JP4035991B2 - インバータ用試験装置及び回転角信号発生装置 - Google Patents

インバータ用試験装置及び回転角信号発生装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータを負荷とするインバータの試験を行うインバータ試験装置及びモータ軸等の回転体の回転角を示す信号を模擬的に発生する回転角信号発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7はモータを負荷とする従来のインバータ試験装置の一例を示す回路構成図である。
図7において、被試験インバータ100の交流出力端子のU相、V相、W相に複数の抵抗R、インダクタンスL及びスイッチからなる疑似負荷回路200をそれぞれ接続すると共に、電流制御方式の場合には、モータの角度センサ300を設けたものである。
【0003】
次に動作について説明する。
一般にインバータの制御方式は、電流制御ループによる電流制御方式と電流制御ループを持たない電圧制御方式(V/F制御等)とに大別される。
電流制御方式の場合は、角度センサ300で検出したモータ回転子の位置を示す角度θm (位相)に対して、運転条件に応じた角度θm +θc で振幅ic の所定電流が流れるように被試験インバータ100が制御される。このとき、被試験インバータ100の出力電圧の角度(電流に対する位相)と振幅が実際の負荷であるモータの運転時と同等になるように、各疑似負荷回路200のスイッチを切り換えてR,Lを選択する。尚、角度センサ300として、例えばレゾルバ、エンコーダ等を用い、上記角度θm が得られるように、角度センサ300を数ワット程度の小型のモータ(図示せず)を用いて回すことにより、角度センサ300よりθm に応じた角度センサ信号Sθを模擬的に発生するようになされる。
【0004】
また、電圧制御方式の場合は、運転条件に応じた角速度(出力周波数)と振幅の電圧が被試験インバータ100から出力される。このとき、被試験インバータ100の出力電流の角度(電圧に対する位相)と振幅がモータの運転時と同等になるように、各疑似負荷回路200のスイッチを切り換えてR,Lを選択する。尚、電圧制御方式の場合は、角度センサ300は省略される。
【0005】
上記のようにモータの運転状況に応じた電圧・電流の振幅、位相、力率、トルクが得られるようにR−Lを切り換えながら試験を行うことにより、発熱や電圧・電流波形等をチェックし、被試験インバータ100の評価を行う。
【0006】
次に、上記角度センサ300として用いられる従来のレゾルバについて原理的に説明する。
レゾルバには、大きく分けて1相励磁/2相出力方式(振幅変調型)と、2相励磁/1相出力方式(位相変調型)とがある。
【0007】
図8に従来の1相励磁/2相出力方式によるレゾルバの原理を示す。
図8において、回転トランス20の2次側にはロータの巻線21、22が回転可能に設けられている。これに対してステータには電気的に90°ずれた2相の巻線23、24が設けられている。
【0008】
ロータを角度θだけ回転させた状態で、回転トランス20の1次側に励磁電圧E11として、
E11=Esinωt……(1)
を加えると、2次側の巻線21、22を介してステータの巻線23、24には、それぞれ
E12=KEsinωt・cosPθ……(2)
E13=KEsinωt・sinPθ……(3)
K:全体の変圧比
P:軸倍角(モータの極数)
θ:回転角
の誘起電圧が発生する。
【0009】
従って、誘起電圧電圧E12,E13により、ロータの回転角θを得ることができ、これに基づいて図7の角度センサ300としてレゾルバを用いた場合のモータの角度センサ信号Sθを模擬的に得ることができる。
【0010】
図9に従来の2相励磁/1相出力方式によるレゾルバの原理を示す。
図9において、回転トランス30の1次側にはロータの巻線31が回転可能に設けられている。これに対してステータには電気的に90°ずれた2相の巻線32、33が設けられている。
【0011】
ロータを角度θだけ回転させた状態で、ステータの巻線32、33に位相が90°異なる励磁電圧E22,E23として
E22=Esinωt……(4)
E23=Ecosωt……(5)
を加えると、ロータの巻線31を介して回転トランス30の2次側に、
Figure 0004035991
の誘起電圧が発生する。
【0012】
従って、この誘起電圧電圧E21により、ロータの回転角θを得ることができ、これに基づいて図7の角度センサ300としてレゾルバを用いた場合のモータの角度センサ信号Sθを模擬的に得ることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のインバータ試験装置では、
1、モータの力行運転での試験が行われるが、回生運転での試験は不可能
2、力行運転での様々の運転条件に対応可能とするには、疑似負荷回路200を構成するR,L,スイッチの数を多くする必要があり、このため構成が複雑になり、重量も含めて装置が大型化し、コストもかかる。
3、試験時の電力は全て熱になり、無駄になってしまう。
4、定常時の特性に合わせてR,Lを選択するので、過渡時の特性をモータ運転時と同じにすることができない。
【0014】
5、電流制御方式の場合、角度センサ300にレゾルバを用いた場合、角度センサ信号Sθを発生させるために、レゾルバのロータを予め角度θだけ回転させた状態とするために、小型モータ等の手段を別に用意しなければならない。
等々の問題があった。
【0015】
本発明は上記の問題を解決するためになされたもので、実際にモータを接続することなくモータの運転を模擬的に行うことにより、インバータの試験を行うことを第1の目的としている。
【0016】
また、レゾルバによる回転角信号を模擬的に発生させるための回転角信号発生装置を提供することを第2の目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明によるインバータ試験装置は、被試験用の第1のインバータの仮想負荷となる第2のインバータと、第1のインバータの交流出力が1次側に入力され、第2のインバータの交流出力が2次側に入力されるトランスと第1のインバータの出力電流を第一のインバータが仮想する負荷であるモータの回転数に応じて、所定の値に制御すると共に、仮想負荷のモータ回転数とモータ定数と検出された第1のインバータの出力電圧および電流に基づいて第2のインバータの出力電圧の振幅・および位相を所定に制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、入力されるモータ角速度とモータ極数Pとを乗算した値を積分したモータ角度Pθを元に、KEsinPθ信号とKEcosPθ信号(K:レゾルバの変圧比)を発生させ、KEsinPθ信号と所定の励磁信号Esinω t信号とを乗算して第1のモータ回転角信号を得ると共に、KEcosPθ信号と前記励磁信号とを乗算して第2のモータ回転角信号を出力すると共に、前記第1のインバータは、第1、第2のモータ回転角信号に基づいて前記出力電流を一定に制御することを特徴とする .
また、本発明によるインバータ試験装置は、被試験用の第1のインバータの仮想負荷となる第2のインバータと、第1のインバータの交流出力が1次側に入力され、第2のインバータの交流出力が2次側に入力されるトランスと、第1のインバータの出力電流を第一のインバータが仮想する負荷であるモータの回転数に応じて、所定の値に制御すると共に、仮想負荷のモータ回転数とモータ定数と検出された第1のインバータの出力電圧および電流に基づいて第2のインバータの出力電圧の振幅・および位相を所定に制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、所定の励磁信号Esinωt信号又はEcosωt信号の位相を検出して、入力されるモータ角速度とモータ極数Pとを乗算した値を積分したモータ角度Pθと前記検出された励磁信号の位相とを加算し、その加算出力に基づいてKEsin(ωt−Pθ)(K:レゾルバの変圧比)で表されるモータ回転角信号を得ることにより、前記第1のインバータは、前記モータ回転角信号に基づいて前記出力電流を一定に制御することを特徴とする。
【0018】
また、本発明による回転角信号発生装置は、パラメータとして入力される角度θに基づいてEsinθ信号を発生する第1の信号発生手段と、パラメータとして入力される角度θからEcosθ信号を発生する第2の信号発生手段と、前記Esinθ信号と所定の励磁信号Esinωtとを乗算することにより、第1の回転角信号を出力する第1の乗算手段と、前記Ecosθ信号と前記励磁信号とを乗算することにより、第2の回転角信号を出力する第2の乗算手段とを設けたものである。
【0019】
また、本発明による回転角信号発生装置は、所定の励磁信号Esinθ信号又はEcosθ信号の位相を検出する検出手段と、パラメータとして入力される角度θと前記検出手段で検出された励磁信号の位相とを加算する加算手段と、前記加算手段の加算出力に基づいてEsin(ωt−θ)で表される回転角信号を発生する信号発生手段とを設けたものである。
【0020】
【作用】
従って、本発明によるインバータ試験装置よれば、モータの回転数とモータ定数を制御手段に設定すると共に、第1のインバータの出力電流・電圧を検出し、制御手段は、モータ回転数に応じて第1のインバータの出力電流を所定の値に制御すると共に、モータ回転数、モータ定数及び出力電流・電圧に基づいて第2のインバータの出力電圧の振幅・位相を制御することにより、実際のモータを接続することなく、モータを接続したのと同様の運転状態を模擬的に実現することができる。
【0021】
また、本発明による回転角信号発生装置によれば、角度θを入力することにより、その角度θを表す回転角信号を模擬的に得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態によるインバータ試験装置を示す回路構成図である。
本試験装置は、IPMモータ(埋込磁石型同期モータ)を実際の負荷として想定した場合の電流制御方式によるものであり、図示のように、被試験インバータ1(以下、インバータ1と言う)に対して疑似負荷用インバータ2(以下、インバータ2と言う)を用いている。インバータ1、2としては、小型化に有利な電圧(源)型インバータが用いられる。
【0023】
図1において、商用交流電源3からの交流電圧はトランス4を介して整流回路5で直流電圧に変換され、試験電圧調整用のチョッパ回路6で調整された後、インバータ1に供給される。また、上記直流電圧はインバータ2にも供給される。インバータ1の交流出力端子からは、PWM変調された矩形波電圧としてのPWM1 信号が出力される。このPWM1 信号は、インダクタンスLからなるフィルタ7により正弦波に変換されてトランス8の1次側に加えられる。インバータ2の交流出力端子からは、PWM変調された矩形波電圧としてのPWM2 信号が出力される。このPWM2 信号は、インダクタンスl、コンデンサc、抵抗rからなるフィルタ9を介して基本波の正弦波が取り出され、トランス8の2次側に加えられる。尚、フィルタ7におけるインダクタンスLは、負荷としてのモータのインダクタンスに相当するものである。
【0024】
インバータ1から出力される上記PWM1 信号のU相及びW相の各電流iu ,iw (電流制御方式により所定の値に制御される)が変流器10で検出されてモータ模擬運転制御部11に加えられる。また、上記PWM1 信号をフィルタ7を通じて得られる正弦波の電圧vu ′,vw ′が検出されてモータ模擬運転制御部11に加えられる。
【0025】
モータ模擬運転制御部11には、負荷としてのモータの運転条件とモータ特性が入力され設定される。運転条件としては、所望のモータ速度N、トルク(負荷)、制御モード等である。モータ特性としては、モータ定数や電圧変換方程式である。モータ定数は、モータ等価回路の各構成要素である。IPMモータの場合のモータ定数としては、モータの電機子抵抗R、モータ固定子上のd,q直交座標軸におけるd軸上のモータインダクタンLd とq軸上のモータインダクタンスLq 、モータ誘起電圧定数φa 及びフィルタ7のインダクタンスLが入力される。また、モータ模擬運転制御部11には、角度センサ模擬制御部12が設けられている。この角度センサ模擬制御部12は、後述する本発明による模擬回転位置信号発生装置である。
【0026】
次にインバータ1の試験について原理的に説明する。
インバータ1とインバータ2をインピーダンスを介して接続された2つの交流電圧源として考えた場合、インバータ1、2の各出力電圧の関係によってインバータ1から見たインピーダンスが変化する。このインピーダンスはモータの負荷インピーダンスに相当する。例えば各出力電圧を同相とすれば、インバータ1の負荷インピーダンスは、各出力電圧の振幅に応じた抵抗成分となる。また、インバータ1の出力電圧の位相に対して電流が90°遅れるようにインバータ2の出力電圧を制御すれば、負荷インピーダンスはインダクタンス成分となる。即ち、インバータ1の出力電圧に対してインバータ2の出力電圧の振幅・位相を制御することにより、負荷インピーダンスが可変となる。
【0027】
従って、本実施の形態によれば、疑似負荷としてのインバータ2の出力電圧の振幅・位相を制御することにより、実際の負荷であるモータを模擬的に運転した状態を実現することができる。これにより、任意の運転条件で任意の負荷におけるインバータ1の試験を行うことができる。
【0028】
次に、実際の試験動作について説明する。
電流制御方式によるインバータ1の試験を行う場合は、インバータ1の出力電流iu ,iw は、インバータ2の出力電圧に関わらず所定の値に制御される。尚、図示のインバータ1は、電流制御を行うための制御回路を含むものとする。
モータ模擬運転制御部11には、前述した運転条件であるNとモータ定数であるR,Ld ,Lq ,L,φa がオペレータにより入力設定される。角度センサ模擬制御部12は、Nに応じた模擬角度センサ信号Sθを出力し、インバータ1はこの模擬角度センサ信号Sθに基づいて出力電流が所定の値に制御される。
【0029】
また、モータ模擬運転制御部1は、運転条件N,モータ定数R,Ld ,Lq ,L,φa に基づいてインバータ2をスイッチングするゲート信号を生成して出力し、インバータ2はこのゲート信号に応じて動作する。即ち、インバータ2は、インバータ1の動作に応じた電圧・電流の振幅・位相となるように制御されることになる。モータ模擬運転制御部11は、インバータ1の出力電流iu ,iw 及び出力電圧vu ′,vw ′を見ながら制御を行う。出力電圧vu ′,vw ′の振幅・位相は、負荷により決まる。
【0030】
即ち、インバータ1の出力電流が一定の状態において、出力電圧の振幅・位相が所望となるようにインバータ2の出力電圧の振幅・位相を制御することにより、インバータ1にあたかもモータが接続されているかのような状態でインバータ1の試験を行うことができる。
以上により、モータの任意の運転条件に応じて任意の力率、負荷のインピーダンスを設定して、インバータ1の試験を行うことができる。
【0031】
次に、本実施の形態においては、インバータ1とインバータ2との間にトランス8を設けることにより、インバータ1の3相出力電圧の中性点変動の影響をなくし、良好な制御が行われるようにしている。
即ち、インバータにおいては、図2(a)に示すように、出力電圧(線間電圧)の範囲を広げるために、中性点電圧変動回路15により中性点電圧を所定のタイミングで変動させることがある。この場合、負荷がモータの場合は、中性点電圧がどのように変動してもモータへの影響はないが、図2(b)のように負荷がインバータ2の場合は、中性点電圧変動回路15、16により中性点電圧を変動させると、その影響によりインバータ1とインバータ2との間で電流ix が流れてしまう。この電流ix をゼロに制御することは困難である。そこで、本実施の形態においては、トランス8を設けることにより、上記電流ix を遮断するようにしている。
【0032】
次に、インバータ1、2の各出力電圧はPWM波形であり、遅れなしでインバータ1の基本波電圧の振幅と位相を検出することが難しいため、フィルタ7、9によりPWM波形を正弦波状にして、トランス8の1次側の電圧vu ′,vw ′を検出する。この電圧と電流iu ,iw に基づいてインバータ1の出力電圧vuを次式により算出する。
vu =L・iu +vu’ ……(7)
【0033】
負荷がIPMモータの場合は、
【数1】
Figure 0004035991
【0034】
による電圧変換方程式を満足するように制御が行われる。(8)式において、
Vd , Vq :d,q軸の電機子電圧、id , iq :d,q軸の電機子電流、R:電機子抵抗、Ld , Lq :d,q軸インダクタンス、ωm :角速度(Nに対応)、p:d/dt、φa :永久磁石による電機子鎖交磁束の最大値×(3/2の平方根)、pn :極対数である。Tは出力トルクで
T=〔pn {φa iq +(Ld −Lq )id iq }……(9)
である。
【0035】
図3は上記(8)式による電圧変換方程式をハード構成で実現した場合のモータ模擬運転制御部11を示すもので、加算器、乗算器、補正回路、微分回路、2/3回路(3相−2相変換回路)、PWM回路13等により図示のように構成されている。尚、(8)式における pLd , pLq は過度項であり、実際の運転においては値が小さいので、本実施の形態では無視される。
【0036】
図3において、上記入力されたR,Ld ,Lq 、θm (模擬角度センサ信号Sθが示すモータ角度:Nに対応),φa ,L、及び電圧vu ′,vw ′、電流iu ,iw を用いて図示の各演算が行われる。これにより、相電圧指令Vou* ,Vov* ,Vow* を生成し、これに基づいてPWM回路13よりインバータ2のゲート信号が生成される。
【0037】
図3において、iu ,iw をθm を角度補正した値に基づいて3相−2相変換して直交2軸上のid ,iq を得ると共に、vu ′,vw ′をθm を角度補正した値に基づいて3相−2相変換してvd ,vq を得る。また、Ld ,Lq と実際のLとの差分を求め、この差分とR,id ,iq に基づいてvd * ,vq * を求める。このvd * ,vq * と実際のvd ,vq とを突き合わせ、その結果をθmを角度補正した値に基づいて2相−3相変換することにより、Vou* ,Vov* ,Vow* が得られる。
【0038】
次に、本実施の形態の第2の実施の形態について説明する。
上述した第1の実施の形態では、モータ回転数N(θm )を予め設定して制御を行っているが、Nを設定せずに、インバータ1の出力電流・電圧からモータトルクを計算し、そのトルクと試験で想定する機械のイナーシャ(重量相当等)からN(θm )を算出して制御に用いることにより、モータの加減速時の状態を模擬することができる。
即ち、モータが停止している状態からインバータ1が動作して加速していくとき、どのように加速していくのかは、どのようなパターンで電流・電圧が加えられたかによって決まる。
【0039】
例えば、電気自動車を駆動するモータの場合、モータ模擬運転制御部11により、入力される出力電圧・電流(vu ′,vw ′,iu ,iw )によりとれだけトルクが出ているかを計算することができ、そのトルクに応じてどのように加速していくのかを、車体の重さ等からモータ軸換算でのイナーシャが分かっていれば、走行抵抗等を考慮して計算することができる。
【0040】
即ち、計算したトルクとイナーシャ、走行抵抗等から、どれだけ加速すればどれだけの回転数Nとなり、次にどれだけの回転数Nとなるかを計算し、そのNに基づいて模擬角度センサ信号Sθを作ってインバータ1にフィードバックすることにより、実際にモータを加減速している状態で様々な試験を行うことができる。
従って、本実施の形態の場合は、モータ模擬運転制御部11には、車体重量やイナーシャ、走行抵抗等の機械的定数が入力設定される。
【0041】
尚、上述した各実施の形態は、IPMモータを負荷とした場合について説明したが、電圧方程式があれば、IMモータ(誘導電動機)、SPM(表面磁石同期)モータ等々どのようなモータでも模擬運転可能である。
【0042】
また、第3の実施の形態として、図1に示すように、モータ模擬運転制御部1において、第1のインバータ1の出力電圧・電流とモータ定数からモータのトルク、速度、回転位置、損失効率、温度等を計算して、表示又は出力するように構成してもよい。
【0043】
次に、本発明による回転角信号発生装置の実施の形態について説明する。この回転角信号発生装置は、例えば図1の角度センサ模擬制御部12で用いられるもので、以下においては、回転体としてのモータ回転軸の回転角を示す回転角信号を発生する場合について説明する。
【0044】
図4は回転角信号発生装置の第1の実施の形態を示すブロック図であり、前述した1相励磁/2相出力方式(振幅変調型)によるレゾルバを模擬したものである。
図4において、入力端子40に、模擬運転されるモータの角速度を入力する。この角速度は乗算器41でモータ極数Pと乗算され、その乗算出力が積分器42で積分されることにより、図5に示すような角度信号Pθとなる。
【0045】
上記角度信号Pθは、sin信号発生器43を駆動すると共に、cos信号発生器44を駆動する。これにより、sin信号発生器43からsinPθ信号が得られ、cos信号発生器44からcosPθ信号が得られる。これらの信号は次に乗算器45、46により変圧比Kが乗算されて、KsinPθ信号及びKcosPθ信号となる。
【0046】
一方、入力端子47には、図5に示すような前記(1)式による励磁信号E11=Esinωtが入力される。この励磁信号E11と上記KsinPθ信号とが乗算型D/A変換器48で乗算されることにより、出力端子49に前記(2)式で表されるE12=KEsinωt・cosPθ(図5)が出力される。
また、上記励磁信号E11と上記KcosPθ信号とが乗算型D/A変換器50で乗算されることにより、出力端子51に前記(3)式で表されるE13=KEsinωt・sinPθ(図5)が回転角信号として出力される。
【0047】
尚、入力端子47に入力される励磁信号E11は図1のインバータ1から入力され、その周波数は使用するインバータに応じて決められる。また、出力端子50、51に得られる上記信号E12、E13はインバータ1に帰還される。また、sin信号発生器43、cos信号発生器44は、CPUやDSP(ディジタル信号処理装置)等のデジタル回路が用いられる。
【0048】
図6は回転角信号発生装置の第2の実施の形態を示すブロック図であり、前述した2相励磁/1相出力方式(位相変調型)によるレゾルバを模擬したものである。
図6において、入力端子60に、模擬運転されるモータの角速度を入力する。この角速度は乗算器61でモータ極数Pと乗算され、その乗算出力が積分器62で積分されることにより角度信号Pθとなる。
【0049】
一方、入力端子63から得られる前記(4)式(又は(5)式)による励磁信号E22=Esinωt(又はE23=Ecosωt)は、矩形波変換器64で矩形波信号に変換された後、PLL回路65によりその位相θe が検出される。この位相θe と上記角度信号Pθとを加算器66で加算し、その加算出力によりsinθ発生器67を駆動してEsin(ωt−Pθ)を得る。さらに、乗算器68で変圧比Kを乗算することにより、出力端子69に前記(6)式によるE21=KEsin(ωt−Pθ)が回転角信号として出力される。
【0050】
尚、入力端子63に入力される励磁信号E22(又はE23)は図1のインバータ1から入力され、その周波数は使用するインバータに応じて決められる。また、出力端子69に得られる回転角信号E21はインバータ1に帰還される。また、sin信号発生器67、PLL回路65は、CPUやDSP等のデジタル回路が用いられる。
【0051】
上述した回転角信号発生装置は、モータの回転角信号を発生する場合について説明したが、本発明の回転角信号発生装置は、これに限らず、一般の回転体のある回転角を示す信号を模擬的に得る場合に適用することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、モータを実際に使用することなく、モータの動作を模擬的に行いながらインバータの試験を行うことができる。また、従来のR−L負荷の切り換えではできなかった回生運転試験を行うことができる。また、R−L負荷の切り換えの場合に比べて装置の大幅な省エネルギー化が可能となる。さらに、電流制御の場合、被試験インバータの電圧、力率の調整が可能となる。
また、被試験インバータと疑似負荷用インバータとの間にトランスを設けたことにより、被試験インバータにおける中性点電圧の変動による影響をなくし、良好な制御を行うことができる。
【0053】
また、本発明による回転角信号発生装置によれば、インバータ試験装置等で用いる場合に、モータ軸等の回転体の回転角θを示す信号を得るために、従来のようにレゾルバを回転させるための小型モータ等を必要とせず、角度θを入力することにより、レゾルバを用いた場合と実質的に同等なその角度θを示す回転角信号を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態による電流制御方式のインバータ試験装置を示す回路構成図である。
【図2】 図1におけるトランス8を設けた理由を説明するための構成図である。
【図3】 電流制御方式におけるモータ模擬運転制御部のハード構成例を示す構成図である。
【図4】 本発明による回転角信号発生装置の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図5】 同実施の形態による回転角信号発生装置の各部の信号波形図である。
【図6】 本発明による回転角信号発生装置の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図7】 従来のインバータ試験装置の一例を示す構成図である。
【図8】 従来の1相励磁/2相出力方式によるレゾルバを示す構成図である。
【図9】 従来の2相励磁/1相出力方式によるレゾルバを示す構成図である。
【符号の説明】
1 被試験インバータ 2 疑似負荷用インバータ
7 フィルタ 8 トランス
9 フィルタ 10 変流器
11 モータ模擬運転制御部 12 角度センサ模擬制御部
13 PWM回路 40、47 入力端子
41 乗算器 42 積分器
43 sinθ信号発生器 44 cosθ信号発生器
45、46 乗算器 48、50 乗算型D/A変換器
49、51 出力端子 60、63 入力端子
61、68 乗算器 62 積分器
64 矩形波変換器 65 PLL回路
66 加算器 67 sinθ信号発生器
69 出力端子

Claims (6)

  1. 被試験用の第1のインバータの仮想負荷となる第2のインバータと、
    第1のインバータの交流出力が1次側に入力され、第2のインバータの交流出力が2次側に入力されるトランスと
    第1のインバータの出力電流を第一のインバータが仮想する負荷であるモータの回転数に応じて、所定の値に制御すると共に、仮想負荷のモータ回転数とモータ定数と検出された第1のインバータの出力電圧および電流に基づいて第2のインバータの出力電圧の振幅・および位相を所定に制御する制御手段とを有し、
    前記制御手段は、入力されるモータ角速度とモータ極数Pとを乗算した値を積分したモータ角度Pθを元に、KEsinPθ信号とKEcosPθ信号(K:レゾルバの変圧比)を発生させ、KEsinPθ信号と所定の励磁信号Esinω t信号とを乗算して第1のモータ回転角信号を得ると共に、KEcosPθ信号と前記励磁信号とを乗算して第2のモータ回転角信号を出力すると共に、前記第1のインバータは、第1、第2のモータ回転角信号に基づいて前記出力電流を一定に制御することを特徴とするインバータ用試験装置。
  2. 被試験用の第1のインバータの仮想負荷となる第2のインバータと、
    第1のインバータの交流出力が1次側に入力され、第2のインバータの交流出力が2次側に入力されるトランスと、
    第1のインバータの出力電流を第一のインバータが仮想する負荷であるモータの回転数に応じて、所定の値に制御すると共に、仮想負荷のモータ回転数とモータ定数と検出された第1のインバータの出力電圧および電流に基づいて第2のインバータの出力電圧の振幅・および位相を所定に制御する制御手段とを有し、
    前記制御手段は、所定の励磁信号Esinωt信号又はEcosωt信号の位相を検出して、入力されるモータ角速度とモータ極数Pとを乗算した値を積分したモータ角度Pθと前記検出された励磁信号の位相とを加算し、その加算出力に基づいてKEsin(ωt−Pθ)(K:レゾルバの変圧比)で表されるモータ回転角信号を得ることにより、前記第1のインバータは、前記モータ回転角信号に基づいて前記出力電流を一定に制御することを特徴とするインバータ用試験装置。
  3. パラメータ角度θに基づいてEsinθ信号を発生する第1の信号発生手段と、
    前記パラメータ角度θに基づいてEcosθ信号を発生する第2の信号発生手段と、
    前記Esinθ信号と所定の励磁信号Esinωtとを乗算することにより、第1の回転角信号を出力する第1の乗算手段と、
    前記Ecosθ信号と前記励磁信号とを乗算することにより、第2の回転角信号を出力する第2の乗算手段とを設けたことを特徴とする回転角信号発生装置。
  4. 所定の励磁信号Esinθ信号又はEcosθ信号の位相を検出する検出手段と、
    パラメータ角度θと前記検出手段で検出された励磁信号の位相とを加算する加算手段と、
    前記加算手段の加算出力に基づいてEsin(ωt−θ)で表される回転角信号を発生する信号発生手段とを設けたことを特徴とする回転角信号発生装置。
  5. 前記パラメータ角度θは、モータ角速度にモータ極数Pを乗算した値Pθであることを特徴とする請求項3又は4記載の回転角信号発生装置。
  6. 前記回転角信号にレゾルバの変圧比Kを乗算する乗算手段を設けたことを特徴とする請求項3、4又は5記載の回転角信号発生装置。
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