JP4051001B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置に係り、特に動画表示に好適なアクティブマトリクス型の液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は液晶パネルと光源とから構成され、光源からの光量を液晶パネルで調整して画像表示を行う。液晶パネルは、少なくとも一方が透明な一対の基板を所定の間隔をもって配置し、この間隔に液晶を注入して構成される。一対の基板のそれぞれと液晶の層との間には配向膜と呼ばれる高分子薄膜が配置され、液晶の分子を所定の方向(配向方向)に配列させるための配向処理が施されている。また、基板上には画素毎に画素電極や共通電極などの電極が形成され、これら電極間に電圧を印加することにより、液晶分子の配向方向を変化させ、それにより生じる液晶層の光学特性の変化により液晶パネルの光透過率を調整する。
【0003】
アクティブマトリクス型の液晶表示装置は、基板上に複数の画素をマトリクス状に配置し、各画素ごとに薄膜トランジスタ等のスイッチング素子が配置され、このスイッチング素子で画素の選択を行って所要の当該画素に表示のための電圧を印加するように構成される。
【0004】
従来のアクティブマトリクス型の液晶表示装置では、主にTN(Twisted Nematic)方式が利用されてきたが、このTN方式の液晶表示装置は、その表示原理上、視野角が狭いという特徴を有する。これを改善する手段の一つとして、「特許文献1」「特許文献2」などに開示されたIPS(In- Plane Switching)方式の液晶表示装置が知られている。
【0005】
図28はIPS方式の液晶表示装置の画素部を構成する電極構成例の説明図であり、図28(a)は一画素の平面図、同(b)は同(a)のA−A’線に沿った断面図、同(c)は同(a)のB−B’線に沿った断面図である。また、図29は図28に示した一方の基板を対向する他方の基板と共に示す断面図である。そして、図30はIPS方式の液晶表示装置の駆動システムを説明する等価回路図である。図28に示した基板は、一方の基板(スイッチング素子として、通常は薄膜トランジスタを有することからTFT基板と称する)である。図28、図29、図30において、参照符号1は一対の基板であり、1Aは一対の基板を構成する一方の基板、1Bは他方の基板であり、一方の基板1Aの内面には第1の電極である画素電極3、第2の電極である共通電極4、走査配線7、信号配線8が絶縁膜10を介して配置されている。そして、内面の最表面には配向膜12が形成されている。
【0006】
他方の基板1Bの内面には、カラーフィルタ14、カラーフィルタを区画するブラックマトリクス15を有し、オーバーコート膜13を介して配向膜12が形成されている。また、各基板1A,1Bの外面には偏光板17A,17Bがそれぞれ積層されている。なお、図30における参照符号9は薄膜トランジスタ、21は表示制御装置、22は走査電極駆動回路、23は信号電極駆動回路、24は共通電極駆動回路を示す。
【0007】
図28、図29および図30に示したように、このIPS方式の液晶表示装置では、液晶の層(図29では液晶の層として示してある)を挟持する一対の基板1A、1Bのうち、一方の基板1A上にのみ電極群(電極対である第1の電極:画素電極3と第2の電極:共通電極4)が形成される。そして、マトリクス状に形成される走査配線7と信号配線8に囲まれる各画素領域に、画素電極3と共通電極4が配置されている。
【0008】
画素電極3はスイッチング素子としての薄膜トランジスタTFT(Thin Film Transistor)9を介して信号配線8に電気的に接続される。液晶の駆動は、画素電極3と共通電極4との間に生じる基板面にほぼ平行な横電界18により行われ、液晶の層を構成する分子の配向方向(配向軸)を基板面にほぼ平行な面内で回転させ、外部に配置した図示しない光源からの光透過率を制御する。このため、画面を見る角度によって階調や色調の反転を生じることがなく、従来のTN方式に比べ視野角が広い。また、IPS方式の液晶表示装置では色再現性などの表示性能も優れており、今後の大画面液晶モニタや液晶テレビにとって重要な技術である。
【0009】
【特許文献1】
特公昭63−21907号公報
【特許文献2】
米国特許明細書第4345249号
【特許文献3】
特開平11−231344号公報
【非特許文献1】
「ホールド型ディスプレイにおける動画表示の画質」(電子情報通信学会技報EID99−10 p55)
【非特許文献2】
「A Novel Wide−Viewing−Angle Motion−Picture LCD( H.Nakamura,et.al:SID98 Digest, pp.143−146( 1998))」
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、IPS方式を含め、従来の液晶表示装置においては、動画像を表示する場合に、その動画像の輪郭が不鮮明になるという「動画ぼやけ」現象を生じる。この動画ぼやけは、画質の劣化を引き起こす大きな問題であり、今後の液晶TVなどの動画対応液晶表示装置においては、これを改善する必要がある。
【0011】
この「動画ぼやけ」に関する詳細は、例えば「非特許文献1」で述べられており、(1)液晶分子の応答速度が遅い、(2)液晶表示装置は1フレーム内で輝度を保持するホールド型表示である、ことに起因する。特に(1)については、液晶表示装置の根本的な課題であり、これを解決することなく、高品質な動画対応液晶表示装置を得ることは困難である。
【0012】
例えば、IPS方式の液晶表示装置における液晶の立上り応答時間τon及び立下り応答時間τoff は、下記の(式1)、(式2)で表せることが一般に知られている。
【数1】
【数2】
ここで、γ1 は液晶の粘度、Δεは誘電率異方性、K2 は弾性定数、dは液晶層の厚み(ギャップ)、Eは液晶に印加される電界強度である。
【0013】
(式1)から分かるように、液晶の立上り応答時間は、液晶の粘度や弾性定数、誘電率などの材料物性に加え、液晶に印加される電界強度に大きく影響される。従って、立上り応答時間を短縮するために、以下2つのアプローチがある。
【0014】
▲1▼ 液晶材料開発によるアプローチ
▲2▼ 電界強度の高効率化によるアプローチ
▲1▼については、液晶の低粘度化や、高Δε化などが提案されている。また、▲2▼については、一時的に必要以上の電圧を印加し、実効的な電界強度を大きくするオーバードライブ駆動や、「特許文献3」に示されているように、対向基板側に新規に共通電極を配置し、液晶に印加される電界の効率を向上させる手段が提案されている。このように2つのアプローチ(材料開発と駆動の改善)により十分に立上り応答時間を改善することは可能である。
【0015】
一方、立下り応答時間は(式2)から分かるように、材料物性だけで決まり、電界強度に影響されないため、上記のオーバードライブ駆動や、「特許文献3」に示された電極構造によって改善することは困難である。現状では、主に液晶材料の低粘度化によってのみ立下り時間を改善しているに過ぎない。しかし、今後の動画対応の液晶表示装置の画質向上を考えれば、特に立下り応答時間のさらなる短縮化は必須であり、液晶材料物性の改良だけでは困難な状況である。
【0016】
また、特に動画対応の液晶表示装置では、上記「動画ぼやけ」の原因(2)を改善し、インパルス型表示を実現するために、例えば1フレーム内で映像信号を書き込んだ後に黒レベルに相当する信号を書き込み、液晶の透過率を間欠にする黒書き込み駆動が「特許文献2」などに提案されている。これらの提案された技術においても、立下り応答時間は大きく影響する。
【0017】
図31はIPS方式の液晶表示装置における黒書き込み駆動する場合の信号波形例の説明図である。図31では、1フレーム(1frame)内で黒レベルに相当する信号を書き込む2倍速駆動の例である。波形(a)のVG は走査配線に供給される信号波形(VGHはハイレベル、VGLはローレベル)、波形(b)のVD は信号配線に供給される信号波形(VDHはハイレベル、VDLはローレベル)、波形(c)のVS は画素電極に印加される信号波形である。なお、波形(d)のVC は共通電極に印加される信号波形、GNDはグランドレベルを示す。
【0018】
このとき、図31(e)に示すように、立下り応答が遅い場合には輝度立下り時において十分な黒レベルまで低下しないために理想的な間欠表示とはならない。従って、現行のように液晶の応答速度が遅い場合には、黒書き込み駆動により、「動画ぼやけ」をある程度改善すること可能であるが、十分に改善することはできない。
【0019】
さらに、インパルス型表示を実現するための別の手段として、光源を1フレーム内で点灯状態と消灯状態を有するブリンクバックライト方式が提案されている。図32はブリンクバックライト方式における液晶透過率変化を説明する波形図である。図32における(a)は液晶パネル(図では単にパネルと表記)の上段における液晶透過率、(b)はパネル中段における液晶透過率、(c)はパネル下段における透過率、(d)はバックライト(BL)の点灯(on)・消灯(off)のタイミングを示す。液晶表示装置では一般に線順次駆動がなされ、液晶パネルの上段(走査開始側)から下段に向かって、1フレーム内で信号の書き込みが行われ、その信号に応じて液晶の透過率が変化する。そして、バックライトはパネル中央部の液晶透過率が所定の透過率に達した時点で点灯される。このとき、信号書き込みのタイミングによりパネル上段では液晶透過率は立下り始めており、パネル下段では立ち上がる途中である。このような場合、本来の画像のデータ(映像信号)とは無関係な輝度(斜線部分)が人間の視覚で積算されることになり、ゴーストと呼ばれる二重像を生じる。このゴーストは、液晶表示装置において動画質の大きな劣化を招いており、この現象を抑制するためにも液晶の応答速度向上技術は必須である。
【0020】
以上からわかるように、液晶応答速度の向上(特に立下り応答時間の短縮)は、動画対応液晶表示装置において必須の課題である。先に述べたように、液晶の立上り応答時間については、液晶材料物性の改良に加え、駆動や電極構造の工夫により向上することが提案されているが、立下り応答時間については、今のところ材料物性の改良でしか向上できない。しかし、今後の開発にはさらなる立下り応答時間の短縮は必須であり、それを可能とする液晶材料開発以外での新規な技術が必要である。
【0021】
従って、本発明の目的は、液晶表示装置の輝度応答時間のうち、特に立下り応答時間を短縮することにより、動画質を大きく左右する「動画ぼやけ」を抑制し、高速応答を実現した高品質な動画対応液晶表示装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも一方が透明な一対の基板と、前記一対の基板間に挟持された液晶の層と、前記一対の基板の一方にマトリクス状に配列された複数の画素の各画素毎にそれぞれ形成された電極群を有し、前記電極群の間に電圧を印加して前記液晶の配向方向を制御し、前記一対の基板の外側に設置した光源から入射する光の光量を調整することにより画像表示を行う液晶表示装置において、
画像表示期間では、前記一対の基板面にほぼ平行な電界により液晶を駆動し、画像非表示期間の初期段階では、前記一対の基板面にほぼ垂直な電界により前記液晶の配向方向を制御する液晶駆動手段を設けた。
【0023】
上記液晶駆動手段を実現する一つの構成例として、前記一対の基板の前記第1の電極と第2の電極を形成した前記一方の基板に対向する他方の基板上に第3の電極を設け、
画像表示期間では、前記第1の電極と前記第2の電極には異なる電位が与えられ該電極間に生じる基板面にほぼ平行な電界により液晶の配向方向を制御し、
画像非表示期間の初期段階では、前記第1の電極と前記第3の電極には異なる電位が与えられ該電極間に生じる基板面にほぼ垂直な電界と、前記第2の電極と前記第3の電極には異なる電位が与えられ該電極間に生じる基板面にほぼ垂直な電界により液晶の配向方向を制御する液晶駆動手段を設けた。
【0024】
このとき、第1の電極と第2の電極は、櫛歯形状であることが望ましい。あるいは、第1の電極と第2の電極のうち、一方の電極は櫛歯形状であり、もう一方の電極は、画素のほぼ全面を覆うベタ状電極であり、櫛歯形状電極が絶縁膜を介してベタ状電極と重畳している構造でもよい。
【0025】
さらに、第3の電極は、画素のほぼ全面を覆うベタ状電極であることが望ましい。また、このベタ状電極は、各画素で個別に駆動できることが望ましく、さらには全画素で一括駆動できることが望ましい。
【0026】
また、上記手段を実現する他の構成例として、前記一対の基板の前記第1の電極と第2の電極を形成した前記一方の基板に対向する他方の基板上に第3の電極が形成され、
前記第1の電極及前記第2の電極と前記一方の基板との間に絶縁膜を介して形成された第4の電極を有し、
画像表示期間では、前記第1の電極と前記第2の電極には異なる電位が与えられ該電極間に生じる基板面にほぼ平行な電界により液晶を駆動し、画像非表示期間の初期段階では、前記第3の電極と前記第4の電極には異なる電位が与えられ該電極間に生じる基板面にほぼ垂直な電界により液晶の配向方向を制御する液晶駆動手段を設けた。
【0027】
このとき、第1の電極と第2の電極は、櫛歯形状であることが望ましい。あるいは、第3の電極と第4の電極のうち少なくとも一方の電極は、画素のほぼ全面を覆うベタ状電極であってもよい。
【0028】
さらに、ベタ状電極のうち、少なくとも一方のベタ状電極は、各画素で個別に駆動できることことが望ましく、さらには全画素で一括駆動できることが望ましい。
【0029】
上記手段を実現するさらに他の構成例として、前記第1の電極と前記第2の電極が形成した前記一方の基板に対向する他方の基板上に第3の電極及び第4の電極が形成され、
画像表示期間は、前記第1の電極と前記第2の電極には異なる電位が与えられ該電極間に生じる基板面にほぼ平行な電界と、前記第3の電極と前記第4の電極には異なる電位が与えられ該電極間に生じる基板面にほぼ平行な電界により液晶の配向方向を制御し、画像非表示期間の初期段階では前記第1の電極と前記第3の電極には異なる電位が与えられ該電極間に生じる基板面にほぼ垂直な電界と、前記第2の電極と前記第4の電極には異なる電位が与えられ該電極間に生じる基板面にほぼ垂直な電界により前記液晶の配向方向を制御する液晶駆動手段を設けた。
【0030】
このとき、第1から第4の電極は、櫛歯形状であることが望ましい。あるいは、第1の電極と第3の電極は櫛歯形状であり、第2の電極と第4の電極は画素のほぼ全面を覆うベタ状電極であり、第1の電極は第2の電極上に絶縁膜を介して重畳し、さらに第3の電極は第4の電極上に絶縁膜を介して重畳していてもよい。
【0031】
さらに、ベタ状電極は、各画素で個別に駆動できることが望ましく、さらには、全画素で一括駆動できることが望ましい。
【0032】
また、上記電極構造において、効率よく本発明の効果を得るためには、以下の構成を用いることが望ましい。すなわち、3つの異なる電極を有する場合には、画像非表示期間の初期段階で第1の電極と第2の電極の電位をほぼ等しく、第3の電極の電位のみを異なる電位とする。
【0033】
また、4つの異なる電極を有する場合には、画像非表示期間の初期段階で、第1の電極と第2の電極と第4の電極の電位をほぼ等しく、第3の電極の電位のみを異なる電位とする。さらには、画像非表示期間の初期段階で、第1の電極と第2の電極の電位をほぼ等しく、第3の電極と第4の電極との電位をほぼ等しく、そして、第1の電極と第3の電極を異なる電位とする。
【0034】
上記手段を用いることにより、液晶表示装置の輝度応答時間のうち特に立下り応答時間を短縮し、これにより、動画質を大きく左右する「動画ぼやけ」を抑制した高品質な動画対応液晶表示装置を提供することができる。
【0035】
なお、前記液晶層の液晶分子はホモジニアス配向であり、その誘電率異方性は正であることが望ましい。また、前記電極のうち少なくとも一つは透明導電膜で形成し、前記櫛歯電極は、くの字型に形成することが望ましい。また、前記対向基板に前記第3の電極のみが形成される構成においては、前記第3の電極と前記液晶の層との間に、配向膜を除く少なくとも1層以上の誘電体層を形成することが望ましい。
【0036】
さらに、1フレーム内に画像表示期間と画像非表示期間を有し、1フレーム内で間欠表示駆動を有する構成とする。
【0037】
そして、前記光源は、1フレーム内で点灯状態と消灯状態を有する構成とすることができる。
【0038】
なお、本発明は、上記の構成および後述する実施の形態で説明する構成に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱することなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、添付の図面を参照して詳細に説明する。具体的な実施の形態に先立ち、本発明による液晶表示装置の基本構成を説明する。図1と図2は本発明の基本概念の説明図であり、図1は液晶駆動の各状態において画素内で発生する電界の方向と液晶分子の動きの説明図である。図1左列の図は各状態における液晶パネルの断面から見た液晶分子の動きを示し、右列の図は平面図を示している。また、図2は液晶駆動の各状態に対応する液晶透過率(液晶パネル輝度)の時間変化の説明図である。
【0040】
なお、図1での(a)状態I、(b)状態II及び(c)状態III と図2での状態I、状態II及び状態III はそれぞれ対応しており、状態Iから状態IIへの変化を過程I、状態IIから状態III への変化を過程II、さらに状態III から状態Iへの変化を過程III と定義する。またここで、画像表示期間とは、過程Iにおける光を透過する期間であり、画像非表示期間とは、黒レベルの信号を書き込まれる過程II及び過程IIIの期間と定義している。
【0041】
本発明の基本構成では、少なくとも一方が透明な一対の基板1A,1Bと、これら一対の基板間に挟持された液晶の層2(液晶分子で表記)と、基板1A上に画素毎に形成された電極、すなわち第1の電極3及び第2の電極4と、基板1B上に形成された第3の電極5からなる。そして、第1の電極3及び第2の電極4の間に電圧を印加することにより、液晶(液晶分子)2の配向方向を制御し、一対の基板1A,1Bの外側に配置された光源(図示せず)からの光量を調整して画像表示を行う。すなわち、画像表示期間(過程I)では、第1の電極3と第2の電極4の間に電圧が印加され、一対の基板1A,1Bの基板面にほぼ平行な電界18により液晶分子を駆動し、画像非表示期間の初期段階(過程II)では、第1の電極3と第2の電極4の間に電圧を印加せず第1の電極3及び第2の電極4と第3の電極5の間に電圧を印加する。そして、一対の基板面にほぼ垂直な電界19により液晶分子を駆動する。
【0042】
このような液晶分子の駆動では、従来のIPS方式の液晶表示装置に比べ、特に立下り応答時間を短縮することが可能となる。これについて以下に詳細に説明する。
【0043】
図1の状態Iでは、各電極に電圧を印加せず、電界は発生していない。従って、液晶分子2は初期配向方向20(ラビング方向)に一様に配向している。このとき、一対の基板のそれぞれの外面に積層して配置された偏光板17A、17Bはクロスニコル配置とし、一方の偏光板の透過軸は液晶の初期配向方向に一致している。従って、状態Iにおいては図2に示すように液晶透過率(輝度)はほぼゼロであり黒色表示となる。
【0044】
次に、第1の電極3(例えば、画素電極とする)と第2の電極4(例えば、共通電極とする)の間に電圧を印加すると、これらの電極間に生じる基板面にほぼ平行な電界18(横電界)により、液晶分子2の配向方向は基板面にほぼ平行な面内で回転し、光を透過する(過程I)。この過程Iは従来のIPS方式液晶表示装置における液晶分子の駆動と同じである。そして、立上り応答時間は従来のIPS方式液晶表示装置と同等である。
【0045】
表示をオフ(画像非表示)する場合には、まず基板1B(以下、対向基板とも称する)上に形成された第3の電極5に電圧を印加する。これにより、第3の電極5と第1の電極3の間、または第3の電極5と第2の電極4の間で基板面にほぼ垂直な電界19(縦電界)が発生する。この電界19を利用して液晶分子を基板面に対して立ち上がるように駆動する。なお、図1のように縦電界により液晶分子を立ち上がらせるためには液晶はポジ型(誘電率異方性が正)である必要がある。このとき、上記したように、偏光板17A、17Bはクロスニコル配置であるために、液晶分子2を基板面にほぼ垂直に立てることにより黒色表示とすることができる。図2に示すように状態III では黒色表示となる。
【0046】
液晶分子2を基板面にほぼ垂直な電界により起き上がらせることによって、黒を表示した後、各電極(画素電極である第1の電極3、共通電極である第2の電極4、第3の電極5)の電位を同電位に設定すると、画素内では無電界状態となる。これにより、立ちあがっていた液晶分子は、初期配向方向に向かって倒れていく。この液晶分子が倒れていく過程(過程III )では、偏光板17A、17Bがクロスニコル配置のため黒色表示のままである。
【0047】
ここで、重要な点は、時間的に横電界と縦電界を使い分け、特に立下り応答については縦電界により液晶を駆動し黒を表示することである。従来の表示モードでは、黒表示すなわち立下り応答時間は粘度や弾性定数など液晶材料の材料物性で決まっていたが、本発明では、材料物性以外に縦電界19を利用して立下り応答時間を制御できるため応答時間を短縮することが可能である。
【0048】
またこのとき、縦電界を有効に作用させるためには、第3の電極に電圧を印加するときに第1の電極3と第2の電極4の電位がほぼ等しいことが望ましい。すなわち、これら第1の電極3と第2の電極4の間には電界が生じないことが望ましい。同一基板上に形成された電極間での電位差により生じる電界を小さくすることで、対向電極である第3電極との間に生じる縦電界強度を有効に利用することができる。
【0049】
このような液晶分子の駆動により、従来のIPS方式液晶表示装置に比較して、立下り応答時間を短縮することが可能である。そして、この液晶分子の駆動を実現できる電極構造としては、図3に示すように大別して5つの電極構造が考えられる。
【0050】
図3は本発明の液晶表示装置における液晶分子駆動のための代表的な電極構造と電界形成の説明図である。なお、図3中の図1と同一参照符号は同一機能部分に対応し、参照符号6は第4の電極である。代表的な電極構造の一つは、図3(a)に示すように、一方の基板1A側に異なる2種類の櫛歯電極(第1の電極3と第2の電極4)を形成し、もう一方の基板1B上には画素のほぼ全面を覆う第3の電極5としてベタ状電極を形成する構造である。画像表示期間では、一方の基板1A上に形成された第1の電極3と第2の電極4に異なる電位を与えて基板面にほぼ平行な電界18により液晶を駆動し、画像非表示期間の初期段階では、第1の電極3と第2の電極4を、例えばゼロ電位と同電位に設定し、同時に第3の電極5に所定の電位を与えることにより第1の電極3及び第2の電極4との間に縦電界19を発生させる。この縦電界19により液晶分子を立ち上げて黒を表示する。その後、全電極を例えばゼロ電位に設定し、液晶に電界が印加されない状態とすることで、液晶分子は初期の配向状態の戻る。この過程では、黒色表示のままである。
【0051】
図3(b)では、基板1Aにベタ電極とした第2の電極4を形成し、その上に絶縁膜10を介して櫛歯電極状の第1の電極3を重畳させた構造である。本構造では、画像表示期間で重畳している櫛歯電極状の第1の電極3の端部で発生する電界を主に利用して液晶分子を駆動し、白表示を行う。画像非表示期間の初期段階では、これら電極を同電位(例えばゼロ電位)とし、対向基板である基板1Bに配置したベタ状電極である第3の電極5に電位を与え、その間に生じる縦電界19により液晶分子を立ち上がらせて黒表示を行う。その後、先と同様に全電極を例えばゼロ電位とすることで液晶分子は初期の配向状態に戻る。この過程では黒色表示のままである。この構造では、各基板1A、1B上に形成されたベタ電極(第2の電極4、第3の電極5)により縦電界を発生させるため(a)に示した構造に比べ効率よく縦電界を発生し、利用することができる。
【0052】
図3(c)では、基板1A上に形成された2つの異なる櫛歯状電極(第1の電極3と第2の電極4)間に生じる電界18により液晶分子を駆動し、白表示を行う。そして、基板1A側の上記第1の電極3と第2の電極4の下層に絶縁膜10を介して形成したベタ電極状の第1電極6を設け、第1の電極3と第2の電極4および第4電極の電極群と対向する基板1Bに配置されたベタ状電極である第3電極5との間に生じる縦電界19を利用して液晶分子を立ち上がらせて黒表示を行う。
【0053】
図3(d)では、基板1Aに設けた櫛歯状の第1の電極3と第2の電極4および基板1Bに設けた櫛歯状の第3の電極5と第4の電極6でそれぞれの1A、1B上で各基板面に平行な横電界18を形成して白表示を行う。黒表示を行うときには、基板1A上に形成された第1の電極3と第2の電極4、および基板1B上に形成された第3の電極5と第4の電極6の間に縦電界19を形成する。
【0054】
図3(e)では、基板1A上に形成したべた電極状の第2の電極4と、第2の電極4上に絶縁膜10を介して櫛歯状に形成した第1の電極3を有し、基板1B上に形成したべた電極状の第5の電極6と、第5の電極6上に絶縁膜10を介して櫛歯状に形成した第3の電極5を有している。白表示を行う場合は各基板に有する第1の電極3と第2の電極4の間、および第3の電極5と第4の電極6の間に横電界18を形成し、黒表示を行う場合は基板1Aの電極群と基板1Bの電極群の間に生じる縦電界19を利用する。
【0055】
また、図3(a)、図3(b)、図3(c)に示されたベタ状の第3の電極5は、画素ごとに薄膜トランジスタ(TFT)などのアクティブ素子で個別に駆動してもよいし、基板全面に一括で形成し直接駆動回路に接続して一括駆動するようにしてもよい。個別に駆動する場合には、各画素を独立したタイミングで黒表示を書き込める。一方、全面一括形成の場合には、全面同一タイミングで黒表示を書き込むことが可能である。
【0056】
さらに、これらベタ状電極は、液晶パネルの透過率を考えて、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化インジウムゲルマニウム(IGO)、さらにはこれらの混合物などの透明導電膜が望ましい。櫛歯電極の場合には、透過率を考えれば、透明導電膜を利用することが望ましいが、これに限ることなく光を透過しないクロムやアルミ、銅などの金属材料を用いてもよい。
【0057】
上記した各構造において、縦電界19を効率よく生じさせ、立下り応答時間を短縮するためには、画像非表示期間の初期段階において、第1の電極3と第2の電極4の電位をほぼ等しくし、第3の電極5のみの電位を異なるように設定することが望ましい。これは、第1の電極3と第2の電極4の電位が異なる場合には、縦電界と同時に、画像表示期間と同様の横電界を生じ、液晶分子は初期配向方向と異なる方位で立ち上がるために、完全な黒表示をすることが困難になるからである。これはコントラスト低下など画質の劣化を引き起こす。
【0058】
また同様に、4つの異なる電極を有し、そのうち3つの電極(第1の電極3、第2の電極4、第4の電極6)が同一の基板上に形成されている構造(図3(c))においては、画像非表示期間の初期段階において、第1の電極3と第2の電極4と第4の電極6の電位がほぼ等しく、第3の電極のみが異なることが望ましい。これは上記と同様、画像非表示期間において、同一の基板1A上に形成された3つの電極間で不要な横電界を発生させないためである。
【0059】
さらに、4つの異なる電極を有し、各基板上に2つずつの電極が形成されている構造(図3(d)、(e))では、画像表示期間において、液晶層の上下でそれぞれ横電界を発生するので、従来の横電界方式液晶表示装置に比較して横電界密度が大きくなるため、有効に液晶分子が駆動され、立上り応答時間の短時間化が期待できる。また、画像非表示期間の初期段階において、第1の電極3と第2の電極4の電位をほぼ等しく、第3の電極5と第4の電極6の電位をほぼ等しくすることにより、上基板に形成された電極群と下基板に形成された電極群の間で効率よく縦電界を発生することが可能となり、立下り応答時間の短縮化を図ることができる。
【0060】
また、近年、液晶表示装置における動画表示の劣化は、1フレーム内で輝度を保持するホールド型に表示に起因することが指摘されている。動画対応液晶表示装置では、インパルス型表示が必要とされている。これを実現する手段として、先に述べた黒書き込み駆動やブリンクバックライト方式が提案されている。これらの技術により高品質な動画像を表示するためには、前記したように特に立下り応答時間の短縮化は必須である。
【0061】
黒書き込み駆動では、従来は液晶の立下り応答が遅いために十分な黒レベルまで輝度が低下しないために、1フレーム内で理想的な間欠表示とならず、「動画ぼやけ」をある程度改善することが可能であるが、十分に改善することができない。黒書き込み駆動による間欠表示では、画像表示期間の輝度と画像非表示期間の輝度のコントラスト比が高くなければならない。これはすなわち、立下り応答を速くする必要があるということである。従って、黒書き込み駆動において、上記電極構造及び液晶駆動を利用することにより、立下り応答の速い黒書き込み駆動(理想的な間欠表示)が可能となり、「動画ぼやけ」を十分に改善することができる。
【0062】
また、ブリンクバックライト方式では、先に述べたように、液晶の立上がり及び立下り応答時間とバックライトの点灯タイミング差によりゴースト現象を生じる。この現象は、前記図32に斜線部で示した部分の輝度差を人間の目が認知するために生じる現象であり、立上がり及び立下り応答時間を短縮することにより抑制が可能である。従って、ブリンクバックライト方式において、上記電極構造及び液晶駆動を利用することにより、ゴースト現象を抑制することができる。
【0063】
本発明では、液晶の応答速度、特に立下り応答時間を短縮できるだけでなく、それにより、黒書き込み駆動やブリンクバックライト方式など動画対応技術を適応した場合に新規に生じる課題も解決することが可能であり、従来に比べ高品質な動画対応液晶表示装置を提供することができる。以下、具体的な実施例を示すが、本発明は以下の実施例に限られるものではないことは前記したとおりである。
【0064】
先ず、本発明の第1実施例と第2実施例を図4乃至図7を参照して説明する。図4は本発明の第1実施例および第2実施例の画素部の電極構のを説明図である。図4(a)の上側の図は一方の基板(薄膜トランジスタを形成した基板、以下TFT基板1A)の平面図、下側の図は上側の図のA−A’線に沿った断面図であり、図4(b)の上側の図は他方の基板(カラーフィルタを形成した基板、以下CF基板1B)の平面図、下側の図は上側の図のB−B’線に沿った断面図である。図4における前記図1、図3と同一参照符号は同一機能部分に対応し、参照符号8A,8Bは信号配線、9AはTFT基板1Aに有する画素電極駆動用の薄膜トランジスタ、9BはCF基板1Bに設けた第3の電極5の駆動用の薄膜トランジスタ、11は薄膜トランジスタ9Bの出力電極(ソース電極)と第3の電極5を接続するスルーホール、13はオーバーコート膜、14はカラーフィルタ、15はブラックマトリクスを示す。
【0065】
また、図5は本発明の第1実施例と第2実施例における画素部の断面図であり、図5(a)は第1実施例の画素部を、図5(b)は第2実施例の画素部を示す。図6は本発明の第1実施例と第2実施例における液晶表示装置の駆動システムを説明する等価回路図である。図6における図30と同一の参照符号は同一機能部分に対応し、参照符号23A,23Bは信号電極駆動回路、参照符号27は表示画素部を示す。また、図7は各電極及び配線に供給される信号波形の前記図31と同様の説明図で、(a)のVG は走査配線に供給される信号波形(VGHはハイレベル、VGLはローレベル)、波形(b)(e)のVD1, VD2は第1の信号配線に供給される信号波形、第2の信号配線に供給される信号波形をそれぞれ示し、VDHはハイレベル、VDLはローレベルである。波形(c)のVS は画素電極に印加される信号波形、波形(d)のVC は共通電極に印加される信号波形、またGNDはグランドレベルを示す。波形(f)のVN は第3の電極5に印加される信号波形、波形(g)は本実施例の駆動における液晶透過率の時間変化を示す。
【0066】
[第1実施例]
本実施例での構造は前記図3(a)に対応する構造である。本発明の第1実施例における液晶表示装置は、表示部の対角サイズが公称15インチであり、一対の基板は共に透明なガラス基板で、その厚みは0. 7mmである。まず、図4(a)に示すように、基板1A上に第1の走査配線7A及び櫛歯状の共通電極4を形成する。次に、絶縁膜10を窒化シリコンSiNxを用いて形成し、その上に第1の信号配線8A、第1の電極3としての画素電極を櫛歯状に形成する。なお、マトリクス状に形成された走査配線7Aと信号配線8Aの交点付近にアモルファスシリコンを用いて作製される第1の薄膜トランジスタ9Aが配置され、画素電極である第1の電極3と第1の信号配線8Aは、この薄膜トランジスタ9Aを介して電気的に接続している。そして、これらマトリクス状に形成される各配線に囲まれた領域に対応して画素が形成されている。
【0067】
電極材料としてはクロムモリブデンCrMoを用いている。信号配線や走査配線の材料には電気抵抗の低いものであれば特に問題はなく、アルミニウムや銅などでもよい。
【0068】
一方、基板1Aに対向する基板1Bにはストライプ状の3色(赤、緑、青:R,G,B)のカラーフィルタ14とブラックマトリクス15を備えている。カラーフィルタ14とブラックマトリクス15上には表面を平坦化するためのオーバーコート膜13を形成する。なお、オーバーコート膜13としてはエポキシ樹脂などを用いる。
【0069】
このようなカラーフィルタ基板上に第2の走査配線7B、絶縁膜10、第2の信号配線8Bを設け、その最上層には画素のほぼ全面を覆うベタ状の第3の電極5が形成されている。ベタ状の第3電極5はITOで形成され、スルーホール11及び第2の薄膜トランジスタ9Bを介して第2の信号配線8Bに電気的に接続している。また、基板1A上に形成する第1の走査配線7Aと基板1B上に形成する第2の走査配線7Bを基板外部で接続し、これらを一つの走査電極駆動回路(走査ドライバ)22で駆動する。
【0070】
なお、前記したように、第1の薄膜トランジスタ9Aが形成される基板をTFT基板、カラーフィルタが形成される基板をカラーフィルタ基板(CF基板)と呼ぶことにする。このようにして作製されるTFT基板及びCF基板表面に、液晶分子を配向させるためのポリイミドの配向膜12を、膜厚100nmで形成する。一般に、ポリイミド膜は、その前駆体であるポリアミック酸を基板表面に印刷機などで塗布し、これらを高温で焼成することにより形成する。ここで形成されたポリイミのド配向膜12の表面をラビング処理することにより配向処理を施す。ラビング方向は第1の電極(画素電極)3の長手方向から15°傾いた方向とする。
【0071】
本実施例においては、画素内に配置された第1の電極と第2の電極(画素電極と共通電極)は図34の(a)に示したように櫛歯状に形成されているが、図34の(b)に示したように電極延長方向に対して角度θを有するくの字型に形成されていてもよい。第1の電極3と第2の電極4をくの字型に形成することにより、電圧が印加された場合に液晶分子の回転方向が異なる領域を生じる。これにより視角による色付きを抑制することができる。ただし、くの字型電極の場合には液晶分子の初期配向方向として、例えばポジ型液晶(誘電率異方性が正)の場合には液晶分子の長軸が画素の長手方向と一致するように配向処理する必要がある。
【0072】
次に、これら一対の基板のうち、一方の基板の表示領域周縁部に熱硬化型のシール材を塗布し、対向するもう一方の基板を重ね合わせる。シール材は、後に液晶素子内に液晶を注入するための封入口が形成されるように塗布される。これらの基板を加熱しながら加圧し、両基板を接着固定する。なお、基板間は4マイクロメートルの間隔を保持できるようになっている。その後、封入口から真空封入法により液晶表示素子内に液晶を注入し、その後、封入口を紫外線硬化樹脂などで封止する。なお、ここでは液晶材料として誘電率異方性が正の材料を使用する。組合せた基板の両面に偏光板17をノーマリークローズ特性(低電圧時に黒表示、高電圧時に白表示)となるようにクロスニコル配置で貼りつける。
【0073】
図6に示すように、各配線は基板の端部まで延在配置され、第1の信号配線8A、第2の信号配線8B、走査配線7(第1の走査配線7A、第2の走査配線7B)、共通電極4は、それぞれに対応して第1の信号ドライバ23A、第2の信号ドライバ(信号電極駆動回路)23B、走査ドライバ22、共通電極ドライバ(共通電極駆動回路)24に接続される。また、各ドライバは表示制御装置21により制御されている。なお、破線で囲まれた領域(表示画素部)27には一画素に対応する本実施例の電極構造に相当する等価回路を示している。
【0074】
その後、図33で示したように、シールドケース32、拡散板33、導光板34、反射板35、バックライト36、下側ケース37、インバータ回路38を組合せることにより液晶表示装置39を組み立てる。このようにして得られる液晶表示装置において、図7(a)から(e)に示した信号波形を各配線及び電極に印加することによって、本発明の効果を得ることができる。以下、各電極及び配線へ印加する信号波形について説明する。
【0075】
本実施例では1フレーム内で黒レベルに相当する信号を挿入する2倍速黒書き込み駆動である。図7において、(a)走査配線に供給される信号波形VG 、(b)第1の信号配線に供給される信号波形VD1、(c)画素電極に印加される信号波形VS 、(d)共通電極に印加される信号波形VC 、(e)第2の信号配線に供給される信号波形VD2、(f)第3の電極に印加される信号波形VN が対応する信号配線あるいは電極に供給される。なお、図7(g)に本駆動における液晶透過率の時間変化を示す。
【0076】
図7において、まず、走査配線からの走査信号により時間t=t0 において第1及び第2の薄膜トランジスタがオン状態となり、画素電極(第1の電極)3には第1の信号配線からの電圧が印加され、第3の電極5には第2の信号配線からの電圧が印加される。次に、t=t1 において再度走査信号が書き込まれ、画素電極3には第1の信号配線からの電圧が印加され、第3の電極5には第2の信号配線からの電圧が印加される。
【0077】
画像表示期間(t0 <t<t1 )では、第1の電極(画素電極)3と第2の電極(共通電極)4との電位差(VSH−VC )により生じる横電界を利用して液晶を駆動し画像を表示する。t=t1 において、第1の電極(画素電極)3と第2の電極(共通電極)4の電位をほぼ同一に設定し、第3の電極5に電圧VNHを印加する。このとき、横方向の電界はほぼゼロとなり、第2の電極(共通電極)4、第1の電極(画素電極)3と第3の電極5との間に生じる縦電界により液晶分子を基板面にほぼ垂直に立ち上げることによって黒色を表示する。
【0078】
次に、t=t2 において、第1の電極(画素電極)3、第2の電極(共通電極)4、第3の電極5を同電位に設定することにより、基板面に対してほぼ垂直に立ちあがっていた液晶分子は初期配向状態に向かって基板面にほぼ平行な面に倒れる。この過程では、液晶分子の長軸方向の基板面への投射軸が一方の偏光板の透過軸と平行であり、もう一方の偏光板の透過軸と垂直であるために表示は黒色のままである。そして、t=t3 においては、初期配向の状態に戻っており、t=t3 のタイミングで次のフレームが開始される。
【0079】
ここで、上記の構成とした液晶表示装置を用いて、応答速度に関して評価した。応答速度は、ホトダイオードを組み合わせたオシロスコープを用いて評価した。まず、画面上に全面黒色パターンを表示し、その後、最大輝度に相当する白色パターンを表示する。このときの輝度変化をオシロスコープにて読み取り、変化前の輝度B0 から変化後の輝度Bfin への変化量を100%とし、そのうちの90%の変化が終了した時点をもって応答時間とする。本実施例の液晶表示装置において、同一の液晶材料を用いた場合に従来のIPS方式液晶表示装置に比べ応答時間(立下り応答時間)が短縮されたことを確認した。
【0080】
〔第2実施例〕
本発明の第2実施例の液晶表示装置の断面図を図5(b)に示す。本実施例と図5(a)で説明した第1の実施例とは、CF基板1B側に形成されたベタ状電極である第3の電極5と配向膜12の間に誘電率層16を配置する点で異なる。第1の実施例のように、第3の電極5が直接液晶層に接している場合には、第3の電極5の電位が通常の駆動電圧に大きく影響し、駆動電圧の上昇が懸念される。そこで、本実施例では、誘電体層16を配置することにより、第3の電極5の電位が直接的に液晶層に影響することを防ぐことができ、駆動電圧の上昇が緩和される。また、同時に第1実施例と同様に、立ち下がり応答時間を短縮でき、動画表示性能の向上を図ることが可能である。
【0081】
〔第3実施例〕
本発明の第3実施例の構成を図8、図9、図10、図11を用いて説明する。図8は本発明の第3実施例の構成を説明する図4と同様の画素部の電極構造を説明する図である。図8(a)の上側の図はTFT基板1Aの平面図、下側の図は上側の図のA−A’線に沿った断面図であり、図8(b)の上側の図はCF基板1Bの平面図、下側の図は上側の図のB−B’線に沿った断面図である。図9は本発明の第3実施例に係る液晶表示装置の画素部の断面図であり、図10は液晶表示装置の駆動システムを説明するための図である。また図11は各電極及び配線に供給される信号波形の説明図である。なお、本実施例での構造は図3(a)に対応する構造である。
【0082】
本実施例は、第1実施例に比較して、CF基板1B側の電極構造が異なる。第1実施例ではCF基板1B上に形成された第3の電極5が画素ごとに形成され、この第3の電極5をそれぞれの画素に形成された薄膜トランジスタ9Bにより個別に駆動している。これに対して、本実施例では、第3の電極5は全画素に共通に形成されている。この第3の電極5は画素部の領域の外に配置された第3電極駆動回路に直接接続され制御される。この構造では、第1実施例のように第3電極5を薄膜トランジスタで駆動するものとは異なり、全画素に対して同時に黒表示を書き込むことが可能である。
【0083】
本発明の第3実施例の液晶表示装置を用いて、応答速度に関して評価した。応答速度はホトダイオードを組み合わせたオシロスコープを用いて評価した。まず、画面上には全面黒色パターンを表示し、その後、最大輝度に相当する白色パターンを表示する。このときの輝度変化をオシロスコープにて読み取り、変化前の輝度B0 から変化後の輝度Bfin への変化量を100%とし、そのうちの90%の変化が終了した時点をもって応答時間とする。本実施例の液晶表示装置において、同一の液晶材料を用いた場合に従来のIPS方式液晶表示装置に比べ応答時間(立下り応答時間)が短縮されたことを確認した。
【0084】
〔第4実施例〕
本発明の第4実施例の構成を図12、図13、図14、図15を用いて説明する。図12は本発明の第4実施例の液晶表示装置に係る図8と同様の画素部の電極構造を説明する図である。図12(a)の上側の図はTFT基板1Aの平面図、下側の図は上側の図のA−A’線に沿った断面図であり、図12(b)の上側の図はCF基板1Bの平面図、下側の図は上側の図のB−B’線に沿った断面図である。図13は本発明の第4実施例に係る液晶表示装置の画素部の断面図であり、図14は液晶表示装置の駆動システムを説明するための図である。また図15は各電極及び配線に供給される信号波形の説明図である。なお、本実施例での構造は図3(a)に対応する構造である。
【0085】
本実施例は、第3実施例に比較してTFT基板側に形成する第2の電極(共通電極)4を画素ごとに形成される薄膜トランジスタ9Bで個別に駆動するように構成したものである。このとき、図15(c)、(d)に示すように黒レベルを書き込む期間の初期(t1 <t<t2 )において、第1の電極(画素電極)3と第2の電極(共通電極)4の電位差をほぼゼロにするために、VSHとVCHをほぼ同等の電位とすることが必要である。
【0086】
このように第2の電極(共通電極)4を画素ごとに駆動することにより、CF基板1B側に形成する第3電極5を複雑に駆動制御する必要がなく、液晶表示装置の構造を簡略化できる。本実施例の液晶表示装置において、同一の液晶材料を用いた場合に従来のIPS方式液晶表示装置に比べ応答時間(立下り応答時間)が短縮されたことを確認した。
【0087】
〔第5実施例〕
本実施例の構成を図16、図17を用いて説明する。図16は本発明の第5実施例に係る図12と同様の画素部の電極構造を説明する図である。図16(a)の上側の図はTFT基板1Aの平面図、下側の図は上側の図のA−A’線に沿った断面図であり、図16(b)の上側の図はCF基板1Bの平面図、下側の図は上側の図のB−B’線に沿った断面図である。図17は本発明の第5実施例に係る液晶表示装置の画素部の断面図である。また、本実施例における液晶表示装置の駆動システム及び各配線、電極へ供給される信号波形の概略は第3実施例と同様であるので、信号波形は図10及び図11を用いて説明する。なお、本実施例での構造は図3(b)に対応する構造である。
【0088】
本実施例における液晶表示装置は、表示部の対角サイズが公称15インチであり、一対の基板は共に透明なガラス基板で、その厚みは0. 7mmである。まず、図16(a)に示すように、基板1A上に第1の走査配線7及び画素のほぼ全面を覆うようにベタ状の第2の電極(共通電極)4を形成する。次いで、絶縁膜10が窒化シリコンSiNxを用いて形成され、その上に信号配線8A、櫛歯状の第1の電極(画素電極)3を形成する。なお、マトリクス状に形成された走査配線7と信号配線8Aの交点付近にアモルファスシリコン等を用いて作製される薄膜トランジスタ9が配置される。第1の電極(画素電極)3と信号配線8Aは、この薄膜トランジスタ9を介して電気的に接続している。そして、これらマトリクス状に形成される各配線に囲まれた領域に対応して画素が形成されている。
【0089】
電極材料としては、走査配線や信号配線などの配線にはクロムモリブデンCrMoを用い、第1の電極(画素電極)や第2の電極(共通電極)には開口率を確保するためにITO透明電極を用いている。
【0090】
一方、基板1Aに対向する基板1Bにはストライプ状の3色(R,G,B)のカラーフィルタ14とブラックマトリクス15を備えている。カラーフィルタ14とブラックマトリクス15上には、表面を平坦化するためのオーバーコート樹膜13を形成する。なお、オーバーコート膜としてはエポキシ樹脂などを用いる。
【0091】
このようなCF基板1B上にベタ状の第3の電極5を形成する。第3の電極5はITOで形成する。このようにして作製されるTFT基板(基板1A)及びCF基板(基板1B)の内面に、液晶分子を配向させるためのポリイミドの配向膜12を膜厚100nmで形成する。一般にポリイミド膜は、その前駆体であるポリアミック酸を基板表面に印刷機などで塗布し、これらを高温で焼成することにより形成する。ここで形成されたポリイミド配向膜12の表面をラビング処理することにより配向処理を施す。ラビング方向は第1の電極3である画素電極の長手方向から15°傾いた方向とする。
【0092】
本実施例においては、第1の電極である画素電極3は図33(a)のように櫛歯状に形成されているが、図33(b)に示すように電極延長方向に対して角度θを有するくの字型に形成されていてもよい。くの字型に形成されることにより、電圧が印加された場合に液晶分子の回転方向が異なる領域を生じ、これにより前記した色付きを抑制することができる。ただし、くの字型電極の場合には液晶分子の初期配向方向として、例えばポジ型液晶の場合には液晶分子の長軸が画素の長手方向と一致するように配向処理する必要がある。
【0093】
次に、これら一対の基板1A,1Bのうち、一方の基板の表示領域周縁部に熱硬化型のシール材を塗布し、もう一方の対向基板を重ね合わせる。シール材は、後に液晶素子内に液晶を注入するための封入口が形成されるように塗布される。これら基板を加熱しながら加圧し、両基板を接着固定する。なお、基板間は4マイクロメートルの間隔を保持できるようになっている。その後、封入口から真空封入法により液晶を液晶表示素子内に注入し、その後、封入口を紫外線硬化樹脂などで封止する。なお、ここでは液晶材料として誘電率異方性が正の材料を使用する。
【0094】
組合せた基板の両面に偏光板17(17A、17B)をノーマリークローズ特性(低電圧で黒表示、高電圧で白表示)となるようにクロスニコル配置で貼りつける。その後、図33に示したシールドケース32、拡散板33、導光板34、反射板35、バックライト36、下側ケース37、インバータ回路38を組合せることにより液晶表示装置39を組み立てる。このようにして得られる液晶表示装置において、各配線及び電極に印加する信号は図11に示すとおりであり、第3実施例とほぼ同じである。
【0095】
すなわち、画像表示期間(t0 <t<t1 )では、第1の電極(画素電極)と第2の電極(共通電極)との電位差により生じる電界を利用して液晶を駆動し画像を表示する。櫛歯状の画素電極の端部では特に大きな電界を発生し、従来のIPSに比べ立上り応答速度が速いのが特徴である。具体的には、t=t1 において、画素電極と共通電極電位をほぼ同一に設定し、第3の電極5に電圧を印加する。このとき、横方向の電界はほぼゼロとなり、第2の電極(共通電極)、第1の電極(画素電極)と第3の電極との間に生じる縦電界により液晶分子を基板面にほぼ垂直に立ち上げることによって黒色を表示する。
【0096】
本実施例では、第3実施例に比較して共通電極を画素のほぼ全面を覆うように形成しているために、画像非表示期間の初期段階で発生する縦電界を画素全域でほぼ均一に発生させることができる。このために第3実施例に比較してさらに立下り時間を短縮できる。
【0097】
次に、t=t2 において、第1の電極(画素電極)、第2の電極(共通電極)、第3の電極を同電位に設定することにより、基板面に対してほぼ垂直に立ちあがっていた液晶分子は初期配向状態に向かって基板面にほぼ平行な面に倒れる。この過程では、液晶分子の長軸方向の基板面への投射軸が一方の偏光板の透過軸と平行であり、もう一方の偏光板の透過軸と垂直であるために表示は黒色のままである。そして、t=t3 においては、初期配向の状態に戻っており、t=t3 のタイミングで次のフレームが開始される。
【0098】
こうして得られた液晶表示装置を用いて、応答速度に関して評価した。応答速度は、ホトダイオードを組み合わせたオシロスコープを用いて評価した。まず、画面上には全面黒色パターンを表示し、その後、最大輝度に相当する白色パターンを表示する。このときの輝度変化をオシロスコープにて読み取り、変化前の輝度B0 から変化後の輝度Bfin への変化量を100%とし、そのうちの90%の変化が終了した時点をもって応答時間とする。本実施例の液晶表示装置において、同一の液晶材料を用いた場合に従来のIPS方式液晶表示装置に比べ応答時間(立下り応答時間)が短縮されたことを確認した。
【0099】
〔第6実施例〕
本発明の第6実施例の構成を図18、図19、図20を用いて説明する。図18は本発明の第6実施例に係る液晶表示装置の図12と同様の画素部の電極構のを説明図である。図18(a)の上側の図はTFT基板1Aの平面図、下側の図は上側の図のA−A’線に沿った断面図であり、図18(b)の上側の図はCF基板1Bの平面図、下側の図は上側の図のB−B’線に沿った断面図である。図19は本発明の第6実施例に係る液晶表示装置の画素部の断面図、図20は各電極及び配線に供給される信号波形の説明図である。なお、本実施例での構造は図3(c)に対応する構造である。
本実施例では、図18から分かるように、4つの異なる電極を利用する。ただし、後述するように駆動によっては第2の電極である共通電極の下層に重畳して配置する第4の電極6は、共通電極4とすべての時間において同電位とすることができる。この場合は異なる3つの電極を設けたものとなる。
【0100】
本実施例における液晶表示装置は、表示部の対角サイズが公称15インチであり、一対の基板は共に透明なガラス基板で、その厚みは0. 7mmである。まず、図18に示すように、TFT基板1A上に第4の電極6、第2の電極(共通電極)4、信号配線8A、第1の電極(画素電極)3を形成する。各電極間は絶縁膜10により絶縁性を保持している。電極材料は、電気抵抗の低いものであれば特に問題はないが、第4の電極6は画素領域をほぼ全面覆うように形成されているために、透過型液晶表示装置の場合には開口率を確保するためにITOなどの透明導電膜が望ましい。
【0101】
一方、CF基板には画素領域の全面を覆うように透明導電膜を形成する。そして、これら両基板に第1の実施例に示す所定の処理をした後、張り合わせて液晶表示装置を組み立てる。このようにして得られた液晶表示装置において、各配線及び電極には図20に示す信号波形を供給する。図20において、画像表示期間(t0 <t<t1 )では、第2の電極(共通電極)と第1の電極(画素電極)間との電位差により液晶分子を駆動する。そして、画像非表示期間の初期段階(t1 <t<t2 )では、第1の電極(画素電極)と第2の電極(共通電極)の電位をほぼ同じに設定し、両基板に形成されたベタ電極(第3の電極5と第4の電極6)間に生じる縦電界により液晶を基板面にほぼ垂直な方向に立ち上げることにより黒を表示する。本実施例の構造では、画素領域をほぼ全面に覆う電極により縦電界を生じさせているために、第1の実施例に比較して、縦電界の発生効率がよく、立下り時間のさらなる短縮化が可能となる。
【0102】
こうして得られた液晶表示装置を用いて、応答速度に関して評価した。応答速度は、ホトダイオードを組み合わせたオシロスコープを用いて評価した。まず、画面上には全面黒色パターンを表示し、その後、最大輝度に相当する白色パターンを表示する。このときの輝度変化をオシロスコープにて読み取り、変化前の輝度B0 から変化後の輝度Bfin への変化量を100%とし、そのうちの90%の変化が終了した時点をもって応答時間とする。本実施例の液晶表示装置において、同一の液晶材料を用いた場合に従来のIPS方式液晶表示装置に比べ応答時間(立下り応答時間)が短縮されたことを確認した。
【0103】
〔第7実施例〕
本発明の第7実施例の構成を図21、図22、図23、図24を用いて説明する。図21は本発明の第7実施例に係る液晶表示装置の画素部の電極構造の説明図であり、図21(a)の上側の図はTFT基板1Aの平面図、下側の図は上側の図のA−A’線に沿った断面図であり、図21(b)の上側の図はCF基板1Bの平面図、下側の図は上側の図のB−B’線に沿った断面図である。図22は本発明の第7実施例に係る液晶表示装置の画素部の断面図、図23は液晶表示装置の駆動システムを説明するための図である。また図24は各電極及び配線に供給される信号波形の説明図である。なお、本実施例での構造は図3(d)に対応する構造である。各電極及び配線に供給される信号波形の説明図である。
【0104】
図21及び図22から分かるように、TFT基板1A側は従来のIPS方式液晶表示装置と同じ構造である。一方、CF基板1B側も、オーバーコート膜13を形成した後に、TFT基板1A側と同様の電極構造とする。画像表示期間では図24に示すように第1の電極3である画素電極と第2の電極4である共通電極間に生じる横電界により液晶を駆動する。同時に、第3の電極5と第4の電極間6に生じる横電界によっても液晶を駆動でき、従来のIPSに比べて横電界発生の効率が高いために低電圧で立上り応答速度を向上することが可能である。
【0105】
一方、画像非表示期間の初期段階では、第2の電極(共通電極)と第1の電極(画素電極)の電位をほぼ同電位となるように設定し、同時に、第3の電極と第4の電極の電位がほぼ同じになるように設定する。さらに、これらTFT基板1A側に形成された電極(画素電極及び共通電極)の電位をCF基板1B側に形成された電極(第3の電極及び第4の電極)の電位より高く設定する。これにより縦電界を生じることができる。
【0106】
こうして得られた液晶表示装置を用いて、応答速度に関して評価した。応答速度は、ホトダイオードを組み合わせたオシロスコープを用いて評価した。まず、画面上には全面黒色パターンを表示し、その後、最大輝度に相当する白色パターンを表示する。このときの輝度変化をオシロスコープにて読み取り、変化前の輝度B0 から変化後の輝度Bfin への変化量を100%とし、そのうちの90%の変化が終了した時点をもって応答時間とする。本実施例の液晶表示装置において、同一の液晶材料を用いた場合に従来のIPS方式液晶表示装置に比べ応答時間(立下り応答時間)が短縮されたことを確認した。
【0107】
〔第8実施例〕
本発明の第8実施例の構成を図25、図26を用いて説明する。図25は画素部の電極構造を説明するための図であり、図25(a)の上側の図はTFT基板1Aの平面図、下側の図は上側の図のA−A’線に沿った断面図であり、図25(b)の上側の図はCF基板1Bの平面図、下側の図は上側の図のB−B’線に沿った断面図である。図26は本発明の第8実施例に係る液晶表示装置の画素部の断面図である。なお、本実施例での構造は図3(e)に対応する構造である。
【0108】
図25及び図26から分かるように、TFT基板1A側の電極構造は第5実施例と同様であり、この構造をCF基板1B側にも形成する。このような電極構造において、図24に示す信号波形を供給すると、画像表示期間では第1の電極(画素電極)3と第2の電極(共通電極)4間に生じる電界及び第3の電極5と第4の電極6間に生じる電界により液晶を駆動して画像を表示する。一方、画像非表示期間の初期段階では同一基板に形成された電極間の電位を同電位に設定し、TFT基板1A上の電極とCF基板1B上の電極との電位差により縦電界を生じさせる。
【0109】
こうして得られた液晶表示装置を用いて、応答速度に関して評価した。応答速度は、ホトダイオードを組み合わせたオシロスコープを用いて評価した。まず、画面上には全面黒色パターンを表示し、その後、最大輝度に相当する白色パターンを表示する。このときの輝度変化をオシロスコープにて読み取り、変化前の輝度B0 から変化後の輝度Bfin への変化量を100%とし、そのうちの90%の変化が終了した時点をもって応答時間とする。本実施例の液晶表示装置において、同一の液晶材料を用いた場合に従来のIPS方式液晶表示装置に比べ応答時間(立下り応答時間)が短縮されたことを確認した。
【0110】
〔第9実施例〕
本発明の第9実施例では、第5実施例と同様に、図16及び図17に示す電極構造を有する液晶表示装置を利用する。また第5実施例では1フレーム内で2回の書き込みを行う2倍速駆動であるが、図27は第9実施例における液晶パネルの透過率とバックライトの点灯タイミングの説明図である。本実施例では、1フレーム内に1回の書き込みしか行わない駆動とする。ただし、図27に示すように液晶表示装置の光源であるバックライトを1フレーム内で点灯状態と消灯状態を有する駆動とする。
【0111】
液晶パネルは通常線順次駆動であり、上段から下段に向かってデータを書き込んで行く。その過程で透過率変化を各段において示したのが図27(a)から(c)である。また、図27(d)にはバックライトの点灯タイミングを示す。このようなブリンクバックライト方式では、パネル中央部での輝度を保つために、パネル中段の液晶が十分に応答した時点でバックライトを点灯する。
【0112】
本実施例で得られる液晶表示装置を用いて、先述したゴーストについて評価をしたところ、従来のIPS液晶表示装置に比較して、ゴースト現象を抑制することができた。これは、図32に示すように従来のIPS液晶表示装置では立下り応答時間が長いために、斜線領域の輝度差を積分して感知するためにゴーストと呼ばれる画像輪郭部で2重像として捕らえられる。しかし本実施例のように立下り応答時間を短縮化することにより、斜線部分の面積を低減することができ、結果として、ゴースト現象を低減することが可能である。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、横電界方式の液晶表示装置において、一方の基板に形成した共通電極及び画素電極とは異なる新規な第3の電極、あるいは第3の電極に加えて第4の電極を一方の基板または他方の基板もしくは一方の基板と他方の基板の何れかに形成し、この第3の電極、あるいは第3の電極と第4の電極の電位を1フレーム周期内で変化させ、画像表示期間では共通電極と画素電極間で生じる横電界を利用し、画像非表示期間の初期段階では共通電極、画素電極と、第3の電極間、あるいは第3の電極と第4の電極間で生じる縦電界を利用することにより、特に立下り応答時間が改善され、動画表示を可能とした高速応答化と「動画ぼやけ」を抑制した高品質な動画対応液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本概念を説明するための液晶駆動の各状態において画素内で発生する電界の方向と液晶分子の動きの説明図である。
【図2】 本発明の基本概念を説明するための液晶駆動の各状態に対応する液晶透過率(液晶パネル輝度)の時間変化の説明図である。
【図3】 本発明の液晶表示装置における液晶分子駆動のための代表的な電極構造と電界形成の説明図である。
【図4】 本発明の第1実施例および第2実施例の画素部の電極構造の説明図である。
【図5】 本発明の第1実施例と第2実施例における画素部の断面図である。
【図6】 本発明の第1実施例と第2実施例における液晶表示装置の駆動システムを説明する等価回路図である。
【図7】 本発明の第1実施例と第2実施例における各電極及び配線に供給される信号波形の前記図31と同様の説明図である。
【図8】 本発明の第3実施例の構成を説明する図4と同様の画素部の電極構造の説明図である。
【図9】 本発明の第3実施例に係る液晶表示装置の画素部の断面図である。
【図10】 本発明の第3実施例に係る液晶表示装置の駆動システムの説明図である。
【図11】 本発明の第3実施例に係る液晶表示装置の各電極及び配線に供給される信号波形の説明図である。
【図12】 本発明の第4実施例の液晶表示装置に係る図8と同様の画素部の電極構造の説明図である。
【図13】 本発明の第4実施例に係る液晶表示装置の画素部の断面図である。
【図14】 本発明の第4実施例に係る液晶表示装置の駆動システムの説明図である。
【図15】 本発明の第4実施例に係る液晶表示装置の各電極及び配線に供給される信号波形の説明図である。
【図16】 本発明の第5実施例に係る図12と同様の画素部の電極構造の説明図である。
【図17】 本発明の第5実施例に係る液晶表示装置の画素部の断面図である。
【図18】 本発明の第6実施例に係る液晶表示装置の図12と同様の画素部の電極構造の説明図である。
【図19】 本発明の第6実施例に係る液晶表示装置の画素部の断面図である。
【図20】 本発明の第6実施例に係る液晶表示装置の各電極及び配線に供給される信号波形の説明図である。
【図21】 本発明の第7実施例に係る液晶表示装置の画素部の電極構造の説明図である。
【図22】 本発明の第7実施例に係る液晶表示装置の画素部の断面図である。
【図23】 本発明の第7実施例に係る液晶表示装置の駆動システムの説明図である。
【図24】 本発明の第7実施例に係る液晶表示装置の各電極及び配線に供給される信号波形の説明図である。
【図25】 本発明の第8実施例に係る液晶表示装置の画素部の電極構造を説明するための図である。
【図26】 本発明の第8実施例に係る液晶表示装置の画素部の断面図である。
【図27】 本発明の第9実施例に係る液晶表示装置における液晶パネルの透過率とバックライトの点灯タイミングの説明図である。
【図28】 IPS方式の液晶表示装置の画素部を構成する電極構成例の説明図である。
【図29】 図28に示した一方の基板を対向する他方の基板と共に示す断面図である。
【図30】 IPS方式の液晶表示装置の駆動システムを説明する等価回路図である。
【図31】 IPS方式の液晶表示装置における黒書き込み駆動する場合の信号波形例の説明図である。
【図32】 ブリンクバックライト方式における液晶透過率変化を説明する波形図である。
【図33】 液晶表示装置の分解斜視図である。
【図34】 櫛歯状電極の形状例の説明図である。
【符号の説明】
1(1A、1B)…基板、2…液晶分子又は液晶の層、3…第1の電極(画素電極)、4…第2の電極(共通電極)、5…第3の電極、6…第4の電極、7(7A、7B)…走査配線、8(8A、8B)…信号配線、9(9A、9B)…薄膜トランジスタ、10…絶縁膜、11…スルーホール、12…配向膜、13…オーバーコート膜、14…カラーフィルタ、15…ブラックマトリクス、16…高誘電体層、17(17A、17B)…偏光板、18…横電界、19…縦電界、20…液晶初期配向方向(ラビング方向)、21…表示制御装置、22…走査電極駆動回路、23(23A、23B)…信号電極駆動回路、24…共通電極駆動回路、25…第3電極駆動回路、26…第4電極駆動回路、27…表示画素部、31…液晶表示素子(液晶表示パネル)、32…シールドケース、33…拡散板、34…導光板、35…反射板、36…バックライト、37…下側ケース、38…インバータ回路基板、39…液晶表示装置。
Claims (20)
- 少なくとも一方が透明な一対の基板と、前記一対の基板間に挟持された液晶の層と、前記一対の基板の一方にマトリクス状に配列された複数の画素の各画素毎にそれぞれ形成された電極群を有し、
前記電極群の間に電圧を印加して前記液晶の配向方向を制御し、前記一対の基板の外側に設置した光源から入射する光の光量を調整することにより画像表示を行う液晶表示装置であって、
前記液晶層の液晶分子はホモジニアス配向であり、
画像表示期間では、前記一対の基板面にほぼ平行な電界により液晶を駆動し、画像非表示期間の初期段階では、前記一対の基板面にほぼ垂直な電界により前記液晶の配向方向を制御する液晶駆動手段を有することを特徴とする液晶表示装置。 - 少なくとも一方が透明な一対の基板と、前記一対の基板間に挟持された液晶の層と、前記一対の基板のうちの一方に形成された第1の電極及び第2の電極とを有し、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加して前記液晶の配向方向を制御し、前記一対の基板の外側に設置した光源から入射する光の光量を調整して画像表示を行う液晶表示装置であって、
前記液晶層の液晶分子はホモジニアス配向であり、
前記一対の基板の前記第1の電極と第2の電極を形成した前記一方の基板に対向する他方の基板上に第3の電極を有し、
画像表示期間では、前記第1の電極と前記第2の電極には異なる電位が与えられ該電極間に生じる基板面にほぼ平行な電界により液晶の配向方向を制御し、
画像非表示期間の初期段階では、前記第1の電極と前記第3の電極には異なる電位が与えられ該電極間に生じる基板面にほぼ垂直な電界と、前記第2の電極と前記第3の電極には異なる電位が与えられ該電極間に生じる基板面にほぼ垂直な電界により液晶の配向方向を制御する液晶駆動手段を有することを特徴とする液晶表示装置。 - 前記第1の電極と前記第2の電極は、櫛歯形状であることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
- 前記第1の電極と前記第2の電極のうちの一方の電極は櫛歯形状であり、他方の電極は前記各画素のほぼ全面を覆うベタ状電極であり、前記櫛歯形状電極が絶縁膜を介して前記ベタ状電極と重畳していることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
- 前記第3の電極は、前記各画素のほぼ全面を覆うベタ状電極であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の液晶表示装置。
- 前記ベタ状電極は、前記複数の画素の各画素で個別駆動されることを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置。
- 前記ベタ状電極は、複数の画素の全ての画素で一括駆動できることを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置。
- 少なくとも一方が透明な一対の基板と、前記一対の基板間に挟持された液晶の層と、前記基板のうちの一方に形成された第1の電極及び第2の電極とを有し、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加することにより、前記液晶の配向方向を制御し、前記一対の基板の外側に設置した光源から入射する光の光量を調整して画像表示を行う液晶表示装置であって、
前記液晶層の液晶分子はホモジニアス配向であり、
前記一対の基板の前記第1の電極と第2の電極を形成した前記一方の基板に対向する他方の基板上に第3の電極が形成され、
前記第1の電極及前記第2の電極と前記一方の基板との間に絶縁膜を介して形成された第4の電極を有し、
画像表示期間では、前記第1の電極と前記第2の電極間には異なる電位が与えられ該電極間に生じる基板面にほぼ平行な電界により液晶を駆動し、画像非表示期間の初期段階では、前記第3の電極と前記第4の電極には異なる電位が与えられ該電極間に生じる基板面にほぼ垂直な電界により液晶の配向方向を制御する液晶駆動手段を有することを特徴とする液晶表示装置。 - 前記第1の電極と前記第2の電極は、櫛歯形状であることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置。
- 前記第3の電極と前記第4の電極のうち少なくとも一方の電極は、前記各画素のほぼ全面を覆うベタ状電極であることを特徴とする請求項8又は9に記載の液晶表示装置。
- 前記第3の電極と前記第4の電極に有する前記ベタ状電極のうちの少なくとも一方は、前記複数の画素の各画素で個別駆動されることを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置。
- 前記第3の電極と前記第4の電極に有する前記ベタ状電極のうちの少なくとも一方は、前記複数の画素の全画素で一括駆動されることを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置。
- 少なくとも一方が透明な一対の基板と、前記一対の基板間に挟持された液晶の層と、前記基板のうち一方に形成された第1の電極及び第2の電極とを有し、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加して前記液晶の配向方向を制御し、前記一対の基板の外側に設置した光源から入射する光の光量を調整して画像表示を行う液晶表示装置であって、
前記液晶層の液晶分子はホモジニアス配向であり、
前記第1の電極と前記第2の電極が形成した前記一方の基板に対向する他方の基板上に第3の電極及び第4の電極が形成され、
画像表示期間では、前記第1の電極と前記第2の電極には異なる電位が与えられ該電極間に生じる基板面にほぼ平行な電界と、前記第3の電極と前記第4の電極には異なる電位が与えられ該電極間に生じる基板面にほぼ平行な電界により液晶の配向方向を制御し、画像非表示期間の初期段階では、前記第1の電極と前記第3の電極には異なる電位が与えられ該電極間に生じる基板面にほぼ垂直な電界と、前記第2の電極と前記第4の電極には異なる電位が与えられ該電極間に生じる基板面にほぼ垂直な電界により前記液晶の配向方向を制御する液晶駆動手段を有することを特徴とする液晶表示装置。 - 前記第1の電極乃至前記第4の電極は、櫛歯形状であることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
- 前記第1の電極と前記第3の電極は櫛歯形状であり、前記第2の電極と前記第4の電極は前記各画素のほぼ全面を覆うベタ状電極であり、前記第1の電極は前記第2の電極上に絶縁膜を介して重畳し、さらに前記第3の電極は前記第4の電極上に絶縁膜を介して重畳していることを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
- 前記ベタ状電極は、前記複数の画素の各画素で個別駆動されることを特徴とする請求項15に記載の液晶表示装置。
- 前記ベタ状電極は、前記複数の画素の全画素で一括駆動されることを特徴とする請求項15に記載の液晶表示装置。
- 画像非表示期間の初期段階では、前記第1の電極と前記第2の電極の電位はほぼ等しく、前記第3の電極の電位のみが異なることを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載の液晶表示装置。
- 画像非表示期間の初期段階では、前記第1の電極と前記第2の電極と前記第4の電極の電位がほぼ等しく、前記第3の電極の電位のみが異なることを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載の液晶表示装置。
- 画像非表示期間の初期段階では、前記第1の電極と第2の電極の電位がほぼ等しく、前記第3の電極と前記第4の電極との電位がほぼ等しく、さらに前記第1の電極と前記第3の電極の電位が異なることを特徴とする請求項13乃至17のいずれかに記載の液晶表示装置。
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