JP4035938B2 - アルミニウム基材被覆用アクリル系粉体塗料組成物 - Google Patents

アルミニウム基材被覆用アクリル系粉体塗料組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は素地調整が施されていないアルミニウム基材(以下、アルミニウム未処理材と略す)被覆用アクリル系粉体塗料組成物に関し、更に詳しくは、本発明はアルミニウム未処理材に塗装した際に塗膜が密着し、耐水性、耐食性及び耐候性に優れたアルミニウム未処理材被覆用アクリル系粉体塗料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
粉体塗料は、有機溶剤などの揮発性成分を含まず、塗膜形成成分のみを被塗物に塗着、溶融して塗膜を形成する塗料である。粉体塗料は、従来の溶剤型塗料と比較して、▲1▼1回で厚く塗れること、▲2▼付着しなかった粉体は回収して再利用ができること、▲3▼廃塗料が少ない等の利点が認められることから、塗装の合理化、環境対応の点より現在、自動車部品、車両あるいは家電製品等の様々な工業用製品分野において広く使用されている。
【0003】
このような粉体塗料として、従来よりエポキシ系、塩化ビニル系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、アクリル系の粉体塗料が使用されている。
この中でもアクリル系粉体塗料は、一般に太陽光などによる塗膜の劣化が少ないという利点があることから、従来より、自動車部品、車両など、屋外で使用され、塗膜表面の外観を重視する屋外物用に多く採用されている。
【0004】
このようなグリシジル基を含有するアクリル系粉体塗料として、例えば特開平7−179789号公報には、(A)グリシジル基含有モノマーを40重量%以上含有し、溶解性パラメーター値が11.0〜11.6の範囲内であり、ガラス転移温度が20℃以上であるアクリル樹脂と、(B)溶解性パラメーター値が10.4〜11.0の範囲内であるポリマーからなる表面調整剤、及び(C)多価カルボン酸を含み、低温焼き付けが可能な粉体塗料組成物が記載されている。グリシジル基を含有するアクリル系粉体塗料の場合、塗料を塗布後、焼き付け工程においてアクリル系粉体塗料のグリシジル基が開環付加反応をすることにより塗膜が熱硬化し、塗膜が形成されるものである。
【0005】
粉体塗料がアルミニウム製品に塗装されている例として、アルミホイール、ラジエーター、ルーフキャリヤーバー等の自動車部品、アルミサッシ、建築用材、電気・電子部品、事務用品等が挙げられる。これら材料を粉体塗装する際には、耐食性能、耐水性能を発揮するために、クロメート処理、リン酸亜鉛処理、リン酸鉄処理等の化成皮膜処理、陽極酸化被膜処理が施されるのが一般的である。中でもクロメート処理は性能、品質、作業性等の面から最も汎用的に使用されている。しかしながら、この処理液には六価クロムが含まれており、環境に対して決して好ましいものではない。また、他の処理についても省略することが可能となれば工数削減となり生産性向上につながる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、アルミニウム未処理材への塗装塗膜の密着性を高めると共に、耐水性、耐食性及び耐候性にも優れたアルミニウム未処理材被覆用アクリル系粉体塗料組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【問題を解決するための手段】
従来は、アクリル系粉体塗料の硬化剤としては、二価カルボン酸としてドデカン二酸(以下、「DDA」という。)が一般的に用いられていた。上記特開平7−179789号公報にも、硬化剤として多価カルボン酸を利用することができる旨の記載はあるが、実際に実施例で使用しているのは炭素数10のデカン二酸であり、テトラデカン二酸(以下、「TDA」という。)、エイコサン二酸(以下、「EDA」という。)等の炭素数の多いものを使用したものはない。
【0008】
これに対し、本発明者らは上記課題を解消すべく鋭意検討した結果、硬化剤として従来より用いられてきたDDAの代わりに、それよりも炭素数が多い二価カルボン酸を用いることにより、耐水性、耐食性及び耐候性に優れると共に、アルミニウム未処理材における塗膜の密着性も向上することを見いだして本発明を完成した。即ち、本第1発明のアクリル系粉体塗料組成物は、グリシジル基を有するアクリル樹脂及びアルキレン基の両末端にカルボキシル基を持ち、且つ、炭素数14〜24の二価カルボン酸を含有し、該二価カルボン酸を上記グリシジル基に対して0.5〜3.0当量配合してなり、素地調整が施されていないアルミニウム基材被覆用アクリル系粉体塗料組成物である。
【0009】
【発明の実施の形態】
上記「アクリル樹脂」は、グリシジル基を有するアクリル樹脂であり、通常、グリシジル基を有する(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能なモノマーを共重合させて得られたものである。グリシジル基を有するエチレン性不飽和結合モノマーとしては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、α−メチルグリシジルアクリレート、α−メチルグリシジルメタクリレート等を用いることができる。これらのモノマーを単独で使用する他、2種以上を混合して用いてもよい。
【0010】
また、グリシジル基を有するモノマーと共重合可能なモノマーとしては、アクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。
また、その他にも例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド等が挙げられ、更に、アクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、例えば、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドリキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等や、不飽和二塩基酸のジアルキルエステル類等が挙げられる。
【0011】
上記「アクリル樹脂」におけるグリシジル基含有モノマーの含有量は、10〜80%、好ましくは20〜60%である。グリシジル基含有モノマーの含有量が10%未満では、塗膜の硬化性や耐衝撃性、可撓性等の機械的強度が低下するため好ましくない。一方、80%を超えると、貯蔵安定性の低下とコストの上昇等につながるため好ましくない。
【0012】
上記「二価カルボン酸」としては、通常、以下の構造式によって示される、アルキレン基の両末端にカルボキシル基を持つ二価カルボン酸である。
【0013】
【化1】
Figure 0004035938
【0014】
尚、上式でnは12〜22の整数である。
両末端に位置するカルボキシル基の間に位置するアルキレン基は通常、上記のように直鎖のものが用いられるが、分枝したものや脂環族アルキレン基でもよい。また、この二価カルボン酸としては、本第2発明の様にTDA、又はEDAを用いるのが特に好ましい。
上記二価カルボン酸の含有量は、上記アクリル樹脂のグリシジル基に対して0.5〜3.0当量である。上記二価カルボン酸の含有量がアクリル樹脂のグリシジル基に対して0.5当量未満では、塗膜架橋が不十分となり、耐水性、耐食性等の物性が大幅に低下するため好ましくない。一方、3.0当量を超えると架橋に関与しない硬化剤量が増えるため、エリクセン値等の塗膜の強度や、塗膜の耐候性が低下するため好ましくない。
【0015】
本第発明のアルミニウム未処理材被覆用アクリル系粉体塗料組成物は、グリシジル基を有するアクリル樹脂及びアルキレン基の両末端にカルボキシル基を持ち、且つ、炭素数14〜24の二価カルボン酸を含有し、該二価カルボン酸を上記グリシジル基に対して0.5〜3.0当量配合してなり、アルミニウム未処理材被覆用に用いられることを特徴とする。
【0016】
上記「アルミニウム未処理材」とは、素地調整が施されていないアルミニウム基材であり、素地調整は塗料の付着性及び防錆効果を高めるために、機械的又は化学的に被塗装物体の表面を処理し、塗装に適するような状態にすることである。但し、脱脂等の表面の汚れを除くのみであり、アルミニウム表面を機械的にも化学的にも実質的に変化させない処理は素地調整ではない。
化学的処理の例として、クロメート処理、リン酸亜鉛処理、リン酸鉄処理等の化成皮膜処理、陽極酸化被膜処理又はプライマー処理等があり、機械的処理の例としてサンドブラスト等がある。
【0017】
アルミニウム未処理材の具体例としてアルミニウム合金展伸材、又はアルミニウム合金鋳物材がある。
アルミニウム合金展伸材の具体例として以下のものがある(括弧内の番号はJISの合金呼称である)。
純アルミニウム(1060,1080,1070,1050,1100,1200);アルミニウム−銅系合金(2011,2014,2017,2024,2117,2018,2218,2025,2N01);アルミニウム−マンガン系合金(3003,3203);アルミニウム−シリコン系合金(4032,4043);アルミニウム−マグネシウム系合金(5005,5052,5154,5056,5083,5N01);アルミニウム−マグネシウム−シリコン系合金(6061,6063,6101,6151);アルミニウム−亜鉛−マグネシウム系合金(7075,7N01,7003)
【0018】
又、アルミニウム合金鋳物材の具体例として以下のものがある(括弧内の番号は記号である)。
アルミニウム−銅系合金(AC1A);アルミニウム−銅−シリコン系合金(AC2A,AC2B);アルミニウム−シリコン系合金(AC3A);アルミニウム−シリコン−マグネシウム系合金(AC4A,AC4C);アルミニウム−シリコン−銅系合金(AC4B);アルミニウム−シリコン−マグネシウム−銅系合金(AC4D);アルミニウム−銅−ニッケル−マグネシウム系合金(AC5A);アルミニウム−マグネシウム系合金(AC7A,AC7B);アルミニウム−シリコン−銅−ニッケル−マグネシウム系合金(AC8A,AC8B);アルミニウム−シリコン−銅−マグネシウム系合金(AC8C)
【0019】
本第1発明〜第発明の粉体塗料組成物には、上記成分以外にも必要に応じてレベリング剤(ポリブチルアクリレート系等)、カーボンブラックその他の充填剤(炭酸カルシウム等)などの各種添加剤が含有されていてもよい。また、流動性調整剤としては、アエロジルの他、シリカ粉体、アルミナ粉体、アルミナシリカ粉体、二酸化チタン粉体等の無機粉体を用いることができる。また、無機粉体の親水化表面に、オルガノシラン基やオルガノシロキサン基等を付与して疎水化して、摩擦帯電作用を向上させたものでもよい。このうち中で特に平均粒子径は0.1〜5.0μのシリカ粉末を、本第1発明〜第3発明の粉体塗料組成物全体を100重量部とした場合、0.1〜2.0重量部添加するのが好ましい。
【0020】
本第1発明〜第発明の粉体塗料組成物の製造するにあたっては、例えば、流動性調整剤以外の上記構成成分を、ヘンシェルミキサーやスーパーミキサーあるいはナウターミキサーなどで乾式混合し、次いでエクストルーダー等を用いて溶融混練した後冷却する。その後、流動性調整剤をドライブレンドしてからハンマーミル、ピンミル等の衝撃式粉砕機により粉砕し、振動ふるい等により分級して、特定の粒度の範囲のものが集められて製造される。これにより粉体塗料組成物の表面上に流動性調整剤を付着させることができる。
【0021】
また、このようにして得られたアクリル系粉体塗料組成物は、静電塗装法や流動浸漬塗装法のような、従来より用いられている粉体塗装法により、被塗物に塗装される。その結果、アルミニウム未処理材への塗膜の密着性が向上することから、以下に示すように実用的で優れたものとなる。尚、試験方法は実施例で示すものである。即ち、耐水性試験において、残存する塗膜数が(80個/100個)以上、好ましくは(90個/100個)、更に好ましくは(100個/100個)である。また、耐食性試験において、クロスカット部からの腐食幅が3mm以下、好ましくは2mm以下、更に好ましくは0mmである。
【0022】
【実施例】
以下、本発明のアクリル系粉体塗料について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。
【0023】
(1)アクリル系粉体塗料の調製
本発明の実施例及び比較例の成分配合を以下に示す。
なお、実施例及び比較例において、アクリル樹脂のグリシジル基に対する二価カルボン酸のカルボキシル基の当量比は何れも1.0である。
下記の成分を表1及び表2に示す重量部の割合で配合し、これを三井三池製作所製「FM10B型ヘンシェルミキサー」で3分間乾式混合し、次いでBUSS社製エクストルーダー「PR46」を用いて110℃で溶融混練した後冷却した。
▲1▼グリシジル基を有するアクリル樹脂:大日本インキ社製、商品名「ファインディックA247S」
▲2▼テトラデカン二酸:ジャパンエナジー社製、商品名「DCA14」
▲3▼エイコサン二酸:三井化学社製、商品名「C20」
▲4▼ドデカン二酸:デュポン社製、商品名「DDA」
▲5▼レベリング調整剤:BASF社製、商品名「アクロナール4F」
▲6▼酸化チタン:石原産業社製、商品名「タイぺークCR80」
▲7▼エポキシ樹脂:東都化成社製、商品名「エポトートYD012」
▲8▼カーボンブラック:三菱化学社製、商品名「MA100」
そして、流動性調整用粉末として「アエロジル200」(日本アエロジル社製)を上記配合物100重量部に対し0.2重量部ドライブレンドし、ピンミルで常温粉砕した後、150メッシュの金網で分級し、実施例及び比較例のアクリル系粉体塗料組成物を調製した。
【0024】
(2)評価アルミニウム種類
▲1▼アルミニウム合金展伸材:A5052P(JIS H4000)
▲2▼アルミニウム合金鋳物材:ADC12 (JIS H5302)
【0025】
(3)化成処理方法
▲1▼未処理
▲2▼クロメート処理
・薬品名:アルクロム713 日本パーカライジング社製
・皮膜付着量:300mg/m2
【0026】
【表1】
Figure 0004035938
【0027】
【表2】
Figure 0004035938
【0028】
性能試験
上記のようにして調製した実施例及び比較例のアクリル系粉体塗料を用いて、以下の性能試験を行った。その結果を表1に示す。
尚、以下[1]〜[4]の性能試験においては、0.8T×70×150mmのリン酸亜鉛処理板を被塗物として、上記実施例及び比較例の粉体塗料を厚さ50〜70μに塗装した後、160℃で20分間焼き付けを実施したサンプルを用いて評価した。
一方、[5]〜[6]の性能試験は、各アルミニウム基材を用いて、上記実施例及び比較例の粉体塗料を膜厚50〜70μとなるように静電塗装法により塗布した後、160℃で20分間焼き付けを実施したサンプルを用いて評価した。
【0029】
[1]塗膜表面性
塗膜の表面状態を平滑性目視により評価した。尚、表1において「○」は良好、「△」はやや劣る、「×」は劣ることを表す。
【0030】
[2]エリクセン値(mm)
JIS K5400 8.2.1に規定する定距離法により測定した。
【0031】
[3]耐衝撃性(cm)
ポンチ径0.5インチ、重さ500gの重りを使用して、JIS K54008.3.2に準じ、塗膜割れが発生しない高さを測定した。
【0032】
[4]耐候性(%)
JIS K5400 9.8.1の規定するサンシャインカーボンアーク灯式に従い、300時間経過後の光沢保持率を測定した。
【0033】
[5]耐水性(個)
JIS K5400 7.2に準じて行った。即ち、40℃の蒸留水に120時間浸漬した後取り出して、1時間常温で放置する。その後、JIS K5400 8.5.2の碁盤目テープ法による付着性試験を、1mm角、100個で実施し、塗膜の残存数を数えた。
【0034】
[6]耐食性(mm)
JIS K5400 9.1の耐塩水噴霧性に準じて行った。即ち、35℃、5%の塩水噴霧試験を120時間実施した後、水洗し、1時間放置した後に、クロスカット部からの腐食幅を測定した。
【0035】
[7]ゲルタイム(sec)
JIS C2104に準じて行った。160℃に昇温したホットプレートに0.8Tの鋼板を置き、この上に実施例及び比較例の粉体塗料を0.2gのせ、針で塗料を約15mmφに広げながらかき混ぜる。そして硬化が完了し、塗料が糸を引かなくなった時間を測定する。
【0036】
[8]ペレットフロー(%)
実施例及び比較例の粉体塗料を0.5g秤取し、ペレット成形装置を使用して、直径10.9mmのペレットを作製する。
160℃の雰囲気に設定した乾燥機に10分間以上、水平に保持(予熱)した鋼板(0.8T×70×150mm)の上に上記ペレットをのせ、20分間保持する。その後、鋼板を乾燥機より取り出して冷却する。そして加熱後のペレットの長径と短径を測定し、その平均値を加熱後のペレット径(mm)とした。
ペレットフローは次式により求めた。
ペレットフロー(%)=〔加熱後のペレット径−10.9〕×100/10.9
以上の試験を繰り返し3回行い、その平均値を評価値とする。
【0037】
[9]45度傾斜フロー
試験を開始する前に、試験に供するペレットの厚み(mm)を測定する。
160℃の雰囲気に設定した乾燥機に10分間以上、約45度に保持(予熱)した鋼板(0.8T×70×150mm)の上に上記ペレットをのせ、20分間保持する。その後、鋼板を乾燥機より取り出して冷却する。そして、鋼板上を溶融して流れたペレットの距離をペレットの溶融長さ(mm)として測定した。
45度傾斜フローは次式により求めた。
45度傾斜フロー=〔溶融長さ−10.9〕/ペレットの厚み
以上の試験を繰り返し3回行い、その平均値を評価値とする。
【0038】
実施例の効果
表1の結果より、DDAを使用した比較例では、A5052P材、ADC12材のいずれを使用した場合においてもクロメート処理を施すと、耐食性、耐水性のいずれも良好であったが、クロメート処理を実施しないと、耐水性、耐食性は大幅に低下した。
一方、EDA、TDAを使用した実施例においては、クロメート処理を施さない場合でも耐食性、耐水性のいずれも良好であることが確認できた。
また、塗膜の性質として要求されるその他の性質(塗膜表面性、可撓性、耐衝撃性、耐候性)は、比較例と比べて全く劣らないことも分かる。
【0039】
尚、本発明においては、前記具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、本発明のアクリル系粉体塗料は、表1に示す組成及び配合割合に限られず、本発明の範囲内における種々の組成及び配合割合とすることができる。また、本発明の性能を損なわない限り、上記成分以外にも必要に応じてピンホール防止剤、カーボンブラック、有機顔料等の着色顔料あるいはその他の充填剤などの各種添加剤が含有されていてもよい。
【0040】
【発明の効果】
本発明のアクリル系粉体塗料組成物によれば、グリシジル基を有するアクリル樹脂に、硬化剤としてDDAの代わりに、炭素数14〜24の二価カルボン酸、特にTDA、又はEDAを用いることにより、アルミニウム未処理材使用時の塗膜の密着性を著しく向上させることができる。よって、アルミニウム未処理材を被覆するために好適に用いることができる。そして、被塗物に塗布した結果、従来の粉体塗料に劣らない塗膜表面性、可撓性、耐衝撃性、耐候性を示すと共に、従来の粉体塗料をはるかに上回る優れた耐水性、耐食性を示す塗膜を形成することができる。従って、屋外で使用される被塗物へ、更に好適に使用することができる。

Claims (2)

  1. グリシジル基を有するアクリル樹脂及びアルキレン基の両末端にカルボキシル基を持ち、且つ、炭素数14〜24の二価カルボン酸を含有し、該二価カルボン酸を上記グリシジル基に対して0.5〜3.0当量配合してなる素地調整が施されていないアルミニウム基材被覆用アクリル系粉体塗料組成物。
  2. 上記二価カルボン酸はテトラデカン二酸又はエイコサン二酸である請求項1記載のアクリル系粉体塗料組成物。
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