JP4027500B2 - さく孔機のドリルロッド交換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル掘削工事において壁面の岩盤補強のために長尺のロックボルトを打設する場合等、長孔のさく孔を行うときにさく孔機のドリルロッドの継足しや回収を行うためのロッド交換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドリルジャンボやファンカットドリル等のさく孔機では、ガイドシェルに搭載されたさく岩機にシャンクロッドを挿着し、このシャンクロッドに所定長のドリルロッドをスリーブを介して接続し、ドリルロッド先端にはビットを取付け、さく岩機からドリルロッドを介して打撃と回転をビットに伝達し、さく岩機に送りを与えて岩盤にさく孔する。所要さく孔長がドリルロッドの長さより長い場合には、さく孔作業の際にドリルロッドの継足し及び回収を行う。
【0003】
このドリルロッドの継足し、回収を行うためのドリルロッド交換装置として、従来、図5に示すように、ガイドシェル90の側面に固設された支持フレーム91にベース92を固定し、このベース92に、ドリルロッド93を把持するロッドクランプ94を備えたアーム95を枢支して、ドリルロッド93を退避位置からさく孔軸線X上へ移動させるようにしたものが使用されている。
【0004】
このドリルロッド交換装置でドリルロッド93の継足しを行うときには、先ず、図5の退避位置において、ロッドクランプ94をクランプシリンダ96で開閉してドリルロッド93を把持し、次に、スイングシリンダ97でアーム95を回動させて、ドリルロッド93を退避位置から図6に示すようにさく孔軸線X上へ移動させる。ドリルロッド93がさく孔軸線X上に位置決めされたら、シャンクロッドと既存のドリルロッドの間にドリルロッド93を接続した後、ロッドクランプ94を開き、アーム95を旋回させて退避位置に戻す。
【0005】
ドリルロッド93を回収するときには、これと逆の動作を行う。
このようなドリルロッド交換装置では、機械部分の摩耗やへたりによって芯ずれを生ずることは避けられない。従って、アーム95を回動させたときにドリルロッド93が正しくさく孔軸線X上に位置決めできないようになる。
【0006】
そこで、ねじを用いてベースの位置を調整し芯合わせを行う手動の調整部98が設けられていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このドリルロッド交換装置は、ドリルロッド93を正しくさく孔軸線X上に位置決めできるように、さく孔前に芯合わせの調整作業を行う必要があり面倒である。
【0008】
また、折角事前に調整しておいても、ドリルロッド93自体に曲がりがあると芯ずれが生ずる。このような場合には、ドリルロッド93の一端をシャンクロッドの位置に合わせると、ドリルロッド93の他端は既存のドリルロッドの位置に合致しなくなるので、ドリルロッド93の一端とシャンクロッドとを接続した後、ガイドシェル90を動かしてドリルロッド93の他端を既存のドリルロッドの位置に合わせて接続するというような操作が行われるが、ガイドシェル90による位置合わせでは微調整が困難なので作業に時間を要し、無理な力が働いて機器の損傷を生ずるおそれもある。
【0009】
本発明は、さく孔機のドリルロッド交換装置におけるかかる問題を解決するものであって、継足しや回収を行うときのドリルロッドの芯合わせを容易に行うことのできるさく孔機のドリルロッド交換装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明では、ドリルロッドを把持するロッドクランプを備えたアームを、ガイドシェルの側部に設けたベースに枢支し、アームの回動によりドリルロッドを退避位置からさく孔軸線上へ移動させるさく孔機のドリルロッド交換装置において、ドリルロッドをアームの回動による移動方向と交差する方向へ移動させる位置調整機構を設けており、その位置調整機構を、アームを枢支するベースを支持プレート上でスライドさせるスライド機構とすることにより上記課題を解決している。
【0011】
このドリルロッド交換装置でドリルロッドの継足しを行うときには、先ず、退避位置において、ロッドクランプを開閉してドリルロッドを把持し、次に、アームを回動させて、ドリルロッドを退避位置からさく孔軸線上へ移動させる。ドリルロッドがさく孔軸線上に位置決めされたら、シャンクロッドと既存のドリルロッドの間にドリルロッドを接続した後、ロッドクランプを開き、アームを回動させて退避位置に戻す。
【0012】
ドリルロッドを回収するときには、これと逆の動作を行う。
機械部分の摩耗やへたりによって芯ずれを生じ、アームを回動させたときにドリルロッドが正しくさく孔軸線上に位置しなくなった場合には、位置調整機構でドリルロッドをアームの回動による移動方向と交差する方向へ移動させてさく孔軸線と一致するように位置を調整する。
【0013】
この方向への位置の調整だけでは正しく位置決めできない場合には、若干のアームの回動も併せて調整する。
このように、位置調整機構を用いて芯ずれの調整が簡単にできるので、さく孔前の芯合わせの調整作業を行う必要はない。ドリルロッドの曲がりによる芯ずれにも迅速に対応できる。
【0014】
位置調整機構はアームを枢支するベースを支持プレート上でスライドさせるスライド機構とすることで、位置決めの際に微調整を確実に行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の一形態であるドリルロッド交換装置を備えたさく孔機の側面図、図2はさく孔機の平面図、図3はドリルロッド交換装置の正面図、図4はドリルロッド交換装置のアームを回動してドリルロッドをさく孔軸線上へ移動させた状態の正面図である。
【0016】
さく孔機1は、ブーム(図示略)の先端部に支持されるガイドシェル2にさく岩機3が搭載され、さく岩機3が公知の送り機構(図示略)によってガイドシェル2に沿って前後(図1上左右)方向に移動するようになっている。
【0017】
さく岩機3にはシャンクロッド4が挿着され、このシャンクロッドに所定長のドリルロッド5がスリーブ6を介して接続され、ドリルロッド5の先端にはビット7が取付けられている。ガイドシェル2の先端部には、セントラライザ8が設けられており、このセントラライザ8がドリルロッド5の先端部をさく孔軸線X上に支持するようになっている。さく岩機3からドリルロッド5を介してビット7に打撃と回転を伝達すると共に、さく岩機3に送りを与えることにより岩盤へのさく孔が行われる。
【0018】
所要さく孔長がドリルロッド5の長さより長い場合には、さく孔作業の際にドリルロッド9の継足し及び回収を行う。
このドリルロッド9の継足し、回収を行うためのドリルロッド交換装置10は、ガイドシェル2の側部に設けられている。
【0019】
ドリルロッド交換装置10は、先端部にロッドクランプ11を備えたアーム12を、ベース13にピン14で枢支し、ベース13をガイドシェル2の側面に固設された支持プレート15上にスライド可能に支持したものである。
【0020】
ロッドクランプ11とアーム12との間にはクランプシリンダ16が取付けられており、クランプシリンダ16でロッドクランプ11を開閉してドリルロッド9を把持する。
【0021】
アーム12とベース13との間にはスイングシリンダ17が取付けられており、スイングシリンダ17を伸長することによりアーム12をピン14を中心として回動させ、ドリルロッド9を図3の退避位置から図6のようにさく孔軸線X上へ移動させることができる。ここで、スイングシリンダ17は、ドリルロッド9をさく孔軸線Xを超える位置まで移動させるようにストロークに余裕を持たせて、回動方向での位置を調整し芯合わせができるようにしている。
【0022】
支持プレート15とベース13との間にはスライドシリンダ18が取付けられている。支持プレート15の上面は、アーム12の回動によるドリルロッド9のさく孔軸線X付近の移動軌跡に対してほぼ直交する方向に傾斜しており、スライドシリンダ18を伸縮してベース13をスライドさせることにより、ドリルロッド9をアーム12の回動による移動方向と交差する方向へ移動させて位置調整することができる。
【0023】
支持プレート15側には、アーム12が所定位置まで回動したとき、その位置を検出してスイングシリンダ17の電磁制御弁(図示略)を切換え、アーム12の回動を停止させる位置検出器20が設置されている。位置検出器20には近接スイッチやリミットスイッチ等が用いられる。
【0024】
さく孔作業を行う場合には、さく孔機1のガイドシェル2をブームでさく孔位置に移動させ、それから、さく岩機3を駆動してさく孔する。所要さく孔長がドリルロッド5の長さより長い場合には、ドリルロッド5によるさく孔を行った後、ドリルロッド9の継足しを行う。
【0025】
ドリルロッド9の継足しは次の手順で行う。
さく岩機3を空打ちしてさく岩機3のシャンクロッド4とドリルロッド5の後端のスリーブ6との接続部のねじを緩め、セントラライザ8でスリーブ6をクランプし、さく岩機3を逆転させてシャンクロッド4とドリルロッド5のスリーブ6との接続部のねじを切り離し、さく岩機3をガイドシェル2上で後方へ移動させる。
【0026】
ドリルロッド交換装置10は、退避位置において、ロッドクランプ11を開閉してドリルロッド9を把持し、次に、アーム12を回動させて、ドリルロッド9を退避位置からさく孔軸線X上へ移動させる。アーム12が所定位置まで回動すると、位置検出器20の検出信号でスイングシリンダ17の電磁制御弁が切換えられて、アーム12の回動が停止する。アーム12の回動が位置検出器20の検出信号で停止した後は、インチング操作により回動位置を補正できるようにしている。
【0027】
ドリルロッド9がさく孔軸線X上に位置決めされたら、さく岩機3を正転しながら前進させてシャンクロッド4とドリルロッド9後端のスリーブ19のねじを接続し、さらにロッドクランプ11のクランプシリンダ16を若干縮小してドリルロッド9を回転可能な程度に保持し、ドリルロッド9の前端のねじを既存のドリルロッド5後端のスリーブ6のねじと接続する。
【0028】
ドリルロッド9を接続した後、ロッドクランプ11を開き、アーム12を回動させて退避位置に戻す。
再度さく孔を行って所定のさく孔長に達すると、ドリルロッド9の回収を行う。ドリルロッド9の回収は次の手順で行う。
【0029】
さく岩機3で空打ちを行って、ドリルロッド9の接続部のねじを緩めた後、さく岩機3をドリルロッド9の距離だけ後退させ、前方のドリルロッド5の後端部のスリーブ6をセントラライザ8でクランプする。それからアーム12を回動させて、ロッドクランプ11をさく孔軸線X上に移動させ、クランプシリンダ16を若干伸長して、ドリルロッド9を回転可能な程度に保持する。
【0030】
さく岩機3を逆転しながら後退させ、まずドリルロッド9の前端のねじを前方のドリルロッド5後端のスリーブ6から切り離す。
所定の回収位置でさく岩機3の後退を停止し、クランプシリンダ16を伸長してドリルロッド9をロッドクランプ11で把持する。それから、再度さく岩機3を逆転しながら後退させてシャンクロッド4をドリルロッド9後端のスリーブ19から切り離す。その後アーム12を回動してドリルロッド9をさく孔軸線X上から退避位置へ移動させ回収が終了する。
【0031】
ドリルロッド交換装置10は、機械部分の摩耗やへたりによって芯ずれが生じると、アーム12を回動させて位置検出器20の検出信号で停止させたとき、ドリルロッド9が正しくさく孔軸線X上に位置しなくなる。このような場合には、スライドシリンダ18を伸縮させてべース13を支持プレート15上で若干スライドさせ、ドリルロッド9をアーム12の回動による移動方向と交差する方向へ移動させることにより、さく孔軸線Xと一致するように位置を調整する。
【0032】
この方向への位置の調整だけでは正しく位置決めできない場合には、インチング操作によってアーム12を若干回動させて調整を行う。
ドリルロッド9の曲がりによる芯ずれがある場合には、先ずドリルロッド9の後端のスリーブ19をシャンクロッド4に接続させた後、アーム12の回動とべース13のスライドによる位置の調整を行って、ドリルロッド9の前端を既存のドリルロッド5の後端のスリーブ6の位置に合わせてから接続すればよい。
【0033】
このように、芯ずれの調整が簡単にできるので、さく孔前の芯合わせの調整作業を行う必要はない。ドリルロッドの曲がりによる芯ずれにも迅速に対応できる。
【0034】
位置調整機構として、アーム12を枢支するベース13を支持プレート15上でスライドさせるスライド機構としているので、位置決めの際に微調整を確実に行うことができる。
【0035】
なお、位置調整機構は、アーム12自体にスライド部を設けたり、アーム12の回動によるドリルロッド9の移動方向と交差する方向へアーム12を移動させるための回動部材を設ける等、他の手段を用いることもできる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のさく孔機のドリルロッド交換装置によれば、さく孔前に芯合わせの調整作業を行う必要がなく、継足しや回収を行うときのドリルロッドの芯合わせが容易で、ドリルロッドの交換時間を短縮し作業能率を向上することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態であるドリルロッド交換装置を備えたさく孔機の側面図である。
【図2】さく孔機の平面図である。
【図3】ドリルロッド交換装置の正面図である。
【図4】ドリルロッド交換装置のアームを回動してドリルロッドをさく孔軸線上へ移動させた状態の正面図である。
【図5】従来のドリルロッド交換装置の正面図である。
【図6】従来のドリルロッド交換装置のアームを回動してドリルロッドをさく孔軸線上へ移動させた状態の正面図である。
【符号の説明】
1 さく孔機
2 ガイドシェル
3 さく岩機
4 シャンクロッド
5 ドリルロッド
6 スリーブ
7 ビット
8 セントラライザ
9 ドリルロッド
10 ドリルロッド交換装置
11 ロッドクランプ
12 アーム
13 ベース
14 ピン
15 支持プレート
16 クランプシリンダ
17 スイングシリンダ
18 スライドシリンダ
19 スリーブ
20 位置検出器
Claims (1)
- ドリルロッドを把持するロッドクランプを備えたアームを、ガイドシェルの側部に設けたベースに枢支し、アームの回動によりドリルロッドを退避位置からさく孔軸線上へ移動させるさく孔機のドリルロッド交換装置であって、ドリルロッドをアームの回動による移動方向と交差する方向へ移動させる位置調整機構を設けており、その位置調整機構がアームを枢支するベースを支持プレート上でスライドさせるスライド機構であることを特徴とするさく孔機のドリルロッド交換装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15628998A JP4027500B2 (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | さく孔機のドリルロッド交換装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15628998A JP4027500B2 (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | さく孔機のドリルロッド交換装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11350866A JPH11350866A (ja) | 1999-12-21 |
JP4027500B2 true JP4027500B2 (ja) | 2007-12-26 |
Family
ID=15624564
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15628998A Expired - Lifetime JP4027500B2 (ja) | 1998-06-04 | 1998-06-04 | さく孔機のドリルロッド交換装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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1998
- 1998-06-04 JP JP15628998A patent/JP4027500B2/ja not_active Expired - Lifetime
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