JP4044594B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
用した液晶電気光学装置における画像表示方法において、特に中間的な色調や濃淡の表現
を得るための階調表示方法に関するものである。本発明は、特に、外部からいかなるアナ
ログ信号をもアクティブ素子に印加することなく、階調表示をおこなう、いわゆる完全デ
ジタル階調表示に関するものである。
ため、外部の電解に対して水平方向に配列したり、垂直方向に配列したりさせることが容
易にできる。液晶電気光学装置は、この誘電率の異方性を利用して、光の透過光量または
散乱量を制御することでON/OFF、すなわち明暗の表示をおこなっている。液晶材料
としては、TN(ツイステッド・ネマティック)液晶、STN(スーパー・ツイステッド
・ネマティック)液晶、強誘電性液晶、ポリマー液晶あるいは分散型液晶とよばれる材料
が知られている。液晶は外部電圧に対して、無限に短い時間に反応するのではなく、応答
するまでにある一定の時間がかかることが知られている。その値はそれぞれの液晶材料に
固有で、TN液晶の場合には、数10msec、STN液晶の場合には数100msec
、強誘電性液晶の場合には数10μsec、分散型あるいはポリマー液晶の場合には数1
0msecである。
ブマトリクス方式を用いたものであった。従来のアクティブマトリクス型の液晶電気光学
装置では、アクティブ素子として薄膜トランジスタ(TFT)を用い、TFTにはアモル
ファスまたは多結晶型の半導体を用い、1つの画素にP型またはN型のいずれか一方のみ
のタイプのTFTを用いたものであった。即ち、一般にはNチャネル型TFT(NTFT
という)を画素に直列に連結している。そして、マトリクスの信号線に信号電圧を流し、
それぞれの信号線の直交する箇所に設けられたTFTに双方から信号が印加されるとTF
TがON状態となることを利用して液晶画素のON/OFFを個別に制御するものであっ
た。このような方法によって画素の制御をおこなうことによって、コントラストの大きい
液晶電気光学装置を実現することができる。
表示をおこなうことは極めて難しかった。従来、階調表示は液晶の光透過性が、印加され
る電圧の大きさによって変わることを利用する方式が検討されていた。これは、例えば、
マトリクス中のTFTのソース・ドレイン間に、適切な電圧を周辺回路から供給し、その
状態でゲイト電極に信号電圧を印加することによって、液晶画素にその大きさの電圧をか
けようとするものであった。
均質性のために、実際には液晶画素にかかる電圧は、各画素によって、最低でも数%も異
なってしまった。これに対し、例えば、液晶の光透過度の電圧依存性は、極めて非線型性
が強く、ある特定の電圧で急激に光透過性が変化するため、たとえ数%の違いでも、光透
過性が著しく異なってしまうことがあった。例えば、TN液晶ではON/OFF状態の中
間状態の電位差は約1.2Vであり、16階調を達成せんとする場合には、75mVの精
度で、電位差を制御する必要があった。そのため、実際には16階調を達成することが限
界であった。
な表示装置であるCRT(陰極線管)と競争してゆく上で極めて不利であった。
とを目的とするものである。
ることが可能であることを先に述べたが、本発明人らは、液晶に電圧のかかっている時間
を制御することによって、視覚的に階調を得ることができることを見出した。
において、例えば、図1(a)において、Aで示されるような矩形パルスを印加する場合
と、Cで示されるような矩形パルスを印加する場合を比べて見ると、Aの方が明るいこと
を見出した。ここで、パルスの周期は1msecとした。結果的には、Aが最も明るく、
以下、B、C、Dの順であった。このことは全く予想外のことである。なぜならば、通常
の上記のTN液晶材料においては、1msecという時間はあまりにも短く、そのような
短時間にはTN液晶は反応しないのである。したがって、いずれの場合にも液晶はON状
態を実現することは不可能なはずである。しかしながら、実際には液晶は中間的な濃さを
実現できた。
、この現象を利用して階調表現が可能であることを見いだしたのである。すなわち、液晶
材料が反応しないような周期で液晶材料にパルスを印加するときにパルスの幅を制御する
ことによって、中間的な明るさをデジタル制御で実現することが、まさに本発明の特徴と
するものである。本発明人らの研究の結果、このような中間的な濃度を得るためのパルス
の周期はTN液晶の場合には10msec以下が必要であることがわかった。
合には、複数のパルスを連続的に液晶に印加するのであるが、この場合のパルスの周期と
は、1つのパルスが始まってから、次のパルスが始まるまでの間の時間のことをいう。し
たがって、パルスの繰り返し周波数の逆数となる。
また、パルス幅とは、パルスが電圧状態にある時間のことをいう。したがって、図1に
おいて、例えばCのパルス列の場合には、Tがパルスの周期であり、τがパルス幅である
。
あるいは分散型液晶においても見られた。いずれも、その応答時間よりも短い周期のパル
スを加えることによって、中間的な色調が得られることが明らかになった。すなわち、S
TN液晶においては、100msec以下、のぞましくは10msec以下、強誘電性液
晶においては10μsec以下、のぞましくは1μsec以下、ポリマー液晶あるいは分
散型液晶においては10msec以下、のぞましくは1msec以下の周期のパルスを加
えることによって、階調表示が得られた。
する。したがって、1枚の静止画が継続する時間は約30msecである。この時間は人
間の目にはあまりにも早すぎて、文字通り『目にも止まらない』時間であり、結果として
、視覚的には静止画を1枚1枚識別することはできない。ともかく、通常の動画を得るに
は、1枚の静止画は長くても100msec以上継続することはできない。
とすれば、この3msecの時間を、少なくとも256分割しうるパルス電圧印加方法を
、画素に電圧を印加する方法として採用する必要がある。すなわち、最短で3msec/
256=11.7μsecのパルス状の電圧が画素にかかるような回路を組む必要がある
。実際には、図3に示すように、パルスのデューティー比τ/Tと液晶画素の光透過性は
非線型的な関係であり、256階調を得るためには、さらに、パルスのデューティー比を
細かく制御することが必要である。
際の画像表示装置では、例えば400行もの行がある。すなわち、後に述べるように、マ
トリクスのアクティブ素子は100nsecという極短応答性が求められる。そこで、そ
のような短時間応答性を有する回路の例を図4に示し、以下、その説明をする。
を示す。本発明では、アクティブ素子は100nsec以下の短時間で応答することが要
求されるので高速動作する回路を組む必要がある。そのためには従来のようにNTFTあ
るいはPTFTだけでスイッチングをおこなうのではなく、図4に示されるようにNTF
TとPTFTとが相補的に動作するように構成された、インバータ型の回路を用いること
が必要である。
のうちのn行m列近傍のみを示した。これと同じものを上下左右に展開すれば完全なもの
が得られる。
のNTFTと少なくとも1つのPTFTから構成される。TFTの数は、不良が存在した
場合に備えて、さらに増やしても構わない。この回路では、NTFTとPTFTのゲイト
電極が信号線Xn に接続され、また、このNTFTとPTFTのソースあるいはドレイン
の一方は互いに接続され、これは画素Zn,m の電極に接続される。そして、このNTFT
およびPTFTの他方のソースあるいはドレインは、それぞれ、信号線Y m とYm に接続
されている。以下では、信号線X1,X2,..XN を、集合的に、あるいは個別にX線とよび
、信号線Y1,Y2,..YM を、集合的に、あるいは個別にY線とよぶ。また、図では画素の
キャパシタと並列に人為的にキャパシタが挿入されている。このとき挿入されたキャパシ
タは自然放電によって、画素の電圧が低下する速度を減速せしめる作用を有する。画素の
電圧の降下は画素のばらつきによって決定されるものであるので、特に本発明のように、
画素に印加される電圧が一定のものとして階調表示をおこなおうとする発明においては、
画質の低下を招くものである。しかしながら、このように画素に並列にキャパシタを挿入
することにより、画素のばらつきによる電圧降下は著しく抑えることができ、高画質を得
ることができる。
明する。このマトリクス回路は図1(a)に示されるようなパルス状の電圧を液晶セルに
印加するように動作する必要がある。そこで、このようなパルスを発生するためにX線お
よびY線に印加される信号電圧の概要を図1(b)に示す。例として、400×640の
マトリクスを考える。
周期Tで繰り返されるひとまとまりのパルスの中に、実は256個のパルス(以下、サブ
パルスという)が含まれており、さらにその256個のサブパルスのそれぞれは、400
個の要素が入ったパルス列から構成されていることがわかる。ここで、400という数字
はマトリクスの行数である。したがって、X線に印加されるパルスの最小単位はT=3m
secとすれば、29nsecである。
、V(Y400 )で示されるようなパルスが、それぞれのタイミングをずらして印加される
。このパルスは、上記X線に印加されるパルスの最小単位パルスよりもさらに短い必要が
ある。結局、時間Tの間には、各Y線には、256回パルスが印加される。さらに、信号
線Ym と対に設けられた信号線Y m には、図1(C)に示されるように、信号線Ym に印
加される信号を補完するような信号が印加される。以下の説明では、いちいち、Y m の信
号については説明しなくとも、Ym の信号を補完するような(逆相の)信号が加えられる
ものとする。
れのX線に印加される。当然のことながら、これらのサブパルスはX線ごとに異なる。一
方、Y線には、先に述べたように、パルスが最初にY1 、次にY2 というように順々に印
加されてゆく。まず、パルスがY1 に印加されたときを考える。このとき、画素Z1,1 に
接続されている、アクティブ素子はOFF状態となる。すなわち、Y1 は電圧状態(VH
)であり、かつY 1 は電圧状態でない(VL )ので、PTFTとNTFTはインバータと
して動作する状態になる。さらにインバータの入力X1 はVH であるから、出力は反転し
てVL となる。次いで、Y2 に電圧が加わるのであるが、このとき、画素Z1,2 には電圧
のかかった状態となる。すなわち、インバータの入力X1 はVL であるからである。そし
て、その後、X1 はVL を保ったまま、Y2 はVL にY 2 はVH に信号が反転する。する
と、PTFTとNTFTはインバータではなく、バッファーとして機能する。そして、こ
のとき、X1 はVL であるので、この回路は動作せず、したがって、液晶セルに蓄えられ
た電荷は保持される。その後、X1 には、VL あるいはVH の信号が加えられるが、どち
らの信号が加えられた場合であっても、この回路は動作しない。したがって、液晶セルに
蓄えられた電荷は保持され続ける。この状態は、少なくとも、次にY1 がVH に、Y 1 が
VL になるまで持続する。同様に、Z1,m もZ1,m+1 もZ1,400 も、電圧状態となる、そ
の状態を持続することとなる。
、4つの画素Zn,m 、Zn,m+1 、Zn+1,m 、Zn+1,m+1 に注目しているとすれば、Xn お
よびXn+1 の第1のサブパルスのm番目および(m+1)番目に注目すればよい。Xn も
Xn+1 もm番目はVL なので、画素Zn,m 、Zn+1,m は電圧(充電)状態になる。ついで
、Ym+1 にパルスが印加される。Xn もXn+1 も(m+1)番目はVL なので、この場合
も画素Zn,m+1 、Zn+1,m+1 は充電状態となる。
もXn+1 もm番目および(m+1)番目がVL ならば、充電状態がなくならず、以上4つ
の画素は引き続き電圧状態を継続する。その後、第(h−1)のサブパルスまでは、4つ
の画素とも電圧状態が継続したものとする。
るためにm番目および(m+1)番目以外は省略した。このとき、Xn もXn+1 もm番目
はVL なので、画素Zn,m 、Zn+1,m は電圧状態を継続する。しかし、Xn+1 には(m+
1)番目がVH であるので、画素Zn+1,m は電圧状態が継続するものの、画素Zn+1,m+1
は、アクティブ素子の出力が電圧状態でなくなり、蓄えられていた電荷が放出され、電圧
状態は中断される。
、Zn,m+1 の充電状態は解除される。以下、第jおよび第kのサブパルスにおいて、それ
ぞれ、Xn+1 、Xn のm番目がVH となったので、画素Zn,m 、Zn+1,m の充電状態がぞ
れぞれ、第k、第jのサブパルス中に中断される。このような過程を経ることによって、
図2のV(Z)に示すように、各画素ごとに電圧状態の時間をデジタル的にコントロール
できる。
ように任意に制御することができる。
ルスは、明確に定義できるパルス状のものでなければならないわけではない。説明を簡単
にするために、サブパルスという概念を持ち出したが、特に、サブパルスとサブパルスの
間が明確でなく、信号としては、ほとんど境界のないものであっても、本発明を実施でき
ることはあきらかである。さらに、説明をわかりやすくするために、信号のゼロレベルと
電圧レベルを明確にしたが、これは、液晶あるいはTFTのしきい値電圧以下であるか、
以上であるかという問題だけであるので、絶対にゼロである必要はない。また、電圧とは
任意の点の電位を基準とした相対的な物理量であるので、以上の例において、パルスは逆
の極性を持つものであっても、構わないことは明らかであろう。さらに、画素の対向電極
に適当なオフセット電圧を加えても構わない。また、以上の例では、画面は1行づつ順に
走査されていったが、最初にY1,Y3,Y5,... というように走査し、その後、Y2,Y4,Y
6,..というように走査する、いわゆる飛び越し走査法も可能であることは言うまでもない
。
とを特徴としている。その効果として、例えば640×400ドットの画素数を有する液
晶電気光学装置を想定したばあい、合計256,000個のTFTすべての特性をばらつ
き無く作製することは、非常に困難を有し、現実的には量産性、歩留りを考慮すると、1
6階調表示が限界と考えられているのに対し、本発明のように、全くアナログ的な信号を
加えることなく純粋にデジタル制御のみで階調表示することにより、256階調表示以上
の階調表示が可能となった。完全なデジタル表示であるので、TFTの特性ばらつきによ
る階調の曖昧さは全くなくなり、したがって、TFTのばらつきが少々あっても、極めて
均質な階調表示が可能であった。したがって、従来はばらつきの少ないTFTを得るため
に極めて歩留りが悪かったのに対し、本発明によって、TFTの歩留りがさほど問題とさ
れなくなったため、液晶装置の歩留りは向上し、作製コストも著しく抑えることができた
。
晶電気光学装置に対し通常のアナログ的な階調表示を行った場合、TFTの特性ばらつき
が約±10%存在するために、16階調表示が限界であった。しかしながら、本発明によ
るデジタル階調表示をおこなった場合、TFT素子の特性ばらつきの影響を受けにくいた
めに、256階調表示まで可能になりカラー表示ではなんと16,777,216色の多
彩であり微妙な色彩の表示が実現できている。テレビ映像の様なソフトを映す場合、例え
ば同一色からなる『岩』でもその微細な窪み等から微妙に色合いが異なる。自然の色彩に
近い表示を行おうとした場合、16階調では困難を要する。本発明による階調表示によっ
て、これらの微細な色調の変化を付けることが可能になった。
を用いたTFTも同様に使用できる。とくに、単結晶ゲルマニウムの電子移動度は360
0cm2 /Vs、ホール移動度は1800cm2 /Vsと、単結晶シリコンの値(電子移
動度で1350cm2 /Vs、ホール移動度で480cm2 /Vs)の特性を上回ってい
るため、高速動作が要求される本発明を実行する上で極めて優れた材料である。また、ゲ
ルマニウムは非晶質状態から結晶状態へ遷移する温度がシリコンに比べて低く、低温プロ
セスに向いている。また、結晶成長の際の核発生率が小さく、したがって、一般に、多結
晶成長させた場合には大きな結晶が得られる。このようにゲルマニウムはシリコンと比べ
ても遜色のない特性を有している。
置を例として説明を加えたが、本発明の思想を適用するには、なにも表示装置である必要
はなく、いわゆるプロジェクション型テレビやその他の光スイッチ、光シャッターであっ
てもよい。さらに、電気光学材料も液晶に限らず、電界、電圧等の電気的な影響を受けて
光学的な特性の変わるものであれば、本発明を適用できることは明らかであろう。
を作製したので、その説明を行う。またその際のTFTは、レーザーアニールを用いた多
結晶シリコンとした。
いる。まず、本実施例で使用する液晶パネルの作製方法を図6を使用して説明する。図6
(A)において、石英ガラス等の高価でない700℃以下、例えば約600℃の熱処理に
耐え得るガラス50上にマグネトロンRF(高周波) スパッタ法を用いてブロッキング層
51としての酸化珪素膜を100〜300nmの厚さに作製する。プロセス条件は酸素1
00%雰囲気、成膜温度150℃、出力400〜800W、圧力0.5Paとした。タ−
ゲットに石英または単結晶シリコンを用いた成膜速度は3〜10nm/分であった。
0℃〜350℃で行い本実施例では320℃とし、モノシラン(SiH4)を用いた。モノシラ
ン(SiH4)に限らず、ジシラン(Si2H6) またトリシラン(Si3H8) を用いてもよい。これらを
PCVD装置内に3Paの圧力で導入し、13.56MHzの高周波電力を加えて成膜し
た。この際、高周波電力は0.02〜0.10W/cm2 が適当であり、本実施例では0
.055W/cm2 を用いた。また、モノシラン(SiH4)の流量は20SCCMとし、その
時の成膜速度は約12nm/ 分であった。PTFTとNTFTとのスレッシュホ−ルド電
圧(Vth)を概略同一に制御するため、ホウ素をジボランを用いて1×1015〜1×1018cm
-3の濃度として成膜中に添加してもよい。またTFTのチャネル領域となるシリコン層の
成膜にはこのプラズマCVDだけでなく、スパッタ法、減圧CVD法を用いても
良く、以下にその方法を簡単に述べる。
タ−ゲットとして、アルゴンに水素を20〜80%混入した雰囲気で行った。例えばアル
ゴン20%、水素80%とした。成膜温度は150℃、周波数は13.56MHz、スパ
ッタ出力は400〜800W、圧力は0.5Paであった。
、例えば530℃でジシラン(Si2H6) またはトリシラン(Si3H8) をCVD装置に供給して
成膜した。反応炉内圧力は30〜300Paとした。成膜速度は5〜25nm/ 分であっ
た。PTFTとNTFTとのスレッシュホ−ルド電圧(Vth)を概略同一に制御するため
、ホウ素をジボランを用いて1×1015〜1×1018cm-3の濃度として成膜中に添加してもよ
い。
い。結晶化を助長させるためには、酸素濃度を7×1019cm-3以下、好ましくは1×1019cm
-3以下とすることが望ましいが、少なすぎると、バックライトによりオフ状態のリ−ク電
流が増加してしまうため、この濃度を選択した。この酸素濃度が高いと、結晶化させにく
く、レーザーアニ−ル温度を高くまたはレーザーアニ−ル時間を長くしなければならない
。水素は4×1020cm-3であり、珪素4×1022cm-3として比較すると1原子%であった。
-3以下、好ましくは1×1019cm-3以下とし、ピクセル構成するTFTのチャネル形成領域
のみに酸素をイオン注入法により5×1020〜5×1021cm-3となるように添加してもよい。
上記方法によって、アモルファス状態の珪素膜を50〜500nm、本実施例では100
nmの厚さに成膜した。
パターンを形成した。その上に、プラズマCVD法によりn型の活性層となる珪素膜54
を作製した。成膜温度は250℃〜350℃でおこない、本実施例では320℃とし、モ
ノシラン(SiH4)とモノシランベースのフォスフィン(PH3) 3%濃度のものを用いた。これ
らをPCVD装置内5Paの圧力でに導入し、13.56MHzの高周波電力を加えて成
膜した。この際、高周波電力は0.05〜0.20W/cm2 が適当であり、本実施例で
は0.120W/cm2 を用いた。
度となった。膜厚は5nmとした。こうして、図6(A)を得た。その後リフトオフ法を
用いて、レジスト53を除去し、ソース・ドレイン領域55、56を形成した。
(SiH4)とモノシランベースのジボラン(B2H6)5%濃度のものを用いた。これらをPCVD
装置内に4Paの圧力でに導入し、13.56MHzの高周波電力を加えて成膜した。こ
の際、高周波電力は0.05〜0.20W/cm2 が適当であり、本実施例では0.12
0W/cm2 を用いた。この方法によって出来上がったp型シリコン層の比導電率は5×
10-2〔Ωcm-1〕程度となった。膜厚は5nmとした。こうして、図6(B)を得た。
その後N型領域と同様にリフトオフ法を用いて、ソース・ドレイン領域59、60を形成
した。その後、マスクP3を用いて珪素膜52をエッチング除去し、Nチャネル型薄膜ト
ランジスタ用アイランド領域63とPチャネル型薄膜トランジスタ用アイランド領域64
を形成した。
イン・チャネル領域をレーザーアニールすると同時に、活性層にレーザードーピングを行
なった。この時のレーザーエネルギーは、閾値エネルギーが130mJ/cm2 で、膜厚
全体が溶融するには220mJ/cm2 が必要となる。しかし、最初から220mJ/c
m2 以上のエネルギーを照射すると、膜中に含まれる水素が急激に放出されるために、膜
の破壊が起きる。そのために低エネルギーで最初に水素を追い出した後に溶融させる必要
がある。本実施例では最初150mJ/cm2 で水素の追い出しを行なった後、230m
J/cm2 で結晶化をおこなった。
形成した。これはブロッキング層としての酸化珪素膜の作製と同一条件とした。この成膜
中に弗素を少量添加し、ナトリウムイオンの固定化をさせてもよい。
コン膜とその上にモリブデン(Mo)、タングステン(W),MoSi2 またはWSi2との多層膜を形成
した。これを第4のフォトマスクP4にてパタ−ニングして図6(D) を得た。NTFT用
のゲイト電極66、PTFT用のゲイト電極67を形成した。例えばチャネル長7μm、
ゲイト電極としてリンド−プ珪素を0.2μm、その上にモリブデンを0.3μmの厚さ
に形成した。同時に、図7(D’)に示すように、ゲイト配線65とそれに並行して配置
された配線68もパターニングした。
することができる。アルミニウムを用いた場合、これを第4のフォトマスクP4にてパタ
−ニング後、その表面を陽極酸化することで、セルファライン工法が適用可能なため、ソ
ース・ドレインのコンタクトホールをよりゲートに近い位置に形成することが出来るため
、移動度、スレッシュホールド電圧の低減からさらにTFTの特性を上げることができる
。
ことができる。そのため、基板材料として、石英等の高価な基板を用いなくてもよく、本
発明の大画面の液晶表示装置にきわめて適したプロセスであるといえる。
して行った。この酸化珪素膜の形成はLPCVD法、光CVD法、常圧CVD法を用いて
もよい。例えば0.2〜0.6μmの厚さに形成し、その後、第5のフォトマスクP5を
用いて電極用の窓79を形成した。その後、さらに、これら全体にアルミニウムを0.3
μmの厚みにスパッタ法により形成し第6のフォトマスクP6を用いてリ−ド74および
コンタクト73、75を作製した。こうして、図6(E)と図7(E’)を得た。その後
、表面を平坦化用有機樹脂77、例えば透光性ポリイミド樹脂を塗布形成し、再度の電極
穴あけを第7のフォトマスクP7にて行った。さらに、これら全体にITO(インジウム
酸化錫)を0.1μmの厚みにスパッタ法により形成し第8のフォトマスクP8を用いて
画素電極71を形成した。このITOは室温〜150℃で成膜し、200〜400℃の酸
素または大気中のアニ−ルにより成就した。こうして、図6(F)と図7(F’)を得た
。図7(F’)のA−A’の断面図を図7(G)に示す。実際には、この上に液晶材料を
はさんで、対向電極が設けられ、図に示すように対向電極と電極71の間に静電容量が生
じる。それと同時に配線68と電極71との間にも静電容量が生じる。そして、配線68
を対向電極と同電位に保つことによって、図4に示したように、液晶画素に並列に容量が
挿入された回路を構成することとなる。特に本実施例のように配置することによって、配
線68はゲイト配線65と並行であるので、2配線間の寄生容量が少なく、したがって、
ゲイト配線を伝播する信号の減衰や遅延を減らす効果がある。
クスの終端に設けられる保護回路の接地線として使用できる。保護回路は、図10に示さ
れるように、周辺の駆動回路と画素のあいだに設けられ、図11と図12で示されるよう
な回路をいう。いずれも画素の配線に過大な電圧がかかるとON状態となり、電圧を取り
去る作用を有する。これらの保護回路は、シリコンのようなドーピングされた、あるいは
ドーピングされていない半導体材料や、ITOのような透明導電材料、あるいは通常の配
線材料を用いて構成される。したがって、画素の回路を形成するときに同時に形成するこ
とが可能である。
あわせたC/TFTで構成されていることから明らかであろう。また、図12の保護回路
はTFTは使用されないが、ダイオードは、例えばPIN接合によって構成され、また、
特にツェナー特性を重視するダイオードはNIN、PIP、あるいはNPN、PNPとい
った構造を有し、いちいち説明するまでもなく、本実施例で示した作製方法を援用するこ
とによって作製されうることは自明である。
2/Vs)、Vthは−5.9(V)で、NTFTで移動度は80(cm2/Vs)、Vthは5.0(
V)であった。
た。この液晶表示装置の電極等の配置の様子を図5に示している。本発明によるインバー
タを構成するTFTが信号線Y1 とY 1 の間、およびY2 とY 2 の間に、信号線X1 、X
2 に平行に設けられている。このようなマトリクス構成をを左右、上下に繰り返すことに
より、640×480、1280×960といった大画素の液晶表示装置とすることがで
きる。本実施例では1920×400とした。この様にして第1の基板を得た。
ポリイミド樹脂をスピンコート法を用いて1μmの厚みに成膜し、第9のフォトマスクP
9を用いてブラックストライプ81を作製した。その後、赤色顔料を混合したポリイミド
樹脂をスピンコート法を用いて1μmの厚みに成膜し、第10のフォトマスクP10を用
いて赤色フィルター83を作製した。同様にしてマスクP11、P12を使用し、緑色フ
ィルター85および青色フィルター86を作製した。これらの作製中各フィルターは35
0℃にて窒素中で60分の焼成を行なった。その後、やはりスピンコート法を用いて、レ
ベリング層89を透明ポリイミドを用いて作製した。
により形成し第10のフォトマスクP10を用いて共通電極90を形成した。このITO
は室温〜150℃で成膜し、200〜300℃の酸素または大気中のアニ−ルにより成就
し、第2の基板を得た。
とえば窒素中にて350℃1時間焼成を行った。その後、公知のラビング法を用いて、ポ
リイミド表面を改質し、少なくとも初期において、液晶分子を一定方向に配向させる手段
を設けた。
をエポキシ性接着剤にて固定した。基板上のリードにTAB形状の駆動ICと共通信号、
電位配線を有するPCBを接続し、外側に偏光板を貼り、透過型の液晶電気光学装置を得
た。これと冷陰極管を3本配置した後部照明装置、テレビ電波を受信するチューナーを接
続し、壁掛けテレビとして完成させた。従来のCRT方式のテレビと比べて、平面形状の
装置となったために、壁等に設置することも出来るようになった。この液晶テレビの動作
は図1、図2に示したものと、実質的に同等な信号を液晶画素に印加することにより確認
された。
作製したので、その説明を行う。またその際のTFTは、レーザーアニールを用いた多結
晶シリコンとした。
いて、石英ガラス等の高価でない700℃以下、例えば約600℃の熱処理に耐え得るガ
ラス100上にマグネトロンRF(高周波) スパッタ法を用いてブロッキング層101と
しての酸化珪素膜を100〜300nmの厚さに作製する。プロセス条件は酸素100%
雰囲気、成膜温度15℃、出力400〜800W、圧力0.5Paとした。タ−ゲットに
石英または単結晶シリコンを用いた成膜速度は3〜10nm/分であった。
50℃〜350℃で行い本実施例では320℃とし、モノシラン(SiH4)を用いた。モノシ
ラン(SiH4)に限らず、ジシラン(Si2H6) またトリシラン(Si3H8) を用いてもよい。これら
をPCVD装置内に3Paの圧力で導入し、13.56MHzの高周波電力を加えて成膜
した。この際、高周波電力は0.02〜0.10W/cm2 が適当であり、本実施例では
0.055W/cm2 を用いた。また、モノシラン(SiH4)の流量は20SCCMとし、そ
の時の成膜速度は約120Å/ 分であった。PTFTとNTFTとのスレッシュホ−ルド
電圧(Vth)を概略同一に制御するため、ホウ素をジボランを用いて1×1015〜1×1018
cm-3の濃度として成膜中に添加してもよい。またTFTのチャネル領域となるシリコン層
の成膜にはこのプラズマCVDだけでなく、スパッタ法、減圧CVD法を用いても良く、
以下にその方法を簡単に述べる。
タ−ゲットとして、アルゴンに水素を20〜80%混入した雰囲気で行った。例えばアル
ゴン20%、水素80%とした。成膜温度は150℃、周波数は13.56MHz、スパ
ッタ出力は400〜800W、圧力は0.5Paであった。
、例えば530℃でジシラン(Si2H6) またはトリシラン(Si3H8) をCVD装置に供給して
成膜した。反応炉内圧力は30〜300Paとした。成膜速度は5〜25nm/ 分であっ
た。PTFTとNTFTとのスレッシュホ−ルド電圧(Vth)を概略同一に制御するため
、ホウ素をジボランを用いて1×1015〜1×1018cm-3の濃度として成膜中に添加してもよ
い。
い。結晶化を助長させるためには、酸素濃度を7×1019cm-3以下、好ましくは1×1019cm
-3以下とすることが望ましいが、少なすぎると、バックライトによりオフ状態のリ−ク電
流が増加してしまうため、この濃度を選択した。この酸素濃度が高いと、結晶化させにく
く、レーザーアニ−ル温度を高くまたはレーザーアニ−ル時間を長くしなければならない
。水素は4×1020cm-3であり、珪素4×1022cm-3として比較すると1原子%であった。
-3以下、好ましくは1×1019cm-3以下とし、ピクセル構成するTFTのチャネル形成領域
のみに酸素をイオン注入法により5×1020〜5×1021cm-3となるように添加してもよい。
上記方法によって、アモルファス状態の珪素膜を50〜500nm、本実施例では100
nmの厚さに成膜した。
となるべき領域のみ開孔したパターンを形成した。そして、レジスト103をマスクとし
て、リンイオンをイオン注入法により、2×1014〜5×1016cm-2、好ましくは2×
1016cm-2だけ、注入し、n型不純物領域104を形成した。その後、レジスト103
は除去された。
領域となるべき領域のみ開孔したパターンを形成した。そして、レジスト105をマスク
として、p型の不純物領域106を形成した。不純物としては、ホウソを用い、やはりイ
オン注入法を用いて、2×1014〜5×1016cm-2、好ましくは2×1016cm-2だけ
、不純物を導入した。このようにして。図9(B)を得た。
膜107を、上記のRFスパッタ法によって形成した。そして、XeClエキシマレーザ
ーを用いて、ソース・ドレイン・チャネル領域をレーザーアニールによって、結晶化・活
性化した。この時のレーザーエネルギーは、閾値エネルギーが130mJ/cm2 で、膜
厚全体が溶融するには220mJ/cm2 が必要となる。しかし、最初から220mJ/
cm2 以上のエネルギーを照射すると、膜中に含まれる水素が急激に放出されるために、
膜の破壊が起きる。そのために低エネルギーで最初に水素を追い出した後に溶融させる必
要がある。本実施例では最初150mJ/cm2 で水素の追い出しを行なった後、230
mJ/cm2 で結晶化をおこなった。さらに、レーザーアニール終了後は酸化珪素膜10
7は取り去った。
域112を形成した。この上に酸化珪素膜108をゲイト絶縁膜として50〜200nm
例えば100nmの厚さに形成した。これはブロッキング層としての酸化珪素膜の作製と
同一条件とした。この成膜中に弗素を少量添加し、ナトリウムイオンの固定化をさせても
よい。
コン膜とその上にモリブデン(Mo)、タングステン(W),MoSi2 またはWSi2との多層膜を形成
した。これを第4のフォトマスクP4にてパタ−ニングして図9(D) を得た。NTFT用
のゲイト電極109、PTFT用のゲイト電極110を形成した。例えばチャネル長7μ
m、ゲイト電極としてリンド−プ珪素を0.2μm、その上にモリブデンを0.3μmの
厚さに形成した。図には示されていないが、実施例1の場合と同様にゲイト配線とそれに
平行な配線も形成した。
ことも可能である。アルミニウムを用いた場合、これを第4のフォトマスクP4にてパタ
−ニング後、その表面を陽極酸化することで、セルファライン工法が適用可能なため、ソ
ース・ドレインのコンタクトホールをよりゲートに近い位置に形成することが出来るため
、移動度、スレッシュホールド電圧の低減からさらにTFTの特性を上げることができる
。
ことができる。そのため、基板材料として、石英等の高価な基板を用いなくてもよく、本
発明の大画面の液晶表示装置にきわめて適したプロセスであるといえる。
として行った。この酸化珪素膜の形成はLPCVD法、光CVD法、常圧CVD法を用い
てもよい。例えば0.2〜0.6μmの厚さに形成し、その後、第5のフォトマスクP5
を用いて電極用の窓117を形成した。その後、さらに、これら全体にアルミニウムを0
.3μmの厚みにスパッタ法により形成し第6のフォトマスクP6を用いてリ−ド116
およびコンタクト114、115を作製した後、表面を平坦化用有機樹脂119、例えば
透光性ポリイミド樹脂を塗布形成し、再度の電極穴あけを第7のフォトマスクP7にて行
った。さらに、これら全体にITO(インジウム酸化錫)を0.1μmの厚みにスパッタ
法により形成し第8のフォトマスクP8を用いて画素電極118を形成した。このITO
は室温〜150℃で成膜し、200〜400℃の酸素または大気中のアニ−ルにより成就
した。
(V)で、NTFTで移動度は90(cm2/Vs)、Vthは4.8(V)であった。
た。他方の基板の作製方法は実施例1と同じであるので省略する。その後、前記第一の基
板と第二の基板によって、ネマチック液晶組成物を挟持し、周囲をエポキシ性接着剤にて
固定した。基板上のリードにTAB形状の駆動ICと共通信号、電位配線を有するPCB
を接続し、外側に偏光板を貼り、透過型の液晶電気光学装置を得た。これと冷陰極管を3
本配置した後部照明装置、テレビ電波を受信するチューナーを接続し、壁掛けテレビとし
て完成させた。従来のCRT方式のテレビと比べて、平面形状の装置となったために、壁
等に設置することも出来るようになった。この液晶テレビの動作は図1、図2に示したも
のと、実質的に同等な信号を液晶画素に印加することにより確認された。
Claims (3)
- 複数の信号線を有する表示部と、保護回路とを有し、
前記表示部は、複数の画素を有し、
前記複数の画素各々は、第1の薄膜トランジスタを有し、
前記信号線は、前記第1の薄膜トランジスタのソースまたはドレインに電気的に接続され、
前記保護回路は、N型の第2の薄膜トランジスタとP型の第3の薄膜トランジスタと抵抗とを有し、前記複数の信号線に1つずつ電気的に接続され、
前記第2の薄膜トランジスタのソース及びドレインの一方とゲートとは前記抵抗を介して電気的に接続されており、
前記第3の薄膜トランジスタのソース及びドレインの一方とゲートとは前記抵抗を介して電気的に接続されており、
前記第2の薄膜トランジスタのソース及びドレインの他方と前記第3の薄膜トランジスタのソース及びドレインの他方とは電気的に接続されていることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1において、前記複数の信号線に対応する前記保護回路において、前記第2の薄膜トランジスタのソース及びドレインの他方、並びに前記第3の薄膜トランジスタのソース及びドレインの他方は共通の配線に電気的に接続されていることを特徴とする液晶表示装置。
- 請求項1または2において、前記複数の画素に信号を入力する駆動回路を有し、前記保護回路は、前記表示部と前記駆動回路の間に設けられることを特徴とする液晶表示装置。
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2006
- 2006-10-16 JP JP2006280926A patent/JP4044594B2/ja not_active Expired - Lifetime
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