学系の光軸を偏心してブレを補正する。
【0044】
レンズ鏡筒80は、ブレ補正レンズ60を含む撮影光学系を収納する。レンズ鏡筒80は、カメラボディ70に着脱自在に取り付けられており、交換可能である。
【0045】
電源供給部130は、角速度センサ10に電源を供給するためのものである。電源供給部130は、半押しスイッチSW1のON動作と同時に角速度センサ10に電源を供給する。電源供給部130は、半押しタイマ90がON状態にある間は、角速度センサ10に電源を供給し続け、半押しタイマ90のOFF動作により、角速度センサ10への電源の供給を停止する。
【0046】
半押しタイマ90は、半押しスイッチSW1のON動作と同時にON動作するタイマである。半押しタイマ90は、半押しスイッチSW1が押されている間はON状態を維持し、半押しスイッチSW1がOFF動作となってからも一定時間はON状態を維持する。半押しタイマ90は、半押しスイッチSW1及び角速度センサ10がON動作してからの経過時間を計測し、その経過時間に応じて増加するカウント値を、オメガゼロ値演算部30の時間判定部310に出力する。
【0047】
半押しスイッチSW1は、一連の撮影準備動作を開始するためのスイッチである。半押しスイッチSW1は、図示しないレリーズボタンの半押し動作に連動してON動作する。
【0048】
全押しスイッチSW2は、カメラの露光動作などの撮影動作を開始させるためのスイッチである。全押しスイッチSW2は、レリーズボタンの全押し動作に連動してON動作する。
【0049】
つぎに、本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置の動作を説明する。
図3は、本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置が使用される一眼レフカメラの動作を説明するフローチャートである。
図示しないカメラボディの電源スイッチがON動作されることにより、本フローがスタートする。
【0050】
ステップ(以下、Sとする)100において、半押しスイッチSW1がON動作しているか否かが判断される。半押しスイッチSW1がON動作しているときには、S200に進み、半押しスイッチSW1がON動作していないときには、半押しスイッチSW1がON動作されるまで繰り返し判断が続けられる。
【0051】
S200において、半押しタイマ90がタイマリセットする。半押しスイッチSW1のON動作と同時に、半押しタイマ90は、タイマの時間tをゼロにリセットする。S200に進む時点において、半押しタイマ90が既に計測を開始しているときには、S200を飛ばしS300に進む。
【0052】
S300において、半押しタイマ90がON動作する。半押しスイッチSW1がON動作し、半押しタイマ90がタイマリセットするのと同時に、半押しタイマ90がON動作する。S300に進む時点において、半押しタイマ90が既にON動作しているときには、半押しタイマ90は、ON動作を維持する。
【0053】
S400において、角速度センサ10がON動作する。電源供給部130は、半押しタイマ90のON動作に同期して、角速度センサ10に電源を供給し、角速度センサ10がON動作する。角速度センサ10は、カメラボディ70及びレンズ鏡筒80に生ずる振動を検出し、ブレ検出信号を出力する。S400に進む時点において、角速度センサ10が既にON動作しているときには、角速度センサ10は、ON動作を維持する。
【0054】
S500において、半押しタイマ90がカウントを開始する。半押しタイマ90は、半押しスイッチSW1のON動作と同時に、カウントを開始する。S500に進む時点において、半押しタイマ90が既にカウントを開始しているときには、半押しタイマ90は、カウントを継続する。
【0055】
S600において、オメガゼロ値演算部30は、オメガゼロ値(ドリフト成分又は平均値)の演算を開始する。オメガゼロ値演算部30は、半押しタイマ90のカウント値に応じて、増幅部20が増幅したブレ検出信号に基づいて、オメガゼロ値の演算を開始する。S600に進む時点において、オメガゼロ値演算部30がオメガゼロ値の演算を既に開始しているときには、オメガゼロ値演算部30は、オメガゼロ値の演算を継続する。
【0056】
S700において、ブレ補正レンズ60が駆動を開始する。駆動部50は、駆動信号演算部45が出力した駆動信号に基づいて、ブレ補正レンズ60を駆動制御する。S700に進む時点において、ブレ補正レンズ60が既に駆動しているときには、駆動部50は、ブレ補正レンズ60の駆動を継続する。
【0057】
S800において、半押しタイマ90がON動作しているか否かが判断される。半押しタイマ90がON動作しているときには、S900に進み、半押しタイマ90がON動作していないときには、S1100に進む。
【0058】
S900において、全押しスイッチSW2がON動作しているか否かが判断される。全押しスイッチSW2がON動作しているときには、S1000に進み、全押しスイッチSW2がON動作していないときには、S100に戻り、半押しスイッチSW1がON動作しているか否かが判断される。
【0059】
S1000において、撮影動作が行われる。図示しないシャッタ機構によりシャッタの開閉、フィルム巻き上げ機構によるフィルムの巻き上げなどの一連の撮影動作が行われ、一連の動作が終了される。
【0060】
S1100において、オメガゼロ値演算部30がオメガゼロ値(ドリフト成分又は平均値)の演算を停止する。S1100に進む時点において、オメガゼロ値演算部30がオメガゼロ値を演算しているときには、オメガゼロ値演算部30は、オメガゼロ値の演算を全て停止する。
【0061】
S1200において、角速度センサ10がOFF動作する。S1100に進む時点において、電源供給部130が角速度センサ10に電源を供給しているときには、電源供給部130は、電源の供給を停止して、角速度センサ10がOFF動作する。
【0062】
S1300において、半押しタイマ90が計時をストップする。半押しタイマ90は、半押しスイッチSW1のOFF動作と同時に計時を停止し、一連の動作を終了する。
【0063】
つぎに、本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置におけるオメガゼロ値演算部の動作を説明する。
図4は、本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置におけるオメガゼロ値演算部の動作を説明するフローチャートである。
なお、以下の説明において、図3に示したフローチャートにおけるステップと同一のステップは、同一の番号を付して説明し、特に必要のないかぎり説明を省略する。
【0064】
S200において、半押しタイマ90がカウントリセット(m=1)する。半押しタイマ90は、カウント値をm=1にリセットする。ここで、mは、半押しタイマ90がON動作してからの経過時間に応じて、その値が増加するカウンタ値(整数)である。
【0065】
S6010において、カウントフラグがflag=0になる。半押しタイマ90のカウント値の大きさを判定するカウントフラグが、flag=0になる。
【0066】
S6020において、時間判定部310は、カウント値mが判定レベルmNd以下であるか否かを判断する。カウント値mが判定レベルmNd以下であるときには、S6030に進み、カウント値mが判定レベルmNdよりも大きいときには、S6060に進む。
【0067】
S6030において、ドリフト成分演算部330が数1の演算を開始する。時間判定部310は、カウント値mが判定レベルmNd以下であると判定したときには、演算切替部320及び出力切替部360に判定信号を出力する。演算切替部320は、この判定信号に基づいて、ドリフト成分演算部330及び平均演算部350にブレ検出信号を出力する。ドリフト成分演算部330は、以下に示す数1によって、ドリフト値ωd (tm )を演算する。
【0068】
【数1】
Figure 0004051738
【0069】
ここで、ωd (tm )は、演算により求めた角速度センサ10のドリフト値である。数1は、角速度センサ10の検出開始後(半押しタイマ90のカウント開始後)、カウント値mが判定レベルmNd以下であるときには、角速度センサ10がカウント値mまでに検出した角速度データの全平均を演算する意味である。
なお、S6030に進む時点において、ドリフト成分演算部330がドリフト値の演算を既に開始しているときには、ドリフト成分演算部330は、ドリフト値の演算を継続する。
【0070】
S6040において、差分演算部340が数2の演算を開始する。差分演算部340は、以下に示す数2によって、ブレ検出信号(角速度信号)とドリフト成分との差分ω’(tm )を演算する。
【0071】
【数2】
Figure 0004051738
【0072】
数2は、増幅部20が出力する角速度データω(tm )から、ドリフト成分演算部330が演算したドリフト値ωd (tm )を減算する意味である。その結果、角速度センサ10の出力信号に含まれるドリフト成分が、この出力信号から除去される。このために、カウント値がさらに進んだときに、オメガゼロ値の演算誤差を小さくすることができる。
なお、S6040に進む時点において、差分演算部340が差分の演算を既に開始しているときには、差分演算部340は、差分の演算を継続する。
【0073】
S6050において、平均演算部350が数3の演算を開始する。平均演算部350は、以下に示す数3によって、オメガゼロ値ω0 (tm )を演算する。
【0074】
【数3】
Figure 0004051738
【0075】
数3は、カウント値mが判定レベルmNd以下であるときには、差分演算部340がカウント値mまでに演算した差分ω’(t)の全データの平均値を演算する意味である。
なお、S6050に進む時点において、平均演算部350がオメガゼロ値の演算を既に開始しているときには、平均演算部350は、オメガゼロ値の演算を継続する。
【0076】
S6060において、時間判定部310は、カウント値mが判定レベルmd 以下であるか否かを判断する。カウント値mが判定レベルmd 以下(mNd<m≦md )であるときには、S6070に進み、カウント値mが判定レベルmd よりも大きい(m>md )ときには、S6090に進む。
ここで、角速度センサ1のドリフトが収まっているのに、数2に示す演算を実行して、オメガゼロの演算誤差が大きくなるのを防止するために、判定レベルmd は、角速度センサ10のON動作直後に発生する起動時ドリフトが継続する時間と略同等又はそれ以上とすることが好ましい。このために、差分演算部340は、角速度センサ10の起動時ドリフトが収まらない間は、数2に示す演算を継続する。判定レベルmd の値は、例えば、角速度センサ10の起動時ドリフトが継続する時間を実測し、このデータに基づいて決定する。
【0077】
S6070において、ドリフト成分演算部330が数1の演算を停止する。時間判定部310は、カウント値mが判定レベルmNdよりも大きく判定レベルmd 以下であると判定したときには、演算切替部320及び出力切替部360に判定信号を出力する。演算切替部320は、この判定信号に基づいて、ドリフト成分演算部330に演算手法の切り替えを指示し、ドリフト成分演算部330は、数1の演算を停止する。S6070に進む時点において、ドリフト成分演算部330が数1の演算を既に停止しているときには、S6070を飛ばしてS6080に進む。
【0078】
S6080において、ドリフト成分演算部330が数4の演算を開始する。ドリフト成分演算部330は、演算手法を切り替えて、以下に示す数4によって、ドリフト成分ωd (tm )を演算する。
【0079】
【数4】
Figure 0004051738
【0080】
数4は、カウント値mが判定レベルmNdよりも大きく、判定レベルmd よりも小さいとき(mNd<m<md )には、演算区間長をmNdとする移動平均を演算する意味である。
ここで、角速度センサ10の起動時ドリフトは、約1秒程度継続することが知られている。また、人間の手ブレによる周波数は、個人差はあるものの、約4Hz〜10Hz程度であることが知られている。本発明の実施形態では、演算区間長は、ドリフト成分の継続時間よりも短く、人間の手ブレ信号の1周期分(手ブレの典型的な周波数を5Hzとしたときには、200msec)よりも長い時間になるように設定することが好ましい。その結果、ドリフト成分演算部330は、数4に示す演算式によって、角速度センサ10の出力信号からドリフト成分を効率的に抽出することができる。
なお、S6080に進む時点において、ドリフト成分演算部330がドリフト成分の演算を既に開始しているときには、ドリフト成分演算部330は、ドリフト成分の演算を継続する。
【0081】
S6090において、カウントフラグがflag=1になる。
【0082】
S6100において、時間判定部310は、カウント値mが判定レベル2md 以下であるか否かが判断される。カウント値mが判定レベル2md 以下(md <m≦2md )であるときには、S6110に進み、カウント値mが判定レベル2md よりも大きい(m>2md )ときには、S6130に進む。
【0083】
S6110において、差分演算部340が数2の演算を停止し、平均演算部350が数3の演算を停止し、ドリフト成分演算部330が数4の演算を停止する。時間判定部310は、カウント値mが判定レベルmd よりも大きく判定レベル2md 以下であると判定したときには、演算切替部320及び出力切替部360に判定信号を出力する。演算切替部320は、この判定信号に基づいて、ドリフト成分演算部330へのブレ検出信号の出力を停止する。
S6110に進む時点において、カウント値mは、角速度センサ1の起動時ドリフトの継続時間に相当するカウント値md よりも大きく(m>md )なっており、角速度センサ1の起動時ドリフトは、既に収まっている。このために、ドリフト成分演算部330は、角速度センサ10の出力信号からドリフト成分を抽出する演算を継続する必要がなく、差分演算部340、平均演算部350及びドリフト成分演算部330は、それぞれ数2、数3及び数4の演算を停止する。
【0084】
S6120において、平均演算部350が数5の演算を開始する。演算切替部320は、時間判定部310が出力する判定信号に基づいて、平均演算部350にブレ検出信号を出力する。平均演算部350は、以下に示す数5によって、オメガゼロ値ω0 (tm )を演算する。
【0085】
【数5】
Figure 0004051738
【0086】
数5は、演算区間長md 内の角速度データについて平均を演算する意味である。数5によって移動平均を演算する際に必要とするデータ数md は、数4によって移動平均を演算する際に必要とするデータ数mNdに比べて、多くなっている。数5は、従来の移動平均法とは異なり、カウント値md 以前に検出した角速度データについては、ドリフト成分を除去した角速度データω’(t)を使用し、カウント値md 以降に検出した角速度データについては、角速度センサ10の出力信号ω(t)そのものを使用している。
【0087】
従来の移動平均法は、角速度センサの起動時ドリフトがのった信号を、オメガゼロの演算に使用していた。このために、角速度センサのドリフトが収まっても、オメガゼロの演算誤差が大きくなっており、この演算誤差が許容値内になかなか収まらないという問題があった。
しかし、本発明の実施形態は、数5に示すように、角速度センサ10の起動時ドリフトが収まっていない間のデータについては、ドリフト成分を予め数1又は数4により演算し、このドリフト成分をブレ検出信号から数2により減算したデータを使用している。その結果、従来の移動平均法に比べて、オメガゼロの演算精度を格段に上げることができる。
なお、S6120に進む時点において、平均演算部350がオメガゼロ値の演算を既に開始しているときには、平均演算部350は、オメガゼロ値の演算を継続する。
【0088】
S6130において、平均演算部350が数5の演算を停止する。時間判定部310は、カウント値mが判定レベル2md よりも大きいと判定したときには、演算切替部320及び出力切替部360に判定信号を出力する。演算切替部320は、平均演算部350に演算手法の切り替えを指示し、平均演算部350は、数5の演算を停止する。
【0089】
S6140において、平均演算部350が数6の演算を開始する。平均演算部350は、演算手法を切り替えて、以下に示す数6によって、オメガゼロ値ω0 (tm )を演算する。
【0090】
【数6】
Figure 0004051738
【0091】
数6は、カウント値mが判定レベル2md よりも大きい(m>2md )ときには、角速度センサ10が出力するブレ検出信号ω(t)について、演算区間長md の移動平均を演算する意味である。数6によって移動平均を演算する際に必要とするデータ数md は、数4によって移動平均を演算する際に必要とするデータ数mNdに比べて、多くなっている。カウント値mが判定レベル2md よりも大きいときには、演算区間長md 内の角速度データは、全て角速度センサ10の起動時ドリフトが収まってからのデータである。このために、平均演算部350が平均を演算する前に、差分演算部340は、数2に示すような角速度データの加工をする必要がない。
【0092】
数6に示す移動平均において、演算区間長md と角速度センサ1のドリフトの継続時間とを同一にしているのは、移動平均の演算を容易にするためである。
また、角速度センサ10のドリフトの継続時間は、人間の手ブレ波形の1周期分の時間に比べて長いために、オメガゼロの演算精度を上げることができるためである。
なお、S6140に進む時点において、平均演算部350がオメガゼロ値の演算を既に開始しているときには、平均演算部350は、オメガゼロ値の演算を継続する。
【0093】
S6150において、カウントフラグがflag=1であるか否かが判断される。カウントフラグがflag=1であるときには、S6160に進み、カウントフラグがflag=1ではないときには、S6170に進む。
【0094】
S6160において、出力切替部360がオメガゼロ値ω0 (tm )を出力する。S6160に進むときには、カウントフラグは、flag=1であり、カウント値mは、判定レベルmd よりも大きい(m>md )。このために、角速度センサ10の起動時ドリフトは、収まっている。出力切替部360は、時間判定部310が出力する判定信号に基づいて、平均演算部350が数5又は数6により演算した平均値ω0 (tm )を演算結果として出力する。
【0095】
S6170において、出力切替部360がドリフト値ωd (tm )を出力する。S6170に進むときには、カウントフラグは、flag=0であり、カウント値mは、判定レベルmd 以下(m≦md )である。このために、角速度センサ10の起動時ドリフトが収まっていない。出力切替部360は、時間判定部310が出力する判定信号に基づいて、ドリフト成分演算部330が数1又は数4により演算したドリフト値ωd (tm )を演算結果として出力する。
【0096】
S6180において、カウンタ値mが1つ進められる。
【0097】
S6190において、半押しタイマ90がON動作しているか否かが判断される。半押しタイマ90がON動作しているときには、S400に戻り、半押しタイマ90がON動作していないときには、演算を停止して本フローチャートを終了する。
【0098】
図5は、本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置における角速度センサの出力信号及びドリフト成分を減算した後の角速度センサの出力信号を示す図である。図5(A)は、数1又は数4により演算したドリフトωd (t)及びドリフトωd (t)がのっている手ブレ波形ω(t)を示す図である。図5(B)は、手ブレ波形ω(t)からドリフトωd (t)を差し引いた波形ω’(t)を示す図である。
ここで、手ブレ波形は、図8(B)及び図9(A)と同様に、正弦波としている。
【0099】
図5(B)に示すように、角速度センサ10の出力信号ω(t)からドリフトωd (t)を差し引いた後の出力信号ω’(t)には、若干のうねりが残っているが、差分演算部340がドリフト成分を効率的に除去している。
【0100】
図6は、本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置におけるオメガゼロ値の演算結果を示す図である。図6(A)は、角速度センサの出力信号ω(t)及び演算結果ωd (t),ω0 (t)を示す図である。図6(B)は、演算結果ωd (t),ω0 (t)とオメガゼロ真値との間の誤差を示す図である。
図6(A)に示すように、起動時ドリフトが収まる時刻tm に、時間tが満たないときには、出力切替部360は、ドリフト成分演算部330が数1又は数4により演算したドリフト値ωd (t)をオメガゼロ値として出力する。一方、時間tが、起動時ドリフトが収まる時刻tm 以降であるときには、出力切替部360は、平均演算部350が数5又は数6により演算した平均値をオメガゼロ値ω0 (t)として出力する。
【0101】
図6(B)に示すように、本発明の実施形態では、演算したオメガゼロ値は、図9(B)に示す従来の移動平均法により演算したオメガゼロ値に比べて、誤差が非常に小さくなっている。
また、従来の移動平均法よりも早い時間に、演算誤差が許容値内に収まっている。
【0102】
従来の移動平均法は、角速度センサの起動時ドリフトを平均化演算に使用していた。このために、図9(B)に示すように、起動時ドリフトの影響がオメガゼロの演算結果にしばらく残っており、起動時ドリフトが収まっても、オメガゼロ値の演算誤差が大きいままになってしまうという問題があった。その結果、ブレ補正の効果が低下したり、ブレ補正が悪化してしまうという問題があった。
また、ブレ補正の効果を上げようとするときには、角速度センサに電源を投入してから演算誤差が許容値内に入るまでしばらく待つ必要があり、シャッタチャンスを逃してしまうという問題があった。
【0103】
本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置は、電源投入直後からカウント値mが判定レベルmd 以下である間(m≦md )は、数1及び数4に示すように、ドリフト成分演算部330が演算区間を短くしてドリフト値ωd (tm )を演算している。このために、ブレ検出信号ω(t)が含むドリフト成分に近い信号を得ることができる。
【0104】
本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置は、角速度センサ10に起動時ドリフトが生じている間(m≦md )は、そのドリフト値ωd (tm )を演算している。差分演算部340は、角速度センサ10の出力信号ω(t)からドリフト成分ωd (t)を取り除き、平均演算部350は、減算後の信号ω’(t)に基づいて、起動時ドリフトが収まった後(m>md )のオメガゼロ値を演算している。このために、ドリフトの影響の少ない減算後の信号ω’(tm )に基づいて、オメガゼロ値を高精度に演算することができる。
その結果、角速度センサ10の起動時ドリフトの影響によって、オメガゼロの演算誤差が増大するのを防止することができる。このために、このブレ検出装置をブレ補正カメラに搭載したときには、ブレを正確に補正することができる。
また、角速度センサ10に電源を投入した後の早い時間内に、オメガゼロの演算誤差が小さくなるために、シャッタチャンスを逃してしまうことがない。
【0105】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係るブレ検出装置は、第1実施形態の数1及び数3〜数6までに示す演算式に代えて、これらをそれぞれ以下の数7〜数11に示す漸化式に変形して、ドリフト値ωd (tm )及びオメガゼロ値ω0 (tm )を演算する。
【0106】
【数7】
Figure 0004051738
【0107】
【数8】
Figure 0004051738
【0108】
【数9】
Figure 0004051738
【0109】
【数10】
Figure 0004051738
【0110】
【数11】
Figure 0004051738
【0111】
本発明の第2実施形態に係るブレ検出装置は、第1実施形態の効果に加えて、以下に記載する効果を有する。
平均演算部350は、電源投入直後からカウント値mが判定レベルmd 以下である間(m≦md )は、ドリフト成分演算部330及び差分演算部340の演算動作と平行して(略同時に)、オメガゼロ値ω0 (tm )を数8によって演算している。平均演算部350は、カウント値mが判定レベルmd よりも大きくなり判定レベル2md 以下となったとき(md <m≦md )に、数8による演算結果を利用して、数10によってオメガゼロ値ω0 (tm )を演算することができる。その結果、過去の演算結果を利用して、演算速度を上げることができる。
【0112】
(他の実施形態)
本発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1) オメガゼロ値演算部30及び駆動信号演算部45は、図1に示すように、別個の演算部としてもよいが、例えば、ワンチップマイコンなどにこれらの演算部を全て組み込んで一体化してもよい。
また、オメガゼロ値演算部30を構成する時間判定部310、演算切替部320及びドリフト成分演算部330などの各演算部などは、ワンチップマイコンなどの中に全て組み込んでもよいし、それぞれ別々にしてもよい。
【0113】
(2) 平均演算部350は、数1及び数4によって、ドリフト値ωd (tm )を演算しているが、演算手法はこれに限定するものではない。例えば、移動平均や積算平均などの平均演算の他に、マイコンにより演算するディジタルフィルタや最小自乗法などの演算手法であってもよい。
【0114】
(3) 平均演算部350は、数3、数5及び数6によって、オメガゼロ値ω0 (tm )を演算しているが、積算平均や移動平均に限らず、他の演算手法であってもよい。
【0115】
(4) 平均演算部350は、数1及び数4〜数6に示す演算式によって、ドリフト値ωd (tm )及びオメガゼロ値ω0 (tm )を演算するときには、図4に示すS6050の数3による演算を省略してもよい。
【0116】
(5) 本発明の実施形態は、角速度センサ10などの角速度検出器に限らず、角加速度センサ若しくは加速度センサ又はその他のセンサについても本発明を適用することができる。特に、加速度センサは、角速度の生じない縦ブレ及び横ブレなどの平行ブレを検出する際に利用できる。
【0117】
(6) 本発明の実施形態は、一眼レフスチルカメラにブレ検出装置を搭載した例を挙げて説明したが、レンズ鏡筒の交換が不可能なコンパクトカメラについても本発明を適用することができる。
また、ディジタルスチルカメラ、ビデオカメラなどの撮影装置や、双眼鏡、望遠鏡などの光学装置などにも本発明を適用することができる。
【0118】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、ブレ検出信号の基準値を複数演算して、いずれか一方の基準値を選択するので、状況に適した基準値を複数演算して、演算誤差の少ないほうの基準値を選択することができる。
また、選択した基準値に誤差が少ないために、この基準値に基づいてブレを正確に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置が搭載された一眼レフカメラを示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置におけるオメガゼロ値演算部を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置が使用される一眼レフカメラの動作を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置におけるオメガゼロ値演算部の動作を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置における角速度センサの出力信号及びドリフト成分を減算した後の角速度センサの出力信号を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置におけるオメガゼロ値の演算結果を示す図である。
【図7】従来のブレ補正装置のブロック線図である。
【図8】角速度センサが静止した状態で電源を投入したときの出力変動及び角速度センサの出力信号の一例を示す図である。
【図9】従来のブレ検出装置における移動平均法による演算結果及び演算誤差を示す図である。
【符号の説明】
10 角速度センサ
20 増幅部
30 オメガゼロ値演算部
45 駆動信号演算部
50 駆動部
60 ブレ補正レンズ
70 カメラボディ
80 レンズ鏡筒
90 半押しタイマ
130 電源供給部
310 時間判定部
320 演算切替部
330 ドリフト成分演算部
340 差分演算部
350 平均演算部
360 出力切替部

Claims (7)

  1. ブレを検出し、ブレ検出信号を出力するブレ検出部と、
    前記ブレ検出信号に含まれるドリフト成分を演算し、前記ドリフト成分を前記ブレ検出信号の第1の基準値として出力する第1の基準値演算部と、
    前記ブレ検出信号と前記ドリフト成分との差分を演算することにより、前記ブレ検出信号の第2の基準値を演算して出力する第2の基準値演算部と、
    前記ブレ検出部がブレ検出信号の出力を開始してからの経過時間を計測する経過時間計測部と、
    前記経過時間が所定時間に満たないときには、前記第1の基準値を選択し、前記経過時間が所定時間以上であるときには、前記第2の基進値を選択する基準値選択部と、
    を含むことを特徴とするブレ検出装置。
  2. 請求項に記載のブレ補正装置において、
    前記第1の基準値演算部は、前記ブレ検出信号に基づいて移動平均を演算し、
    前記第2の基準値演算部は、前記差分と前記ブレ検出信号とに基づいて、移動平均を演算すること、
    を特徴とするブレ検出装置。
  3. 請求項に記載のブレ検出装置において、
    前記第1の基準値演算部が移動平均を演算する際に必要とするデータ数をMとし、前記第2の基準値演算部が移動平均を演算する際に必要とするデータ数をNとしたときに、M<Nであること、
    を特徴とするブレ検出装置。
  4. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、
    前記ブレ検出部は、電源が供給されているときに、ブレを検出可能であること、
    を特徴とするブレ検出装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、
    前記所定時間は、前記ドリフト成分が継続して出力する時間以上であること、
    を特徴とするブレ検出装置。
  6. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、
    前記ブレ検出部は、角速度を検出する角速度検出器若しくは角加速度を検出する角加速度検出器又は加速度を検出する加速度検出器であること、
    を特徴とするブレ検出装置。
  7. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、
    前記ブレ検出信号から前記基準値選択部で選択された第1の基準値または第2の基準値を減算した値より、ブレ補正光学系を駆動するための駆動信号を演算する駆動信号演算部を備えたこと、
    を特徴とするブレ検出装置。
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