JP4029544B2 - 液体容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体容器内の液体の消費状態を検出する液体センサを有する液体容器に関し、より詳しくは、インクジェット記録装置において、記録ヘッドへ液体を供給する液体容器内の液体の消費状態を検知する液体センサと、容器内を仕切る隔壁とを有する液体容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録装置は、圧力発生室を加圧する圧力発生手段と、加圧されたインクをノズル開口からインク滴として吐出するノズル開口とを備えたインクジェット記録ヘッドをキャリッジに搭載する。インクジェット記録装置は、インクタンクのインクを流路を介して記録ヘッドに供給しながら印刷を継続可能に構成されている。インクタンクは、インクが消費された時点で、ユーザが簡単に交換できるように着脱可能なカートリッジとして構成されている。
【0003】
従来、インクカートリッジのインク消費の管理方法として、記録ヘッドでのインク滴の吐出数やメンテナンスにより吸引されたインク量をソフトウエアにより積算してインク消費を計算により管理する方法と、インクカートリッジに液面検出用の電極または圧電装置を取付けることにより、実際にインクが所定量消費された時点を管理する方法などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ソフトウェアによりインク滴の吐出数やインク量を積算してインク消費を計算上で管理する方法は、ユーザサイドでの印刷形態等により誤差が生じたり、また同一カートリッジの再装着時には大きな誤差が生じるという問題がある。また、使用環境により、例えば室温が極端な高低、あるいはインクカートリッジの開封後の経過時間などによってインクカートリッジ内の圧力やインクの粘度が変化して、計算上のインク消費量と実際の消費量との間に無視できない誤差が生じてしまうという問題もあった。
【0005】
一方、電極によりインクが消費された時点を管理する方法は、インクの実量を検出できるため、インク残量を高い信頼性で管理できる。しかしながら、インクの液面の検出をインクの導電性に頼るので、検出可能なインクの種類が限定されたり、また電極のシール構造が複雑化する問題がある。また、電極の材料として、通常は導電性が良く耐腐食性も高い貴金属を使用するので、インクカートリッジの製造コストがかさむという問題もあった。さらに、2本の電極をそれぞれインクカートリッジの別な場所に装着する必要があるため、製造工程が多くなり結果として製造コストがかさんでしまうという問題もあった。
【0006】
また、圧電装置によりインクが消費された時点を管理する方法において、下記不具合がある。インクカートリッジが印字時の走査等により振動し、インクが波打つ場合に、気泡が生ずる場合がある。それによって、容器内のインクが少ない場合であっても、インクが波打ち圧電装置に誤ってインクが付着した場合には、圧電装置がインクエンドを検出すべきところを容器内にインクがまだ充分にあると誤って検出してしまう虞がある。また、気泡が圧電装置に付着した場合には、容器内にインクが満たされているにもかかわらず、インクが無いと誤って検出する虞がある。
【0007】
さらに、インクカートリッジ内のインクエンドの状態を検出するためには、インクカートリッジにおいて圧電装置を配備する位置が限定されるという問題がある。例えば、インクの液面に対して下方にある壁に圧電装置を配備すれば、圧電装置はインクエンドを検出できる。一方で、インクの液面に対して上方にある壁に圧電装置を配備すれば、圧電装置はインクエンドを検出できない。
【0008】
そこで本発明は、液体残量を正確に検出でき、かつ複雑なシール構造を不要とした液体容器を提供することを目的とする。
【0009】
また、液体容器内の液体が波打ち、または泡立つことを防止することを目的とする。
【0010】
さらに、液体容器内の液体が波打ち、または泡立った場合においても、圧電装置が、正確に液面の検出をし、液体の消費量を正確に検出できる液体容器を提供することを目的とする。
【0011】
さらに液体容器内の液体が消費されたときの状態を検出することができ、かつ圧電装置を配備する位置が液体の液面に対して上方にある壁であっても、液体の消費状態を検出できる液体容器を提供することを目的とする。
【0012】
この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明に従った液体容器の第1の形態によると、液体を収容し、かつ液体の液面に対して上方にある頂壁を有する容器と、液体を容器の外部へ供給する液体供給口と、容器内の液体の消費状態を検出する液体センサと、容器内において互いに液体が連通するように少なくとも二つの液体収容室を仕切る第1隔壁とを備える。少なくとも二つの液体収容室は、大気と連通する通気側液体収容室と、頂壁に前記液体センサを配備した検出側液体収容室と、を含む。前記少なくとも二つの液体収容室を互いに連通させる連通口が前記隔壁の下方に形成されており、外部に液体を供給する液体供給口を通気側液体収容室と連通するように形成されており、検出側液体収容室の内壁から延びて、検出側液体収容室内を、互いに液体が連通するように少なくとも二つの検出側液体収容小室に仕切る第2隔壁をさらに有し、液体収容小室を連通させる連通口が第2隔壁の下方に形成されており、液体センサは、検出側液体収容小室にそれぞれ配備されており、前記少なくとも二つの検出側液体収容小室について、液体供給口に遠い検出側液体収容小室ほど容量が小さい。
【0014】
好適には、検出側液体収容室の容量は、通気側液体収容室の容量の半分またはそれより小さい。
【0015】
好適には、検出側液体収容室には、液体を保持する毛細管力が作用しない。
【0016】
好適には、検出側液体収容室の頂壁には気泡を捕らえる凹部が形成されている。液体センサは、容器の内方に開口して液体を保持するキャビティを有していてもよい。
【0017】
好適には、液体センサは振動を生ずる振動部を有しする圧電装置であり、振動部が振動を発生した後、振動部に残留する残留振動によって逆起電力を発生し、この逆起電力に基づいて液体の消費状態を検出する。また、好適には、液体容器は、インク滴を吐出する記録ヘッドを有するインクジェット記録装置に装着され、記録ヘッドへ容器内の液体を供給する。
【0018】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態はクレームにかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0020】
図1は、本発明が適用される液体容器の実施例として、単色、例えばブラックインク用のインクカートリッジの一実施形態の断面図である。図1のインクカートリッジは、上記に説明した方法のうちの、振動部に残留する残留振動によって生ずる逆起電力を測定ることによって共振周波数を検出して液体容器内の液面の位置や液体の有無を検出する方法に基づいている。液体を検出する液体センサの一実施例としてアクチュエータ106が用いられている。インクKを収容し、かつインクKの液面に対して上方にある頂壁1030を有する容器1と、インクKを容器1の外部へ供給するインク供給口2と、容器1内のインクKの消費状態を検出するアクチュエータ106と、容器1内において互いにインクKが連通するように少なくとも二つのインク収容室を仕切る第1隔壁193aとを備える。少なくとも二つのインク収容室は、大気と連通する通気側インク収容室123aと、頂壁1030にアクチュエータ106を配備した検出側インク収容室123bと、を含む。
【0021】
大気と連通する通気側インク収容室123aには、頂壁1030に通気孔233が配備される。通気孔233は、図5の実施例のように逆止弁を使用すればよい。ただし、通気孔233は、図5の逆止弁に限定しない。インクKが消費され容器1内が極端に負圧になると、通気孔233によって容器1の外部から通気側インク収容室123aへ空気が導入され、容器1内が負圧になるのを防止する。よって、インクKが消費されるにしたがって通気側インク収容室123aには、通気孔233を介して空気が導入され、インクKの液面が低下する。一方、隔壁193aと頂壁1030との間は、液密に結合される。よって、インクKが消費された場合でも、インクKの液面が隔壁193aの下端193aaに達するまでは容器1のうち検出側インク収容室123bには、インクKが満たされた状態になっている。インクの消費が進み、インクKの液面が隔壁193aの下端193aaに到達したときに、検出側インク収容室123bに気体が侵入する。それによって、検出側インク収容室123bに残存していたインクKがインク供給口2の側へ流出し、アクチュエータ106周辺は、インクKから大気へ変更する。それによって、アクチュエータ106は、インクカートリッジ内がインクエンドであることを検出することができる。従って、本実施例によれば、インクエンドであるインクKの液面のレベルを決定するのは、下端193aaである。また、インクの液面に対してほぼ垂直に延びる側壁1010と隔壁193aとの間の幅によって検出側インク収容室123bの容量が決定される。従って、側壁1010と隔壁193aとの間の幅および下端193aaのインクの液面に対して垂直の方向の高さによって、インクエンドを検出するときに容器1内に残存するインクの量を設定できる。
【0022】
検出側インク収容室123bの容量は、通気側インク収容室123aの容量の半分またはそれより小さいことが好ましい。しかし、検出側インク収容室123bには、インクKを保持するような毛細管力は作用しない。
【0023】
また、通気孔の構造の詳細は、図5において記載する。
【0024】
また、本実施例に従ったインクカートリッジのインク供給口2にはパッキン4及び弁体6が設けられている。図3に示すように、パッキン4は記録ヘッド31に連通するインク供給針32と液密に係合する。弁体6は、バネ5によってパッキン4に対して常時弾接されている。インク供給針32が挿入されると、弁体6はインク供給針32に押されてインク流路を開放し、容器1内のインクがインク供給口2およびインク供給針32を介して記録ヘッド31へ供給される。容器1の上壁の上には、インクカートリッジ内のインクに関する情報を格納した半導体記憶手段7が装着されている。
【0025】
隔壁193aが存在しない場合には、インクカートリッジが印字時の走査等により振動し、インクが波打つ場合に、気泡が生ずる場合がある。それによって、容器1内のインクが少ない場合であっても、インクが波打ちアクチュエータ106に誤ってインクが付着した場合には、アクチュエータ106がインクエンドを検出すべきところを容器1内にインクがまだ充分にあると誤って検出してしまう虞がある。また、気泡がアクチュエータ106に付着した場合には、容器1内にインクが満たされているにもかかわらず、インクが無いと誤って検出する虞がある。
【0026】
しかし、本発明の液体容器の実施例によれば、インクカートリッジが印字時の走査等により振動した場合であっても、隔壁によって、インクが圧電装置付近において波打つことを防止する。インクが圧電装置付近において波打つことを防止することによって、気泡が生ずることを防止する。また、通気側インク収容室に気泡が生じたとしても、隔壁は通気側インク収容室と検出側インク収容室とを気密または液密に隔てる。従って、隔壁は、気泡がアクチュエータ106に接近し、接触するのを防止する。
【0027】
隔壁の大きさ、厚さ、形、柔軟性および材料に限定は無い。したがって、隔壁は、比較的大きくしてもよく、小さくしてもよい。また、隔壁は、比較的厚くしてもよく、薄くしてもよい。また、隔壁は、正方形でもよく、長方形でもよい。好ましくは、インクカートリッジの形状に応じて隔壁の形状、大きさおよび厚さを変更する。また、隔壁は、鋼質な材料から形成してもよく、柔軟な材料から形成してもよい。例えば、プラスチック、テフロン、ナイロン、ポリプロピレン、PETなどがある。好ましくは、隔壁は、気体および液体を通過させない材料である。また、好ましくは、容器と隔壁とは、一体的に成形できるように同じ材料から形成される。それによって、インクカートリッジの製造行程が短縮化される。
【0028】
図2は、複数種類のインクを収容するインクカートリッジの外部から観察した斜視図を示す。図2は、容器8の壁のうち、インクKの液面に対して上方にある頂壁1038の側からの斜視図である。容器8は、3つのインク室9、10及び11に分割される。それぞれのインク室には、インク供給口12、13及び14が形成されている。それぞれのインク室9、10及び11の頂壁1038には、アクチュエータ15、16および17が、容器8に配設された貫通孔(図示せず)を介して各インク室内に収容されているインク接触できるように取付けられている。さらに、それぞれのインク室9、10及び11の内部には、図1の実施例によるインクカートリッジと同様に、隔壁(図示せず)が配備されている。各インク室9、10及び11に設けられた隔壁は、各インク室9、10及び11を通気側インク収容室と検出側インク収容室(図示せず)とに隔てる。
【0029】
図3は、図1及び図2に示したインクカートリッジに適したインクジェット記録装置の要部の実施形態を示す断面図である。記録用紙の幅方向に往復動可能なキャリッジ30は、サブタンクユニット33を備えていて、記録ヘッド31がはサブタンクユニット33の下面に設けられている。また、インク供給針32はサブタンクユニット33のインクカートリッジ搭載面側に設けられている。図3においては、図1または図2に示すインクカートリッジを使用している。しかし、他の図面に示されたインクカートリッジを使用してもよい。
【0030】
容器1のインク供給口2をサブタンクユニット33のインク供給針32に挿通すると、弁体6がバネ5に抗して後退し、インク流路が形成され、容器1内のインクがインク室34に流れ込む。インク室34にインクが充填された段階で、記録ヘッド31のノズル開口に負圧を作用させて記録ヘッド31にインクを充填した後、記録動作を実行する。
【0031】
記録動作により記録ヘッド31においてインクが消費されると、膜弁36の下流側の圧力が低下するので、膜弁36が開弁する。膜弁36が開くことにより、インク室34のインクはインク供給路35を介して記録ヘッド31に流れこむ。記録ヘッド31へのインクの流入に伴なって、容器1のインクは、インク供給針32を介してサブタンクユニット33に流れ込む。
【0032】
図4は、本発明が適用される液体容器の実施例としてインクカートリッジの他の実施形態の断面図である。本実施例におけるインクカートリッジでは、インクKの液面に対して上方にある頂壁1039がインクKの液面に対して傾斜する。アクチュエータ106は頂壁1039に配設された貫通孔1cを介してインクKと接触できるように配備される。隔壁193cは、頂壁1039からインクの液面に対して下方へ延びている。さらに、本実施例では、検出側インク収容室123b内の頂壁1039から延びて、検出側インク収容室123b内を、互いにインクが連通するように少なくとも二つの検出側インク収容小室1123a、1123bに仕切る第2隔壁193dを有している。2つのアクチュエータ106a、106bは、検出側インク収容小室1123a、1123bのそれぞれの頂壁1039に配備されている。
【0033】
また、インク供給口2に近い通気側インク収容室123aの容量は、当該通気側インク収容室123aよりインク供給口2から遠い検出側インク収容室123bの容量よりも大きい。さらに、検出側インク収容室123bのうち、インク供給口2に近い検出側インク収容小室1123aの容量は、当該検出側インク収容小室1123aよりインク供給口2から遠い検出側インク収容小室1123bの容量よりも大きい。従って、まず、通気側インク収容室123aのインクが消費される。インクが消費されるに従って通気側インク収容室123aのインクの液面が低下する。一方で、隔壁193ccと頂壁1039とは気密または液密に接続されているので、インクの液面が隔壁193cの下端193ccに達するまでは、検出側インク収容室123bはインクで満たされている。次に、通気側インク収容室123aのインクの液面が隔壁193cの下端193ccに達すると、検出側インク収容小室1123aのインクが流出することによって、検出側インク収容小室1123aのインクが消費され始める。インクが消費されるに従って検出側インク収容室1123aのインクの液面が低下する。一方で、隔壁193ddと頂壁1039とは気密または液密に接続されているので、インクの液面が隔壁193dの下端193ddに達するまでは、検出側インク収容小室1123bはインクで満たされている。最後に、検出側インク収容室1123aのインクの液面が隔壁193dの下端193ddに達すると、検出側インク収容小室1123bのインクが流出することによって、検出側インク収容小室1123bのインクが消費され始める。
【0034】
従って、アクチュエータ106a、106bは、段階的にインクの消費状態を検出することができる。また、インク供給口2に近い通気側インク収容室123aから、検出側インク収容室1123a、検出側インク収容室1123bへと容量が小さくなっていくことによって、アクチュエータ106a、106bがインクを検出する頻度が次第に頻繁となる。したがって、インクの残量が少量になると検出の頻度が多くなるように設定できる。
【0035】
図4におけるインクカートリッジにおける容器は1つの第2隔壁を有するが、他の実施例としてさらに、容器は検出側インク収容室123b内を、三つ以上の検出側インク収容小室に仕切るように複数の第2隔壁を設けてもよい。複数の第2隔壁は、検出側インク収容室123b内を二つ以上の検出側インク収容小室に仕切る。二つ以上の検出側インク収容小室のそれぞれの容量は、容器の壁のうち、互いに対向する少なくとも二つの側壁のうち一方の側壁から他方の側壁に向かうにしたがって、徐々に変化させてもよい。好ましくは、図4に示すように、検出側インク収容小室のそれぞれの容量は、インク供給口2に近い検出側インク収容小室からインク供給口2に遠い検出側インク収容小室へ向かって次第に小さくする。それによって、アクチュエータ106は、インクカートリッジ内のインクKが徐々に消費されていく様子を検出することができる。また、インク供給口2に近い検出側インク収容小室からインク供給口2から遠い検出側インク収容小室へと徐々に小さくなっているので、図4の実施例のインクカートリッジと同様に、アクチュエータ106が、インク量の減少を検出する時間的な間隔が徐々に小さくなり、インクエンドに近づくほど頻度を高く検出することができる。
【0036】
さらに、図4の実施例では、複数のアクチュエータ106a、106bのうちアクチュエータ106aは、隔壁193cの近傍に配備される。アクチュエータ106bは、隔壁193dの近傍に配備される。それによって、通気側インク収容室123a内のインクが隔壁193cの下端193cに達しないうちに気泡Gが検出側インク収容室123bに侵入または発生しても、気泡Gは、頂壁1039と隔壁193cとの境界または頂壁1039と側壁との境界のうち、インクの液面に対して上方の境界に溜まる。したがって、アクチュエータ106に気泡Gが付着することがない。
【0037】
図5は、アクチュエータ106を用いたインクカートリッジの更に他の実施形態を示す。図5(A)のインクカートリッジ220Aは、インクカートリッジ220Aの上面から下方へと延びるように設けられた第1隔壁222を有する。第1隔壁222の下端とインクカートリッジ220Aの底面との間には所定の間隙が空けられているので、インクは、インクカートリッジ220Aの底面を通じてインク供給口230へ流れることができる。第1隔壁222よりインク供給口230側には、インクカートリッジ220Aの底面より上方に延びるように第2隔壁224が、形成されている。第2隔壁224の上端とインクカートリッジ220A上面との間には所定の間隙が空けられているので、インクは、インクカートリッジ220Aの上面を通じてインク供給口230へ流入できる。
【0038】
第1隔壁222によって、通気側インク収容室225aおよび検出側インク収容室が形成される。第2隔壁224によって、検出側インク収容小室225bおよび検出側インク収容小室227が形成される。通気側インク収容室225aの容量は、検出側インク収容小室225bの容量より大きい。第1隔壁222及び第2隔壁224の間には、毛管現象を発生させるだけの間隙を有する検出側インク収容小室227が形成される。したがって、通気側インク収容室225aのインクは、検出側インク収容小室227の毛細管力により、検出側インク収容小室227に集められる。また、第1隔壁222があるので、気体や気泡が検出側インク収容小室225bへ混入するのを防止することができる。さらに、検出側インク収容小室225b内のインクの水位は、安定的に徐々に下降できる。インク供給口230から見て、通気側インク収容室225aは、検出側インク収容小室225bより奥に形成されているので、通気側インク収容室225aのインクが消費された後、検出側インク収容小室225bのインクが消費される。また、検出側インク収容小室227によって通気側インク収容室225aから検出側インク収容小室225bへインクが供給されることにより、アクチュエータ106は、インクカートリッジ220Aの横揺れによるインクの横揺れの影響を受けない。従って、アクチュエータ106は、インク残量を確実に測定できる。更に、検出側インク収容小室227が、インクを保持するので、インクが検出側インク収容小室225bから通気側インク収容室225aへ逆流するのを防ぐ。
【0039】
検出側インク収容小室225bのインク供給口230側の頂壁1013には、アクチュエータ106が装着されている。アクチュエータ106は、検出側インク収容小室225b内のインクの消費状態を検知する。アクチュエータ106を、検出側インク収容小室225bに装着することによって、インクエンドにより近い時点でのインク残量を安定的に検出することができる。
【0040】
インクカートリッジ220Aの頂壁1013には、通気孔233が配設される。また、通気孔233には、逆止弁228が設けられている。逆止弁228によって、インクカートリッジ220Aが横揺れしたときに、インクがインクカートリッジ220Aの外部に漏れるのを防ぐことができる。更に、逆止弁228をインクカートリッジ220Aの上面に設置することで、インクカートリッジ220Aの通気孔233からのインクの蒸発を防ぐことができる。インクカートリッジ220A内のインクが消費されて、インクカートリッジ220A内に極端な負圧が発生すると、逆止弁228が開いて、インクカートリッジ220Aに空気を吸入し、その後閉じてインクカートリッジ220Aからのインクの排出を促す。
【0041】
図5(B)及び(C)は、逆止弁228の詳細の断面を示す。図5(B)の逆止弁228は、ゴムにより形成された羽根232aを有する弁232を有する。インクカートリッジ220の外部との通気孔233が、羽根232aに対向してインクカートリッジ220に設けられる。羽根232aによって、通気孔233が開閉される。逆止弁228はインクカートリッジ220内のインクが減少し、インクカートリッジ220内に負圧が生じると、羽根232aがインクカートリッジ220の内側に開き、外部の空気をインクカートリッジ220内に取り入れる。図5(C)の逆止弁228は、ゴムにより形成された弁232とバネ235とを有する。逆止弁228では、インクカートリッジ220内に負圧が生じると、弁232がバネ235を押圧して開き、外部の空気をインクカートリッジ220内に吸入し、その後閉じてインクカートリッジ220からのインクの排出を促す。
【0042】
図6は、アクチュエータ106を用いたインクカートリッジの更に他の実施形態としてインクカートリッジ180を示す。図6のインクカートリッジ180Aは、容器194のうち、インクの液面に対して上方にある頂壁194cから下方に延びる隔壁212aを有する。隔壁212aによって、容器194内は、通気側インク収容室213aおよび検出側インク収容室213bに隔てられる。隔壁212aの下端212aaと容器194の底壁1aとは所定の間隔が空けられているので、通気側インク収容室213aと検出側インク収容室213bとは連通している。検出側インク収容室213bには、容器194の頂壁194cにアクチュエータ106が装着されている。検出側インク収容室213bの容量は、通気側インク収容室213aの容量より小さい。検出側インク収容室213bの容量は、通気側インク収容室213aの容量の半分より小さいことが好ましい。
【0043】
検出側インク収容室213bの頂壁194cには、インクカートリッジ180Aに入る気泡を捕らえる凹部であるバッファ214aが形成される。図6において、バッファ214aは、容器194の頂壁194cから上方へ張出す凹部として形成される。検出側インク収容室213bにインクが満たされているときに誤って気泡が検出側インク収容室213bに侵入したときに、バッファ214aは、その気泡を捕獲する。それによって、アクチュエータ106に気泡が付着するのを防止する。従って、アクチュエータ106は、容器194にインクが有るのにもかかわらず、インクが無いと誤って検出することを防止する。さらに、検出側インク収容室213bの容量を隔壁212aの長さを変更したり、隔壁212aと側壁194bとの幅を変更することによって、インクエンドを検出した後に残存する所定のインク量を変えることができる。
【0044】
図7は、インクカートリッジ180の更に他の実施形態を示す。図7のインクカートリッジ180Bでは、隔壁212bがL字型に形成される。隔壁212bは、頂壁194cから延びている。隔壁212bの下端212bbが、図6の実施例における隔壁212aの下端212aaと比較して長い。従って、通気側インク収容室213aにある気体は検出側インク収容室213bに侵入することが比較的困難になる。よって、アクチュエータ106に気泡が付着することによって、アクチュエータ106が誤ってインクエンドを検出することをさらに抑制することができる。尚、下端212bbと容器194の底壁1aとの間には間隙が設けられる。下端212bbと底壁1aとの間隙には、インクが保持されるような毛細管力は発生しない。
【0045】
図8は、インクカートリッジ180の更に他の実施形態を示す。図8のインクカートリッジ180Cでは、隔壁212cがインクの液面に対して傾斜するように配備される。隔壁212cは頂壁194cから延びている。インクカートリッジ180Cの側壁194bと隔壁212cとの間の間隔は、インクの液面に対して下方へ向かって次第に狭まっている。従って、通気側インク収容室213aにある気体は検出側インク収容室213bに侵入することが比較的困難になる。よって、アクチュエータ106が、気泡により誤ってインクエンドを検出することをさらに抑制することができる。尚、下端212ccと容器194の底壁1aとの間には間隙が設けられる。隔壁212cの下端212ccと側壁194bとの間隙には、インクが保持されるような毛細管力は発生しない。
【0046】
図9は、インクカートリッジ180の更に他の実施形態を示す。図9のインクカートリッジ180Dでは、第1隔壁212dは、頂壁194cからインクの液面に対して下方へ延びている。さらに、第2隔壁212eは、第1隔壁212dから側壁194bへ向かってインク液面に対してほぼ平行に延びている。第1隔壁212dは、容器194内を通気側インク収容室213aと検出側インク収容室とに隔てる。また、第2隔壁212eは、検出側インク収容室内を第1検出側インク収容室213cと第2検出側インク収容室213dとに隔てる。インクカートリッジ180Dの底壁1aと第1隔壁212dとの間には間隙が設けられている。また、インクカートリッジ180Dの側壁194bと第2隔壁212eの一端212ddとの間には間隙が設けられている。頂壁194cの一部分には凹部が設けられ、気泡を受容するバッファ214aが配設される。
【0047】
隔壁212dから側壁194bにむかって延びている第2隔壁212eの一端は、気体を収容するバッファ214aの直下位置まで延びている。従って、まず、第1隔壁212dが、第1検出側インク収容室213cに気泡が侵入するのを防止する。気泡が、誤って第1検出側インク収容室213cに侵入してしまった場合には、気泡は第2隔壁212eによってバッファ214aの直下位置まで導かれる、それによって、気泡は、バッファ214aへ受容される。従って、第2検出側インク収容室213d内にあるアクチュエータ106に気泡が付着することによって、アクチュエータ106が誤ってインクエンドを検出することをさらに抑制することができる。
【0048】
図10は、インクカートリッジ180の更に他の実施形態を示す。図10のインクカートリッジ180Eでは、図6と同様の隔壁212aを備える。隔壁212aは、頂壁194cからインクの液面に対して下方へ延びている。隔壁212aは、容器194内を通気側インク収容室213aと検出側インク収容室213bとに隔てる。インクカートリッジ180Eの底壁1aと隔壁212aとの間には間隙が設けられている。さらに、頂壁194cの一部分には凹部が設けられ、気泡を受容するバッファ214bが配設される。バッファ214bには、アクチュエータ106との間にテーパー面1040が設けられている。
【0049】
従って、まず、隔壁212aが、検出側インク収容室213bに気泡が侵入するのを防止する。気泡が、誤って検出側インク収容室213bに侵入してしまった場合には、気泡はバッファ214bへ直接に受容されるか、またはテーパー面1040に沿ってバッファ214bへ誘導される。従って、アクチュエータ106に気泡が付着することによって、アクチュエータ106が誤ってインクエンドを検出することをさらに抑制することができる。尚、バッファの形状および大きさについては、他の任意の形状または大きさにすることができる。
【0050】
図11は、インクカートリッジ180の更に他の実施形態を示す。図11のインクカートリッジ180Fでは、頂壁194cの一部分に容器194の内側へ突出する突部214fが設けられている。アクチュエータ106は突部214fの底部に配備される。隔壁212fは、頂壁194cからインクの液面に対して下方へ延びている。アクチュエータ106と隔壁212fとの間、およびアクチュエータ106と容器194の側壁194bとの間には、それぞれバッファ214cが設けられる。従って、アクチュエータ106の周囲は、バッファ214cで取り囲まれているため、アクチュエータには気泡が付着しにくい。
【0051】
図12は、インクカートリッジ180の更に他の実施形態を示す。図12のインクカートリッジ180Gでは、隔壁212gは、頂壁194cからインクの液面に対して下方へ延びている。隔壁212gは、容器194内を通気側インク収容室213aと検出側インク収容室213bとに隔てる。頂壁194cには凹凸が設けられ、2つのアクチュエータ106が容器の内側へ突出している部分に配備されている。頂壁194cの凹部は気泡を受容するバッファ214dとして作用する。アクチュエータを2つ配備したことにより、より信頼性の高い検出を行うことができる。
【0052】
図13は、インクカートリッジ180の更に他の実施形態を示す。図13のインクカートリッジ180Iは、容器194の頂壁194cから下方に延びる複数の隔壁212h、212i、212jおよび212kを有する。尚、隔壁212hは第1隔壁であり、隔壁212i、212jおよび212kは第2隔壁である。隔壁212h、212i、212jおよび212kの下端212hh、212ii、212jjおよび212kkと容器194の底壁1aとは所定の間隔が空けられているので、容器194の底部は連通している。インクカートリッジ180Iは複数の隔壁212h、212i、212jおよび212kのそれぞれによって区画された通気側インク収容室213aおよび複数の検出側インク収容小室213h、213i、213j、213kを有する。通気側インク収容室213aおよび複数の検出側インク収容小室213h、213i、213jおよび213kの底部は互いに連通する。複数の検出側インク収容小室213h、213i、213jおよび213kのそれぞれの頂壁194cにアクチュエータ106h、106i、106jおよび106kが装着されている。各アクチュエータ106h、106i、106jおよび106kは、容器194の検出側インク収容小室213h、213i、213jおよび213kのそれぞれの頂壁194cのほぼ中央に配置される。インク収容室の容量はインク供給口187側の通気側インク収容小室213aが最も大きい。また、インク供給口187から遠くなるに従い、インク収容室の容量は徐々に小さくなっている。したがって、インク供給口187から遠い検出側インク収容小室213kの容量がインク収容室の中で最も小さい。
【0053】
気体が通気孔233から導入されるので、インク供給口187側の通気側インク収容室213aから検出側インク収容小室213kへとインクが消費される。即ち、インク供給口187に最も近い通気側インク収容室213aのインクが消費されて、通気側インク収容室213aのインクの水位が下がっている間、他の検出側インク収容小室にはインクが満たされている。通気側インク収容室213aのインクの液面が隔壁212hの下端212hhに達すると、空気が検出側インク収容小室213hに侵入し、検出側インク収容小室213h内のインクが消費され始める。この時点で、検出側インク収容小室213i、213jおよび213kには、インクが満たされている。さらに、検出側インク収容小室213h内のインクの液面が隔壁212iの下端212iiに達すると、空気が検出側インク収容小室213iに侵入し、検出側インク収容小室213i内のインクが消費され始める。このように、通気側インク収容室213aから検出側インク収容小室213kへと順番にインクが消費される。
【0054】
アクチュエータ106h、106i、106jおよび106kがそれぞれの検出側インク収容小室ごとに頂壁194cに配置されている。従って、アクチュエータ106h、106i、106jおよび106kはインク量の減少を段階的に検出することができる。更に、インク収容室の容量が、インク供給口187の近くの通気側インク収容室213aから検出側インク収容小室213kへと徐々に小さくなっている。従って、アクチュエータ106h、106i、106jおよび106kがインク量の減少を検出する時間間隔は徐々に小さくなり、インクエンドに近づくほど頻度を高く検出することができる。
【0055】
図14は、圧電装置の一実施形態であるアクチュエータ106の詳細を示す。ここでいうアクチュエータは、少なくとも音響インピーダンスの変化を検知して液体容器内の液体の消費状態を検出する方法に用いられる。特に、残留振動により共振周波数の検出することで、少なくとも音響インピーダンスの変化を検知して液体容器内の液体の消費状態を検出する方法に用いられる。図14(A)は、アクチュエータ106の拡大平面図である。図14(B)は、アクチュエータ106のB−B断面を示す。図14(C)は、アクチュエータ106のC-C断面を示す。
【0056】
アクチュエータ106は、ほぼ中央に円形状の開口161を有する基板178と、開口161を被覆するように基板178の一方の面(以下、表面という)に配備される振動板176と、振動板176の表面の側に配置される圧電層160と、圧電層160を両方からはさみこむ上部電極164および下部電極166と、上部電極164と電気的に結合する上部電極端子168と、下部電極166と電気的に結合する下部電極端子170と、上部電極164および上部電極端子168の間に配設され、両者を電気的に結合する補助電極172と、を有する。圧電層160、上部電極164および下部電極166はそれぞれの主要部として円形部分を有する。圧電層160、上部電極164および下部電極166のそれぞれの円形部分は圧電素子を形成する。
【0057】
振動板176は、基板178の表面に、開口161を覆うように形成される。キャビティ162は、振動板176の開口161と面する部分と基板178の表面の開口161とによって形成される。基板178の圧電素子とは反対側の面(以下、裏面という)は液体容器側に面しており、キャビティ162は液体と接触するように構成されている。キャビティ162内に液体が入っても基板178の表面側に液体が漏れないように、振動板176は基板178に対して液密に取り付けられる。
【0058】
下部電極166は振動板176の表面、即ち液体容器とは反対側の面に位置しており、下部電極166の主要部である円形部分の中心と開口161の中心とがほぼ一致するように取り付けられている。なお、下部電極166の円形部分の面積が開口161の面積よりも小さくなるように設定されている。一方、下部電極166の表面側には、圧電層160が、その円形部分の中心と開口161の中心とがほぼ一致するように形成されている。圧電層160の円形部分の面積は、開口161の面積よりも小さく、かつ下部電極166の円形部分の面積よりも大きくなるように設定されている。
【0059】
一方、圧電層160の表面側には、上部電極164が、その主要部である円形部分の中心と開口161の中心とがほぼ一致するように形成される。上部電極164の円形部分の面積は、開口161および圧電層160の円形部分の面積よりも小さく、かつ下部電極166の円形部分の面積よりも大きくなるよう設定されている。
【0060】
したがって、圧電層160の主要部は、上部電極164の主要部と下部電極166の主要部とによって、それぞれ表面側と裏面側とから挟みこまれる構造となっていて、圧電層160を効果的に変形駆動することができる。圧電層160、上部電極164および下部電極166のそれぞれの主要部である円形部分がアクチュエータ106における圧電素子を形成する。上述のように圧電素子は振動板176に接している。また、上部電極164の円形部分、圧電層160の円形部分、下部電極166の円形部分および開口161のうちで、面積が最も大きいのは開口161である。この構造によって、振動板176のうち実際に振動する振動領域は、上部電極164の円形部分、圧電層160の円形部分および下部電極166の円形部分は開口161より面積が小さいので、振動板176がより振動しやすくなる。さらに、圧電層160と電気的に接続する下部電極166の円形部分および上部電極164の円形部分のうち、下部電極166の円形部分の方が小さい。従って、下部端子166の円形部分が圧電層160のうち圧電効果を発生する部分を決定する。
【0061】
上部電極端子168は、補助電極172を介して上部電極164と電気的に接続するように振動板176の表面側に形成される。一方、下部電極端子170は、下部電極166に電気的に接続するように振動板176の表面側に形成される。上部電極164は、圧電層160の表面側に形成されるため、上部電極端子168と接続する途中において、圧電層160の厚さと下部電極166の厚さとの和に等しい段差を有する必要がある。上部電極164だけでこの段差を形成することは難しく、かりに可能であったとしても上部電極164と上部電極端子168との接続状態が弱くなってしまい、切断してしまう危険がある。そこで、補助電極172を補助部材として用いて上部電極164と上部電極端子168とを接続させている。このようにすることで、圧電層160も上部電極164も補助電極172に支持された構造となり、所望の機械的強度を得ることができ、また上部電極164と上部電極端子168との接続を確実にすることが可能となる。
【0062】
なお、圧電素子と振動板176のうちの圧電素子に直面する振動領域とが、アクチュエータ106において実際に振動する振動部である。また、アクチュエータ106に含まれる部材は、互いに焼成されることによって一体的に形成されることが好ましい。アクチュエータ106を一体的に形成することによって、アクチュエータ106の取り扱いが容易になる。さらに、基板178の強度を高めることによって振動特性が向上する。即ち、基板178の強度を高めることによって、アクチュエータ106の振動部のみが振動し、アクチュエータ106のうち振動部以外の部分が振動しない。また、アクチュエータ106の振動部以外の部分が振動しないためには、基板178の強度を高めるのに対し、アクチュエータ106の圧電素子を薄くかつ小さくし、振動板176を薄くすることによって達成できる。
【0063】
圧電層160の材料としては、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン(PLZT)または鉛を使用しない鉛レス圧電膜を用いることが好ましく、基板178の材料としてジルコニアまたはアルミナを用いることが好ましい。また、振動板176には、基板178と同じ材料を用いることが好ましい。上部電極164、下部電極166、上部電極端子168および下部電極端子170は、導電性を有する材料、例えば、金、銀、銅、プラチナ、アルミニウム、ニッケルなどの金属を用いることができる。
【0064】
上述したように構成されるアクチュエータ106は、液体を収容する容器に適用することができる。例えば、インクジェット記録装置に用いられるインクカートリッジやインクタンク、あるいは記録ヘッドを洗浄するための洗浄液を収容した容器などに装着することができる。
【0065】
圧電装置(アクチュエータ)は、振動現象を利用することで、液体容器内の液体の状態(液体容器内の液体の有無、液体の量、液体の水位、液体の種類、液体の組成を含む)を検出することである。具体的な振動現象を利用した液体容器内の液体の状態の検出としてはいくつかの方法が考えられる。例えば弾性波発生手段が液体容器の内部に対して弾性波を発生し、液面あるいは対向する壁によって反射する反射波を受波することで、液体容器内の媒体およびその状態の変化を検出する方法がある。また、これとは別に、振動する物体の振動特性から音響インピーダンスの変化を検知する方法もある。音響インピーダンスの変化を利用する方法としては、圧電素子を有する圧電装置またはアクチュエータの振動部を振動させ、その後に振動部に残留する残留振動によって生ずる逆起電力を測定することによって、共振周波数または逆起電力波形の振幅を検出することで音響インピーダンスの変化を検知する方法や、測定機、例えば伝送回路等のインピーダンスアナライザによって液体のインピーダンス特性またはアドミッタンス特性を測定し、電流値や電圧値の変化または、振動を液体に与えたときの電流値や電圧値の周波数による変化を測定する方法がある。本実施例において、アクチュエータ106は、上記のいずれの方法によって液体容器内の液体の状態を検出するのに使用してもよい。
【0066】
図14に示されるアクチュエータ106は、液体容器の所定の場所に、キャビティ162を液体容器内に収容される液体と接触するように装着される。液体容器に液体が十分に収容されている場合には、キャビティ162内およびその外側は液体によって満たされている。一方、液体容器の液体が消費され、アクチュエータの装着位置以下まで液面が降下すると、キャビティ162内には液体は存在しないか、あるいはキャビティ162内にのみ液体が残存されその外側には気体が存在する状態となる。アクチュエータ106はこの状態の変化に起因する少なくとも音響インピーダンスの相違を検出し、それによって、液体容器に液体が十分に収容されている状態であるか、あるいはある一定以上液体が消費された状態であるかを検知することができる。さらに、アクチュエータ106は、液体容器内の液体の種類も検出することが可能である。
【0067】
図15は、アクチュエータ106をモジュール体100として一体形成した構成を示す斜視図である。モジュール体100はアクチュエータ106を取付構造体102と一体的に形成され、インクカートリッジの容器の所定個所に装着される。モジュール体100は、インク液中の少なくとも音響インピーダンスの変化を検出することにより、容器1内の液体の消費状態を検知するように構成されている。本実施形態のモジュール体100は、容器1にアクチュエータ106を取り付けるための液体容器取付部101を有する。液体容器取付部101は、平面がほぼ矩形の基台112上に駆動信号により発振するアクチュエータ106を収容した円柱部116を載せた構造となっている。リードワイヤ104がアクチュエータ106の電極端子に電気的に接続するように設けられている。取付構造体102が、アクチュエータ106をインクカートリッジへの取り付けを容易にする。また、モジュール体100が、インクカートリッジに装着されたときに、モジュール体100のアクチュエータ106が外部から接触できないように構成されているので、アクチュエータ106を外部の接触から保護することができる。なお、円柱部116の先端側エッジは丸みが付けられていて、インクカートリッジに形成された孔へ装着する際に嵌めやすくなっている。
【0068】
図16は、モジュール体の他の実施形態を示す斜視図である。本実施形態のモジュール体400は、液体容器取付部401に圧電装置装着部405が形成されている。液体容器取付部401は、平面がほぼ角丸の正方形状の基台402上に円柱状の円柱部403が形成されている。更に、圧電装置装着部405は、円柱部403上に立てられた板状要素406および凹部413を含む。板状要素406の側面に設けられた凹部413には、アクチュエータ106が配置される。なお、板状要素406の先端は所定角度に面取りされていて、インクカートリッジに形成された孔へ装着する際に嵌めやすくなっている。
【0069】
図17(A)はモジュール体700Bを容器1に装着したときのインク容器の断面図を示す。本実施例では取付構造体の1つとしてモジュール体700Bを使用する。モジュール体700Bは、液体容器取付部360が容器1の内部に突出するようにして容器1に装着されている。取付プレート350には貫通孔370が形成され、貫通孔370とアクチュエータ106の振動部が面している。更に、モジュール体700Bの底壁には孔382が形成され、圧電装置装着部363が形成される。アクチュエータ106が孔382の一方を塞ぐようにして配備される。したがって、インクは、圧電装置装着部363の孔382及び取付プレート350の貫通孔370を介して振動板176と接触する。圧電装置装着部363の孔382及び取付プレート350の貫通孔370は、共にインク溜部を形成する。圧電装置装着部363とアクチュエータ106とは、取付プレート350及びフィルム部材によって固定されている。液体容器取付部360と容器1との接続部にはシーリング構造372が設けられている。シーリング構造372は合成樹脂等の可塑性の材料により形成されてもよいし、Oリングにより形成されてもよい。図17(A)のモジュール体700Bと容器1とは別体であるが、図17(B)ようにモジュール体700Bの圧電装置装着部を容器1の一部で構成してもよい。
【0070】
図17(A)のモジュール体700Bは、図15および図16に示したリードワイヤのモジュール体への埋め込みが不要となる。そのため成形工程が簡素化される。更に、モジュール体700Bの交換が可能となりリサイクルが可能となる。
【0071】
インクカートリッジが揺れる際にインクが容器1の上面あるいは側面に付着し、容器1の上面あるいは側面から垂れてきたインクがアクチュエータ106に接触することでアクチュエータ106が誤作動する可能性がある。しかし、モジュール体700Bは液体容器取付部360が容器1の内部に突出しているので、容器1の上面や側面から垂れてきたインクによりアクチュエータ106が誤作動しない。
【0072】
また、図17(A)の実施例では、振動板176と取付プレート350の一部のみが、容器1内のインクと接触するように容器1に装着される。図17(A)の実施例では、図15および図16に示したリードワイヤの電極のモジュール体への埋め込みが不要となる。そのため成形工程が簡素化される。更に、アクチュエータ106の交換が可能となりリサイクルが可能となる。
【0073】
図17(B)は、アクチュエータ106を容器1に装着したときの実施例としてインク容器の断面図を示す。図17(B)の実施例によるインクカートリッジでは、保護部材361はアクチュエータ106とは別体として容器1に取り付けられている。従って、保護部材361とアクチュエータ106とはモジュールとして一体となっていないが、一方で、保護部材361はアクチュエータ106にユーザーの手が触れないように保護することができる。アクチュエータ106の前面に設けられる孔380は、容器1の側壁に配設されている。アクチュエータ106は、圧電層160、上部電極164、下部電極166、振動板176及び取付プレート350を含む。取付プレート350の上面に振動板176が形成され、振動板176の上面に下部電極166が形成されている。下部電極166の上面には圧電層160が形成され、圧電層160の上面に上部電極164が形成されている。したがって、圧電層160の主要部は、上部電極164の主要部及び下部電極166の主要部によって上下から挟まれるように形成されている。圧電層160、上部電極164、及び下部電極166のそれぞれの主要部である円形部分は、圧電素子を形成する。圧電素子は振動板176上に形成される。圧電素子及び振動板176の振動領域はアクチュエータが実際に振動する振動部である。取付プレート350には貫通孔370が設けられている。更に、容器1の側壁には孔380が形成されている。したがって、インクは、容器1の孔380及び取付プレート350の貫通孔370を介して振動板176と接触する。容器1の孔380及び取付プレート350の貫通孔370は、共にインク溜部を形成する。また、図17(B)の実施例では、アクチュエータ106は保護部材361により保護されているのでアクチュエータ106を外部との接触から保護できる。
【0074】
尚、図17(A)および(B)の実施例における取付プレート350に代えて、図14の基板178を使用してもよい。
【0075】
図17(C)はアクチュエータ106を含むモールド構造体600を備える実施形態を示す。本実施例では、取付構造体の1つとしてモールド構造体600を使用する。モールド構造体600はアクチュエータ106とモールド部364とを有する。アクチュエータ106とモールド部364とは一体に成形されている。モールド部364はシリコン樹脂等の可塑性の材料によって成形される。モールド部364は内部にリードワイヤ362を有する。モールド部364はアクチュエータ106から延びる2本の足を有するように形成されている。モールド部364はモールド部364と容器1とを液密に固定するために、モールド部364の2本の足の端が半球状に形成される。モールド部364はアクチュエータ106が容器1の内部に突出するよう容器1に装着され、アクチュエータ106の振動部は容器1内のインクと接触する。モールド部364によって、アクチュエータ106の上部電極164、圧電層160、及び下部電極166はインクから保護されている。
【0076】
図17(C)のモールド構造体600は、モールド部364と容器1との間にシーリング構造372が必要ないので、インクが容器1から漏れにくい。また、容器1の外部からモールド構造体600が突出しない形態であるので、アクチュエータ106を外部との接触から保護することができる。インクカートリッジが揺れる際に、インクが容器1の上面あるいは側面に付き、容器1の上面あるいは側面から垂れてきたインクが、アクチュエータ106に接触することで、アクチュエータ106が、誤作動する可能性がある。モールド構造体600は、モールド部364が、容器1の内部に突出しているので、容器1の上面や側面から垂れてきたインクにより、アクチュエータ106が誤作動しない。
【0077】
図18はインクカートリッジ180の更に他の実施形態を示す。図18(A)はインクカートリッジ180Jの断面図、図18(B)は図18(A)に示したインクカートリッジ180Jの頂壁194cを拡大した断面図、及び図18(C)はその正面からの透視図である。インクカートリッジ180Jは、半導体記憶手段7とアクチュエータ106とが同一の回路基板610上に形成されている。図18(B)、(C)に示すように、半導体記憶手段7は回路基板610の上方に形成され、アクチュエータ106は同一の回路基板610において半導体記憶手段7の下方に形成されている。
【0078】
アクチュエータ106の周囲を囲むように異型Oリング614が、側壁194bに装着される。側壁194bには、回路基板610を容器194に接合するためのカシメ部616が複数形成されている。カシメ部616によって回路基板610を容器194に接合し、異型Oリング614を容器194に押しつけることで、アクチュエータ106の振動領域がインクと接触することをできるようにしつつ、インクカートリッジの外部と内部とを液密に保つ。
【0079】
半導体記憶手段7及び半導体記憶手段7付近には端子612が形成されている。端子612は半導体記憶手段7とインクジェット記憶装置等の外部との間の信号の受け渡しをする。半導体記憶手段7は、例えばEEPROMなどの書き換え可能な半導体メモリによって構成されてもよい。半導体記憶手段7とアクチュエータ106とが同一の回路基板610上に形成さているので、アクチュエータ106及び半導体記憶手段7をインクカートリッジ180Cに取付ける際に1回の取付け工程で済む。また、インクカートリッジ180Cの製造時及びリサイクル時の作業工程が簡素化される。更に、部品の点数が削減されるので、インクカートリッジ180Cの製造コストが低減できる。また、隔壁212Jが、頂壁194cからインクの液面に対して下方へ延びている。隔壁212Jは、インクが波打ち、あるいは泡立つことを防止する。それによって、アクチュエータ106が誤って動作することを防止する。
【0080】
アクチュエータ106は、容器194内のインクの消費状態を検知する。半導体記憶手段7はアクチュエータ106が検出したインク残量などインクの情報を格納する。すなわち、半導体記憶手段7は検出する際に用いられるインク及びインクカートリッジの特性等の特性パラメータに関する情報を格納する。半導体記憶手段7は、予め、容器194内のインクがフルのとき、即ちインクが容器194内に満たされたとき、又は容器194内のインクがエンドのとき、即ち容器194内のインクが消費されたときの共振周波数を特性パラメータの一つとして格納する。容器194内のインクがフル又はエンド状態の共振周波数は、容器が初めてインクジェット記録装置に装着されたときに格納されてもよい。また、容器194内のインクがフル又はエンド状態の共振周波数は、容器194の製造中に格納されてもよい。半導体記憶手段7に予め容器194内のインクがフル又はエンドのときの共振周波数を格納し、インクジェット記録装置側で共振周波数のデータを読出すことによりインク残量を検出する際のばらつきを補正できるので、インク残量が基準値まで減少したことを正確に検出することができる。
【0081】
図19は、本発明のインクカートリッジの更に他の実施例を示す。図19のインクカートリッジ180Kは、容器194の頂壁194cから下方に延びる複数の隔壁212m、212n、212pおよび212qを有する。尚、隔壁212mは第1隔壁であり、隔壁212n、212pおよび212qは第2隔壁である。隔壁212m、212n、212pおよび212qの下端212mm、212nn、212ppおよび212qqと容器194の底壁1aとは所定の間隔が空けられているので、容器194の底部は連通している。また、隔壁212m、212n、212pおよび212qは、通気孔233に近い側から順に長くなっている。従って、下端212mm、212nn、212ppおよび212qqと容器194の底壁1aとの間隔は、隔壁212m、212n、212pおよび212qの順に狭くなっている。
【0082】
さらに、インクカートリッジ180Kは、複数の隔壁212m、212n、212pおよび212qのそれぞれによって区画された通気側インク収容室213aおよび複数の検出側インク収容小室213m、213n、213p、213qを有する。通気側インク収容室213aおよび複数の検出側インク収容小室213m、213n、213p、213qの底部は互いに連通する。複数の検出側インク収容小室213m、213n、213p、213qのそれぞれの頂壁194cにアクチュエータ106m、106n、106pおよび106qが装着されている。各アクチュエータ106m、106n、106pおよび106qは、容器194の検出側インク収容小室213m、213n、213p、213qのそれぞれの頂壁194cのほぼ中央に配置される。
【0083】
インクが消費されると通気孔233から気体が導入される。よって、通気孔233に近い通気側インク収容室213aから検出側インク収容小室213qへとインクが消費される。従って、まず、通気孔233に最も近い通気側インク収容室213aのインクが消費されて、通気側インク収容室213aのインクの水位が下がっている間、他の検出側インク収容小室にはインクが満たされている。通気側インク収容室213aのインクの液面が隔壁212mの下端212mmに達すると、空気が検出側インク収容小室213mに侵入し、検出側インク収容小室213m内のインクが消費され始める。この時点で、検出側インク収容小室213n、213pおよび213qには、インクが満たされている。さらに、検出側インク収容小室213m内のインクの液面が隔壁212nの下端212nnに達すると、空気が検出側インク収容小室213nに侵入し、検出側インク収容小室213n内のインクが消費され始める。よって、通気側インク収容室213aから検出側インク収容小室213qへと順番にインクが消費される。
【0084】
隔壁の下端212mm、212nn、212ppおよび212qqの順で、それらの下端と底壁1aとの間隔が次第に狭くなっているので、通気側インク収容室213a、検出側インク収容小室213m、213n、213p、213qの順でインクが消費されていくと共に、同じ順で気体が誤って侵入することをより効果的に防止する。例えば、検出側インク収容小室213m、213nに気体が誤って侵入し、アクチュエータ106m、106nが誤ってインクが無いと検出した場合であっても、隔壁212m、212nより長い隔壁212p、212qが、検出側インク収容小室213p、213qに気体が侵入することを防止するので、アクチュエータ106p、106qが誤ってインクを無いと検出することが無い。従って、本実施例においては、アクチュエータ106qが最後にインクが無いことを検出し、かつアクチュエータ106qが最も確実にインクエンドを検出ことができる。
【0085】
さらに、隔壁212m、212n、212pおよび212qがインクの波打ちを防止するため、容器194内において気泡が生ずるのを防止する。
【0086】
また、図19における隔壁212m、212n、212pおよび212qの相互の間隔および隔壁212qと容器1の側壁194bとの間隔をそれぞれ等しくしてもよい。かかる場合には、隔壁212m、212n、212pおよび212qの長さを調節することによって、各検出側インク収容小室213m、213n、213p、213qの容積を調節することができる。
【0087】
図20は、図14にアクチュエータ106を用いたインクカートリッジ及びインクジェット記録装置のヘッド部周辺の一部の実施形態を示す。本実施例においては、図6のインクカートリッジ180Aを使用する。しかし、図7から図13のインクカートリッジのいずれのインクカートリッジを使用してもよい。さらに、他の形態のインクカートリッジを使用することに差し支えない。複数のインクカートリッジ180Aは、それぞれのインクカートリッジ180Aに対応した複数のインク導入部182及びホルダー184を有するインクジェット記録装置に装着される。複数のインクカートリッジ180Aは、それぞれ異なった種類、例えば色のインクを収容する。複数のインクカートリッジ180Aのそれぞれの頂壁には、少なくとも音響インピーダンスを検出する手段であるアクチュエータ106が装着されている。複数のインクカートリッジ180Aのそれぞれの頂壁には、アクチュエータ106、隔壁212aが配備されている。アクチュエータ106をインクカートリッジ180Aに装着することによって、インクカートリッジ180A内のインク残量を検出する。隔壁212aはインクの波打ちおよび泡立ちを防止する。
【0088】
図21は、インクジェット記録装置のヘッド部周辺の詳細を示す。本実施例においては、図6のインクカートリッジ180Aを使用する。しかし、図7から図13のインクカートリッジ180Bからインクカートリッジ180Iのいずれのインクカートリッジを使用してもよい。さらに、他の形態のインクカートリッジを使用することは差し支えない。インクジェット記録装置は、インク導入部182、ホルダー184、ヘッドプレート186、及びノズルプレート188を有する。インクを噴射するノズル190がノズルプレート188に複数形成されている。インク導入部182は空気供給口181とインク導入口183とを有する。空気供給口181はインクカートリッジ180Aに空気を供給する。インク導入口183はインクカートリッジ180Aからインクを導入する。インクカートリッジ180Aは空気導入口185とインク供給口187とを有する。空気導入口185はインク導入部182の空気供給口181から空気を導入する。インク供給口187はインク導入部182のインク導入口183にインクを供給する。インクカートリッジ180Aがインク導入部182から空気を導入することによって、インクカートリッジ180Aからインク導入部182へのインクの供給を促す。ホルダー184は、インクカートリッジ180Aからインク導入部182を介して供給されたインクをヘッドプレート186に連通する。インクはインクカートリッジ180Aからインク導入部182を介してヘッドへ供給され、ノズルから記録媒体に吐出される。それによって、インクジェット記録装置は、記録媒体に印字する。
【0089】
以上、キャリッジに装着される、キャリッジと別体のインクカートリッジにおいて、インクカートリッジ又はキャリッジにアクチュエータ106を装着する場合について述べたが、キャリッジと一体化され、キャリッジと共に、インクジェット記録装置に装着されるインクタンクにアクチュエータ106を装着してもよい。更に、キャリッジと別体の、チューブ等を介して、キャリッジにインクを供給するオフキャリッジ方式のインクタンクにアクチュエータ106を装着してもよい。またさらに、記録ヘッドと容器とが一体となって交換可能に構成されたインクカートリッジに、本発明のアクチュエータを装着してもよい。
さらに、液体容器の実施例としてインクカートリッジに代替して洗浄液カートリッジを使用してもよい。かかる場合は、本明細書におけるインクカートリッジの語を洗浄液カートリッジを読みかえるものとする。
【0090】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることができる。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0091】
【発明の効果】
本発明に従った液体容器は、液体の残量を正確に検出でき、かつ容器を液密に保持するための複雑なシール構造を不要とする。
【0092】
本発明に従った液体容器は、液体容器内の液体が波打ち、または泡立つことを防止する。
【0093】
本発明に従った液体容器は、液体容器内の液体が波打ち、または泡立った場合においても、圧電装置が、正確に液面の検出をし、液体容器の消費量を正確に検出できる。
【0094】
本発明に従った液体容器は、液体容器内の液体の有無を検出することができ、かつ圧電装置を配備する位置が液体の液面に対して上方にある壁であっても、液体の消費状態を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 単色、例えばブラックインク用のインクカートリッジの一実施例を示す図である。
【図2】 複数種類のインクを収容するインクカートリッジの一実施例を示す図である。
【図3】 図1及び2に示したインクカートリッジに適したインクジェット記録装置の一実施例を示す図である。
【図4】 アクチュエータ106、15、16、及び17の製造方法を示す図である。
【図5】 図4に示したアクチュエータ106の他の実施形態を示す図である。
【図6】 本発明のインクカートリッジの他の実施例を示す図である。
【図7】 本発明のインクカートリッジの更に他の実施例を示す図である。
【図8】 本発明のインクカートリッジの更に他の実施例を示す図である。
【図9】 本発明のインクカートリッジの更に他の実施例を示す図である。
【図10】 本発明のインクカートリッジの更に他の実施形態を示す図である。
【図11】 図10に示したインクカートリッジの他の実施形態を示す図である。
【図12】 本発明のインクカートリッジの更に他の実施形態を示す図である。
【図13】 本発明のインクジェット記録装置の実施形態の断面を示す図である。
【図14】 アクチュエータ106の詳細を示す図である。
【図15】モジュール体を示す斜視図である図である。
【図16】 モジュール体の他の実施形態を示す図である。
【図17】 モジュール体の更に他の実施形態を示す図である。
【図18】 インクカートリッジ180の更に他の実施形態を示す図である。
【図19】 本発明のインクカートリッジの更に他の実施例を示す図である。
【図20】 図14に示したアクチュエータ106を用いたインクカートリッジ及びインクジェット記録装置の実施形態を示す図である。
【図21】 インクジェット記録装置の詳細を示す図である。
【符号の説明】
1・・・容器
1a・・・底壁
1c、40a・・・貫通孔
2・・・インク供給口
4・・・パッキン
5・・・バネ
6・・・弁体
7・・・半導体記憶手段
8・・・容器
9、10、11・・・部屋
12、13、14・・・インク供給口
20・・・固定基板
30・・・キャリッジ
31・・・記録ヘッド
32・・・インク供給針
33・・・サブタンクユニット
34・・・インク室
35・・・インク供給路
36・・・膜弁
38・・・弁体
100、400、700・・・モジュール
102・・・取付構造体
104、362・・・リードワイヤ
106・・・アクチュエータ
110・・・プレート
112・・・基台
116・・・円柱部
123、124、213、225・・・インク収容室
123a・・・通気側インク収容室
123b・・・検出側インク収容室
160・・・圧電層
162・・・キャビティ
164・・・上部電極
166・・・下部電極
168・・・上部電極端子
170・・・下部電極端子
172・・・補助電極
174・・・圧電素子
176・・・振動板
178・・・基板
180・・・インクカートリッジ
181・・・空気供給口
182・・・インク導入部
183・・・インク導入口
184・・・弁部
185・・・空気導入口
186・・・ヘッドプレート
187・・・インク供給口
188・・・ノズルプレート
189・・・切替弁
190・・・ノズル
193、212、222、224・・・隔壁
194・・・容器
194a・・・底面
194b・・・側壁
194c・・・頂壁
213・・・収容室
214・・・バッファ
220・・・インクカートリッジ
228・・・逆止弁
230・・・インク供給口
232・・・弁
232a・・・羽根
233・・・通気孔
235・・・バネ
350・・・取付プレート
360・・・基台部
364・・・モールド部
370・・・貫通孔
372・・・シーリング構造
402・・・取付構造体
403・・・基台
413・・・凹部
600・・・取付構造体
610・・・基板
612・・・端子
1031・・・頂壁
1123a、1123b・・・検出側インク収容小室
K・・・インク

Claims (8)

  1. 液体を収容し、かつ液体の液面に対して上方にある頂壁を有する容器と、液体を前記容器の外部へ供給する液体供給口と、前記容器内の液体の消費状態を検出する液体センサと、前記容器内において互いに液体が連通するように少なくとも二つの液体収容室を仕切る第1隔壁とを備え、
    前記少なくとも二つの液体収容室は、大気と連通する通気側液体収容室と、上方に前記液体センサを配備した検出側液体収容室と、を含み、
    前記少なくとも二つの液体収容室を互いに連通させる連通口が前記隔壁の下方に形成されており、
    外部に液体を供給する液体供給口を前記通気側液体収容室と連通するように形成されており、
    前記検出側液体収容室の内壁から延びて、前記検出側液体収容室内を、互いに液体が連通するように少なくとも二つの検出側液体収容小室に仕切る第2隔壁をさらに有し、
    前記液体収容小室を連通させる連通口が前記第2隔壁の下方に形成されており、
    前記液体センサは、前記検出側液体収容小室にそれぞれ配備されており、
    前記少なくとも二つの検出側液体収容小室について、前記液体供給口に遠い前記検出側液体収容小室ほど容量が小さいことを特徴とする液体容器。
  2. 前記検出側液体収容室の容量は、前記通気側液体収容室の容量の半分またはそれより小さいことを特徴とする請求項1に記載の液体容器。
  3. 前記検出側液体収容室には、液体を保持する毛細管力が作用しないことを特徴とする請求項1に記載の液体容器。
  4. 前記検出側液体収容室の前記頂壁には気泡を捕らえる凹部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体容器。
  5. 前記液体センサは、前記容器の内方に開口して液体を保持するキャビティを有することを特徴とする請求項1に記載の液体容器。
  6. 前記液体センサは振動を生ずる振動部を有する圧電装置であり、前記振動部に残留する残留振動によって発生する逆起電力に基づいて、前記液体の消費状態を検出することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の液体容器。
  7. 前記液体センサは少なくとも液体の音響インピーダンスを検出し、この音響インピーダンスに基づいて液体の消費状態を検出することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の液体容器。
  8. 当該液体容器は、インク滴を吐出する記録ヘッドを有するインクジェット記録装置に装着され、前記記録ヘッドへ前記容器内の液体を供給することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の液体容器。
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