JP4031549B2 - 端子のシールド構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線基板に半田付けされたコネクタ等の端子をノイズからシールドする端子のシールド構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線基板に設けられたコネクタ等の端子をノイズからシールドする方法としては、コネクタ全体を銅等の金属板で覆い、その金属板の一端を接地する方法が一般的である。また、コネクタを基板上でノイズ源から離して配置する等の方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
コネクタ全体を金属板で覆う方法及びコネクタを基板上でノイズ源から離して配置する方法では、プリント配線基板の面積が広くなるという問題がある。
本発明は、基板の面積をあまり広くすることなくコネクタ等の端子をノイズからシールドする端子のシールド構造を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、基板に搭載された部品の端子をノイズから遮蔽する端子のシールド構造において、
前記端子が通過可能なスリットが形成されており、前記端子を覆う接地された導電性の筒状体からなることを特徴とするものである。
【0005】
また、前記筒状体の内部が絶縁性の材料で被覆されてなることを特徴とするものである。
【0007】
【実施例】
図1は本発明の第1の実施例のコネクタ端子のシールド構造を説明するための図で、(a)はシールドリングの斜視図、(b)はシールドリングの基板取付け状態を示す斜視図である。また、図2は本発明の第1の実施例のコネクタ端子のシールド構造に用いる第2のシールドリングの構造を示す斜視図である。また、図3は本発明の第1の実施例のコネクタ端子のシールド構造に用いる第3のシールドリングの構造を示す斜視図である。また、図4は本発明の第1の実施例のコネクタ端子のシールド構造に用いる第4のシールドリングの構造を示す図で、(a)は斜視図、(b)は側断面図である。以下、図に従って説明する。
【0008】
8は電子部品及びコネクタ9等を搭載する基板である。9は複数の端子91を有するコネクタである。1はコネクタ9の端子91を電気的に非接触状態(離れている、あるいは、端子91あるいはシールドリングに絶縁層が施されている)で覆う銅等の導電性の材料で円筒状に形成されたシールドリングである。
通常、ノイズ対策を必要とする端子91は微弱な信号線等に限られ、コネクタ9の全端子91にシールド対策を施す必要はない。本実施例では、ノイズ対策としてシールドを必要とする信号線等の端子91のみシールドリング1を被せた後、コネクタ9を基板8に搭載して通常の半田ディップ等の方法で半田付けする。半田付けによりコネクタ9の各端子91は基板8の所定のランド(図示せず)に接続されると共に、シールドリング1も基板8のアースパターン(図示せず)に接続される。その結果、シールドリング1の設けられた端子91はノイズからシールドされる。尚、シールドすべき複数の端子が隣接している場合には、まとめて1つの円筒状または楕円筒状のシールドリングを使用してもよい。
【0009】
また、シールドリング1の外部を異なる色の塗料を塗布することにより、シールドリング1の色を見ただけで端子91の識別が容易になるという利点がある。また、この際、絶縁性の塗料を使用することによりシールドリング1が隣接する端子91に接触しても短絡する恐れがないようにできる。
また、図2のように、銅等の導電性の材料からなるシールドリング2の円筒部21の内壁に樹脂またはガラス質の絶縁層22を設けることにより、高密度コネクタのように端子91間隔が狭くても、半田付けに際してシールドリング2が傾いて、端子91とシールドリング2の内壁が接触してもアースに短絡される恐れがないようにできる。
【0010】
さらに、図3のように、銅等の導電性の材料からなる円筒部31と平板部32から形成されたシールドリング3を使用し、平板部32を基板8に固着することにより、シールドリング3を基板8に安定に立てることが可能になる。つまり、ノイズ対策を必要とするコネクタ9の端子91のみシールドリング3を被せた後、コネクタ9を基板8に搭載して通常の半田ディップ等の方法で半田付けする。その際、シールドリング3の平板部32が基板8のアースパターン(図示せず)に広い面積で接触するため、シールドリング3の円筒部31が基板8に対して垂直に半田付けできると共に、アースパターンへの接続が確実に行えるという利点がある。尚、本シールドリング3においてもシールドリング2と同様に、円筒部31の内壁に絶縁層を設けることにより、半田付けに際して万一、端子91とシールドリング3の内壁(円筒部31)が接触してもアースに短絡される恐れがないようにできる。
【0011】
また、図4のように、銅等の導電性の材料からなる円筒部41の外壁に樹脂またはガラス質等の帯状の絶縁性突起42を設けることにより、高密度コネクタのように端子間隔が狭い時に、適度の厚さの絶縁性突起42がスペーサの作用をして隣接する端子91に接触してシールドリング4が保持されて倒れず、半田付けに際して端子91がシールドリング4の円筒部41の内壁に接触しないようにできる。尚、本シールドリング4においてもシールドリング2と同様に、円筒部41の内壁に絶縁層を設けることにより、半田付けに際して端子91がシールドリング4の内壁に接触してもアースに短絡される恐れがないようにできる。
【0012】
以上のように本実施例では、ノイズ対策を必要とする端子にのみシールドリングを設けるので、コネクタの装着部の面積、つまり基板面積を大きくすることなくノイズ対策が行える。
図5は本発明の第2の実施例のコネクタのシールド構造を説明するための図で、(a)はシールドカバーの斜視図、(b)はシールドカバーの基板取付け方法を示す側面図である。以下、図に従って説明する。
【0013】
5はコネクタ9の端子91を覆う銅等の導電性の材料で概略L字型に形成されカバー部51の内側(下部)にスリット52の設けられたシールドカバーである。スリット52の幅はシールド効果を高めるために端子の幅と概略同じに設定されている。尚、基板8、コネクタ9は第1の実施例と名称、機能及び作用が同じであるので同一番号を付し説明は省略する。
【0014】
本実施例では従来と同じ方法で、コネクタ9を基板8に搭載して通常の半田ディップ等の方法で半田付けする。半田付けにより端子91は基板8の所定のランドに接続される。その後、ノイズ対策としてシールドを必要とする信号線等の端子91のみをシールドカバー5で覆う。この時シールドカバー5にはスリット52が設けられているのでコネクタ9の半田付け後でも、ノイズ対策の必要な端子91を覆うことが可能である。そして、シールドカバー5を基板8のアースパターンに半田付け等により接続する。その結果、端子91は垂直部91aだけでなく水平部91bもシールドカバー5で覆われるので、シールド効果が一層よくなる。
【0015】
尚、本例においては、コネクタ9の半田付け後にノイズ対策の必要な端子にだけ内側にスリット52の設けられたシールドカバー5を取り付けるようにしたが、スリットをシールドカバー5の外側に設けることも可能である。この場合はシールドカバー5をコネクタ9の端子半田付けと同時にできる利点がある。
また、本シールドカバー5においてもシールドリング1と同様に、シールドカバー5の内壁に絶縁層を設けることにより、半田付け後にシールドカバー5を端子91に被せる際に、端子91がシールドカバー5の内壁に接触してもアースに短絡される恐れがないようにできる。
【0016】
以上のように本実施例では、ノイズ対策を必要とする端子にのみシールドカバーを設けるので、コネクタの装着部の面積、つまり基板面積を大きくすることなくノイズ対策が行える。また、端子の半田付け後に必要に応じてシールドカバーが取り付けられる。
図6は本発明の第3の実施例のコネクタ端子のシールド構造を説明するための図で、(a)はシールドリングの斜視図、(b)はシールドリングの基板取付け状態を示す斜視図である。以下、図に従って説明する。
【0017】
6はコネクタの端子91を覆う銅等の導電性の材料で円筒部61とノイズ対策部品を接続固定するタグ部(接続端子)62からなるシールドリングであり、プレス等の方法で一体に形成される。尚、基板8、端子91は第1の実施例と名称、機能及び作用が同じであるので同一番号を付し説明は省略する。本実施例ではシールドを必要とする端子91をシールドリング6で覆い接地するだけでなく、コンデンサ等のノイズ対策部品63をシールドリング6と端子91間に接続してノイズを低減するものである。
【0018】
通常、ノイズを低減するコンデンサ等はプリント配線基板上において所望の端子91とアース間に設けられるが、空中を伝搬するノイズに対してはノイズ対策部品(コンデンサ63)を基板8よりも高い位置(端子と概略同じ高さ)に設ける方が効果が大きい。コンデンサ63は一方のリード線を端子91の溶接点63aに、他方のリード線をシールドリング6のラグ部62の溶接点63bに接続され、ノイズはコンデンサ63を介してアースに接地される。
【0019】
尚、本シールドリング6においてもシールドリング1と同様に、シールドリング6の内壁に絶縁層を設けることにより、半田付けに際して端子91がシールドリング6の内壁に接触してもアースに短絡される恐れがないようにできる。
以上のように本実施例では、ノイズ対策を必要とする端子にのみシールドリングを設けるので、コネクタの装着部の面積、つまり基板面積を大きくすることなくノイズ対策が行える。また、シールドリングにラグ部が設けられているのでノイズ対策部品を取付け易く、空中を伝搬するノイズについても有効になる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では基板の面積をあまり広くすることなく端子をノイズからシールドできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のシールド構造を示す構成図である。
【図2】シールドリングの1例を示す斜視図である。
【図3】シールドリングの1例を示す斜視図である。
【図4】シールドリングの1例を示す構成図である。
【図5】本発明の第2の実施例のシールド構造を示す構成図である。
【図6】本発明の第3の実施例のシールド構造を示す構成図である。
【符号の説明】
1、2、3、4・・・・シールドリング、 52・・・・スリット部、
5・・・・・シールドカバー、 62・・・・ラグ端子、
11、21、31、41、61・・・円筒部、 8・・・・・基板、
51・・・・カバー部、 22・・・・絶縁層、
32・・・・平板部、 9・・・・・コネクタ、
42・・・・絶縁性突起、 91・・・・端子。
Claims (2)
- 基板に搭載された部品の端子をノイズから遮蔽する端子のシールド構造において、
前記端子が通過可能なスリットが形成されており、前記端子を覆う接地された導電性の筒状体からなることを特徴とする端子のシールド構造。 - 前記筒状体の内部が絶縁性の材料で被覆されてなることを特徴とする請求項1記載の端子のシールド構造。
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- 1997-03-11 JP JP05655497A patent/JP4031549B2/ja not_active Expired - Fee Related
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