JP4037248B2 - 回路保護素子とその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、回路保護素子とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電源2次側以降に使用される回路保護素子としては、金または銀を含む金属有機物で薄膜を形成し、この薄膜の上下をガラス膜で挟み込む構造のものが、従来から実施されている。このような回路保護素子は、耐久性という点で信頼性が高いものの、一般的に溶断時の速断性に改善の余地を残している。また安全性という点で問題は無いが、溶断や遮断の試験時に、加熱によりヒューズ膜溶断部分に当たる上面ガラス膜が溶け出し、陥没した状態を呈して見栄えが良くない。さらに、耐パルス性能も現状より一層の改善が望まれるものである。
【0003】
電源2次側以降に使用される回路保護素子は、例えば、特開平8−102244号公報(特許文献1)に記載されており、極細部を有するヒューズ導体膜が金または銀を含む金属有機物で形成され、その上下から厚膜ガラスで挟み込まれている。そして、ガラス被膜層の軟化温度はヒューズ導体膜の溶融温度より低く、ガラスグレーズ層の熱伝導率はセラミック基板より低い。
この回路保護素子では、ヒューズ導体膜の溶融温度に対し、ガラスグレーズ層とガラス被膜層の軟化温度を考慮してアーク発生を極力抑える構成としているが、ヒューズ導体膜をガラスグレーズ層とガラス被膜層とで挟み込む構成であることから、ガラス材料の配合分散および製造における膜厚のバラツキによって溶断の迅速さにバラツキが生じる。特に、低い電圧下では溶断における速断性に乏しく、且つ、溶断や遮断の試験における発熱でヒューズ導体膜の溶断部分に当たるガラス被膜層が溶け出して陥没した状態を呈し、見栄えが悪くなるという課題を有している。
【0004】
また特開平8−64109号公報(特許文献2)には、基板のボンディングパッド間を橋絡するヒューズワイヤーがボンディングされ、これをジャンクションコートで覆い、さらにハードコートで被覆した構成の回路保護素子が記載されている。
この回路保護素子は小型化には適するが、ヒューズワイヤーをボンディングで固定しているため、特に、ボンディング部近傍のヒューズワイヤーの機械的変形や傷によって断線が生じ易く、また溶断する部位も一定ではなく、さらに、ジャンクションコートとハードコートの被覆により、その表面が平坦にならず、実装における吸着ミスが発生し易いチップ形状になるという課題を有している。
【0005】
さらに、特開平7−7048号公報(特許文献3)には、凹部を有するセラミック基体の両端部に金属被膜層を設けて金属細線からなるヒューズエレメントを架橋して導電性樹脂で固定し、耐熱性絶縁樹脂のカバー部材で嵌着する回路保護素子が記載されている。
この回路保護素子は、個々の凹部を有するセラミック基体採用を基点とし、これに所定長さのヒューズエレメントを架橋してカバー部材で嵌着する構造であるために、量産性が著しく劣るという課題がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−102244号公報
【特許文献2】
特開平8−64109号公報
【特許文献3】
特開平7−7048号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、その課題は、従来品よりも小型化され、溶断における速断性が確保され、量産性及び実装性も優れ、低い電圧から高い電圧までの遮断容量にも対応可能である電源2次側挿入用の回路保護素子とその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、絶縁基板と、絶縁基板上の両端の電極膜を架橋するヒューズワイヤーと、ヒューズワイヤー及び電極膜を保護するための保護部と、ヒューズワイヤーに導通するように絶縁基板の両端部に設けられた端子電極とを備えた回路保護素子であって、表裏に貫通する貫通孔を中間部に備えた絶縁基板と、前記貫通孔の両縁から離隔して設けられた第1の電極膜と、前記貫通孔及び前記両端の第1の電極膜を横切るように同一軸上に形成された溝部と、前記第1の電極膜上の一部に重なるように前記溝部に形成された第2の電極膜と、前記貫通孔を架橋するように前記溝部内に設けられたヒューズワイヤーと、前記溝部内に前記ヒューズワイヤーを固定して前記第2の電極膜との電気的接続を保つための導電性固定材と、前記絶縁基板の表裏面に接着して固定された保護部となる絶縁板と、前記ヒューズワイヤーに導通するように前記絶縁基板の両端部に形成された端子電極とを備えることを特徴とする回路保護素子が提供される。
【0009】
本発明の回路保護素子では、溝部内に延設するヒューズワイヤーの径が定格電流に対応して自在に選択可能であり、貫通孔の大きさも自在に選択可能であり、さらに、貫通孔における消弧剤の有無も自在に選択可能である。このように選択範囲が広いため、これらを適宜選択することで、溶断特性において速断性が良好で、かつ高電圧から低電圧までの遮断容量の回路保護素子が容易に得られる。
また本発明の回路保護素子では、ヒューズワイヤーの周りや近傍を囲むように第1の電極膜、第2の電極膜および導電性固定材が設けられている。したがって、ヒューズワイヤーとの接触抵抗は軽減されて良好な導電性が得られ、電気的接続の信頼性が高められる。またヒューズワイヤーとの接合部で発熱する熱を第1の電極膜、第2の電極膜、導電性固定材および端子電極に放散させることができるので、貫通孔において架橋したヒューズワイヤーの中間部に熱を効率良く集中させることができて、安定した溶断特性が得られる。
さらに、本発明の回路保護素子では、保護部となる絶縁板が表裏両面または一方の面に固定されて構成されているので、回路保護素子の表裏面は平坦に形成され、実装時における吸着ミス低減効果が得られる。
【0010】
また本発明では、複数に分断される予定の絶縁基板上において複数列に並ぶ各区画の両端にそれぞれ第1の電極膜を形成する工程と、前記各第1の電極膜を横切るように各列毎に同一軸上にそれぞれ溝部を形成する工程と、前記第1の電極膜上の一部に重なるように前記溝部に第2の電極膜を形成する工程と、前記各区画における第1の電極膜間にそれぞれ貫通孔を設ける工程と、前記各列毎の溝部の全長に延びるようにヒューズワイヤーを設ける工程と、前記ヒューズワイヤーが前記第2の電極膜と電気的接続を保つように導電性固定材で固定する工程と、前記絶縁基板の表裏面に保護部となる絶縁板を接着して固定する工程と、絶縁板接着工程の後に前記ヒューズワイヤーにほぼ直交する方向で短冊状に分断する工程と、該短冊状に分割されたものをチップ状に分断する工程とを含むことを特徴とする回路保護素子の製造方法が提供される。
本発明の製造方法では、前記貫通孔を設ける工程に替えて、前記各区画における第1の電極膜間にそれぞれ凹部を設ける工程を行っても良く、この場合には、さらに、前記絶縁基板の表裏面に保護部となる絶縁板を接着して固定する工程に替えて、前記絶縁板を少なくとも凹部の開口側の一面に固定する工程を行う。
【0011】
本発明の製造方法では、複数に分割される予定の絶縁基板上において、複数列に並ぶ各区画を横切るように各列毎に同一軸上にそれぞれ所要の径を有するヒューズワイヤーが前記第2の電極膜と前記導電性固定材に埋没して収納できる程度の溝部を形成し、この溝部の全長にヒューズワイヤーを延設し、ヒューズワイヤーと電極膜とを接続させた後にチップ状に分断しているので、従来の製造方法のように各チップ毎にヒューズワイヤーを配設し電極に接続する工程は省略できる。したがって、量産性と工数低減に寄与し、且つ、ヒューズワイヤーへの損傷を与えることがないので、断線及び溶断特性も安定させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の回路保護素子では、通電容量と外形寸法に応じた所要の厚さを有する前記絶縁基板と前記絶縁板を耐熱性樹脂またはセラッミックで構成し、前記第1の電極膜を金属箔またはめっき膜で構成し、第2の電極膜をスパッタ膜とめっき膜とで構成し、導電性固定材を金属含有樹脂ペーストで構成することができる。
【0013】
本発明の回路保護素子は、前記絶縁基板の貫通孔に消弧剤を備える構成としても良い。この回路保護素子を製造する場合には、前記絶縁板を接着して固定する工程の前に、貫通孔に消弧剤を充填する工程を行うことが可能である。
このように貫通孔に消弧剤を備える構成とした場合には、溶断時に発生するアークを消弧剤が吸収し、持続アークが発生しにくくなる作用により、遮断電流の大きな保護素子を形成できる。
一方、貫通孔に消弧剤を設けない場合には、ヒューズエレメントの回りが中空となり、ヒューズエレメントの溶断ポイントの放熱が小さくなり、溶断時の即断性が向上するという効果が得られる。
【0014】
【実施例】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
図1は本発明の回路保護素子10の断面図である。
回路保護素子10は、ガラスエポキシ樹脂基板16に第1の電極膜12と第2の電極膜13を形成し、ほぼ中央に直径0.3〜0.4mm程度の貫通孔18を穿設し、この貫通孔18を架橋して両側の電極膜12,13に導通するようにヒューズワイヤー15を固定し、かかるガラスエポキシ樹脂基板16を両面から絶縁板、すなわちガラスエポキシ基板11,17で挟み、電極膜12,13やヒューズワイヤー15に導通するように両端に端子電極19を設けて構成される。
【0015】
さらに詳細に説明すれば、前記第1の電極膜12は貫通孔18の両縁からガラスエポキシ樹脂基板16の両端まで延びるように離隔して配置される。そして、ガラスエポキシ樹脂基板16の上には、第1の電極膜12と貫通孔18を横切って同一軸上に延びるように溝部16aが形成され、この溝部16aとこれに沿った第1の電極膜12上に第2の電極膜13が設けられる。ヒューズワイヤー15は溝部16aの全長に渡ってその内部に配設され、導電性固定材14により電気的接続を保ちながら固定されている。両端の端子電極19は、ヒューズワイヤー15の両端に接触するのみならず、第1の電極膜12、第2の電極膜13及び導電性固定材14に接触するように設けられていることが好ましい。
ここで、第1の電極膜12は銅を含む材料により膜厚が20〜40μm程度に形成され、第2の電極膜13は銅を含む材料により膜厚が10〜20μm程度に形成され、ガラスエポキシ樹脂基板16は厚さが0.3mm程度に形成され、導電性固定材14は銀を含む材料からなる。またヒューズワイヤー15は定格電流に応じて適宜選択可能であるものの、例えば、直径25〜64μmの銀めっき銅線などを溶断特性とパルス特性の観点から使用することが可能である。
【0016】
上記構成の回路保護素子10では、ヒューズワイヤー15が貫通孔18において空間に浮いた状態になっているため、この空間に浮いた部分は放熱による影響を受けず、ヒューズワイヤー15の断面積に応じた特性を示し、パルス特性は改善される。つまり、ヒューズワイヤー15はその断面積に応じて溶断電流が定まっており、この溶断電流が回路に流れると、ヒューズワイヤー15は放熱による影響を受けることなく確実に溶断する。またヒューズワイヤー15は空間に浮いた状態になっているため、溶断時の内部圧力によって保護膜としてのガラスエポキシ基板11,17に穴が開くことを防止できる。
【0017】
なお、図示はしないが、本発明に含まれない回路保護素子について、ここで言及すれば、回路保護素子10における貫通孔18の替わりに凹部を形成することも可能である。この凹部は裏面まで貫通しない構造を有しており、例えば、貫通孔18と同じ位置に形成することができる。また凹部は、ここに架橋されるヒューズワイヤー15を空間に浮いた状態で維持可能な深さに形成する。このように貫通孔18の替わりに凹部を形成した場合、保護部となるガラスエポキシ基板(絶縁板)は少なくとも凹部の開口側の一面に固定すれば良い。また回路保護素子10において、絶縁基板16の貫通孔18または凹部にシャープな速断性を考慮して消弧剤を充填した構成としても良い。
なお、上述する実施形態では溝部16の幅および深さ、貫通孔18の直径におけるそれぞれの好適例を示したが、本発明の回路保護素子の通電容量と外形寸法の兼ね合いから、それぞれ所望する数値が選択できる。
【0018】
次に、上述に沿って回路保護素子10の製造方法について説明する。
図2は各製造工程を一つのチップで説明するために図示した平面図であり、図3は複数のチップに分割される前の絶縁基板の平面図である。なお、図2(a)〜(h)は、実際には図3(a)〜(d)のように複数のチップに分割される以前の一枚の絶縁基板上で展開される工程を示すものであるが、理解を容易にするために一つのチップで図示した。
最初に、厚さ35μmの銅層が片面に設けられた厚さ0.3mmのガラスエポキシ樹脂基板を所定の寸法に切断する。この切断された樹脂基板は、製造工程の最後に、さらに切断されて各チップに分割されるものであり、以下、集合基板と呼ぶ。
次に、この集合基板の銅層上にフォトレジストを塗布し、酸化第2鉄からなるエッチング液中に漬ける。このとき、フォトレジストは図3(a)において符号12で示した箇所に塗布し、これにより、フォトレジストが塗布されていない部分は銅層が取り除かれ、フォトレジストが塗布された部分の銅層のみが残され、複数の第1の電極膜12がガラスエポキシ樹脂基板16上に形成される。この工程後の状態を各チップ単位で示せば図2(a)のようになり、各チップ単位では一対の第1の電極膜12が両側に離隔して配置される。
【0019】
銅エッチングが終了したら、図3(b)のように、横方向に並ぶ第1の電極膜12を横切るようにそれぞれ幅0.1mm程度、深さ0.1mm程度の溝部16aを同一軸上に形成する。この溝部16aでは、第1の電極膜12が除去されてガラスエポキシ樹脂基板16に至るまで切削されている。したがって、図3(b)の集合基板では、複数本の溝部16aが形成される。この工程後の状態を各チップ単位で図示すれば図2(b)のようになる。
【0020】
次に、集合基板において複数の第1の電極膜12が設けられた側の全面に、蒸着法、スパッタ法などで約1μm程度の銅薄層21を形成する。これにより、溝部16aの側面及び底面と第1の電極膜12までを確実に導通させるための電気めっきによる第2の電極膜13を形成する下地膜となって溝部16aにヒューズワイヤ15を埋設する際の電気的接続性を高めることができる。この工程後の状態は図2(c)のようになる。
銅薄層21を形成した後に、溝部16aとこれに沿った部分を残して、図2(d)のようにメッキレジスト22を塗布し、電気めっきにより溝部16aを含む周囲に約15μm程度の銅層、すなわち第2の電極膜13を形成する。そして、第2の電極膜13の形成後に、メッキレジスト22を除去し、銅薄層21が取り除かれる程度の時間だけ、酸化第2鉄からなるエッチング液中に漬ける。これにより、第2の電極膜13の下に位置する銅薄層21は残されるものの、これ以外は取り除かれて、図2(e)に示すようにガラスエポキシ樹脂基板16が表面に出てくる。
【0021】
次に、図2(f)及び図3(c)に示すように、第1の電極膜12及び第2の電極膜13間の中央にほぼ直径0.3〜0.4mmの貫通孔18をあけて、この貫通孔18を挟む両側に電極膜12,13を絶縁させる。そして、図2(g)及び図3(d)に示すように、例えば、直径25〜64μmの銀めっき銅線などからなるヒューズワイヤー15を各溝部16aの全長に延びるように設置する。すなわち、図3(d)に示した集合基板では、横方向に延びる溝部16aが複数本形成されているため、これに合わせてヒューズワイヤー15は各溝部16aに1本ずつ設置すれば良い。
なお、前記貫通孔18を設ける工程に替えて、ほぼ同じ直径の凹部をほぼ同じ位置に設ける工程を行っても良い。
【0022】
各溝部16aにヒューズワイヤー15を架設後、図2(h)に示すように、第1の電極膜12及び第2の電極膜13との導通接続を確実にするためにヒューズワイヤー15の上を銀または銅などの金属含有樹脂ペーストの導電性固定材14を印刷・硬化して、ヒューズワイヤー15を固定する。そして、ヒューズワイヤー15を固定した後に、集合基板の両面に厚さ0.1mmのガラスエポキシ樹脂基板を接着剤で貼り合わせ、図3(e)に示すように、スクライバーでこれを縦に分断して短冊状の集合体25を形成し、この短冊状の集合体25の両側面にスパッタにより銅下地膜を形成し、この銅下地膜の上にさらに導電性樹脂膜27を形成する。
最後に、図3(g)に示すように、短冊状集合体25を横にスクライバーで分断して1つずつのチップ29を形成し、各チップ29の導電性樹脂膜27の上に電気めっきで銅またはニッケルに続く、はんだまたは錫などの金属層を設ければ端子電極19が形成され、回路保護素子10は完成する。
なお、導電性樹脂膜27の形成に先立って、蒸着膜またはスパッタ膜などで下地膜を形成することで、より密着が保たれる。
【0023】
なお、本発明の回路保護素子10の製造方法において、貫通孔18に替えて凹部を設けた場合、保護部となるガラスエポキシ樹脂板は必ずしも集合基板の両面に設ける必要は無く、少なくとも凹部の開口側の一面に固定すれば良い。また必要に応じて、貫通孔または凹部に消弧剤を充填する工程を行う場合には、保護部となるガラスエポキシ樹脂板を固定する工程の前に実施することができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明の回路保護素子では、ヒューズワイヤーが貫通孔部分で空間に浮いた状態になるため、溶断時の内部圧力によって絶縁板に穴が開くことを防止できる。また、通電時における電極部からの放熱を良好にすることができて、しかも、この空間に浮いた部分は放熱による影響を受けず、ヒューズワイヤーの断面積に応じた特性を示し、パルス特性は改善される。
【0025】
また本発明の回路保護素子の製造方法では、複数に分断される前の集合基板上において、複数列に並ぶ各区画を横切るように溝部を形成し、溝部に電極膜を形成した後に、1本のヒューズワイヤーを各溝部の全長に延設し、ヒューズワイヤーと電極膜とを接続させた後にチップ状に分断しているので、従来の製造方法のように各チップ毎にヒューズワイヤーを配設し電極に接続する工程は省略できて、量産性と工数低減に寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は本発明の回路保護素子の断面図、平面図および断面図である。
【図2】(a)〜(h)は本発明の回路保護素子の製造工程を一つのチップ単位で示した平面図である。
【図3】(a)〜(g)は本発明の回路保護素子の製造工程を分断前の絶縁基板の状態から示した平面図である。
【符号の説明】
10 回路保護素子
11 絶縁板
12 第1の電極膜
13 第2の電極膜
14 導電性固定材
15 ヒューズワイヤー
16 ガラスエポキシ樹脂基板
16a 溝部
17 絶縁板
18 貫通孔
19 端子電極

Claims (5)

  1. 絶縁基板と、絶縁基板上の両端の電極膜を架橋するヒューズワイヤーと、ヒューズワイヤー及び電極膜を保護するための保護部と、ヒューズワイヤーに導通するように絶縁基板の両端部に設けられた端子電極とを備えた回路保護素子であって、
    表裏に貫通する貫通孔を中間部に備えた絶縁基板と、前記貫通孔の両縁から離隔して設けられた第1の電極膜と、前記貫通孔及び前記両端の第1の電極膜を横切るように同一軸上に形成された溝部と、前記第1の電極膜上の一部に重なるように前記溝部に形成された第2の電極膜と、前記貫通孔を架橋するように前記溝部内に設けられたヒューズワイヤーと、前記溝部内に前記ヒューズワイヤーを固定して前記第2の電極膜との電気的接続を保つための導電性固定材と、前記絶縁基板の表裏面に接着して固定された絶縁板と、前記ヒューズワイヤーに導通するように前記絶縁基板の両端部に形成された端子電極とを備えることを特徴とする回路保護素子。
  2. 前記絶縁基板の貫通孔または凹部に消弧剤を備える請求項1に記載の回路保護素子。
  3. 複数に分断される予定の絶縁基板上において複数列に並ぶ各区画の両端にそれぞれ第1の電極膜を形成する工程と、前記各第1の電極膜を横切るように各列毎に同一軸上にそれぞれ溝部を形成する工程と、前記第1の電極膜上の一部に重なるように前記溝部に第2の電極膜を形成する工程と、前記各区画における第1の電極膜間にそれぞれ貫通孔を設ける工程と、前記各列毎の溝部の全長に延びるようにヒューズワイヤーを設ける工程と、前記ヒューズワイヤーが前記第2の電極膜と電気的接続を保つように導電性固定材で固定する工程と、前記絶縁基板の表裏面に絶縁板を接着して固定する工程と、絶縁板接着工程の後に前記ヒューズワイヤーにほぼ直交する方向で短冊状に分断する工程と、該短冊状に分断されたものをチップ状に分割する工程とを含むことを特徴とする回路保護素子の製造方法。
  4. 複数に分断される予定の絶縁基板上において複数列に並ぶ各区画の両端にそれぞれ第1の電極膜を形成する工程と、前記各第1の電極膜を横切るように各列毎に同一軸上にそれぞれ溝部を形成する工程と、前記第1の電極膜上の一部に重なるように前記溝部に第2の電極膜を形成する工程と、前記各区画における第1の電極膜間にそれぞれ凹部を設ける工程と、前記各列毎の溝部の全長に延びるようにヒューズワイヤーを設ける工程と、前記ヒューズワイヤーが前記第2の電極膜と電気的接続を保つように導電性固定材で固定する工程と、少なくとも前記凹部の開口側の一面から絶縁板を接着して固定する工程と、絶縁板接着工程の後に前記ヒューズワイヤーにほぼ直交する方向で短冊状に分断する工程と、該短冊状に分割されたものをチップ状に分断する工程とを含むことを特徴とする回路保護素子の製造方法。
  5. 前記絶縁板を接着して固定する工程の前に、貫通孔または凹部に消弧剤を充填する工程を含むことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の回路保護素子の製造方法。
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