JP4037114B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、DC端子にバッテリが接続されたDC/AC電力変換回路を有する電力変換装置に関し、特にバッテリ電流のリップルを低減して平滑化することにより、バッテリ内部インピーダンスによる発熱を抑制してバッテリ劣化や素子の耐圧破壊を防止するとともに、バッテリ配線から放射される電磁界ノイズを低減した電力変換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、DC電圧からAC電圧に変換したりAC電圧からDC電圧に変換するDC/AC電力変換回路と、DC/AC電力変換回路のDC端子に接続されたバッテリとを用いた電力変換装置はよく知られている。
図22は従来の電力変換装置を示すブロック構成図であり、自動車用の電力変換装置の場合を示している。
【0003】
この種の電力変換装置は、たとえばジョーチム他(Joachim Gilly et al.)による「42ボルト電源ネットの装置:スタータ発電機のモータ、スイッチユニットおよび制御ユニット装置(Devices for the 42V PowerNet: Motors, IntelligentSwitching Unit and Control Unit forStarter−Generator)」の「新しい自動車用の42ボルト電源ネット(The New Automotive 42V PowerNet)」の第216〜233頁(2001年)に示されている。
【0004】
図22において、1は電力変換装置、2および3は電力変換装置1に接続された第1および第2のバッテリである。
第1のバッテリ2は第1のDC電圧E1を出力し、第2のバッテリ3は第2のDC電圧E2を出力する。
【0005】
4および5は電力変換装置1を構成するDC/DCコンバータおよびDC/AC電力変換回路であり、それぞれ、DC端子を介して互いに接続され且つ第1のバッテリ2に接続されている。
【0006】
DC/DCコンバータ4の第1端子は、第1のバッテリ2およびDC/AC電力変換回路5に接続され、DC/DCコンバータ4の第2端子は、第2のバッテリ3に接続されている。
【0007】
DC/ACコンバータ5は、DC端子およびAC端子を有し、DC電圧およびAC電圧の双方向変換を行う。
DC/ACコンバータ5のDC端子は、第1のバッテリ2およびDC/DCコンバータ4に接続され、DC/ACコンバータ5のAC端子は、電気負荷(後述する)に接続されている。
【0008】
6は第1のバッテリ2に接続されたコンデンサであり、DC/AC電力変換回路5のDC端子における電圧を平滑化する。
【0009】
7はDC/AC電力変換回路5の電気負荷となるモータであり、DC/AC電力変換回路5の3相(u、v、w)のAC端子に接続されている。
8はモータ7に接続された自動車用のエンジンである。
【0010】
9は電力変換装置1内のコントロール回路であり、DC/DCコンバータ4およびDC/AC電力変換回路5を構成する各スイッチング素子(後述する)のオンオフを制御する。
【0011】
DC/AC電力変換回路5は、エンジン8の始動時(スタートモード)において、第1のバッテリ2から供給されるDC電圧E1を3相の交流電流に変換し、モータ7を回転させてエンジン8を始動させる。
【0012】
また、双方向変換機能を有するDC/AC電力変換回路5は、エンジン8の始動後(発電モード)において、ガソリンの燃焼によるエンジン8の回転エネルギーを利用して、AC電流をDC電流に変換して第1のバッテリ2に供給する。
【0013】
図23は図22内のDC/AC電力変換回路5の具体的な構成例を示す回路図である。
図23において、50a〜50fはスイッチング素子として機能するMOSFETであり、AC電力変換回路5内の3相のアームすなわち3個のスイッチング素子対を構成する。
【0014】
51a〜51fは各MOSFET50a〜50fに並列接続されたダイオード、52a〜52fは各MOSFET50a〜50fをオンオフさせるドライバ回路である。
【0015】
MOSFET50aのドレインはコンデンサ6のハイ電圧ラインに接続され、MOSFET50aのソースは、MOSFET50bのドレインおよびDC/AC電力変換回路5のAC端子(u相)に接続されている。
MOSFET50bのソースは、コンデンサ6のロウ電圧ラインに接続されている。
【0016】
MOSFET50aおよび50bは、互いに直列接続されて1つのアームを形成している。
MOSFET50aおよび50bからなるアームの接続点は、AC端子のu相を介してモータ7のU相ラインに接続されている。
【0017】
同様に、MOSFET50cおよび50dは1つのアームを構成しており、このアームの接続点は、AC端子のv相を介してモータ7のV相ラインに接続されている。
【0018】
また、MOSFET50eおよび50fは1つのアームを構成しており、このアームの接続点は、AC端子のw相を介してモータ7のW相ラインに接続されている。
【0019】
各ダイオード51a、51c、51eは、それぞれのカソードがハイ電圧ラインに接続されるように、各MOSFET50a、50c、50eに対して並列接続されている。
【0020】
また、各ダイオード51b、51d、51fは、それぞれのアノードがロウ電圧ラインに接続されるように、各MOSFET50b、50d、50fに対して並列接続されている。
【0021】
各ドライバ回路52a〜52fの出力端子は、それぞれMOSFET50a〜50fのゲートに接続され、各ドライバ回路52a〜52fの入力端子は、それぞれコントロール回路9に接続されている。
これにより、MOSFET50a〜50fのゲートは、コントロール回路9により制御される。
【0022】
スタートモード時において、MOSFET50a〜50fの各ゲートはPWM制御され、これにより、U相−V相、V相−W相、W相−U相の各相間にそれぞれ120度づつ位相のずれた交流電流が流れ、モータ7は回転駆動される。
【0023】
一方、発電モード時においては、モータ7内の回転子が回転することにより、U相−V相、V相−W相、W相−U相の各相間に120度づつ位相のずれた交流電圧が発生する(交流電流が流れる)。
この交流電圧は、ダイオード51a〜51fにより整流されて、コンデンサ6の両端間にDC電圧を発生させる。
【0024】
なお、スタートモード時においては、最大で約600Aもの電流を必要とし、このような大電流がDC/AC電力変換回路5内のMOSFET50a〜50fによりスイッチングされることになる。
【0025】
このとき、DC/AC電力変換回路5のスイッチングによるサージ電圧を抑制してスイッチング損失を抑制するために、コンデンサ6は、DC/AC電力変換回路5に近接して配置されるとともに、低インダクタンスの回路を介して配線される。
【0026】
また、コンデンサ6としては、大電流を安定してDC/AC電力変換回路5に供給するため、また、第1のバッテリ2のDC電圧E1の電流リップルを抑制するために、容量の大きな電解コンデンサが用いられる。
【0027】
さらに、電解コンデンサは、長寿命化を目的として、コンデンサ1個当たりのリップル電流を抑制する必要があるので、コンデンサ6としては、大容量の電解コンデンサが複数個使用されている。したがって、コンデンサ6によって、電力変換装置1内の多くの部分が占有されることになる。
【0028】
一方、電力変換装置1内のDC/DCコンバータ4は、コントロール回路9により制御され、第1のバッテリ2のDC電圧E1と第2のバッテリ3のDC電圧E2とをコントロールしている。
【0029】
特に、DC/DCコンバータ4は、発電モード時において、第1端子側では、第1のバッテリ2をDC電圧E1に充電しつつ、第2端子側では、第1のDC電圧E1を第2のDC電圧E2に降圧して、第2のバッテリ3を充電する。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電力変換装置は以上のように、コンデンサ6として大容量の電解コンデンサを使用しているので、装置全体の小形化を実現することができないうえ、電解コンデンサの耐熱性が低いことから高温環境下(150℃)での使用が難しいという問題があった。
【0031】
また、電力変換装置1の小形化および高温環境下での使用を可能にするために、コンデンサ6としてセラミックコンデンサを使用しようとすると、セラミックコンデンサの大容量化が困難なことから、電解コンデンサを使用した場合と比べて小容量になり、第1のバッテリ2の電流リップルが大きくなるので、第1のバッテリ2の発熱による劣化を招くうえ、第1のバッテリ2と電力変換装置1との間を接続するケーブルから放射される電磁ノイズが増加するという問題点があった。
【0032】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、バッテリ電流のリップルを低減して平滑化することにより、バッテリ内部インピーダンスによる発熱を抑制してバッテリ劣化や素子の耐圧破壊を防止するとともに、バッテリ配線から放射される電磁界ノイズを低減した電力変換装置を得ることを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電力変換装置は、DC端子およびAC端子を有するDC/AC電力変換回路と、DC端子の電圧を平滑化するコンデンサと、DC端子に接続された第1のバッテリと、第1端子および第2端子を有し、第1端子がDC端子および第1のバッテリに接続されたDC/DCコンバータと、第2端子に接続された第2のバッテリと、DC/AC電力変換回路およびDC/DCコンバータを制御するコントロール回路とを備え、DC/DCコンバータは、第1端子に接続されたスイッチング素子を有し、スイッチング素子は、第1端子に一端が接続された第1のスイッチング素子と、第1のスイッチング素子に直列接続された第2のスイッチング素子とにより構成され、DC/DCコンバータは、第1および第2のスイッチング素子の接続点と第2のバッテリのハイ電圧側との間に接続されたインダクタを有し、第1のスイッチング素子の一端は、第1端子を介して第1のバッテリのハイ電圧側の配線に接続され、第2のスイッチング素子の一端は、第1および第2のバッテリのロウ電圧側の配線に接続され、コントロール回路は、スイッチング素子のオンオフを制御して、第1端子における第1のDC電圧をクランプするためのクランプ制御機能を含み、第1のDC電圧を第2端子における第2のDC電圧に降圧する電力変換装置において、DC/DCコンバータは、第1のバッテリの電流値を検出する電流センサを有し、コントロール回路は、DC/AC電力変換回路の停止タイミングに同期させて、第1のスイッチング素子をオンさせるとともに、電流センサにより検出される電流値が極小値になった時点で第1のスイッチングをオフさせるものである。
【0042】
また、この発明に係る電力変換装置は、DC端子およびAC端子を有するDC/AC電力変換回路と、DC端子の電圧を平滑化するコンデンサと、DC端子に接続された第1のバッテリと、第1端子および第2端子を有し、第1端子がDC端子および第1のバッテリに接続されたDC/DCコンバータと、第2端子に接続された第2のバッテリと、DC/AC電力変換回路およびDC/DCコンバータを制御するコントロール回路とを備え、DC/DCコンバータは、第1端子に接続されたスイッチング素子を有し、スイッチング素子は、第1端子に一端が接続された第1のスイッチング素子と、第1のスイッチング素子に直列接続された第2のスイッチング素子とにより構成され、DC/DCコンバータは、第1および第2のスイッチング素子の接続点と第2のバッテリのハイ電圧側との間に接続されたインダクタを有し、第1のスイッチング素子の一端は、第1端子を介して第1のバッテリのハイ電圧側の配線に接続され、第2のスイッチング素子の一端は、第1および第2のバッテリのロウ電圧側の配線に接続され、コントロール回路は、スイッチング素子のオンオフを制御して、第1端子における第1のDC電圧をクランプするためのクランプ制御機能を含み、第1のDC電圧を第2端子における第2のDC電圧に降圧する電力変換装置において、DC/DCコンバータは、コントロール回路により制御されるクランプ制御回路を有し、クランプ制御回路は、コンデンサのDC電圧値を検出する電圧検出手段を含み、DC電圧値が設定電圧値以上になった時点で第2のスイッチング素子をオンさせるとともに、第2のスイッチング素子のオン時における抵抗値をDC電圧値に応じて調節し、コントロール回路のクランプ制御機能は、DC/AC電力変換回路の停止タイミングに同期させて第1のDC電圧をクランプするものである。
【0043】
また、この発明に係る電力変換装置は、DC端子およびAC端子を有するDC/AC電力変換回路と、DC端子の電圧を平滑化するコンデンサと、DC端子に接続された第1のバッテリと、第1端子および第2端子を有し、第1端子がDC端子および第1のバッテリに接続されたDC/DCコンバータと、第2端子に接続された第2のバッテリと、DC/AC電力変換回路およびDC/DCコンバータを制御するコントロール回路とを備え、DC/DCコンバータは、第1端子に接続されたスイッチング素子を有し、スイッチング素子は、第1端子に一端が接続された第1のスイッチング素子と、第1のスイッチング素子に直列接続された第2のスイッチング素子とにより構成され、DC/DCコンバータは、第1および第2のスイッチング素子の接続点と第2のバッテリのハイ電圧側との間に接続されたインダクタを有し、第1のスイッチング素子の一端は、第1端子を介して第1のバッテリのハイ電圧側の配線に接続され、第2のスイッチング素子の一端は、第1および第2のバッテリのロウ電圧側の配線に接続され、コントロール回路は、スイッチング素子のオンオフを制御して、第1端子における第1のDC電圧をクランプするためのクランプ制御機能を含み、第1のDC電圧を第2端子における第2のDC電圧に降圧する電力変換装置において、DC/DCコンバータは、コントロール回路により制御されるクランプ制御回路を有し、クランプ制御回路は、第1のスイッチング素子に関連した第1のクランプ制御回路と、第2のスイッチング素子に関連した第2のクランプ制御回路とにより構成され、第1および第2のクランプ制御回路は、コンデンサのDC電圧値を検出する電圧検出手段を含み、第1のクランプ制御回路は、DC電圧値が設定電圧値以上になった時点で第1のスイッチング素子をオンさせるとともに、第1のスイッチング素子のオン時における抵抗値をDC電圧値に応じて調節し、第2のクランプ制御回路は、DC電圧値が設定電圧値以上になった時点で第2のスイッチング素子をオンさせるとともに、第2のスイッチング素子のオン時における抵抗値をDC電圧値に応じて調節し、コントロール回路のクランプ制御機能は、DC/AC電力変換回路の停止タイミングに同期させて第1のDC電圧をクランプするものである。
【0044】
また、この発明に係る電力変換装置は、DC端子およびAC端子を有するDC/AC電力変換回路と、DC端子の電圧を平滑化するコンデンサと、DC端子に接続された第1のバッテリと、DC/AC電力変換回路を制御するコントロール回路とを備え、DC/AC電力変換回路は、2つのスイッチング素子の直列回路からなるアームが複数個並列接続されて構成され、複数個のアームを構成する各2つのスイッチング素子の接続点は、DC/AC電力変換回路の出力線に接続され、各アームのハイ電圧側の一端は、第1のバッテリのハイ電圧側の配線に接続され、各アームのロウ電圧側の一端は、第1のバッテリのロウ電圧側の配線に接続された電力変換装置において、DC/AC電力変換回路は、コントロール回路により制御されるクランプ制御回路を有し、クランプ制御回路は、複数個のアームの少なくとも1つを構成する2つのスイッチング素子の少なくとも一方のオンオフを制御するとともに、コンデンサの電圧値またはクランプ制御回路が配置された側のスイッチング素子の電圧値を検出する電圧検出手段を含み、DC/AC電力変換回路の停止タイミングに同期させて、各アーム内のクランプ制御回路が配置されていない側のスイッチング素子をオンさせるとともに、電圧値が設定電圧以上になった時点で、クランプ制御回路が配置された側のスイッチング素子をオンさせ、各スイッチング素子のオン時の抵抗値を電圧値に応じて調節するものである。
【0045】
また、この発明に係る電力変換装置は、DC端子およびAC端子を有するDC/AC電力変換回路と、DC端子の電圧を平滑化するコンデンサと、DC端子に接続された第1のバッテリと、第1端子および第2端子を有し、第1端子がDC端子および第1のバッテリに接続されたDC/DCコンバータと、第2端子に接続された第2のバッテリと、DC/AC電力変換回路を制御するコントロール回路とを備え、DC/DCコンバータは、第1端子における第1のDC電圧を第2端子における第2のDC電圧に降圧するとともに、DC/AC電力変換回路の入力電流周期に同期させて、第2のDC電圧を第1のDC電圧に昇圧する電力変換装置において、コントロール回路は、DC/AC電力変換回路の入力電流が低い状態から高い状態に移行するタイミングに合わせて、第2のスイッチング素子のオフタイミングを設定するものである。
【0048】
また、この発明に係る電力変換装置は、DC端子およびAC端子を有するDC/AC電力変換回路と、DC端子の電圧を平滑化するコンデンサと、DC端子に接続された第1のバッテリと、第1端子および第2端子を有し、第1端子がDC端子および第1のバッテリに接続されたDC/DCコンバータと、第2端子に接続された第2のバッテリと、DC/AC電力変換回路を制御するコントロール回路とを備え、DC/DCコンバータは、第1端子における第1のDC電圧を第2端子における第2のDC電圧に降圧するとともに、DC/AC電力変換回路の入力電流周期に同期させて、第2のDC電圧を第1のDC電圧に昇圧する電力変換装置において、コントロール回路は、DC/AC電力変換回路の入力電流が低い状態から高い状態に移行するタイミングよりも遅らせて、第2のスイッチング素子のオフタイミングを設定するものである。
【0049】
また、この発明に係る電力変換装置は、コンデンサの電圧値を検出する電圧検出手段を備え、コントロール回路は、電圧値に応じて第2のスイッチング素子のオフタイミングを設定するものである。
【0050】
また、この発明に係る電力変換装置のコントロール回路は、電圧値としてコンデンサの電圧リップル量を記憶し、電圧リップル量の変化状態に応じて、第2のスイッチング素子に対する今回のオフタイミングを設定するものである。
【0051】
また、この発明に係る電力変換装置のコントロール回路は、第2のスイッチング素子のオフ時に、第1のスイッチング素子をオンさせるものである。
【0052】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に関連した電力変換装置を示すブロック構成図である。
【0053】
図1において、第1のバッテリ2、第2のバッテリ3、DC/DCコンバータ4、DC/AC電力変換回路5、モータ7、エンジン8およびコントロール回路9は、前述(図22参照)と同様のものであり、ここでは詳述を省略する。
【0054】
101は電力変換装置、106はこの発明によるコンデンサである。コンデンサ106は、電力変換装置101内において、前述のコンデンサ6と同等位置に配置されている。
【0055】
この場合、コンデンサ106は、電解コンデンサよりも容量の小さい(100μF〜500μF程度の)セラミックコンデンサにより構成されている。
【0056】
110は第1のインダクタ(以下、単に「インダクタ」という)であり、数μH〜数100μHのインダクタンスを有し、第1のバッテリ2とコンデンサ106との間に挿入されている。
【0057】
すなわち、インダクタ110は、第1のバッテリ2のハイ電圧側端子と、コンデンサ106のハイ電圧側端子(DC/DCコンバータ4およびDC/AC電力変換回路5とコンデンサ106との接続点)との間に配置されている。
111は電圧クランプ素子であり、コンデンサ106に並列接続されている。
【0058】
この場合、電力変換装置101内において、インダクタ110および電圧クランプ素子111の追加により部品点数が若干増加するものの、前述のコンデンサ6(大容量の電解コンデンサ)からコンデンサ106(小容量のセラミックコンデンサ)に置き換えたことにより、電力変換装置101のサイズを大幅に小さくすることができる。
【0059】
また、高温環境下での使用が困難な大容量の電解コンデンサに代えて、高耐熱性のセラミック製のコンデンサ106を用いたので、電力変換装置101を高温環境下で使用することができる。
【0060】
次に、図1に示した電力変換装置の動作について説明する。
まず、スタートモード時において、前述と同様に、DC/AC電力変換回路5を動作させて、モータ7のU、V、W相に交流電流を流す。
【0061】
このとき、前述のように、モータ7を回転させるためには大電流が必要なことから、DC/AC電力変換回路5には、最大で300A〜600Aのパルス電流が流れ込む。
【0062】
この場合、コンデンサ106の容量は数百μF程度であり、従来(図22参照)のコンデンサ6と比べて大幅に小さいので、電流リップルが非常に大きくなるが、周知のように、セラミックコンデンサは耐電流リップル性に優れているので特に支障はない。
【0063】
しかしながら、第1のバッテリ2とコンデンサ106との間のインダクタンス値が配線インダクタンス(数μH)のみの場合、第1のバッテリ2の電流リップルが非常に大きくなり、第1のバッテリ2の内部抵抗による発熱によって、第1のバッテリ2にダメージを与えてしまう。
【0064】
また、引き回されたバッテリ配線に大きな電流変動および電圧変動が発生することから、電磁界ノイズの発生による他機器への影響の心配もある。
そこで、図1に示した電力変換装置101において、第1のバッテリ2とコンデンサ106との間にインダクタ110が設けられている。
【0065】
次に、図2を参照しながら、インダクタ110による具体的な作用効果について説明する。
図2はインダクタンス[μH]と電流リップルとの関係を示す説明図である。
【0066】
図2において、横軸は第1のバッテリ2とコンデンサ106との間のインダクタンス[μH]、縦軸は第1のバッテリ2の電流リップル[Ap−p]であり、ここでは、電流値300A程度の電力変換装置101の場合でのシミュレーション結果を示している。
【0067】
また、各種パラメータ条件として、コンデンサ106の容量は100μF、第1のバッテリ2のDC電圧E1は36V、MOSFET50a〜50fに対するPWM制御のキャリア周波数は10kHz、基本波周波数は60Hz、モータ7の相間電流p−p値は300A、コンデンサ106の電流ピーク値は300A、第1のバッテリ2の平均電流値は80Aである。
【0068】
図2から明らかなように、第1のバッテリ2の電流リップルは、第1のバッテリ2とコンデンサ106との間のインダクタンス値が小さくなると増大し、インダクタンス値が大きくなると減少することが分かる。
【0069】
次に、電圧クランプ素子111による具体的な作用効果ついて説明する。
図1に示す電力変換装置101のスタートモード時において、過電流を検出した場合、DC/AC電力変換回路5をシャットダウンする場合がある。
すなわち、第1のバッテリ2とコンデンサ106との間の配線に、たとえば、数百Aの電流が流れている状態で、シャットダウン動作が行われる。
【0070】
このとき、急に電流が遮断されるわけであるから、配線のインダクタンス成分およびインダクタ110のインダクタンスに蓄えられているエネルギーは、仮に電圧クランプ素子111が無ければ、一気にコンデンサ106に流れ込むことになる。
【0071】
したがって、小容量のコンデンサ106の両端間電圧は、大きく跳ね上がって(サージ)しまい、コンデンサ106およびDC/DCコンバータ4およびDC/AC電力変換回路5を構成する各素子の発熱や耐圧破壊を招く可能性がある。
【0072】
そこで、これを防ぐため、図1のように、約100Vでクランプする電圧クランプ素子111がコンデンサ106に並列接続されている。
これにより、急なシャットダウン動作が行われても、電力変換装置101内の素子の損傷を防止することができる。
【0073】
このように、平滑用のコンデンサ106として電解コンデンサよりも小容量のセラミックコンデンサを用いるとともに、第1のバッテリ2とコンデンサ106との間にインダクタ110を挿入することにより、DC/AC電力変換回路5の動作時に発生する第1のバッテリ2の電流リップルを低減して平滑化することができる。
【0074】
したがって、第1のバッテリ2の内部インピーダンスによる発熱を抑制して劣化を防止するとともに、第1のバッテリ2の配線から放射される電磁界ノイズを低減することができる。
【0075】
また、コンデンサ106に電圧クランプ素子111を並列接続することにより、DC/AC電力変換回路5のシャットダウン動作時に発生するサージエネルギーによるコンデンサ106の電圧跳ね上がりを所望の電圧にクランプすることができ、DC/AC電力変換回路5を構成する回路素子およびコンデンサ106の耐圧破壊を確実に防止することができる。
【0076】
上記装置では、電圧クランプ素子111を設けたが、DC/DCコンバータにクランプ機能を設けて、電圧クランプ素子111を省略してもよい。
【0077】
図3はDC/DCコンバータ4Aにクランプ機能を設けたこの発明の実施の形態1を示すブロック構成図である。
図3において、前述(図1参照)と同様のものについては、同一符号を付して、または符号の後に「A」を付して詳述を省略する。
【0078】
この場合、電圧クランプ素子111が不要となる点が前述と異なる。
また、DC/DCコンバータ4Aと関連するコントロール回路9Aは、DC/DCコンバータ4A内のスイッチング素子(MOSFET)のオンオフを制御して、コンデンサ106側の第1端子におけるDC電圧をクランプするためのクランプ制御回路として機能する。
【0079】
図3においては、第1のバッテリ2の過電流検出によるDC/AC電力変換回路5のシャットダウン時に発生するサージエネルギーを、DC/DCコンバータ4Aを動作させて吸収し、電圧の跳ね上がりを抑制している。
【0080】
図4は図3内のDC/DCコンバータ4Aの具体的な構成例を示す回路図である。
図4において、401、402は第1端子間に直列接続された第1および第2のスイッチング素子(以下、単に「MOSFET」という)である。
【0081】
403は第2のインダクタ(以下、単に「インダクタ」という)であり、MOSFET401および402の接続点と第2のバッテリ3のハイ電圧側端子との間に挿入されている。
【0082】
404は第1のバッテリ2の電流値を検出する電流センサ、405はMOSFET401を駆動するドライバ回路、406はMOSFET402を駆動するドライバ回路である。
【0083】
MOSFET401のドレインは、コンデンサ106およびインダクタ110の各一端に接続され、MOSFET401のソースは、インダクタ403の一端およびMOSFET402のドレインに接続されている。
【0084】
インダクタ403の他端は、第2のバッテリ3のハイ電圧側端子に接続されている。
MOSFET402のソースは、第2のバッテリ3のロウ電圧側端子およびコンデンサ106の他端に接続されている。
【0085】
電流センサ404は、インダクタ110と、コンデンサ106、DC/DCコンバータ4AおよびDC/AC電力変換回路5の接続点との間に配置されている。
ドライバ回路405は、出力端子がMOSFET401のゲートに接続され、入力端子はコントロール回路9Aに接続されている。ドライバ回路406は、出力端子がMOSFET402のゲートに接続され、入力端子がコントロール回路9Aに接続されている。
【0086】
DC/DCコンバータ4Aは、双方向のDC/DCコンバータであり、各スイッチング素子(MOSFET)のゲートには数百kHzのパルス信号が入力され、第1のバッテリ2のDC電圧E1および第2のバッテリ3のDC電圧E2が所定値になるようにコントロール回路9Aにより制御されている。
【0087】
次に、前述の回路図(図23)とともに図5のタイミングチャートを参照しながら、図3および図4に示したこの発明の実施の形態1による動作について説明する。
【0088】
なお、DC/DCコンバータ4Aの詳細動作については、この発明において特に重要ではないので省略する。
図5において、DC/AC電力変換回路5内のMOSFET50a〜50f(図23参照)に対するゲート信号は、通常動作時にはPWM制御されている(交叉斜線部参照)。
【0089】
まず、スタートモード時(図5内の時刻t1より以前)において、DC/DCコンバータ4A内のMOSFET401、402は、各ゲートにドライバ回路405、406からのロウ信号が入力されており、動作がオフ(停止)されている。
【0090】
次に、時刻t1において過電流が検出されると、DC/AC電力変換回路5をシャットダウン動作させるために、コントロール回路9Aは、DC/AC電力変換回路5のハイアームのMOSFET50a、50c、50eのうち、オンしていたスイッチング素子のゲート信号を、数百μsかけてハイからロウにテーリング移行させる。
【0091】
また、全てのハイアームのMOSFET50a、50c、50eがオフした後、ロウアームのMOSFET50b、50d、50fのゲート信号をハイにして、全ロウアームのスイッチング素子をオンさせる。
【0092】
このとき、コントロール回路9Aは、DC/AC電力変換回路5のハイアームのゲート信号を立ち下げるタイミング(図5内の時刻t1)で、DC/DCコンバータ4A内のMOSFET401に対するゲート信号をハイにし、MOSFET401をオンさせる。
【0093】
したがって、インダクタ110および配線インダクタンスに蓄えられているエネルギーは、DC/AC電力変換回路5で消費されつつ(ハイアームのスイッチを数百μsかけてオフさせる期間)、第2のバッテリ3のDC電圧E2に回収される。
【0094】
第1のバッテリ2(DC電圧E1)の電流が、数百Aから0Aを経て、−数十A〜−百数十A)まで低下すると、これと同時に、コンデンサ106の電圧は、第1のバッテリ2のDC電圧E1(=36V)から徐々に増加し、電流が0Aの点でピークになる。
【0095】
そこで、第1のバッテリ2の電流値を電流センサ404で検出しておき、電流が極小値になった(電流の傾きがマイナスからプラスに変化した)時点(図5内の時刻t3)で、MOSFET401のゲート信号をロウにして、MOSFET401をオフさせる。
【0096】
なぜなら、第1のバッテリ2の電流が極小値のポイントでMOSFET401をオフさせないと、各バッテリ電圧の関係がE1(=36V)>E2(=12V)であることから、DC/DCコンバータ4Aへの供給電流が増加して過電流の設定値を超えてしまい、コンデンサ106の電圧の跳ね上がりを抑制することができなくなるからである。
【0097】
図5のように、第1のバッテリ2の電流が極小値になった時刻t3でMOSFET401をオフさせることにより、サージエネルギーの一部を第2のバッテリ3のDC電圧E2に返すことができるので、コンデンサ106の電圧跳ね上がりを抑制することができる。
【0098】
上記のDC/DCコンバータ4Aによるサージ電圧抑制動作により、−10V〜−30V程度の電圧跳ね上がりを抑制することができる。
たとえば、100V以下にサージ電圧を抑制しようとした場合、上記制御は、10μH以下のインダクタンス値で有効である。
【0099】
したがって、DC/AC電力変換回路5の動作停止時に発生するサージエネルギーによるコンデンサ106の電圧の跳ね上がりを抑制して、DC/AC電力変換回路5を構成する回路素子およびコンデンサ106の耐圧破壊を防止することができる。
【0100】
また、図5のように、DC/AC電力変換回路5の停止時刻t1に同期させてMOSFET401をオンさせ、第1のバッテリ2の電流が極小値になったら時刻t3でMOSFET401をオフさせることにより、コンデンサ106の電圧の跳ね上がりを抑制することができるので、DC/AC電力変換回路を構成する回路素子およびコンデンサの耐圧破壊を確実に防止することができる。
【0101】
さらに、図3においては、第1のバッテリ2と、コンデンサ106、DC/DCコンバータ4AおよびDC/AC電力変換回路5の接続点との間にインダクタ110が配置された場合を示したが、インダクタ110が配置されていない電力変換装置に適用しても有効であり、同等の作用効果を奏することは言うまでもない。
【0102】
実施の形態2
なお、上記実施の形態1では、コンデンサ106の電圧の跳ね上がりを抑制するために、DC/DCコンバータ4A内のMOSFET401のみをオンオフ制御したが、さらにMOSFET402をオンオフ制御するためのアクティブクランプ回路を設けてもよい。
【0103】
図6はMOSFET402をオンオフ制御するアクティブクランプ回路を設けたこの発明の実施の形態2によるDC/DCコンバータ4Bの具体的構成例を示す回路図である。
【0104】
図6において、前述(図4参照)と同様のものについては、同一符号を付して、または符号の後に「B」を付して詳述を省略する。
また、この発明の実施の形態2による電力変換装置の全体構成は、DC/DCコンバータ4B内の一部(サージ電圧抑制回路)以外は、前述(図1または図3)に示した通りである。
【0105】
417はDC/DCコンバータ4B内のアクティブクランプ回路であり、MOSFET402に関連して設けられている。
アクティブクランプ回路417は、コントロール回路9Bにより制御され、コントロール回路9Bとともにクランプ制御回路として機能する。
【0106】
418は第1のコモン電位であり、MOSFET402のソース電極すなわち第2のバッテリ3の負極(グランド電位)に相当する。
【0107】
アクティブクランプ回路417の出力端子は、MOSFET402のゲートを駆動するためのドライバ回路406の入力信号線に接続されている。
アクティブクランプ回路417の一方の入力信号線は、コントロール回路9Bに接続され、コントロール回路9Bからの信号により通常の電圧制御が行われている。
【0108】
アクティブクランプ回路417の他方の入力信号線は、MOSFET401のドレインに接続され、コンデンサ106の電圧が入力されている。
図7はアクティブクランプ回路417の具体的構成例を示す回路図である。
【0109】
図7において、4171はOR回路であり、アクティブクランプ回路417の出力回路としてドライバ回路406に接続されている。
4172はOR回路4171の入力端子に接続されたツェナーダイオードであり、クランプ電圧をツェナー電圧として限定する。
【0110】
ツェナーダイオード4172のカソードは、MOSFET401のドレイン(コンデンサ106のハイ電圧側端子)に接続されており、コンデンサ106の電圧値を検出するための電圧検出手段として機能する。
【0111】
4173は静電容量100pF〜1000pF程度のコンデンサ、4174は抵抗値1kΩ〜10kΩ程度の抵抗器、4175はクランプ電圧5Vにクランプするためのツェナーダイオードである。
【0112】
コンデンサ4173、抵抗器4174およびツェナーダイオード4175は、並列回路を構成して、ツェナーダイオード4172のアノードと第1のコモン電位418との間に挿入されている。
【0113】
すなわち、OR回路4171は、出力端子がドライバ回路406の入力端子に接続され、一方の入力端子がコントロール回路9Bに接続され、他方の入力端子がツェナーダイオード4172のアノード(コンデンサ4173のハイ電圧側端子、抵抗器4174の一端およびツェナーダイオード4175のカソード)に接続されている。
【0114】
また、コンデンサ4173のロウ電圧側端子、抵抗器4174の他端およびツェナーダイオード4175のアノードは、第1のコモン電位418に接続されている。
【0115】
次に、図1(または、図3)のブロック構成図および図23の回路図とともに、図8のタイミングチャートを参照しながら、図6および図7に示したこの発明の実施の形態2による具体的な動作について説明する。
【0116】
図8においては、時刻t2〜時刻t3の期間中に、DC/DCコンバータ4A内のMOSFET402に対するゲート信号がオン制御される。
すなわち、MOSFET402は、クランプ電圧80Vに達するとオンされ、MOSFET401がオンしている期間中(時刻t2〜時刻t3)、コンデンサ106の電圧が80V以上にならないように動作する。
【0117】
他のスイッチ素子(MOSFET50a〜50f、MOSFET401)の制御タイミング、第1のバッテリ2の電流、コンデンサ106の電圧波形は、前述(図5)と同様である。
【0118】
まず、時刻t1においてDC/AC電力変換回路5をシャットダウン動作させると、前述のように、配線およびインダクタ110の各インダクタンスに蓄積されているエネルギーがコンデンサ106に流れ込み、コンデンサ106の端子電圧が上昇する。また、時刻t1において、DC/DCコンバータ4A内のMOSFET401はオンされる。
【0119】
このとき、コンデンサ106の電圧は、アクティブクランプ回路417内のツェナーダイオード4172に印加され、コンデンサ電圧がツェナー電圧を超えようとすると、ツェナーダイオード4172が逆導通して、コンデンサ4173の電圧を上昇させる。
【0120】
その後、時刻t2においてコンデンサ4173の端子電圧がOR回路4171のしきい値を超えると、OR回路4171の出力信号がハイレベルになり、MOSFET402をオンさせる。
【0121】
MOSFET402がオンすると、MOSFET401および402においてサージエネルギーが損失されるので、コンデンサ106の端子電圧をクランプ電圧80Vに保持することができる。
【0122】
なお、抵抗器4174は、クランプ動作時以外ではOR回路4171の入力電圧をロウ電位(第1のコモン電位418)に保持するために設けられている。
また、ツェナーダイオード4175は、OR回路4171の入力電圧が5V以上に上昇しないように(OR回路4171を破壊させないように)クランプするために設けられている。
【0123】
このように、MOSFET402に関連したアクティブクランプ回路417を設けることにより、コンデンサ106の端子電圧(DC電圧値)が設定電圧値(80V)以上になった時点でMOSFET402をオンさせることができ、MOSFET402のオン抵抗値をDC電圧値に応じて調節することができる。
【0124】
また、アクティブクランプ回路417の動作は、MOSFET401がオンしている期間のみにおいて有効であるが、前述(実施の形態1)よりも確実にコンデンサ106の電圧上昇を抑制することができる。
【0125】
すなわち、配線およびインダクタ110が高インダクタンスでも、コンデンサ106の電圧上昇を所望の電圧(100V以下)に抑制することができる。
上記電圧抑制動作は、特に、配線およびインダクタ110のインダクタンスが30μH以下の場合に有効である。
【0126】
さらに、ここでは、前述と同様に、第1のバッテリ2と、コンデンサ106、DC/DCコンバータ4BおよびDC/AC電力変換回路5の接続点との間にインダクタ110を設けた場合について述べたが、インダクタ110を配置していない電力変換装置に対しても有効であることは言うまでもない。
【0127】
実施の形態3
なお、上記実施の形態2では、MOSFET402に関連したアクティブクランプ回路417のみを設け、コンデンサ106の端子電圧(DC電圧値)に応じたクランプ制御を実行したが、MOSFET401に関連したアクティブクランプ回路を追加し、DC電圧値が設定電圧値以上になった時点でMOSFET401をオンさせて、MOSFET401のオン抵抗値をDC電圧値に応じて調節してもよい。
【0128】
図9はMOSFET401に対するアクティブクランプ回路を追加したこの発明の実施の形態3によるDC/DCコンバータ4Cの具体的構成例を示す回路図である。
【0129】
図9において、前述(図6参照)と同様のものについては、同一符号を付して、または符号の後に「C」を付して詳述を省略する。
429はMOSFET401に対するアクティブクランプ回路、420はMOSFET401および402の接続点に対応した第2のコモン電位である。
【0130】
この場合、DC/DCコンバータ4Cには、さらなるサージ電圧抑制手段として、アクティブクランプ回路417と同様のアクティブクランプ回路429が並設されている。
【0131】
アクティブクランプ回路429の出力端子は、MOSFET401に対するゲート駆動用のドライバ回路405の入力信号線に接続されている。
アクティブクランプ回路429の一方の入力信号線は、コントロール回路9Cに接続され、コントロール回路9Cからの信号により通常の電圧制御が行われている。
【0132】
アクティブクランプ回路429の他方の入力線は、MOSFET401のドレインに接続され、コンデンサ106の端子電圧が入力されている。
図10はアクティブクランプ回路429の具体的構成を示す回路図であり、前述(図7参照)のアクティブクランプ回路417と同様に構成されている。
【0133】
図10において、4291はドライバ回路405に対する出力回路となるOR回路、4292はクランプ電圧を設定して電圧検出手段として機能するツェナーダイオード、4293は静電容量100pF〜1000pFのコンデンサ、4294は抵抗値1kΩ〜10kΩの抵抗器、4295はクランプ電圧5Vのツェナーダイオードである。
【0134】
図10の場合、第1のコモン電位418に代えて第2のコモン電位420に接続されている以外は、前述のアクティブクランプ回路417と同一構成である。
【0135】
次に、図1(または、図3)のブロック構成図および図23の回路図とともに、図11のタイミングチャートを参照しながら、図9および図10に示したこの発明の実施の形態3による動作について説明する。
【0136】
図11において、MOSFET401のゲート信号は、MOSFET402に対するゲート信号とほぼ同様に、時刻t2〜時刻t3の期間にオンされる。
実際には、時刻t2において、MOSFET401は、MOSFET402よりもわすかに遅れてオンされる。
【0137】
また、MOSFET401および402に対する各ゲート信号は、コンデンサ電圧の上昇に応じて、上記期間に続く時刻t4〜時刻t5の期間でもオンされ、コンデンサ106の電圧をクランプするようになっている。
【0138】
すなわち、MOSFET401および402は、コンデンサ106の電圧がクランプ電圧の80Vに達するとオンされ、コンデンサ電圧が80V以上にならないように動作する。
図11において、他の信号の動作タイミングは、前述(図8参照)と同様である。
【0139】
まず、時刻t1においてDC/AC電力変換回路5をシャットダウン動作させると、前述のように、インダクタンスに蓄積されたエネルギーによりコンデンサ106の電圧が上昇する。
【0140】
続いて、時刻t2においてコンデンサ電圧が80Vを超えようとすると、MOSFET402側のアクティブクランプ回路417が動作し、MOSFET401のソースが第1のコモン電位418の電圧になる。
【0141】
この結果、MOSFET401のドレイン・ソース間電圧とコンデンサ106の電圧とが等しくなり、MOSFET401のドレイン・ソース間電圧は約80Vになる。
【0142】
MOSFET401のドレイン・ソース間電圧が80Vになると、アクテイブクランプ回路429が動作し、コンデンサ電圧を80Vにクランプする。
これにより、インダクタ110の有無にかかわらず、前述と同等の作用効果を奏する。
【0143】
この場合、MOSFET401および402の両方により、電源ラインと第1のコモン電位418のラインとを短絡して80Vにクランプするので、配線およびインダクタ110が高いインダクタンス値を有していても、コンデンサ106の電圧上昇を所望の電圧(100V以下)に確実に抑制することができる。
【0144】
実施の形態4
なお、上記実施の形態1〜3では、もっぱらDC/DCコンバータ側でサージエネルギーを吸収して、コンデンサ電圧を100V以下にクランプ制御したが、DC/AC電力変換回路内のスイッチング素子を利用してクランプ制御してもよい。
【0145】
図12はクランプ制御機能を備えたこの発明の実施の形態4によるDC/AC電力変換回路5Dを示す回路図である。
図12において、前述(図23参照)と同様のものについては、同一符号を付して、または符号の後に「D」を付して詳述を省略する。
【0146】
500aはアクティブクランプ回路であり、ハイアーム側の1つのMOSFET50aに対応したドライバ回路52aの入力端子とコントロール回路9Dとの間に挿入されている。
図12の回路構成は、アクティブクランプ回路500aが設けられている点を除けば、図23と同一である。
【0147】
アクティブクランプ回路500aは、出力端子がドライバ回路52aの入力端子に接続され、一方の入力端子がコントロール回路9Dに接続され、他方の入力端子がMOSFET50aのドレイン(コンデンサ106のハイ電圧側)に接続されている。
【0148】
図13はアクティブクランプ回路500aの具体的構成を示す回路図であり、前述の図7および図10に対応している。
図13において、501aはOR回路、502aはクランプ電圧をツェナー電圧としたツェナーダイオード、503aは静電容量100pF〜1000pFのコンデンサ、504aは抵抗値1kΩ〜10kΩの抵抗器、505aはクランプ電圧が5Vのツェナーダイオードである。
【0149】
ツェナーダイオード502aのカソードは、MOSFET50aのドレインに接続され、ツェナーダイオード502aのアノードは、ツェナーダイオード505aのカソード、抵抗器504aおよびコンデンサ503aの各ハイ端子に接続されている。ツェナーダイオード505aのアノード、抵抗器504aおよびコンデンサ503aの各ロウ端子は、MOSFET50aのソースに接続されている。
【0150】
OR回路501aは、出力端子がドライバ回路52aに接続され、一方の入力端子がコントロール回路9Dに接続され、他方の入力端子がツェナーダイオード502aのアノードに接続されている。
【0151】
次に、図1(または、図3)を参照しながら、図12および図13に示したこの発明の実施の形態4による動作について説明する。
まず、前述のように、DC/AC電力変換回路5Dのシャットダウン時に、ハイアーム側のMOSFET50a、50cおよび50eをオフして、ロウアーム側のMOSFET50b、50dおよび50fをオンさせる。
【0152】
その後、コンデンサ106の電圧が上昇して80Vに達すると、MOSFET50aのドレイン・ソース間電圧が80Vになるので、アクティブクランプ回路500aが動作し、コンデンサ106の電圧を80Vにクランプする。
【0153】
これにより、インダクタ110またはDC/DCコンバータの有無にかかわらず、前述と同等の作用効果を奏する。
また、この場合、DC/AC電力変換回路5Dは、双方向でなくDCからACへの一方向のみの電力変換回路であっても有効であることは言うまでもない。
【0154】
なお、上記実施の形態1〜4では、第1のバッテリ2に接続されたインダクタ110と、DC/DCコンバータ内のインダクタ403とを隔離配置したが、一体的に構成して省スペース化を実現してもよい。
【0155】
図14は各インダクタ110および403を一体化した参考例1を示すブロック構成図である。
図14において、前述と同様のものについては、同一符号を付して、または符号の後に「E」を付して詳述を省略する。
【0156】
ここでは、代表的に、実施の形態3によるDC/DCコンバータ内のインダクタを第1のバッテリ2側のインダクタと一体化した場合を示している。
1101は結合インダクタであり、前述のインダクタ110および403を単一コアに構成して磁気結合したものである。
【0157】
この場合、DC/DCコンバータ4E内のインダクタ403の巻線と、第1のバッテリ2とコンデンサ106との間に設けられたインダクタ110の巻線とが、同一コアに巻かれている点を除けば前述(実施の形態3)と同じである。
【0158】
このように、単一コアに2つの巻線を配設してインダクタ110および403を形成することにより、2個のコアを必要とすることがないので、前述と比べて1個分のインダクタが占有するエリアを無くすことができ、省スペース化により電力変換装置の小形化を実現することができる。
【0159】
ただし、この場合、単一のコアで2つのインダクタ110および403を形成しているので、両方のインダクタが磁気的に結合されており、両者の磁気結合係数が「1」に近いと、発電モード時に各バッテリ2、3に流れ込むリップル電流が非常に大きくなるおそれがある。
【0160】
以下、結合インダクタ1101内の磁気結合係数が「1」に近い場合におけるリップル電流について説明する。
たとえば、発電モード時においては、第1のバッテリ2の電圧E1に数Vを加算した程度の電圧がコンデンサ106に発生して第1のバッテリ2が充電され、第2のバッテリ3は、DC/DCコンバータ4Eの動作によって降圧された電圧E2に充電される。
【0161】
DC/DCコンバータ4Eが動作すると、インダクタ110のインダクタンス値と、MOSFET401のゲート信号の周波数およびデューティ比とから決まる三角形状の電流パルスが、インダクタ403を通って第2のバッテリ3に流れる。
【0162】
このような発電モード時においては、第1のバッテリ2側のインダクタ110の両端に接続されているインピーダンスが小さいので、DC/DCコンバータ4E内のインダクタ403のインダクタンス値が、相互インダクタンスの影響により小さくなる。
【0163】
したがって、第2のバッテリ3に流れる電流パルスの傾きが鋭くなり、その結果、第2のバッテリ3の電流リップルが増大する。
この大きな電流変化により、第1のバッテリ2側にも巻線数比分の電流が発生して、第1のバッテリ2の電流リップルも増大してしまう。
【0164】
これを回避するために、結合インダクタ1101は、磁気結合係数が低減されるように、第2のバッテリ3側のインダクタ403に必ずリーケージインダクタンスが付加されるように形成されている。
【0165】
これにより、DC/DCコンバータ4Eの降圧動作時において、第2のバッテリ3側のインダクタンスが或る程度は存在することになるので、電流リップルを所望値に抑制することができる。
【0166】
すなわち、DC/AC電力変換回路5によるACからDCへの電力変換動作と、DC/DCコンバータ4EにおけるDC電圧から第2のバッテリ3の電圧E2への降圧動作とを行うときに発生する、第1および第2のバッテリ2、3の電流リップルを抑制することができる。
【0167】
具体的には、第1のバッテリ2側のインダクタンスを50μH、第2のバッテリ3側のインダクタンスを10μH、結合インダクタ1101内の磁気結合係数を0.6〜0.9に設定することが有効である。
【0168】
なお、上記参考例1では、結合インダクタ1101の磁気結合を調節したが、第1のバッテリ2とインダクタ110との間に双方向スイッチを介在させることにより積極的に電流リップルを抑制してもよい。
【0169】
図15は結合インダクタ1101に双方向スイッチを直列接続した参考例2によるDC/DCコンバータ4Fを示す回路図である。
図15において、前述と同様のものについては、同一符号を付して、または符号の後に「F」を付して詳述を省略する。
【0170】
ここでは、煩雑さを回避するために、結合インダクタ1101の周辺のみの回路構成を示している。
1102はコントロール回路9Fにより制御される双方向スイッチであり、結合インダクタ1101と第1のバッテリ2との間に挿入されている。
【0171】
双方向スイッチ1102は、直列接続された一対のMOSFETにより構成されている。
図15に示すように、双方向スイッチ1102を設けることにより、結合インダクタ1101の磁気結合を調節しなくても電流リップルを抑制することができる。
【0172】
すなわち、発電モード時において、第1のバッテリ2を充電するときには、双方向スイッチ1102をオンさせてDC/DCコンバータ4Fの動作を止め、第2のバッテリ3を充電するときには、双方向スイッチ1102をオフして、DC/DCコンバータ4Fを動作させる。
【0173】
これにより、DC/DCコンバータ4Fの動作時での相互インダクタンスの影響が全くなくなるので、DC/DCコンバータ4F側から見たインダクタンス値は、巻線の有する自己インダクタンスのみになる。
したがって、DC/DCコンバータ4Fの動作時でのインダクタンスが小さくなり、電流リップルが増大する現象を確実に無くすことができる。
【0174】
ここでは、双方向スイッチ1102を第1のバッテリ2と結合インダクタ1101の間に設けたが、第1のバッテリ2とコンデンサ106との間の接続関係をオンオフすることができる位置であれば、どこに配置してもよい。
【0175】
したがって、たとえば、双方向スイッチ1102を結合インダクタ1101とコンデンサ106との間に配置しても、同様の作用効果が得られることは言うまでもない。
【0176】
実施の形態5
なお、上記実施の形態1〜4では、DC/AC電力変換回路5のスタートモード動作時に発生する第1のバッテリ2の電流リップルを抑制するために、第1のバッテリ2とコンデンサ106の間にインダクタ110を設けることを前提としたが、インダクタ110を具備していない装置に対しても、DC/DCコンバータの昇圧動作により第1のバッテリ2の電流リップルを抑制してもよい。
【0177】
前述のように、コンデンサ106がセラミックコンデンサの場合、従来の電解コンデンサと比べて容量が大幅に小さく、スタートモード時のコンデンサ106の電圧リップルが大きくなるので、モータ7に流れる電流の実効値が若干低減して、モータ7の出力が若干であるが低下する可能性がある。
【0178】
また、コンデンサ106のリップル電流によって、コンデンサ自身の発熱の問題も生じ得る。
しかし、この発明の実施の形態5によるDC/DCコンバータの昇圧動作によれば、上記現象を改善することができる。
【0179】
この発明の実施の形態5は、たとえば図3の回路構成において、DC/AC電力変換回路5をスタートモードで動作させたときに、コントロール回路9AによりDC/DCコンバータ4Aを昇圧動作させて、第1のバッテリ2のリップル電流に第2のバッテリ3からの電流を重畳させることにより、第1のバッテリ2の電流リップルを抑制するものである。
【0180】
以下、前述の図3および図4とともに、図16のタイミングチャートを参照しながら、この発明の実施の形態5による具体的な動作について説明する。
図16は、DC/AC電力変換回路5の要求電流と、コンデンサ106の電圧と、MOSFET402の制御信号と、インダクタ403の電流と、第1のバッテリ2の電流との関係を示している。
【0181】
図16において、ΔT1はMOSFET402のオフタイミングの遅れ時間、Vripはコンデンサ106のリップル電圧であり、破線は従来の動作波形、実線はこの発明の実施の形態5による動作波形を示している。
ここでは、便宜的に前述の回路構成(第1のバッテリ2とコンデンサ106との間にインダクタ110を設けた場合)を参照して説明する。
【0182】
この場合、昇圧可能なDC/DCコンバータ4A(図3、図4参照)を備えた電力変換装置101Aにおいて、DC/DCコンバータ4Aのコントロール回路9Aを図16に示したように動作させる。
【0183】
すなわち、コントロール回路9Aは、DC/AC電力変換回路5に供給される制御信号に基づいて、モータ7に電流を流す前にMOSFET402をオン状態(ON)にして、インダクタ403にエネルギーを蓄える。
【0184】
また、DC/AC電力変換回路5が電流を要求するタイミングにおいて、若干の遅れ時間ΔT1をもって同期して、MOSFET402をオン状態からオフ状態(OFF)にして、第2のバッテリ3からの電流を、第1のバッテリ2の電流に重畳させる。
【0185】
これにより、第1のバッテリ2から供給されるピーク電流は、図16内の実線のように低減し、第1のバッテリ2のリップル電流が抑制される。
このとき、MOSFET402に流れる電流i2は、以下の(1)式により決定される。
【0186】
i2=V1/L2×Ton ・・・(1)
【0187】
ただし、(1)式において、V1は第1のバッテリ2の電圧、L2はインダクタ403(および配線)のインダクタンス値である。
また、TonはMOSFET402の先行オン時間であり、(1)式を変形して、以下の(2)式で表される。
【0188】
Ton=L2/V1×i2
=L2/V1×i1×K ・・・(2)
【0189】
ただし、(2)式において、i1は第1のバッテリ2から給電される主電流、KはMOSFET402の先行オン動作による電流アシスト率である。
【0190】
たとえば、インダクタンス値L2を5μH、バッテリ電圧V1を12V、必要とする第1のバッテリ2の主電流i1を300A、電流アシスト率Kを90%として、瞬時にアシストした場合、先行オン時間Tonは、(2)式より、5μH/12V×300A×0.9(90%)=112.5[μsec]となる。
【0191】
したがって、この場合、モータ7に電流を流すタイミングよりも112.5μsec前に、MOSFET402をオンさせなければならない。
また、若干の遅れ時間ΔT1を1.5μsecと設定した場合には、モータ7に電流を流すタイミングよりも111μsec(=112.5μsec−1.5μsec)前に、MOSFET402をオンさせる。
【0192】
以下、モータ7に電流を流す時刻から1.5μsec経過後に、MOSFET402をオフすることにより、インダクタ403に蓄えたエネルギーを、モータ7に供給する電流に対して重畳させる。
この状態でインダクタ403に蓄えることのできるエネルギーP2は、以下の(3)式により与えられる。
【0193】
Figure 0004037114
【0194】
ただし、(3)式によるアシスト量(エネルギー)P2は、モータ7に流す電流とDC/DCコンバータ4A内のインダクタ403とにより決定されるので、電流値を無為に増やすことはできない。
【0195】
このように、DC/DCコンバータ4Aを昇圧動作させることにより、DC/AC電力変換回路5の動作時に発生する第1のバッテリ2の電流リップル成分を抑制することができる。
また、電圧平滑用のコンデンサ106の電流リップルが抑制されるので、コンデンサ106の容量を低く設定することができる。
【0196】
実施の形態6
なお、上記実施の形態5では、DC/AC電力変換回路5の入力電流が低い状態から高い状態に移行するタイミングよりも遅らせて、MOSFET402のオフタイミングを設定したが、DC/AC電力変換回路5の入力電流が低い状態から高い状態に移行するタイミングに合わせて(ΔT1=0として)、MOSFET402のオフタイミングを設定してもよい。
【0197】
以下、前述の図3および図4とともに、図17のタイミングチャートを参照しながら、この発明の実施の形態6による具体的な動作について説明する。
図17において、前述(図16参照)と同様のものについては、同一符号が付されており、破線は従来の動作波形、実線はこの発明の実施の形態7による動作波形である。
【0198】
この場合、前述と同様に、DC/AC電力変換回路5のスタートモード動作時に発生する第1のバッテリ2のリップル電流は、DC/DCコンバータ4Aの昇圧動作による第2のバッテリ3からの電流が重畳されることにより抑制される。
【0199】
すなわち、コントロール回路9Aは、DC/DCコンバータ4A内のMOSFET402を図17のように動作させる。
まず、DC/AC電力変換回路5に供給される制御信号に基づいて、モータ7に電流を流す前にMOSFET402をオン状態にし、インダクタ403(または、結合インダクタ1101)にエネルギーを蓄える。
【0200】
続いて、DC/AC電力変換回路5の電流要求タイミングにおいて、このタイミングに遅れることなく同期して、MOSFET402をオン状態からオフ状態にして、第2のバッテリ3からの電流を第1のバッテリ2の電流に重畳させる。
【0201】
これにより、第1のバッテリ2から供給されるピーク電流を低減し、リップル電流を抑制することができる。
前述と同様の条件を設定した場合、MOSFET402の先行オン時間Tonは、112.5μsecとなる。
【0202】
この場合、モータ7に電流を流す時刻に同期して、MOSFET402をオフさせることにより、インダクタ403に蓄えたエネルギー(182.25mJ)を、モータ7への供給電流に重畳する。
【0203】
また、スイッチング素子の特性として、たとえばMOSFETのように第3象限に高機能なスイッチング特性を有する場合、MOSFET402がオフした瞬間にMOSFET401をオンさせ、且つ、MOSFET402がオンする直前にMOSFET401をオフすることにより、さらに高効率に電力を伝達することができる。
【0204】
図18は上記のようにMOSFET401および402をオンオフ制御した場合の動作を示すタイミングチャートである。
図18において、MOSFET401および402は、DC/AC電力変換回路5の要求電流に同期して、相補的に且つ瞬時にオンオフ制御される。
【0205】
この場合、モータ7の要求電流およびタイミングは事前に分かっているので、DC/DCコンバータ4Aの駆動タイミングおよび制御信号は、簡単な逆算により生成することができる。
【0206】
たとえば、モータ7の駆動パターンと、DC/DCコンバータ4Aのアシストパターンとを対応させるパターンジェネレータを用いることにより、事前にプログラミングが可能であり、したがって、比較的簡単な制御で実現することができる。
【0207】
また、モータ7の要求電流に比例して先行オン時間Tonを設定するロジックにより、事前にMOSFET402をオンさせる回路として実現することができる。
【0208】
ただし、このロジック回路は、制御が非常に簡単となるが、第1のバッテリ2からの供給電流タイミングと一致していないので、前述の実施の形態5ほどの効果を奏し得ないおそれがある。
【0209】
また、前述の通り、アシストするエネルギーは、モータ7に電流を流す電流とDC/DCコンバータ4A内のインダクタ403とにより決定されるので、十分なアシスト量が得られず、第1のバッテリ2のリップル電流を十分に抑制することができない場合があり得る。
【0210】
実施の形態7
なお、上記実施の形態5、6では、コンデンサ106の電圧リップル量に応じたMOSFET402のオフ制御を特に考慮しなかったが、コンデンサ106の電圧リップル量を記憶し、電圧リップル量の変化に応じてMOSFET402のオフ指令を生成してもよい。
【0211】
以下、前述の図3および図4とともに、図19のタイミングチャートおよび図20のフローチャートを参照しながら、この発明の実施の形態7による具体的な動作について説明する。
【0212】
図19において、Vrip1、Vrip2、・・・は各制御タイミング毎の電圧リップル量、ΔVはアシスト開始時のコンデンサ106の電圧偏差、ΔT1、ΔT2、・・・は各制御タイミング毎の遅れ時間である。
【0213】
また、前述(図16参照)と同様のものについては、同一符号が付されており、破線は従来の動作波形、実線はこの発明の実施の形態7による動作波形である。
【0214】
この場合も、DC/AC電力変換回路5のスタートモード動作時に発生する第1のバッテリ2のリップル電流は、DC/DCコンバータ4Aの昇圧動作による第2のバッテリ3からの電流重畳により抑制される。
【0215】
ただし、コントロール回路9Aは、コンデンサ106の電圧リップル量の変化に応じて、次回のMOSFET402のオフ指令を生成するようになっている。
したがって、コントロール回路9Aは、過去から現在までの各電圧リップル量Vrip1、Vrip2、・・・および各遅れ時間ΔT1、ΔT2、・・・を記憶する記憶手段を備えている。
【0216】
まず、前述と同様に、コントロール回路9Aは、DC/AC電力変換回路5に与える制御信号に基づいて、モータ7に電流を流す前にMOSFET402をオン状態にし、インダクタ403(または、結合インダクタ1101)にエネルギーを蓄える。
【0217】
このとき、図20内のステップS1において、コンデンサ106の初期電圧偏差ΔVを観測し、初期電圧偏差ΔVが一定量(たとえば、12V)以上降下したことを観測した場合に、インダクタ403(または、結合インダクタ1101)に充電したエネルギーを放出すべく、第2のMOSFET402をオフさせる。
【0218】
また、コントロール回路9Aは、このとき発生したコンデンサ106の電圧リップル量Vrip1と、DC/AC電力変換回路5の制御信号からMOSFET402を駆動するまでの遅れ時間ΔT1とを記憶しておく。
【0219】
続いて、「遅れモード」が設定された場合には、カウンタ値nをインクリメントし(ステップS11)、ステップS2において、DC/AC電力変換回路5の次の制御信号が入力されれば、遅れ時間ΔT1(ステップS1における記憶値)に所定時間Δt(=1μsec)を加算する。
【0220】
また、延長された遅れ時間ΔT2(=ΔT1+1μsec)でMOSFET402をオフし、インダクタ403(または、結合インダクタ1101)のエネルギーを放電する。
【0221】
このとき、モード判定を「進みモード」として、遅れ時間ΔT1(ステップS1における記憶値)に所定時間Δt(=1μsec)を減算し、ΔT1よりも短縮された遅れ時間ΔT2(=ΔT1−1μsec)を設定してもよい。
【0222】
さらに、ステップS2において、コントロール回路9Aは、このときのコンデンサ106の電圧リップル量Vrip2と、MOSFET402のオフタイミングの遅れ時間ΔT2とを記憶する。
【0223】
次に、ステップS3において、電圧リップル量Vrip1、Vrip2(前回の各ステップS1、S2における記憶値)を比較し、比較結果(電圧リップル量の変化)に応じて今回の遅れ時間ΔT3を設定する。
【0224】
すなわち、Vrip2<Vrip1(電圧リップル量が減少状態)の関係を満たせば、「遅れモード」とし、前回よりも延長された遅れ時間ΔT3(=ΔT2+1μsec)を設定する。
【0225】
一方、Vrip2>Vrip1(電圧リップル量が増大状態)の関係を満たせば、「進みモード」とし、前回よりも短縮された遅れ時間ΔT3(=ΔT2−1μsec)を設定する。
【0226】
さらに、Vrip2≒Vrip1(電圧リップル量がほぼ変化無し状態)の関係を満たせば、「安定モード」とし、前回と同じ遅れ時間ΔT3(=ΔT2)を設定する(ステップS33)。
以下、インダクタ403(または、結合インダクタ1101)に充電されたエネルギーを放出する。
【0227】
また、前述と同様に、コントロール回路9Aは、このときのコンデンサ106の電圧リップルVrip3と、MOSFET402のオフタイミングの遅れ時間ΔT3とを記憶する。
【0228】
さらに、コントロール回路9Aは、モード判定として、「遅れモード」、「進みモード」、「安定モード」のいずれかを記憶するとともに、「安定モード」においては、コンデンサ106の電圧リップルをVrip0として記憶する(ステップS31)。
【0229】
次に、カウンタ値nをインクリメント(ステップS11、S32)後に、繰り返し実行されるステップS4について、各モード別に説明する。
【0230】
まず、前回実行されたステップS3において「遅れモード」と設定された場合、電圧リップル量Vrip2(前々回のステップS2における記憶値)と、電圧リップル量Vrip3(前回のステップS3における記憶値)とを比較し、この比較結果から今回の遅れ時間ΔT4(n)を設定する。
【0231】
すなわち、前回処理で「遅れモード」と設定された場合に、ステップS4において、Vrip3<Vrip2(電圧リップル量が減少状態)の関係を満たせば、「遅れモード」を保持し、前回よりも延長された遅れ時間ΔT4(=ΔT3+1μsec)を設定する。
【0232】
また、Vrip3>Vrip2(電圧リップル量が増大状態)の関係となれば、「進みモード」とし、前回よりも短縮された遅れ時間ΔT4(=ΔT3−1μsec)を設定する。
【0233】
さらに、Vrip3≒Vrip2(電圧リップル量がほぼ変化無し状態)の関係となれば、「安定モード」とし、前回と同じ遅れ時間ΔT4(=ΔT3)を設定する(ステップS33)。
以下、同様に、インダクタ403(または、結合インダクタ1101)に充電されたエネルギーを放出する。
【0234】
また、前述と同様に、コントロール回路9Aは、このときのコンデンサ106の電圧リップルVrip4と、MOSFET402のオフタイミングの遅れ時間ΔT4とを記憶し、またモード判定として、「遅れモード」、「進みモード」、「安定モード」のいずれかを記憶し、さらに「安定モード」においてはコンデンサ106の電圧リップルをVrip0として記憶する(ステップS31)。
【0235】
次に、「進みモード」におけるステップS4について説明する。
前回のステップS3において「進みモード」と設定された場合、電圧リップル量Vrip2(前々回のステップS2における記憶値)と、電圧リップル量Vrip3(前回のステップS3における記憶値)とを比較し、この比較結果から今回の遅れ時間ΔT4(n)を設定する。
【0236】
すなわち、「進みモード」と設定された場合に、ステップS4において、Vrip3<Vrip2(電圧リップル量が減少状態)の関係を満たせば、「進みモード」を保持し、前回よりも短縮された遅れ時間ΔT4(=ΔT3−1μsec)を設定する。
【0237】
また、Vrip3>Vrip2(電圧リップル量が増大状態)の関係となれば、「遅れモード」とし、前回よりも延長された遅れ時間ΔT4(=ΔT3+1μsec)を設定する。
【0238】
さらに、Vrip3≒Vrip2(電圧リップル量がほぼ変化無し状態)の関係となれば、「安定モード」とし、前回と同じ遅れ時間ΔT4(=ΔT3)を設定する(ステップS33)。
以下、インダクタ403(または、結合インダクタ1101)に充電されたエネルギーを放出する。
【0239】
また、前述と同様に、コントロール回路9Aは、このときのコンデンサ106の電圧リップルVrip4と、MOSFET402のオフタイミングの遅れ時間ΔT4とを記憶し、またモード判定として、「遅れモード」、「進みモード」、「安定モード」のいずれかを記憶し、「安定モード」」においてはコンデンサ106の電圧リップルをVrip0として記憶する(ステップS31)。
【0240】
次に、「安定モード」におけるステップS4について説明する。
前回のステップS3において「安定モード」と設定された場合、電圧リップル量Vrip0と、電圧リップル量Vrip3(前回のステップS3における記憶値)とを比較し、この比較結果から今回の遅れ時間ΔT4(n)を設定する。
【0241】
すなわち、「安定モード」と設定された場合に、ステップS4において、Vrip3<Vrip0(電圧リップル量が減少状態)の関係を満たせば、「安定モード」を保持し、前回と同じ遅れ時間ΔT4(=ΔT3)を設定する。
【0242】
また、Vrip3>Vrip0(電圧リップル量が増大状態)の関係となれば、「遅れモード」として、前回よりも延長された遅れ時間ΔT4(=ΔT3+1μsec)を設定するか、または「進みモード」として、前回よりも短縮された遅れ時間ΔT4(=ΔT3−1μsec)を設定する。
【0243】
さらに、Vrip3≒Vrip2(電圧リップル量がほぼ変化無し状態)の関係を満たせば、「安定モード」を保持し、前回と同じ遅れ時間ΔT4(=ΔT3)を設定する。
以下、インダクタ403(または、結合インダクタ1101)に充電されたエネルギーを放出する。
【0244】
また、前述と同様に、コントロール回路9Aは、このときのコンデンサ106の電圧リップルVrip4と、MOSFET402のオフタイミングの遅れ時間ΔT4とを記憶し、またモード判定として、「遅れモード」、「進みモード」、「安定モード」のいずれかを記憶する。
【0245】
以下、順次、カウンタ値nをインクリメントしてステップSnを繰り返し実行し、前々回および前回の各ステップS(n−2)、S(n−1)における電圧リップル量Vrip(n−2)、Vrip(n−1)と、前回設定された遅れ時間ΔT(n−1)および今回設定する遅れ時間をΔT(n)とを設定する。
【0246】
すなわち、遅れモードにおいて、Vrip(n−1)<Vrip(n−2)の関係を満たせば、「遅れモード」を保持して、前回よりも延長された遅れ時間ΔT(n)(=ΔT(n−1)+1μsec)を設定する。
【0247】
また、遅れモードにおいて、Vrip(n−1)>Vrip(n−2)の関係となれば、「進みモード」とし、前回よりも短縮された遅れ時間ΔT(n)(=ΔT(n−1)−1μsec)を設定する。
【0248】
さらに、遅れモードにおいて、Vrip(n−1)≒Vrip(n−2)の関係となれば、「安定モード」として、前回と同じ遅れ時間ΔT(n)(=ΔT(n−1))を設定する。
【0249】
また、このときのコンデンサ106の電圧リップルVrip(n)と、MOSFET402のオフタイミングの遅れ時間ΔT(n)とを記憶し、さらにモード判定として、「遅れモード」、「進みモード」、「安定モード」のいずれかを記憶し、安定モードにおけるコンデンサ106の電圧リップルをVrip0として記憶する。
【0250】
一方、進みモードにおいて、Vrip(n−1)<Vrip(n−2)の関係を満たせば、「進みモード」を保持して、前回よりも短縮された遅れ時間ΔT(n)(=ΔT(n−1−1μsec)を設定する。
【0251】
また、進みモードにおいて、Vrip(n−1)>Vrip(n−2)の関係となれば、「遅れモード」として、前回よりも延長された遅れ時間ΔT(n)(=ΔT(n−1+1μsec)を設定する。
【0252】
さらに、進みモードにおいて、Vrip(n−2)≒Vrip(n−1)の関係となれば、「安定モード」として、前回と同じ遅れ時間ΔT(n)(=ΔT(n−1))を設定する。
【0253】
また、このときのコンデンサ106の電圧リップルVrip(n)と、MOSFET402のオフタイミングの遅れ時間ΔT(n)とを記憶し、また、モード判定として、「遅れモード」、「進みモード」、「安定モード」のいずれかを記憶し、「安定モード」におけるコンデンサ106の電圧リップルをVrip0として記憶する。
【0254】
一方、安定モードにおいて、Vrip(n−1)<Vrip(n−2)の関係を満たせば、「安定モード」を保持して、前回と同じ遅れ時間ΔT(n)(=ΔT(n−1))を設定する。
【0255】
また、安定モードにおいて、Vrip(n−2)>Vrip(n−2)の関係となれば、「遅れモード」として、前回よりも延長された遅れ時間ΔT(n)(=ΔT(n−1)+1μsec)を設定するか、または「進みモード」として、前回よりも短縮された遅れ時間ΔT4(=ΔT3−1μsec)を設定する。
【0256】
さらに、安定モードにおいて、Vrip(n−1)≒Vrip(n−2)の関係を満たせば、「安定モード」を保持して、前回と同じ遅れ時間ΔT(n)(=ΔT(n−1))を設定する。
【0257】
また、前述と同様に、コントロール回路9Aは、このときのコンデンサ106の電圧リップルVrip(n)と、MOSFET402のオフタイミングの遅れ時間ΔT(n)とを記憶し、また、モード判定として、「遅れモード」、「進みモード」、「安定モード」のいずれかを記憶する。
以下、上記設定処理をスタートモード終了まで繰り返す。
【0258】
上記動作により、第1のバッテリ2から供給するピーク電流を低減して、リップル電流を抑制することができる。
【0259】
また、図21のように、MOSFET402がオフした瞬間にMOSFET401をオンさせ、MOSFET402がオンする直前にMOSFET401をオフさせることにより、さらに高効率に電力を伝達することができる。
【0260】
このとき、前述の通りMOSFET402のオン時間は簡単な逆算により生成可能であるが、この場合、放電タイミングが毎回変化するので、上記演算を実行する手段が必要となる。
【0261】
この演算処理は複雑であることから、一般的には、マイコンやDSPといった高機能な演算処理装置が必要となるが、モータ7の要求電流値に応じて各制御毎に最適な放電タイミングを求めることができるので、第1のバッテリ2のリップル電流を最も効果的に抑制することができる。
【0262】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、DC端子およびAC端子を有するDC/AC電力変換回路と、DC端子の電圧を平滑化するコンデンサと、DC端子に接続された第1のバッテリと、第1端子および第2端子を有し、第1端子がDC端子および第1のバッテリに接続されたDC/DCコンバータと、第2端子に接続された第2のバッテリと、DC/AC電力変換回路およびDC/DCコンバータを制御するコントロール回路とを備え、DC/DCコンバータは、第1端子に接続されたスイッチング素子を有し、スイッチング素子は、第1端子に一端が接続された第1のスイッチング素子と、第1のスイッチング素子に直列接続された第2のスイッチング素子とにより構成され、DC/DCコンバータは、第1および第2のスイッチング素子の接続点と第2のバッテリのハイ電圧側との間に接続されたインダクタを有し、第1のスイッチング素子の一端は、第1端子を介して第1のバッテリのハイ電圧側の配線に接続され、第2のスイッチング素子の一端は、第1および第2のバッテリのロウ電圧側の配線に接続され、コントロール回路は、スイッチング素子のオンオフを制御して、第1端子における第1のDC電圧をクランプするためのクランプ制御機能を含み、第1のDC電圧を第2端子における第2のDC電圧に降圧する電力変換装置において、DC/DCコンバータは、第1のバッテリの電流値を検出する電流センサを有し、コントロール回路は、DC/AC電力変換回路の停止タイミングに同期させて、第1のスイッチング素子をオンさせるとともに、電流センサにより検出される電流値が極小値になった時点で第1のスイッチングをオフさせるようにしたので、インダクタの有無にかかわらず、バッテリ内部インピーダンスによる発熱を抑制してバッテリ劣化や素子の耐圧破壊を防止するとともに、バッテリ配線から放射される電磁界ノイズを低減した電力変換装置が得られる効果がある。
【0271】
また、この発明によれば、DC端子およびAC端子を有するDC/AC電力変換回路と、DC端子の電圧を平滑化するコンデンサと、DC端子に接続された第1のバッテリと、第1端子および第2端子を有し、第1端子がDC端子および第1のバッテリに接続されたDC/DCコンバータと、第2端子に接続された第2のバッテリと、DC/AC電力変換回路およびDC/DCコンバータを制御するコントロール回路とを備え、DC/DCコンバータは、第1端子に接続されたスイッチング素子を有し、スイッチング素子は、第1端子に一端が接続された第1のスイッチング素子と、第1のスイッチング素子に直列接続された第2のスイッチング素子とにより構成され、DC/DCコンバータは、第1および第2のスイッチング素子の接続点と第2のバッテリのハイ電圧側との間に接続されたインダクタを有し、第1のスイッチング素子の一端は、第1端子を介して第1のバッテリのハイ電圧側の配線に接続され、第2のスイッチング素子の一端は、第1および第2のバッテリのロウ電圧側の配線に接続され、コントロール回路は、スイッチング素子のオンオフを制御して、第1端子における第1のDC電圧をクランプするためのクランプ制御機能を含み、第1のDC電圧を第2端子における第2のDC電圧に降圧する電力変換装置において、DC/DCコンバータは、コントロール回路により制御されるクランプ制御回路を有し、クランプ制御回路は、コンデンサのDC電圧値を検出する電圧検出手段を含み、DC電圧値が設定電圧値以上になった時点で第2のスイッチング素子をオンさせるとともに、第2のスイッチング素子のオン時における抵抗値をDC電圧値に応じて調節し、コントロール回路のクランプ制御機能は、DC/AC電力変換回路の停止タイミングに同期させて第1のDC電圧をクランプするようにしたので、バッテリ内部インピーダンスによる発熱を抑制してバッテリ劣化や素子の耐圧破壊を確実に防止した電力変換装置が得られる効果がある。
【0272】
また、この発明によれば、DC端子およびAC端子を有するDC/AC電力変換回路と、DC端子の電圧を平滑化するコンデンサと、DC端子に接続された第1のバッテリと、第1端子および第2端子を有し、第1端子がDC端子および第1のバッテリに接続されたDC/DCコンバータと、第2端子に接続された第2のバッテリと、DC/AC電力変換回路およびDC/DCコンバータを制御するコントロール回路とを備え、DC/DCコンバータは、第1端子に接続されたスイッチング素子を有し、スイッチング素子は、第1端子に一端が接続された第1のスイッチング素子と、第1のスイッチング素子に直列接続された第2のスイッチング素子とにより構成され、DC/DCコンバータは、第1および第2のスイッチング素子の接続点と第2のバッテリのハイ電圧側との間に接続されたインダクタを有し、第1のスイッチング素子の一端は、第1端子を介して第1のバッテリのハイ電圧側の配線に接続され、第2のスイッチング素子の一端は、第1および第2のバッテリのロウ電圧側の配線に接続され、コントロール回路は、スイッチング素子のオンオフを制御して、第1端子における第1のDC電圧をクランプするためのクランプ制御機能を含み、第1のDC電圧を第2端子における第2のDC電圧に降圧する電力変換装置において、DC/DCコンバータは、コントロール回路により制御されるクランプ制御回路を有し、クランプ制御回路は、第1のスイッチング素子に関連した第1のクランプ制御回路と、第2のスイッチング素子に関連した第2のクランプ制御回路とにより構成され、第1および第2のクランプ制御回路は、コンデンサのDC電圧値を検出する電圧検出手段を含み、第1のクランプ制御回路は、DC電圧値が設定電圧値以上になった時点で第1のスイッチング素子をオンさせるとともに、第1のスイッチング素子のオン時における抵抗値をDC電圧値に応じて調節し、第2のクランプ制御回路は、DC電圧値が設定電圧値以上になった時点で第2のスイッチング素子をオンさせるとともに、第2のスイッチング素子のオン時における抵抗値をDC電圧値に応じて調節し、コントロール回路のクランプ制御機能は、DC/AC電力変換回路の停止タイミングに同期させて第1のDC電圧をクランプするようにしたので、サージエネルギーによるコンデンサ電圧の跳ね上がりを所望電圧にクランプすることができ、バッテリ内部インピーダンスによる発熱を抑制してバッテリ劣化や素子の耐圧破壊をさらに確実に防止した電力変換装置が得られる効果がある。
【0273】
また、この発明によれば、DC端子およびAC端子を有するDC/AC電力変換回路と、DC端子の電圧を平滑化するコンデンサと、DC端子に接続された第1のバッテリと、DC/AC電力変換回路を制御するコントロール回路とを備え、DC/AC電力変換回路は、2つのスイッチング素子の直列回路からなるアームが複数個並列接続されて構成され、複数個のアームを構成する各2つのスイッチング素子の接続点は、DC/AC電力変換回路の出力線に接続され、各アームのハイ電圧側の一端は、第1のバッテリのハイ電圧側の配線に接続され、各アームのロウ電圧側の一端は、第1のバッテリのロウ電圧側の配線に接続された電力変換装置において、DC/AC電力変換回路は、コントロール回路により制御されるクランプ制御回路を有し、クランプ制御回路は、複数個のアームの少なくとも1つを構成する2つのスイッチング素子の少なくとも一方のオンオフを制御するとともに、コンデンサの電圧値またはクランプ制御回路が配置された側のスイッチング素子の電圧値を検出する電圧検出手段を含み、DC/AC電力変換回路の停止タイミングに同期させて、各アーム内のクランプ制御回路が配置されていない側のスイッチング素子をオンさせるとともに、電圧値が設定電圧以上になった時点で、クランプ制御回路が配置された側のスイッチング素子をオンさせ、各スイッチング素子のオン時の抵抗値を電圧値に応じて調節するようにしたので、DC/DCコンバータの有無にかかわらず、サージエネルギーによるコンデンサ電圧の跳ね上がりを所望電圧にクランプすることができ、バッテリ内部インピーダンスによる発熱を抑制してバッテリ劣化や素子の耐圧破壊を防止するとともに、バッテリ配線から放射される電磁界ノイズを低減した電力変換装置が得られる効果がある。
【0274】
また、この発明によれば、DC端子およびAC端子を有するDC/AC電力変換回路と、DC端子の電圧を平滑化するコンデンサと、DC端子に接続された第1のバッテリと、第1端子および第2端子を有し、第1端子がDC端子および第1のバッテリに接続されたDC/DCコンバータと、第2端子に接続された第2のバッテリと、DC/AC電力変換回路を制御するコントロール回路とを備え、DC/DCコンバータは、第1端子における第1のDC電圧を第2端子における第2のDC電圧に降圧するとともに、DC/AC電力変換回路の入力電流周期に同期させて、第2のDC電圧を第1のDC電圧に昇圧する電力変換装置において、コントロール回路は、DC/AC電力変換回路の入力電流が低い状態から高い状態に移行するタイミングに合わせて、第2のスイッチング素子のオフタイミングを設定するようにしたので、DC/AC電力変換回路の動作時に発生する第1のバッテリおよびコンデンサの電流リップル成分を抑制することができ、バッテリ内部インピーダンスによる発熱を抑制してバッテリ劣化や素子の耐圧破壊を防止するとともに、コンデンサ容量を低く設定することのできる電力変換装置が得られる効果がある。
【0277】
また、この発明によれば、DC端子およびAC端子を有するDC/AC電力変換回路と、DC端子の電圧を平滑化するコンデンサと、DC端子に接続された第1のバッテリと、第1端子および第2端子を有し、第1端子がDC端子および第1のバッテリに接続されたDC/DCコンバータと、第2端子に接続された第2のバッテリと、DC/AC電力変換回路を制御するコントロール回路とを備え、DC/DCコンバータは、第1端子における第1のDC電圧を第2端子における第2のDC電圧に降圧するとともに、DC/AC電力変換回路の入力電流周期に同期させて、第2のDC電圧を第1のDC電圧に昇圧する電力変換装置において、コントロール回路は、DC/AC電力変換回路の入力電流が低い状態から高い状態に移行するタイミングよりも遅らせて、第2のスイッチング素子のオフタイミングを設定するようにしたので、DC/AC電力変換回路の動作時に発生する第1のバッテリおよびコンデンサの電流リップル成分を抑制することができ、バッテリ内部インピーダンスによる発熱を抑制してバッテリ劣化や素子の耐圧破壊を防止するとともに、コン
【0278】
また、この発明によれば、コンデンサの電圧値を検出する電圧検出手段を備え、コントロール回路は、電圧値に応じて第2のスイッチング素子のオフタイミングを設定するようにしたので、DC/AC電力変換回路の動作時に発生する第1のバッテリおよびコンデンサの電流リップル成分を抑制することができ、バッテリ内部インピーダンスによる発熱を抑制してバッテリ劣化や素子の耐圧破壊を防止するとともに、コンデンサ容量を低く設定することのできる電力変換装置が得られる効果がある。
【0279】
また、この発明によれば、コントロール回路は、電圧値としてコンデンサの電圧リップル量を記憶し、電圧リップル量の変化状態に応じて、第2のスイッチング素子に対する今回のオフタイミングを設定するようにしたので、DC/AC電力変換回路の動作時に発生する第1のバッテリおよびコンデンサの電流リップル成分を抑制することができ、バッテリ内部インピーダンスによる発熱を抑制してバッテリ劣化や素子の耐圧破壊を防止するとともに、コンデンサ容量を低く設定することのできる電力変換装置が得られる効果がある。
【0280】
また、この発明によれば、コントロール回路は、第2のスイッチング素子のオフ時に、第1のスイッチング素子をオンさせるようにしたので、制御を簡略化した電力変換装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に関連した電力変換装置を示すブロック構成図である。
【図2】 一般的なバッテリ・コンデンサ間のインダクタンスとバッテリ電流リップルとの関係を示す説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態1を示すブロック構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態1によるDC/DCコンバータの具体的構成例を示す回路図である。
【図5】 この発明の実施の形態1による動作を示すタイミングチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態2によるDC/DCコンバータの具体的構成例を示す回路図である。
【図7】 この発明の実施の形態2によるアクティブクランプ回路の具体的構成例を示す回路図である。
【図8】 この発明の実施の形態2による動作を示すタイミングチャートである。
【図9】 この発明の実施の形態3によるDC/DCコンバータの具体的構成例を示す回路図である。
【図10】 この発明の実施の形態3によるアクティブクランプ回路の具体的構成例を示す回路図である。
【図11】 この発明の実施の形態3による動作を示すタイミングチャートである。
【図12】 この発明の実施の形態4によるDC/AC電力変換回路の具体的構成例を示す回路図である。
【図13】 この発明の実施の形態4によるアクティブクランプ回路の具体的構成例を示す回路図である。
【図14】 この発明に関連した参考例1を示すブロック構成図である。
【図15】 この発明に関連した参考例2によるDC/DCコンバータの要部を示す回路図である。
【図16】 この発明の実施の形態5による動作を示すタイミングチャートである。
【図17】 この発明の実施の形態6による動作を示すタイミングチャートである。
【図18】 この発明の実施の形態6による他の動作例を示すタイミングチャートである。
【図19】 この発明の実施の形態7による動作を示すタイミングチャートである。
【図20】 この発明の実施の形態7による動作を示すフローチャートである。
【図21】 この発明の実施の形態7による他の動作例を示すタイミングチャートである。
【図22】 従来の電力変換装置を示すブロック構成図である。
【図23】 従来の電力変換装置に用いられるDC/AC電力変換回路の具体的構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
2 第1のバッテリ、3 第2のバッテリ、4、4A、4B、4C、4E、4F DC/DCコンバータ、5、5D DC/AC電力変換回路、9、9A〜9F コントロール回路、50a、50c、50e MOSFET(ハイアーム側のスイッチング素子)、50b、50d、50f MOSFET(ロウアーム側のスイッチング素子)、101、101A、101E 電力変換装置、106 コンデンサ、110 第1のインダクタ、111 電圧クランプ素子、401 MOSFET(第1のスイッチング素子)、402 MOSFET(第2のスイッチング素子)、403 第2のインダクタ、404 電流センサ、417、429、500a アクティブクランプ回路、418 第1のコモン電位、4172、4292、502a ツェナーダイオード(電圧検出手段)、420 第2のコモン電位、1101 結合インダクタ、1102 双方向スイッチ、Vrip、Vrip1〜Vrip5 電圧リップル量、ΔT1〜ΔT5 遅れ時間(オフタイミング)。

Claims (9)

  1. DC端子およびAC端子を有するDC/AC電力変換回路と、
    前記DC端子の電圧を平滑化するコンデンサと、
    前記DC端子に接続された第1のバッテリと、
    第1端子および第2端子を有し、前記第1端子が前記DC端子および前記第1のバッテリに接続されたDC/DCコンバータと、
    前記第2端子に接続された第2のバッテリと、
    前記DC/AC電力変換回路および前記DC/DCコンバータを制御するコントロール回路とを備え、
    前記DC/DCコンバータは、前記第1端子に接続されたスイッチング素子を有し、
    前記スイッチング素子は、
    前記第1端子に一端が接続された第1のスイッチング素子と、
    前記第1のスイッチング素子に直列接続された第2のスイッチング素子とにより構成され、
    前記DC/DCコンバータは、前記第1および第2のスイッチング素子の接続点と前記第2のバッテリのハイ電圧側との間に接続されたインダクタを有し、
    前記第1のスイッチング素子の一端は、前記第1端子を介して前記第1のバッテリのハイ電圧側の配線に接続され、
    前記第2のスイッチング素子の一端は、前記第1および第2のバッテリのロウ電圧側の配線に接続され、
    前記コントロール回路は、
    前記スイッチング素子のオンオフを制御して、前記第1端子における第1のDC電圧をクランプするためのクランプ制御機能を含み、
    前記第1のDC電圧を前記第2端子における第2のDC電圧に降圧する電力変換装置において、
    前記DC/DCコンバータは、前記第1のバッテリの電流値を検出する電流センサを有し、
    前記コントロール回路は、
    前記DC/AC電力変換回路の停止タイミングに同期させて、前記第1のスイッチング素子をオンさせるとともに、前記電流センサにより検出される電流値が極小値になった時点で前記第1のスイッチングをオフさせることを特徴とする電力変換装置。
  2. DC端子およびAC端子を有するDC/AC電力変換回路と、
    前記DC端子の電圧を平滑化するコンデンサと、
    前記DC端子に接続された第1のバッテリと、
    第1端子および第2端子を有し、前記第1端子が前記DC端子および前記第1のバッテリに接続されたDC/DCコンバータと、
    前記第2端子に接続された第2のバッテリと、
    前記DC/AC電力変換回路および前記DC/DCコンバータを制御するコントロール回路とを備え、
    前記DC/DCコンバータは、前記第1端子に接続されたスイッチング素子を有し、
    前記スイッチング素子は、
    前記第1端子に一端が接続された第1のスイッチング素子と、
    前記第1のスイッチング素子に直列接続された第2のスイッチング素子とにより構成され、
    前記DC/DCコンバータは、前記第1および第2のスイッチング素子の接続点と前記第2のバッテリのハイ電圧側との間に接続されたインダクタを有し、
    前記第1のスイッチング素子の一端は、前記第1端子を介して前記第1のバッテリのハイ電圧側の配線に接続され、
    前記第2のスイッチング素子の一端は、前記第1および第2のバッテリのロウ電圧側の配線に接続され、
    前記コントロール回路は、
    前記スイッチング素子のオンオフを制御して、前記第1端子における第1のDC電圧をクランプするためのクランプ制御機能を含み、
    前記第1のDC電圧を前記第2端子における第2のDC電圧に降圧する電力変換装置において、
    前記DC/DCコンバータは、前記コントロール回路により制御されるクランプ制御回路を有し、
    前記クランプ制御回路は、
    前記コンデンサのDC電圧値を検出する電圧検出手段を含み、
    前記DC電圧値が設定電圧値以上になった時点で前記第2のスイッチング素子をオンさせるとともに、前記第2のスイッチング素子のオン時における抵抗値を前記DC電圧値に応じて調節し、
    前記コントロール回路のクランプ制御機能は、前記DC/AC電力変換回路の停止タイミングに同期させて前記第1のDC電圧をクランプすることを特徴とする電力変換装置。
  3. DC端子およびAC端子を有するDC/AC電力変換回路と、
    前記DC端子の電圧を平滑化するコンデンサと、
    前記DC端子に接続された第1のバッテリと、
    第1端子および第2端子を有し、前記第1端子が前記DC端子および前記第1のバッテリに接続されたDC/DCコンバータと、
    前記第2端子に接続された第2のバッテリと、
    前記DC/AC電力変換回路および前記DC/DCコンバータを制御するコントロール回路とを備え、
    前記DC/DCコンバータは、前記第1端子に接続されたスイッチング素子を有し、
    前記スイッチング素子は、
    前記第1端子に一端が接続された第1のスイッチング素子と、
    前記第1のスイッチング素子に直列接続された第2のスイッチング素子とにより構成され、
    前記DC/DCコンバータは、前記第1および第2のスイッチング素子の接続点と前記第2のバッテリのハイ電圧側との間に接続されたインダクタを有し、
    前記第1のスイッチング素子の一端は、前記第1端子を介して前記第1のバッテリのハイ電圧側の配線に接続され、
    前記第2のスイッチング素子の一端は、前記第1および第2のバッテリのロウ電圧側の配線に接続され、
    前記コントロール回路は、
    前記スイッチング素子のオンオフを制御して、前記第1端子における第1のDC電圧をクランプするためのクランプ制御機能を含み、
    前記第1のDC電圧を前記第2端子における第2のDC電圧に降圧する電力変換装置において、
    前記DC/DCコンバータは、前記コントロール回路により制御されるクランプ制御回路を有し、
    前記クランプ制御回路は、
    前記第1のスイッチング素子に関連した第1のクランプ制御回路と、
    前記第2のスイッチング素子に関連した第2のクランプ制御回路とにより構成され、
    前記第1および第2のクランプ制御回路は、
    前記コンデンサのDC電圧値を検出する電圧検出手段を含み、
    前記第1のクランプ制御回路は、前記DC電圧値が設定電圧値以上になった時点で前記第1のスイッチング素子をオンさせるとともに、前記第1のスイッチング素子のオン時における抵抗値を前記DC電圧値に応じて調節し、
    前記第2のクランプ制御回路は、前記DC電圧値が前記設定電圧値以上になった時点で前記第2のスイッチング素子をオンさせるとともに、前記第2のスイッチング素子のオン時における抵抗値を前記DC電圧値に応じて調節し、
    前記コントロール回路のクランプ制御機能は、前記DC/AC電力変換回路の停止タイミングに同期させて前記第1のDC電圧をクランプすることを特徴とする電力変換装置。
  4. DC端子およびAC端子を有するDC/AC電力変換回路と、
    前記DC端子の電圧を平滑化するコンデンサと、
    前記DC端子に接続された第1のバッテリと、
    前記DC/AC電力変換回路を制御するコントロール回路とを備え、
    前記DC/AC電力変換回路は、2つのスイッチング素子の直列回路からなるアームが複数個並列接続されて構成され、
    前記複数個のアームを構成する各2つのスイッチング素子の接続点は、前記DC/AC電力変換回路の出力線に接続され、
    前記各アームのハイ電圧側の一端は、前記第1のバッテリのハイ電圧側の配線に接続され、
    前記各アームのロウ電圧側の一端は、前記第1のバッテリのロウ電圧側の配線に接続された電力変換装置において、
    前記DC/AC電力変換回路は、前記コントロール回路により制御されるクランプ制御回路を有し、
    前記クランプ制御回路は、
    前記複数個のアームの少なくとも1つを構成する2つのスイッチング素子の少なくとも一方のオンオフを制御するとともに、
    前記コンデンサの電圧値または前記クランプ制御回路が配置された側のスイッチング素子の電圧値を検出する電圧検出手段を含み、
    前記DC/AC電力変換回路の停止タイミングに同期させて、前記各アーム内の前記クランプ制御回路が配置されていない側のスイッチング素子をオンさせるとともに、
    前記電圧値が設定電圧以上になった時点で、前記クランプ制御回路が配置された側のスイッチング素子をオンさせ、
    前記各スイッチング素子のオン時の抵抗値を前記電圧値に応じて調節することを特徴とする電力変換装置。
  5. DC端子およびAC端子を有するDC/AC電力変換回路と、
    前記DC端子の電圧を平滑化するコンデンサと、
    前記DC端子に接続された第1のバッテリと、
    第1端子および第2端子を有し、前記第1端子が前記DC端子および前記第1のバッテリに接続されたDC/DCコンバータと、
    前記第2端子に接続された第2のバッテリと、
    前記DC/AC電力変換回路を制御するコントロール回路とを備え、
    前記DC/DCコンバータは、
    前記第1端子における第1のDC電圧を前記第2端子における第2のDC電圧に降圧するとともに、
    前記DC/AC電力変換回路の入力電流周期に同期させて、前記第2のDC電圧を前記第1のDC電圧に昇圧する電力変換装置において、
    前記コントロール回路は、
    前記DC/AC電力変換回路の入力電流が低い状態から高い状態に移行するタイミングに合わせて、前記第2のスイッチング素子のオフタイミングを設定することを特徴とする電力変換装置。
  6. DC端子およびAC端子を有するDC/AC電力変換回路と、
    前記DC端子の電圧を平滑化するコンデンサと、
    前記DC端子に接続された第1のバッテリと、
    第1端子および第2端子を有し、前記第1端子が前記DC端子および前記第1のバッテリに接続されたDC/DCコンバータと、
    前記第2端子に接続された第2のバッテリと、
    前記DC/AC電力変換回路を制御するコントロール回路とを備え、
    前記DC/DCコンバータは、
    前記第1端子における第1のDC電圧を前記第2端子における第2のDC電圧に降圧するとともに、
    前記DC/AC電力変換回路の入力電流周期に同期させて、前記第2のDC電圧を前記第1のDC電圧に昇圧する電力変換装置において、
    前記コントロール回路は、
    前記DC/AC電力変換回路の入力電流が低い状態から高い状態に移行するタイミングよりも遅らせて、前記第2のスイッチング素子のオフタイミングを設定することを特徴とする電力変換装置。
  7. 前記コンデンサの電圧値を検出する電圧検出手段を備え、
    前記コントロール回路は、前記電圧値に応じて前記第2のスイッチング素子のオフタイミングを設定することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の電力変換装置。
  8. 前記コントロール回路は、
    前記電圧値として前記コンデンサの電圧リップル量を記憶し、
    前記電圧リップル量の変化状態に応じて、前記第2のスイッチング素子に対する今回のオフタイミングを設定することを特徴とする請求項7に記載の電力変換装置。
  9. 前記コントロール回路は、前記第2のスイッチング素子のオフ時に、前記第1のスイッチング素子をオンさせることを特徴とする請求項5から請求項9までのいずれか1項に記載の電力変換装置。
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