JP4043320B2 - 法面植生構造及びその法面施工方法 - Google Patents

法面植生構造及びその法面施工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、法面植生構造及びその法面施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、この種の技術では、法面に、鉄筋やコンクリート打設により井ゲタ状の法枠を設けて、その法枠の周辺の法面上に土嚢を配設したり、植物栽培基盤材を吹き付けたりすることで、地山の緑化を図ることが検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来技術では、確かに地山の緑化を図れるものの、単に法枠を設けて緑化を図るものであることから、地すべりや法面崩壊などを防止し法面の安定化を図るという点からは万全ではなく、問題がある。
【0004】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、法面の安定化及びその緑化を図ることができるようにするところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の特徴構成は、法面に載置自在な載置底板部を備えると共に、前記載置底板部にその周縁部に沿う周縁補強リブが立設され、その周縁補強リブ及び前記載置底板部にて植物栽培基盤材を充填可能な上方に開口を有する凹部を形成してある法面保護用受圧板を設け、前記法面保護用受圧板を、前記載置底板部に給排水用の孔を設けて、地中に係止したアンカー部材を用いて法面に、多数定着させるとともに、
前記各法面保護用受圧板の前記凹部に前記植物栽培基盤材を充填し、前記各法面保護用受圧板の周りの法面上を、前記植物栽培基盤材で覆ってあるところにある。
【0006】
〔作用及び効果〕
法面に載置自在な載置底板部を備える法面保護用受圧板を、地中に係止したアンカー部材を用いて法面に多数定着させてあるので、地すべりや法面崩壊などを防止でき、しかも、その各法面保護用受圧板が備える凹部に植物栽培基盤材を充填し、その各法面保護用受圧板の周りの法面上を、前記植物栽培基盤材で覆ってあるので、地山の緑化を図ることができる。
従って、法面の安定化及びその緑化を図ることができる。
【0008】
又、複数の補強リブにより補強される載置底板部によって確実に法面の安定化を図りながら、その複数の補強リブ及び載置底板部にて形成される空間を植物栽培基盤材を充填可能な凹部として利用でき、好適である。
【0009】
請求項記載の発明の特徴構成は、上記請求項1記載の特徴構成に加えて、前記法面保護用受圧板の外周および上端の少なくとも一方が露出されているところにある。
【0010】
〔作用及び効果〕
法面保護用受圧板の外周および上端の少なくとも一方を露出させることで、凹部に充填させる植物栽培基盤材および法面の上を覆う植物栽培基盤材の量を削減でき、経済的である。
【0011】
請求項3記載の発明の特徴構成は、上記請求項1又は2記載の特徴構成に加えて、前記凹部では、前記植物栽培基盤材の下に、植物の根が進入成長可能に成形された培床部材が収容されているところにある。
【0012】
〔作用及び効果〕
本特徴構成を備える法面植生構造によれば、その施工性及び経済性を向上させることができる。
つまり、法面保護用受圧板の凹部にて、植物栽培基盤材の下に収容されている培床部材は成形されたものであるから、その凹部へ単に吹き付けなどにより植物栽培基盤材を充填するのに比べると、凹部への充填作業が容易となる。
そして、このように植物栽培基盤材の下に培床部材が収容されているので、培床部材によって、見かけ上凹部の底面が上げ底されたようになり、凹部に収容する植物栽培基盤材の量を削減することができるようにもなる。しかも、培床部材は植物の根が進入成長可能なものであるから、植物栽培基盤材だけでなくこの培床部材を用いて植物を栽培することもできる。よって、植物栽培基盤材の使用量を削減して、経済性をより向上させながら、好適に緑化を図ることができる。
【0013】
又、請求項記載の発明の特徴構成は、前記培床部材が、土嚢、通気性軽量コンクリート、保水材の少なくとも一種であるところにある。
【0014】
〔作用及び効果〕
例えば土嚢は、その内外を植物の根が通過可能な袋体(例えば各種繊維からなるもの等)の中に、土等の植物を栽培可能な各種植物栽培床材をいれてあるもの
であればよく、また、通気性軽量コンクリートは、成型された塊を凹部に入れるだけで良いので、簡易かつ経済的である。また、保水材は、乾燥しやすい環境の法面に、特に有効である。
請求項4記載の発明の特徴構成は、上記請求項3記載の特徴構成に加えて、前記培床部材が、前記土嚢であり、前記周縁補強リブに対して、前記土嚢を介して貫通する貫通アンカーを打ち込んであるところにある。
〔作用及び効果〕
土嚢を法面保護用受圧板に固定できる。
請求項5記載の発明の特徴構成は、上記請求項3又は4に記載の特徴構成に加えて、前記植物栽培基盤材を前記法面保護用受圧板に固定可能なT字型のアンカー部材を前記植物栽培基盤材内に打ち込んであるところにある。
〔作用及び効果〕
植物栽培基盤材が乾燥などして収縮し、しめかためられた状態となったときでも、植物栽培基盤材が凹部より抜け出すのを防止できる。
【0015】
請求項6記載の発明の特徴手段は、請求項3〜5のいずれかに記載の法面植生構造を施工する法面施工方法であって、
前記法面保護用受圧板を、前記アンカー部材を用いて法面に定着する定着工程を行った後、
前記凹部に前記培床部材を収容する収容工程を行って、
前記各法面保護用受圧板の前記凹部に前記植物栽培基盤材を充填し、前記各法面保護用受圧板の周りの法面上を、前記植物栽培基盤材で覆うところにある。
【0016】
〔作用及び効果〕
定着工程を行い、法面保護用受圧板を法面に設置してから、収容工程により、凹部に前記培床部材を収容するので、法面保護用受圧板の設置状況や現場の状況に応じて凹部に培床部材を収容することができ、好適である。そして、各法面保護用受圧板の凹部に植物栽培基盤材を充填し、各法面保護用受圧板の周りの法面上を、植物栽培基盤材で覆うことで、請求項3〜5のいずれかに記載の作用効果を得ることができるようになる。
【0017】
請求項7記載の発明の特徴手段は、請求項3〜5のいずれかに記載の法面植生構造を施工する法面施工方法であって、
前記凹部に前記培床部材を収容する収容工程を行った後、
前記法面保護用受圧板を、前記アンカー部材を用いて法面に定着する定着工程を行って、
前記各法面保護用受圧板の前記凹部に前記植物栽培基盤材を充填し、前記各法面保護用受圧板の周りの法面上を、前記植物栽培基盤材で覆うところにある。
【0018】
〔作用及び効果〕
収容工程を行ってから定着工程を行うので、平場又は工場にて、凹部に培床部材を収容すればよく、施工性を向上させることが可能となり、好適である。そして、各法面保護用受圧板の凹部に植物栽培基盤材を充填し、各法面保護用受圧板の周りの法面上を、植物栽培基盤材で覆うことで、請求項3〜5のいずれかに記載の作用効果を得ることができるようになる。
【0019】
請求項8記載の発明の特徴手段は、前記定着工程の前に、法面に網状体を貼るところにある。
【0020】
〔作用及び効果〕
本特徴手段によれば、法面全面緑化を行う場合に、各種植物栽培床材の定着性が向上して、緑化効率が上がる。
【0021】
請求項9記載の発明の特徴手段は、請求項4に記載の法面植生構造を施工する法面施工方法であって、前記凹部に前記土嚢を収容する収容工程を行った後、前記法面保護用受圧板を、前記アンカー部材を用いて法面に定着する定着工程を行って、前記各法面保護用受圧板の前記凹部に前記植物栽培基盤材を充填し、前記各法面保護用受圧板の周りの法面上を前記植物栽培基盤材で覆い、前記定着工程を行う前に、前記凹部に収容される前記土嚢を前記貫通アンカーを用いて前記法面保護用受圧板に固定する固定工程を行うところにある。
【0022】
本特徴手段によれば、定着工程にて培床部材が移動したり凹部から落下したりするおそれを低減して、一層施工性を向上させることができ、殊に法面の斜面勾配が急なときでも培床部材を凹部に予め容易に収容させておくことができ、好適である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明に係る法面植生構造の概略平面図を図1に、断面図を図2に、法面保護用受圧板の一例の斜視図を図3に、法面植生構造の施工過程の一例の説明図を図4,5に示す。
【0024】
図1,2に示すように、地中Bに係止したアンカー部材8を用いて法面保護用受圧板(以下単に受圧板と略称する)Aを、法面Fに定着して地すべりや法面崩壊を防止するとともに、各受圧板A及び各受圧板Aの周りの法面上を、植物栽培基盤材Cで覆ってあり、受圧板Aを利用しながら法面全体に植物を生育可能に構成し、地山Bの緑化を図ることができるようにしてある。
【0025】
前記受圧板Aは、地山Bに係止するアンカー部材8に対する係止連結部を備えると共に、法面Fに載置自在な載置底板部を設け、前記植物栽培基盤材Cを収容可能な上方に開口を有する凹部を設けてあるものであれば、如何なるものでもよいが、一例として、本実施形態では、図3の斜視図に示すような受圧板Aを法面Fに定着してある。
図3に例示する受圧板Aは、金属材料の一種であるダクタイル鋳鉄製のもので、すべての部材を一体に鋳造してあり、全体形状が平面視でほぼ菱形の4つの頂部が外方に向けて突出する形状に構成してあり、ほぼ十字状の突出梁部1と、その突出梁部1の十字状部分の隣り合うもの間にわたる板状の鍔状板部2とからなる。
【0026】
前記突出梁部1は、図1〜3に示すように、四方に突出する十字状に形成され、そのほぼ中央に、地中Bに係止するアンカー部材8の挿通用として形成されたアンカー挿通部5と、アンカー部材8を係止するために前記アンカー挿通部5に形成された係止連結部6とを備えると共に、載置底板部3に補強リブ7を立設して構成してある。尚、前記係止連結部6は、突出梁部1の載置底板部3のほぼ中央の位置に設けられる前記アンカー挿通部5に、地中Bに係止するアンカー部材8を係止するように構成してある。
【0027】
また、載置底板部3には、係止連結部6を囲堯するように前記補強リブ7として囲み補強リブ7Dが立設されるとともに、その囲み補強リブ7Dと係止連結部6に接続される十字状の補強板部11が、設けてある。さらに、補強リブ7として、十字状の突出梁部1における載置底板部3の周縁部に沿う周縁補強リブ7Aと、突出梁部1の十字状部分の幅方向中央位置にその十字状部分の長手方向に沿う縦貫補強リブ7Bと、突出梁部1の十字状部分の長手方向に対してほぼ直交する方向に沿う横方向リブ7Cとを、載置底板部3に一体に立設してある。
【0028】
そして、各補強リブ7(周縁補強リブ7A・縦貫補強リブ7B・横方向補強リブ7C・囲み補強リブ7D)及び載置底板部3にて囲まれ、上方に開口を有する空間が、植物栽培基板材Cを収容可能な凹部Sに相当する。
【0029】
一方、前記鍔状板部2は、突出梁部1の十字状部分の隣り合うもの間を結び、しかも、その鍔状板部2の下面が、載置底板部3の下面と同一平面状となるように連接してあるほぼ板状のものである。
【0030】
因みに、図3に例示するように、突出梁部1において、載置底板部3や、載置底板部3・周縁補強リブ7A・縦貫補強リブ7B・横方向補強リブ7C・囲み補強リブ7Dで形成される隅部に、載置底板部3の表裏にかけて貫通する第一貫通孔31や、第二貫通孔32を設けておけば、前記第一貫通孔31や第二貫通孔32を介して、載置底板部3に溜まろうとする水分を確実に地山に排出し、水分が過剰になることなく適当に維持されて、これら植栽を適切な条件で育成させることができ、また、受圧板そのものが水分により腐食されるおそれも低減することができる。さらに、図3に例示するように、鍔状板部2にも、その表裏にかけて貫通する第三貫通孔33を設けておけば、鍔状板部2の上に載置される植物栽培基盤材Cがその第三貫通孔33により定着されて移動などし難くなると共に、第三貫通孔33が上述の様な給排水用の孔として作用し、草木を十分に成長させて植栽することができ、有利である。
【0031】
そして、前記凹部Sには、図2に示すように、植物の根が進入成長可能に成形された培床部材20の上に、前記植物栽培基盤材Cが積層されることで、凹部Sでは、受圧板Aの上を覆う植物栽培基盤材Cの下に、前記培床部材20が収容されている。
【0032】
前記培床部材20は、植物の根が進入成長可能に成形されたものであれば如何なるものでもよく、例えば、通気性軽量コンクリートや保水材でもよく、図2,4,5には、培床部材20として土嚢Dを収容してある構成を例示してある。尚、この土嚢Dとは、図示しないが、その内外を植物の根が通過可能な袋体(例えば各種繊維からなるもの等、特に天然繊維製の方が生分解により、収容した土等と一体になり易く好適である)の中に、土等の植物を栽培可能な各種植物栽培床材をいれてあるものであれば、如何なるものでもよい。
また、前記植物栽培基盤材Cは、前記培床部材20と同様に、植物を栽培可能な植物栽培床材となるものであれば如何なるものでもよく、具体的な例については後述する。
【0033】
次に、上述のように構成される法面植生構造の法面施工方法の一例について、図4,5を参照しながら説明する。
【0034】
(1)まず、図4(イ)に示すように、受圧板Aを、アンカー部材8を用いて法面Fに定着する定着工程を実施する。
具体的には、地山Bに掘削したアンカー穴にアンカー部材8を挿入して、アンカー穴にグラウト材18を注入し、アンカー部材8を地中に固定しておき、そして、受圧板Aを揚重機械で吊り上げ、吊り上げた受圧板Aのアンカー挿通部5にアンカー部材8の地上露出部を貫通させた状態で、受圧板Aを法面F上に設置して、アンカー部材8の地上露出部に締結部として螺設した雄ねじ部8Aにアンカー緊張固定部材としてのナット9を螺合締結し、係止連結部6の受け座4を介してアンカー部材8を緊張し、固定する。尚、本実施形態では、受圧板Aの載置底板部3の下面が法面Fに直接接地されるように受圧板Aを設置させてあるが、前記設置底板部3の下面と法面Fとの間に、介在部材を介して、受圧板Aを法面Fに設置するようにしてあってもよいし、また、一例として、囲み補強リブ7Dの上に蓋部材10を覆設してあるが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、蓋部材10を設けなくてもよい。そして、アンカー部材8は、ロッドやワイヤー等から任意に構成すればよく、また、受圧板Aを法面Fに据え付けて、その受圧板Aに設けられる係止連結部6を介して、アンカー部材8を緊張し固定するにあたっては、上述のように、雄ネジ部8Aとナット9による螺合締結によるものに限らず、図示しないが、例えば、アンカー部材8をロックボルト等により係止連結部6に係止するなどその他任意の方法を用いても勿論よい。
【0035】
(2)次に、図4(ロ)に示すように、受圧板Aの凹部S内に、培床部材20としての土嚢Dを収容する収容工程を行う。
【0036】
(3)そして、図5に示すように、各受圧板Aの凹部Sに植物栽培基盤材Cを充填し、各受圧板Aの周りの法面F上を植物栽培基盤材Cで覆う基盤材吹き付け工程を行う。ここでは一例として、各受圧板A及び各受圧板Aの周りの法面F上を、植物栽培基盤材Cで覆ってある。
この基盤材吹き付け工程は、具体的には、例えば、次のような工法a〜cの中から、法面の土質や勾配などに応じたものを選択して実施すればよい。
工法a:植物栽培基盤材Cとして、木質繊維等に、粘着剤・被膜剤・植物の種子・肥料等を添加してあるスラリー状の植物栽培床材を、各受圧板A及び各受圧板Aの周りの法面F上に吹き付ける吹付工法。
工法b:植物栽培基盤材Cとして、土(例えば黒ボク等)の各種土壌に、粘着剤・被膜剤・合成樹脂・繊維・植物の種子・肥料等を添加してある植物栽培床材を、各受圧板A及び各受圧板Aの周りの法面F上に吹き付ける吹付工法。
工法c:植物栽培基盤材Cとして、人工土壌又は有機基材(例えば、土、木質繊維、バーク堆肥、ピートモス等)等に、高分子系樹脂・セメント・繊維・植物の種子・肥料等を添加してある植物栽培床材を、各受圧板A及び各受圧板Aの周りの法面F上に吹き付ける吹付工法。
尚、工法a,b,cいずれのときについても、受圧板Aや法面Fに吹き付けられる各種植物栽培床材の定着性を向上させるために、網状体として、繊維網・金網・むしろ等の補助材料を用いてもよい。尚、この補助材料は、例えば、受圧板を法面に設置する前に法面上に貼ればよい。
【0037】
以上、(1),(2),(3)の各工程を順次行うことで施工が完了し、図1,2に示すような、法面植生構造を得ることができる。
【0038】
このように本発明に係る法面植生構造では、凹部Sでは、受圧板Aの上を覆う植物栽培基盤材Cの下に、植物の根が進入成長可能に成形された培床部材20が収容されているので、その施工性及び経済性を向上させることができる。なお、前述のように培床部材20は成形されたものであるので、凹部Sに収容されると、凹部Sと培床部材20との間や培床部材20どうし間に隙間が形成されることもあるが、培床部材20の上は植物栽培基盤材Cにて覆われているので、そられ隙間にも植物栽培基盤材Cが適切に充填され、凹部Sを利用しながら植物を良好に生育して、地山の緑化を向上することができる。
【0039】
〔別実施形態〕
以下に他の実施形態を説明する。
〈1〉 先の実施形態では、法面植生構造を施工するにあたり、前記定着工程を行ってから、前記収容工程を行う例を示したが、図6に例示するように、現場の平場又は工場にて、予め、凹部Sに培床部材20としての土嚢Dを収容する収容工程を行っておき、その後、先の実施形態と同様にして、その培床部材20が凹部Sに収容されている受圧板Aを法面Fに定着する定着工程を行って、その後、図5に例示するように前記覆設工程を行うようにしてもよい。すると、法面にて受圧板Aに対して凹部Sに土嚢D等の培床部材20を収容するときに比べて、一層施工性を向上させることができ、殊に法面の斜面勾配が急なときでも土嚢D等の培床部材20を凹部Sに容易に収容でき好適である。
因みに、このような場合には、定着工程を行う前に、図7(イ),(ロ)に例示するように、土嚢Dを固定部材25で受圧板Aに固定する固定工程を行っておけば、定着工程にて、土嚢Dが移動したり凹部Sから落下したりするおそれを低減できより好ましい。図7(イ)は受圧板Aの要部を示す斜視図で、図7(ロ)はその断面図であり、周縁補強リブ7Aに対して、その十字状部分において、その長手方向に交差する方向に沿って、土嚢Dを介して貫通する貫通アンカー(固定部材の一例)25を打ち込んで、土嚢Dを受圧板Aに固定してある。
【0040】
〈2〉 先の実施形態では、一例として、各受圧板A及び各受圧板Aの周りの法面F上を、植物栽培基盤材Cで覆ってあるものについて説明したが、各受圧板Aの凹部Sに植物栽培基盤材Cを充填し、各受圧板Aの周りの法面F上を植物栽培基盤材Cで覆ってあれば如何なる構成でもよい。例えば、受圧板Aの外周および上端の少なくとも一方が露出されていてもよく、例えば図8の断面説明図に示すように、受圧板Aの上端(補強リブ7の上端)が露出する程度に凹部Sに植物栽培基盤材Cを充填し、受圧板Aの外周(周辺補強リブ7Aの外周)が露出する程度に法面F上を植物栽培基盤材Cで覆ってあってもよい。図8では、一例として、凹部S内に単に植物栽培基盤材Cを充填してあるものを例示したにすぎず、図示しないが、その植物栽培基盤材Cの下に前記培床部材20が収容されていてもよい。
【0041】
〈3〉 また先の実施形態では、培床部材20として土嚢Dを用いる例を示したが、培床部材20は、植物の根が進入成長可能に成形されたものであれば如何なるものでもよい。例えば、図9に例示するように、凹部S内に通気性軽量コンクリート35を打設することで培床部材20としてもよい。また、図示しないが、培床部材は、例えば、工場や現場にて受圧板の凹部内に、土壌や繊維等からなり高い粘着性を有するスラリー状の植物栽培床材を充填することにより受圧板自体を利用して成形すると共に収容してなるものでもよいし、また、培床部材として、各種合成樹脂そのもの或いは各種バインダーを用いて土や繊維等から人工的に所定形状に成形し、植物の根が進入成長可能に構成してあるものを用いるようにしてもよい。
【0042】
〈4〉 図10に例示するように、植物栽培基盤材Cを受圧板Aに固定可能な抜出防止部材40を設けてあれば、植物栽培基盤材Cが乾燥などして収縮し、しめかためられた状態となったときでも、植物栽培基盤材Cが凹部Sより抜け出すのを防止できる。図10(イ)では、先述のようにして固定部材25で受圧板Aに固定される培床部材20に係止するように、前記抜出防止部材としてのT字型のアンカー部材40を植物栽培基盤材C内に打ち込んであり、また、図10(ロ)では、地山Bに係止するように、前記抜出防止部材としてのT字型のアンカー部材40を植物栽培基盤材C内に打ち込んである。
【0043】
〈5〉 また、図11に例示するように、植物栽培基盤材Cの下方に保水材46を収容してあれば、その保水材46の保水効果により、植物栽培基盤材Cの乾燥が防止されるようになり、好適である。尚、図示しないが、植物栽培基盤材の下に収容される培床部材の下に保水材を収容してあってもよいし、または、培床部材中に保水材を混入してあってもよいし、または、植物栽培基盤材中に保水材を混入してあってもよく、いずれのときも、植物栽培基盤材の乾燥防止効果を期待できる。
【0044】
〈6〉 そして、先の実施形態では、植物栽培基盤材が植物の種を備えさせてある例を説明したが、植物栽培基盤材は植物の種を備えないものでも勿論よく、例えば、植物の種を別途植物栽培基盤材上に散布したり、培床部材に植物の種を備えさせたり、又は、植物栽培基盤材や培床部材に植物の苗や植物を植え付けたりすればよい。
【0045】
〈7〉 尚、先の実施形態で説明した法面保護用受圧板は一例であり、各種変形が可能である。法面保護用受圧板は載置底板部を備えると共に植物栽培基盤材を充填可能な上方に開口する凹部を形成してあるものであれば如何なる形状のものでもよく、平面視で、十字状又は正方形や菱形等各種多角形状でもよい(例えば、図12参照)。
そして、図12の平面図に例示するように、前記鍔状板部2を、各突出梁部1の頂部を結ぶものに形成し、平面視で菱形となるように法面保護用受圧板Aを構成し、その鍔状板部2に多数の第三貫通孔33を設けてあれば、その多数の第三貫通孔33によって、鍔状板部2の上に載置される植物栽培基盤材Cが一層鍔状板部2に定着されるようになり、好適である。
た、法面保護用受圧板は、ダクタイル鋳鉄製に限らずその他の金属製のものでもよいし、ポリカーボネート、ナイロン、FRP、BMC等の高強度の樹脂材料(繊維強化樹脂も含む)製のものでもよい。そして、法面保護用受圧板は、一体型に形成してあるものに限らず、複数の分割体を組み合わせて形成するものでもよい。
尚、凹部に充填される植物栽培基盤材の下に培床部材を収容するときには、法面に、多数定着される各法面保護用受圧板のうち少なくとも一つの法面保護用受圧板の凹部にて、その凹部に充填される植物栽培基盤材の下に培床部材が収容されていればよく、また、法面保護用受圧板に凹部が二箇所以上あるときには、少なくとも一つの凹部に培床部材が収容されていればよい。
【0046】
〈8〉 また、本明細書において、「法面保護用受圧板を地中に係止したアンカー部材を用いて法面に定着する」とは、法面保護用受圧板を法面に据え付けて、その法面保護用受圧板に設けられる係止連結部を介して、アンカー部材を緊張し、固定することをいう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る法面植生構造の一例を示す概略平面図
【図2】 本発明に係る法面植生構造の一例を示す断面図
【図3】 法面保護用受圧板の一例を示す斜視図
【図4】 本発明に係る法面植生構造の一施工状況を示す説明図
(イ)定着工程の一施工状況を示す説明図,(ロ)収容工程の一施工状況を示す説明図
【図5】 本発明に係る法面植生構造の一施工状況(基盤材吹き付け工程)を示す説明図
【図6】 本発明に係る法面植生構造の施工状況の別例(収容工程)を示す説明図
【図7】 本発明に係る法面植生構造の施工状況の別例を示す説明図
(イ)斜視図,(ロ)断面図
【図8】 本発明に係る法面植生構造の別例を示す説明図
【図9】 本発明に係る法面植生構造の別例を示す説明図
【図10】 本発明に係る法面植生構造の別例を示す説明図
【図11】 本発明に係る法面植生構造の別例を示す説明図
【図12】 法面保護用受圧板の別例を示す平面
符号の説明】
A 法面保護用受圧板
C 植物栽培基盤材
D 土嚢
F 法面
3 載置底板部
7 補強リブ
8 アンカー部材
S 凹部
20 培床部材
25 固定部材

Claims (9)

  1. 法面に載置自在な載置底板部を備えると共に、前記載置底板部にその周縁部に沿う周縁補強リブが立設され、その周縁補強リブ及び前記載置底板部にて植物栽培基盤材を充填可能な上方に開口を有する凹部を形成してある法面保護用受圧板を設け、前記法面保護用受圧板を、前記載置底板部に給排水用の孔を設けて、地中に係止したアンカー部材を用いて法面に、多数定着させるとともに、
    前記各法面保護用受圧板の前記凹部に前記植物栽培基盤材を充填し、前記各法面保護用受圧板の周りの法面上を、前記植物栽培基盤材で覆ってある法面植生構造。
  2. 前記法面保護用受圧板の外周および上端の少なくとも一方が露出されている請求項1記載の法面植生構造。
  3. 前記凹部では、前記植物栽培基盤材の下に、植物の根が進入成長可能に成形された培床部材が収容され、前記培床部材が、土嚢、通気性軽量コンクリート、保水材の少なくとも一種である請求項1又は2記載の法面植生構造。
  4. 前記培床部材が、前記土嚢であり、前記周縁補強リブに対して、前記土嚢を介して貫通する貫通アンカーを打ち込んである請求項3記載の法面植生構造。
  5. 前記植物栽培基盤材を前記法面保護用受圧板に固定可能なT字型のアンカー部材を前記植物栽培基盤材内に打ち込んである請求項3又は4に記載の法面植生構造。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載の法面植生構造を施工する法面施工方法であって、
    前記法面保護用受圧板を、前記アンカー部材を用いて法面に定着する定着工程を行った後、
    前記凹部に前記培床部材を収容する収容工程を行って、
    前記各法面保護用受圧板の前記凹部に前記植物栽培基盤材を充填し、前記各法面保護用受圧板の周りの法面上を前記植物栽培基盤材で覆う法面施工方法。
  7. 請求項3〜5のいずれか1項に記載の法面植生構造を施工する法面施工方法であって、
    前記凹部に前記培床部材を収容する収容工程を行った後、
    前記法面保護用受圧板を、前記アンカー部材を用いて法面に定着する定着工程を行って、
    前記各法面保護用受圧板の前記凹部に前記植物栽培基盤材を充填し、前記各法面保護用受圧板の周りの法面上を前記植物栽培基盤材で覆う法面施工方法。
  8. 前記定着工程の前に、法面に網状体を貼る請求項6又は7記載の法面施工方法。
  9. 請求項4に記載の法面植生構造を施工する法面施工方法であって、
    前記凹部に前記土嚢を収容する収容工程を行った後、
    前記法面保護用受圧板を、前記アンカー部材を用いて法面に定着する定着工程を行って、
    前記各法面保護用受圧板の前記凹部に前記植物栽培基盤材を充填し、前記各法面保護用受圧板の周りの法面上を前記植物栽培基盤材で覆い、
    前記定着工程を行う前に、前記凹部に収容される前記土嚢前記貫通アンカーを用いて前記法面保護用受圧板に固定する固定工程を行う法面施工方法。
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