JP4043640B2 - 積層バスバーおよびその製造方法 - Google Patents

積層バスバーおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の導体を絶縁シートを挟んで積層接着してなる積層バスバーおよびその製造方法に関する、
【0002】
【従来の技術】
例えばモータコントローラ(インバータ、サービコントローラなど)や無停電電源装置などのいわゆるパワー回路(電源回路)では、ケーブル配線時の工数削減、誤配線の防止、さらにパワー回路の配線による誘導リアクタンスの低減を計るために、IGPT(Insulated Gatsd Bipolar Transistor)、IPM(Intelligent power Module)、サイリスタモジュールやダイオードモジュールなどのパワーモジュール、放電抵抗、コンデンサなどの回路部品を、積層バスバーを用いて相互に接続することが行なわれている。
【0003】
積層バスバーは、例えば金属板からなる複数の真っ直ぐな短冊状をなす導体を絶縁シートを挟んで積層し、接着剤、接着テープなどにより接着して固定したもので、各導体の端部には夫々端子が形成されている。この各固定部は導体を回路部品に設けられた端子に接続固定するねじ孔(透孔)を形成したものである。そして、積層バスバーは、接続する各回路部品間をわたって配置され、各導体の固定片を各回路部品の端子にねじ締めすることにより回路部品に接続固定されている。
【0004】
この積層バスバーで重要なことは、全ての固定片の固定孔が各回路部品の端子に形成したねじ孔に対向した位置にあることである。
【0005】
固定孔の位置精度が低く回路部品の端子の各ねじ孔の位置に対して許容誤差から外れている場合には、固定孔の位置がねじ孔の位置からずれて、積層バスバーと回路部品とを接続できなくなる。
【0006】
ところで、前述した積層バスバーは、従来一般的には各回路部品の端子を直線で結んで接続するという考え方から、真っ直ぐな(折曲げられていない)短冊状をなす金属板からなる導体を用いたものが使用されている。この積層バスバーは、真っ直ぐな複数個の導体を絶縁シートおよび接着剤を挟んで対向配置した後、導体を積層箇所で外側からしっかりと挟持した状態で接着して製作している。
【0007】
ところが、近年着目されている電気自動車に搭載される回路部に用いる積層バスバーは、種々の部品が配置された狭い空間の間に取り付けられるなどの各種制約上、折曲げ形状を要求されることが多い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この折曲げ部を有する積層バスバーを真っ直ぐな積層バスバーと同じように真っ直ぐな導体を積層し、これらの積層箇所を挟んだ状態で製作すると、固定位置のばらつきが大きいという問題が生じた。本発明者はこの原因を調べ次の結論に至った。すなわち、導体の中間部を折曲げると、曲げ加工に伴い加工歪みにより導体の板面に沿うたわみが発生する。そうすると、前述のように導体を接着する時、導体間の位置関係が不安定になり、各導体の固定孔の位置関係も変化する。
【0009】
図8はこのような事態を模式的に示したものである。図中1、2は導体で、図8はこの導体1、2の一方の端部を示している。導体1、2の端部側方には固定片3,4が形成され、この固定片3,4には固定孔5、6が形成されている。7は絶縁シート、8は接着剤である。例えば一方の導体1の端部が折曲げ加工に伴う加工歪みにより厚さ方向にたわみが生じている。このため、導体1の端部に形成した固定片3、固定片5が仮想線で示す適性な位置から変位する。
【0010】
このように折曲げ加工に伴うたわみの発生により固定孔5の位置が変化してしまう。
【0011】
これに対して自動車を組み立てる工程では、回路部品の取り付け位置に大きなばらつきがあっても、積層バスバーと回路部品との接続固定を円滑に行なえるように、積層バスバーの固定部に高い位置精度が要求される。このため、曲げ加工された積層バスバーに対して、固定部の位置精度の向上が求められている。
【0012】
なお、このような問題に対処するため導体の固定片の固定孔を長孔にすることが考えられる。しかし、この場合は部品端子と導体との接触面積が小さくなるため接触抵抗が増加したり、ねじの締め付け圧力が導体の狭い面積に加わるため、導体の固定部の耐クリープ特性が低下することがある。さらに、導体の折曲げ加工後に固定片に固定孔を切削加工で形成することが考えられるが、この場合には固定孔の内面が切削されて露出して腐食する可能性があり、また孔明け切削加工時の金属粉が導体に表面に付着して絶縁特性を低下させることがある。すなわち、これらの対処方法では積層バスバーの品質を低下させてしまうという問題がある。
【0013】
本発明は、折り曲げ部があっても各導体の固定部の位置精度が高く、品質も良い積層バスバーおよびこの積層バスバーを製造する製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の積層バスバーは、回路部品に接続固定するための固定部と折曲げられた折曲げ部とを有する複数の導体が、並列的に間隙を存して配置され、前記各導体の間の間隙に絶縁シートが配置されるとともに、前記各導体の間の間隙における前記導体と重なる領域に前記一方の導体と前記他方の導体とを前記絶縁シートを介して接着する接着剤が充填配置され、前記各導体が、該各導体に夫々形成された前記固定部を基準として、前記接着剤が介在されて、所定の位置に位置決めされた状態で、前記接着剤が加熱により軟化し、軟化した後に硬化し、前記複数の導体が前記絶縁シートを介して接合されたことを特徴とする
【0015】
この発明の構成によれば、折曲げ部を有する各導体の板面の変形にかかわらず、この間隙に充填した接着剤が各導体の板面の変形を吸収するために、各導体を夫々が有する固定部の位置関係を基準にして配置して積層バスバーを構成することができる。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1に記載の積層バスバーにおいて、前記接着剤は柔軟な基材の両面に積層されていることを特徴とする。このような基材としては、樹脂フィルム、織布、不織布などを例示できる。
【0017】
この発明の構成によれば、個々の接着剤の層の厚さを抑制しつつ接着剤の層の合計の厚さを厚くできるので、大きな導体のたわみを吸収できるとともに、接着力も高めることができる。
【0018】
請求項3の発明の積層バスバーの製造方法は、回路部品に接続固定するための固定部と折曲げられた折曲げ部とを有する複数の導体を、絶縁シートと接着剤とを介して接合した積層バスバーを製造するに際して、各導体に夫々形成された固定部を基準として前記各導体を接着剤が介在された状態で所定の位置に位置決め固定する位置決め工程と、接着剤を加熱して軟化させた後硬化させて前記複数の導体を前記絶縁シートを介して接合する加熱工程とを有することを特徴とする。
【0019】
この発明の構成によれば、固定部の位置を基準として各導体を配置するとともに各導体間の板面の変形を、これら導体の間に介在された接着剤を加熱軟化させることにより吸収してから各導体を接着することにより、積層バスバーの機械的および電気的特性を損なうことなく各導体を固定部を所定位置に位置させて配置して接着することができる。
【0020】
請求項4の発明は、請求項3に記載の積層バスバーの製造方法において、前記位置決め工程の接着剤は指触乾燥程度まで硬化されたエポキシ樹脂であることを特徴とする。
【0021】
この発明の構成によれば、位置決め工程において導体などと接着剤とを積層させるときの取り扱いが容易である。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図1ないし図4を参照して説明する。
【0023】
図1はこの実施の形態における積層バスバーを示す斜視図、図2は積層バスバーを示す平面図、図3は積層バスバーを示す断面図、図4は積層バスバーの端部を拡大して示す平面図である。この実施の形態の積層バスバーは、主部の中間が直角に折曲げられた2個の導体を組合せ、各導体間の間隙に2枚の絶縁シートを配置して接着剤を充填配置したもので、接着剤はエポキシ樹脂を基材の両面に塗布積層したものを用いている。なお、この積層バスバーが接続される回路部品には夫々端子が設けられ、これら端子には積層バスバーの各導体を固定ねじで接続固定するねじ孔が形成されている。
【0024】
図中11、12は導電性を有する金属からなる導体で、この導体11、12は金属板により形成されている。各導体11、12は、短冊状の主部100、200の長さ方向の適宜な位置が所定の曲げRで直角に折曲げられたL字形をなすもので、折曲げ部11a、12aから一方の端部に至る部分11b、12bと折曲げ部11a、12aから他方の端部に至る部分11c、12cとが互いに直交している。導体11における長さ方向における両方の端部には固定片13が形成されている。これら固定片13は導体11の部分11bと部分11cとで挟まれるスペースの内側に向けて突出するように主部100に対して直角な方向に沿って折曲げられて形成されている。各固定片13には夫々透孔からなる円形の固定孔14が形成されている。導体12の長さ方向両端部には固定片15が形成されている。これら固定片15は導体12の部分12bと部分12cとで挟まれるスペースの外側に向けて突出するように導体12の主部200に対して直角な方向に沿って折曲げられて形成されている。各固定片15には夫々透孔からなる円形の固定孔16が形成されている。
【0025】
各導体11、12について説明を加える。導体11、12を形成する金属材料にはタフピッチ銅または無酸素銅を使用する。導体11、12はプレスを用いて個々に予め折曲げ加工する。導体11、12の寸法は、積層バスバーを使用する箇所、接続する回路部品の大きさ、回路部品の端子の位置などの条件に応じて設定する。また、導体11、12間に介在する接着剤、絶縁シートの厚さを考慮して、固定片13、15の固定孔14、16と導体11、12の積層面との位置関係を設定する。導体11、12は必要な断面積を確保できれば脱燐酸銅やアルミニウムにより形成しても良い。各導体11、12の表面は使用する環境条件に応じて表面処理が施されている。一般的には積層バスバーと接続する回路部品との馴染みを優先して電気すずめっきを施すが、積層バスバーがより高温の環境で使用される場合には電気ニッケルめっきを施すこともある。また、導体をアルミニウムで形成する場合には電触の問題があるために表面処理には充分注意する必要がある。
【0026】
そして、各導体11、12は主部100、200の積層面が平行に向き合うとともに折曲げ部11a、12aが同じ向きを向くようにして所定間隙を存して並列的に平行に並べて配置されている。各導体11、12の間隙には絶縁シート17、18および接着剤19が介在されている。導体11における固定片13の向きと導体12における固定片15の向きは互いに逆で導体11、12の間の間隙に対して外側を向いている。各導体11、12は固定片13、15の固定孔14、16の位置関係、すなわち固定孔14、16の中心間距離Sを基準にして配置されている。
【0027】
各導体11、12の間の間隙には2枚の絶縁シート17、18が間隙幅方向に間隙を存して導体11、12の形状に沿って配置されている。絶縁シート17、18は導体11、12の長さおよび幅より大きな長さおよび幅をもった矩形をなすシートで、その周縁部全体が導体11、12の周縁部全体から外側へ突出している。絶縁シート17、18は柔軟性がある絶縁材料により形成されている。この絶縁材料は絶縁シート17、18における要求耐電圧および使用環境温度により選択する。一般的な使用には耐圧性が良く安価であるポリエチレンテレフタレート(PET)が適するが、より高温環境下での使用はポリフェニレンサルファイド(PPS)、アラミドが適し、700ないし800V以上の電圧で使用する場合には耐コロナ放電に優れた集成マイカが適している。これら複数種の絶縁材が複合積層されたものでも良い(例:日東シンコーNTNシート)。そして、これらの材料からなるシートをビク型などを用いて必要な形状に型抜きしたものを接着剤により導体に貼り付けて積層する。抄紙工程を必要とするアラミド、集成マイカは製造方法上ピンホールが発生する可能性があるために2枚重ねて使用することが多い。
【0028】
各導体11、12の間の間隙において、一方の絶縁シート17と一方の導体11との間、他方の絶縁シート18と他方の導体12との間および絶縁シート17、18の間には夫々接着剤19が充填配置されている。接着剤19は夫々導体11、12と重なる領域(導体11、12の外形線で囲まれる領域、各導体11、12の間の間隙の領域)の内側に充填配置され、これらの接着剤19により積層した各導体11、12および絶縁シート17、18は接着固定されている。接着剤19の層の外周端は導体11、12の外周よりも奥まっている。これは絶縁シート17、18が折り曲げられた時に変形できる余地を確保して、絶縁シート17、18が損傷を受けるのを防止するためである。接着剤19としてはエポキシ樹脂を用いる。接着剤19を単独として用いても良好に接着を行なえるが、この実施の形態では薄い不織布からなるテープ状の基材20の表面と裏面に接着剤19を塗布した接着テープを用いている。この基材20の幅または長さは導体11、12の主部100、200の幅または長さ寸法より小とされている。このような接着テープを用いたのは、吸収できる導体の板面のゆがみを大にするため、接着剤の層の合計厚さを大にしても、接着剤の各層の厚さを小にできるので、高い接着強度を維持しやすいからである。接着剤の各層(基材20の片側の層)の厚さは0.1〜0.5mm程度、より好ましくは0.2mm程度にすると良い。
【0029】
ここで、図1および図2では導体11、12を直線で示しているが、具体的には、導体11、12をプレスにより折曲げ加工すると、導体11、12には曲げ加工ばらつきや加工歪みによりたわみが発生する。図4はその一例として、導体11の一方の端部が図中仮想線で示すたわみのない理想的な位置から外側へ向けてそり開くように長さ方向に沿ってたわみが発生した形態を示している。このため、図4に示すように導体11、12の一方の端部の固定片13、15の固定孔14、16を回路部品の端子に形成した各ねじ孔の位置(各ねじ孔の間隙寸法に合せた間隙を存した位置)に合せて位置を決め、その固定孔14、16の位置を基準にして導体11、12の間隙を設定すると、導体11、12のたわみに応じて導体11、12の間隙が設計時の寸法より大きい箇所や小さい箇所が生じることがある。すなわち、導体11、12の間隙は板面方向においてばらつきが生じる。この導体11、12の間隙の寸法のばらつきは、接着剤19によって吸収している。そのためには、接着剤19の層の合計の厚さは0.3〜1mm、より好ましくは0.5mm程度にすると良い。
【0030】
次にこの積層バスバーを製作する方法について説明する。
【0031】
まず、平らな金属短冊板をプレスにより折曲げ加工して導体11、12を製作する。次いで、各導体11、12をそれらの固定部13、15の固定孔14、16を基準にして位置決めする(位置決め工程)。このとき、絶縁シート17、18および接着テープを導体11、12の間に挟む。この際、接着テープとしては、基材としての薄い不織布の両面にエポキシ樹脂が塗布されたものを用いる。このエポキシ樹脂は、指触乾燥程度(B−ステージ)まで予備硬化されていることが好ましい。
【0032】
次いで、このように各部品を仮止めした積層体に対して高周波加熱を行なう(加熱工程)。高周波発信器で専用に製作された加熱用コイルを用いて高周波磁場を形成し、コイル内部の導体のヒテリシス損とうず電流損により短時間に効率が良い加熱が可能である。また短時間の加熱のために導体の歪みを最小限に押さえて導体寸法の狂いを抑えることができる。このように加熱すると、Bステージ状態のエポキシ樹脂は一旦軟化し、その後硬化する。この方法によれば、約1分間程度で硬化させることが可能であるが、専用コイルなどの設備に初期投資が必要である。数量が少ない場合には、硬化時間を要するが加熱炉で硬化が可能である(被接着物の熱容量にもよるが硬化するまで1時間程度)。
【0033】
このように加熱処理すると、導体11、12の間隙に充填配置された接着剤19は、間隙の狭い部分から押し出されて間隙の広い部分を埋めるように移動する。この結果、接着剤19は導体11、12の間隙の寸法のばらつきを吸収して間隙に充填され導体11、12の側面と絶縁シート17、18を積層状態で接着する。
【0034】
図6および図7は前記製造方法を実施する際に好適な治具30を示す平面図である。この治具30は台部31と、不動部32と、可動部33とで構成されている。
【0035】
不動部32は、折り曲げられた導体11の内側に入る形状の板状体で、中央部に設けられた台部31にボルト止めされている。ボルト止めのための孔32aは長孔になっており、若干の位置調整を行なえるようになっている。この不動部32には、導体11の固定孔14、14を位置決めするピン34、34が立設されている。また、導体11の固定孔14をピン34に係合した状態で、その固定片13を押えることができるクランプ35が設けられている。
【0036】
可動部33は、折り曲げられた導体12の外側に沿う形状の板状体で、台部31にスライド可能に取り付けられている。このスライド方向は、製造する積層バスバーの折り曲げ角度を2等分する方向に設定されている。この可動部33にも、導体12の固定孔16、16を位置決めするピン36、36が立設されている。また、導体12の固定孔16をピン36に係合した状態で、その固定片15を押えることができるクランプ37が設けられている。
【0037】
この治具30を用いて積層バスバーを製造する場合には、まず図6に示したように,可動部33を後退させた状態で、不動部32のピン34に導体11の固定孔14をはめ合せた後、クランプ35で固定片13を押えて、導体11を不動部32に固定する。
【0038】
同様に、可動部33のピン36に導体12の固定孔16をはめ合せた後、クランプ37で固定片15を押えて導体12を可動部33に固定する。
【0039】
この後、可動部33を前進させて、導体11、12を近づける。このとき同時に、絶縁シート17、18と接着剤19とが塗布された基材20を導体11、12の間に配置する。
【0040】
なお、この際、接着剤19を塗布した基材20を、折り曲げ部11a,11bを除いた部分11b、12b,11c,12cにのみ配置するようにして、絶縁シート17、18の折り曲げに無理が生じないようにして絶縁シート17、18の損傷を防止すると良い。
【0041】
図7に示すように、可動部33を最終位置まで前進させると、導体11、12の固定孔14、16は設計通りの適正な位置関係になる。このとき接着剤19などは、導体11、12間の間隙が狭い箇所では強く挟まれた状態になっている。そして、導体11、12は、この接着剤19をん強く挟んだことによって若干外側に弾性変形している場合もある。
【0042】
この状態で、治具30ごと加熱処理を行なう。そうすると、接着剤19は一度軟化し、狭い箇所にあった接着剤は広い箇所に押し出される。そして、前記のように導体11、12が弾性変形していた場合は、その弾性力で元の状態に戻る。その後、接着剤19は硬化し、導体11、12は接着される。
【0043】
この加熱処理後にクランプ35、37を解放して、導体11、12を治具30から外すと、固定孔14、16が適正な位置に配置された積層バスバーが得られる。
【0044】
このように積層バスバーを製造する方法は、導体11、12、絶縁シート17、18および接着剤19を積層した積層体における各導体11、12に夫々形成された固定片13、15の固定孔14、16を基準として各導体11、12を所定の配置位置に位置決めし、次いで接着剤19を加熱して軟化させた後に硬化させて導体11と導体12とを絶縁シート17、18を介して接着するので、各導体11、12を曲げ加工するときに生じるたわみを、これら導体11、12の間隙に充填配置した接着剤19で吸収して各導体11、12を接着することができる。従って、固定片13、15の固定孔14、16を正確な位置に位置させた積層バスバーを得ることができる。
【0045】
このように製作された積層バスバーは、並列的に配置した折曲げ部を有する各導体11、12の間の間隙の寸法のばらつきにかかわらず、このばらつきをこの間隙に充填した接着剤19が吸収して導体11、12を接着固定するために各導体11、12を夫々が有する固定片13、15の固定孔14、16の位置関係を基準にして配置して積層バスバーを構成することができる。
【0046】
また、接着剤19は導体11、12の形状に重なり合う部分(導体11、12の外形線で囲まれる部分の内側に領域に設けている。このため、絶縁シートの柔軟性を大きく損なうことがない。また、積層バスバーを組み付ける場合に絶縁シートが他に部品に当っても柔軟にたわんでその衝撃を吸収するために損傷することがない。なお、導体11、12の外側へ突出している絶縁シート17、18の部分にも接着剤19が塗布されていると、絶縁シート17、18の柔軟性を大きく損なうことになり、積層バスバーを組み付ける場合に絶縁シートが他に部品に当るとその衝撃を吸収できず損傷を受け易い。
【0047】
加えて柔軟な基材に塗布した状態で接着剤を用いたので、導体の大きなたわみを吸収できるように接着剤の総厚を大にしても、個々の接着剤の厚さを薄くでき、積層バスバーの接着状態を良好に保つことができる。
【0048】
本発明は前述した実施の形態に限定されず、種々変形して実施することができる。この実施の形態では、導体11、12の間に2枚の絶縁シート17、18を介在して配置しているが、これに限定されず、積層バスバーの使用条件に応じて図5の断面図に示すように導体11、12の間に1枚の絶縁シート17のみを介在して配置することも可能である。図5において図3と同じ部分は同じ符号を付して示している。
【0049】
前述した実施の形態では2個の導体を積層している。これは直流のPN層を積層する場合である。交流のUVW、RTSの3相の場合には3枚の導体を積層する。
【0050】
前述した実施の形態では導体に設ける固定部として固定孔を有する固定片を形成しているが、固定部はこれに限定されず、例えば別体の固定片を溶接などの方法により接合するようにしても良く、また固定片の形状も種々変形できる。
【0051】
【発明の効果】
請求項1の発明の積層バスバーによれば、並列的に配置した折曲げ部を有する各導体の間の間隙の寸法のばらつきにかかわらず、この間隙に充填した接着剤が各導体を接着固定するために、各導体を夫々が有する固定部の位置関係を基準にして配置して積層バスバーを構成することができる。
【0052】
請求項2の発明によれば、積層バスバーにおいて、各導体の間の間隙に充填配置される前記接着剤は柔軟な基材の両側の側面に塗布することにより、導体間に充填される接着剤の厚さを抑制して接着力を高めることができる。
【0053】
請求項3の発明の積層バスバーの製造方法によれば、固定部の位置を基準として各導体を配置することにより生じる各導体間の間隙の寸法のばらつきを、これら導体の間隙に充填配置した接着剤で吸収して各導体を接着することにより、回路部品と接続固定する固定部の位置精度を高めた積層バスバーを製造することができる。
【0054】
請求項4の発明によれば、積層バスバーにおいて、指触乾燥程度まで硬化された接着剤を用いるので製造が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における積層バスバーを示す斜視図。
【図2】同実施の形態の積層バスバーを示す平面図。
【図3】同実施の形態の積層バスバーを示す断面図。
【図4】同実施の形態の積層バスバーにおける導体の固定部を拡大して示す図。
【図5】同実施の形態の積層バスバーを示す断面図。
【図6】同実施の形態の積層バスバーを製造する場合に用いる治具を示す図。
【図7】同実施の形態の積層バスバーを製造する場合に用いる治具を示す図。
【図8】積層バスバーにおける導体の固定部を拡大して示す図。
【符号の説明】
11…導体、
12…導体、
100…主部、
200…主部、
13…固定片、
14…固定孔、
15…固定片、
16…固定孔、
17…絶縁シート、
18…絶縁シート、
19…接着剤、
20…基材、
30…治具、
31…台部、
32…可動部、
32a…長孔、
33…可動部、
34…ピン、
35…クランプ、
36…ピン、
37…クランプ。

Claims (4)

  1. 回路部品に接続固定するための固定部と、折曲げられた折り曲げ部とを有する複数の導体が、並列的に間隙を存して配置され、これら各導体の間の間隙に絶縁シートが配置されるとともに、前記各導体の間の間隙における前記導体と重なる領域に前記一方の導体と前記他方の導体とを前記絶縁シートを介して接着する接着剤が充填配置され、前記各導体が、該各導体に夫々形成された前記固定部を基準として、前記接着剤が介在されて、所定の位置に位置決めされた状態で、前記接着剤が加熱により軟化し、軟化した後に硬化し、前記複数の導体が前記絶縁シートを介して接合されたことを特徴とする積層バスバー。
  2. 前記接着剤は柔軟な基材の両側面に積層されていることを特徴とする請求項に記載の積層バスバー。
  3. 回路部品に接続固定するための固定部と折曲げられた折曲げ部とを有する複数の導体を、絶縁シートと接着剤とを介して接合した積層バスバーを製造するに際して、前記各導体に夫々形成された固定部を基準として前記各導体を接着剤が介在された状態で所定の位置に位置決め固定する位置決め工程と、接着剤を加熱して軟化させた後に硬化させて前記複数の導体を前記絶縁シートを介して接合する加熱工程とを有することを特徴とする積層バスバーの製造方法。
  4. 前記位置決め工程の接着剤は指触乾燥程度まで硬化されたエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の積層バスバーの製造方法。
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