JP4036748B2 - グルコンアセトバクター種由来の細胞外多糖 - Google Patents
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Description
(発明の分野)
本発明は、細胞外多糖、特にキサンタン様多糖、及び様々な食品でのその使用、又は食品やペットフード製品の調製のためのその使用に関する。本発明は、このような多糖を産生するグルコンアセトバクター種(Gluconacetobacter spp.)菌株にも関する。
【0002】
(発明の背景)
微生物細胞外多糖は、多様な異種の細菌によって環境中に分泌される長鎖の高分子量ポリマーである。このような微生物ポリマー、特にキサンタンは、増粘剤、ゲル化剤、食感付与(texturising)剤、懸濁剤、及びカプセル封入(encapsulating)剤として食品工業で広く使用されている(Griffin、A.M.等、(1996b)FEMS Microbiol.Lett.137:115〜121;J.Lederberg編、Enzyclopedia of microbiology、Academic Press、Inc.、San Diego、Calif.中のSutherland、I.W.及びTait、M.I.(1992)Bipolymers)。
【0003】
バクテリアによって分泌される多くの細胞外多糖は、複雑な化学的繰り返し単位で構成される規則的な構造をしている。この繰り返し単位は、多様な形式で連結される幾つかの異なる糖を含むことができ、その構造は枝分かれしたものでも、多重に枝分かれしたもの(multibranched)でもよい。
【0004】
セルロースの産生能力は、Gluconacetobacter xylinus(かつてのAcetobacter xylinum又はAcetobacter xylinus)菌株に帰せられていた。また、広範に使用されている多糖のキサンタンに類似し、グルコース、マンノース、グルクロン酸、及びラムノースを4:1:1:1のモル比で含む複雑な酸性の細胞外多糖「アセタン」(acetan)を、幾つかの菌株は産生することができる。アセタンはセルロース主鎖からなり、その主鎖に五糖の分枝が2つのグルコース残基ごとに結合している(図2)。
【0005】
他のGluconacetobacter xylinus菌株は、異なる多糖を産生することが示された。すなわち、A.xylinus B42はセルロースとアセタンの両方を分泌し(Petroni等、(1996)Cell Mol Biol.、42(5):759〜67)、A.xylinus B42の変異体CR1/4はアセタンよりも短い側鎖を有する多糖を分泌し(Colquhoun等、(1995)Carbohydr Res.、269(2):319〜31)、G.xylinus NCI 1005はサッカロース上で増殖するときにβ2→6−フルクタン(レバン)を分泌し(Tajima、K.等、(1997)Macromol.Symp.120、19〜28)、一方、同じG.xylinus NCI 1005はグルコース上で増殖するときにはアセタンを分泌する(Tayama、K.等、(1986)Agric.Biol.Chem.50 1271〜1278)。
【0006】
また、細胞外多糖の機能的諸特性がその1次構造で決まることが一般に知られている。したがって、食品工業用に魅力的な特性を発揮する細胞外多糖の新規構造を提供できれば興味深い。
【0007】
(発明の概要)
したがって、本発明の第1の態様は、4−β及び6−β結合を含む非セルロース主鎖を有し、全く又はほとんどアセチル化されていず、繰り返し単位当たり少なくとも1本の側鎖を有するキサンタン様構造をした細菌細胞外多糖を提供することを目的とする。このような多糖は、寄託番号CNCM I−2281の菌株Gluconacetobacter種により得ることができる。
【0008】
好ましい一実施形態では、非セルロース主鎖は、以下の構造、すなわち、{[→4)−β−D−Glc−(1→4)−β−D−Glc−(1→]m→6)−β−D−Glc−(1→4)−β−D−Glc−(1→}n(式中、mは1〜10の整数であり、nは繰り返し単位数を規定する別の整数である)の繰り返し単位を含むことができる。
【0009】
側鎖は、同一でも異なっていてもよく、例えば、αL−Rha(1→6)−βD−Glc−(1→6)−αD−Glc−(1→4)−βD−GlcA−(1→2)−αD−Man、βD−Glc−(1→6)−αD−Glc−(1→4)−βD−GlcA−(1→2)−αD−Man、αD−Glc−(1→4)−βD−GlcA−(1→2)−αD−Man、βD−GlcA−(1→2)−αD−Man、αD−Man、αL−Rha(1→6)−βD−Glc−(1→6)−αD−Glc−(1→4)−βD−GlcA、βD−Glc−(1→6)−αD−Glc−(1→4)−βD−GlcA、αD−Glc−(1→4)−βD−GlcA、βD−GlcA、αL−Rha(1→6)−βD−Glc−(1→6)−αD−Glc、βD−Glc−(1→6)−αD−Glc、αD−Glc、αL−Rha(1→6)−βD−Glc、αL−Rha、βD−Glc、又はこれらの誘導体とすることができる。
【0010】
アセチル化は、サイト当たり0.8未満、好ましくはサイト当たり0.5未満とすることができる。多糖のアセチル化可能なサイトは、側鎖のマンノース又は主鎖のグルコースであり得る。
【0011】
好ましい一実施形態では、多糖は繰り返し単位当たり少なくとも2本の異なる側鎖を有し、このうち少なくとも1本はアセタン側鎖又はアセタン側鎖の変異体に等しく、1本は異なる。
【0012】
別の一実施形態では、多糖は繰り返し単位当たり3本の異なる側鎖を有し、このうち2本は通常のアセタン側鎖に等しく、1本は異なる。
【0013】
最も好ましい一実施形態では、多糖はグルコンアセタン(gluconacetan)であり、図1に示す構造を有する。
【0014】
これは、寄託番号CNCM I−2281の菌株Gluconacetobacter種によって得ることができる。
【0015】
別の態様では、本発明は、上述のような多糖を多量に産生し、セルロースを少量しか又は全く産生しない特徴をもつ、単離され精製されたGluconacetobacter菌株を提供して、様々な分野、特に食品やペットフード製品の調製へのその応用、又は食品やペットフード製品へのその混入を可能にすることを目的とする。
【0016】
Gluconacetobacter菌株は、寄託番号がCNCM I−2281のGluconacetobacter種である。
【0017】
さらに別の一態様では、本発明は、様々な食品やペットフード製品での、或いは様々な食品やペットフード製品を調製するためのこのような多糖及び/又は前記菌株の使用に関する。本発明による多糖は、様々な食品やペットフード製品中の風味・香味レベルを高めるラムノースを単離するための中間生成物としても使用することができる。
【0018】
本発明は、食品やペットフード製品、少なくとも上述の多糖及び/又は上述の細菌菌株を含む組成物にも関する。
【0019】
最後の一態様では、本発明は、本発明によるGluconacetobacter種菌株を用いて最適なバイオマス濃度及び多糖濃度を有利に制御できる発酵方法であって、このGluconacetobacter種菌株が、塩と炭素源としてバイオマス産生用炭素源S1と多糖産生用炭素源S2の2つの異なる基質S1及びS2とを含有する増殖培地中で撹拌下に維持される発酵方法に関する。
【0020】
(発明の詳細な説明)
以下の説明において、以下の略語を使用した。すなわち、CCDD、グリコシド結合を測定するための交差相関(cross−correlated)双極子−双極子NMR核磁気共鳴実験;Galp、ガラクトピラノース;GlcpA、グルクロン酸ピラノース;Glcp、グルコピラノース;HMBC、異核多重結合相関(heteronuclear multiple−bond correlation);HPLC、高速液体クロマトグラフィー;PEP−HSQC、異核単一量子コヒーレンス(heteronuclear single−quantum coherence)における等価経路(equivalent pathways)の保存;NMR、核磁気共鳴;NOESY、核オーバーハウザー効果分光法;Rha、ラムノース;TOCSY、全相関分光法;TPPI、時間比例位相増分(time proportional phase increments)である。
【0021】
第1の態様によれば、4−β及び6−β結合を含む非セルロース主鎖を有し、全く又はほとんどアセチル化されていず、繰り返し単位当たり少なくとも1本の側鎖を有するキサンタン様構造の細菌多糖が関係する。このような多糖は、寄託番号CNCM I−2281の菌株Gluconacetobacter種により得ることができる。
【0022】
非セルロース主鎖は、以下の構造、すなわち、{[→4)−β−D−Glc−(1→4)−β−D−Glc−(1→]m→6)−β−D−Glc−(1→4)−β−D−Glc−(1→}n(式中、mは1〜10の整数、好ましくは2であり、nは繰り返し単位数を規定する別の整数である)の繰り返し単位を有することができる。
【0023】
側鎖は、同一でも異なっていてもよく、例えば、αL−Rha(1→6)−βD−Glc−(1→6)−αD−Glc−(1→4)−βD−GlcA−(1→2)−αD−Man、βD−Glc−(1→6)−αD−Glc−(1→4)−βD−GlcA−(1→2)−αD−Man、αD−Glc−(1→4)−βD−GlcA−(1→2)−αD−Man、βD−GlcA−(1→2)−αD−Man、αD−Man、αL−Rha(1→6)−βD−Glc−(1→6)−αD−Glc−(1→4)−βD−GlcA、βD−Glc−(1→6)−αD−Glc−(1→4)−βD−GlcA、αD−Glc−(1→4)−βD−GlcA、βD−GlcA、αL−Rha(1→6)−βD−Glc−(1→6)−αD−Glc、βD−Glc−(1→6)−αD−Glc、αD−Glc、αL−Rha(1→6)−βD−Glc、αL−Rha、βD−Glc、又はこれらの誘導体とすることができる。
【0024】
アセチル化は、サイト当たり0.8未満、好ましくはサイト当たり0.5未満とすることができる。多糖のアセチル化可能なサイトは、側鎖のマンノース又は主鎖のグルコースであり得る。
【0025】
好ましい一実施形態では、多糖は繰り返し単位当たり少なくとも2本の異なる側鎖を有し、このうち少なくとも1本は通常のアセタン側鎖又はアセタン側鎖の変異体に等しく、1本は異なる。
【0026】
別の好ましい一実施形態では、本発明による多糖は、繰り返し単位当たり3本の異なる側鎖を有し、細菌多糖としては異常な性質を有する。この側鎖のうち2本は通常のアセタン又はアセタン側鎖の変異体とすることができ、1本は異なってもよい。
【0027】
最も好ましい一実施形態では、多糖は、図1に示す1次構造を有するグルコンアセタンである。この多糖は、寄託番号CNCM I−2281の菌株Gluconacetobacter種によって得ることができる。
【0028】
アセタン及びキサンタンとは異なり、主鎖残基はβ1→6結合を含むことが見出された。このことは、線状セルロースのβ1→4結合と比較して、主鎖のコンホメーションに重大な変化をもたらす。実際、アセタン及びキサンタンのレオロジー特性は、その三次元構造においてヘリックスの形成をもたらす多糖主鎖のセルロースの性質によって支配されていると仮定されてきた(Kirby、A.R等、(1995)Microscopy.Biophys.J.68、360〜363)。したがって、主鎖の形状が異なると、測定される多糖のこの特性がかなり異なってくる。
【0029】
さらに、2本の異なる側鎖のパッキングが、多糖の巨視的なレオロジー特性に直接影響を及ぼすことがある。アセタンとのもう1つの重要な相違は、検出可能なアセチル化がないことであろう。
【0030】
異なる側鎖が存在することで分子相互作用が増加することもある。例えば、側鎖の鎖長がレオロジー特性に影響することも知られている。実際、化学的突然変異生成から得られるGluconacetobacter変異体により産生される側鎖糖残基がないアセタン構造の変異体で、側鎖の鎖長が減少すると溶液粘度が増加することが示された(Ridout、M.J.等、(1994)Int.J.Biol.Macromol.、16、6、324〜330)。本発明による多糖は、側鎖の糖残基がない構造をもつこともある。したがって、本発明は、少なくとも1本の側鎖が少なくとも1個の残基から削除された多糖にも関する。
【0031】
この多糖の溶液のレオロジー特性を測定し、食品工業において使用されている現在主要な食感付与剤の1つであるアセタン及びキサンタンと比較した(実施例参照)。この多糖は、これらとは異なる特性を示し、構造の点でアセチル化及び非セルロース主鎖の欠如した構造に帰せられる可能性が最も高いことがわかった。
【0032】
この多糖のレオロジー挙動は、低濃度でキサンタンよりもほんのわずかせん断抵抗が低いが、せん断が高くなるとせん断抵抗はより高くなる。想定されるゲル化のメカニズムに関し、この多糖がアセタン及びキサンタンとは異なるタイプの分子間相互作用をするという結果になる可能性が高い。アセタンについて記載されている螺旋構造の形成及びヘリックス−コイル転移とは異なるはずである。さらに、重要な留意点は、その粘度が濃度0.01〜1MのNaClの影響をほとんど受けなかったことである。
【0033】
この多糖の構造を、大きな応力に対するその極めて高い抵抗性と考え併せると、側鎖の絡み合いが抵抗性及びゲル化特性(gellifying properties)のもとになっている可能性が高い。
【0034】
この多糖の、食品用細菌によるその産生とその好都合な食感付与特性からもたらされる食感付与食品添加剤としての潜在的可能性が、明確に実証された。
【0035】
別の態様によれば、4−β及び6−β結合を含む非セルロース主鎖を有し、全く又はほとんどアセチル化されていず、繰り返し単位当たり少なくとも1本の側鎖を有するキサンタン様構造の多糖を多量に産生し、セルロースを少量しか又は全く産生しないことを特徴とする単離され精製されたGluconacetobacter菌株が関係する。
【0036】
実際、G.xylinusの野生株は、アセタン単体を、しかも様々な構造のアセタンを産生することが示されているが、驚くべきことに、
− 4−β及び6−β結合を含む非セルロース主鎖を有し、
− 全く又はほとんどアセチル化されていず、
− 繰り返し単位当たり少なくとも1本の側鎖が存在する
細菌多糖が見出された。
【0037】
Gluconacetobacter菌株は、上述の特色を有する多糖を産生する。
【0038】
Gluconacetobacter菌株は、1999年8月6日にInstitut Pasteur、28 rue du Docteur Roux、F−75024 Paris cedex 15、FRANCEにCNCM I−2281の番号で寄託されたGluconacetobacter種菌株である。
【0039】
このGluconacetobacter菌株はリンゴ酒から単離される。G.xylinus CNCM I−2281菌株は、通常の条件下で、不溶性のセルロース及びモル比7.3:1.4:1:1のグルコース(Glc)、ラムノース(Rha)、マンノース(Man)及びグルクロン酸(GlcA)からなる高分子量、高溶解性、食感付与性ヘテロ多糖を産生する。増殖温度条件は15〜34℃であり、28℃の増殖温度が好ましい。激しく撹拌しながら、3〜4日の発酵期間中、pHを3.0〜7.0、好ましくは約4.0にすると、その後多糖が産生され、セルロースは産生されない(発酵の間、セルロースは検出されなかった)。CNCM I−2281により産生される多糖の構造を、化学分析法、質量分析法、核磁気共鳴スペクトル法で決定した。この菌株により産生される多糖の繰り返し単位を図1に示す。
【0040】
Gluconacetobacter種菌株が多糖を多量に産生し、セルロースを少量しか又は全く産生しないことから、様々な分野、特に食品やペットフード製品の調製にそれを応用すること、或いは食品やペットフード製品へそれを混入させることが可能になる。さらに、キサンタンを産生する非食品用植物病原菌Xanthomaonas campestrisとは異なり、Gluconacetobacterは病原性ではなく、アレルギー反応の誘発を示す報告もなかった。
【0041】
さらに別の一態様によれば、本発明は、様々な食品やペットフード製品への或いは様々な食品やペットフード製品を調製するための、このような多糖及び/又はこのような菌株の使用に関する。
【0042】
本発明による多糖は、自己濃化(self−thickened)酢の調製に使用することができ、サラダドレッシング、ソース、ケチャップ、マスタードなどの調製に適用した様々な例があることが好ましい。
【0043】
この多糖は、食物繊維分を含み食感の向上したケチャップに使用することができる「それだけで食感の良い」(self−textured)発酵トマトジュースなどの発酵フルーツ又は野菜ジュース、細胞外多糖を豊富に加えた乳飲料、発酵食品及び野菜(パープ(papes)/砂糖煮の果物、ジュース、アイスクリーム用調製食品など)の調製にも、(スープ及びソースなど)乾燥製品中の増粘剤として利用される、噴霧乾燥して得られる多糖含有粉体として使用することができる。
【0044】
本発明による多糖は、様々な食品の風味・香味レベルを高めることができるラムノースを単離するための中間生成物として使用することもできる。酸性pH及び高温で、ラムノースはフラネオール(furaneol)及び/又はチオフラネオール(thiofuraneol)の前駆体である。ラムノースを遊離するために、極めて温和な条件で、例えば、好ましくは約2〜4のpH及び約90℃の適度の加熱で、アミノ酸タンパク質及び/又はポリペプチド含有培地中、フラネオール及び/又はチオフラネオールを生成する、繰り返し単位当たり1個のラムノース残基を少なくとも遊離させるのに十分な時間、酵素反応又は酸加水分解によって単離された細胞外多糖を加水分解することができる。図8は、75℃、pH3.8での酵素/基質比0、5、25%のヘスペリニダーゼ(hesperinidase)(Amano、JP)を用いた酵素加水分解中の遊離ラムノースの放出を示している。
【0045】
本発明による多糖は、食品又はペットフード製品中に、約0.01%〜約5%、より好ましくは0.1%〜2%の量で含有させることができる。
【0046】
本発明による菌株は、食品又はペットフード製品中に、少なくとも1.106cfu/g、より好ましくは107〜108cfu/gの量を使用することができる。
【0047】
本発明は、食品、ペットフード製品、或いは上述の多糖及び/又は上述の細菌菌株を少なくとも含む組成物にも関する。
【0048】
最後の一態様によれば、本発明は、本発明によるGluconacetobacter種菌株を用いて最適なバイオマス濃度及び多糖濃度を有利に制御できる発酵方法であって、このGluconacetobacter種菌株が、塩及び炭素源としてバイオマス産生用炭素源S1と多糖産生用炭素源S2の2つの異なる基質S1及びS2を含有する増殖培地中で撹拌下に維持される発酵方法を提供する。
【0049】
好ましい一実施形態によれば、バイオマス産生用炭素源として使用される基質S1は、エタノール、アセテート、グリセロール、コハク酸、クエン酸、解糖及びトリカルボン酸サイクル(クレブスサイクル)の2個又は3個の炭素原子を含有する任意の有機酸及び中間体、及びこれらの基質の任意の混合物からなる群から選択される(S1と称する)。
【0050】
別の好ましい一実施形態によれば、アセタン産生用炭素源として使用される基質S2は、グルコース、フルクトース、サッカロース、又は任意の他の糖若しくは糖の混合物からなる群から選択される(S2と称する)。
【0051】
有利には、本発明による、バイオマス及び多糖を高濃度で得るための発酵方法においては、高濃度の基質S1及びS2を、増殖培地中、過剰の溶存酸素中に含有することができる。
【0052】
本発明による多糖の単離
スクロースとエタノールを含む規定の培地(Peters、H.U.等、(1989)Biotechnol.Bioeng、34、1393〜1397)上で増殖後、スクロースが消費されてから培地を採取し、遠心分離機にかけて(30分、5000rpm、4℃)細胞を取り出す。可溶性タンパク質を沈殿させるために、上澄み1リットル当たり250gのトリフルオロ酢酸を添加し、4℃で1時間撹拌した。遠心分離(30分、5000rpm、4℃)後、pHをNaOHペレットで中性に調節し、2容の氷冷エタノールを添加した。撹拌し4℃に冷却後、遠心分離にかけて(30分、5000rpm、4℃)沈殿した細胞外多糖を取り出した。沈殿を蒸留水中に溶解させ、2日間純水に対して透析し(分画分子量6000〜8000Da)、凍結乾燥させた。
【0053】
本発明による菌株の単離
Gluconacetobacter菌株を産生する細胞外多糖の選択的及び非選択的単離用の以下の培地が文献に記載されている。すなわち、RAE(Sokollek、S.J.及びHammes、W.P.(1997)Appl.Microbiol.20)、SH(Hestrin、S.及びSchramm、M.、(1954)Biochemical journal 58:345〜352)、及びAJYE(Passmore、S.M.及びCarr、J.G.、(1974)J.Appl.Bacteriol.38:151〜158)が単離に最も適している。これらの培地を使用して、発酵中の酢及び混濁した酢からGluconacetobacter属の菌株を単離した。静置培養では、この菌株は多量のセルロースと多糖を同時に産生した。振とう培養による研究から、これらの単離菌株のうちの2種類が本発明による多糖を優先的に産生することが明らかとなった。
【0054】
最適化されていない発酵条件のもとで、約1%の酢酸又はエタノールを補充したブロス中で、培養により8g/lを超える全多糖濃度が得られた。
【0055】
再現性の良い増殖曲線及び再現性の良い多糖産生が幾つかの実験で得られた。撹拌した液体培養物から収集し単離した菌株は、エタノール、酵母エキス、及びサッカロースを含有する培地の寒天板上で多量の多糖を産生する。食品基材中での細胞外多糖産生を最適にするために、選択した菌株をパイロット実験にかけた。
【0056】
多糖の生成は、栄養素の組成に左右された。多糖の産生速度は、培養ブロスにエタノールを添加すると増加した。グルコースと酵母エキスの比が高いと、細胞外多糖の生合成が促進され、細胞増殖が減少する。
【0057】
多糖産生の多い株の選択を、以下の非限定的な技法、すなわち
i)細菌細胞を除去するための培養上澄みの遠心分離、
ii)エタノール又はイソプロピルアルコール添加による細胞外多糖の沈殿、
iii)ろ過及びその後の真空乾燥による沈殿物の分離
を用いて培地中の細胞外多糖を測定することにより実施した。
【0058】
本発明のGluconacetobacter種菌株の好ましい増殖温度は15〜34℃であり、好ましくは28℃の増殖温度であり、pHは3.0〜7.0、好ましくは約4.0であり、3〜4日の発酵期間中激しく撹拌した。これにより、細胞外多糖を産生し、セルロースを産生させないことが可能になる(発酵の間セルロースは検出されなかった)。
【0059】
本発明による細菌菌株を用いたバイオマス及び細胞外多糖の産生を制御する発酵条件
増殖培地は、塩と炭素源としてバイオマス産生用炭素源S1及び細胞外多糖産生用炭素源S2の2つの異なる基質S1及びS2とを含有する。
【0060】
バイオマス産生用炭素源として使用される基質S1は、エタノール、アセテート、グリセロール、コハク酸、クエン酸、及びクレブスサイクル中に産生される解糖及びトリカルボン酸サイクルの2個又は3個の炭素原子を含有する任意の有機酸及び中間体、並びにこれらの基質の任意の混合物からなる群から選択される。
【0061】
細胞外多糖産生用炭素源として使用される基質S2は、グルコース、フルクトース、サッカロース、又は任意の他の糖若しくは糖の混合物からなる群から選択される。
【0062】
培地に含有される塩は、例えば、Peters等によるものである。撹拌条件下で、この菌株、並びに他の菌株(例えば、DSM 2004、DSM 6315、DSM 46604、NRLL B42)を用いると、大部分のバイオマスの生成はS1の消費中に起こり、一方、細胞外多糖は続いて糖S2の消費中に産生されることが判明した。したがって、最終バイオマス濃度は初期のS1濃度によって主に決まり、最終細胞外多糖濃度は初期のS2濃度によって主に決まり、最大50g/Lの値に達することがあり、セルロースは検出されなかった。高濃度のバイオマス及び細胞外多糖が、培地液体中、過剰な溶存酸素のもとで得られた。これは、培地の十分な撹拌と十分な通気量によって得られたものである。
【0063】
以下の実施例は、説明の目的で示すものにすぎず、決して本願の内容を限定するものと解釈すべきでない。すべての百分率は特段の指示がない限り重量で示されている。実施例の前に、図を簡単に説明する。
【0064】
(実施例)
実施例1:G.xylinus CNCM I−2281によって産生される多糖の化学分析
G.xylinus CNCM I−2281によって産生される多糖の定量的単糖分析を、酸加水分解後(2Nトリフルオロ酢酸、100℃、2、4、6、及び8時間後に採取した試料)、HPLCにより実施した。
【0065】
メチル化の分析のため、G.xylinus CNCM I−2281によって産生された多糖をカルボジイミドで活性化された還元法により還元し、次いでヨウ化メチルを用いてパーメチル化した(Analysis of carbohydrates by GLC and MS、Bierman、C.J.及びMcGinnis、G.D.編、CRC Press、Boca Raton中のCarpita、N.C.、Shea、E.M.、(1989);Ciucanu、I.等、Rapid Method for the Permethylation of Carbohydrates.Carbohydr.Res.131、209〜217(1984)。得られた部分メチル化アルジトールアセテートを、質量分析器に連結した気液クロマトグラフィーを用いて分析した。
【0066】
NMRスペクトル法
試料を99.96原子%2H2O(Euriso−Top)中に溶解させた。すべての実験を、能動的に遮蔽されたパルスフィールドz−勾配逆三重共鳴プローブ(pulsed−field z−gradient inverse triple−resonance probe)を装着した3チャンネルBruker DRX 600MHz分光計で記録した。化学シフトを、外部[13C−1]−グルコースのα−アノマーシグナル(H−1がδH-15.15及びC−1がδC-192.90)を基準としたppmで示す。
【0067】
TPPI(Marion、D.等、(1983)Biochem.Biophys.Res.Commun.113、967〜974、混合時間15ms〜90msのTOCSY(Braunschweiler、L.等、(1983)J.Magn.Reson.53、521〜528)、混合時間50ms〜250msのNOESY(Jeener、J.等、(1979)J.Chem.Phys.11、4546〜4553;Anil Kumar、Ernst、R.R.等、(1980)Biochem.Biophys.Res.Commun.95、1〜6)、勾配感度強化(gradient sensitivity−enhanced)1H−13C異核単一量子コヒーレンス(PEP−HSQC)(Kay、L.E.等、(1992)J.Am.Chem.Soc.114、10663〜10665)、及びグリコシド結合を測定するための10〜40msの定時間(constant−time durations)の交差相関双極子−双極子(CCDD)実験法(Vincent、S.J.F.及びZwahlen、C.(2000)J.Am.Chem.Soc.122、8307〜8308)により位相敏感2次元実験(Phase−sensitive two−dimensional experiments)を記録した。
【0068】
マグニチュードモード勾配フィルター(magnitude mode gradient−filtered)1H−13C HMBC(Bax、A.等、(1986)J.Am.Chem.Soc.108、2093〜2094)を50msのJ−展開時間で記録した。以下の数のコンプレックスポイントが得られた(F1、F2):16スキャン(TOCSY及びNOESY)、128スキャン(HSQC)、又は256スキャン(CCDD及びHMBC)にわたり平均して512×4096(TOCSY及びNOESY)、256×2048(HSQC)、及び512×4096(CCDD及びHMBC)。3600Hz×3600Hz(TOCSY及びNOESY)又は3020Hz×3600Hz(HSQC、CCDD、及びHMBC)のスペクトル幅(ω1、ω2)を用いた。1度ゼロ充填(zero−filling)した90°シフト正弦二乗−ベル関数(square sine−bell)をすべての場合に用いた。全データをBruker XWINNMR 2.6ソフトウェアで処理した。
【0069】
結果
G.xylinus CNCM I−2281により産生される多糖の単糖分析。2Nトリフルオロ酢酸を用いた100℃での酸加水分解により、グルクロン酸の量が、存在するその主要な分解生成物の量から判定して、この操作によって産生されるマンノースの量にほぼ等しいことが示された(1モルのマンノースに対し1.22モルのグルクロン酸が観測された)。
【0070】
G.xylinus CNCM I−2281により産生されたグルコンアセタン多糖のメチル化の分析(表I)から、モル比5.5:1.4:1のグルコース、ラムノース、及びマンノースが存在することが示された。2つの異なる分枝Glcp残基が見られたものの、末端Rhaは1つにすぎず、繰り返し単位が複雑に分枝していることが示唆された。
【0071】
【0072】
NMRスペクトル法
G.xylinus CNCM I−2281により産生された多糖の1D 1H NMRスペクトル(図3)には、相対積分値が3:1.4:0.8:4.4:1.8:2.6:3.6の7個のアノマープロトン共鳴が見られた。線幅は異なるアノマー共鳴間で5Hzから30Hzと大きく変動し、種々の単糖単位が変動の大きい動的運動をしていることが示唆される。
【0073】
2次元スペクトルの測定後、繰り返し単位内の9個の単糖成分を同定し、アノマープロトン化学シフトの高い方から低い方へAからIと命名した。環状構造(六炭糖又はピラノース)及びアノマーコンフィギュレーションが、CCDDスペクトル上に観測されるH−1化学シフト及び1結合の(one−bond)C−1、H−1スカラーカップリングから推定された。2.08ppm付近にN−アセチルメチルのシグナルは観測されず(図4、右上)、アセチル化されていないことが示唆された。このことは、多糖アセタン中でアセチル化され、G.xylinus CNCM I−2281により産生された多糖中の非置換位にシフトした炭素の位置のシフトから確認された(表II参照)。G.xylinus CNCM I−2281により67℃で産生された多糖について一連の標準の多糖NMR実験を記録した。G.xylinus CNCM I−2281により67℃で産生された多糖に対する1H及び13C NMR帰属を表IIにまとめる。
【0074】
【0075】
G.xylinus CNCM I−2281により産生された多糖の1H帰属を、混合時間を(15から90msへ)増加させながら記録したTOCSYスペクトル中のA〜Iの各残基のアノマー(H−1)共鳴から始めた。
【0076】
H−1からH−2、3、4への連結性を9個の残基すべてについて調べたが、数組のアノマープロトン共鳴が重複し(4.85ppmのD(H−1)とE(H−1)、4.60ppmのF(H−1)とG(H−1)、及び4.49ppmのH(H−1)とI(H−1))、その線幅が化学シフト差と同等(LW約15Hz=Δδ約0.02ppmに対し0.02ppm)であるため、TOCSYデータのみから完全な1H帰属は得られなかった。
【0077】
H−2、3、4、5 TOCSYの図により、次に単糖内の強いNOESY交差ピークにより、最後にPEP−HSQCスペクトル中の1Hと13Cの両方の共鳴を帰属させて、さらに確認を行なった。
【0078】
グリコシド結合中に含まれるアグリコン炭素原子に対応する共鳴を、単糖メチル配糖体リファレンス(Bock、K.等、(1982)Annu.Rep.NMR Spectrosc.13、1〜57;Bock、K.等、(1983)Adv.Carbohydr.Chem.Biochem.41、27〜66;Bock、K.等、(1983)Adv.Carbohydr.Chem.Biochem.42、193〜225)と比較して差(>5ppm)を同定することにより13C化学シフトから推定した。
【0079】
単糖残基の配列を、1H−13C CCDD、1H−13C HMBCスペクトル及びNOESYスペクトル中の交差ピークの有無から推定した。関連する交差ピークを表IIIにまとめる。
【0080】
【0081】
すべての場合で、同時にメチル化分析データ、13C NMR帰属、及び連結性をもとにしてグリコシド結合を帰属させた。単糖単位間の最も重要な結合は、まず「セルロースの」(β−D−Glcp−(1→4)−β−D−Glcp)結合C−(1→4)−F、F−(1→4)−G、及びG−(1→4)−F、次に「非セルロースの」(β−D−Glcp−(1→6)−β−D−Glcp)主鎖結合F−(1→6)−C、最後に残基Aからの2本の結合、すなわち1本は側鎖グルクロン酸Hへの結合(α−D−Glcp−(1→4)−β−D−GlcpA)、もう1本は主鎖分枝C残基への結合(α−D−Glcp−(1→3)−β−D−Glcp)であった。3本のセルロース主鎖β14結合は、残基C、F及びGに伴うブロードなピークが直接原因して、最も同定が困難であった。非セルロース主鎖β16結合は、残基Cの化学シフトに加え、FのアノマープロトンとCのアグリコンの6位又はその近くの原子とのCCDD、HMBC及びNOESY交差ピークの有無により明瞭に示された(表III参照)。炭素C(C−6)の化学シフトの分離は、これらのピークが弱いものの、この連結に関しては疑問の余地はない(図4左上参照)。残基Aからの2本の異なる結合が、幾つかのNOESY及び対称関係の(symmetry−related)CCDD及びHMBC交差ピークにより示されている(表III)。
【0082】
結論として、化学分析及びNMRスペクトル法に基づき、G.xylinus CNCM I−2281により分泌される多糖の繰り返し単位の構造は、図3(上)に示すような式で表すことができる。この構造は、セルロース主鎖と非セルロース主鎖結合の比の変動、すなわち図1の構造中のm値の違いに対処できるものである。化学分析に基づき、β16結合とβ14結合の比は小さいはずである(表I)。ラムノースメチルNMRピーク強度によれば、この比は高いはずである。この整合性が最も良いのはm=2のときであり、この場合、繰り返し単位当たり3本の側鎖が存在し、2本はアセタン側鎖(D−I−A−H−B)と同一で、1本はそれよりも短い側鎖(E−I−A)である。
【0083】
多糖繰り返し単位には、3本の側鎖が存在する。2本は単糖5個の長さであり、その組成はアセタン側鎖と同一である。G.xylinus CNCM I−2281により産生される多糖においては、それらは主鎖β−D−Glcp分枝残基にα13結合を介して結合している。アセタン及び構造的に近いキサンタン多糖とは異なり、G.xylinus CNCM I−2281により産生される多糖には、α1→3結合を介してやはり主鎖β−D−Glcp分枝残基に結合する3個の単糖単位からなる異なるタイプの側鎖がさらに存在する。この追加の側鎖の内容は、アセタン側鎖の3個の末端残基と同一である。その主鎖中では、β−D−Glcpが交互に分枝していた。さらに、アセタン及びキサンタンとは対照的に、1個の主鎖残基はβ16結合をもつことが判明した。このため、直線的なセルロースβ14結合と比べると、主鎖のコンホメーションが大きく変化する。実際、アセタン及びキサンタンのレオロジー特性は、その三次元構造においてヘリックスの形成をもたらす多糖主鎖のセルロースの性質によって支配されていると仮定されてきた(Kirby、A.R等、(1995)Microscopy.Biophys.J.68、360〜363)。したがって、G.xylinus CNCM I−2281により産生される多糖で測定されるこの特性が、主鎖の形状が異なるためにかなり違ってくる。さらに、2本の異なる側鎖の密なパッキングが、多糖の巨視的なレオロジー特性に直接影響を及ぼしていることがわかる。アセタンとのもう1つの重要な相違は、検出可能なアセチル化がないことである。
【0084】
実施例2:多糖のレオロジー
精製した細胞外多糖の試料を純水に慎重に溶解した。キサンタン(Rhodigel)をMeyhall(CH)から入手した。直径6cm、角度1°のコーンを装着した粘度計(SCL2 Carri Medレオメータ、TA Instruments、New Castle、USA)を用いて25℃で粘度を測定した。ずり速度を0.5から500 1/sに変化させた。G.xylinus CNCM I−2281により産生された多糖の粘度プロフィールを、ずり速度の関数として図5に示す。
【0085】
この多糖は、ずり減粘挙動を示す。すなわち、低ずり速度では粘度は高くほとんど一定であり、高ずり速度では粘度は連続的且つ可逆的に低下する(チキソトロピー)。この粘度は、濃度0.01〜1MのNaClの影響をほとんど受けなかった。
【0086】
キサンタン溶液と比較して、新規多糖の粘度は高ずり速度でそれより高くなる(図6)。試験したすべてのずり速度で、新規多糖の粘度は、G.xylinus B42の培養から単離された多糖の粘度よりもかなり高い(図7)。
【0087】
実施例3:食物中の粒子又はエマルジョンの安定化剤としての本発明の細胞外多糖の使用
約0.1%の細胞外多糖を使用して、粒子又は液滴を懸濁する。
【0088】
代用乳では、水中の乾燥ホエー又は加熱処理した大豆タンパク質の懸濁液を安定化するために0.05%の細胞外多糖を使用することができる。
【0089】
実施例4:本発明の細胞外多糖を用いたアイスクリーム組成物
【0090】
実施例5:本発明の菌株を用いた発酵トマトペーストの調製
100gの市販トマトペースト(STAR、Milan、ItalyのPummaroタイプ)を、大きさ300mlの無菌ガラス瓶に無菌で移し、Gluconacetobacter種菌株の洗浄した0.5%細胞懸濁液を(コロニー形成単位として測定して)2×106細胞/gの初期細胞濃度で接種した。接種前にトマト20マトリックス(tomato 20 matrix)のpHを4.0+/−0.1に調節した。
【0091】
続いて、接種したトマトペーストを28℃で24時間発酵させ、その間にサンプルを採取し分析する。発酵完了後、このマトリックスを80℃で30分間低温殺菌し、室温に冷却する。
【0092】
Gluconacetobacter種菌株を用いて得られた発酵トマトペーストは、しょう液発生についての優れた特性、及び優れた感覚受容特性を有する。
【0093】
実施例6:風味・香味反応
実施例1で単離した細胞外多糖を、非常に温和な条件下で、すなわち、pH約2〜4で約90℃の適度の加熱で、アミノ酸タンパク質及び/又はポリペプチド含有培地中、フラネオール及び/又はチオフラネオールを生成する、繰り返し単位当たり1個のラムノース残基を少なくとも遊離させるのに十分な時間、酵素反応又は酸加水分解によって加水分解する。
【0094】
実施例7:ペットフード製品
73%の鳥がら、豚の肺臓、及び牛レバー(粉末)、16%の小麦粉、7%の水、2%の色素、フレーバー、ビタミン、及び無機塩から混合物を調製する。この混合物を12℃で乳状にして、プディング状に加工成型し、次いでそれを90℃で加熱調理する。30℃に冷却し、塊に切る。その塊45%を、98%の水、1%の色素及び1%の細胞外多糖グルコアセタンから調製したソース55%と混合する。ブリキ缶に充填し、125℃で40分滅菌する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 G.xylinus CNCM I−2281によって産生される多糖グルコンアセタンの構造を示す図である。
【図2】 細菌多糖(a)キサンタン、(b)アセタン、及び(c)CR1/4(G.xylinus菌株CR1/4(Ridout、M.J.等、Int.J.Biol.Macromol.16(1994)324〜330によって分泌されるアセタン変異体)の化学構造を示す図である。理解し易いように、非炭水化物置換基は省略した。キサンタンは、(1→2)Man上のC6での部分的なO−アセチル化、及び末端マンノース残基を含んでいる。アセタン及びCR1/4は、分枝→4)−β−D−Glc−(1→残基のO−6で、及び→2)−α−D−Man−(1→残基のO−6で部分的にO−アセチル化されている(Colquhoun,I.J.等、Carbohydr Res.、269(1995)319〜331)。
【図3】 (上)単糖単位がその残基文字コード(A〜I)によって識別されているG.xylinus CNCM I−2281によって産生されたグルコンアセタン多糖の構造 (下)2H2O中600MHz、67℃で記録したG.xylinus CNCM I−2281によって産生された多糖の1D 1H NMRスペクトルを示す図である。アノマー(H−1)共鳴は、対応する残基の文字コードによって識別されている。
【図4】 (上)G.xylinus CNCM I−2281によって産生されたグルコンアセタン多糖及び(下)G.xylinus B42菌株によって産生されたアセタン多糖のPEP−HSQCスペクトルの(左)(C−6、H−6)領域及び(右)N−アセチルメチル領域を示す図である。2H2O中600MHz、67℃でスペクトルを記録した。
【図5】 様々な細胞外多糖濃度に対するG.xylinus CNCM I−2281グルコンアセタン多糖溶液の粘度を示す図である。直径6cm、角度1°のコーンを用いて25℃で測定した。
【図6】 様々な細胞外多糖濃度に対するG.xylinus CNCM I−2281多糖溶液(太線)及びキサンタン溶液(細線)の粘度を示す図である。直径6cm、角度1°のコーンを用いて25℃で測定した。
【図7】 様々な細胞外多糖濃度に対するG.xylinus CNCM I−2281多糖溶液(太線)及びG.xylinus B42多糖(細線)の粘度を示す図である。直径6cm、角度1°のコーンを用いて25℃で測定した。
【図8】 75℃、pH3.8、酵素/基質比0、5、及び25%におけるG.xylinus CNCM I−2281多糖のヘスペリニダーゼ(Amano、JP)による酵素加水分解を示す図である。
Claims (23)
- 4−β及び6−β結合を含む非セルロース主鎖を有し、全く又はほとんどアセチル化されておらず、繰り返し単位当たり少なくとも1本の側鎖を有するキサンタン様構造を有し、寄託番号CNCM I−2281の菌株グルコンアセトバクター種(Gluconacetobacter spp.)により得ることができる細菌細胞外多糖。
- 非セルロース主鎖が次の構造:{[→4)−β−D−Glc−(1→4)−β−D−Glc−(1→]m→6)−β−D−Glc−(1→4)−β−D−Glc−(1→}n(式中、mは1〜10の整数であり、nは繰り返し単位数を規定する別の整数である)の繰り返し単位を含む、請求項1に記載の多糖。
- mが2である、請求項2に記載の多糖。
- 側鎖が、αL−Rha(1→6)−βD−Glc−(1→6)−αD−Glc−(1→4)−βD−GlcA−(1→2)−αD−Man、βD−Glc−(1→6)−αD−Glc−(1→4)−βD−GlcA−(1→2)−αD−Man、αD−Man、αD−Glc−(1→4)−βD−GlcA−(1→2)−αD−Man、αD−Glc−(1→4)−βD−GlcA、βD−GlcA−(1→2)−αD−Man、βD−Glc−(1→6)−αD−Glc−(1→4)−βD−GlcA、αL−Rha(1→6)−βD−Glc−(1→6)−αD−Glc−(1→4)−βD−GlcA、βD−GlcA、αL−Rha(1→6)−βD−Glc−(1→6)−αD−Glc、βD−Glc−(1→6)−αD−Glc、αD−Glc、αL−Rha(1→6)−βD−Glc、αL−Rha、又はこれらの誘導体である、請求項1から請求項3までの一項に記載の多糖。
- アセチル化がサイト当たり0.8未満である、請求項1から請求項4までの一項に記載の多糖。
- 繰り返し単位当たり少なくとも2本の異なる側鎖を有し、このうち少なくとも1本はアセタン側鎖又はアセタン側鎖の変異体に等しく、1本は異なる、請求項1から請求項5までの一項に記載の多糖。
- 3本の異なる側鎖を有し、このうち2本は通常のアセタンに等しく、1本は異なる、請求項1から請求項5までの一項に記載の多糖。
- 少なくとも1本の側鎖が少なくとも1個の残基から削除された、請求項6又は請求項7に記載の多糖。
- 4−β及び6−β結合を含む非セルロース主鎖を有し、全く又はほとんどアセチル化されていず、繰り返し単位当たり少なくとも1本の側鎖を有するキサンタン様構造を有する多糖を多量に産生し、セルロースを少量しか又は全く産生しないことを特徴とし、寄託番号がCNCM I−2281である、単離され精製されたグルコンアセトバクター種(Gluconacetobacter spp.)菌株。
- 多糖が次の構造:{[→4)−β−D−Glc−(1→4)−β−D−Glc−(1→]m→6)−β−D−Glc−(1→4)−β−D−Glc−(1→}n(式中、mは1〜10の整数であり、nは繰り返し単位数を規定する別の整数である)の繰り返し単位を含む非セルロース主鎖を有する、請求項10に記載の菌株。
- 側鎖がαL−Rha(1→6)−βD−Glc−(1→6)−αD−Glc−(1→4)−βD−GlcA−(1→2)−αD−Man、βD−Glc−(1→6)−αD−Glc−(1→4)−βD−GlcA−(1→2)−αD−Man、αD−Man、αD−Glc−(1→4)−βD−GlcA−(1→2)−αD−Man、αD−Glc−(1→4)−βD−GlcA、βD−GlcA−(1→2)−αD−Man、βD−Glc−(1→6)−αD−Glc−(1→4)−βD−GlcA、αL−Rha(1→6)−βD−Glc−(1→6)−αD−Glc−(1→4)−βD−GlcA、βD−GlcA、αL−Rha(1→6)−βD−Glc−(1→6)−αD−Glc、βD−Glc−(1→6)−αD−Glc、αD−Glc、αL−Rha(1→6)−βD−Glc、αL−Rha、又はこれらの誘導体である、請求項10又は請求項11に記載の菌株。
- 請求項1から請求項9までの一項に記載の多糖及び/又は請求項10から請求項13までの一項に記載のグルコンアセトバクター(Gluconacetobacter)菌株の食品又はペットフード製品の調製への使用。
- 多糖の量が約0.01〜5%である、請求項14に記載の使用。
- グルコンアセトバクター(Gluconacetobacter)菌株の量が少なくとも1.106cfu/gである、請求項14に記載の使用。
- 食品又はペットフード製品の風味・香味レベルを高めることを目的としたラムノースを単離するための中間生成物としての、請求項1から請求項9までの一項に記載の多糖の使用。
- 請求項1から請求項9までの一項に記載の多糖及び/又は請求項10から請求項13までの一項に記載のグルコンアセトバクター(Gluconacetobacter)菌株を少なくとも含む食品又はペットフード製品。
- 多糖の量が約0.01〜5%である、請求項18に記載の食品又はペットフード製品。
- グルコンアセトバクター(Gluconacetobacter)菌株の量が少なくとも1.106cfu/gである、請求項18に記載の食品又はペットフード製品。
- 塩と、炭素源としてそれぞれがバイオマス産生用炭素源(S1)及びアセタン産生用炭素源(S2)である2つの異なる基質(S1及びS2)とを含有する増殖培地中で前記菌株の培養物を撹拌にかけるステップを含むことを特徴とする、請求項10から請求項13までの一項に記載のグルコンアセトバクター(Gluconacetobacter)菌株によるバイオマス及び多糖の発酵方法。
- バイオマス産生用炭素源として使用される基質が、エタノール、アセテート、グリセロール、コハク酸、クエン酸、及びクレブスサイクル中に産生される解糖及びトリカルボン酸サイクルの2個又は3個の炭素原子を含有する任意の有機酸及び中間体、並びにこれら基質の任意の混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項21に記載の発酵方法。
- アセタン産生用炭素源として使用される基質が、グルコース、フルクトース、サッカロース、又は任意の他の糖若しくは糖の混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項21又は22に記載の発酵方法。
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