JP4030298B2 - 産業用ロボット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業用ロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、産業用ロボットは、アーム先端部に溶接ガンやハンド等のエンドエフェクタを装着し、このエンドエフェクタを目標位置に移動位置決めしながら、対象物に対して溶接を行ったり、対象物をハンドリングする。
一方、エンドエフェクタにおいては、溶接時のクランプ装置の駆動やハンドの開閉等の動作をさせるための駆動源としての電動モータをエンドエフェクタ自体に備えたものと、たとえば、特開2001−23670号公報等に開示されているようなロボットアームに電動モータを内蔵し、この電動モータをエンドエフェクタに供給して当該エンドエフェクタを動作させるものとが知られいている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、電動モータをエンドエフェクタ自体に備えたエンドエフェクタは、外部に設けられた電源と電動モータとを給電ケーブルで電気的に接続する必要がある。このため、産業用ロボットの動作範囲が給電ケーブル等によって制約を受ける可能性がある。
一方、ロボットアームに電動モータを内蔵しこの電動モータの回転が供給されるエンドエフェクタにおいては、種々のエンドエフェクタに対応するために、電動モータの最大回転数は、たとえば、数千回転/分程度のものを用いる。しかしながら、電動モータの最大回転数が低いと、たとえば、ドリルやエンドミル等の刃具を数万〜十数万回転/分させて切削加工を行うようなエンドエフェクタに対応できない。すなわち、ロボットアームに内蔵された電動モータの仕様や能力にエンドエフェクタが支配され、エンドエフェクタの機能や性能を独立に高めることが難しい。
【0004】
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであって、その目的は、外部から給電することなく作動し、独立に機能や性能を高めることができるエンドエフェクタを備えた産業用ロボットを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の産業用ロボットは、複数種のエンドエフェクタと、前記複数種のエンドエフェクタのいずれかをクランプ又はアンクランプするクランプ手段と、前記クランプ手段を保持し、前記クランプ手段にクランプされたエンドエフェクタを移動位置決め及び駆動する産業用ロボット本体と、前記複数種のエンドエフェクタを収容するストッカとを有し、前記複数種のエンドエフェクタのそれぞれは、発電機と、前記発電機によって発電された電力によって作動する作動手段とを有し、前記複数種のエンドエフェクタには、前記発電機により動作に必要な電力が発電される、溶接用のエンドエフェクタ及びハンドリング用のエンドエフェクタの少なくとも一方が含まれ、前記クランプ手段は、クランプ手段ケースと、前記クランプ手段ケースに回転自在に保持され、前記発電機に回転を伝達する伝達軸とを有し、前記産業用ロボット本体は、ベース部と、前記ベース部に対して移動可能で、前記クランプ手段ケースがボルトにより固定されたアーム部と、前記アーム部を前記ベース部に対して駆動するアーム用駆動源と、前記アーム部に設けられ、前記伝達軸を介して前記発電機に回転動力を供給するエンドエフェクタ用駆動源と、前記アーム用駆動源、前記クランプ手段及び前記エンドエフェクタ用駆動源の動作を制御するコントローラとを有し、前記ストッカは、前記ベース部に対する前記アーム部の移動による前記クランプ手段の可動範囲内に配置され、前記複数種のエンドエフェクタをそれぞれ収容する複数の収容部を有し、前記コントローラは、前記複数種のエンドエフェクタのうちの所望のエンドエフェクタの、前記複数の収容部のいずれかに収容されているときの位置に、前記クランプ手段を移動させて、前記所望のエンドエフェクタをクランプ又はアンクランプするように、前記アーム用駆動源及び前記クランプ手段の動作を制御する。
【0006】
好適には、前記複数種のエンドエフェクタには、前記作動手段が、前記発電機によって発電された電力により駆動される電動機と、前記電動機によって回転されるワークを加工する刃具とを有する工具が含まれる。
【0007】
好適には、前記複数種のエンドエフェクタには、複数の前記工具が含まれ、前記複数の工具それぞれの前記発電機は三相同期発電機であり、前記複数の工具それぞれの前記電動機は三相誘導電動機であり、前記複数の工具は、極数比が互いに異なる。
好適には、前記アーム部として、前記ベース部に対して第1の鉛直軸回りに旋回可能に保持された第1旋回部と、前記第1旋回部に前記第1の鉛直軸から離れた第2の鉛直軸回りに旋回可能に保持された第2旋回部と、前記第2旋回部の前記第2の鉛直軸から離れた位置に昇降可能に保持され、前記クランプ手段を保持する昇降部材とを有する。
好適には、前記アーム部として、前記ベース部に対して鉛直軸回りに旋回可能に保持された旋回部と、一端部が前記旋回部に第1の水平軸回りに旋回可能に保持された第1アーム部と、前記第1アーム部の他端部に第2の水平軸回りに旋回可能に保持された第1連結部と、一端部が前記第1連結部に前記第2の水平軸に直交する軸回りに旋回可能に保持された第2アーム部と、前記第2アーム部の他端部に第3の水平軸回りに旋回可能に保持され、前記クランプ手段を保持する第2連結部とを有する。
好適には、ティーチングペンダントを更に有し、前記コントローラは、前記ティーチングペンダントの操作によって、前記所望のエンドエフェクタの前記複数の収容部のいずれかに収容されているときの位置に前記クランプ手段を移動させて前記所望のエンドエフェクタをクランプ又はアンクランプする動作を教示される。
【0010】
本発明では、産業用ロボット本体に装着されたエンドエフェクタは、産業用ロボット本体に備わる駆動源からエンドエフェクタの発電機に動力が伝達され、発電機は発電する。エンドエフェクタの作動手段は、発電機から電力が供給されて作動し、このエンドエフェクタを産業用ロボット本体によって所望の位置に移動位置決めすることにより、所定の作業が行われる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
第1実施形態
図1は、本発明の一実施形態に係る産業用ロボットの構成図である。
図1に示す産業用ロボット1は、いわゆる水平多関節形ロボットであって、種々の作業に適用可能な汎用のロボットである。
この産業用ロボット1は、ロボット本体2と、クランプ装置150と、工具60とを有する。なお、クランプ装置150は本発明のクランプ手段の一実施態様であり、工具60は本発明のエンドエフェクタの一実施態様である。
【0012】
ロボット本体2は、基準面G上に設置されたベース部3と、このベース部3に旋回自在に保持された第1旋回部4と、この第1旋回部4に旋回可能に保持された第2旋回部6と、この第2旋回部6によって矢印A1およびA2で示す昇降方向に昇降可能に保持された昇降部材41と、この昇降部材41の中心部に挿入された駆動軸51とを有する。
【0013】
ベース部3は、その内腔にコントローラ21およびサーボモータ31を収納している。
コントローラ21は、サーボモータ31および後述するサーボモータ32,33および34を所要のソフトウエアに基づいて駆動制御することにより、ロボット本体2の動作を制御する。コントローラ21には、ティーチングイペンダント22が接続されており、このティーチングイペンダント22を操作することにより、ロボット本体2の所定の動作を教示する。
【0014】
サーボモータ31は、ベース部3内に固定されており、サーボモータ31の回転軸31aが第1旋回部4に連結されている。この回転軸31aが回転することにより第1旋回部4が当該回転軸31aを中心に水平方向に沿って旋回する。
また、ベース部3には、可撓性を有するパイプ8の一端が接続され、パイプ8の他端は第2旋回部6に接続されている。このパイプ8は、ベース部3と第2旋回部6との間で必要な電気配線、信号線等の経路を構成している。
【0015】
第2旋回部6は、その内腔にサーボモータ32および33を収納している。
サーボモータ32は、第2旋回部6内に固定されており、その回転軸32aは、第1旋回部4に連結されている。この、回転軸32aが回転することにより第2旋回部6が第1旋回部4に対して当該回転軸32aを中心に水平方向に沿って旋回する。
サーボモータ33は第2旋回部6内に固定されており、サーボモータ33の回転軸33aに伝達車45が固定されている。
【0016】
昇降部材41は、円筒状の部材からなり、外周に図示しないねじが形成されている。この昇降部材41は、第2旋回部6内に固定された支持部材39に回転自在に支持された伝達部材40の内周に形成された図示しないねじに螺合している。したがって、昇降部材41は伝達部材40の回転に応じて昇降方向A1またはA2の向きに昇降する。
【0017】
伝達部材40と上記した伝達車45との間には、ベルト42が巻き付けられている。このベルト42は、サーボモータ33による伝達車45の回転を伝達部材40に伝達する。
【0018】
昇降部材41の上端部には、サーボモータ34が固定されている。このサーボモータ34の回転軸34aは、カップリング50を介して円筒状部材である昇降部材41の内部に挿入された駆動軸51と連結されている。
また、昇降部材41の下端部には、クランプ装置150を固定するための取付部材41eが設けられている。
【0019】
駆動軸51の下端部は、後述するクランプ装置150まで延びている。この駆動軸51は、昇降部材41の内周に軸受を介して回転自在に保持されている。
【0020】
工具の構成
図2は、本発明のエンドエフェクタの一実施形態としての工具の構成を示す部分断面図である。
図2において、工具60は、刃具100と、この刃具100を保持する工具ホルダ61とから構成される。
【0021】
工具ホルダ61は、装着部62と、ケース部材66,67および68からなるケース65と、発電機70と、電動機80と、工具保持部90と、回り止め部材85とを備えている。
【0022】
装着部62は、テーパシャンク部62bと、このテーパシャンク部62bの先端部に形成されたプルスタッド62cと、ケース部材66に回転自在に保持される軸部62dとを備えている。
【0023】
装着部62のテーパシャンク部62bは、後述するクランプ装置のテーパスリーブに装着される。
装着部62のプルスタッド62cは、装着部62がクランプ装置のテーパスリーブに装着されると、クランプ装置のコレットによってクランプされる。
装着部62の軸部62dは、ケース部材66の内周に複数の軸受72を介して回転自在に保持されている。
【0024】
ケース部材67の内周には、保持部材73を介して発電機70および電動機80が保持されている。
発電機70は、入力軸71が装着部62の軸部62dと同心に連結されており、この発電機70には主軸46の回転力が装着部62を介して伝達される。
発電機70には、たとえば、三相同期発電機が用いられる。
【0025】
電動機80は、図示しない導電ケーブルによって、発電機70で発電された電力が供給される。この電動機80は、発電機70から供給される電力によって駆動される。
電動機80には、たとえば、三相誘導電動機を用いることができる。
【0026】
工具保持部90は、回転軸91と、この回転軸91と電動機80の回転軸81とを連結するカップリング93と、回転軸91の先端部に固定された工具装着部材95とを有する。
【0027】
回転軸91は、ケース部材68の内周に複数の軸受92を介して回転自在に保持されている。
回転軸91の先端側は、ケース部材68に抜け止め部材94によって抜け止めされている。
【0028】
刃具100は、工具装着部95に保持されており、この刃具100はワークを加工する。刃具100は、具体的には、ドリル、エンドミル等の各種の刃具である。
【0029】
ケース部材66、67および68は、たとえば、ボルト等の締結手段によって連結されており、これらケース部材66、67および68がケース65を構成している。
ケース部材66の外周には、回り止め部材85が設けられている。
回り止め部材85は、装着部62が後述するクランプ装置に装着されることにより、当該クランプ装置に設けられた嵌合穴に先端部が挿入される。これにより、ケース部材66、すなわち、ケース65は、装着部62が回転しても回転が規制される。
【0030】
クランプ装置
図3は、クランプ装置150の構造を示す断面図である。なお、図3はクランプ装置150がロボット本体2に取り付けられ、かつ、クランプ装置150によって上記した工具60がクランプされた状態を示している。
図3に示すように、クランプ装置150は、ケース151と、ケース151に回転自在に保持された伝達軸152とを有する。
【0031】
ケース151は、円筒状の部材からなり、上端側に設けられたフランジ部151fが上記した取付部材41eに複数のボルトBTによって固定されている。
ケース151の下端部には、上記した工具60の回り止め部材85の先端部が挿入される嵌合穴151aが形成されている。
【0032】
伝達軸152は、ケース151の内周の上端側および下端側にそれぞれ設けられた軸受BRを介して当該ケース151に回転自在に保持されている。この伝達軸152は、伝達部材153の下端部と伝達部材154の上端部が嵌合固定されることによって構成されている。
伝達軸152は、上記したロボット本体2の駆動軸51の回転を工具60の装着部62bに伝達する役割を果たす。
【0033】
伝達部材153の上端側の中心部には、ロボット本体2の駆動軸51の先端に設けられた嵌合部51eが嵌合する嵌合凹部153rが形成されている。駆動軸51の嵌合部51eは、断面形状がたとえば、四角等の多角形となっており、嵌合凹部153rは嵌合部51eの外形に合致した形状となっている。嵌合凹部153rと嵌合部51eとが嵌合することによって、駆動軸51の回転が伝達軸152に伝達される。
【0034】
伝達部材153の下端側の中心部には、シリンダ室153cが形成されている。このシリンダ室153cは、伝達部材153の半径方向に形成された管路153pと連通している。管路153pの外周には、環状の溝部153tが形成されている。また、ケース151には、溝部153tに対向する位置に当該溝部153tに連通する管路151pが形成されており、この管路151pはケース151の外周まで延びている。
【0035】
ケース151に形成された管路151pには、コネクタ180を介して作動油を供給する供給管181が接続されている。この供給管181の他端は、図1に示した油圧源400に接続されている。
【0036】
伝達部材153の溝部153tの上下両側には、OリングORがそれぞれ設けられている。これらのOリングORは、油圧源400から供給管181、管路151p、溝部153tおよび管路153pを通じてシリンダ室153cに供給される作動油がケース151の内周と伝達部材153の外周の隙間から漏れるのを防ぐために設けられている。
【0037】
伝達部材153のシリンダ室153c内には、ピストン161が当該シリンダ室153c内を移動可能に設けられている。
このピストン161には、ロッド部材160が連結されている。
【0038】
一方、伝達部材154は、中心部に貫通孔を備えており、この伝達部材154の上側内周には、ピストン161に対向して規制部154tが形成されている。
この規制部154tとピストン161の下端面との間には、皿ばね190が設けられている。この皿ばね190は、ピストン161と規制部154tとを引き離す向きに当該ピストン161を付勢している。
また、伝達部材154の下側には、上記した工具60のテーパシャンク部62bが嵌合するテーパスリーブ154aが形成されている。
【0039】
ロッド部材160は、上端側にピストン161が連結され、中途部に拡径された環状の押圧部160aが形成され、下端部に拡径された引上部160bが形成されている。
【0040】
ロッド部材160の引上部160bの周囲には、複数のコレット170が設けられている。
コレット170は、ロッド部材160の矢印B1またはB2の向きへの移動に応じて開閉し、工具60のプルスタッド62cの引き上げ、あるいは、解放を行う。
【0041】
次に、上記構成のクランプ装置150による工具60のクランプ、アンクランプ動作について説明する。
まず、クランプ装置150に工具60が装着されていない状態において、上記した油圧源400から高圧の作動油をシリンダ室153cに供給する。
油圧源400から高圧の作動油がシリンダ室153cに供給されると、ピストン161は、皿ばね190の付勢力に抗して下方(矢印B2に向き)に移動する。
【0042】
ピストン161が矢印B2に向きに下降すると、ロッド部材160が矢印B2で示す下方に押し下げられ、ロッド部材160の押圧部160aがコレット170の上端部を下方に向けて押圧し、コレット170が開く。
コレット170が開いた状態で、工具60のテーパシャンク部62bを伝達部材154のテーパスリーブ154aに装着する。
【0043】
次いで、油圧源400からシリンダ室153cへの高圧の作動油の供給を停止する。シリンダ室153cへの高圧の作動油の供給を停止すると、ピストン161は、皿ばね190の付勢力矢印B1の向きに上昇する。
ピストン161の上昇によってロッド部材160も上昇し、コレット170は引上部160bと係合し、コレット170は閉じる。これにより、工具60のプルスタッド62cはコレット170によって締め付けられながら引き上げられる。これにより、装着部62のテーパシャンク62bは伝達部材154のテーパスリーブ154aにクランプされる。
【0044】
装着部62のテーパシャンク62bを伝達部材154のテーパスリーブ154aからアンクランプするときは、油圧源400からシリンダ室153cへ高圧の作動油を供給してコレット170を開けばよい。
【0045】
次に、本実施形態に係る産業用ロボット1の動作の一例について説明する。
まず、クランプ装置150をロボット本体2の取付部材41eに固定したのち、クランプ装置150によって工具60をクランプする。
【0046】
この状態から、ロボット本体2のサーボモータ34を回転数N0 で回転させると、ロボット本体2の駆動軸51とクランプ装置150の伝達軸152を介して接続された工具60の装着部62が回転し、サーボモータ34の回転力が発電機70に伝達される。
これにより、発電機70は、たとえば、三相同期発電機を用いた場合には、三相交流電力を発電する。
【0047】
三相同期発電機の発生する三相交流電力の周波数fは、三相同期発電機の極数をP1 とし、主軸46の回転数をN0 〔min-1〕とすると、次式(1)によって表される。
【0048】
【数1】
f=P1 ×N0 /120〔Hz〕 …(1)
【0049】
したがって、サーボモータ34を回転数N0 で回転させると、上記(1)式で表される周波数fの三相交流電力が電動機80に供給される。
【0050】
ここで、電動機80に三相誘導電動機を用いたとすると、この三相誘導電動機の極数がP2 とすると、三相誘導電動機は3相交流の1サイクルで2/P2 回転することから、すべりがないときの三相誘導電動機の同期速度N1 は、次式(2)で表される。
【0051】
【数2】
N1 =120×f/P2 〔min-1〕 …(2)
【0052】
したがって、サーボモータ34の回転数N0 に対する電動機80の回転数N1は次式(3)によって表される。
【0053】
【数3】
N1 =N0 ×P1 /P2 〔min-1〕 …(3)
【0054】
(3)式からわかるように、サーボモータ34の回転数N0 は、上記(3)式で表される回転数N1 に変速される。
(3)式で示すように、三相同期発電機の極数P1 と三相誘導電動機の極数P2 との比を適宜設定することにより、サーボモータ34の回転数N0 に対する電動機80の回転数N1 の変速比を任意に設定できることが分かる。
すなわち、サーボモータ34の回転数N0 に対して電動機80の回転数N1 を増速したい場合には、極数比P1 /P2 を1より大きくし、減速したい場合には、極数比P1 /P2 を1より小さくなるように、三相同期発電機の極数P1 および三相誘導電動機の極数P2 を予め選択すればよい。
【0055】
たとえば、サーボモータ34の最大回転数Nmax が3000min-1であるとすると、刃具100の回転数をこの最大回転数Nmax よりも高い30000rpmに増速させたいような場合には、上記の極数比P1 /P2 が10である三相同期発電機および三相誘導電動機を内蔵した工具60を予め用意しておく。
【0056】
サーボモータ34を3000rpmで回転させると、発電機70はサーボモータ34の回転数および極数P1 に応じた周波数の三相交流を発生する。
電動機80は、発電機70から供給される三相交流によって駆動され、工具60の刃具100は、略30000rpmの回転数で回転する。
【0057】
上記のように刃具100が増速された状態で、ロボット本体2を予め教示した作業プログラムにしたがって動作させる。
ロボット本体2は、作業プログラムにしたがって、工具60をワークに対して移動位置決めする。これにより、刃具100によるワークの切削加工が行われる。
【0058】
工具の自動交換
図4は、上記した工具60の自動交換方法を説明するための図である。
たとえば、刃具100の種類や変速比等が異なる複数の工具60を予め用意しておき、これらの工具60を交換することにより、ワークに対する種々の切削加工を行うことが可能となる。
しかしながら、工具60の交換を手作業で行っていたのでは、作業効率が悪い。
【0059】
このため、図4に示すように、収容部200A〜200Fを備えたストッカ200をロボット本体2の可動範囲内に設置する。
収容部200A〜200Fは、複数種の工具60A〜60Fをそれぞれ収容する。また、上記したプルスタッド62c側が上方を向くように工具60A〜60Fは各収容部200A〜200Fにそれぞれ収容される。
【0060】
たとえば、ティーチングペンダント22を用いて、収容部200A〜200Fに収容された各工具60A〜60Fの位置をロボット本体2に内蔵されたコントローラ21にティーチングする。このティーチングに付随して、上記したクランプ装置150への油圧源400からの作動油の供給、停止動作もコントローラ21にティーチングする。
【0061】
工具60の交換の際には、予めコントローラ21に教示したティーチングプログラムを呼び出しこれを実行することにより、クランプ装置150は教示した位置に移動位置決めされ、コントローラ21から油圧源400へ制御信号21sが出力される。
クランプ装置150の移動位置決め動作とクランプ装置150のクランプ/アンクランプ動作との協動により、複数種の工具60A〜60Fのうち所望の工具をクランプ装置150に対して着脱することが可能となる。
【0062】
以上のように、本実施形態によれば、発電機70および電動機80を内蔵し、発電機70で発生した電力で電動機80を駆動することで、ロボット本体2に内蔵された本発明の駆動源としてのサーボモータ34に対して独立に刃具100を回転させることが可能となり、刃具100をサーボモータ34の最大回転数よりも増速させる等の変速が可能となる。
【0063】
さらに、本実施形態によれば、刃具100を電動機80で直接回転させ、本発明の駆動源としてのサーボモータ34と刃具100との間に機械的な伝達機構が存在しないため、刃具100の応答性を向上でき、また、歯車機構等の機械的な伝達機構による熱の発生がない。
【0064】
また、本実施形態によれば、ロボット本体2自身が工具60を所望の位置に移動位置決めすることができるため、専用の自動交換装置を設けなくても工具60の自動交換が可能となる。
また、本実施形態によれば、発電機70の発電した電力によって刃具100を駆動するため、外部から駆動電流を供給する必要がなく、この結果、電源供給のための配線が必要ない。
【0065】
本発明は上述した実施形態に限定されない。
上述した実施形態では、本発明が適用される産業用ロボットとして、水平多関節形ロボットを例に挙げて説明したが、これ以外の産業用ロボットにも本発明は適用可能である。
たとえば、図5に示すいわゆる5軸多関節形ロボットにも適用可能である、この5軸多関節形ロボット500は、ベース部501と、このベース部501に旋回可能に設けられた旋回部502と、旋回部502に一端部が旋回可能に設けられた第1アーム部503と、この第1アーム部503の他端部に旋回可能に設けられた第2アーム部504と、第2アーム部504の先端部に回転可能に設けられたハンド505とを有する。
たとえば、第2アーム部504に駆動源を内蔵し、ハンド505の代わりに上記したクランプ装置150および工具60を取り付けることにより、ワークの切削加工が可能である。
【0066】
また、図6に示すように、ハンド部601をx、yおよびzの直交座標系に沿って移動位置決め可能ないわゆる水平形ロボット600にも本発明を適用することができる。さらに、円筒形、極座標形のロボットにも本発明を適用することが可能である。
なお、図5および図6に記載した産業用ロボットは、「特許マップシリーズ
機械8 産業ロボット」(編集−特許庁、発行−社団法人 発明協会)に掲載されたものと同様の周知の産業ロボットである。
【0067】
上述した実施形態では、本発明のエンドエフェクタとして工具60の場合について説明したが、たとえば、溶接用やハンドリング用のエンドエフェクタにも本発明を適用可能である。すなわち、溶接用やハンドリング用のエンドエフェクタの動作に必要な電力を発電機70で発電すればよい。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、エンドエフェクタに発電機を備え、この発電機によって発電した電力を用いて、たとえば、電動機等の作動手段を作動させる。このため、外部からエンドエフェクタに給電する必要がなくなる。また、エンドエフェクタの機能や性能をロボット本体とは独立に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る産業用ロボットの構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るエンドエフェクタとしての工具の構成を示す断面図である。
【図3】クランプ装置の構造を示す断面図である。
【図4】工具の自動交換方法を説明するための図である。
【図5】本発明が適用可能な産業用ロボットの他の例を示す斜視図である。
【図6】本発明が適用可能な産業用ロボットのさらに他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…産業用ロボット
2…ベース部
4…第1旋回部
6…第2旋回部
60…工具
65…ケース
66,67,68…ケース部材
70…発電機
80…電動機
90…工具保持部
95…工具装着部
100…刃具
150…クランプ装置
151…ケース
152…伝達軸
170…コレット
190…皿ばね
Claims (6)
- 複数種のエンドエフェクタと、
前記複数種のエンドエフェクタのいずれかをクランプ又はアンクランプするクランプ手段と、
前記クランプ手段を保持し、前記クランプ手段にクランプされたエンドエフェクタを移動位置決め及び駆動する産業用ロボット本体と、
前記複数種のエンドエフェクタを収容するストッカと
を有し、
前記複数種のエンドエフェクタのそれぞれは、
発電機と、
前記発電機によって発電された電力によって作動する作動手段と
を有し、
前記複数種のエンドエフェクタには、前記発電機により動作に必要な電力が発電される、溶接用のエンドエフェクタ及びハンドリング用のエンドエフェクタの少なくとも一方が含まれ、
前記クランプ手段は、
クランプ手段ケースと、
前記クランプ手段ケースに回転自在に保持され、前記発電機に回転を伝達する伝達軸と
を有し、
前記産業用ロボット本体は、
ベース部と、
前記ベース部に対して移動可能で、前記クランプ手段ケースがボルトにより固定されたアーム部と、
前記アーム部を前記ベース部に対して駆動するアーム用駆動源と、
前記アーム部に設けられ、前記伝達軸を介して前記発電機に回転動力を供給するエンドエフェクタ用駆動源と、
前記アーム用駆動源、前記クランプ手段及び前記エンドエフェクタ用駆動源の動作を制御するコントローラと
を有し、
前記ストッカは、
前記ベース部に対する前記アーム部の移動による前記クランプ手段の可動範囲内に配置され、
前記複数種のエンドエフェクタをそれぞれ収容する複数の収容部を有し、
前記コントローラは、
前記複数種のエンドエフェクタのうちの所望のエンドエフェクタの、前記複数の収容部のいずれかに収容されているときの位置に、前記クランプ手段を移動させて、前記所望のエンドエフェクタをクランプ又はアンクランプするように、前記アーム用駆動源及び前記クランプ手段の動作を制御する
産業用ロボット。 - 前記複数種のエンドエフェクタには、前記作動手段が、
前記発電機によって発電された電力により駆動される電動機と、
前記電動機によって回転されるワークを加工する刃具と
を有する工具が含まれる
請求項1に記載の産業用ロボット。 - 前記複数種のエンドエフェクタには、複数の前記工具が含まれ、
前記複数の工具それぞれの前記発電機は三相同期発電機であり、
前記複数の工具それぞれの前記電動機は三相誘導電動機であり、
前記複数の工具は、極数比が互いに異なる
請求項2に記載の産業用ロボット。 - 前記アーム部として、
前記ベース部に対して第1の鉛直軸回りに旋回可能に保持された第1旋回部と、
前記第1旋回部に前記第1の鉛直軸から離れた第2の鉛直軸回りに旋回可能に保持された第2旋回部と、
前記第2旋回部の前記第2の鉛直軸から離れた位置に昇降可能に保持され、前記クランプ手段を保持する昇降部材と
を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の産業用ロボット。 - 前記アーム部として、
前記ベース部に対して鉛直軸回りに旋回可能に保持された旋回部と、
一端部が前記旋回部に第1の水平軸回りに旋回可能に保持された第1アーム部と、
前記第1アーム部の他端部に第2の水平軸回りに旋回可能に保持された第1連結部と、
一端部が前記第1連結部に前記第2の水平軸に直交する軸回りに旋回可能に保持された第2アーム部と、
前記第2アーム部の他端部に第3の水平軸回りに旋回可能に保持され、前記クランプ手段を保持する第2連結部と
を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の産業用ロボット。 - ティーチングペンダントを更に有し、
前記コントローラは、前記ティーチングペンダントの操作によって、前記所望のエンドエフェクタの前記複数の収容部のいずれかに収容されているときの位置に前記クランプ手段を移動させて前記所望のエンドエフェクタをクランプ又はアンクランプする動作を教示される
請求項1〜5のいずれか1項に記載の産業用ロボット。
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-
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