JP4044225B2 - トラクションドライブ用流体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトラクションドライブ用流体に関し、さらに詳しくは、耐摩耗性,耐スコーリング性及び耐表面疲労寿命性などが高いレベルでバランスし、特に自動車用トラクションドライブ無段変速機に好適なトラクションドライブ用流体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トラクションドライブ用流体は、トラクションドライブ装置(転がり接触による摩擦駆動装置)、例えば自動車用無段変速機,産業用無段変速機などに用いられるものである。特に、自動車用変速機として用いられるトラクションドライブ無段変速機は、転動面,歯車,転がり軸受けなどの高面圧接触部を構成機械要素としており、したがって、トラクションドライブ用流体としては、高いトラクション係数をもたらすとともに、上記構成機械要素の摩耗防止,スコーリング(燒付き)防止及び転動疲労寿命延長を図ることを主目的として用いられてきた。そのため、自動車用トラクションドライブ無段変速機に用いられるトラクションドライブ用流体としては、基油に耐摩耗性,耐スコーリング性を付与し、さらに酸化安定性,錆止め性,泡消し性,腐食防止性,湿式クラッチの摩擦特性などの諸特性を付与したものが使用されている。
ところで、自動車用トラクションドライブ無段変速機は、最近、小型化,軽量化,伝達動力大容量化が求められており、潤滑部分についても、過酷な条件下でもピッチングなどの表面疲労損傷を発生させないことが要求されている。
【0003】
従来、自動車用トラクションドライブ無段変速機には、基油に、耐摩耗性及び耐スコーリング性に優れる硫黄系添加剤とリン系添加剤との組合わせを配合したトラクションドライブ用流体が用いられてきた。しかしながら、前記の耐摩耗性及び耐スコーリング性を付与する硫黄系とリン系添加剤の併用系は、表面疲労損傷に対する寿命延長効果はあまり期待できず、むしろ、悪影響を及ぼすことが多い。したがって、自動車用トラクションドライブ無段変速機に用いられるトラクションドライブ用流体としては、優れた耐摩耗性及び耐スコーリング性を有するとともに、耐表面疲労寿命性を向上させた潤滑油の開発が望まれていた。
このような、要望にこたえるべく、これまで、自動車用変速機などの潤滑油の極圧添加剤として知られている、硫黄系,リン系,ZnDTP(ジチオリン酸亜鉛)などの添加剤を単体で又は適当に組み合わせて使用することが試みられてきたが、耐摩耗性,耐スコーリング性及び耐表面疲労寿命性を同時に、充分に満足させることができないのが実状であった。
また、硫黄・リン系とモリブデン系添加剤を組み合わせて用いることにより、耐表面疲労寿命性を向上させうることが知られているが、この併用系では、無段変速機の摩擦係数を下げるので、トラクションドライブ用流体には適用しにくいという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、優れた耐摩耗性及び耐スコーリング性を有するとともに、耐表面疲労寿命性を向上させたトラクションドライブ用流体、特に自動車用トラクションドライブ無段変速機に好適に用いられるトラクションドライブ用流体を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の優れた性能を有するトラクションドライブ用流体を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のリン系化合物とホウ素含有イミド系分散剤とを特定の条件で加熱処理して得られ、かつ特定の性状を有する添加剤を、基油に所定の割合で配合することにより、その目的を達成しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、(A)一般式(I)
【化2】
〔式中、Aは水素原子又は水酸基、mは0又は1を示し、mが0の場合Aは水酸基、mが1の場合Aは水素原子又は水酸基であり、R1及びR2は、それぞれ水素原子又は一つ以上の酸素原子及び/又は硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよいが、R1とR2が同時に水素原子であることはない。〕
で表される酸性リン酸エステル又は亜リン酸エステルと(B)ホウ素含有イミド系分散剤とを120〜150℃の温度において5時間以上加熱処理して得られ、かつホウ素とリンとの重量比(B/P)が0.05以上、全酸価(mgKOH/g)のリン含有量(重量%)に対する比が25以上である添加剤を、リンの含有量に換算して100〜600重量ppmの量で基油に配合してなるトラクションドライブ用流体を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のトラクションドライブ用流体において、添加剤の原料の一つとして用いられる(A)成分のリン系化合物としては、一般式(I)
【0007】
【化2】
【0008】
で表される酸性リン酸エステル又は亜リン酸エステルを用いる。上記一般式(I)において、Aは水素原子又は水酸基、mは0又は1を示し、mが0の場合Aは水酸基、mが1の場合Aは水素原子又は水酸基であり、R1 及びR2 は、それぞれ水素原子又は一つ以上の酸素原子及び/又は硫黄原子で中断されていてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を示す。ここで、炭素数1〜18の炭化水素基としては、炭素数1〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜18のシクロアルキル基、炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基又は炭素数7〜18のアラルキル基が挙げられる。炭素数1〜18のアルキル基の例としては、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,オクチル基,2−エチルヘキシル基,デシル基,ドデシル基,テトラデシル基,ヘキサデシル基,オクタデシル基などが挙げられる。炭素数3〜18のシクロアルキル基の例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基,メチルシクロヘキシル基,シクロオクチル基などが挙げられる。炭素数2〜18のアルケニル基の例としては、アリル基,プロペニル基,ブテニル基,オクテニル基,デセニル基,オレイル基などが挙げられる。炭素数6〜18のアリール基の例としては、フェニル基,トリル基,キシリル基,ナフチル基などが挙げられ、炭素数7〜18のアラルキル基の例としては、ベンジル基,フェネチル基,ナフチルメチル基などが挙げられる。
【0009】
また、この炭素数1〜18の炭化水素基は、一つ以上の酸素原子及び/又は硫黄原子で中断されていてもよい。すなわち、主鎖中に一つ以上のエーテル基又はチオエーテル基あるいはその両方を含んでいてもよい。このような炭化水素基の例としては、ヘキシルオキシメチル基,ヘキシルオキシエチル基,オクチルオキシメチル基,オクチルオキシエチル基,ドデシルオキシメチル基,ドデシルオキシエチル基,ヘキサデシルオキシメチル基,ヘキサデシルオキシエチル基,ヘキシルチオメチル基,ヘキシルチオエチル基,オクチルチオメチル基,オクチルチオエチル基,ドデシルチオメチル基,ドデシルチオエチル基,ヘキサデシルチオメチル基,ヘキサデシルチオエチル基などが挙げられる。
このR1 及びR2 は、たがいに同一であってもよく、異なっていてもよいが、R1 とR2 が共に水素原子であることはない。
一般式(I)で表される化合物の中で、酸性リン酸エステルとしては、一般式(I−a)
【0010】
【化3】
【0011】
(式中のR1 及びR2 は前記と同じである。)
で表される構造のものが挙げられる。
この一般式(I−a)で表される酸性リン酸エステルの例としては、モノ又はジ−ヘキシルハイドロジェンホスフェート,モノ又はジ−オクチルハイドロジェンホスフェート,モノ又はジ−ドデシルハイドロジェンホスフェート,モノ又はジ−ヘキサデシルハイドロジェンホスフェート,モノ又はジ−(ヘキシルチオエチル)ハイドロジェンホスフェート,モノ又はジ−(オクチルチオエチル)ハイドロジェンホスフェート,モノ又はジ−(ドデシルチオエチル)ハイドロジェンホスフェート,モノ又はジ−(ヘキサデシルチオエチル)ハイドロジェンホスフェート,モノ又はジ−オクテニルハイドロジェンホスフェート,モノ又はジ−オレイルハイドロジェンホスフェート,モノ又はジ−シクロヘキシルハイドロジェンホスフェート,モノ又はジ−フェニルハイドロジェンホスフェート,モノ又はジ−トルイルハイドロジェンホスフェート,モノ又はジ−ベンジルハイドロジェンホスフェート,モノ又はジ−フェネチルハイドロジェンホスフェートなどが挙げられる。
【0012】
また、一般式(I)で表される化合物の中で、亜リン酸エステルとしては、一般式(I−b)又は一般式(I−c)
【0013】
【化4】
【0014】
(式中のR1 及びR2 は前記と同じである。)
で表される構造の酸性亜リン酸エステルが挙げられる。
この一般式(I−b)又は一般式(I−c)で表される酸性亜リン酸エステルの例としては、モノ又はジ−ヘキシルハイドロジェンホスファイト,モノ又はジ−オクチルハイドロジェンホスファイト,モノ又はジ−ドデシルハイドロジェンホスファイト,モノ又はジ−ヘキサデシルハイドロジェンホスファイト,モノ又はジ−(ヘキシルチオエチル)ハイドロジェンホスファイト,モノ又はジ−(オクチルチオエチル)ハイドロジェンホスファイト,モノ又はジ−(ドデシルチオエチル)ハイドロジェンホスファイト,モノ又はジ−(ヘキサデシルチオエチル)ハイドロジェンホスファイト,モノ又はジ−オクテニルハイドロジェンホスファイト,モノ又はジ−オレイルハイドロジェンホスファイト,モノ又はジ−シクロヘキシルハイドロジェンホスファイト,モノ又はジ−フェニルハイドロジェンホスファイト,モノ又はジ−トルイルハイドロジェンホスファイト,モノ又はジ−ベンジルハイドロジェンホスファイト,モノ又はジ−フェネチルハイドロジェンホスファイトなどが挙げられる。
【0015】
本発明においては、この(A)成分のリン系化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のトラクションドライブ用流体において、添加剤のもう一つの原料として用いられる(B)成分のホウ素含有イミド系分散剤としては、特に制限はなく、従来潤滑油用添加剤として慣用されているものの中から任意のものを適宜選択して用いることができる。このホウ素含有イミド系分散剤としては、例えば一般式(II)
【0016】
【化5】
【0017】
で表されるモノポリアルケニル若しくはポリアルキルコハク酸イミド、又は一般式(III)
【0018】
【化6】
【0019】
で表されるビスポリアルケニル若しくはポリアルキルコハク酸イミドをホウ素化合物で処理したものなどが挙げられる。
上記一般式(II) 及び(III)においては、R3 ,R5 及びR6 は、それぞれ炭素数2〜8程度のα−オレフィンのオリゴマー残基又はその水素化物であって、R5 及びR6 はたがいに同一でも異なっていてもよい。また、R4 ,R7 及びR8 は、それぞれ炭素数2〜4のアルキレン基であり、R7 及びR8 はたがいに同一でも異なっていてもよい。sは1〜10の整数、tは0又は1〜10の整数である。
本発明においては、(B)成分のホウ素含有イミド系分散剤として、上記一般式(II) で表されるモノ体のホウ素処理物を用いてもよいし、一般式(III)で表されるビス体のホウ素処理物を用いてもよく、またこれらの混合物を用いてもよい。
【0020】
上記ポリアルケニル若しくはポリアルキルコハク酸イミドとしては、ポリアルケニルコハク酸イミドが好ましく、特に重量平均分子量500〜3000程度のポリブテニルコハク酸イミドが好適である。また、窒素量及びホウ素量については特に制限はない。
本発明に係る添加剤は、前記(A)成分と(B)成分とを、120〜150℃の範囲の温度において、5時間以上加熱処理することにより、得られる。
具体的には、まず、(A)成分と(B)成分とを、ホウ素とリンの重量比(B/P)が0.05以上になるように混合し、40〜70℃程度の温度で10分〜3時間程度攪拌して均質化処理を行う。ホウ素とリンとの重量比(B/P)が0.05未満では所望の性能をもつ添加剤が得られない。添加剤の性能の面から、このB/P比のより好ましい値は、0.1〜0.5の範囲である。
なお、この均質化処理物におけるリンの含有量Pc(重量%)に対する全酸価TAN(mgKOH/g)の比TAN/Pcは通常20以下である。
次に、前記均質化処理物を120〜150℃の温度において5時間以上、好ましくは5〜24時間程度加熱処理する。この加熱処理は静置条件で行ってもよく、攪拌条件で行ってもよい。加熱処理温度が上記範囲を逸脱したり、加熱処理時間が5時間未満では所望の性能を有する添加剤が得られない。
このような加熱処理により得られた添加剤は、前記のTAN/Pc比が、25以上、好ましくは30以上である。このTAN/Pcが25未満では、所望の性能を有する添加剤が得られない。
【0021】
本発明のトラクションドライブ用流体における基油としては、特に制限はなく、従来トラクションドライブ用流体に慣用されている基油の中から、適宜選択して用いることができる。この基油としては、例えば、パラフィン系鉱油,ナフテン系鉱油,中間基系鉱油等の鉱油、シクロヘキサン環、デカリン環、ビシクロヘプタン環及びビシクロオクタン環から選ばれるものを少なくとも1つ有する飽和炭化水素化合物、エステル化合物、エーテル化合物等の合成油が挙げられる。特に、シクロヘキサン環を有する飽和炭化水素化合物としては特公平3ー80191号、特公平2ー52958号、特公平6ー39419号等各公報に記載の化合物が、デカリン環を有する飽和炭化水素化合物としては特公昭60ー43392号等公報に記載の化合物が、ビシクロヘプタン環を有する飽和炭化水素化合物としては特公平5ー31914号、特公平7ー103387号等各公報に記載の化合物、例えば1−シクロヘキシル−1−デカリルエタン;1,3−ジシクロヘキシル−3−メチルブタン;2,4−ジシクロヘキシルペンタン;1,2−ビス(メチルシクロヘキシル)−2−メチルプロパン;1,1−ビス(メチルシクロヘキシル)−2−メチルプロパン;2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタンが、また、ビシクロオクタン環を有する飽和炭化水素化合物としては特開平5ー9134号等公報に記載の化合物を用いることができる。
上記基油は、トラクションドライブ用流体中の含有量が、通常80重量%以上になるように用いられる。
【0022】
本発明においては、この基油は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のトラクションドライブ用流体においては、基油に対し、前記添加剤を、流体中のリン含有量に換算して100〜600重量ppmの範囲になるように配合することが必要である。この量が100重量部未満では耐表面疲労寿命性の向上効果が充分に発揮されず、かつ耐スカッフィング性が不足する。また、600重量ppmを超えるとその量の割には耐表面疲労寿命性の向上効果があまり認められず、むしろ経済的に不利となる上、腐食性が増大するおそれがる。
本発明のトラクションドライブ用流体には、必要に応じ、他の公知の添加剤を適宜配合することができる。他の公知の添加剤としては、例えばフェノール系,アミン系,ジチオリン酸亜鉛系などの酸化防止剤,イミド系,エステル系,ベンジルアミン系,フィネート系,サリチレート系などの清浄・分散剤,アミド系,エステル系,脂肪酸系などの摩擦調整剤,リン系,硫黄系などの極圧剤・摩耗防止剤,金属スルホネート系,コハク酸エステル系,ソルビタンエステル系などの防錆剤,ベンゾトリアゾール系,チアジアゾール系などの金属不活性化剤,シリコーン系などの消泡剤などが挙げられる。
【0023】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例にってなんら限定されるものではない。
なお、トラクションドライブ用流体の性能は、以下に示す要領に従って評価した。
(1)FZG歯車試験による耐焼付性
ASTM D5182−91に準拠し、90℃、1450rpm、15分の条件で試験を行い、スカッフィング発生荷重ステージで表示した。
(2)耐軸受疲労寿命性
JIK K2519に準拠し、曽田式四球摩擦試験機を使用して、回転数1450rpm、油圧荷重18kgf/cm2 、平均ヘルツ圧1.87GPa、油温100℃の条件で試験を行い、軸受剥離が生じるまでの時間(hr)で評価した。なお、試験軸受として、スラスト玉軸受#51405(全9球)を3球式として用いた。
【0024】
調製例 添加剤1〜5の調製
ジ(オクチルチオエチル)ハイドロジェンホスファイト(全酸価138mgKOH/g、P:8.5重量%、S:11.6重量%)とホウ素含有イミド系分散剤(エクソン化学製「ECA 5025」、全酸価6.5mgKOH/g、N:1.35重量%、B:0.35重量%)とを、B/P重量比が0.3になるように混合したのち、60℃で1時間攪拌を行い、均質化処理物を得た。
次に、この均質化処理物を、120〜130℃の温度で適当な時間加熱処理し、全酸価TAN(mgKOH/g)のリン含有量Pc(重量%)に対する比TAN/Pcが異なる下記4種類の添加剤1〜4を調製した。なお、添加剤5は、加熱処理前の均質化処理物である。
添加剤1:TAN/Pc=35.6
添加剤2:TAN/Pc=31.4
添加剤3:TAN/Pc=25.6
添加剤4:TAN/Pc=21.6
添加剤5:TAN/Pc=18.6
【0025】
実施例1〜5及び比較例1〜3
1,3−ジシクロヘキシル−1,1,3−トリメチルプロパン〔動粘度:20.4mm2 /秒(40℃)、3.62mm2 /秒(100℃)〕からなる基油に、流体全量に基づき、第1表に示す種類の添加剤を第1表に示すリン含有量になるように配合するとともに、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)(エチルジャパン社製)0.5重量%、4,4’−ジオクチルジフェニルアミン(川口化学工業社製)0.5重量%、ポリブテニルコハク酸イミド(オロナイトジャパン社製,分子量950,N;1.0重量%)1重量%、オレイン酸モノグリセリド(花王社製)0.3重量%、1,2,3−ベンゾトリアゾール(城北化学社製)0.02重量%及びポリジメチルシロキサン(信越化学社製)0.002重量%を配合して、トラクションドライブ用流体を製造した。
各トラクションドライブ用流体の性能評価結果を第1表に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】
本発明のトラクションドライブ用流体は、耐摩耗性,耐スコーリング性及び耐表面疲労寿命性などが高いレベルでバランスしており、特に自動車用トラクションドライブ無段変速機に好適に用いられる。
本発明のトラクションドライブ用流体を自動車用トラクションドライブ無段変速機に用いることにより、該無段変速機の能力を拡大しうるとともに、適応車種の拡大に貢献することができる。
Claims (2)
- (A)一般式(I)
で表される酸性リン酸エステル又は亜リン酸エステルと(B)ホウ素含有イミド系分散剤とを120〜150℃の温度において5時間以上加熱処理して得られ、かつホウ素とリンとの重量比(B/P)が0.05以上、全酸価(mgKOH/g)のリン含有量(重量%)に対する比が25以上である添加剤を、リンの含有量に換算して100〜600重量ppmの量で基油に配合してなるトラクションドライブ用流体。 - (B)成分のホウ素含有イミド系分散剤がポリアルケニルコハク酸イミドをホウ素化合物で処理したものである請求項1記載のトラクションドライブ用流体。
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