JP4046522B2 - 段ボール製パレットの製造方法および段ボール製パレット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、段ボール製パレットの製造方法および段ボール製パレットに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、木製パレットに代わるものとして、段ボール製のパレットが一般的に使用されている。段ボール製パレットは、木製パレットに比べて軽量で安価に製作でき、輸出時に薫蒸処理が不要であるという利点がある。また、段ボール製パレットは、木製パレットに比べてリサイクルすることが容易である。
【0003】
図9に、従来の段ボール製パレット100の一例を示す。このパレット100は、段ボール製の天板101、地板102および桁材103から構成されている。この桁材103は、複数枚の段ボールを重ね合わせて糊付けし、帯板状に裁断した積層構造からなるもので、前記天板101下面および地板102上面に接着されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の段ボール製パレットを構成する桁材103は、天板101上に載せられた荷物の荷重により桁材103が横方向に撓む。この撓みを防止するために、積層する段ボールの枚数を増やすとともに耐荷重強度を上げているが、段ボールの枚数を増やすことにより重量が増加して取り扱いが不便になり、コストが高くなるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、積層する段ボールの枚数を低減するとともに横方向への撓みを防止した段ボール積層構造の桁材を有する段ボール製パレットの製造方法および段ボール製パレットを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、段ボールに、ロータリースリッタによって折目線を一定間隔で罫入れし、前記折目線で連続する山型をなすように折り曲げた前記段ボールを複数枚重ね合わせて互いに固着し、一定幅の段ボール積層構造体からなる桁材を製造した後、前記桁材の両端に、天板および地板を固着するものである。
【0007】
前記発明では、複数枚の帯板状段ボールを重ね合わせた積層構造体からなる桁材が、連続する山型をなすので、この桁材は横方向への撓みが防止される。
【0008】
この製造方法では、前記罫入れと同時に矩形状の切落し部を設け、製造した前記桁材に差込穴を形成することが好ましい。
【0009】
そして、この段ボール製パレットは、段ボールからなる天板、地板および桁材からなる段ボール製パレットにおいて、ロータリースリッタによって折目線を一定間隔で罫入れし、その折目線に沿って連続する山型をなすように折り曲げた段ボールを、複数枚重ね合わせて互いに固着した一定幅の段ボール積層構造体からなる桁材を設け、該桁材の両端に前記天板および地板を固着したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0011】
図1は、本発明に係る段ボール製パレットの桁材として適用する段ボール積層構造体1を示す。この段ボール積層構造体1は、連続する山型からなるジグザグ形状の帯板状段ボール2からなる。
【0012】
前記段ボール積層構造体1を製造するには、まず、図2に示す段ボール2aを準備する。本実施形態においては、前記段ボール2aは、AフルートおよびBフルート段ボールの組み合わせからなる複両面の段ボール2aが使用されている。この段ボール2aを、図3に示すように、段ボール2aの横目方向に沿って一定間隔で配置されたロータリースリッタ4a,bの間を通過させることにより、前記段ボール2aの縦目方向に沿う折目線3を前記段ボール2aの横目方向に一定間隔で罫入れする。このロータリースリッタ4a,bは、それぞれ回転軸5a,bの周囲を回転可能に軸支されている。
【0013】
続いて、前記罫入れした段ボール2aの片面全面に接着剤を塗布し、この段ボール2aを、両側から手で押さえて各折目線3で折り曲げる。図4に示すように、この折り曲げた状態の段ボール2aを4枚(2〜6枚の範囲内の枚数であればよい)を重ね合わせ、木製固定治具6a,bを用いて約20秒間、常温で、図4における上下方向に加圧して互いに固着する。この木製固定治具6a,bは、それぞれ断面が二等辺三角形の押圧部7を備え、この二等辺三角形の斜辺の長さは、例えば、100mmで、底辺の長さは120mmであることが好ましい。
【0014】
そして、前記固着された段ボール2aを、図2の一点鎖線で示すように、段ボール2aの横目方向に一定幅で裁断することにより、図1に示すジグザグ形状の段ボール積層構造体1からなる桁材を製造することができる。
【0015】
次に、前記製造方法により製造された段ボール積層構造体1を、段ボール製パレット10の桁材として用いる場合について説明する。段ボール積層構造体1を、図5に示すように、2枚または3枚の複両面段ボールからなる天板11の下面と1枚の複両面段ボールからなる地板12の上面との間に互いに平行になるように配置し、前記段ボール積層構造体1上面と天板11下面および前記段ボール積層構造体1下面と地板12上面を接着することにより、段ボール製パレット10が構成されている。このとき、段ボール積層構造体1からなる桁材は、その帯板状段ボール2の縦目が垂直方向に沿うように配置されているので、天板11上に載せられた荷物の荷重に対する十分な耐荷重強度を提供することができる。また、段ボール積層構造体1は、ジグザグ形状を有するので、前記従来の直方体ブロックの積層構造に比べ、より少ない枚数の帯板状段ボール2で耐荷重強度を増加するとともに、横方向への撓みを防止することが可能となる。
【0016】
また、段ボール製パレット10の使用時には、桁材間のフォーク差込み部10aにフォークリフトのフォーク爪を差し込むことで、荷物の荷積み、荷降ろし、そして運搬を容易に行い得るように構成されている。また、段ボール積層構造体1のくぼみに手を掛けることにより、段ボール製パレット10を1人で引きずり移動させることができる。
【0017】
前記実施形態の変形例として、図6に示すように、前記製造方法の罫入れと同時に、段ボール2aの所定位置に矩形状の切落し部13を設けることにより、図7に示すように、段ボール積層構造体1からなる桁材の下側に差込穴13aを形成してもよい。この段ボール積層構造体1を、図8に示すように、段ボール製パレット10に配置すると、桁材間のフォーク差込み部10aまたは差込穴13aにフォークリフトのフォーク爪を差し込むことにより、四方からパレット10を運搬することができる。
【0018】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、段ボールに、折目線を一定間隔で罫入れし、折目線で折り曲げた段ボールを、複数枚重ね合わせて互いに固着し、固着された段ボールを一定幅で裁断することにより、横方向への撓みを防止した段ボール積層構造体からなる桁材を製造できる。そして、この段ボール製パレットは、軽量化が図れ、安価かつ段ボール紙の処分品の有効利用ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る段ボール積層構造の桁材の斜視図。
【図2】 図1の段ボール積層構造体を形成する段ボールの上面図。
【図3】 図2の段ボールに罫入れする様子を示した図。
【図4】 図2の段ボールを積層する様子を示した図。
【図5】 図1の段ボール積層構造体からなる桁材をパレットに用いた状態を示した斜視図。
【図6】 図2の段ボールの変形例を示した上面図。
【図7】 図1の段ボール積層構造体からなる桁材の変形例を示した斜視図。
【図8】 図7の段ボール積層構造体からなる桁材をパレットに用いた状態を示した一部破段上面図。
【図9】 従来の段ボール積層構造体をパレットに用いた状態を示した斜視図。
【符号の説明】
1 段ボール積層構造体(桁材)
2 帯板状段ボール
2a 段ボール
3 折目線
10 段ボール製パレット
11 天板
12 地板
13 切落し部
13a 差込穴
Claims (3)
- 段ボールに、ロータリースリッタによって折目線を一定間隔で罫入れし、前記折目線で連続する山型をなすように折り曲げた前記段ボールを複数枚重ね合わせて互いに固着し、一定幅の段ボール積層構造体からなる桁材を製造した後、
前記桁材の両端に、天板および地板を固着することを特徴とする段ボール製パレットの製造方法。 - 前記罫入れと同時に矩形状の切落し部を設け、製造した前記桁材に差込穴を形成することを特徴とする請求項1に記載の段ボール製パレットの製造方法。
- 段ボールからなる天板、地板および桁材からなる段ボール製パレットにおいて、
ロータリースリッタによって折目線を一定間隔で罫入れし、その折目線に沿って連続する山型をなすように折り曲げた段ボールを、複数枚重ね合わせて互いに固着した一定幅の段ボール積層構造体からなる桁材を設け、該桁材の両端に前記天板および地板を固着したことを特徴とする段ボール製パレット。
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