JP4033196B2 - フォトリソグラフィ用マスク、薄膜形成方法及び液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

フォトリソグラフィ用マスク、薄膜形成方法及び液晶表示装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数の透過領域が設けられたフォトリソグラフィ用マスクと、このフォトリソグラフィ用マスクを使用した薄膜形成方法、及び異なる膜厚を有する薄膜パターンが単一プロセスにてガラス基板上に形成された液晶表示装置製造方法に関する。
近年、液晶ディスプレイ等の液晶表示装置の大画面化や製造プロセスの効率化に伴い、液晶表示装置に使用されるガラス基板上に薄膜パターンを形成するフォトリソグラフィ工程の大規模化が進んでいる。このような大規模化したフォトリソグラフィ工程を実施する際には、ステッパによる露光では生産効率が悪いため、大きな基板材料に対して効率よく露光を行うことができる、大型のフォトマスクが用いられている。
また、液晶モードの多様化等によって、フォトリソグラフィ工程を複数回行って形成する多層膜構造が要求されるようになっているが、このようなフォトリソグラフィ工程数の増加は、プロセスタイムの増加という問題となっている。例えば、反射透過併用型液晶を形成する上でのカラーフィルタの多段化や、マルチギャップ化等のガラス基板上多段にわたる薄膜パターンを形成する必要がある場合がこれにあたる。このようなフォトリソグラフィ工程の増加は、コストダウンやリードタイムの短縮の妨げとなっている。
上述した問題を解決する手段として、1枚のマスク基板上に異なる光透過率を有する複数の透過領域を設けたハーフトーンマスクを用いる方法がある。この方法は、フォトマスクに異なる光透過率を有する透過領域を設けることで、薄膜パターンを形成する基板(以下、対象基板と称する。)上に露光する光の量を部分ごとに調整し、複数の膜厚を有する薄膜パターンを一回のフォトリソグラフィ工程で形成するものである。この方法によれば、強さの異なる露光光で対象基板上の感光性材料が露光されるため、一回のフォトリソグラフィ工程で多段構造の薄膜パターンを形成することができる。
上述したハーフトーンマスクを用いた場合においては、光透過率の異なる透過領域の境界部分で、回折光同士の干渉が生じる。この回折光同士の干渉が互いを弱め合うものであった場合には、対象基板上に形成される薄膜パターンに、より弱い光で露光される部分が生じて膜減り段差を発生させている。このため、ハーフトーンのフォトマスクを用いた場合には、上述した回折光の干渉の影響により単一プロセスによって良好に多段構造の薄膜パターンを形成することが困難である。
このような回折光の影響をなくすためには、フォトマスクと対象基板との間はできるだけ密着させてフォトリソグラフィ工程を行うことが好ましい。しかし、フォトマスクの撓みや対象基板のうねり等の影響でフォトマスクと対象基板との間に接触が起こると、フォトマスクの汚染や傷、成膜不良等の問題が発生し、特にフォトマスクが汚染された場合には、その都度フォトマスクを交換する必要が生じ、生産効率が悪くなり、コスト的にも不利が生じるため、フォトマスクと対象基板との間は所定の間隔を空けて露光する必要がある。さらに、上述した基板材料の大型化に伴い、フォトマスクの撓みや対象基板のうねりは、より大きくなる傾向にあり、フォトマスクと対象基板との間隔をさらに大きく持たせる必要が生じてきている。このことは、マスクパターンの高精細化と相まって、対象基板上に形成される薄膜パターンに対する回折光の影響を大きくする原因となっている。
そこで、本発明は、大規模化したフォトリソグラフィ工程に適用し得るとともに、単一プロセスによって多段構造を有する薄膜パターンを効率よく良好に形成し、また薄膜パターンの形状に上述した膜減り段差を利用し得るフォトリソグラフィ用マスク及びこのフォトリソグラフィ用マスクを使用した薄膜形成方法を提供するものであり、さらにはこのような薄膜形成方法を実施して基板上に薄膜パターンを形成した液晶表示装置製造方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は、遮光領域と、複数の透過領域とが設けられたフォトリソグラフィ用マスクにおいて、複数の透過領域のうち隣接する透過領域を透過する光の位相差が任意に設定され、透過領域の数以上の段差を有する薄膜パターンを形成したものである。
また、本発明に係る薄膜形成方法は、上述したフォトリソグラフィ用マスクを使用して露光を行う。この薄膜形成方法においては、薄膜形成対象とフォトリソグラフィ用マスクとを50μm以上、500μm以下の間隔を隔てて配置して露光を行う。
さらに、本発明に係る液晶表示装置の製造方法は、上述した薄膜形成方法をフォトリソグラフィ工程にて実施し、薄膜形成対象上に多段構造を有する薄膜を形成する。
ここで、本発明の薄膜形成方法及び液晶表示装置の製造方法に用いられる本発明のフォトリソグラフィ用マスクは、異なる透過率を有する複数の透過領域のうち隣接する透過領域を透過する光の位相差が(−1/4+2m)π以上、(1/4+2m)π以下(但し、mは整数。)の範囲となるように任意に設定される。
上述した本発明に係るフォトリソグラフィ用マスク、薄膜形成方法及び液晶表示装置の製造方法は、隣接する透過領域を透過する光の位相差を(−1/4+2m)π以上、(1/4+2m)π以下(但し、mは整数。)の範囲内に規制して回折光の干渉による露光光の強度の低下を抑制することで、薄膜パターンに生じる膜減り段差を小さく抑える。このため、本発明に係るフォトリソグラフィ用マスク、薄膜形成方法及び液晶表示装置の製造方法によれば、成膜不良を生じさせずに多段構造を有する薄膜パターンが単一プロセスにて形成される。
また、本発明に係る薄膜形成方法及び液晶表示装置の製造方法によれば、フォトリソグラフィ用マスクと薄膜形成対象との間に50μm以上、500μm以下という比較的大きな間隔を設けてフォトリソグラフィ工程が行われるため、大型の基板を用いる場合等においても基板材料とフォトマスクとの接触を防ぐことができ、大規模化したフォトグラフィ工程に対応可能とされる。
本発明に係るフォトリソグラフ用マスクによれば、複数の透過領域を透過する光の位相差を(−1/4+2m)π以上、(1/4+2m)π以下(但し、mは整数。)の範囲で任意に設定することで、複雑な、例えば細かな段差を有する構造を有する薄膜パターンを単一プロセスにて良好に形成することができる。
本発明に係る薄膜形成方法及び液晶表示装置の製造方法によれば、上述した構成を有するフォトリソグラフ用マスクを使用することで、複雑な構造を有する薄膜パターンを単一プロセスにて簡易に得ることができ、さらには液晶表示装置の生産性の向上、低コスト化を達成することができる。
本発明に係る薄膜形成方法及び液晶表示装置の製造方法によれば、上述したフォトリソグラフ用マスクを使用することで、フォトリソグラフ用マスクと薄膜形成対象との間に50μm以上、500μm以下という比較的大きな間隔を設けて露光が行われる。このため、本発明に係る薄膜形成方法及び液晶表示装置の製造方法によれば、フォトリソグラフィ用マスクと薄膜形成対象との接触を防止し、大型の基板材料が用いられるような、大規模化したフォトリソグラフィ工程に対応することができる。
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
フォトマスク1は、図1及び図2に示すように、透明なマスク基板2上に露光光Lの透過率が0%若しくは0%に近い遮光部3と、露光光Lの透過率が0%乃至100%の間に設定された半透過部4と、露光光Lの透過率が100%若しくは100%に近い透過部5という3種の異なる透過率を有する領域、具体的には一つの遮光領域と二つの透過領域とが形成されている。ここで、各領域の透過率は、マスク基板2自体の露光光Lの透過率を100%とした場合における上述した遮光部3、半透過部4及び透過部5の相対的な透過率である。フォトマスク1は、図1に示すように、フォトリソグラフィ工程において薄膜形成基板11上にネガ型の感光性材料を塗布してレジスト層12を形成し、このレジスト層12を露光して薄膜パターン13を得る際に使用される。なお、ここではネガ型の感光性材料の使用を前提に説明しているが、フォトマスク1の遮光及び透過の関係を入れ替えることにより、ポジ型の感光性材料についても適用することができる。
遮光部3は、マスク基板2上に遮光膜を形成することで、露光光Lの透過率を0%若しくは0%に近い数値としている。遮光膜としては、例えば金属クロム等の透過率の低い薄膜を用いる。
半透過部4は、マスク基板2上に半透過膜、例えば吸収による低透過率な膜や多層膜を形成することで、透過率を低下させている。半透過膜としては、例えば酸化クロム等の酸化膜等を用いる。なお、半透過部4においては、フォトリソグラフィ工程において形成する薄膜の厚さ、感光材料の種類等に応じて、その透過率が任意に設定される。
透過部5は、上述した遮光部3や半透過膜4の如くマスク基板2に薄膜が形成されない開口パターンとされている。
上述した構成を有するフォトマスク1を用いてフォトリソグラフィ工程を行う場合に、フォトマスク1と薄膜形成基板11とは、一定の間隔(以下、この間隔をプリントギャップと称する。)を空けて配置される。フォトマスク1のサイズに対しプリントギャップがある程度以上の大きさになる場合、半透過部4と透過部5とを透過した露光光は強い回折、すなわち光の回り込みが起こる。このような回折の影響を受けると、図3に示すように、隣接する半透過部4を透過する露光光Laと透過部5を透過する露光光Lbとの回折光同士(La’とLb’)がその境界部分において干渉し合い、この干渉の結果回折光の重ね合わせである露光光Lcが生じる。この露光光Lcは、回折光La’と露光光Lb’の干渉が互いを強め合う場合には光の強度が低下しないが、互いを弱め合う場合には光の強度が低下する。回折の影響により露光光Lcの強度が弱まった場合には、露光後の現像時に露光光Lcが照射されていた部分のレジスト層12に膜減り段差が形成され、成膜不良が生じる。また、レジスト材料の感度特性によっては、残膜限界照度以下となり、膜抜け、すなわち残膜無しの状態や、レジスト層12の部分乃至全体の剥離不良が生じることがある。
フォトマスク1においては、半透過部4に形成する半透過膜の膜厚及び屈折率が規定され、上述した半透過部4と透過部5との境界部分における回折光の干渉が互いを弱め合わないようにしている。以下、半透過部4における半透過膜の膜厚及び屈折率の規定に関するシミュレーションによる検証について説明する。
まず、半透過部4の透過率を透過部5の50%と設定したフォトマスク1を想定する。このようなフォトマスク1においては、半透過部4を透過する光と透過部5を透過する光との位相のズレがなくなる(φ=0)ようにすると、回折光は互いに強め合うため、図4の特性図に示すように、半透過部4と透過部5との境界部分における露光光Lcの強度は低下しない。このような場合、薄膜形成基板11上には、図5に示すように、半透過部4と透過部5との境界部分における露光光Lcが照射された部分に膜減り段差の無い良好な薄膜パターン13が形成される。
これに対し、半透過部4を透過する光と透過部5を透過する光との位相が半波長分ずれて、すなわち位相差φ=πとなる場合には、回折光が互いに干渉して弱め合うため、図6の特性図に示すように、半透過部4と透過部5との境界部分における露光光Lcの強度が低下する。このような場合、薄膜形成基板11上には、図7に示すように、露光光Lcが照射される部分に、膜減りによって膜厚が極端に薄い部分ができ、成膜不良が発生する。
図8(a)乃至(d)(各図中dは半透過部4に形成された半透過膜の膜厚を示す。)は、半透過部4を透過した露光光Laと透過部5を透過した露光光Lbとの位相差を変化させ、そのときの露光光Lの強度分布を示している。この図8及び図4、図6に示した各露光光Lについて、各薄膜パターンに生じた膜減り段差を調査したところ、図4(位相差φ=0)、図8(a)(位相差φ=1/8π)及び同図(b)(位相差φ=1/4π)の各場合については生じた段差が小さく使用に耐え得るものであったが、図6(位相差φ=π)、図8(c)(位相差φ=1/2π)及び同図(d)(位相差φ=3/4π)の各場合については、段差が大きく成膜不良を生じさせていた。この結果、半透過部4を透過した光と透過部5を透過した光との位相差φが以下に示す式(1)の範囲内である場合には
成膜不良の無い良好な薄膜パターン13が得られると判断できる。
Figure 0004033196
上述したような成膜不良を解消するために、フォトマスク1においては、半透過部4と透過部5のそれぞれを透過した光の位相差φが薄膜形成基板11上で上記式(1)の範囲内とされるように、半透過部4に形成される半透過膜の光学特性を設定する。以下に、半透過部4に形成される半透過膜の屈折率及び膜厚の設定例を示す。なお、半透過部4に形成される半透過膜には多重反射の影響がないものとして説明する。
半透過部4及び透過部5のそれぞれを透過する光が半透過部に形成された半透過膜の膜厚dを進むときの位相の回転をφ、φとすると、それぞれの透過した光の位相差は、以下に示す式(2)の通りとなる。
Figure 0004033196
上記式(2)にて表された位相差が波長の整数倍(以下に示す式(3))のときにそれぞれの位相は一致(φ=0)し、半波長の奇数倍(以下に示す式(4))のとき逆相(φ=π)となる。
Figure 0004033196
したがって、半透過部4に形成される半透過膜を上記式(3)に示すような同位相条件を満たすように形成することで、半透過部4と透過部5との境界部分の膜減り段差が小さい良好な薄膜パターン13を薄膜形成基板11上に得ることができる。具体的には、半透過膜の屈折率をn、膜厚をdとしたときに、露光に用いる光の波長λに対し、以下に示す式(5)が成り立つような屈折率及び膜厚で半透過膜を設計する。この場合、式(5)中nは空気層の屈折率となるが、位相差を調整するために空気層の代わりに透過部分に別の透過膜を形成してもよい。
Figure 0004033196
したがって、上記式(1)に示す条件を満たすためには、以下に示す式(6)を満たすように、半透過膜の屈折率及び膜厚を設定する。
Figure 0004033196
実際には、半透過部4における半透過膜の透過率は、用途等に合わせて0%乃至100%の間で調整する必要がある。この透過率の調整方法としては、半透過膜の吸光率(消衰係数)を操作する方法や、多重反射による干渉フィルタを形成する方法等があげられるが、多重反射がある場合は位相の回転を受けるため注意が必要である。この場合、式(6)に示す条件からずれが生じるため、最終的には式(1)に示す条件を満たすように半透過膜の膜厚、屈折率及び消衰係数を設計する。なお、吸光率を操作する場合で半透過膜自体の吸収が十分大きい場合には、多重反射光は無視できるので、位相の回転は伴わず、式(6)の条件をそのまま適用することができる。
上述したように半透過部4に形成される半透過膜の膜厚及び屈折率が規定されたフォトマスク1は、回折の影響による不要な段差を抑え、成膜不良の発生を防止することができる。このようなフォトマスク1は、図9及び図10に示す形状の薄膜パターン13をフォトリソグラフィ工程にて形成する場合に使用することができる。図9に示すような薄膜パターン13は、例えば液晶表示装置におけるセルギャップを構成するためのスペーサとなる突起部13aと、カラーフィルタ又は平坦化膜となる平坦部13bとを同時に形成する場合に適用することができる。また、図10に示すような薄膜パターン13は、ASMモードやMVAモード等の突起物を使用した液晶の配向モードを利用する液晶表示装置において、配向壁となる突起部13aと、カラーフィルタ、平坦膜、スペーサ等となる平坦部
13bを同時に形成する場合に適用することができる。
さらに、上述したフォトマスク1においては、半透過部4と透過部5という2種類の透過領域を持つものとして説明したが、さらに第2の半透過部を設けて図11に示すような形状、具体的には3段構造を有する薄膜パターン13を形成することができる。図11に示す薄膜パターン13は、スペーサや配向壁となる第1の突起部13c、第2の突起部13dを同時に平坦化膜となる平坦部13e上に形成する場合に適用することができる。なお、フォトマスク1は、上述した2段構造、3段構造の薄膜パターンに限らず、透過領域の数、透過率等の条件設定等を種々変更することにより様々な形状の薄膜パターンを得ることができる。
なお、上述したフォトマスク1における膜厚及び屈折率の規定については、位相差を一定範囲内とすることにより、回折の影響による不要な段差を生じさせないようにしたものであるが、より複雑な段差を有するパターンや、エッジを強調する構造を有するパターンを薄膜形成基板11上に形成する場合には、逆に回折の影響により形成される段差を積極的に利用することもできる。具体的には、半透過部4を透過する光と透過部5を透過する光の位相差をずらして、上記式(1)の範囲外となるように任意に設定して該境界部における露光光Lcの強度を調節し、境界部にできる膜減り段差を薄膜パターン13の形状として利用するものである。このように、膜減り段差を利用して薄膜パターン13の形状とすることで、フォトマスク1に設けられた透過領域以上の段差を形成することができる。このようなフォトマスク1は、図12及び図13に示す形状の薄膜パターン13をフォトリソグラフィ工程にて形成する場合に使用することができる。図12に示す薄膜パターン13は、半透過部4の透過率自体を透過部5とほぼ同じに設定し、位相のみを例えば半波長ずらすことで、同図のような形状を得ることができる。また、半透過部4の透過率を透過部5と異なるように任意に設定するとともに、両者を透過する露光光の波長も任意に変化させることで図13に示すような複雑な形状の薄膜を単一プロセスで成膜することもできる。
上述した構成を有するフォトマスク1を使用した薄膜形成方法について、以下に説明する。なお、以下に示す本実施の形態においては、薄膜形成基板11上に2段構造を有する薄膜パターン13を形成する場合について説明する。
まず、図14(a)に示すように、薄膜形成基板11上にネガ型の感光性材料が塗布され、レジスト層12が形成される。そして、薄膜形成基板11に対してフォトマスク1の位置合わせが行われ、位置合わせ後に同図(b)に示すように、露光光Lを照射する。このとき、フォトマスク1は、薄膜形成対象、具体的には薄膜形成基板11上に形成されたレジスト層12から50μm以上、500μm以下のプリントギャップを設けて配置される。その後、洗浄液にて洗浄して未露光部分を除去し、同図(c)に示すように、所望の薄膜パターン13を得る。なお、ここでは薄膜形成の手順のみを簡単に説明したが、プリントギャップ以外の諸条件、例えば薄膜形成基板11上に塗布される感光性材料や洗浄時の洗浄液等は、形成する薄膜の種類等に応じて、公知の材料、洗浄液等を適宜選択して使
用することができる。
上述した薄膜形成方法は、フォトマスク1の半透過部4と透過部5の透過率比、薄膜形成基板11上に塗布する感光性材料の感度特性の組み合わせを変えることで、様々な厚さの組み合わせを有する薄膜を単一プロセスで作成でき、同じ材質でかつ複数の膜厚が要求される場合に適用することができる。
また、上述した薄膜形成方法は、フォトマスク1と薄膜形成対象との間に50μm以上、500μm以下という比較的大きな間隔を設けて露光処理が行われるため、大型の基板を用いる場合等においてもフォトマスク1と、薄膜形成基板11やこの上に形成されたレジスト層12との接触を防ぐことができ、大規模化したフォトグラフィ工程に対応することができる。
なお、上述した薄膜形成方法と同じプロセスにより、フォトマスク1の半透過部4と透過部5とを透過する露光光の位相をずらした場合には、フォトマスク1に設けられた領域以上の段差を有する形状のパターンを得ることができる。
上述した薄膜形成方法をフォトリソグラフ工程にて実施する液晶表示装置の製造方法について説明する。液晶表示装置20は、図15に示すように、R、G、Bの各色に対応するカラーフィルタ21R、21G、21B(以下、各色について区別しない場合にはカラーフィルタ21と称する。)が形成され、さらに有機透明樹脂からなる平坦化層22及びITO等の導電性薄膜からなる対向電極23が形成された第1の基板24と、反射板と画素電極の機能を兼ねる反射電極25及びITO等の導電性薄膜からなる透明電極26が形成された第2の基板27とが相対向して配設され、その間に液晶が注入されている。この液晶表示装置20は、カラーフィルタ21R、21G、21Bが透明電極26と対向する位置に一段高く形成された透過用フィルタ部21Ra、Ga、Baと、その両側に一段低
く形成された反射用フィルタ部21Rb、Gb、Bbとを有する2段構造とされており、これら透過用と反射用のフィルタ部が一体に形成されている。
この液晶表示装置20においては、光を透過する透過型表示構造部と、光を透過しない反射型表示構造部とを有するので、透過型表示と反射型表示との両方を行うことができる。これにより、例えば、周囲の明るい場所では反射型表示構造部で表示画像認識を行い、暗がりなどでは透過型構造部を主体に反射型構造部を併用して表示画像認識ができる。また、透過用及び反射用それぞれに厚さの異なるカラーフィルタ21を形成することで、それぞれ適切な透過率及び色度の表示を行うことができる。
なお、詳しい図示は省略するが、第2の基板27には、互いに略平行に配された複数の走査線と、この走査線と交互にかつ略平行に配された複数の基準信号線と、これら複数の基準信号線を互いに接続する共通配線と、反射電極25ごとに設けられ、反射電極25を選択的に駆動する3端子スイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT)とを備えている。
上述したような構成を有する液晶表示装置20は、フォトリソグラフィ工程において上述したフォトマスク1を使用した薄膜形成方法が実施され、2段構造のカラーフィルタ21R、21G、21Bが形成される。このフォトリソグラフィ工程においては、所望の色の顔料を添加したネガ型フォトレジストを使用し、カラーフィルタ21R、21G、21Bが各色のフィルタごとに形成される。まず、第1の基板24上に、赤の顔料を添加したカラーレジストを所定の厚さに塗布して乾燥させ、赤のカラーレジスト膜を形成する。次に、このカラーレジスト膜の所定領域、つまりカラーフィルタ21Rとして残す領域を、その表面側からフォトマスク1を用いて露光処理し、カラーレジスト膜の露光領域を硬化させる。そして、露光処理したカラーレジスト膜を現像処理して、その未露光領域を除去する。このとき、フォトレジスト1の半透過部4と透過部5とは、それぞれを透過する露光光の位相が一致するように半透過部4に半透過膜が形成されているため、膜減り段差による成膜不良のない良好な2段構造のパターンを得ることができる。そして、第1の基板24上には、残存した2段構造のカラーレジスト膜がカラーフィルタ21Rとされる。その後、カラーフィルタ21Rと同様に、緑の顔料を添加したカラーレジストを塗布して露光、現像処理し、次いで青の顔料を添加したカラーレジストを塗布して露光、現像処理することにより、カラーフィルタ21G、21Bを順次形成する。
上述したように、フォトマスク1を使用した薄膜形成方法を、液晶表示装置20を製造する際のフォトリソグラフ工程において実施することで、透過反射併用型の液晶表示装置における2段構造の透過用、反射用カラーフィルタを単一プロセスで形成することができる。このため、上述した液晶表示装置20の製造方法は、その工程数が削減され、生産効率が向上する。
また、上述した液晶表示装置10を製造方法によれば、フォトマスク1と薄膜形成対象との間に50μm以上、500μm以下という比較的大きな間隔を設けてフォトリソグラフィ工程が行われるため、大画面の液晶表示装置の製造プロセスにおいてもフォトマスク1と、薄膜形成基板11やこの上に形成されたレジスト層12との接触を防ぐことができる。
本発明を適用したフォトマスクを用いて行うフォトリソグラフ工程を説明するための図である。 本発明を適用したフォトマスクの底面図である。 上記フォトマスクを透過する透過光の状態を説明するための図である。 上記フォトマスクを透過する透過光の光強度分布を示す特性図である。 図4に示す光強度分布にて成膜される薄膜パターンの断面図である。 上記フォトマスクを透過する透過光の光強度分布を示す特性図である。 図6に示す光強度分布にて成膜される薄膜パターンの断面図である。 上記フォトマスクを透過する透過光の光強度分布を示す特性図である。 透過部と半透過部との位相差を一致させたフォトマスクを用いて成膜される薄膜パターンの具体例を示す断面図である。 本発明を適用したフォトマスクを用いて成膜される薄膜パターンの他の具体例を示す断面図である。 上記フォトマスクを用いて成膜される薄膜パターンの更に他の具体例を示す断面図である。 透過部と半透過部との位相差を任意に設定したフォトマスクを用いて成膜される薄膜パターンの具体例を示す断面図である。 本発明を適用したフォトマスクを用いて成膜される薄膜パターンの他の具体例を示す断面図である。 本発明に係る薄膜形成方法の成膜工程を説明するための断面図である。 本発明を適用した液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
符号の説明
1 フォトマスク、 2 マスク基板、 3 遮光部、 4 半透過部、 5 透過部、 20 液晶表示装置

Claims (5)

  1. 遮光領域と、異なる透過率を有する複数の透過領域とが設けられたフォトリソグラフィ用マスクにおいて、
    上記複数の透過領域のうち隣接する透過領域を透過する光の位相差が(−1/4+2m)π以上、(1/4+2m)π以下(但し、mは整数。)の範囲となるように任意に設定され、上記隣接する透過領域の境界部にできる膜減り段差を利用することで、上記透過領域の数以上の段差を有する薄膜パターンを形成することを特徴とするフォトリソグラフィ用マスク。
  2. 遮光領域と、異なる透過率を有する複数の透過領域とが設けられ、該複数の透過領域のうち隣接する透過領域を透過する光の位相差が(−1/4+2m)π以上、(1/4+2m)π以下(但し、mは整数。)の範囲となるように任意に設定されたフォトリソグラフィ用マスクを用いて露光し、上記隣接する透過領域の境界部にできる膜減り段差を利用することで、上記透過領域の数以上の段差を有する薄膜パターンを形成することを特徴とする薄膜形成方法。
  3. 上記フォトリソグラフィ用マスクは、薄膜形成対象に対して50μm以上、500μm以下の間隔を隔てて配置されることを特徴とする請求項記載の薄膜形成方法。
  4. 遮光領域と、異なる透過率を有する複数の透過領域とが設けられ、該複数の透過領域のうち隣接する透過領域を透過する光の位相差が(−1/4+2m)π以上、(1/4+2m)π以下(但し、mは整数。)の範囲となるように任意に設定されたフォトリソグラフィ用マスクを用いて露光するフォトリソグラフィ工程を有し、上記隣接する透過領域の境界部にできる膜減り段差を利用することで、上記透過領域の数以上の段差を有する薄膜パターンを形成することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  5. 上記フォトリソグラフィ用マスクは、薄膜形成対象に対して50μm以上、500μm以下の間隔を隔てて配置されることを特徴とする請求項記載の液晶表示装置の製造方法。
JP2005008076A 2005-01-14 2005-01-14 フォトリソグラフィ用マスク、薄膜形成方法及び液晶表示装置の製造方法 Expired - Fee Related JP4033196B2 (ja)

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