JP4051596B2 - スクロール流体機械 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷媒、空気及びその他の圧縮性ガスを取扱う吐出弁を具備したスクロール流体機械に係り、特に、吐出流路抵抗低減、弁体受部の強度信頼性確保、再膨張空間適正化及び吐出弁の異常開弁抑制を実現して、広範な運転範囲において高いエネルギー効率の確保を図るのに好適なスクロール流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
スクロール流体機械は、冷凍・空調機器用の圧縮機として様々な分野で広く活用されている。他形態の圧縮機に比べて高効率、高信頼性、静音などの優位性を備えた流体機械として、開発・研究が盛んである。
【0003】
図7を用いて、スクロール流体機械の一構成を概略説明する。圧縮機構部の基本要素は、固定スクロール2、旋回スクロール3及びフレーム7であり、フレーム7は、密閉容器1内に固定されている。固定スクロール2の基本構成部分は、ラップ2aと鏡板2bとラップ歯底2cとラップ歯先2dと吐出口2eとであり、旋回スクロール3の基本構成部分は、ラップ3aと鏡板3bとラップ歯底3cとラップ歯先3dとである。
【0004】
旋回スクロール3を旋回駆動する駆動部の基本要素は、電動機であるステータ12及びロータ13と、クランク軸11と、旋回スクロール3の自転防止機構の主要部品であるオルダムリング9と、フレーム7に対しクランク軸11を回転自在に係合するクランク軸の支持部材18と、旋回スクロール3に対しクランク軸11の偏芯ピン部11aを回転軸方向であるスラスト方向に移動可能にかつ回転自在に係合する旋回スクロールの支持部材17と、である。オルダムリング9は、旋回スクロール3と共に、フレーム7及び固定スクロール2により構成した空間8に配設され、オルダムリング9に形成される直交する2組のキー部分の1組が、フレーム7に形成されたキー溝7aを、残りの1組が、旋回スクロールラップ3aの反対側に形成されたキー溝を滑動する。
【0005】
また、給油系として、密閉容器1下部に溜められた潤滑油10を、クランク軸11に連設された給油パイプ14とクランク軸11内に設けられた給油穴とを経由させて、圧縮機構部や各支持部材17,18へと供給する。
【0006】
ここで、基本要素の動作について説明する。ロータ13は、ステータ12が発生させる回転磁界により回転力を与えられ、ロータ13に固定されたクランク軸11と共に回転動作を行う。旋回スクロール3は、スラスト方向に移動可能に、かつ回転自在にクランク軸の偏芯ピン部11aと係合しており、クランク軸11の回転運動は、オルダムリング9などの自転防止機構により旋回スクロール3の旋回運動へと変換される。固定スクロール2と旋回スクロール3を噛合せて構成した圧縮室4の容積は、旋回スクロール3が旋回運動することにより減少する。一方、圧縮室4内の作動流体は、圧力が高くなる。吐出口2eには、板バネ状の吐出弁19を設け、圧縮室4の圧力が、吐出空間16の圧力より高くなった場合に開口する。
【0007】
続いて、図8を用いて、スクロール流体機械の圧縮動作を簡単に説明する。図8は、固定スクロール2と旋回スクロール3とを噛合わせることにより形成した圧縮室4の断面図である。固定スクロール2の巻始め部は、外線と内線の巻始め部2a1,2a3を円弧、これら円弧をつなぐ直線部2a2で構成し、旋回スクロール3の巻始め部も、同様に外線と内線の巻始め部3a1,3a3を円弧、これら円弧をつなぐ直線部3a2で構成している。圧縮室4a,4bは、圧縮過程にある圧縮室であって、旋回スクロール3が旋回運動することでその容積を減少する。
【0008】
圧縮動作では、旋回スクロール3の旋回運動に伴って、作動流体が、吸込口5及び吸込空間15を経由して圧縮室4へ吸込まれる。吸込まれた作動流体は、圧縮室4a,4bのような圧縮行程を経て吐出口2eと連通し、かつ、最内周圧縮室4cの圧力が、吐出空間16(図7参照)の圧力より高くなった時点で吐出弁19を開弁し、吐出空間16及び吐出管6を経由し密閉容器1外に吐出される。
【0009】
圧縮動作中に両スクロール巻始め部の直線部2a2,3a2が、互いにほぼ接して最内周圧縮室4cの容積をほぼゼロにした後で、最内周圧縮室4cの1つ外側の圧縮室4a,4bと吐出口2eとが、連通する。固定スクロール2と旋回スクロール3を噛合わせて旋回運動させる際は、吸込空間15−圧縮室4a,4b間、圧縮室4a、4b−圧縮室4c間に作動流体の漏れが極力生じない十分な気密性を確保する必要がある。
【0010】
吐出弁を具備したスクロール流体機械において、最内周圧縮室内の作動流体が完全に排出できず元に戻ってしまう再膨張空間の低減を図るものとして、特開昭59−105986号公報が、開示されている。この公報には、図8に示したように、両スクロールラップ巻始め部を円弧2a1,2a3,3a1,3a3と直線部2a2,3a2により構成して、最内周圧縮室4cの容積が、ほぼゼロになった後に次の圧縮室と吐出口2eとが連通する構成と、図9に示すように、最内周圧縮室4cに通じる吐出外部の容積が、無視し得るほど小さくなるように構成した吐出弁19に関する記載がある。
【0011】
吐出弁19は、弁体19a、支持バネ19b及び支持板19cから構成されている。また、特開昭59−58187号公報には、スクロールラップ巻始めの形状に関して、両うず巻体の内外壁をインボリュート曲線によって形成すると共に、外壁を構成するインボリュート曲線を任意の伸開角を起点とし、かつ内壁を構成するインボリュート曲線を前記伸開角より180°進んだ伸開点を起点とするとともに両壁の起点間を少なくとも2つの円弧と両円弧を結ぶ線によって接続して、うず巻体中央部を形成するといった技術が開示されている。他に、特開平7−77178号公報には、ガスの再膨張による騒音を低減するためのスクロールラップ巻始め形状に関する技術が開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
図9に示した特開昭59−105986号公報記載の吐出弁には、いくつかの問題点がある。1つには、吐出口2eにおける弁体19aとの接合部30の先端部肉厚が非常に薄くなることから、接合部30が強度的に不十分となる可能性が高い。また、固定スクロールラップ2aと弁体19aとの隙間31が、極めて小さいことから、弁体19aの受圧部に作用する流体圧力が不均一となり、かつ弁体19aを押し上げる流体の流動方向にも乱れが生じることから、吐出弁19の異常開弁を引き起こす恐れがある。
【0013】
図9に示すように、最内周圧縮室に通じる吐出外部の容積を無視し得るほど小さくなるように構成することが、再膨張空間を減じ損失を低減させる上での理想ではあるが、これら弁体受部の強度信頼性低下や弁体の異常開弁に対する対応が必要となる。
【0014】
また、特開昭59−58187号公報記載の両スクロール巻始め部の形状のみに関してだけでは、広範な運転範囲において高いエネルギー効率を達成できるスクロール流体機械を実現することは不可能である。
【0015】
元来、スクロール圧縮機のような容積形圧縮機は、設計圧力比より小さな圧力比で運転する場合であれば過圧縮、逆に大きな圧力比で運転すれば不足圧縮といった具合に、エネルギー効率低下の要因を内在させている。不足圧縮に対しては吐出弁、過圧縮に対しては過圧縮防止弁を用いて対処することが一般的ではあるが、吐出弁と過圧縮防止弁を両方採用することが必ずしも広範な運転範囲でエネルギー効率を向上させるとはいえない。
【0016】
吐出弁と過圧縮防止弁の2種類を同時に設置する場合、一般に設置スペースの関係で十分な弁面積をもった構造にできないことが多いためである。できたとしても、再膨張空間を多くしてしまうような板バネ式のラッパーバルブ等の弁構造であり、エネルギー効率の低下を招いてしまう恐れがある。そこで、設計圧力比を小さく設定することで過圧縮を極力抑制し、不足圧縮に対してのみ吐出弁で対応する構成が考えられている。しかしながら、どの程度まで設計圧力比を小さくするかが課題となる。
【0017】
本発明の目的は、上記のような従来技術の問題点等を解決し、吐出弁を具備したスクロール流体機械において、吐出流路抵抗を低減し、弁体受部の強度信頼性を確保し、再膨張空間の適正化を図り、吐出弁の異常開弁を抑制し、低圧力比化を実現するスクロール流体機械を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明によるスクロール流体機械は、請求項1ないし4の各項に記載されたところをもって構成上の特徴とするものであるが、特に、独立項としての請求項1に係るスクロール流体機械は、旋回スクロール部材と、固定スクロール部材と、両スクロール部材の間に閉塞して容積が縮小する圧縮室と、圧縮した作動流体を該圧縮室から吐出空間へと吐出するための連通路である吐出口と、前記圧縮室圧力が該吐出空間圧力より大きな場合に開口する該吐出口に設けた吐出弁と、該旋回スクロール部材を旋回駆動する駆動手段と、を備え、前記両スクロール部材の外線と内線の巻始め部を各々曲線部とし、かつ該曲線部の接続をほぼ直線部で構成し、前記吐出口に設けられた前記吐出弁の弁体受部をテーパー形状とすると共に、圧縮動作中に前記直線部どうしが互いにほぼ接して最内周圧縮室の容積をほぼゼロにした後で次の圧縮室が前記吐出口と連通するようにし、前記固定スクロール部材における直線部を前記吐出口の直径とほぼ一致する位置に配置させると共に、前記吐出弁の弁体の圧縮室圧力受圧部が、直接に前記作動流体の圧力変化を全面で受けることができるように、前記固定スクロール部材における直線部の基底部に一部入り込ませて、前記最内周圧縮室と前記吐出弁の弁体の圧縮室圧力受圧部との間の前記吐出口側に補助連通路としての隙間を設けてなるスクロール流体機械において、前記旋回スクロール部材の内線側に形成される内線側圧縮室と、前記旋回スクロール部材の外線側に形成される外線側圧縮室と、の吸込完了時容積及び吸込完了時期がほぼ同一であって、前記旋回スクロール部材のいかなる圧縮動作位置においても、前記外線側圧縮室と前記内線側圧縮室との側面シール部が、各々2箇所であることを特徴とするものである。また、同じく独立項としての請求項2に係るスクロール流体機械は、旋回スクロール部材と、固定スクロール部材と、両スクロール部材の間に閉塞して容積が縮小する圧縮室と、圧縮した作動流体を該圧縮室から吐出空間へと吐出するための連通路である吐出口と、前記圧縮室圧力が該吐出空間圧力より大きな場合に開口する該吐出口に設けた吐出弁と、該旋回スクロール部材を旋回駆動する駆動手段と、を備え、前記両スクロール部材の外線と内線の巻始め部を各々曲線部とし、かつ該曲線部の接続をほぼ直線部で構成し、前記吐出口に設けられた前記吐出弁の弁体受部をテーパー形状とすると共に、圧縮動作中に前記直線部どうしが互いにほぼ接して最内周圧縮室の容積をほぼゼロにした後で次の圧縮室が前記吐出口と連通するようにし、前記固定スクロール部材における前記直線部を前記吐出口の直径とほぼ一致する位置に配置させると共に、前記吐出弁の弁体の圧縮室圧力受圧部が、直接に前記作動流体の圧力変化を全面で受けることができるように、前記固定スクロール部材における直線部の基底部に一部入り込ませて、前記最内周圧縮室と前記吐出弁の弁体の圧縮室圧力受圧部との間の前記吐出口側に補助連通路としての隙間を設けてなるスクロール流体機械において、前記旋回スクロール部材の外線側圧縮室の方が内線側圧縮室よりも早くに吸込を完了するようにし、その場合外線側圧縮室の吸込完了時容積が内線側圧縮室の吸込完了時容積よりも大きくなり、かつ、前記内線側圧縮室のみ該内線側圧縮室の側面シール部が常に2箇所であると共に、前記外線側圧縮室では、該外線側圧縮室の側面シール部が2箇所もしくは3箇所であることを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施例について、図1ないし図3を用いて詳細に説明する。最初にスクロール部の構成について、図1を用いて説明する。図1は、吐出完了時の噛み合い状態を示し図3(ニ)と同一の配置を示す。
【0020】
本実施例では、吐出口102eは、固定スクロール102に配設する。旋回スクロールラップ103a内側に構成する圧縮室を、内線側圧縮室104b4、旋回スクロールラップ103a外側に構成する圧縮室を、外線側圧縮室104a4と呼ぶ。また、吸込完了時の圧縮室容積は、内線側と外線側とで、ほぼ同一である。
【0021】
ここで、固定スクロールラップ102aの巻始め部形状は、外線巻始め部102a1と内線巻始め部102a3の円弧と、これらを接続する直線部102a2から構成する。同様に旋回スクロールラップ103aの巻始め部形状は、外線巻始め部103a1と内線巻始め部103a3の円弧と、これらを接続する直線部103a2から構成する。
【0022】
図1に示すように、吐出完了の噛み合い時に、各スクロールラップの巻始め直線部102a2、103a2が、ほぼ密着し最内周圧縮室をほぼゼロとし、また、吐出口102eが固定スクロールの巻始め直線部102a2に交差する位置に配設していることが本実施例の特徴の1つである。
【0023】
続いて、吐出弁部の構成について図2を用いて説明する。吐出弁119は、吐出口102eに配設する。吐出弁119は、弁体119a、支持バネ119b、リテーナ119c、ガイド119d及び作動流体・ 油抜き穴119eから構成される。
【0024】
本実施例の特徴は、吐出口の弁体受部102e1をテーパー形状に構成し、吐出口102eにおける弁体119aの支持部130を図示のごとく肉厚化し、弁体119aの圧縮室圧力受圧部が直接に作動流体の圧力変化を全面で受けることができるように、補助連通路として固定スクロールラップ102aと弁体119aとの隙間131を確保していることにある。さらに、吐出弁に、作動流体の流動方向に弁体を移動可能とするガイド119dと、ガイド119d内に停留する作動流体や油の抜き穴119eと、を設けている。
【0025】
図3を用いて、吸込完了から吐出完了までの経過を説明する。図3は、(イ),(ロ),(ハ),(ニ)の順に圧縮行程の変化を図示しており、一連の圧縮動作は、(イ)で吸込を完了した後、2周目の(ニ)で吐出を完了する。吸込完了時に、外線側圧縮室104a1と内線側圧縮室104b1を最外周圧縮室として構成し、この時、両圧縮室の側面シール部として132a1と132b1を各々2箇所構成する。
【0026】
圧縮動作は、(ロ),(ハ),(ニ)の順番に、外線側圧縮室が、104a2,104a3,104a4、内線側圧縮室が、104b2,104b3,104b4と進む。同時に側面シール部を132a2,132a3,132a4と132b2,132b3,132b4とに場所を変えながら各々2箇所構成する。
【0027】
側面シール部132a4と132b4は、両スクロールラップ巻始め直線部がほぼ密着した同一部位に構成される。(ニ)から(イ)になる時に、外線側圧縮室と内線側圧縮室が、1つの最内周圧縮室104c1 を構成し、同時に最内周圧縮室104c1と吐出口102eとが、連通を開始する。この時の側面シール部は、132a1,132b1の各々2箇所である。最内周圧縮室104c1は、(ロ),(ハ)の順に104c2,104c3と圧縮が進み、(ニ)で容積ほぼゼロとなる。
【0028】
吐出開始は、104c1から104c3を経て容積がほぼゼロになる間に最内周圧縮室圧力が、吐出空間圧力より高くなり吐出弁119を開弁した時点で行われる。また、側面シール部は132a2、132a3,132a4と132b2,132b3,132b4とに場所を変えながら各々2箇所構成する。本実施例の特徴は、外・内線側圧縮室104a4,104b4が最内周圧縮室104c1を構成する時に吐出口102eに連通を開始することと、側面シール部を外・内線側圧縮室104a4,104b4につき各々2箇所常に構成することにある。
【0029】
本実施例の効果について説明する。吐出完了の噛み合い時に、各スクロールラップの巻始め直線部102a2,103a2がほぼ密着し、最内周圧縮室をほぼゼロとし、吐出口の弁体受部102e1をテーパー形状に構成することで、再膨張空間の低減を図ることができる。この時、吐出口102eにおける弁体119aの支持部130を肉厚化して強度信頼性を確保し、固定スクロールラップ102aと弁体119aとの隙間131を確保したことから、吐出弁受圧部に作用する流体圧力の不均一による吐出弁119の異常開弁を抑制することもできる。
【0030】
さらに、吐出弁119に、作動流体の流動方向に弁体119aを移動可能とするガイド119dを設けたことにより、弁体119aを押し上げる流体の流動方向の乱れにも対応することが可能となって確実な弁の開閉動作を実現できる。さらに、ガイド119c内に停留する作動流体や油の抜き穴119eを設けたことにより吐出弁をより確実に動作させることができる。
【0031】
また、吐出口102eを、固定スクロールの巻始め直線部102a2に交差する位置に配設することにより、吐出口102e直径を大きくとることが可能となり、吐出流路抵抗を低減できる。また、外・内線側圧縮室104a4,104b4が最内周圧縮室104c1を構成する時に吐出口102eに連通を開始する構成としたことで、吐出動作に関係する圧縮室を最内周圧縮室のみと限定することができ、確実な吐出動作を実施できる。
【0032】
また、設計圧力比を低くして側面シール部を常に外・内線側圧縮室に各々2箇所構成するとしたことにより、スクロールラップ中央部の領域を大きくできることから吐出口102e直径を大きく構成することが可能となり吐出流路抵抗を低減でき、かつ側面シール部を2箇所設けていることから圧縮室内の漏れにも十分対応することができる。上記の効果により、広範な運転範囲において高いエネルギー効率の確保を図るに好適な吐出弁119を具備したスクロール流体機械を実現できる。
【0033】
本発明の第2の実施例について、図4を用いて詳細に説明する。吐出弁219部の構成以外は、第1の実施例と同様であり、異なる部分のみを説明する。吐出弁219は、吐出口102eに配設する。吐出弁219は、弁体219a、支持バネ219b、リテーナ219c、ガイド219d及び作動流体・油抜き穴219eから構成する。本実施例の特徴は、第1の実施例の吐出弁219構造に比べて、ガイド219cの構造が異なっているが、機能は同一である。本実施例のようにガイドピン部を弁体219a側に設けることで、弁体219aの軽量化が図れるなどの利点が有り、吐出弁219の固有振動数を高くすることができることから周波数応答性の改善を図ることができる。
【0034】
本発明の第3の実施例について、図5を用いて詳細に説明する。固定スクロールラップ102aと弁体119aとの隙間部231の構成以外は第1の実施例と同様であり、異なる部分のみを説明する。本実施例は、隙間部231をテーパ形状に構成することで、作動流体の吐出時の乱れを低減し、流路抵抗の低減と吐出弁の異常開弁を抑制する効果がある。隙間部231は、再膨張空間に相当するため小さい方が良いわけだが、行程容積に対してそれ程大きな割合とならない場合は、上記効果の他、吐出口102eの加工における加工穴をそのまま流用できるなどの加工コストの低減を図ることもできる。
【0035】
本発明の第4の実施例について、図6を用いて詳細に説明する。スクロール部の構成以外は、第1ないし第3の実施例と同様であり、異なる部分のみを説明する。図6は、吐出完了時の噛み合い状態を示す。本実施の形態では、吐出口302eは固定スクロール302に配設する。旋回スクロールラップ303a内側に構成する圧縮室を内線側圧縮室304b4、旋回スクロールラップ303a外側に構成する圧縮室を外線側圧縮室304a4と呼ぶ。
【0036】
また、外・内線側圧縮室において吸込完了時の容積は異なり、かつ吸込完了の噛み合い位置も異なる。外線側圧縮室の方が角度で約180°早くに吸込を完了し、該吸込完了時の吸込容積が大きい(以下、スクロールラップの非対称化と呼称する)。これら吸込完了時の様相が、第1ないし第3の実施例と異なる点であり、本実施例では、側面シール部が外線側圧縮室では2箇所もしくは3箇所となるものであり、常に2箇所となるのは、内線側圧縮室のみとなることが特徴の1つとなる。
【0037】
シール部は減少しないので、圧縮室の内部漏れには十分対応することができる。スクロールラップの非対称化は、同一径・同一高さの圧縮機で行程容積を増やすことができることから、行程容積一定とすれば圧縮機の小型化や設計自由度を増大させることができる。また、非対称化によりトルク変動や荷重変動を抑制することができるので、機械損失の低減や静音化を図ることができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明により、吐出流路抵抗低減、弁体受部の強度信頼性確保、再膨張空間適正化及び吐出弁の異常開弁抑制を実現して、広範な運転範囲において高いエネルギー効率の確保ができる吐出弁を具備したスクロール流体機械を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例のスクロール部構成図を示す。
【図2】第1の実施例の吐出弁部構成図を示す。
【図3】第1の実施例の圧縮行程説明図を示す。
【図4】第2の実施例の吐出弁部構成図を示す。
【図5】第3の実施例の吐出弁部構成図を示す。
【図6】第4の実施例のスクロール部構成図を示す。
【図7】従来の技術のスクロール流体機械の縦断面図を示す。
【図8】従来の技術のスクロール部構成図を示す。
【図9】従来の技術の吐出弁部構成図を示す。
【符号の説明】
2,102,302…固定スクロール
2e,102e,302e…吐出口
3,103,303…旋回スクロール
4,104,304…圧縮室
4a,104a,304a…外線側圧縮室
4b,104b,304…内線側圧縮室
4c,104c…最内周圧縮室
7…フレーム
9…オルダムリング
15…吸込空間
16…吐出空間
19,119,219…吐出弁

Claims (4)

  1. 旋回スクロール部材と、固定スクロール部材と、両スクロール部材の間に閉塞して容積が縮小する圧縮室と、圧縮した作動流体を該圧縮室から吐出空間へと吐出するための連通路である吐出口と、前記圧縮室圧力が該吐出空間圧力より大きな場合に開口する該吐出口に設けた吐出弁と、該旋回スクロール部材を旋回駆動する駆動手段と、を備え、前記両スクロール部材の外線と内線の巻始め部を各々曲線部とし、かつ該曲線部の接続をほぼ直線部で構成し、前記吐出口に設けられた前記吐出弁の弁体受部をテーパー形状とすると共に、圧縮動作中に前記直線部どうしが互いにほぼ接して最内周圧縮室の容積をほぼゼロにした後で次の圧縮室が前記吐出口と連通するようにし、前記固定スクロール部材における前記直線部を前記吐出口の直径とほぼ一致する位置に配置させると共に、前記吐出弁の弁体の圧縮室圧力受圧部が、直接に前記作動流体の圧力変化を全面で受けることができるように、前記固定スクロール部材における直線部の基底部に一部入り込ませて、前記最内周圧縮室と前記吐出弁の弁体の圧縮室圧力受圧部との間の前記吐出口側に補助連通路としての隙間を設けてなるスクロール流体機械において、
    前記旋回スクロール部材の内線側に形成される内線側圧縮室と、前記旋回スクロール部材の外線側に形成される外線側圧縮室と、の吸込完了時容積及び吸込完了時期がほぼ同一であって、前記旋回スクロール部材のいかなる圧縮動作位置においても、前記外線側圧縮室と前記内線側圧縮室との側面シール部が、各々2箇所であることを特徴とするスクロール流体機械。
  2. 旋回スクロール部材と、固定スクロール部材と、両スクロール部材の間に閉塞して容積が縮小する圧縮室と、圧縮した作動流体を該圧縮室から吐出空間へと吐出するための連通路である吐出口と、前記圧縮室圧力が該吐出空間圧力より大きな場合に開口する該吐出口に設けた吐出弁と、該旋回スクロール部材を旋回駆動する駆動手段と、を備え、前記両スクロール部材の外線と内線の巻始め部を各々曲線部とし、かつ該曲線部の接続をほぼ直線部で構成し、前記吐出口に設けられた前記吐出弁の弁体受部をテーパー形状とすると共に、圧縮動作中に前記直線部どうしが互いにほぼ接して最内周圧縮室の容積をほぼゼロにした後で次の圧縮室が前記吐出口と連通するようにし、前記固定スクロール部材における前記直線部を前記吐出口の直径とほぼ一致する位置に配置させると共に、前記吐出弁の弁体の圧縮室圧力受圧部が、直接に前記作動流体の圧力変化を全面で受けることができるように、前記固定スクロール部材における直線部の基底部に一部入り込ませて、前記最内周圧縮室と前記吐出弁の弁体の圧縮室圧力受圧部との間の前記吐出口側に補助連通路としての隙間を設けてなるスクロール流体機械において、
    前記旋回スクロール部材の外線側圧縮室の方が内線側圧縮室よりも早くに吸込を完了するようにし、その場合外線側圧縮室の吸込完了時容積が内線側圧縮室の吸込完了時容積よりも大きくなり、かつ、前記内線側圧縮室のみ該内線側圧縮室の側面シール部が常に2箇所であると共に、前記外線側圧縮室では、該外線側圧縮室の側面シール部が2箇所もしくは3箇所であることを特徴とするスクロール流体機械。
  3. 前記吐出弁に、前記作動流体の流動方向に前記弁体を移動可能とするガイドが、設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載のスクロール流体機械。
  4. 前記ガイド内に停留する作動流体や潤滑油を逃がす穴部が、設けられたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のスクロール流体機械。
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