JP4043462B2 - パルプスラリーの分配供給方法 - Google Patents

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本発明は、嵩高処理パルプを含むパルプスラリーの分配供給方法に関する。
繊維成形体の製造方法に関し、出願人は、下記特許文献1に記載の技術を提案している。この技術は、嵩高処理パルプを含むパルプスラリーから湿潤状態の繊維積層体を抄造し、これを乾燥するものである。
ところで、このような嵩高処理パルプを含むパルプスラリーから繊維積層体を複数個同時に抄造する場合に、パルプスラリーを分岐に到るまでの流路長さの異なる複数の分岐流路に分岐させて抄造手段に供給すると、各分岐流路に供給されるパルプスラリーに大きく濃度差が生じ、その後に得られる繊維積層体にばらつきが生じることがわかった。
同一の流路形状(流路長さ)の複数の分岐流路を幹流路から均等に分岐させて配管し、分岐流路におけるスラリーの濃度の均一化を図った技術が提案されているが(下記特許文献2参照)、この技術は、上記課題の根本的解決手段とはならない。
一方、紙を製造するときのヘッドボックスに関する技術として、パルプスラリーの流路を湾曲させる二つの曲がり管を連続してヘッドボックスに配管し、ヘッドボックスに供給されるパルプスラリーに遠心力による分散作用を与えることによって、ヘッドボックスからパルプスラリーを幅方向に均一に噴射させる技術が提案されている(下記特許文献3参照)。
しかし、この技術は、ヘッドボックスの形状に応じた複雑な形状の曲がり管を用いる必要があるため、パイプを枝分かれさせる様な、汎用的な分岐管路でパルプスラリーを均一に分配供給するときには、そのまま適用できるものではなかった。
特開2000−119999号公報 特開昭62−155400号公報 特開平7−279079号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、嵩高処理パルプを含むパルプスラリーを、分岐に到るまでの長さが異なる複数の分岐流路に分岐させたときの分岐流路間に濃度差を抑えて分配供給することができるパルプスラリーの分配供給方法を提供することを目的とする。
本発明は、分岐に到るまでの流路の長さが異なる複数の分岐流路に幹流路を分岐させ、前記分岐流路間における濃度差を抑えて嵩高処理パルプを含むパルプスラリーを分配供給する方法であって、前記パルプスラリー中のパルプ成分の濃度が0.2〜1.0質量%であり、前記幹流路から前記分岐流路への分岐部分の該幹流路の管内径D1が0.015〜0.3mであり、前記分岐流路の管内径D2が0.01〜0.1mであり、前記幹流路から前記分岐流路に至る間での長さの違いが、3×D2〜15×D2であり、前記幹流路の管内径D1と前記分岐流路の管内径D2との比(D1/D2)が1.5以上であり且つ前記分岐部分のレイノルズ数Reが20000以上であるか、又は、前記幹流路の管内径D1と前記分岐流路の管内径D2との比(D1/D2)が3以上であり且つ前記幹流路から前記分岐流路への分岐部分のレイノルズ数Reが10000以上であるパルプスラリーの分配供給方法を提供することにより、前記目的を達成したものである。
但し、前記分岐部分のレイノルズ数Reは、下記式1で定義される。
Re=(D1×V1)/(ν)・・・(式1)
ここで、D1は代表寸法である前記幹流路の管内径(m)、V1は前記幹流路の前記分岐部分の手前のパルプスラリーの流速(m/秒)で0.1〜5.0m/秒、νは前記分岐部分のパルプスラリーの動粘度(m2/秒)で該パルプスラリーの液体成分の動粘度である。
本発明によれば、嵩高処理パルプを含むパルプスラリーから、肉厚や重量等にばらつきの小さい繊維積層体を複数個同時に抄造することができる。また、分岐後の各スラリー間の濃度差を小さくできるので、たとえばパルプスラリーの濃度が薄い場合には、その分多量のパルプスラリーを供給するので、該パルプスラリーの計量に時間がかかり、繊維積層体の成形サイクルが長くなるといった不具合を防止できる。また、分岐後のパルプスラリーの濃度が高い場合は、パルプスラリーの流量低下に起因して流路にパルプ繊維の詰まりが発生するといった不具合を回避できる。さらに、分岐流路を幹流路から均等に分岐させる場合のように流路長、配置の制限がないため、省スペースでの配管配置が可能となる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本実施形態について説明する。本実施形態のパルプスラリーの分配供給方法は、嵩高処理パルプを含むパルプスラリーを、図1に示すように、幹流路1から、分岐に到るまでの流路長さが異なる断面が円形の複数の分岐流路2(2A〜2C)に分岐させて供給する方法であり、本発明者らは、幹流路1の管内径D1と前記分岐流路2A〜2Cの管内径D2との比(D1/D2)が1.5以上であり且つ前記幹流路から前記分岐流路への分岐部分におけるレイノルズ数Reが20000以上であるか、又は、幹流路1の管内径D1と前記分岐流路2A〜2Cの管内径D2との比(D1/D2)が3以上であり且つ前記レイノルズ数Reが10000以上であると、分岐にともなうパルプスラリーの濃度変動を抑えて分岐流路間の流量の差を小さくし得ることを見出した。
前記比(D1/D2)は、圧力損失、ポンプ能力、乱流状態、分岐での濃度の均一性、分岐での安定性、パルプの詰まり、スペースを考慮すると、1.5〜10が好ましく、1.5〜5がより好ましい。また、レイノルズ数Reは、分岐での濃度の均一性を考慮すると、(D1/D2)が1.5以上のときは、20000以上であるが上限は200000が好ましく、(D1/D2)が3以上のとき、10000であるが上限は200000が好ましい。分岐部分おけるReとは、分岐手前の幹流路の部分のレイノルズ数Reをいい、該部分のレイノルズ数Reとは、下記式1により定義される。
Re=(D1×V1)/(ν)・・・(式1)
ここで、D1は代表寸法である幹流路の管内径(m)、V1は幹流路の前記分岐部分の手前のパルプスラリーの流速(m/秒)、νは前記分岐部分のパルプスラリーの動粘度(m2/秒)である。本願発明におけるReは分岐性の指標を示すものであるので、幹流路の行き止まりとなっている末端分岐部分(図1及び図3の2Aの分岐部分)とは係わりない。すなわち、本願発明では、行き止まりとなっている分岐部分のReは問わず、それ以外の分岐部分(行き止まりとなっていない分岐部分)のReが20000以上或いは10000以上であればよい。
前記分岐部分の幹流路1の管内径D1は、圧力損失、ポンプ能力、乱流状態、パルプの詰まり防止、分岐数を考慮すると、0.015〜0.3mであり、0.02〜0.2mが好ましい。ここで、各分岐部分においてReが上記範囲を満たしていれば、幹流路1は、流れ方向に内径が変化していても良い。
また、分岐流路2A〜2Cの管内径D2は、圧力損失、ポンプ能力、乱流状態、パルプの詰まり防止を考慮すると、0.01〜0.1mであり、0.015〜0.06mが好ましい。ここで、分岐流路は、幹流路に継ぎ手または溶接により接続され、幹流路と分岐流路径の繋ぎ部分が鋭角的あるいは滑らかとなるが、ここで言う分岐流路径D2とは、継ぎ手または溶接により、鋭角あるいは滑らかに縮小されて分岐した流路の流路径を指す。図1では、幹流路1から分岐流路2A〜2Cが直接接続されているが、継ぎ手が省略されており、継ぎ手を経て接続されたホースが分岐流路2A〜2Cに相当し、ホースの内径が分岐流路径となる。なお、繋ぎ部分が鋭角的とは、繋ぎ部分が非曲面であり、滑らかとは繋ぎ部分が曲面(いわゆるRを持つ)であることを意味する。
幹流路から分岐流路に到る間での長さの違いは、スラリーの流動が安定性、省配管スペース、圧力損失抑制、ポンプ能力、乱流状態の防止等を考慮すると、3×D2〜15×D2であり、5×D2〜8×D2が好ましい。
幹流路1と分岐流路2(2A〜2D)との角度θは、分岐での圧力損失抑制、スラリー中のパルプ成分と液体成分との分離防止、省配管スペース等を考慮すると45〜135°とすることが好ましく、80〜100°とすることがより好ましい。特に分配の均等性、省配置スペース、配管の製作の容易性等を考慮すると各分岐での角度θは略等しくすることが好ましい。
前記分配手前部分の幹流路でのパルプスラリーの流速V1は、スラリー濃度、分岐数、圧力損失、ポンプ能力、乱流状態を考慮すると、0.1〜5.0(m/秒)であり、0.3〜3.0(m/秒)が好ましい。但し、流速の値は目安であり、最終的には式(1)でもって評価される。尚、流速V1は、流量計による測定、あるいは測定した体積流量、質量流量と流路断面積から求められる値である。
前記分配部分のパルプスラリーの動粘度νは、スラリーに使用する液体の種類およびスラリー温度から決まり、式(1)で使用する値は、スラリーの液体成分の動粘度であり、温度に対応した液体の粘度の物性表をもとに求められる。
前記パルプスラリーの液体成分としては、水、白水、低級アルコール又はこれらの組み合わせ等が挙げられるが、環境対応、コスト、取扱い容易性等の面から水が好ましい。前記液体成分には、凝集剤、分散剤、サイズ剤等を添加剤として含ませることができる。
前記嵩高処理パルプを含むパルプスラリーのパルプ成分の濃度は、パルプ濃度は高くなると分岐部分での流動中でのパルプ繊維と液体成分の分離が著しくなって、濃度のバラツキが大きくなったり、分岐部分でパルプの詰まりなどが発生する。また、濃度が低くなると分岐での濃度バラツキは小さくなるが、スラリータンクが巨大化することを考えると、パルプスラリー中のパルプ成分の濃度は、0.2〜1.0質量%であり、0.3〜0.8質量%が好ましく、0.4〜0.6質量%がさらに好ましい。また、このようにパルプ濃度が低い場合には、スラリー粘度は液体成分の動粘度として取り扱うことができる。
前記パルプスラリーのパルプ成分中の前記嵩高処理パルプの濃度は、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、30〜70質量%がさらに好ましい。該パルプ成分中の嵩高処理パルプの濃度が斯かる範囲であると、嵩高の効果が発揮される。
ここで、嵩高処理パルプとは、架橋処理、マーセル化処理等の嵩高処理によってパルプ繊維をカールさせたり、疎水化させたり、繊維自体の剛性を向上させたものをいう。架橋処理パルプとしては、市販のカールドファイバー(例えば米国ウェアハウザー社製「HBA」)、マーセル化処理パルプとしては、市販のマーセル化処理パルプ(例えばレヨンニア社製「POROSAUIE」、同「ULTRANIER、同「SULFATATE」)が挙げられる。
前記マーセル化処理パルプ又は前記嵩高処理パルプは、単独で又は二種以上のものを混合して用いることができる。前記マーセル化処理パルプは、適宜の割合で前記架橋処理パルプに混合して用いることができる。マーセル化処理パルプは架橋処理パルプよりも嵩高性は劣るが、架橋処理パルプに対するマーセル化処理パルプの混合割合を調整することで、得られる抄造体の強度や表面の成形性(転写性)が良好となる。また、パルプ繊維のフロックも抑えられ、抄造ムラの発生を防ぐことができる。
前記嵩高処理パルプのうち前記架橋処理パルプを用いる場合には、その湿潤カールドファクタは0.1〜1.0、特に0.1〜0.6が好ましい。湿潤カールドファクタを斯かる範囲とすることで、容易に所望の嵩高性が得られる。また、パルプスラリー中の分散性も良好となり、抄造ムラが抑えられて成形体に偏肉が生じるのを防ぐことができ、得られる成形体の強度や表面性が良好となる。ここで、湿潤カールドファクタとは、パルプ繊維を室温で純水に浸漬した後FQA(Fiber Quality Analyzer)を用い、測定本数1000本以上、測定範囲0.5〜10mmにおいて、((LA/LB)−1)の算術平均により求められる値であり、繊維の曲線化の度合いを示す数値である。ここで、LAは実際のパルプ繊維の長さ、LBは曲がった状態のパルプ繊維を囲む長方形の最大寸法である。
パルプスラリーには、前記パルプ成分として前記嵩高処理パルプの他に、嵩高処理を行っていないパルプ繊維を含ませることができる。該パルプ繊維は、パルプ成分中に10〜90重量%、特に20〜80重量%含んでいることが好ましい。該パルプ繊維が斯かる範囲で含まれていると、得られる成形体の強度低下や紙粉の発生も抑えられ、強度を得るためや紙粉防止のためのバインダーの添加量を抑えることができる。また、嵩高性も得られて得られる成形体のクッション性や容器の断熱性が良好となる。該パルプ繊維としては、針葉樹若しくは広葉樹の未晒又は晒クラフトパルプ、サルファイトパルプ、アルカリパルプ、グランドパルプ、又はサーモメカニカルパルプが挙げられる。これらのパルプ繊維は、単独で又は二種以上を適宜の割合で混合して用いることができる。特に二種以上を混合することで、様々な繊維長分布を有するパルプ繊維を調製することができる。
パルプスラリーに含ませるパルプは、カナディアンスタンダードフリーネス(CSF)が500〜800ml、特に600〜750mlであることが好ましい。CSFかかる範囲であると、濾水性も良好で、抄造時間や乾燥時間を短縮することができる。また、抄造ムラが抑えられ、得られる成形体に偏肉が生じたり、成形体の表面性が低下することを防ぐことができる。さらに、所望の断熱性も得られ易い。
嵩高処理を行っていない前記パルプ繊維の平均繊維長は、0.4〜5mm、特に、0.5〜3mmであることが好ましい。該パルプ繊維の平均繊維長が斯かる範囲であると、前記嵩高処理パルプとの適度のからみが得られ、得られる成形体の強度低下や紙粉の発生を防ぐことができる。また、フロック(パルプ繊維の凝集)が大きくならず、抄造ムラが生じ難いため、得られる成形体に偏肉が生じたり、表面性が低下することを防ぐことができる。
パルプスラリーのパルプ成分として用いられる前記嵩高処理パルプ、前記パルプ繊維(嵩高処理を行っていないパルプ)には、木材パルプ、非木材パルプの何れのパルプ繊維をも用いることができる。また、バージンパルプ、古紙パルプの何れのパルプ繊維をも用いることができる。これらのパルプ繊維は、単独で又は二種以上を適宜の割合で混合して用いることができる。
パルプスラリーには、パルプに対し、嵩高剤を0.2〜10重量%含んでいてもよい。これらの範囲内で嵩高剤を含ませることで、嵩高性がより安定的に得られる。
前記嵩高剤としては、花王(株)製「KB115」、同「KB85」等が挙げられ、これらの中でも、サイズ効果の低下を抑えて嵩高性を得ることができる点から同「KB115」が好ましい。
パルプスラリーには、必要に応じ、分散剤、顔料、防かび剤、サイズ剤、紙力増強剤、耐水化剤、接着剤等の添加剤を適宜の割合で含めることができる。
以上説明したように、本実施形態のパルプスラリーの分配供給方法によれば、嵩高処理パルプを含むパルプスラリーを、幹流路から分岐流路に到るまでの長さが異なる複数の分岐流路に分岐させたときの濃度差を抑えて分配供給することができる。従って、嵩高処理パルプを含むパルプスラリーから、肉厚や重量等のばらつきの小さい繊維積層体を複数個同時に抄造することができる。
本発明は、前記実施形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
前記実施形態では、幹流路から片側に分岐流路を分岐させた場合の配管について説明したが、本発明は、図2に示す配管のように、両側に分岐流路2(2A〜2C)を分岐させた場合や、図3に示す配管のように、逆T字状の幹流路1のヘッド部の左右両側に一方向に向けて複数の分岐流路2(2A〜2C)を分岐させた場合にも適用することができる。
また、本発明は、前記実施形態のように、流路断面が円形形状に限らない。楕円、四角、半円形状でも良いが、円形形状以外の場合は、これらの配管径は、水力相当直径((流路断面積/ぬれ縁の長さ)の4倍)として取り扱う。また、前記実施形態のように、幹流路から直接分岐させて各抄造手段に供給しているが、メインの幹流路から複数のサブの幹流路に分岐した後、分岐流路を経て各抄造手段へとスラリーを分配してもよい。この場合も、分岐部分で前記式を満たすようにすれば、各抄造手段へ分配されるスラリー濃度のバラツキを低く抑えることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
下記実施例1〜5及び比較例1〜3のようにして幹流路から分岐流路へのパルプスラリーを分配供給し、分配後の濃度比率を調べた。それらの結果を表1に示した。
〔実施例1〕
図1に示すように幹流路から略直交して分岐する3本の分岐流路を下記のように配管し、この配管に下記パルプスラリーを下記条件で流して分配供給した。
<配管>
分岐部分の幹流路管内径D1:27.6mm
分岐流路管内径D2:15mm
D1/D2:1.8
分岐流路の間隔d:100mm
<パルプスラリー組成等>
パルプ成分:嵩高処理パルプHBA(ウエアハウザー社製)/ノーマルパルプ(商品名ヒントン/商品名セニブラ=3/7(質量比))=5/5(質量比)
スラリー分散媒:水
スラリー固形分濃度(パルプ成分の濃度):0.55質量%
<パルプスラリー供給条件>
幹流路へのパルプスラリーの供給量Q:0.8L/秒
〔実施例2〕
分岐先の流路抵抗を変更して、流路分配量を変更した以外は実施例1と同様にした。なお流路抵抗の変更は、幹流路に継ぎ手を経て接続された分岐流路(これはフレキシブルホースからなる)を上に持ち上げることによって行った。すなわち、持ち上げる程度を大きくすることで抵抗を大きくし、持ち上げる程度小さくすることで抵抗を小さくした。
〔実施例3〜5〕
前記分岐部分の幹流路の管内径D1、分岐流路の管内径D2、前記分岐部分のパルプスラリーの流速を下記表1のように変更した以外は、実施例1及び2と同様にしてパルプスラリーの分配供給を行った。
〔比較例1〜3〕
前記分岐部分のパルプスラリーの流速を下記表1のように変更した以外は、実施例1及び2と同様にしてパルプスラリーの分配供給を行った。

Figure 0004043462
表1に示したように、幹流路から分岐流路への分岐部分における該幹流路の管内径D1と前記分岐流路の管内径D2との比(D1/D2)及び前記分岐部分のレイノルズ数Reが、本発明の範囲内にある実施例1〜5のパルプスラリーの分配供給方法によれば、分岐流路間でのパルプスラリーの濃度比は、比較例と比較して値が大きい(例えば、実施例4の流量比2B/2A=1.0のとき濃度比0.97に対して、比較例2の流量比2B/2A=1.01、濃度比=0.81となる。また、実施例1の流量比2C/(2A+2B)=0.41のときの濃度比0.77に対して、比較例1の流量比2C/(2A+2B)=0.43のときの濃度比0.60)ことから、嵩高処理パルプを含むパルプスラリーを、幹流路から分岐流路に到るまでの長さが異なる複数の分岐流路に分岐させたときにも、分岐流路間の濃度差を抑え、流量も略一定にして分配供給できることがわかった。特に、得られた流量比とその時の濃度比の関係を調べると、実施例は比較例と比較して、濃度比の値は大きくかつ流量比の変化に対してスラリー濃度比の変化が小さいことがわかる。なお、表1におけるQは幹流路へのスラリー供給量を示し、上段のV1は2Cの分岐手前での幹流路の部分の流速、下段のV1は2Bの分岐手前での幹流路の部分の流速を示し、(2C)Reは2Cの分岐手前での幹流路の部分のRe数を示し、(2B)Reは2Cの分岐後、2B分岐手前の幹流路の部分のRe数を示す。

本発明のパルプスラリーの分配供給方法は、嵩高パルプを含む繊維成形体、例えば、各種用途に用いられる抄造容器等の繊維成形体の製造に適用することができる。
本発明のパルプスラリーの分配供給方法における幹流路と分岐流路との配管を模式的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 本発明のパルプスラリーの分配供給方法における幹流路と分岐流路との配管の他の実施形態を模式的に示す平面図である。 本発明のパルプスラリーの分配供給方法における幹流路と分岐流路との配管の他の実施形態を模式的に示す平面図である。
符号の説明
1 幹流路
2(2A〜2C) 分岐流路

Claims (2)

  1. 分岐に到るまでの流路の長さが異なる複数の分岐流路に幹流路を分岐させ、前記分岐流路間における濃度差を抑えて嵩高処理パルプを含むパルプスラリーを分配供給する方法であって、
    前記パルプスラリー中のパルプ成分の濃度が0.2〜1.0質量%であり、
    前記幹流路から前記分岐流路への分岐部分の該幹流路の管内径D1が0.015〜0.3mであり、前記分岐流路の管内径D2が0.01〜0.1mであり、
    前記幹流路から前記分岐流路に至る間での長さの違いが、3×D2〜15×D2であり、
    前記幹流路の管内径D1と前記分岐流路の管内径D2との比(D1/D2)が1.5以上であり且つ前記分岐部分のレイノルズ数Reが20000以上であるか、又は、
    前記幹流路の管内径D1と前記分岐流路の管内径D2との比(D1/D2)が3以上であり且つ前記幹流路から前記分岐流路への分岐部分のレイノルズ数Reが10000以上であるパルプスラリーの分配供給方法。
    但し、前記分岐部分のレイノルズ数Reは、下記式1で定義される。
    Re=(D1×V1)/(ν)・・・(式1)
    ここで、D1は代表寸法である前記幹流路の管内径(m)、V1は前記幹流路の前記分岐部分の手前のパルプスラリーの流速(m/秒)で0.1〜5.0m/秒、νは前記分岐部分のパルプスラリーの動粘度(m2/秒)で該パルプスラリーの液体成分の動粘度である。
  2. 前記嵩高処理パルプが、前記パルプスラリーのパルプ成分中に10〜90質量%含まれるものであって、前記パルプスラリー中の該パルプ成分の濃度が0.2〜1.0質量%である請求項1に記載のパルプスラリーの分配供給方法。
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