JP4041245B2 - 画像符号化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像データを圧縮符号化する画像符号化装置に関し、特に出力符号量に制限がある場合に画質をなるべく良好に保ちながら符号量を制限内に収める画像符号化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来離散コサイン変換を利用した画像の圧縮符号化方法の規格としてJPEGが知られている。これは画像データをブロックごとに離散コサイン変換し、変換値を量子化する方式である。変換符号化に分類される離散コサイン変換は画像データを空間周波数領域へ変換する公知の変換方式であり、画像データに対しては情報エントロピーを減少させる性能が高いことから広く使用されている。
【0003】
離散コサイン変換と量子化によって画像は非可逆な歪を受け、情報エントロピーが減少する。離散コサイン変換とJPEGの量子化は動作上は一体であるので、まとめて変換符号化部とみなせる。これより後さらにエントロピー符号化が施される。エントロピー符号化は出力符号が情報エントロピーに近づくように符号化するものであり、符号化による歪は導入されない。これを実施する部分は係数符号化部である。
【0004】
係数符号化部では、量子化して得られた係数のうち直流係数は前のブロックの直流係数値との差分を求め差分値をハフマン符号化する。一方交流係数はジグザグ順にスキャンして零の個数と零でない係数の組み合わせとして二次元ハフマン符号化する。離散コサイン変換と量子化はともに交流係数において零の出現頻度を多くするので、零の連続する個数と零でない係数の組み合わせに対してハフマン符号を割り当てている。このため係数符号化部は零でない係数を発見するか、ブロックの終わりに達すると符号を出力する。JPEGに従って圧縮された画像は劣化を伴うが、量子化に使用する量子化テーブルを適切に設定することにより主観評価値を良好に保ったまま大幅なデータ圧縮が可能である。
【0005】
また時々刻々変化する画像を伝送する画像通信を目的とした、TV会議用の動画像コーデックが従来知られている。動画像コーデックは圧縮率が高く優れているが、専用のLSIが必要な上に高速なクロックで動作させる必要があり、消費電力が大きくなってしまう。携帯通信機器のように消費電力を極力抑える必要がある機器においては、動画像コーデックではなくJPEGコーデックを用いて画像伝送を行うことができる。JPEGの処理方法は動画像コーデックに比べて簡易であり、専用のLSIを使わずにCPUとソフトウエアで実現することも可能である。動画像コーデックの演算量が大きくなる理由の一つは、フレーム間差分を符号化して伝送するためであり、このとき符号化器側ではローカルデコーダを用いて、相手が復号したものと同じ画像を生成しなけばならないことにある。これに対しJPEGコーデックを用いてフレーム間差分を利用しなければ要求される演算性能を低くし、このため消費電力も抑えられるというメリットがある。
【0006】
しかしJPEG符号化器では動画像コーデックほどの圧縮率が達成できないため、画像サイズ、画質、フレームレートなどを犠牲にして発生符号量を低減させる必要にせまられる。
【0007】
従来符号量を制御する画像符号化装置として、特許公報第2647272号の画像符号化における伝送レート制御方式が知られており、これを図7に示してある。これによると単位時間当たりの平均符号量と瞬時符号量がレート計算回路205で計算され、VLC制御回路204に通知され、VLC制御回路204はそれらのレートが設定値を超えると、VLC部203を制御して、途中までの係数の符号を送り、強制的に残りの係数の符号を送らないようにする。これによって符号量の制御が実現される。またこの際に量子化器202の特性を変更しないため、復号側では符号量制御がされているかどうかに配慮する必要がなく、汎用的で簡易な復号器を用いることができるという長所がある。また係数の零置換は高周波数側の係数から行われるため、符号量が制限された場合でも画質が大きくは損なわれないという長所がある。
【0008】
また従来、ブロックの画像内での位置に応じて量子化器を制御して、重要な部分を精度よく、重要でない部分の情報を削減して符号化する画像符号化装置が特許公開平4−247789の符号化装置および復号化装置として知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の特許公報第2647272号の符号量を制御する画像符号化装置においては、画像における位置を考慮して画質に差を設けた符号量制御ができないという問題がある。画像の中で重要な部分はたいてい中央付近であり、周辺ほど重要性は少ない。画質を犠牲にして符号量を削減する必要が生じた場合には、周辺部の画質劣化は許容できるが、中央部の画質劣化は避けるべきである。このため画像の中央部に位置するブロックには多くの符号量を割り当て、画像の周辺に位置するブロックには少ない符号量を割り当てることが望ましいが、従来の画像符号化装置ではできなかった。この理由は、従来の装置においてブロックの係数を切り捨てる判定基準はブロックの画像における位置を考慮していないからである。
【0010】
これに対してブロックの位置に応じて量子化器を制御する従来の特許公開平4−247789の画像符号化装置はこの問題を克服しているが、復号器が符号化器に対応した専用のものでなければならず、広く普及しているJPEG復号器を用いることができず、画像の伝送は可能であるが、伝送した画像を他の用途に利用したり、電子メールに添付する際にはJPEG符号化器で圧縮しなおさなければならないという問題がある。さらにこの画像符号化装置はブロックの位置に応じて重み付けを変えることはできるが、発生符号量を一定の制限内に収めるという符号量制御の機能がない。つまり個々のブロックの符号量のバランスは制御できるけれども、それらを合計した総符号量を制御できないという問題があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために請求項1記載の画像符号化装置は、画像データをブロックごとに離散コサイン変換し量子化して係数を出力する変換符号化手段と、該変換符号化手段が出力する係数を符号化する係数符号化手段とからなる画像符号化装置において、
前記係数符号化手段の符号出力の許容回数を記憶する許容回数記憶手段と、
画像データの画像における位置に応じて前記許容回数記憶手段の記憶する許容回数を増加させる空間的許容回数増加手段と、
画像データの画像における位置に応じて係数の閾値を指定する空間的閾値指定手段と、を備え、
前記係数符号化手段は、前記変換符号化手段が出力する係数の空間周波数を前記空間的閾値指定手段が指定する閾値と比較し、前記係数の空間周波数が前記閾値より低いときは係数を符号化して符号を出力し、前記許容回数記憶手段の記憶する許容回数が正ならばその係数を符号化して符号を出力し、許容回数が正でなければその係数を零として扱うことにより符号を出力せず、
更に、前記係数符号化手段が符号を出力した場合、出力した前記符号の個数だけ前記許容回数記憶手段が記憶している許容回数を減少させるよう制御することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の好適な実施の形態を示すブロック図である。さらに図2はその動作の手順を示すフローチャートである。
【0013】
本発明の画像符号化装置ではMCU(Minimum Coded Unit)の画像における位置をもとにして動作をする。MCUとは複数のブロックを含んだ符号化単位であり、その中には輝度成分のブロックと色差成分のブロックが含まれ、カラー画像としての最小の符号化単位である。画像符号化装置がMCUを処理する順番は一定しているため、MCUに通し番号を定めて、これをMCUカウンタで数えることによりMCUの位置を特定することができる。各処理部にはMCUカウンタの値を通知されることによりMCUの画像における位置に応じた処理を行うことができる。
【0014】
図2で処理を開始するとまず処理S01においてMCUを指定するMCUカウンタを0 に初期化し、許容回数記憶手段105を0 に初期化する。
【0015】
続く処理S02は画像を構成する全てのMCUを処理し終えたかを調べる判定処理である。判定結果がYesのとき1画像分の処理は終わりである。判定結果がNoのとき処理S03へ進む。
【0016】
処理S03ではMCUカウンタの値を空間的許容回数増加手段104に通知する。空間的許容回数増加手段104は許容回数の増分値をMCUの番号に対応させて記憶している。空間的許容回数増加手段104は処理S03において通知を受けると、この記憶値を用いて許容回数記憶手段105の記憶値を増加させ更新する。さらにMCUカウンタの値は空間的閾値指定手段103へも通知される。空間的閾値指定手段103はそのMCUの画像における位置に応じて閾値を設定する。
【0017】
続いて処理S04において、MCUカウンタで指定されたMCUの画像データは8×8画素のブロック単位で、変換符号化部101に入力される。ひとつのMCUには複数のブロックが存在しており、ブロックごとに順に処理される。変換符号化部101は入力されたブロックに対して処理S04において二次元離散コサイン変換を実行し、さらに量子化を実行する。JPEGに適合する量子化は離散コサイン変換された係数値に量子化ステップの逆数を乗算し、四捨五入によって整数化する処理である。量子化の動作は乗算であるから、乗算を大量に実行する離散コサイン変換と一体化し、両者を変換符号化部101としている。
【0018】
量子化テーブルには、入力される画像の性質や画像符号化装置が出力する画像の画質や符号量に応じて、量子化ステップサイズをあらかじめ設定しておく。公知のように離散コサイン変換によって出力される8×8の係数ブロックは空間周波数領域上の係数であり、各係数のブロックにおける位置と空間周波数とが1対1に対応している。量子化ステップサイズは低周波数側の係数では小さく、高周波数側の係数では大きくすることにより、低周波数側の係数には多くの情報量を割り当て、高周波数側の係数には少ない情報量を割り当てることができる。また量子化テーブルは、データブロックが画像の輝度成分であるか色差成分であるかに応じて切り替えることができ、統計的な性質の異なる色成分ごとに適した量子化ステップを指定することができる。
【0019】
処理S05において、変換符号化部101が出力する係数は係数符号化部102に入力される。係数符号化部102は量子化された8×8の係数ブロックを入力とし、これをエントロピー符号化する。
【0020】
MCUに含まれる複数のブロックの処理を終えたら処理S06に移り、MCUカウンタはインクリメントされ、判定処理S02へ戻る。
【0021】
次に、本発明の特徴である空間的な位置を考慮した符号量制御が実行されるのは係数符号化部102である。図3はその動作を示すフローチャートであり、これをもとにして説明する。
【0022】
係数ブロックの入力を受けた係数符号化部102は処理S11において直流係数を符号化し符号を出力する。直流係数は同じ色成分の前の直流係数との差分を求め、差分値をそれが属するレベル値とそのレベル内での残りビットとに分解し、レベル値をハフマン符号化し、続いて残りビットを添付する。
【0023】
係数符号化部102が交流係数を符号化するときは、低周波数から高周波数への順にブロックをジグザグにスキャンし、値が零の係数の数を数えながら零でない係数を探す。
【0024】
ここでジグザグスキャンの順序を図4に示す。図4は変換符号化部101が離散コサイン変換と量子化を実行した結果である8×8の係数ブロックと、これをジグザグスキャンする順番を示しており、ブロックの左ほど、また上ほど空間周波数が低くなっている。係数符号化部102は図4において番号1から番号63の順に係数をスキャンし零であるか零でないかを調べる。ただし番号0の係数は直流係数なのでジグザグスキャンは行わない。
【0025】
図3の処理S12はジグザグスキャンをはじめる準備処理であり、係数を指定するカウンタを1 に初期化し、零係数の数を数えるカウンタを0 に初期化する。
【0026】
処理S13はブロックのジグザグスキャンが終了したかどうかを調べる判定処理である。これは係数を指定するカウンタが64未満であるかどうかを調べ、結果がYesなら処理S14へ進み、結果がNoなら処理S19へ進む。
【0027】
処理S14はカウンタが指定する係数が0であるかを調べる判定処理である。結果がYesであればその係数は0であるので処理S21へ進み、Noであれば処理S15へ進む。
【0028】
処理S15はその係数の空間周波数が空間的閾値指定手段103が指定する閾値と比較して低周波数側であるかどうかを調べる判定処理である。処理S15ではその係数の位置を指定するカウンタ値を空間的閾値指定手段103の指定する閾値と比較し、カウンタ値が閾値未満であるかどうかを調べる。結果がYesの場合には処理S16へ進み、Noの場合は処理S18へ進む。空間的閾値指定手段103はMCUカウンタ値に基づいて閾値を変化させる。MCUカウンタが画像の中央付近を指定している場合は画質を重視するために閾値は64に設定される。閾値が64に指定されると零でない係数は全て閾値未満と判定され処理S16において符号化され符号が出力される。これに対してMCUカウンタが画像の周辺を指定している場合には閾値は15に設定される。これによって、係数カウンタが1から14の間に零でない係数が存在した場合に、零に置換されず処理S16で符号化されることが保証される。
【0029】
このように画質を重視しない周辺のMCUであっても低周波数側の係数を符号量制御の対象から外すのは、低周波数側の係数を零置換すると復号画像における影響が大きいためである。これに対して高周波数側の係数は零置換しても影響が比較的小さいため符号量制御を実行する際には係数を削除する。また空間的閾値指定手段103が通知されたMCUの画像における位置に応じて閾値を変化させるのは、画像中央付近に位置する画像データブロックに対しては符号量制御を無効にして画質を保証し、画像周辺に位置するブロックに対しては画質の低下を許して符号量制御を有効にするためである。
【0030】
処理S16において係数符号化部102は符号化を実行して符号を出力し、許容回数記憶手段105を出力した符号の個数だけデクリメントする。符号化は次のように行う。零係数の数が16以上の間はZRL符号を出力し零係数の数から16を引く動作を繰り返す。ZRLとはZero Run Length のことで、符号シンボルの一つとして二次元ハフマン符号のテーブルの中に存在するものである。零の係数の数が16未満になったならば、符号化すべき零でない係数をその係数が属するレベル値とそのレベル内での残りビットとに分解し、零の係数の数と零でない係数のレベル値との組を二次元ハフマン符号化し、続いて残りビットを添付する。ZRL符号と二次元ハフマン符号との双方とも符号出力の度に許容回数記憶手段105を1 個デクリメントする。符号を出力した後、処理S16においてさらに零係数のカウンタを0 に初期化する。この後処理S17へ進む。
【0031】
処理S17では係数の位置を指定するカウンタをインクリメントして判定処理S13へ戻る。
【0032】
全ての交流係数のジグザグスキャンを終えた場合、判定処理S13から処理S19に至る。処理S19は零係数の数が0 個であるかを調べる判定処理である。判定結果がYesであればそのブロックに対する符号化処理は終了する。結果がNoであればEOB符号を出力し、許容回数記憶手段105を1 個デクリメントする。EOBとは、End Of Blockのことで、符号シンボルの一つとして二次元ハフマン符号のテーブルの中に存在するものである。
【0033】
係数符号化部102が二次元ハフマン符号を出力するのは、零でない交流係数を符号化する場合、ZRLを出力する場合、EOBを出力する場合、のいずれかである。ブロックの最後に交流係数が出現することはまれであるので、多くの場合ブロックの最後にはEOB符号が出力される。本発明では係数符号化部の符号出力の回数と符号量との相関が高いことを利用しており、符号出力の回数を測定し、これが許容回数内に収まるように符号出力の回数を制御するものである。本実施の形態では符号出力の回数を数える際にZRLやEOBを含めることにするが、これらを含めずに数えるような画像符号化装置を作成してもよい。
【0034】
本発明において符号量制御が働いて実際に削減動作が実行されるのは処理S18である。処理S18は許容回数記憶手段105の記憶する値が正であるか調べる判定処理である。判定結果がYesであれば処理S16に進んで符号を出力する。Noの場合は処理S21へ進む。処理S21は値が零の係数の数を数えるカウンタを1 個インクリメントする処理であり、その後処理S17へ進む。処理S18から処理S21へ進むときに、量子化時点では零でなかった係数が零として処理されることになるのである。
【0035】
次に画像における位置に応じて画質を変えながら符号量制御を実現する方法について説明する。図5には画像110と画像110を構成するMCUが示されている。MCUのサイズは横16画素、縦16画素であり、輝度成分のブロックが4 個と色差成分のブロックが2個含まれている。画像110の横方向には6個のMCU、縦方向には7個のMCUが並び、計42個のMCUで構成されている。横のインデクスと縦のインデクスの組でMCUを指定することにすると、(0,0 )のMCUはMCU111であり、(5,0 )のMCUはMCU116である。MCUカウンタとしては、縦のインデクス×6 +横のインデクスを用いることにより、一つのカウンタ値でMCUの画像における位置を指定することができる。図5において画像110の中央付近に位置するMCU118などは実線で描かれ、画像110の周辺に位置するMCU111からMCU117などは点線で示されているが、これは点線で示されたMCUは周辺に位置するため重要度が低く、実線で示されたMCUは中央に位置するため重要度が高く、画質の優先度に差を設けていることを表している。
【0036】
本発明の符号化装置は空間的許容回数増加手段104の動作によって、空間的な符号量配分を制御しており、図2の処理S03において許容回数記憶手段105の記憶値をいくつ増加させるかを対象とする画像サイズと符号量に合わせて設計しなければならない。
【0037】
まず二次元ハフマン符号を画像全体で何個出力してよいか、全体の許容回数を予め決める。符号化結果において画像の符号量と符号化された二次元ハフマン符号の数とは強い相関があるため、対象とする標準的な画像について目標符号量内で符号化できる量子化テーブルを試行錯誤によって求め、このとき画像全体で出力される二次元ハフマン符号の数を測定し、これをNi とする。
【0038】
次に求めたNi を総MCU数で割り、MCUの1 個あたりの二次元ハフマン符号の数を求めこれをNm とする。ここではMCUの1 個あたりの二次元ハフマン符号出力Nm を40個に設定する。これはMCUあたりの目標符号量を約17 bitに設定し、量子化テーブルを選択した結果の数字である。
【0039】
ブロックの画像における空間的位置に応じて符号量の配分を行うために、空間的許容回数増加手段104はMCUの画像における位置に応じて許容回数増加値を記憶しており、MCUの画像における位置が入力されると許容回数増加値を読み出して許容回数記憶手段105の記憶値に加算し更新する。
【0040】
各MCUに対する許容回数の増加値を図6に示す。図6は画像110を構成する各MCUの位置に許容回数の増加値を示したもので、空間的許容回数増加手段104はこの値をテーブルに記憶しておく。
【0041】
まずMCU111に対して符号化を行うが、MCUの位置は(0,0 )であり、この位置を表すMCUカウンタの値が図2の処理S03において空間的許容回数増加手段104へ通知され、許容回数増加手段104はテーブルの(0,0 )の位置を参照し、許容回数記憶手段105の記憶値を40増加させる。これはNm が40であることからMCU1個分の割り当てを行うことを意味し、40個の符号を出力するまでは符号量制御が働かない。係数符号化部102はMCU111の係数を符号化し、二次元ハフマン符号を出力するたびに、許容回数記憶手段105の記憶値を1 だけ減少させる。
【0042】
MCU111は周辺に位置しており、空間的閾値指定手段103は閾値を小さく設定しているので、出力される符号が多い場合には許容回数記憶手段105の記憶値が正でなくなり、係数符号化部102は閾値以上の高周波数側の係数を零とみなして符号出力を制限するようになる。
【0043】
MCU111の符号化が終わると次に(0,1 )の位置にあるMCU112を符号化する前に、空間的許容回数増加手段104は許容回数記憶手段105の記憶値を240増加させる。これはMCUの6個分すなわち、6Nm 個の許容回数であり、(0,1 )の位置にあるMCU112から、(1,0 )の位置にあるMCU117までを符号化するための割り当てである。以後MCU113からMCU117までの符号化に際しての許容回数増加値は0に設定する。これらの増加値は空間的許容回数増加手段104の中のテーブルに記憶される。
【0044】
MCU112から順に符号化していくと、先に符号化されるMCUには許容回数が多くあるため、符号出力制限を受けることなく全ての係数が符号化される。このため先に符号化されるMCUが多くの係数を出力すると、後で符号化されるMCUでは許容回数記憶手段105の値が正でなくなり高周波数側係数の出力が制限されやすくなる。とくに位置(1,0 )のMCU117と、位置(0,6 )のMCU116において出力制限が発生しやすいため、画像の周辺の画質が低下する。一方位置(0,1 )のMCU112やその後続のMCU113などにおいては、許容回数記憶手段105の値が豊富にあるため、符号の出力制限は発生せず、その画質は量子化テーブルで量子化したとおりの画質になる。
【0045】
同様に図6に示すように、j を1から5までの整数として位置(1,j )におけるMCUに対する許容回数増加値を以降のMCUの分を含めて240に設定し、他のMCUに対する許容回数増加値を0に設定する。これによって位置(1,j )のMCUは常に良好な画質が保証され、位置(0,j+1 )や位置(5,j )にあるMCUの画質は低下しやすくなる。j が6のときも同様に図6に示すように位置(1,6 )にあるMCUを符号化する前に、空間的許容回数増加手段104は許容回数記憶手段105の記憶値を200増加させる。これは5個分すなわち5Nm 個の許容数である。
【0046】
画像中央付近に位置するMCU、例えば図5のMCU118については、画質劣化を避けるために係数符号化部102による符号の出力制限を行わない。これは空間的閾値指定手段103が指定する閾値を画像データの画像における位置に応じて変化させることによって実現する。8×8の係数ブロックは図4に示す順番でジグザグスキャンされるので、係数の空間周波数は横と縦のインデクスの和が一定になるようなバンドに区分することができる。よって空間的閾値指定手段103は図4のジグザグスキャンの順番における閾値を通知し、これによって係数符号化部102は係数の空間周波数を判定する。
【0047】
そこで図5で点線で示される周辺のMCUにおいては、空間的閾値指定手段103は閾値として15を通知する。係数の空間周波数が15未満の係数とは、図4において番号が1から14までの14個の交流係数のことであり、係数の横と縦のインデクスの和が5未満であれば低周波数側と判定していることになる。係数符号化部102は図3の判定処理S14で零でない係数を見つけると、判定処理S15でその係数の位置を表すカウンタが閾値未満かどうか調べ、結果がYesであれば符号を出力し、Noであれば判定処理S18において許容回数記憶手段105の値が正であるかを調べ、結果がYesであれば処理S17で符号を出力し、Noであればその係数の二次元ハフマン符号の出力を制限する。
【0048】
一方図5で実線で示されるMCUが処理される際、図2の処理S03でMCUカウンタの値が空間的閾値指定手段103に通知されると閾値は64に設定される。これにより全ての交流係数は判定処理S15において閾値未満と判定されることになり、係数符号化部102は符号の出力制限を実行しない。つまり判定処理S14において見つけた零でない係数全てが処理S16において符号化され、許容回数記憶手段105の記憶値は符号の出力のたびにデクリメントされる。これによって画像中央付近の画質を良好に保ちながら、画像周辺部の画質と符号量の制御を実現する画像符号化装置が得られる。
【0049】
なお本実施の形態では空間的許容回数増加手段104はテーブルに許容回数の増加値を記憶しておき、テーブルを参照して許容回数記憶手段105の値を更新しているが、他の方法を用いることもできる。例えばMCUのアドレスをもとに演算によって増加値を求めて許容回数記憶手段105の値を更新してもよい。またこのプログラムには、過去の符号の発生状況を反映させて、次のMCUにおいて必要となる許容回数増加値を予測し、許容回数の不足による画質劣化を近傍のMCUに分散させるような適応的な制御を実行することもできる。
【0050】
さらにまた本実施の形態ではMCUを単位として、MCUの符号化の前に許容回数記憶手段105の値を更新するように、空間的許容回数増加手段104を動作させているが、ブロックの位置を入力し、より細かくブロック単位で空間的許容回数増加手段104を動作させることもできる。
【0051】
【発明の効果】
本発明の画像符号化装置によれば次のような効果が得られる。一定の符号量内に収めるために符号量制御を実行しながら、画像における位置に応じて画質を制御することができる。とくに画質劣化が画像周辺部において発生し、画像中央部においては一定の画質が保証され、画像において重要な中央部の情報を劣化させることがない。また出力される符号は国際標準のJPEG復号器でデコードすることができ、専用の復号器を必要とせず、普及している様々なJPEG復号器を利用することができ、システムの自由度を大きくしかつ復号器の製作コストを削減できる。さらに出力された符号はフォーマット変換をすることなく様々な用途に再利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像符号化装置のブロック図。
【図2】本発明の画像符号化装置の動作を表すフローチャート。
【図3】本発明における係数符号化部がブロックを符号化する動作を表すフローチャート。
【図4】8x8の係数ブロックのジグザグスキャンの順番を示す図。
【図5】画像を構成するMCUのうち周辺部に位置するMCUと中央部に位置するMCUを示す図。
【図6】各MCUを符号化する前に空間的許容回数増加手段が増加させる許容回数の増加値をMCUの位置に対応させて示した図。
【図7】従来の画像符号化装置のブロック図。
【符号の説明】
101:変換符号化部
102:係数符号化部
103:空間的閾値指定手段
104:空間的許容回数増加手段
105:許容回数記憶手段
110:画像
111〜118:MCU
201:DCT演算部
202:量子化部
203:VLC部
204:VLC制御回路
205:レート計算回路

Claims (1)

  1. 画像データをブロックごとに離散コサイン変換し量子化して係数を出力する変換符号化手段と、該変換符号化手段が出力する係数を符号化する係数符号化手段とからなる画像符号化装置において、
    前記係数符号化手段の符号出力の許容回数を記憶する許容回数記憶手段と、
    画像データの画像における位置に応じて前記許容回数記憶手段の記憶する許容回数を増加させる空間的許容回数増加手段と、
    画像データの画像における位置に応じて係数の閾値を指定する空間的閾値指定手段と、
    を備え、
    前記係数符号化手段は、前記変換符号化手段が出力する係数のジグザグスキャン順の位置を表すカウンタ値を前記空間的閾値指定手段が指定する閾値と比較し、前記カウンタ値が前記閾値より低いときは係数を符号化して符号を出力し、前記許容回数記憶手段の記憶する許容回数が正ならばその係数を符号化して符号を出力し、許容回数が正でなければその係数を零として扱うことにより符号を出力せず、
    更に、前記係数符号化手段が符号を出力した場合、出力した前記符号の個数だけ前記許容回数記憶手段が記憶している許容回数を減少させるよう制御することを特徴とする画像符号化装置。
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