JP4038314B2 - プラスチックレンズ染色方法及び染色レンズ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、染色レンズ及びその製造方法に関し、さらに詳しくは種々のグラデーションが得られる染色レンズ及びその染色方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来より、眼鏡用のレンズに対して染色を行う方法として、浸漬染色方法(以下「浸染法」という)が多く用いられている。この浸染法は、分散染料の赤、青、黄の三原色を混合して水中に分散させた染色液を調合し、この染色液を90℃程度に加熱し、その中にプラスチックレンズを浸漬して染色を行うものである。
【0003】
また、この浸染法に代わる方法として、気相法による染色方法が提案されている。この気相法は固形昇華性染料を加熱して昇華させ、同じく加熱状態にあるプラスチックレンズを染色するというものである。これらの染色方法を用いてレンズに濃度勾配を有するグラデーション状の染色を行なうには、前者の浸染法ではレンズの浸漬の時間を部分的に変えていくことでレンズ表面に付着する染料の濃度勾配ができるようにしている。また、後者の気相法では蒸着源とレンズとの間に遮断板を設置し、蒸発した染料を部分的に遮断しながら徐々に遮断板を動かすことによってグラデーションを形成する方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記に記した浸染法では、グラデーションの濃度調節が難しく、同じ条件で染色を行なっても出来上がりが不揃いになり易い。また、遮断版を用いた気相法での蒸着方法も制御が難しく、レンズにグラデーションの染色を行なうには効率が悪い。さらに、グラデーションにも濃淡の付け方によって種々のグラデーションが考えられるが、現状の染色方法ではこれら種々のグラデーションを満足いくように染色することは困難であった。
【0005】
本発明は種々のグラデーション状の染色が得られるとともに、出来上がりにむらのないグラデーション状の染色が効率よく容易に得られるプラスチックレンズの染色方法、及びその方法を用いて得られる染色レンズを提供することを技術課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
【0007】
(1) 昇華性色素を溶解又は微粒子分散させた染色用用材を電子計算機にて設定した色データに基づいて基体上に色濃度が変化するように塗布し印刷基体を得る第1ステップと、該第1ステップにて得られた前記印刷基体の塗布面を略真空状態にてプラスチックレンズと非接触に対向させて配置するとともに,前記印刷基体を加熱することにより昇華性色素を昇華させ、該昇華性色素を前記プラスチックレンズに接触させることにより、前記プラスチックレンズ表面に濃度勾配を有した状態にて前記昇華性色素を蒸着させる第2ステップと、該第2ステップにて得られた前記昇華性染料が蒸着したプラスチックレンズを常圧下で加熱することにより、昇華性色素を定着させる第3ステップと、を有することを特徴とする。
(2) (1)のプラスチックレンズの染色方法において、前記第2ステップにおける前記印刷基体への加熱は、加熱手段によって非接触にて行われることを特徴とする。
(3) (1)のプラスチックレンズの染色方法において、前記基体はプリンタにより前記染色用用材が塗布されていることを特徴とする。
(4) (1)のプラスチックレンズの染色方法において、実際のプラスチックレンズ側に予定する染色後の濃度勾配に対して、前記基体上に塗布する色データの濃度勾配は異なることを特徴とする。
(5) (4)のプラスチックレンズの染色方法において、前記プラスチックレンズ側に略直線的な変化の濃度勾配を予定する場合には、前記基体上の印刷領域の過半域が同一色濃度にて印刷され、前記印刷領域の残りの領域が前記色濃度と異なる色濃度にて印刷されることを特徴とする。
(6) (1)〜(5)のプラスチックレンズ染色方法を用いて染色されることにより得られる染色レンズであることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参考にしつつ説明する。図5は染色方法の流れを示したフローチャート、図6は使用する染色用治具等を示した概略図である。
【0017】
本発明の実施の形態では、紙に印刷(塗布)した染料を真空蒸着にてプラスチックレンズに蒸着させる気層法による染色を行なう。初めにグラデーション用印刷基体の作製を行なう。昇華性染料として、ウペポ(株)の分散染料インキ赤、青、黄、黒色(水性)の計4色を使用した。このインキを市販のインクジェットプリンタ用のインクカートリッジにそれぞれ入れ、インクジェットプリンタにこのカートリッジを装着する。インクジェットプリンタは市販のものを使用する。
【0018】
次に、このインクジェットプリンタを使用して、濃度勾配を持たせた所望の色(ここではグラデーション模様)を印刷するために、市販されているパーソナルコンピュータ(以下PCという)を使用して、プリントする際の色相、彩度、明度等(以後、色データとする)の調製を行なう。色データの調製はPCのドローソフト、CCMソフト(コンピュータ・カラー・マッチング用ソフト)等により行う。濃度勾配はドローソフト等に備えられているグラデーション機能により得ることができる。また、好みに応じたグラデーションを予め設定しておき、PC内に独自のグラデーションデータ(色データ)として保存しておくことも考えられる。このようにPC内に色データとして保存させておくことで、必要になったときに何度でも同じ色データが得られる。
【0019】
図1はインクジェットプリンタによって染料が印刷された印刷基体1を示す図である。プリンタに市販の白紙3(上質PPC用紙)を入れ、PCを操作して色データを調製して印刷を行う。プリンタから出力された白紙3には図1に示すように着色層2が印刷され、プラスチックレンズを染色するための印刷基体1が得られる。このように、染料を紙に印刷しこれを染色用の基体とするため、浸染法で使用する液体の染料に比べ取り扱いが大変容易になるとともに、染色後の廃液等の処理問題もなくなる。また、従来の気相法で使用する固形染料と比べても昇華させるための分量や、染色濃度(色濃度)等の調節などが容易にできる。
【0020】
また、グラデーション状の染色を行う場合、着色層2の印刷形状や色相等の色データは所望するグラデーションの種類に応じて若干異なってくる。例えば、プラス
チックレンズに濃度勾配が直線的なグラデーション状の染色を行なう場合、着色層2の印刷形状はレンズ形状に合せた完全な円形の印刷ではなく、図1のように円形の一部が切り取られたような略半円形状にて印刷されるのが好ましい。このようなプラスチックレンズに染色されるグラデーションと、白紙3に印刷される着色層2の印刷形状との関係は実施例にて説明する。
【0021】
図2は真空蒸着機20の内部に置かれ、印刷基体1を用いてプラスチックレンズを染色するための染色用治具の機構を示した概略断面図である。
【0022】
11は円筒形の形状をしたレンズ支持台である。レンズ支持台11の上部には載置台12が取り付けられ、図のように載置台12の内壁に設けられている載置部12aにプラスチックレンズ10が凸面を下にして載せられる。プラスチックレンズ10の材質は、ポリカーボネート系樹脂(例えば、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート重合体(CR−39))、ポリウレタン系樹脂、アリル系樹脂(例えば、アリルジグリコールカーボネート及びその共重合体、ジアリルフタレート及びその共重合体)、フマル酸系樹脂(例えば、ベンジルフマレート共重合体)、スチレン系樹脂、ポリメチルアクリレート系樹脂、繊維系樹脂(例えば、セルロースプロピオネート)等が用いられている。
【0023】
13は印刷基体1を載せるための円筒の形状を有する基体支持台であり、その内筒にレンズ支持台11が収まるように置かれる。14は基体押さえであり、基体支持台13の上部に載せられた印刷基体1を基体押さえ14と基体支持台13とで挟み込むことにより、印刷基体1が動かないようにしっかりと固定保持する。15は真空蒸着機20内に設けられたハロゲンランプであり、このハロゲンランプ15を点灯させることで印刷基体1の表面を加熱し、着色層2の染料を昇華させる。ここでは印刷基体1の表面を加熱させればよいので、ハロゲンランプに限ること無くヒーターを使用してもよい。
【0024】
また、気層法にてプラスチックレンズ10を染色するにあたっては、印刷基体1とプラスチックレンズ10との間が極端に狭いと染料の分散が十分に行われず、レンズ表面の染色がむらとなって蒸着する傾向がある。従って、プラスチックレンズ10の染色面側の幾何中心から印刷基体1までの距離は最低5mm程度離しておくことが好ましい。
【0025】
また、反対にプラスチックレンズ10の染色面と印刷基体1との間が離れすぎると、プラスチックレンズ10への染色濃度が薄くなってしまい、所望する染色濃度が得られ難くなる。また、気層中で染料の粒子が均一に分散されず、反対に互いに集結するため、プラスチックレンズ10の染色面にてむらになって蒸着する傾向がある。このような点から、プラスチックレンズ10の染色面側の幾何中心から印刷基体1までの距離は5〜30mmが好ましく、さらに好ましくは5〜20mmである。
【0026】
このような染色用治具を真空蒸着機20の中に入れ、プラスチックレンズ10の染色を行なう。ポンプ21にて真空蒸着機20内を真空状態とする。真空状態は133Pa(1mmHg)〜6.66KPa(50mmHg)程度とすればよい。また、133Paを下回っても差し支えないが、高性能排気装置を必要とする。さらに、装置内の気圧が高ければ高い程、染料を昇華させるのに必要な温度が高くなるため、圧力の上限は6.66KPaまでが望ましい。さらに望ましくは1.33〜4KPaである。
【0027】
真空状態後、ハロゲンランプ15の熱源を使用して上方から印刷基体1を加熱させ、染料を昇華させる。加熱温度は印刷基体1上で100℃を下回ると基体から染料が昇華し難くなり、また、200℃を上回ると高温による染料の変質やレンズの変形が生じ易くなる。従って加熱温度は100〜200℃の間が良いが、レンズの材料に合せてできるだけ高い温度を選ぶようにするとよい。
【0028】
ここで、昇華に当たって加熱を行う場合の温度をできるだけ高温とするのは、所望の色相及び濃さに発色させるための加熱時間を短くすることができ、生産性を向上することができるからである。
【0029】
真空蒸着機20内で蒸着を行なった後、染色されたプラスチックレンズ10を取り出してオーブンに入れ、常圧下にて加熱し染料を定着させる。この工程はプラスチックレンズ10の耐熱温度以下で、できるだけ高温に設定された温度にオーブン内を加熱し、所望の色相及び濃度を得るために予め定めておいた時間が経過した後にオーブン内からプラスチックレンズ10を取り出すといった手順で実行される。実際の加熱温度は50〜150℃、加熱時間は30分〜1時間程である。
【0030】
また、プラスチックレンズ10にグラデーション状の染色を行なう場合、その階調はレンズの着色領域から無着色領域に至るまで、直線的な濃度勾配になるように染色を行なうのが一般的である。しかしながら、グラデーションが直線的な濃度勾配となるような着色層が印刷された印刷基体1を用いてプラスチックレンズ10に染色を行った場合、実際の気相法による染色においては印刷基体1とプラスチックレンズ10との間に所定の距離をもたせて染色を行なうため、染料が昇華中に分散してしまうことにより、プラスチックレンズ10に蒸着した染料の濃度勾配は直線的にならない。
【0031】
このように、印刷基体1に印刷されたグラデーションと実際のプラスチックレンズ10に染色したグラデーションとでは異なった濃度勾配が得られるため、事前にその相関性を把握しておく必要がある。
【0032】
以下に、本実施の形態を用いた場合におけるグラデーションの染色の実施例を挙げ、印刷基体上の着色層の形状、色相における実際のレンズ上でのグラデーション染色状態との対応を図3、図4を用いて以下に説明する。
【0033】
<実施例1>
実施例で使用されるプラスチックレンズの基材はCR−39を使用した。PCの操作により、インクジェットプリンタ(エプソンMJ-520C)を使用して予め設定しておいた色相及び濃度にて白紙40に図3(a)に示すような着色層41を印刷し、印刷基体50aとした。印刷に使用したインキは昇華性染料(ウペポ(株)の分散染料インキ赤、青、黄、黒色(水性))を使用した。また、着色層41はグラデーションの濃度勾配がほぼ直線となるような色データにて印刷されている。
【0034】
印刷した色(R、G、B)はPC内のドローソフトによってR=0、G=255、B=255とした。ここでは色の配合を(R、G、B)=(0、255、255)としているが、これに限るものではなく、色の配合は好みに応じて適宜選択すればよい。
【0035】
このようにして得た印刷基体50aを真空蒸着機20内にて図2に示した染色用治具に取り付けて染色を行う。プラスチックレンズの染色面側の幾何中心と印刷基体50aとの距離は15mmとした。ポンプ21にて真空蒸着機20内の気圧を1.33KPaまで下げた後、ハロゲンランプ15にて印刷基体50aの表面温度を200℃まで加熱させる。図示なき温度センサにより印刷基体50aの付近の温度を測定し、200℃到達と同時にハロゲンランプの電源を切り、染料を昇華、蒸着させた。その後、真空蒸着機20内の気圧を常圧に戻した後、染色されたプラスチックレンズ10の色を定着させるためにオーブン内にて135℃、30分程おいた。定着後、外観不良、色むら、色抜け等がなく目的の色と一致しているかという観点で目視観察を行ったが、いずれも問題はなく、きれいなグラデーション状の染色レンズが得られた。
【0036】
<実施例2>
実施例1と同じ手法にて印刷基体50bを製作した。ただし、白紙40上に印刷される着色層42は、図3(b)に示すように単色の濃度勾配を有さない半円状の形状とし、PCのドローソフトにおいて明度255、色相180、彩度255となる色データにて印刷されたものである。
【0037】
得られた印刷基体50bを使用して実施例1と同じ染色用治具を用いてプラスチックレンズ10に染色を行った。プラスチックレンズ10は実施例1と同様の材料を使用し、染色条件も実施例1と同じ条件とした。染色後、外観不良、色むら、色抜け等がなく目的の色と一致しているかという観点で目視観察を行ったが、いずれも問題はなく、きれいなグラデーション状の染色レンズが得られた。
【0038】
<実施例3>
実施例1と同じ手法にて印刷基体50cを製作した。ただし、白紙40上に印刷される着色層43は、図3(c)に示すように着色層43全域の2/3程度(着色層43a)が単色の濃度勾配を有さない色データ(明度255、色相180、彩度255)であり、残りの1/3程度(着色層43b)が着色層43aと同色、同濃度から始まり、濃度勾配がほぼ直線的に減少するようなグラデーションとする色データに基づいて略半円状に印刷されたものである。
【0039】
得られた印刷基体50cを使用して実施例1と同じ染色用治具を用いてプラスチックレンズ10に染色を行った。プラスチックレンズ10は実施例1と同様の材料を使用し、染色条件も実施例1と同じ条件とした。染色後、外観不良、色むら、色抜け等がなく目的の色と一致しているかという観点で目視観察を行ったが、いずれも問題はなく、きれいなグラデーション状の染色レンズが得られた。
【0040】
<実施例4>
実施例1と同じ手法にて印刷基体50dを製作した。ただし、白紙40上に印刷される着色層44は、図3(d)に示すように着色層44全域の2/3程度の領域(着色層44a)が、明度255、色相180、彩度255の色データに基づいて印刷され、残りの1/3程度の領域(着色層44b)が、着色層44aに印刷された昇華性染料の色濃度に比べ、約半分の濃さとなる色データにて印刷を行った。
【0041】
得られた印刷基体50dを使用して実施例1と同じ染色用治具を用いてプラスチックレンズ10に染色を行った。プラスチックレンズ10は実施例1と同様の材料を使用し、染色条件も実施例1と同じ条件とした。染色後、外観不良、色むら、色抜け等がなく目的の色と一致しているかという観点で目視観察を行ったが、いずれも問題はなく、きれいなグラデーション状の染色レンズが得られた。
【0042】
また、実施例1〜実施例4(印刷基体50a〜印刷基体50d)にて染色されたプラスチックレンズ10の透過率をそれぞれ測定した。測定方法は最も濃く染色されている側から5mmステップ毎に分光光度計(旭分光MODEL304)にて測定した。
【0043】
その結果を図4のパターン別透過率勾配のグラフに示す。横軸は測定位置、縦軸は透過率を示す。グラフ中のa〜dはそれぞれ印刷基体50a〜50dにて染色されたレンズの結果をプロットしたものである。図4に示すように、どの印刷基体50a〜50dを用いても、プラスチックレンズ14にはグラデーション状の染色がなされるが、例えば印刷基体50aでは濃い部分が少なく、さらに急激に薄くなっていくようなグラデーションパターンが、また、印刷基体50c、50dは濃度勾配が一定のグラデーションパターンが、さらに印刷基体50bは濃い部分が多くあり、その後急激に薄くなるようなグラデーションパターンがそれぞれ得られ易い。
【0044】
従来の染色方法では、このような細かな染色を行うことは非常に難しかったが、この染色方法ではこのように予め色データ等の条件を設定してPC内に保存しておき、必要なときに色データを呼び出し、印刷基体を製作すれば、所望するグラデーションパターンを簡単に得ることができる。また、本実施例では着色層の形状(印刷形状)を略円形状または略半円形状としているが、これに限るものではなく、例えば四角状やその他の形状であってもよい。
【0045】
以上のように、上記実施例では水性インキを使用したが、油性インキを使用しても同じような効果が得られる。油性インキの場合、インクカートリッジのヘッド部分が乾燥して詰まりやすいため、ピエゾ方式によるインクジェットで印刷を行うのが好ましい。
【0046】
また、印刷基体の加熱方法は上側から行っているがこれに限るものではなく、板側、横からの加熱においても同じように染料の昇華をさせることができる。
【0047】
さらに、染料を印刷するものは白紙を使用しているがこれに限るものではなく、プリンタ等に使用することが可能であるとともに、昇華時の温度に耐えうる材質のものであれば使用することが可能である。
【0048】
さらにまた、本実施の形態で使用されたデータ出力装置はインクジェット方式のプリンタであったがこれに限るものではなく、昇華型のプリンタやインクカートリッジに換えてトナーカートリッジを用いたレーザプリンタ、さらにはプロッター等のPCからのデータを出力する出力装置を使用することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、濃度の調製が容易で常に安定した色相のプラスチックレンズの染色を行うと共に、作業環境を損なわずに快適に染色作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】白紙に昇華性色素を印刷した印刷基体の模式図である。
【図2】実施例で使用する染色用治具の該略図である。
【図3】実施例で使用する印刷基体を示した図である。
【図4】実施例1〜4にて染色を行ったプラスチックレンズの透過率勾配を示すグラフである。
【図5】印刷基体の作成から染色完了までの流れを示すフローチャートである。
【図6】本実施形態に使用される装置全体を示す図である。
【符号の説明】
1 印刷基体
2 着色層
3 白紙
10 レンズ
11 レンズ支持台
12 載置台
13 基体支持台
14 基体押さえ
15 ハロゲンランプ
20 真空蒸着機
Claims (6)
- 昇華性色素を溶解又は微粒子分散させた染色用用材を電子計算機にて設定した色データに基づいて基体上に色濃度が変化するように塗布し印刷基体を得る第1ステップと、該第1ステップにて得られた前記印刷基体の塗布面を略真空状態にてプラスチックレンズと非接触に対向させて配置するとともに,前記印刷基体を加熱することにより昇華性色素を昇華させ、該昇華性色素を前記プラスチックレンズに接触させることにより、前記プラスチックレンズ表面に濃度勾配を有した状態にて前記昇華性色素を蒸着させる第2ステップと、該第2ステップにて得られた前記昇華性染料が蒸着したプラスチックレンズを常圧下で加熱することにより、昇華性色素を定着させる第3ステップと、を有することを特徴とするプラスチックレンズの染色方法。
- 請求項1のプラスチックレンズの染色方法において、前記第2ステップにおける前記印刷基体への加熱は、加熱手段によって非接触にて行われることを特徴とするプラスチックレンズの染色方法。
- 請求項1のプラスチックレンズの染色方法において、前記基体はプリンタにより前記染色用用材が塗布されていることを特徴とするプラスチックレンズの染色方法。
- 請求項1のプラスチックレンズの染色方法において、実際のプラスチックレンズ側に予定する染色後の濃度勾配に対して、前記基体上に塗布する色データの濃度勾配は異なることを特徴とするプラスチックレンズの染色方法。
- 請求項4のプラスチックレンズの染色方法において、前記プラスチックレンズ側に略直線的な変化の濃度勾配を予定する場合には、前記基体上の印刷領域の過半域が同一色濃度にて印刷され、前記印刷領域の残りの領域が前記色濃度と異なる色濃度にて印刷されることを特徴とするプラスチックレンズの染色方法。
- 請求項1〜5のプラスチックレンズ染色方法を用いて染色されることにより得られることを特徴とする染色レンズ。
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