JP4045050B2 - 電子装置 - Google Patents

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JP4045050B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミックス等の絶縁基体と蓋体とから成る容器の内部に圧電振動子や半導体素子等の電子部品を気密に収容した電子装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
圧電振動子や半導体素子等の電子部品は、この電子部品を収容するための容器内に気密に収容されることによって製品としての電子装置となる。
【0003】
かかる電子装置は一般に、酸化アルミニウム質焼結体等の電気絶縁材料から成り、その上面あるいは下面の略中央部に電子部品を収容するための凹部およびその凹部周辺から下面にかけて導出されたタングステンやモリブデン等の高融点金属から成る複数個のメタライズ配線層を有する絶縁基体と、蓋体とから成る容器内部に電子部品が気密に封止収容されている。
【0004】
そして、電子部品が例えば圧電振動子の場合には、絶縁基体の凹部の底面に形成された段差部に圧電振動子の一端を導電性ポリイミド樹脂等から成る接着材を介して接着固定するとともに圧電振動子の各電極をメタライズ配線層に電気的に接続し、しかる後、絶縁基体の上面に蓋体を低融点ガラスから成る封止材を介して接合させ、絶縁基体と蓋体とから成る容器内部に圧電振動子を気密に収容することによって最終製品としての電子装置と成る。
【0005】
なお、この電子装置に使用される導電性ポリイミド樹脂等から成る接着材は耐熱温度に制限があり、300 ℃以下の温度であれば接着固定が確実に行われることから、絶縁基体に蓋体を接合させる軟化溶融温度が300 ℃以下の封止材として、第1領域の上下に第2領域を配した3層構造を有しており、その第1領域および第2領域が酸化鉛50〜65重量%、酸化ホウ素2〜10重量%、フッ化鉛10〜30重量%、酸化亜鉛1〜6重量%、酸化ビスマス10〜20重量%のガラス成分と、チタン酸鉛系化合物のフィラーとから成り、第1領域のフィラー含有量は5〜25重量%、第2領域のフィラー含有量は26〜45重量%とした封止材や、酸化鉛50〜65重量%、酸化ホウ素2〜10重量%、フッ化鉛10〜30重量%、酸化亜鉛1〜6重量%、酸化ビスマス10〜20重量%のガラス成分と、チタン酸鉛系化合物のフィラーとから成り、絶縁基体および蓋体と接する領域のフィラー含有量は26〜45重量%、中央域のフィラー含有量は5〜25重量%とした封止材が提唱されている。
【0006】
この封止材を用いた電子装置によれば、封止材の熱膨張係数は絶縁基体と蓋体の熱膨張係数に近似し、これによって封止材と絶縁基体および蓋体は強固に接合して容器の気密封止が完全となり、容器内部に収容する電子部品を長期間にわたり正常かつ安定に作動させることが可能となる。
【0007】
また、絶縁基体と蓋体とから成る容器を最終的に気密封止する封止材の中央領域の軟化溶融温度が300 ℃以下であり低温であることから、絶縁基体と蓋体とを封止材を介して接合させ、絶縁基体と蓋体とから成る容器の内部に電子部品を気密に収容する際、封止材を溶融させる熱が内部に収容する電子部品に作用しても電子部品の特性に劣化を招来することはなく、その結果、電子部品を長期間にわたり正常かつ安定に作動させることが可能となる。
【0008】
さらにまた、封止材を溶融させる熱によって、電子部品を絶縁基体の凹部の段差部へ接着固定する導電性ポリイミド樹脂等から成る接着材が劣化することもなく、これによって電子部品を絶縁基体の凹部の段差部へ接着材を介して極めて強固に接着固定することが可能となり、その結果、電子部品を常に安定に作動させることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の導電性ポリイミド樹脂等から成る接着材はその硬化後の硬度は高いが、落下の衝撃等による急激な力の作用に対しては脆いという性質を有していた。近時の電子装置においては携帯電話等の携帯端末機器用としての用途も増加し、携帯端末機器の落下の衝撃によって電子部品を絶縁基体の凹部の段差部へ接着固定する接着材の接着固定が破れ、その結果、電子部品を常にかつ安定に作動させることができなくなるという欠点を有していた。この欠点を解決するために、導電性ポリイミド樹脂等から成る接着材に較べて、その硬度は低いが弾力性を有しており落下の衝撃をより吸収するシリコン系樹脂から成る接着材を介して電子部品を絶縁基体へ接着固定することが求められてきている。
【0010】
シリコン系樹脂から成る接着材はその耐熱温度が約280 ℃と低い温度であるのに対して、封止材を構成するガラスの軟化溶融温度は、一般に知られているように母材となるガラス成分の軟化溶融温度とガラスの強度や熱膨張係数の調整のために添加されるフィラーの添加量とによって決定され、フィラーの添加量が増加するに従って熱膨張係数は低下するが逆にガラスの軟化溶融温度は高くなる傾向にある。前記封止材はその最終的な接合にあずかる中央領域のガラスの熱膨張係数と軟化溶融温度との釣り合いを考慮してガラス成分にフィラーが5〜25重量%添加されており、この封止材の軟化溶融温度は300 ℃以下ではあるが実質的には290 〜300 ℃の軟化溶融温度となっていることから、その耐熱温度が約280 ℃と低い温度のシリコン系樹脂から成る接着材を使用できないという問題点を有していた。
【0011】
また、近時の電子装置においては、携帯電話等の携帯端末機器用として小型化、特に薄型化の要求が求められているが、この300 ℃以下の軟化溶融温度を有する封止材は、最終的な接合にあずかる中央領域のガラスがそのガラス成分にフィラーを5〜25重量%添加されていることから、この中央領域の厚みを中央領域のガラスの流動性を発現させるために10〜100 μm、通常は50μm程度の厚みとする必要があり電子装置を薄型化することが困難となり、小型化が要求される携帯電話等の携帯端末機器に搭載できないという問題点を有していた。
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑み案出されたもので、その目的は電子装置に落下による衝撃が加わったとしても絶縁基体の凹部の段差部に接着固定された電子部品が安定確実に接着固定され、その結果、電子部品に特性の劣化を招来することなく長期間にわたり正常かつ安定に作動させることができ、さらに容器を小型化できる電子装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、絶縁基体と蓋体とを封止材を介して接合させ、前記絶縁基体と前記蓋体とから成る容器内部に電子部品を気密に収容した電子装置であって、前記電子部品はシリコン系樹脂から成る接着材を介して容器内部に接着固定されているとともに、前記封止材は厚みが1μm〜10μmの第1領域の上下に第2領域を配した構造を有しており、第1領域は酸化鉛50〜65重量%、酸化ホウ素2〜10重量%、フッ化鉛10〜30重量%、酸化亜鉛1〜6重量%、酸化ビスマス10〜20重量%のガラス成分のみから成り、前記第2領域には前記ガラス成分に26〜45重量%のチタン酸鉛系化合物のフィラーが含有されているとともに、前記ガラス成分の軟化溶融温度は前記接着材の耐熱温度よりも低いことを特徴とするものである。
【0014】
本発明の電子装置によれば、絶縁基体と蓋体とから成る容器内部に電子部品をシリコン系樹脂から成る接着材を介して接着固定したことから、携帯端末機器の落下の衝撃が電子部品に加わったとしても、シリコン系樹脂から成る接着材が弾力性を有しており落下の衝撃を吸収することから、電子部品を絶縁基体へ接着固定するシリコン系樹脂から成る接着材の接着固定が破れることはなく、その結果、電子装置を常にかつ安定に作動させることができる。
【0015】
また、本発明の電子装置によれば、絶縁基体と蓋体とから成る容器を最終的に気密封止する封止材の中央領域の軟化溶融温度が280 ℃以下であり低温であることから、絶縁基体と蓋体とを封止材を介して接合させ、絶縁基体と蓋体とから成る容器の内部に電子部品を気密に収容する際、封止材を溶融させる熱によって電子部品を絶縁基体の凹部の段差部へ接着固定するその耐熱温度が約280 ℃のシリコン系樹脂から成る接着材が劣化することはなく、これによって携帯端末機器の落下の衝撃が電子部品に加わったとしても電子部品を絶縁基体の凹部の段差部へ接着材を介して極めて強固に接着固定することができ、その結果、電子装置を常に安定に作動させることが可能となる。
【0016】
さらに、本発明の電子装置によれば、封止材の絶縁基体と蓋体とに接する領域の熱膨張係数が絶縁基体と蓋体の熱膨張係数に近似し、これによって封止材と絶縁基体および蓋体とは強固に接合して容器の気密封止が完全となり、容器の内部に収容する電子部品を長期間にわたり正常かつ安定に作動させることが可能となる。
【0017】
また同時に、本発明の電子装置によれば、絶縁基体と蓋体とから成る容器を最終的に気密封止する封止材の第1領域の厚みが1μm〜10μmと薄いことから、封止材の第1領域と第2領域との熱膨張係数の差による内在応力が発生したとしてもその内在応力は小さなものと成り、絶縁基体と蓋体とを封止材を介して強固に接合させることが可能となり、容器の気密封止を完全となし容器の内部に収容する電子部品を長期間にわたり正常にかつ安定に作動させることが可能となる。
【0018】
また同時に絶縁基体と蓋体とから成る容器を最終的に気密封止する封止材の第1領域の厚みが1μm〜10μmと薄いことから電子装置の薄型化が可能となり、小型化が要求される携帯電話等の携帯端末に搭載することも可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に本発明を添付の図面に基づき詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明の電子装置の実施の形態の一例を示す断面図、図2はその要部拡大断面図であり、これらの図においては電子部品が水晶振動子等の圧電振動子であり、電子装置が圧電装置である場合の例を示している。
【0021】
これらの図において、1は絶縁基体、2は蓋体である。この絶縁基体1と蓋体2とで圧電振動子3を収容するための容器4が構成される。
【0022】
絶縁基体1は、その上面の略中央部に圧電振動子3を収容する空所を形成するための凹部1aが設けてあり、凹部1aの段差部には圧電振動子3が導電性シリコン樹脂5から成る接着材を介して接着固定される。
【0023】
絶縁基体1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダ、溶剤、可塑剤、分散剤等を添加混合して泥漿物を作り、この泥漿物を従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等のシート成形法を採用しシート状に成形してセラミックグリーンシート(セラミック生シート)を得、しかる後、それらセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともにこれを複数枚積層し、約1600℃の高温で焼成することによって製作される。
【0024】
また絶縁基体1には、凹部1aの段差部周辺から下面にかけてメタライズ配線層6が被着形成されており、このメタライズ配線層6の段差部周辺には圧電振動子3が導電性シリコン樹脂5を介して電気的に接続され、またメタライズ配線層6の絶縁基体1の下面に導出した部位は外部電気回路基板(不図示)の配線導体に半田等を介して電気的に接続される。
【0025】
メタライズ配線層6はタングステン、モリブデン、マンガン等の高融点金属粉末に適当な有機溶剤、溶媒、可塑剤等を添加混合して得た金属ペーストを従来周知のスクリーン印刷法等の厚膜手法を採用して絶縁基体1となるセラミックグリーンシートに予め印刷塗布しておき、これをセラミックグリーンシートと同時に焼成することによって絶縁基体1の凹部1a周辺から下面にかけて所定パターンに被着形成される。
【0026】
なお、メタライズ配線層6はその表面にニッケル、金等の良導電性で耐蝕性およびロウ材との濡れ性が良好な金属をメッキ法により1〜20μmの厚みに被着させておくと、メタライズ配線層6の酸化腐蝕を有効に防止することができるとともにメタライズ配線層6と外部電気回路基板の配線導体との接続を強固なものとなすことができる。従って、メタライズ配線層6の酸化腐蝕を防止し、メタライズ配線層6と外部電気回路基板の配線導体との接続を強固なものとなすには、メタライズ配線層6の表面にニッケル、金等をメッキ法により1〜20μmの厚みに被着させておくことが好ましい。
【0027】
さらに絶縁基体1はその上面に蓋体2が封止材7を介して接合され、これによって絶縁基体1と蓋体2とから成る容器4の内部に圧電振動子3が気密に収容される。
【0028】
蓋体2は絶縁基体1に設けた凹部1aを塞ぐ作用をなし、酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、窒化珪素質焼結体、炭化珪素質焼結体、ムライト質焼結体等の電気絶縁材料や鉄−ニッケル−コバルト合金、鉄−ニッケル合金等の金属材料から成り、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合、酸化アルミニウム、窒化珪素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の原料粉末を所定のプレス金型内に充填するとともに一定圧力で押圧して成形し、しかる後、この成形品を約1500℃の温度で焼成することによって製作される。また、鉄−ニッケル−コバルト合金から成る場合、そのインゴット(塊)に圧延加工法や打抜き加工法等、従来周知の金属加工法を施すことによって所定形状に形成される。
【0029】
導電性シリコン樹脂5から成る接着材は弾力性を有しており、携帯端末機器の落下の衝撃が圧電振動子3に加わったとしてもその衝撃を吸収することから、圧電振動子3を絶縁基体1へ接着固定する導電性シリコン樹脂5から成る接着材の接着固定が破れることはなく、その結果、圧電振動子3を常にかつ安定に作動させることができる。
【0030】
封止材7は図2に示すように第1領域7aの上下に第2領域7bを配した3層構造を有しており、第1領域7aは絶縁基体1と蓋体2とから成る容器4の気密封止の温度を低下させる作用をなす。
【0031】
第1領域7aと第2領域7bとから成る封止材7は第2領域7bを絶縁基体1および蓋体2の各々の対向面に予め被着させておき、しかる後、絶縁基体1および蓋体2の各々に被着されている第2領域7bを第1部材7aで接合することによって絶縁基体1と蓋体2とを接合し、容器4の内部を気密に封止する。
【0032】
封止材7を構成する第1領域7a酸化鉛50〜65重量%、酸化ホウ素2〜10重量%、フッ化鉛10〜30重量%、酸化亜鉛1〜6重量%、酸化ビスマス10〜20重量%のガラス成分のみから成り、第2領域7bは前記ガラス成分にチタン酸鉛系化合物のフィラーが26〜45重量%含有されているとともに、前記ガラス成分の軟化溶融温度は、圧電振動子3を接着固定している前記接着材の耐熱温度よりも低い
【0033】
封止材7の第1領域7aと第2領域7bは各々が同じガラス成分を有しており、ガラス成分が同じであるため容器4を気密に封止する際、第1領域7aと第2領域7bとは極めて強固に接合することとなる。
【0034】
封止材7のガラス成分の軟化溶融温度は280 ℃以下と低く第1領域7aが前記ガラス成分のみで形成されていることから、絶縁基体1と蓋体2とを接合させ容器4を気密に封止する際の温度を低温となすことができ、その結果、圧電振動子3が絶縁基体1の凹部1aの段差部に耐熱温度が280 ℃以下と耐熱温度の低い導電性シリコン樹脂5から成る接着材を介して接着固定されていても、導電性シリコン樹脂5は封止材7の第1領域7aの軟化溶融温度が280 ℃以下と低いことから第1領域7aを軟化溶融させる熱によって特性が大きく劣化することはなく、これによって圧電振動子3を絶縁基体1の凹部1a段差部に極めて強固に接着固定しておくことが可能となり、圧電振動子3を常に安定に作動させることができる。
【0035】
なお、封止材7のガラス成分は、酸化鉛の量が50重量%未満であるとガラスの軟化溶融温度が高くなって、容器4を気密封止する際の熱によって圧電振動子3の特性に劣化を招来してしまう傾向がある。他方、65重量%を超えるとガラスの耐薬品性が低下し、容器4の気密封止の信頼性が大きく低下してしまう傾向がある。従って、酸化鉛の量は50〜65重量%の範囲に特定される。
【0036】
また酸化ホウ素の量は2重量%未満であるとガラスの結晶化が進んで流動性が低下し、容器4の気密封止が困難となってしまう傾向がある。他方、10重量%を超えるとガラスの軟化溶融温度が高くなって、容器4を気密に封止する際の熱によって圧電振動子3の特性に劣化を招来してしまう傾向がある。従って、酸化ホウ素の量は2〜10重量%の範囲に特定される。
【0037】
フッ化鉛の量は10重量%未満であるとガラスの軟化溶融温度が高くなって、容器4を気密封止する際の熱によって圧電振動子3の特性に劣化を招来してしまう傾向がある。他方、30重量%を超えるとガラスの耐薬品性が低下し、容器4の気密封止の信頼性が大きく低下してしまう傾向がある。従って、フッ化鉛の量は10〜30重量%の範囲に特定される。
【0038】
酸化亜鉛の量は1重量%未満であるとガラスの耐薬品性が低下し、容器4の気密封止の信頼性が大きく低下してしまう傾向がある。他方、6重量%を超えるとガラスの結晶化が進んで流動性が大きく低下し、容器4の気密封止が困難となってしまう傾向がある。従って、酸化亜鉛の量は1〜6重量%の範囲に特定される。
【0039】
酸化ビスマスの量は10重量%未満であるとガラスの軟化溶融温度が高くなって、容器4を気密封止する際の熱によって圧電振動子3の特性に劣化を招来してしまう傾向がある。他方、20重量%を超えるとガラスの結晶化が進んで流動性が大きく低下し、容器4の気密封止が困難となってしまう傾向がある。従って、酸化ビスマスの量は10〜20重量%の範囲に特定される。
【0040】
さらに封止材7は第1領域7aの厚みが1μm未満であると第1領域7aの流動性が低下し容器4の気密封止の信頼性が低下する傾向にあり、また10μmを超えると封止材7の第1領域7aと第2領域7bとの熱膨張係数の差により発生する内在応力が大きなものとなり、封止材7の第1領域7aと第2領域7bとの接合が脆弱となり、さらには第1領域7aと第2領域7bとの接合部にクラックが入ったりし、容器4の気密封止の信頼性が低下する傾向にある。従って、容器4の気密封止の信頼性を極めて高いものとするには封止材7の第1領域7aの厚さは1〜10μmの範囲に限定される。
【0041】
封止材7の第2領域7bは第1領域7aの流動性を向上させるとともに、絶縁基体1および蓋体2と強固に接合して容器4の気密封止を完全となす作用をなし、封止材7の第2領域7bには前述のガラス成分にチタン酸鉛系化合物から成るフィラーが26〜45重量%含有されている。
【0042】
チタン酸鉛系化合物から成るフィラーは第2領域7bの熱膨張係数を調整し、絶縁基体1及び蓋体2に封止材7を強固に接合させ、容器4の気密封止の信頼性を大きく向上させるとともに第2領域7bの機械的強度を向上させる作用をなす。第2領域7bにおけるフィラーの含有量が26重量%未満であると第2領域7bの機械的強度が低下するとともに第2領域7bの熱膨張係数が絶縁基体1および蓋体2の熱膨張係数に対し大きく相違して、第2領域7bを絶縁基体1および蓋体2に強固に接合させることができなくなる傾向にある。他方、45重量%を超えると第2領域7bの熱膨張係数が第1領域7aの熱膨張係数に対して大きく相違して両部材間の接合の信頼性が低下してしまう傾向にある。従って、第2領域7bに含有されるフィラーの量は26〜45重量%の範囲に限定される。
【0043】
また、封止材7はガラス成分とフィラーとから成り、耐湿性に優れていることから大気中に含まれる水分が封止材7を介して容器4の内部に侵入しようとしてもその水分の侵入は有効に阻止され、その結果、容器4の内部に収容する圧電振動子3の表面電極が酸化腐蝕されることは殆どなく、圧電振動子3を正常に作動させることも可能となる。
【0044】
かくして本発明の圧電装置によれば絶縁基体1の凹部1aに設けた段差部に圧電振動子3の一端を導電性シリコン樹脂5から成る接着材を介して接着固定するとともに圧電振動子3の各電極をメタライズ配線層6に電気的に接続させ、しかる後、絶縁基体1の上面に凹部1aを覆うように蓋体2を封止材7を介して接合させ、絶縁基体1と蓋体2とからなる容器4の内部に圧電振動子3を気密に収容することによって最終製品としての圧電装置が完成する。
【0045】
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能であり、例えば上述の例ではセラミックスから成る絶縁基体と蓋体とから成る容器内部に圧電振動子を収容したが、容器内部に収容される電子部品は、圧電振動子に限らず、半導体素子や弾性表面波素子等の電子部品であってもよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明の電子装置によれば、絶縁基体と蓋体とから成る容器内部に電子部品をシリコン系樹脂から成る接着材を介して接着固定したことから、携帯端末機器の落下の衝撃が電子部品に加わったとしても、シリコン系樹脂から成る接着材が弾力性を有しており落下の衝撃を吸収することから、電子部品を絶縁基体へ接着固定するシリコン系樹脂から成る接着材の接着固定が破れることはなく、その結果、電子装置を常にかつ安定に作動させることができる。
【0047】
また、本発明の電子装置によれば、絶縁基体と蓋体とから成る容器を最終的に気密封止する封止材の中央領域の軟化溶融温度が280 ℃以下であり低温であることから、絶縁基体と蓋体とを封止材を介して接合させ、絶縁基体と蓋体とから成る容器の内部に電子部品を気密に収容する際、封止材を溶融させる熱によって電子部品を絶縁基体の凹部の段差部へ接着固定するその耐熱温度が約280 ℃のシリコン系樹脂から成る接着材が劣化することはなく、これによって携帯端末機器の落下の衝撃が電子部品に加わったとしても電子部品を絶縁基体の凹部の段差部へ接着材を介して極めて強固に接着固定することができ、その結果、電子装置を常に安定に作動させることが可能となる。
【0048】
さらに、本発明の電子装置によれば、封止材の絶縁基体と蓋体とに接する領域の熱膨張係数が絶縁基体と蓋体の熱膨張係数に近似し、これによって封止材と絶縁基体および蓋体とは強固に接合して容器の気密封止が完全となり、容器の内部に収容する電子部品を長期間にわたり正常かつ安定に作動させることが可能となる。
【0049】
また同時に、本発明の電子装置によれば、絶縁基体と蓋体とから成る容器を最終的に気密封止する封止材の第1領域の厚みが1μm〜10μmと薄いことから、封止材の第1領域と第2領域との熱膨張係数の差による内在応力が発生したとしてもその内在応力は小さなものと成り、絶縁基体と蓋体とを封止材を介して強固に接合させることが可能となり、容器の気密封止を完全となし容器の内部に収容する電子部品を長期間にわたり正常にかつ安定に作動させることが可能となる。
【0050】
また同時に絶縁基体と蓋体とから成る容器を最終的に気密封止する封止材の第1領域の厚みが1μm〜10μmと薄いことから電子装置の薄型化が可能となり、小型化が要求される携帯電話等の携帯端末に搭載することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子装置の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】図1に示す電子装置の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ・・・・・・絶縁基体
2 ・・・・・・蓋体
3 ・・・・・・圧電振動子(電子部品)
4 ・・・・・・容器
5 ・・・・・・導電性シリコン樹脂
6 ・・・・・・メタライズ配線層
7 ・・・・・・封止材
7a ・・・・・・第1領域
7b ・・・・・・第2領域

Claims (1)

  1. 絶縁基体と蓋体とを封止材を介して接合させ、前記絶縁基体と前記蓋体とから成る容器内部に電子部品を気密に収容した電子装置であって、前記電子部品はシリコン系樹脂から成る接着材を介して容器内部に接着固定されているとともに、前記封止材は厚みが1μm〜10μmの第1領域の上下に第2領域を配した構造を有しており、該第1領域は酸化鉛50〜65重量%、酸化ホウ素2〜10重量%、フッ化鉛10〜30重量%、酸化亜鉛1〜6重量%、酸化ビスマス10〜20重量%のガラス成分のみから成り、前記第2領域には前記ガラス成分に26〜45重量%のチタン酸鉛系化合物のフィラーが含有されているとともに、前記ガラス成分の軟化溶融温度は前記接着材の耐熱温度よりも低いことを特徴とする電子装置。
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