JP4041701B2 - 高血圧症又は蛋白尿関連疾患に対する易罹患性の判定方法 - Google Patents

高血圧症又は蛋白尿関連疾患に対する易罹患性の判定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検者の遺伝子多型を解析し、解析結果に基づいて、被検者の高血圧症又は蛋白尿関連疾患に対する易罹患性を判定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高血圧症患者に著効を示す降圧剤が開発され、従来血圧コントロールが困難であった悪性高血圧などの重症高血圧の治療が比較的容易にできるようになった。ところが、本態性高血圧等では降圧剤の使用を中止すると、直ちに元の血圧に戻ってしまい、一般に他の病気に対する治療剤のような治癒効果を有するものではない。一方で、高血圧患者は食塩の摂取量を減らすことが血圧を下げる上で極めて有効であることが広く知られており、減塩食事療法が降圧剤の使用と併用されることも多い。特に、軽症の高血圧症の場合には、薬物療法によらず減塩食事療法のみによっていることが多い。いくつかの治療試験によれば、軽度の食塩制限によっても有効な降圧効果をもたらすことが確認されている。このため、高血圧症の場合には食塩の摂取量を制限するような食事をすることが常識となっている。
【0003】
ただ、減塩食の効果については、減塩をうける患者側の食塩感受性の問題があり、例えば食塩量1日0.5g以下という厳しい減塩療法においても、約2/3の患者では有効であっても、残りの1/3の患者では降圧が認められなかったという報告もある。同じ本態性高血圧症の患者のなかにも、血圧が食塩摂取量の変化に影響されやすい人とそうでない人がいる。影響されやすい人では、腎臓のナトリウム***能力が低下していたり、あるいは腎臓におけるナトリウム再吸収能力が高いため、食塩負荷により体内にナトリウムが貯留する結果、血圧が上昇すると考えられている。これらナトリウム***・再吸収能力の差異は、その全貌が明らかとなったわけではないが、究極的には各人の遺伝子多型(各人のゲノムを構成する塩基配列の微小な違い)に基づいてかなりの部分を説明できるものと考えられる。
【0004】
前記遺伝子多型は、最近の急速なゲノム解析進歩に伴って明らかとなったものである。遺伝子多型には、2〜数個の塩基がまとまって挿入又は欠失しているタイプや、さらに長鎖のDNA断片が挿入又は欠失しているタイプのものがあるが、最近特に注目されているものは、一つの塩基が別の塩基への置換されておこる、いわゆる一塩基多型(SNP)と呼ばれるタイプである。ヒトのゲノム上には、約300万のSNPが存在すると言われている。SNPの中には、既に疾患感受性との関連が指摘されたものもあり、SNPは、各人に最適の医療(テーラーメイド医療)実現のための診断指標として重要視されてきている。例えば、高血圧症関連では、アンジオテンシノーゲン(AGT)遺伝子の第二エクソンに存在するMet235Thr多型は、69論文のメタアナリシスでAGTのThr/Thrホモは、Met/Metホモよりも31%高血圧になり易く[Staessen J. A. et al.:J. Hypertens. 17:9-17(1999)]、その強弱が食塩摂取量に依存していることが報告されている。従って、Thr/Thrホモ多型の高血圧患者に対しては、減塩療法が有効であると考えられる。しかし、高血圧等の生活習慣病は多因子疾患であり、一つの遺伝子多型で説明できるものではない。今後、高血圧のテーラーメイド医療実現のためにも、高血圧発症の遺伝的素因となっている遺伝子多型の全貌を明らかにすることが極めて重要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ヒトSCNN1A遺伝子の多型を解析し、解析結果に基づいて、被検者の高血圧症又は蛋白尿関連疾患に対する易罹患性を判定する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、ヒトSCNN1A遺伝子に存在する特定の多型が、血圧及び尿のタンパク量に影響を与えていることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(3)である。
(1) 被検者の高血圧症への易罹患性を判定する方法であって、以下の工程:
(a) 当該被検者から、ゲノムDNAを含有する生体試料を採取する工程、
(b) 工程(a)において得られた生体試料中のゲノムDNA上に存在するヒトSCNN1A遺伝子のプロモーター領域を含む配列番号1で表される塩基配列の第2139番目の塩基に相当する位置の塩基の種類を決定する工程、及び
(c) 工程(b)において得られた結果に基づいて、当該被検者の高血圧症への易罹患性を判定する工程、
を包含することを特徴とする前記高血圧症への被検者の易罹患性判定方法。
(2) 被検者の高血圧症への易罹患性の判定を、ヒトSCNN1A遺伝子の配列番号1の塩基配列で表される第2139番目の塩基の種類がGA型又はGG型である場合には、当該被検者は高血圧症に罹患し易いと判定し、当該塩基の種類がAA型である場合には、当該被検者は高血圧症に罹患し難いと判定する判定基準に基づいて行なうことを特徴とする上記(1)の高血圧症への被検者の易罹患性判定方法。
(3) 配列番号25の塩基配列を含むプライマー、配列番号26の塩基配列を含むプライマー、配列番号27の塩基配列を含むA型検出用蛍光標識プローブ及び配列番号28の塩基配列を含むG型検出用蛍光標識プローブを主要構成要素として含有してなる、ヒトSCNN1A遺伝子のプロモーター領域を含む配列番号1で表される塩基配列の第2139番目の位置の一塩基多型タイピング用キット。
【0007】
(4) 被検者の蛋白尿関連疾患への易罹患性を判定する方法であって、以下の工程:
(a) 当該被検者から、ゲノムDNAを含有する生体試料を採取する工程、
(b) 工程(a)において得られた生体試料中のゲノムDNA上に存在するヒトSCNN1A遺伝子のプロモーター領域を含む配列番号1で表される塩基配列の第2139番目の塩基に相当する位置の塩基の種類を決定する工程、及び
(c) 工程(b)において得られた結果に基づいて、当該被検者の蛋白尿関連疾患への易罹患性を判定する工程、
を包含することを特徴とする前記蛋白尿関連疾患への被検者の易罹患性判定方法。
(5) 被検者の蛋白尿関連疾患への易罹患性の判定を、ヒトSCNN1A遺伝子の配列番号1の塩基配列で表される第2139番目の塩基の種類がGA型又はGG型である場合には、当該被検者は蛋白尿関連疾患に罹患し易いと判定し、当該塩基の種類がAA型である場合には、当該被検者は蛋白尿関連疾患に罹患し難いと判定する判定基準に基づいて行なうことを特徴とする上記(4)の蛋白尿関連疾患への被検者の易罹患性判定方法。
(6) 蛋白尿関連疾患が、腎臓病である上記(4)又は(5)の蛋白尿関連疾患への被検者の易罹患性判定方法。
(7) 腎臓病が、腎炎、ネフローゼ症候群、腎硬化症、糸球体腎炎、膜性腎症又は腎腫瘍である上記(6)の蛋白尿関連疾患への被検者の易罹患性判定方法。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の検出法は、ヒトSCNN1A遺伝子の特定の多型を解析し、解析結果に基づいて被検者の高血圧症又は蛋白尿関連疾患ヘの易罹患性を判定することを特徴とする。ここで、「ヒトSCNN1A遺伝子」とは、アミロライド感受性上皮ナトリウムチャネルのαサブユニットをコードし、ヒト第12番染色体の13.3の位置にマップされ、GenBankアクセッションナンバーAF060910として登録されている塩基配列を含む遺伝子をいう。「蛋白尿関連疾患」とは、その疾患に罹患した場合に、尿中に異常と判定される程度の量の蛋白が出る疾患(例えば、腎炎、ネフローゼ症候群、腎硬化症、糸球体腎炎、膜性腎症等の腎腫瘍腎臓病)をいう。「易罹患性」とは、それぞれの疾患への罹り易さをいう。
【0009】
本発明において、高血圧症又は蛋白尿関連疾患ヘの易罹患性判定の基準となる多型は、SCNN1A遺伝子のプロモーター領域を含む配列番号1で表される塩基配列の第2139番目の塩基に相当する位置の一塩基多型(第2139番塩基G/A多型ともいう)である。なお、SCNN1A遺伝子における第2139番塩基G/A多型の存在部位を図1に模式的に示した。図1に示したように第2139番塩基G/A多型は、SCNN1A遺伝子のプロモーター領域に存在する。この部位の塩基は、現在のところ、アデニン(A)又はグアニン(G)であることが確認されている。ヒト染色体DNAは、両親から由来する各一対が存在するので、被検者の第2139番塩基G/A多型には、両染色体のSCNN1A遺伝子ともアデニンであるAA型(Aのホモ接合型)、一方の染色体はアデニンでもう一方の染色体はグアニンであるAG型(AとGのヘテロ接合型)、そして両染色体ともグアニンであるGG型(Gのホモ接合型)の3つのタイプが存在する。SCNN1A遺伝子の第2139番目の塩基がアデニンである場合の全長配列を配列番号1に示した。
【0010】
SCNN1A遺伝子多型の解析方法は、上記の多型の判別ができる限り、特に限定されず、公知の様々な遺伝子多型解析方法を採用することができる。例えば、被検者から採取した血液細胞及び口腔内粘膜細胞等の試料から、染色体DNAを抽出し、これを鋳型として、目的の多型を含む部分を増幅できるように設計したプライマーを用いてPCRを行い、得られたPCR産物の塩基配列を解析する方法や、その他、PCRプライマーの3’末端にミスマッチがあるとプライマーとして機能しないため増幅が起きないことを利用したアレル特異的PCR法[Wu,D.Y., et al.: Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 86: 2757-2760(1989)]、蛍光標識したアレル特異的オリゴとTaqDNAポリメラーゼによるPCR反応とを利用したTaqMan PCR法等によって、遺伝子多型解析を行なうことができる。
【0011】
例えば、アレル特異的PCRを用いて、SCNN1A遺伝子の多型解析を行う場合を以下に説明する。本方法は、より詳細にはプライマーの3’末端に一塩基のミスマッチがあるとプライマーのアニーリングが良好に起こらなくなり、結果としてPCRによる増幅が生じないことを利用した方法である。この方法の成否に大きな影響を及ぼすのは、プライマーの3’末端のミスマッチである。そこで、プライマーを3’末端に変異がくるように設計することで、アレルの型により増幅の可否が決定されるため、アレル特異的PCRによれば増幅産物の有無によりアレルの型が確認できる。アレル特異的PCRにおけるこのようなプライマーの設計は、ヒトSCNN1A遺伝子の公知の塩基配列に基づいて行うことができる。ヒトSCNN1A遺伝子の第2139番目の塩基が、アデニン及びグアニンのいずれであるのかタイピングする場合のプローブ及びプライマーの例としては、5’-cagcgctggccacatcctccctgca-3’(配列番号2)及び5’-cagcgctggccacatcctccctgcg-3’(配列番号3)に示す塩基配列を有するものが挙げられる。配列番号2及び配列番号3に示す塩基配列を有するプライマーはその3’末端の塩基が相違している。これらのプライマーと、適宜選択した逆方向のプライマー、例えば、5’-ctggtccctcctctttcctgctgat-3’(配列番号4)に示す塩基配列を有するプライマーとを組合わせてPCRを行い、配列番号2及び配列番号4のプライマーでPCRを行った場合のみ300bpの増幅産物が確認された場合はAA型、配列番号3及び配列番号4のプライマーでPCRを行った場合のみ300bpの増幅産物が確認された場合はGG型、両方の場合で増幅産物が確認された場合はAG型と判定することができる。
【0012】
また、TaqMan PCR法の原理を図2に示した。TaqMan PCR法は蛍光標識したアレル特異的オリゴ(TaqManプローブともいう)とTaq DNAポリメラーゼによるPCR反応とを利用した方法である。TaqMan PCR法で用いるアレル特異的オリゴは約20塩基程度の長さであり、5’末端はFAMやTETやVIC等の蛍光レポーター色素(R)によって標識され、一方3’末端はクエンチャー(Q)によって標識されている。この状態ではクエンチャーが蛍光エネルギーを吸収するため蛍光は検出できない。本法ではPCR反応を同時に行なうが、TaqManプローブの3’末端はリン酸化されているためTaqManプローブからのDNA鎖伸長は起こらない。しかし、このTaqManプローブをSNPを含む領域を増幅するように設計したプライマーとTaqDNAポリメラーゼとともにPCR反応を行なうと、まずTaqManプローブが鋳型DNAの特異的な配列にハイブリダイゼーションし、同時にPCRプライマーから伸長反応が起こる。しかしこの際、TaqDNAポリメラーゼは5’ヌクレアーゼ活性を有しているため、PCRプライマーの伸長反応が進む際にハイブリダイゼーションをしたTaqManプローブを切断する。TaqManプローブが切断されると蛍光色素がクエンチャーの影響を受けなくなり蛍光を検出できるようになる。
【0013】
例えば、図2のように、SNP部位がアデニン(A)のアレル1とグアニン(G)のアレル2が存在する場合、アレル1に特異的なTaqManプローブはFAM(R1)で、アレル2に特異的なTaqManプローブはTET(R2)で標識する。この2種類のアレル特異的オリゴをPCR試薬に同時に添加し、タイピングの対象となる鋳型とTaqManPCR反応を行なう。その後、蛍光検出器にてFAM及びTETの蛍光強度を測定する。その結果、鋳型がアレル1のホモ接合型ならばFAMの強い蛍光強度が検出され、TETの蛍光は殆ど検出されない。アレル1とアレル2のヘテロ接合体ならば、FAMとTET両者の蛍光が検出される。アレル2のホモ接合型ならばTETの強い蛍光強度が検出でき、FAMの蛍光は殆ど検出されない。このようにして対象サンプルのSNPタイピングをすることができる。
【0014】
解析の結果、ヒトSCNN1A遺伝子中の配列番号1の塩基配列で表される第2139番目の塩基の種類がAG型又はGG型である場合には、当該被検者は高血圧症又は
蛋白尿関連疾患に罹患し易いと判定することができ、当該塩基の種類がAA型である場合には、当該被検者は高血圧症又は蛋白尿関連疾患に罹患し難いと判定することができる。腎臓に障害が加わった場合(慢性糸球体腎炎など)、食塩感受性が高いと考えられるAG型又はGG型のヒトでは、糸球体内圧が上昇しやすく、結果として、蛋白尿に代表される腎機能障害が顕在化しやすいといえる。また、AG型又はGG型のヒトでは利尿薬による降圧効果、あるいは減塩による降圧効果があると考えられ、一方、AA型のヒトに利尿剤を投与すると脱水や電解質異常などの副作用が出やすいといえる。
【0015】
上記のヒトSCNN1A遺伝子のプロモーター領域の前記第2139番塩基G/A多型をタイピングするためのプライマー及び蛍光標識プライマーを主要構成要素として含むキットも本発明の好ましい実施態様である。以下に、多型タイピング用キットの具体的構成例を示した。
〔第2139番塩基G/A多型タイピング用キット〕
▲1▼ 配列番号25の塩基配列を含むプライマー
▲2▼ 配列番号26の塩基配列を含むプライマー
▲3▼ 配列番号27の塩基配列を含むA型検出用蛍光標識プローブ
▲4▼ 配列番号28の塩基配列を含むG型検出用蛍光標識プローブ
以上の構成要素には、さらに必要に応じて、各ヌクレオチド混液、酵素反応停止溶液、希釈溶液等を追加補充することができる。
【0016】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示して具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕 ヒトSCNN1A遺伝子中の多型の検出
白血球由来のDNAは、1996年5月から1998年2月までの間に国立循環器病センターを訪れたヒトから集めた血液から抽出した。ここで、血液を提供したヒトは全て日本人であり、アミロライド感受性ナトリウムチャネル遺伝子の遺伝子解析に書面で同意した(インフォームドコンセントを得た)ヒトのみについて以下の解析を行った。
【0017】
まず、ヒトSCNN1A遺伝子中の多型の検出を試みた。インフォームドコンセントを得た32人(高血圧の24人と高血圧ではない8人)の白血球から常法に従ってDNAを採取した。得られたDNAサンプルを鋳型とし、表1のプライマーを用いて各領域をPCRにより増幅した。
【表1】
Figure 0004041701
【0018】
得られた増幅産物は、モデルABI3700遺伝子アナライザーにより、塩基配列の決定を行った。その結果、表2に記載の多型が検出された。
【表2】
Figure 0004041701
【0019】
表2において、アレル頻度は32人分のシークエンスに基づいて計算したものである。表2に示したように、SCCN1A遺伝子のプロモーター領域に4つの多型、エクソン領域に3つの多型、イントロンに1つの多型が見出された。G2139アレルは、32人分のシークエンスによれば、G2765アレルと完全に一致しており、連鎖不平衡していることが判明した。また、G(2139)A多型はG(3091)A多型と強い連鎖不均衡していることも判明した。また、第1エクソンのG(3091)A多型はmRNAの5'非コード化領域にあり、第1イントロンのG(3134)A多型は第1エクソンのスプライスドナー部位から5bp離れた位置に存在していた。
【0020】
〔実施例2〕 アソシエーションスタディー
インフォームドコンセントを得た男女30歳〜79歳の3989人から採取した血液由来のDNAサンプルを用いて、実施例1において検出された多型のうち、プロモーター領域に存在する第1144番塩基A/G多型及び第2139番塩基G/A多型、第1エクソン上に存在する第3091番塩基G/A多型、第1イントロン上に存在する第3134番塩基G/C多型、第6エクソン上に存在する第1193番塩基G/A多型、及び第13エクソン上に存在する第1529番塩基G/A多型のSNPタイピングを行った。なお、SNPタイピングは、表3に記載のプローブセット及びプライマーセットを用い、TaqManシステム(PEアプライドバイオシステムズ社)を用いて行った。
【表3】
Figure 0004041701
【0021】
一方、各被検者の生理生化学的パラメーターは以下のようにして求めた。まず、血圧は座位で最低10分間休息後測定した。収縮期、拡張期の血圧値は二人の医師による測定結果の平均とした(3分の間隔を空けた)。尿蛋白の検出限界は30mg/dlであった。「高血圧である」とは、収縮期血圧が140mmHg以上又は拡張期血圧が90mmHg以上、あるいは抗高血圧薬を服用していることと定義した。また、「糖尿病である」とは、空腹時血糖が140mg/dl以上、あるいは血糖降下薬を服用していることと定義した。表4に全被験者の生理生化学的パラメーターを示した。
【表4】
Figure 0004041701
【0022】
BMI、年齢、アルコール消費量を独立変数として含む被験者のデータを多重算定解析した。その結果、G(1144)A、G(3134)C、G(1193)AおよびG(1529)A多型の血圧への明らかな影響はなかった。しかしながら、G(2139)AとG(3091)A多型は明らかに血圧に影響を及ぼしていた。血圧とG(3091)A多型の関係は、G(2139)AとG(3091)A多型間にある強い連鎖不均衡に由来するものと推測される。従って、被験者全員のG(2139)A多型を調べた。
【0023】
表4から明らかなように、G(2139)A多型(AA=1、GA+GG=2)は、肥満指数(BMI)、ウエスト/ヒップ比(W/H)、降圧剤の治療を受けている人の割合(AHT)、収縮期及び拡張期血圧に影響を与えることが判明した。すなわち、G(2139)AのG/A多型(第2139番塩基G/A多型)がAG型又はGG型の人は、AA型の人に比べて、AHTが高値を示した。さらに、第2139番塩基G/A多型は尿蛋白と密接に関わっていることが分かった。すなわち、第2139番塩基G/A多型がAG型又はGG型の人は、AA型の人に比べて、蛋白尿が出やすいことが判明した。
【0024】
一般的に、高齢層の表現型は環境因子に強く影響を受け、遺伝的影響は若年層の方が明らかであることから、若年層についての遺伝子型の影響を解析した。表5は、年齢60歳未満の被験者の生理生化学的パラメーターを第2139番塩基G/A多型の各型ごとに示したものである。
【表5】
Figure 0004041701
【0025】
表5から明らかなように、第2139番塩基G/A多型は、収縮期及び拡張期血圧に影響を及ぼしていることが判明した。すなわち、第2139番塩基G/A多型が、AG型又はGG型の人は、AA型の人よりも、収縮期及び拡張期血圧が高いことが判明した。特に、年齢、性別、G(2139)AのA/G多型を独立変数として含む多重算定解析によると、G(2139)AのA/G多型がAG型又はGG型である被検者の高血圧についてのオッズ比は2.15であった。これは、G(2139)AのA/G多型がAG型又はGG型である人は、AA型である人に比べて2.15倍高血圧症に罹患し易いことを意味している。また、前記のように、第2139番塩基G/A多型は蛋白尿と強い相関が見られた(P<0.0001)。以上より、第2139番塩基G/A多型を指標として、高血圧症及び蛋白尿関連疾患への易罹患性を判定することが可能であることが判明した。
【0026】
【発明の効果】
本発明により、高血圧症又は蛋白尿関連疾患に対する易罹患性の判定方法が提供される。本判定方法は、生活習慣病発症の予防に有用である。
【0027】
【配列表】
Figure 0004041701
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【0028】
【配列表フリーテキスト】
配列番号2:合成DNA
配列番号3:合成DNA
配列番号4:合成DNA
配列番号5:合成DNA
配列番号6:合成DNA
配列番号7:合成DNA
配列番号8:合成DNA
配列番号9:合成DNA
配列番号10:合成DNA
配列番号11:合成DNA
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配列番号43:合成DNA
配列番号44:合成DNA
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒトSCNN1A遺伝子における第2139番塩基G/A多型の位置を示した模式図である。
【図2】 TaqManPCRによるSNPタイピングの原理を示した図である。

Claims (7)

  1. 被検者の高血圧症への易罹患性を判定する方法であって、以下の工程:
    (a)当該被検者由来のゲノムDNA上に存在する、ヒトSCNN1A遺伝子のプロモーター領域を含む配列番号1で表される塩基配列の第2139番目の塩基に相当する位置の塩基の種類を決定する工程、及び
    (b)工程(a)において得られた結果に基づいて、当該被検者の高血圧症への易罹患性を判定する工程、
    を包含することを特徴とする前記高血圧症への被検者の易罹患性判定方法。
  2. 被検者の高血圧症への易罹患性の判定を、ヒトSCNN1A遺伝子の配列番号1の塩基配列で表される第2139番目の塩基の種類がGA型又はGG型である場合には、当該被検者は高血圧症に罹患し易いと判定し、当該塩基の種類がAA型である場合には、当該被検者は高血圧症に罹患し難いと判定する判定基準に基づいて行なうことを特徴とする請求項1記載の高血圧症への被検者の易罹患性判定方法。
  3. 配列番号25の塩基配列を含むプライマー、配列番号26の塩基配列を含むプライマー、配列番号27の塩基配列を含むA型検出用蛍光標識プローブ及び配列番号28の塩基配列を含むG型検出用蛍光標識プローブを主要構成要素として含有してなる、ヒトSCNN1A遺伝子のプロモーター領域を含む配列番号1で表される塩基配列の第2139番目の位置の一塩基多型タイピング用キット。
  4. 被検者の蛋白尿関連疾患への易罹患性を判定する方法であって、以下の工程:
    (a)当該被検者由来のゲノムDNA上に存在する、ヒトSCNN1A遺伝子のプロモーター領域を含む配列番号1で表される塩基配列の第2139番目の塩基に相当する位置の塩基の種類を決定する工程、及び
    (b)工程(a)において得られた結果に基づいて、当該被検者の蛋白尿関連疾患への易罹患性を判定する工程、
    を包含することを特徴とする前記蛋白尿関連疾患への被検者の易罹患性判定方法。
  5. 被検者の蛋白尿関連疾患への易罹患性の判定を、ヒトSCNN1A遺伝子の配列番号1の塩基配列で表される第2139番目の塩基の種類がGA型又はGG型である場合には、当該被検者は蛋白尿関連疾患に罹患し易いと判定し、当該塩基の種類がAA型である場合には、当該被検者は蛋白尿関連疾患に罹患し難いと判定する判定基準に基づいて行なうことを特徴とする請求項4記載の蛋白尿関連疾患への被検者の易罹患性判定方法。
  6. 蛋白尿関連疾患が、腎臓病である請求項4又は5記載の蛋白尿関連疾患への被検者の易罹患性判定方法。
  7. 腎臓病が、腎炎、ネフローゼ症候群、腎硬化症、糸球体腎炎、膜性腎症又は腎腫瘍である請求項6記載の蛋白尿関連疾患への被検者の易罹患性判定方法。
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