JP4027240B2 - ブラックトナー - Google Patents

ブラックトナー Download PDF

Info

Publication number
JP4027240B2
JP4027240B2 JP2003035900A JP2003035900A JP4027240B2 JP 4027240 B2 JP4027240 B2 JP 4027240B2 JP 2003035900 A JP2003035900 A JP 2003035900A JP 2003035900 A JP2003035900 A JP 2003035900A JP 4027240 B2 JP4027240 B2 JP 4027240B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
image
acid
carbon black
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003035900A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004246081A5 (ja
JP2004246081A (ja
Inventor
望 小松
孝明 栢
育 飯田
一彦 速見
庸好 菅原
洋二朗 堀田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2003035900A priority Critical patent/JP4027240B2/ja
Publication of JP2004246081A publication Critical patent/JP2004246081A/ja
Publication of JP2004246081A5 publication Critical patent/JP2004246081A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4027240B2 publication Critical patent/JP4027240B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は静電荷像現像用のブラックトナーまたはトナージェット方式のブラックトナーに関し、高温オフセットを防止するためのオイルを使用しないか、または、オイルの使用量を少なくした加熱加圧定着手段を用いても充分に定着可能なブラックトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、提案されているフルカラー複写機においては、4つの感光体とベルト状転写体を用い、各感光体上にそれぞれ形成された静電荷像をシアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー及びブラックトナーを用いて現像した後、感光体とベルト転写体間に転写材(記録材)を搬送してストレートパス間で転写後、フルカラー画像を形成せしめる方法や、感光体に対向せしめた転写体表面に静電気力やグリッパーの如き機械的作用により転写材を巻き付け、現像−転写工程を4回実施することでフルカラー画像を得る方法が一般的に利用されている。
【0003】
これらフルカラー用複写機に適用されるトナーとしては、色再現性の向上やオーバーヘッドプロジェクター(OHP)画像の透明性(OHP透明性)を損なうことなく加熱加圧定着工程で各トナーが十分混色することが必要である。一般の白黒複写機用黒トナーと較べフルカラー画像形成用トナーは、シャープメルト性を有する低分子量結着樹脂が好ましい。しかしながら、通常、シャープメルト性結着樹脂を用いると加熱加圧定着工程でトナーが溶融した際、結着樹脂の自己凝集力が低いため耐高温オフセット性に問題を生じ易い。そのため、例えば特許文献1〜3に提案されている様に、一般の白黒複写機用黒トナーでは、定着時の耐高温オフセット性を向上させるためポリエチレンワックスやポリプロピレンワックスに代表される比較的高結晶性のワックスが離型剤として用いられている。
【0004】
さらに、耐オフセット性を向上させるために特定の貯蔵弾性率を有するトナーについても提案されている。例えば、特許文献4及び5では、180℃または170℃において特定の貯蔵弾性率を有するトナーが提案されている。しかし、低温定着と耐高温オフセットの両立、十分な混色特性等々が必要とされるフルカラー画像形成用のトナーとしては、トナーの粘度が低すぎる上、高温高湿環境下での保存性について、満足できるものではなかった。
【0005】
さらに、特許文献6〜12においても特定の貯蔵弾性率を有するトナーが提案されている。しかしながら、フルカラー画像形成用のトナーとしての理想的な定着特性を確保し、また長期の耐久においても安定して定着せしめるためには改良の余地がまだまだあった。
【0006】
このため通常のフルカラー画像形成用トナーでは、加熱定着ローラーへシリコーンオイルやフッ素オイルの如きオイルを塗布せしめ耐高温オフセット性の向上を図っている。しかしながら、このようにして得られた定着画像は、その表面に余分のオイルが付着しており、オイルによる塗布ムラやぎらつき等、オイル塗布に特徴的な画像欠陥を有していた。一方で両面定着時には、既に定着せしめられた一面目の画像表面のオイルが感光体に付着して、新たな画像欠陥の要因となったりもしていた。さらにオイルが定着ローラーを膨潤し、定着ローラーの寿命を短かくするケースも指摘されていた。また本手法では、定着画像上へのオイルスジを発生させないようにするため、オイルを均一に且つ定量的に定着ローラー表面上に供給する必要性があり、定着装置が大型化する傾向にある。
【0007】
そのため、オイルを使用しないか、または、オイルの使用量を少なくした加熱加圧定着手段において、オフセットの発生が抑制されているトナーにかかる期待は大きく、低温定着性に優れたトナーと合わせて強く待望されていた。
【0008】
一方で、着色剤としてカーボンブラックを用いる場合、通常の有機顔料を着色剤として用いる色トナーと比較して多くの問題が発生しやすい傾向にある。例えば一般にカーボンブラックは一次粒径が小さく比表面積が大きいため、トナー中での均一分散が難しく、遊離のカーボンブラックも生じやすい。そのため十分な帯電ができずにトナー飛散、カブリといった問題を引き起こしやすい。加えて遊離したカーボンブラックによって、スリーブ汚染や、キャリアスペント、ドラムフィルミングといった問題も生じやすく、長期の耐久安定化は難しいとされてきた。さらにカーボンブラックは一般に導電性であるがゆえに、トナーの帯電性が阻害され、均一な帯電ができずにハーフトーン画像部での均一性が低下したり、転写時の均一転写性が悪化するという問題が生じていた。
【0009】
これらの問題点を解決するためには、例えば特許文献13には表面をグラフト化したカーボンブラックを使用する方法、特許文献14にはアルミニウムカップリング剤で表面処理したカーボンブラックを使用する方法等が提案されているが、これらの方法はカーボンブラックを表面処理するための工程が煩雑で手間がかかり、製造コストのアップが必須であり工業的には採用は難しい状況にある。
【0010】
また、カーボンブラックの分散性向上に関しては、特許文献15及び16に、特定の分散剤を使用して分散性を向上させる方法が提案されているが、これでも充分に解決されたとは言いがたい状況である。
【0011】
また、特許文献17には、吸油量が比較的高いカーボンブラックと特定の構造を有するアゾ鉄化合物とからなるブラックトナーの提案がある。これは高着色力で帯電性が安定なトナーではあるが、高湿環境下でのベタ均一性及び耐久性には若干の課題を残すものであった。
【0012】
【特許文献1】
特公昭52−3304号公報
【特許文献2】
特公昭52−3305号公報
【特許文献3】
特開昭57−52574号公報
【特許文献4】
特開平11−84716号公報
【特許文献5】
特開平8−54750号公報
【特許文献6】
特開平5−249735号公報
【特許文献7】
特開平7−92737号公報
【特許文献8】
特開平7−234542号公報
【特許文献9】
特開平7−295298号公報
【特許文献10】
特開平8−234480号公報
【特許文献11】
特開平8−278662号公報
【特許文献12】
特開平10−171156号公報
【特許文献13】
特開昭56−116044号公報
【特許文献14】
特開昭63−210849号公報
【特許文献15】
特開昭64−35457号公報
【特許文献16】
特開平1−145664号公報
【特許文献17】
特開平10−186713号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述の如き問題点を解決したブラックトナーを提供するものである。
【0014】
即ち、カーボンブラックと離型剤の分散性に優れ、低濃度から高濃度までの広いダイナミックレンジをカバーする高着色力を有しているブラックトナーを提供するものである。
【0015】
また、本発明の目的は、オイルを使用しないか、または、オイルの使用量を少なくした加熱加圧定着手段において、オフセットの発生が抑制されているブラックトナーを提供するものである。
【0016】
さらなる本発明の目的は、低温定着性に優れたブラックトナーを提供するものである。
【0017】
さらにまた、本発明の目的は、保存安定性、耐熱性、耐ブロッキング性に優れたブラックトナーを提供するものである。
【0018】
さらに、本発明の目的は、カブリがなく、ハイライト再現性に優れ、ベタ均一性に優れ、耐久安定性に優れたブラックトナーを提供するものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも結着樹脂と、前記結着樹脂100質量部当たり2〜10質量部の離型剤と、前記結着樹脂100質量部当たり0.5〜10質量部のカーボンブラックと、体積平均粒径が0.3〜3.0μmのウルトラマリンを含有するブラックトナーであって、
前記ブラックトナーの80℃における貯蔵弾性率(G’ 80 )が1×10 6 〜1×10 8 [dN/m 2 ]の範囲にあり、温度140℃における貯蔵弾性率(G’)及び損失弾性率(G”)の比(G”/G’)で示される損失正接(tanδ G )が0.2〜1.5の範囲にあり、誘電損率(ε”)と誘電率(ε’)の比(ε”/ε’)で示される損失正接(tanδ ε )が、
周波数5×10 4 Hzにおいて、tanδ ε (5×10 4 Hz)≦0.006
周波数1×10 5 Hzにおいて、tanδ ε (1×10 5 Hz)≦0.008
であることを特徴とするブラックトナーである。
【0020】
本発明者らは鋭意検討の結果、ウルトラマリンを含有するブラックトナーにおいて次のことを見出した。
【0021】
ウルトラマリンを適度に含有せしめることにより、カーボンブラックの分散性が向上する上、離型剤の分散性も向上し、帯電的にも安定化し、優れた画像品質と耐久性が提供される。さらにウルトラマリンは、添加剤としてブルーイング(黒色度増加)効果があり、高い着色力を有することも見出した。
【0022】
即ち、従来のカーボンブラックを含有するトナーに比べ、優れた着色力と帯電性能を有するトナーが得られる。加えて、オイルを使用しないか、または、オイルの使用量を少なくした加熱加圧定着手段においても耐高温オフセット性に優れ、且つ、高温環境下における長期保存安定性と低温定着性の両立を達成することができたものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のトナーに関して詳細に説明する。
【0024】
本発明のブラックトナーは、少なくとも結着樹脂、離型剤、カーボンブラック、及びウルトラマリンを含有する。
【0025】
本発明者等の詳細な検討によると、トナー中にウルトラマリンを適度に含有せしめることにより、カーボンブラックの分散性が向上し、カーボンブラックの導電性に起因するトナーの抵抗の低下を十分に抑制することができる。これらの作用により、着色力が高く、いかなる環境でも帯電性が迅速かつ良好なトナーを提供することができる。
【0026】
この理由は、明確にはわからないが、以下のように考えられる。
【0027】
トナーの結着樹脂表面に存在している官能基の影響によって、通常疎水性であるカーボンブラックは、該結着樹脂への親和性が低く、分散は困難であった。また、カーボンブラックは粒径が小さく、また炭素が網目状に配列している構造を有していることも、結着樹脂への親和性を低下させる要因となっている。しかし、本発明のごとくウルトラマリンを含有せしめることにより、結着樹脂とカーボンブラックの間においてウルトラマリンがバッファーとして作用し、結着樹脂とカーボンブラックとの親和性が増す。
【0028】
これは、ウルトラマリンが、構造的にはゼオライトに近い無機顔料であり、元来持つ親水性に加え、油系素材に対しても高い分散性を有するためであると考えられる。
【0029】
従ってカーボンブラックが、結着樹脂で包まれた状態で存在するようになり、トナー粒子中における分散性が高まるため、カーボンブラックのトナー表面への偏在を抑えることが可能となり、またカーボンブラックの遊離を抑制することができる。さらにトナー粒子表面に存在しているカーボンブラックが有ったとしても、結着樹脂により覆われているため、電荷をリークすることがなくなり、トナー粒子の導電性が高まるのを抑制することが可能となる。その結果、迅速且つ良好な帯電性を有するトナーが得られる。
【0030】
さらに、ウルトラマリンの持つバッファー作用により、カーボンブラックだけでなく、離型剤の分散性も共に良化し、前述の着色力や帯電性が向上するばかりでなく、転写性やトナーの流動性までも向上するという知見が得られた。
【0031】
これにより、帯電部材との高く均一な帯電が図られ、カラー画像における中間調の再現性が優れた画像を得ることが可能となった。
【0032】
次に本発明で用いられるウルトラマリンについて説明する。
【0033】
本発明に用いられるウルトラマリンは、一般にカオリン、ソーダ灰、イオウ、還元剤を主とする原料からなり、焼成・摩砕・乾燥・表面加工等々の工程を経て得られるが、特にその原料及び製法を限定するものではない。
【0034】
本発明に用いられるウルトラマリンは、体積平均粒径が0.3〜3.0μmであり、好ましくは0.3〜2.0μm、さらに好ましくは0.5〜1.5μmである。体積平均粒径が0.3μmより小さいと、ウルトラマリン中のイオウが遊離して好ましくない。逆に3.0μmより大きい場合、トナーが赤みを呈し、ブラックトナーとしては不適となる。
【0035】
本発明において、ウルトラマリンは、好ましくはpHが7.5以上であり、より好ましくは8.5以上、さらに好ましくは7.5〜10.5である。ウルトラマリンは酸に弱く分解してしまうため、pHが7.5以下であることは好ましくない。逆に、極端にpHが高すぎるとカーボンブラック、樹脂との相溶性が低下しカーボンブラックが遊離しやすくなるため、pHは10.5以下であることが好ましい。
【0036】
本発明において、ウルトラマリンは、吸油量が15〜40ml/100gであることが好ましく、より好ましくは20〜40ml/100g、さらに好ましくは28〜40ml/100gである。吸油量が15ml/100gより少ない場合、トナー粒子中のウルトラマリンの分散性が不十分となるため、カーボンブラックや離型剤の分散性も低下する。逆に、吸油量が40ml/100gを超えるとトナーの抵抗は低下傾向を示し、特に高温高湿環境下での帯電量が低下し、トナー飛散やカブリといった問題が起こりやすい。
【0037】
次に本発明に用いられるカーボンブラックについて説明する。
【0038】
本発明に用いられるカーボンブラックは、ファーネスブラック、ガスブラックサーマルブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等々の製法により得られたカーボンブラックであって、特にその製法を限定するものではない。
【0039】
本発明において、カーボンブラックは、平均一次粒径が14〜60nmが好ましく、より好ましくは17〜55nm、望ましくは20〜50nmである。平均一次粒径が14nmより小さいと、上記したウルトラマリンを用いたとしても、均一な分散が困難であり、その結果トナーの帯電量の絶対値が低めになりトナー飛散やかぶりの原因となりやすい。加えて、平均一次粒径が14nmよりも小さいと、トナーは赤味を呈し、フルカラー画像形成用のブラックとしては不適となる。逆に、カーボンブラックの平均一次粒径が60nmより大きい場合には、良好に分散しても着色力が低くなりすぎて好ましくない。この様な一次粒径の大きなカーボンブラックを着色力を上げる目的で多量にトナーに添加すると帯電の均一性が低下し、低温低湿環境下での耐久においてかぶりの原因となり易い。
【0040】
本発明のトナーにおいては、トナーの断面TEM(透過型電子顕微鏡)観察によって測長されるカーボンブラックの平均一次粒径が14〜60nmであることが望ましい。より具体的には4万倍に拡大したトナーの断面写真より、凝集体を形成していないカーボンブラックについて、無作為に抽出し解析を行うこととし、サンプリング数が300回を超えるまで測定を繰り返して平均粒径を求めた。ここでは画像処理装置を用いて球形近似し、得られる直径より定義される値をカーボンブラックの平均一次粒径とした。TEM写真より直接カーボンブラックの平均一次粒径を測定する際には、カーボンブラックの長径を粒径とし、同じくサンプリング数が300回を超えるまで測定を繰り返して平均粒径を求めた。
【0041】
本発明に用いられるカーボンブラックは、pHが6.5以上が好ましく、さらに好ましくは7.0以上、より好ましくは7.5〜10.5である。pHが6.5より小さい場合、カルボキシル基、ケトン等の官能基が増加し、ポリエステルの会合が強くなり、定着性を阻害しやすくなる。逆に、極端にpHが高すぎるとカーボンブラックと樹脂との相溶性が低下しカーボンブラックはトナーから脱離しやすくなる。
【0042】
本発明において、カーボンブラックは、揮発分が1.5%以下であることが好ましく、より好ましくは1.2%以下である。揮発分が1.5%より大きいカーボンブラックでは、カーボンブラック表面の官能基が多いことを意味し、この種のカーボンブラックを使用すると、高湿下での帯電量の低下を引き起こしやすくなり、加えてベタ均一性が悪化しやすくなる。
【0043】
本発明のカーボンブラックは、DBP吸油量が20〜150ml/100gであることが好ましく、より好ましくは30〜140ml/100gが望ましい。吸油量が150ml/100gを超えるとトナーの抵抗は低下傾向を示し、高温高湿環境下での耐久評価において帯電量が低下傾向を示し、トナー飛散やカブリといった問題が起こりやすい。さらに低温低湿環境下での均一転写性が低下し、画像はボソっぽくなりやすい。一方、吸油量が20ml/100g未満の場合には、トナー粒子中のカーボンブラックの分散性が充分ではなく、着色力の低下を引き起こしやすい。
【0044】
さらに、本発明に用いられるカーボンブラックは、窒素吸着による比表面積が30〜200m2/gであることが好ましく、より好ましくは40〜150m2/g、望ましくは45〜120m2/gである。比表面積が200m2/gより大きい時は、均一な分散が困難であり、その結果トナーの帯電量の絶対値が低めになりトナー飛散やカブリの原因となりやすい。加えて、トナーは赤味を呈し、フルカラー画像形成用のブラックとしては不適となる。逆に、比表面積が30m2/gより小さい時は、良好に分散しても着色力が低くなりすぎて好ましくない。
【0045】
さらに,本発明に用いられるカーボンブラックは、トルエン抽出量が0.1%以下、好ましくは0.05%以下であることが良い。
【0046】
本発明のトナーにおいて、カーボンブラックは結着樹脂100質量部当たり0.5〜10質量部含有する。好ましくは1.0〜8.0質量部、より好ましくは1.5〜7.0質量部である。カーボンブラックの含有量が結着樹脂100質量部当たり0.5質量部よりも少ない時は、トナーの着色力は低くなりすぎてこれでは高画像濃度の画像は得られづらい。一方でカーボンブラックが10質量部を超えて用いると、トナーの帯電制御が難しくなり、長期の帯電安定化はできない。
【0047】
また、本発明のブラックトナーは、トナーの高温環境下における保存性、耐熱性、耐ブロッキング性を良好にするために、温度80℃における貯蔵弾性率(G’80)が好ましくは1×106〜1×108[dN/m2]であり、より好ましくは1×106〜5×107[dN/m2]である。貯蔵弾性率(G’80)が1×106[dN/m2]よりも小さい場合には、高温環境下における保存性、耐熱性、耐ブロッキング性が悪く、トナー粒子同士が合一し、大きなトナーの凝集体を形成するため好ましくない。近年、複写機、プリンターの出力スピードの高速化や本体の小型化が進んでいるため、マシン機内の温度が高くなる傾向にあり、高精細・高画質の画像を安定して得るためには、トナーが高温環境下における十分な保存性、耐熱性、耐ブロッキング性を有することは重要である。また、貯蔵弾性率(G’80)が1×108[dN/m2]より大きい場合には、保存性、耐熱性、耐ブロッキング性は十分であるものの、低い温度での十分な定着性が得られないため好ましくない。
【0048】
また、温度140℃における貯蔵弾性率(G’)及び損失弾性率(G”)の比(G”/G’)で示される損失正接(tanδG)は、十分な定着性と耐高温オフセット性と両立させるために、さらには均一なグロスを有する画像を得るために、0.2〜1.5が好ましく、より好ましくは0.3〜1.0である。損失正接(tanδG)が1.5よりも大きい場合には、トナーの十分な耐高温オフセット性を得ることができないため好ましくない。また損失正接(tanδG)が0.2よりも小さい場合には、トナーを十分に定着せしめることができず、トナーの発色性は著しく低下してしまう。
【0049】
本発明のブラックトナーの特徴であるカーボンブラックの分散性の度合いを示す指標として、誘電損率(ε”)と誘電率(ε’)の比(ε”/ε’)で表される損失正接(tanδε)がある。この値が小さいほど、カーボンブラックの分散性が良好であることを示している。
【0050】
本発明においては、周波数5×104Hzにおけるtanδε(5×104Hz)が0.008以下で1×105Hzにおけるtanδε(1×105Hz)が0.011以下であり、好ましくはtanδε(5×104Hz)が0.006以下でtanδε(1×105Hz)が0.008以下である。
【0051】
tanδε(5×104Hz)が0.008より大きく、tanδε(1×105Hz)が0.011より大きい場合、カーボンブラックの分散性が劣り、不均一となるため、トナーの帯電量分布がブロードとなり、低湿下でのチャージアップによる画像濃度薄やカブリや高湿下での帯電量不足によるカブリ、飛散、転写性の低下等の弊害が生じる。
【0052】
本発明のトナーに用いられる結着樹脂としては、
(a)ポリエステル樹脂、
(b)ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂、
(c)上記(b)のハイブリッド樹脂とビニル系重合体との混合物、
(d)ポリエステル樹脂とビニル系重合体との混合物、
(e)上記(b)のハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂との混合物のいずれかから選択される樹脂が好ましい。
【0053】
また、かかる結着樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布が、メインピーク(Mp)を分子量3,500〜10,000の領域に有していることが好ましく、より好ましくは、メインピークを分子量4,000〜9,000の領域に有し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が5.0以上である。メインピークが分子量3,500未満の領域にある場合には、トナーの耐高温オフセット性が不十分である。一方、メインピークが分子量10,000超の領域にある場合には、十分なトナーの低温定着性が得られない上、OHP透明性が不十分となるため好ましくない。また、Mw/Mnが5.0未満である場合には良好な耐オフセット性を得ることが不可能となる。
【0054】
さらに結着樹脂として上記(b)のポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂を用いる場合、さらに良好なワックス分散性と、低温定着性、耐オフセット性の向上が期待できる。本発明に用いられる「ハイブリッド樹脂」とは、ビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合された樹脂を意味する。具体的には、ポリエステルユニットと(メタ)アクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル基を有するモノマーを重合したビニル系重合体ユニットとがエステル交換反応によって形成されるものであり、好ましくはビニル系重合体を幹重合体、ポリエステルユニットを枝重合体としたグラフト共重合体(或いはブロック共重合体)を形成するものである。
【0055】
結着樹脂としてポリエステル樹脂及び/またはハイブリッド樹脂を用いる場合にこれらの樹脂を構成するポリエステル系モノマーとしては、アルコールとカルボン酸、もしくはカルボン酸無水物、カルボン酸エステル等が原料モノマーとして使用できる。具体的には、例えば2価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
【0056】
3価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0057】
酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類またはその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類またはその無水物;炭素数6〜12のアルキル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類またはその無水物;が挙げられる。
【0058】
それらの中でも、特に、下記一般式(1)で代表されるビスフェノール誘導体をジオール成分とし、2価以上のカルボン酸またはその酸無水物、またはその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)を酸成分として、これらを縮重合したポリエステル樹脂が、フルカラー画像形成用ブラックトナーとして、良好な帯電特性を有するので好ましい。
【0059】
【化1】
Figure 0004027240
(上記式中、Rはエチレンまたはプロピレン基を示し、x、yはそれぞれ1以上の整数であり、且つ、x+yの平均値は2〜10である。)
【0060】
本発明の結着樹脂として、ビニル系重合体及び/またはハイブリッド樹脂を用いる場合に、これらを構成するビニル系モノマーとしては、次のようなものが挙げられる。スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きスチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
【0061】
さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
【0062】
さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
【0063】
本発明のトナーにおいて、結着樹脂として用いられるビニル系重合体及び/またはハイブリッド樹脂のビニル系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有していてもよい。この場合に用いられる架橋剤は、芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられる。
【0064】
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
【0065】
本発明ではビニル系重合体成分及び/またはポリエステル樹脂成分中に、両樹脂成分と反応し得るモノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル系重合体と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸またはその無水物などが挙げられる。ビニル系重合体成分を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基またはヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
【0066】
ビニル系重合体とポリエステル樹脂の反応生成物を得る方法としては、先に挙げたビニル系重合体及びポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の樹脂の重合反応をさせることにより得る方法が好ましい。
【0067】
本発明にかかるビニル系重合体及びビニル系重合体ユニットを製造する場合に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエイト、tert−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエイト、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−tert−ブチルパーオキシイソフタレート、tert−ブチルパーオキシアリルカーボネート、tert−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−tert−ブチルパーオキシアゼレートが挙げられる。
【0068】
本発明に用いられるハイブリッド樹脂の製造方法としては、例えば、以下の(1)〜(6)に示す製造方法を挙げることができる。
【0069】
(1)ビニル系重合体、ポリエステル樹脂及びハイブリッド樹脂成分をそれぞれ製造後にブレンドする方法であり、ブレンドは有機溶剤(例えば、キシレン)に溶解・膨潤した後に有機溶剤を留去して製造される。尚、ハイブリッド樹脂成分は、ビニル系重合体とポリエステル樹脂を別々に製造後、少量の有機溶剤に溶解・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコールを添加し、加熱することによりエステル交換反応を行なって合成されるエステル化合物を用いることができる。
【0070】
(2)ビニル系重合体ユニット製造後に、これの存在下にポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分はビニル系重合体ユニット(必要に応じてビニル系モノマーも添加できる)とポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)及び/またはポリエステルとの反応により製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
【0071】
(3)ポリエステルユニット製造後に、これの存在下にビニル系重合体ユニット及びハイブリッド樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分はポリエステルユニット(必要に応じてポリエステルモノマーも添加できる)とビニル系モノマー及び/またはビニル系重合体ユニットとの反応により製造される。
【0072】
(4)ビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニット製造後に、これらの重合体ユニット存在下にビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)を添加することによりハイブリッド樹脂成分が製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
【0073】
(5)ハイブリッド樹脂成分を製造後、ビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)を添加して付加重合及び/または縮重合反応を行うことによりビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニットが製造される。この場合、ハイブリッド樹脂成分は上記(2)〜(4)の製造方法により製造されるものを使用することもでき、必要に応じて公知の製造方法により製造されたものを使用することもできる。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
【0074】
(6)ビニル系モノマー及びポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸等)を混合して付加重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系重合体ユニット、ポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂成分が製造される。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
【0075】
上記(1)〜(5)の製造方法において、ビニル系重合体ユニット及び/またはポリエステルユニットは複数の異なる分子量、架橋度を有する重合体ユニットを使用することができる。
【0076】
本発明のトナーに用いられる結着樹脂のガラス転移温度は40〜90℃が好ましく、より好ましくは45〜85℃である。また、結着樹脂の酸価は1〜40mgKOH/gであることが好ましい。
【0077】
次に本発明に用いられる離型剤について説明する。
【0078】
本発明に用いられる離型剤としては、一種または二種以上のワックスが望ましい。
【0079】
該ワックスを含有した本発明のトナーは、低温定着性と耐ブロッキング性を両立するという観点から、示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲に1個または複数の吸熱ピークを有し、該吸熱ピーク中の最大吸熱ピークのピーク温度が60〜110℃の範囲にあることが望ましい。より好ましくは65〜100℃の範囲に吸熱曲線の最大ピークがあることが望ましい。最大吸熱ピークのピーク温度が60℃未満である場合はトナーの耐ブロッキング性が悪くなり、逆に最大吸熱ピークのピーク温度が110℃超の場合は定着性が低下してしまう。
【0080】
本発明に用いられるワックスとしては、例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス、また酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、またはそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
【0081】
また、この他に、本発明において好ましく用いられるワックスとしては、脂肪族炭化水素系ワックスが挙げられる。例えば、アルキレンを高圧下でラジカル重合或いは低圧下でチーグラー触媒で重合した低分子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、或いはこれらを水素添加して得られる合成炭化水素ワックスがよい。さらにプレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により炭化水素ワックスの分別を行ったものが、より好ましく用いられる。母体としての炭化水素は、金属酸化物系触媒(多くは2種以上の多元系)を使用した一酸化炭素と水素の合成によって合成されるもの〔例えばジントール法、ヒドロコール法(流動触媒床を使用)によって合成された炭化水素化合物〕;ワックス状炭化水素が多く得られるアーゲ法(同定触媒床を使用)により得られる炭素数が数百ぐらいまでの炭化水素;エチレンなどのアルキレンをチーグラー触媒により重合した炭化水素が、分岐が少なくて小さく、飽和の長い直鎖状炭化水素であるので好ましい。特にアルキレンの重合によらない方法により合成されたワックスがその分子量分布からも好ましいものである。
【0082】
ワックスの分子量分布では、メインピークが分子量400〜2400の領域にあることが好ましく、430〜2000の領域にあることがより好ましい。この様な分子量分布を持たせることによりトナーに好ましい熱特性を付与することができる。
【0083】
本発明において、離型剤として用いられるワックスは、結着樹脂100質量部当たり1〜20質量部用いることが好ましく、さらに好ましくは2〜10質量部である。
【0084】
ワックスは通常、樹脂を溶剤に溶解し樹脂溶液温度を上げ、撹拌しながら添加混合する方法や、混練時に混合する方法で結着樹脂に含有される。
【0085】
本発明のトナーにおいては、帯電安定化のために芳香族カルボン酸誘導体の金属化合物を含有していても良い。これは、荷電制御剤として機能するばかりでなく、カーボンブラックの分散性向上にも寄与する。
【0086】
芳香族カルボン酸誘導体の金属化合物がカーボンブラックの分散性を向上させる理由は定かではないが、結着樹脂と芳香族カルボン酸誘導体の金属化合物との相互作用によって、一部架橋反応が進み、混練時のカーボンブラックにシェアーを増大させることによって、難分散性のカーボンブラックの分散性が上がったものと考えられる。さらに芳香族カルボン酸誘導体の金属化合物がカーボンブラックの周りを取り囲み、カーボンブラックの分散安定化剤のごとく機能するため、混練時に微分散したカーボンブラックの安定化に効果を発揮し、再凝集抑制剤としても機能していると考えられる。
【0087】
上記芳香族カルボン酸としては、下記式(2)〜(4)で示される3種の化合物が挙げられる。
【0088】
【化2】
Figure 0004027240
〔上記式中、R1〜R7はそれぞれ、水素、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、−OH、−NH2、−NH(CH3)、−N(CH32、−OCH3、−O(C25)、−COOH、−CONH2を示す。〕
【0089】
上記化合物において、好ましいR1としては、ヒドロキシル基、アミノ基及びメトキシ基が挙げられるが、中でもヒドロキシル基が好ましい。芳香族カルボン酸としては、特に、ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物が好ましい。
【0090】
芳香族カルボン酸の金属化合物は、例えば、芳香族カルボン酸を水酸化ナトリウム水溶液に溶解させ、2価以上の金属原子を溶融している水溶液を水酸化ナトリウム水溶液に滴下し、加熱攪拌し、次に水溶液のpHを調整し、室温まで冷却した後、ろ過水洗することにより芳香族カルボン酸の金属化合物を合成しうる。但し、上記の合成方法だけに限定されるものではない。
【0091】
上記芳香族カルボン酸の金属化合物の使用量は、トナーの粘弾性特性及び摩擦帯電特性を調整する上で、結着樹脂100質量部当たり0.5〜10質量部が好ましく、より好ましくは1.5〜8質量部である。該金属化合物の使用量が0.5質量部より少ない場合には、荷電制御剤としてあまり機能しないばかりでなく、良好なカーボンブラック分散性が達成できない。一方、10質量部よりも多いときは、架橋が進みすぎてしまい、トナーとしての定着性が損なわれてしまう。
【0092】
本発明においては、上記芳香族カルボン酸の金属化合物以外の化合物を荷電制御剤として用いても良い。
【0093】
本発明のブラックトナーの製造方法としては、例えば、結着樹脂、カーボンブラック、ウルトラマリン、離型剤、さらに必要に応じて荷電制御剤やそのほかの添加剤等をヘンシェルミキサーの如き混合機において十分混合してから、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉して樹脂類を互いに相溶せしめた中にカーボンブラックを分散せしめ、冷却固化後、粉砕及び厳密な分級を行ってブラックトナー粒子を得ることができる。
【0094】
本発明においては、トナー粒子中のカーボンブラックの分散状態を向上させるために、第1の結着樹脂、ウルトラマリン、カーボンブラックを混練機または混合機に仕込み、非加圧もしくは加圧下で混合しながら加熱して第1の結着樹脂を溶融させ、その後、3本ロールの如き混練機で十分に混練せしめた第1の混練物を得、次いで第1の混練物に第2の結着樹脂、さらに必要に応じて荷電制御剤の如き添加剤や離型剤等を加えた混合物を、加熱溶融混練して第2の混練物を得、得られた第2の混練物を冷却後粉砕及び分級してトナー化することが好ましい。ここで、第1の結着樹脂と第2の結着樹脂は、同じであっても異なる樹脂であっても良い。
【0095】
また、混練装置としては、加熱ニーダー、一軸押し出し機、二軸押し出し機などが挙げられ、特に好ましくは加熱ニーダーが挙げられる。
【0096】
本発明のブラックトナーは重量平均粒径が好ましくは4〜10μmであり、個数平均粒径が好ましくは3.5〜9.5μmである。さらに、当該トナーの個数分布における粒径4μm以下の粒子が5〜50個数%であり、体積分布における粒径12.70μm以上の粒子が5体積%以下であることが好ましい。
【0097】
トナーの重量平均粒径が10μmより大きい場合、高画質化に寄与しうる微粒子が少ないことを意味し、高い画像濃度が得られ易く、トナーの流動性に優れるというメリットがあるものの、感光体ドラム上の微細な静電荷像上には忠実に付着しづらく、ハイライト部の再現性が低下し、さらに解像性も低下する。また、必要以上にトナーが静電荷像に乗りすぎ、トナー消費量の増大を招きやすい傾向もある。
【0098】
また、トナーの重量平均粒径が4μmより小さいときには、トナーの単位重量当たりの帯電量が高くなり、画像濃度の低下、特に低温低湿下での画像濃度の低下が顕著となる。そのため、特にグラフィック画像の如き画像面積比率の高い用途には不向きである。
【0099】
さらに、トナーの重量平均粒径が4μmより小さいときには、キャリアなどの帯電付与部材との接触帯電がスムーズに行われにくく、十分に帯電し得ないトナーが増大し、非画像部への飛び散りによるカブリが目立つようになる。これに対処すべくキャリアの比表面積を稼ぐためにキャリアの小径化が考えられるが、重量平均粒径が4μm未満のトナーでは、トナー自己凝集も起こりやすく、キャリアとの均一混合が短時間では達成されにくく、トナーの連続補給耐久においては、カブリが生じてしまう傾向にある。
【0100】
また、本発明のトナーは、4μm以下の粒径のトナー粒子が全粒子数の5〜50個数%であることが好ましく、より好ましくは5〜25個数%である。4μm以下の粒径のトナー粒子が5個数%未満であると、高画質のために必須な成分である微小なトナー粒子が少ないことを意味し、特に、コピーまたはプリントアウトを続けることによってトナーが連続的に使われるに従い、有効なトナー粒子成分が減少して、本発明で示すトナーの粒度分布のバランスが悪化し、画質が次第に低下する傾向を示す。
【0101】
また、4μm以下の粒径のトナー粒子が50個数%を超えると、トナー粒子相互の凝集状体が生じやすく、本来の粒径のトナー塊として、挙動することも多くなり、その結果、荒れた画像が形成されやすく、解像性を低下させたり、または静電荷像のエッジ部と内部との濃度差が大きくなり、中抜け気味の画像となり易い。さらに、粒径が12.70μm以上の粒子が5体積%以下であることが画質向上の上で好ましい。
【0102】
さらに、本発明のトナーには、流動性向上剤が外添されていることが画質向上、高温環境下でも保存性の点で好ましい。流動性向上剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機微粉体が好ましい。該無機微粉体は、シランカップリング剤、シリコーンオイルまたはそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
【0103】
疎水化剤としては、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤の如きカップリング剤が挙げられる。
【0104】
具体的に、例えばシランカップリング剤としては、一般式
m−Si−Yn
〔上記式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を示し、Yはアルキル基、ビニル基、フェニル基、メタクリル基、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基またはこれらの誘導体を示し、nは1〜3の整数を示す。〕
で表されるものが好ましい。例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0105】
その処理量は、無機微粉体100質量部に対して、好ましくは1〜60質量部、より好ましくは3〜50質量部である。
【0106】
本発明において好ましく用いられる疎水化剤は、下記一般式
n2n+1−Si−(OCm2m+13
〔上記式中、nは4〜12の整数を示し、mは1〜3の整数を示す。〕
で示されるアルキルアルコキシシランカップリング剤である。該アルキルアルコキシシランカップリング剤において、nが4より小さいと、処理は容易になるが疎水化度が低く、好ましくない。nが12より大きいと、疎水性が十分になるが、酸化チタン微粒子同士の合一が多くなり、流動性付与能が低下しやすい。mが3より大きいと、該アルキルアルコキシシランカップリング剤の反応性が低下して疎水化を良好に行いにくくなる。より好ましいアルキルアルコキシシランカップリング剤はnが4〜8であり、mが1〜2である。
【0107】
アルキルアルコキシシランカップリング剤の処理量は、無機微粉体100質量部に対して、好ましくは1〜60質量部、より好ましくは3〜50質量部である。
【0108】
疎水化処理は1種類の疎水化剤単独で行っても良いし、2種類以上の疎水化剤を同時或いは順次併用しても良い。
【0109】
上記流動性向上剤は、トナー粒子100質量部に対して0.01〜5質量部添加することが好ましく、さらに好ましくは0.03〜3質量部である。
【0110】
本発明のブラックトナーは、一成分系現像剤及び二成分系現像剤のいずれにも適用できるものである。本発明のトナーを二成分系現像剤に用いる場合に併用されるキャリアとしては、例えば表面酸化または未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類等の金属及びそれらの合金または酸化物及びフェライトなどが使用できる。
【0111】
特に、マンガン、マグネシウム及び鉄を主成分として形成されるMn−Mg−Feの3元素の磁性フェライト粒子がキャリア粒子として好ましい。磁性キャリア粒子は、樹脂で被覆されていることが好ましく、該被覆樹脂としては、シリコーン樹脂が好ましい。特に、含窒素シリコーン樹脂、または、含窒素シランカップリング剤とシリコーン樹脂とが反応することにより生成した変性シリコーン樹脂が、本発明のトナーへのマイナスの摩擦電荷の付与性、環境安定性、キャリアの表面の汚染に対する抑制の点で好ましい。
【0112】
磁性キャリアは、平均粒径が好ましくは15〜60μm、より好ましくは25〜50μmであることが、本発明のトナーの重量平均粒径との関係で好ましい。磁性キャリアを当該平均粒径を有するように調整する方法としては、例えば篩を用いることによる分級が挙げられる。特に、精度良く分級を行うために、適当な目開きの篩を用いて複数回繰り返してふるうことが好ましい。また、メッシュの開口の形状をメッキ等によって制御したものを使うことも有効な手段である。
【0113】
本発明のトナーを用いて二成分系現像剤を調整する場合、トナーとキャリアとの混合比率は、現像剤中のトナー濃度として2〜15質量%が好ましく、さらに好ましくは4〜13質量%にすると、通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低くなりやすく、15質量%を超える場合ではカブリや機内飛散が増加しやすい。
【0114】
本発明のブラックトナーを用いてフルカラー画像を形成する画像形成装置の一例を図1に示し、該装置における画像形成方法について説明する。
【0115】
図1に示す画像形成装置は、下部のデジタルカラー画像プリンタ部Iと、上部のデジタルカラー画像リーダ部IIとを備えており、例えば、リーダ部IIで読み取った原稿Dの画像に基づき、プリンタ部Iにおいて記録材Pに画像を形成する。
【0116】
先ず、プリンタ部Iについて説明する。
【0117】
プリンタ部Iは、矢印R1方向に回転駆動される静電荷像担持体としての感光体ドラム1を有する。感光体ドラム1の周囲には、その回転方向に沿って順に、一次帯電器(帯電手段)2、露光手段3、現像装置(現像手段)4、転写装置5、クリーニング部6、前露光ランプ7等が配置されている。転写装置5の下方(即ちプリンタ部Iの下半部)には、記録材Pの給紙搬送部8が配置され、さらに転写装置5の上部には分離手段9が設置され、また分離手段9の下流側(記録材Pの搬送方向についての下流側)には加熱加圧定着器10及び排紙部11が配置されている。
【0118】
感光体ドラム1は、アルミニウム製のドラム上の基体1aと、その表面を覆うOPC(有機半導体)の感光体1bとを有し、駆動手段(不図示)によって矢印R1方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動されるように構成されている。
【0119】
一次帯電器2は、感光体ドラム1に対向する部分が開口したシールド2aと、シールド2aの内側に感光体ドラム1の母線と平行に配置された放電ワイヤ2bと、シールド2aの開口部に配置されて帯電電位を規制するグリッド2cとを有するコロナ帯電器である。一次帯電器2は、電源(不図示)によって帯電バイアスが印加され、これにより、感光体ドラム1表面を所定の極性、所定の電位に均一に帯電するようになっている。
【0120】
露光手段3は、後述のリーダ部IIからの画像信号に基づいてレーザ光を発光するレーザ出力部(不図示)と、レーザ光を反射するポリゴンミラー3aと、レンズ3bと、ミラー3cとを有する。露光手段3は、このレーザ光が感光体ドラム1表面を照射することによって感光体ドラム1を露光し、露光部分の電荷を除去して静電潜像を形成するように構成されている。図1の装置においては、感光体ドラム1表面に形成される静電潜像は、原稿の画像に基づいて、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色に色分解され、それぞれの色に対応した静電潜像が順次形成されるようになっている。
【0121】
現像装置4は、感光体ドラム1の回転方向(矢印R1方向)に沿って上流側から順にイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、ブラックトナーの各色トナー(現像剤)を収納した現像器4Y、4C、4M、4Bkを備えている。各現像器4Y、4C、4M、4Bkは、それぞれ感光体ドラム1表面に形成された静電荷像を現像するためのトナーを有する現像剤を担持している現像スリーブ4aを有し、静電荷像の現像に供せられる所定の色の現像器が偏心カム4bによって、択一的に感光体ドラム1表面に近接する現像位置に配置されている。現像スリーブ4aに担持されている現像剤のトナーが静電荷像を現像し、顕像としてのトナー像(可視画像)を形成するように構成されている。現像に供せられる現像器以外の他の3色の現像器は、現像位置から退避するようになっている。
【0122】
転写装置5は、表面に記録材Pを担持する転写ドラム(記録材担持体)5a、感光体ドラム1上のトナー像を記録材Pに転写する転写帯電器(転写帯電手段)5b、記録材Pを転写ドラム5aに吸着させるための吸着帯電器5cとこれに対向する吸着ローラ5d、内側帯電器5e、外側帯電器5fを有し、矢印R5方向に回転駆動されるように軸支された転写ドラム5aの周面開口域には誘電体からなる記録材担持シート5gが円筒状に一体的に張設されている。記録材担持シート5gは、ポリカーボネートフィルムの如き誘電体シートを使用している。転写装置5は、転写ドラム5a表面に記録材Pを吸着して担持するように構成されている。
【0123】
クリーニング器6は、記録材Pに転写されずに感光体ドラム1表面に残った残留トナーを掻き落とすクリーニングブレード6a、及び掻き落としたトナーを回収するクリーニング容器6bを備えている。
【0124】
前露光ランプ7は、一次帯電器2の上流側に隣接して配置され、クリーニング部6によって清掃された感光体ドラム1表面の不要な電荷を除去する。
【0125】
給紙搬送部8は、大きさの異なる記録材Pを積載収納する複数の給紙カセット8a、給紙カセット8a内の記録材Pを給紙する給紙ローラ8b、多数の搬送ローラ、そしてレジストローラ8c等を有し、所定の大きさの記録材Pを転写ドラム5aに供給する。
【0126】
分離手段9は、トナー像が転写された後の記録材Pを転写ドラム5aから分離するための分離帯電器9a、分離爪9b、分離押し上げころ9c等を有する。
【0127】
加熱加圧定着器10は、内側にヒータを有する定着ローラ10aと、定着ローラ10aの下方に配置され、記録材Pを定着ローラ10aに押し付ける加圧ローラ10bとを有する。
【0128】
排紙部11は、加熱加圧定着器10の下流側に配置された、搬送パス切替ガイド11a、排出ローラ11b、排紙トレイ11c等を有する。また、搬送パス切替ガイド11aの下方には、1枚の記録材Pに対してその両面に画像形成を行うために搬送縦パス11d、反転パス11e、積載部材11f、中間トレイ11g、さらに搬送ローラ11h、11i、反転ローラ11j等が配置されている。
【0129】
また、感光体ドラム1周囲における、一次帯電器2と現像装置4との間には、感光体ドラム1表面の帯電電位を検出する電位センサS1が、また現像装置4と転写ドラム5aとの間には、感光体ドラム1上のトナー像の濃度を検知する濃度センサS2が、それぞれ配置されている。
【0130】
続いて、リーダ部IIについて説明する。
【0131】
プリンタ部Iの上方に配置されたリーダ部IIは、原稿Dを載置する原稿台ガラス12a、移動しながら原稿Dの画像面を露光走査する露光ランプ12b、原稿Dからの反射光をさらに反射させる複数のミラー12c、反射光を集光するレンズ12d、そしてレンズ12dからの光に基づいてカラー色分解画像信号を形成するフルカラーセンサ12e等を有する。カラー色分解画像信号は、増幅回路(不図示)を経て、ビデオ処理ユニット(不図示)によって処理を施され、上述のプリンタ部Iに送出されるようになっている。
【0132】
次に、図1の構成の画像形成装置の動作を説明する。以下の説明においては、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの順に4色フルカラー画像を形成するものとする。
【0133】
リーダ部IIの原稿台ガラス12aに載置された原稿Dの画像は、露光ランプよって照射され、色分解されて先ずイエローの画像がフルカラーセンサ12eによって読み取られ、所定の処理を施され画像信号としてプリンタ部Iに送られる。
【0134】
プリンタ部Iでは、感光体ドラム1が矢印R1方向に回転駆動され、一次帯電器2によって表面が均一に帯電される。上述のリーダ部IIから送られてきた画像信号に基づいて、露光手段3のレーザ出力部からレーザ光が照射され、ポリゴンミラー3a等を介して帯電済みの感光体ドラム1表面を光像Eによって露光する。感光体ドラム1表面の露光を受けた部分は電荷が除去され、これによりイエロー現像器4Yが所定の現像位置に配置され、そのほかの現像器4C、4M、4Bkは現像位置から退避される。感光体ドラム1上の静電荷像は、現像器4Yによってイエローのトナーが付着され、顕像化されてイエロートナー像となる。この感光体ドラム1上のイエロートナー像は、転写ドラム5aに担持された記録材Pに転写される。記録材Pは、原稿画像に適した大きさの記録材Pが所定の給紙カセット8aから給紙ローラ8b、搬送ローラ、レジストローラ8c等を介して所定のタイミングで転写ドラム5aに巻き付くように吸着されて矢印R5方向に回転し、転写帯電器5bによって感光体ドラム1上のイエロートナー像が転写される。
【0135】
一方、イエロートナー像が転写された後の感光体ドラム1は、クリーニング器6によって表面の残留トナーが除去され、さらに前露光ランプ7によって不要な電荷が除去され、一次帯電から始まる次の画像形成に供される。
【0136】
以上のリーダ部IIによる原稿画像の読み取りから、転写ドラム5a上の記録材Pに対するトナー像の転写、さらには感光体ドラム1の清掃、除電に至る各プロセスが、イエロー以外の他の色、即ち、シアン、マゼンタ、ブラックについても同様に行われ、転写ドラム5a上の記録材Pには、イエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー及びブラックトナーの4色のトナー像が重なるようにして転写される。
【0137】
4色のトナー像の転写を受けた記録材Pは、分離帯電器9a、分離爪9b等によって転写ドラム5aから分離され、未定着のトナー像を表面に担持した状態で定着器10に搬送される。記録材Pは、加熱加圧定着器10の定着ローラ10a及び加圧ローラ10bによって加熱加圧され、カラートナー像が溶融されて定着され、フルカラー画像が記録材Pの一方の面に形成される。定着後の記録材Pは、排出ローラ11bによって排紙トレイ11c上に排出される。
【0138】
次に、図1の加熱加圧定着器10の拡大図を図2に示して当該定着器について説明する。
【0139】
図2において、トナー像と接触する定着ローラ10aは、例えば、アルミニウム製の芯金31上の1mm厚のHTV(高温加硫型)シリコーンゴム層32、この外側に特定の付加型シリコーンゴム層33を有し、直径60mmに形成されている。
【0140】
一方、加圧ローラ10bは、例えば、アルミニウム製の芯金34上に、1mm厚のHTVと、さらに厚さ1mmの前述の特定の付加型シリコーンゴム層35を設け、直径60mmに形成されている。
【0141】
上述の定着ローラ10aには、発熱手段である搬送ローラヒータ36が芯金31内に配設され、加圧ローラ10bには、同じくヒータ37が芯金34内に配設されて記録材Pの両面から加熱を行っている。加圧ローラ10bに当接されたサーミスタ38によって加圧ローラ10bの温度が検知され、この検知温度に基づいて制御装置39によりハロンゲンヒータ36、37が制御され、定着ローラ10a及び加圧ローラ10bの温度が共に所定の温度に一定に維持されるように制御される。尚、定着ローラ10aと加圧ローラ10bとは、加圧機構(不図示)によって所定の圧力で加圧されている。
【0142】
また、図2においては、Oはオイル塗布装置であり、Cはクリーニング装置であり、C1は加圧ローラ10bのオイル汚れを除去するクリーニングブレードである。オイル塗布装置Oは、オイルパン40内のジメチルシリコーンオイル41をオイル汲み上げローラ50、42及びオイル塗布ローラ43を経由させてオイル塗布量調整ブレード44でオイル塗布量を規制して定着ローラ10aに当接されたウエブ46によって定着ローラ10a表面を清掃する。
【0143】
上述の定着装置10では、未定着トナー像を表面に担持した記録材Pは、定着ローラ10aと加圧ローラ10bとの間の定着ニップに挟持搬送され、このとき、表裏両面から加熱加圧されてトナーの定着が行われる。この際、定着ローラ10a、加圧ローラ10bに付着したトナーは、それぞれクリーニング装置C、クリーニングブレードC1によって除去される。
【0144】
以上、記録材の一方の面にのみフルカラー画像を形成する方法について説明したが、次にこのフルカラー画像を記録材の両面に形成する方法について説明する。
【0145】
記録材Pの両面にフルカラー画像を形成する場合は、加熱加圧定着器10は排出後の記録材Pを、すぐに搬送パス切替ガイド11aを駆動し、搬送パス11dを経て、反転パス11eに一旦導いた後、反転ローラ11jの逆転により、送り込まれた際の後端を先頭にして、送り込まれた方向と反対向きに退出させ、中間トレイ11gに収納する。その後、中間トレイ11gの一方の面にフルカラー画像を有する記録材Pは転写ドラム5aに送られ、他方の面に再度上述の画像形成プロセスによりイエロートナー、シアントナー及びマゼンタトナーのカラートナーが転写され、さらにブラックトナーが転写される。記録材Pのフルカラー画像が転写ドラム5aに接触するので、定着時にフルカラー画像面に付着したシリコーンオイルが転写ドラム5aに付着し、転写工程を通常に阻害しやすいが、本発明のブラックトナーは、シリコーンオイルの吸収性に優れているので、転写ドラム5aに付着するシリコーンオイル量が従来と比較して極めて少ない。
【0146】
他方の面に未定着のカラートナー画像を有する記録材Pは、転写ドラム5aから分離され、加熱加圧定着器10へ送られ、未定着のカラートナー像は、記録材Pの他方の面に加熱加圧定着され、記録材Pの両面にフルカラー画像が形成される。その際、本発明のブラックトナーは、カーボンブラックが良好に分散され、適量の離型剤が含有されているため、両面に良好に画像が形成され、定着ローラ10a及び加圧ローラ10bへの記録材Pの巻き付きが抑制され、オフセット現象の発生も良好に防止されるものである。
【0147】
本発明のブラックトナーを使用すると、転写ドラム5aの記録材担持シート5gのシリコーンオイル等の汚染は従来と比較して極めて少ないが、必要に応じてファーブラシ13aとバックアップブラシ13b及びオイル除去ローラ14aとバックアップブラシ14bによって清掃を行う。このような清掃は、必要に応じて画像形成前もしくは画像形成後に行い、また、ジャム(紙詰まり)発生した場合には随時行う。
【0148】
次に、各物性の測定方法について説明する。
【0149】
〔ウルトラマリンの体積平均粒径の測定方法〕
レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(ホリバ社製「LA−920」)を用いて測定する。
【0150】
〔吸油量の測定方法〕
ウルトラマリンの吸油量はJIS K5101−21により、カーボンブラックの吸油量はJIS K6221 A法により測定する。
【0151】
〔pHの測定方法〕
ウルトラマリンのpHはJIS K5101−26により、カーボンブラックのpHはDIN ISO 787/9により測定する。
【0152】
〔トナーの粘弾性の測定方法〕
トナーを直径8mm、厚さ約2〜3mmの円板状の試料に加圧成形する。次にパラレルプレートにセットし、50〜200℃の温度範囲内で徐々に昇温させ、温度分散測定を行う。昇温速度は2℃/minとし、角周波数(ω)は6.28rad/secに固定し、歪率は自動とする。横軸に温度、縦軸に貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)を取り、各温度における値を読み取る。測定にあたっては、RDA‐II(レオメトリックス社製)を用いる。
【0153】
〔トナーの誘電正接の測定方法〕
4284AプレシジョンLCRメーター(ヒューレット・パッカード社製)を用いて、1kHz及び1MHzの周波数で校正後、周波数5×104Hzと1×105Hzの誘電率の測定値から誘電正接(tanδε)を算出する。
【0154】
トナー0.5〜0.7gを秤量し、34300kPa(350kgf/cm2)の荷重を2分間かけて、直径25mm、厚さ1mm以下(好ましくは、0.5〜0.9mm)の円盤状に成型し、測定試料とする。この測定試料を直径25mmの誘電率測定治具(電極)を装着したARES(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製)に装着し、固定する。その後、3.43N(350g)の荷重をかけた状態で、100〜106Hzの周波数範囲で3回測定し、平均値を算出する。
【0155】
〔トナーの吸熱ピークの測定方法〕
示差走査熱量計(DSC測定装置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
【0156】
測定試料は5〜20mg、好ましくは10mgを精密に秤量する。
【0157】
これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。この昇温過程で、温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線のメインピークの吸熱ピークが得られる。
【0158】
〔GPCによる分子量分布の測定方法〕
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定される。40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を約50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数(リテンションタイム)との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば東ソー社製或いはPressure Chemical Co.製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0159】
カラムとしては、103〜2×106の分子量領域を的確に測定するために、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807の組み合わせや、Waters社製のμ−styragel 500、103、104、105の組み合わせを挙げることができる。
【0160】
〔トナーの粒度分布の測定方法〕
本発明において、トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用いて行うが、コールターマルチサイザー(コールター社製)を用いることも可能である。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置によりアパチャーとして100μmアパチャーを用いて、2.00μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。それから本発明に係る体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。
【0161】
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
【0162】
〔カーボンブラックの平均一次粒径の測定方法〕
本発明においては、トナー中のカーボンブラックの平均一次粒径は、次のようにして測定した。
【0163】
紫外線硬化型のアクリル樹脂中にトナーを十分に分散させた後、紫外線を照射して硬化させ、得られた硬化物をウルトラミクロトームを用いて面出しし、それを四酸化ルテニウム(RuO4)、または必要に応じて四酸化オスミウム(OsO4)を併用して電子染色を施した後、ダイヤモンドナイフを備えたウルトラミクロトームを用いて薄片状のサンプルを切り出し、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてトナーの断面層形態を観察した。こうして得られたトナーの断面写真(例えば、4万倍に拡大した断面写真)より、凝集体を形成していないカーボンブラックについて、無作為に抽出し、解析を行うこととし、サンプリング数が300回を超えるまで測定を繰り返して平均粒径を求めた。
【0164】
本発明では、画像処理装置を用いてカーボンブラックを球形近似し、得られる直径より定義される値をカーボンブラックの平均一次粒径(A)とした。また、TEM写真より直接カーボンブラックの平均一次粒径を測定する際には、カーボンブラックの長径を粒径とし、同じくサンプリング数が300回を超えるまで測定を繰り返して平均一次粒径(B)を求めた。本発明では、上記の(A)も(B)もほぼ同じ結果が得られた。
【0165】
以下に本発明の実施態様を示す。
【0166】
〔実施態様1〕
少なくとも結着樹脂と、離型剤と、結着樹脂100質量部当たり0.5〜10質量部のカーボンブラックと、体積平均粒径が0.3〜3.0μmのウルトラマリンを含有することを特徴とするブラックトナーである。
【0167】
〔実施態様2〕
実施態様1において、ウルトラマリンを結着樹脂100質量部当たり0.01〜2質量部含有する。
【0168】
〔実施態様3〕
実施態様1または2において、トナーの80℃における貯蔵弾性率(G’80)が1×106〜1×108[dN/m2]の範囲にあり、温度140℃における貯蔵弾性率(G’)及び損失弾性率(G”)の比(G”/G’)で示される損失正接(tanδG)が0.2〜1.5の範囲にあり、誘電損率(ε”)と誘電率(ε’)の比(ε”/ε’)で示される損失正接(tanδε)が、
周波数5×104Hzにおいて、tanδε(5×104Hz)≦0.008
周波数1×105Hzにおいて、tanδε(1×105Hz)≦0.011
であることを特徴とする請求項1または2に記載のブラックトナー。
【0169】
〔実施態様4〕
実施態様1〜3のいずれかにおいて、トナーが、示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲に1個または複数の吸熱ピークを有し、該吸熱ピーク中の最大吸熱ピークのピーク温度が60〜110℃の範囲にある。
【0170】
〔実施態様5〕
実施態様1〜4のいずれかにおいて、結着樹脂が、
(a)ポリエステル樹脂、
(b)ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂、
(c)上記(b)のハイブリッド樹脂とビニル系重合体との混合物、
(d)ポリエステル樹脂とビニル系重合体との混合物、
(e)上記(b)のハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂との混合物
のいずれかから選択される樹脂である。
【0171】
〔実施態様6〕
実施態様1〜5のいずれかにおいて、離型剤が、トナー中の樹脂成分100質量部に対して1〜20質量部含有されている。
【0172】
〔実施態様7〕
実施態様1〜6のいずれかにおいて、トナーの重量平均粒径が4〜10μmである。
【0173】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるものではない。
【0174】
〔ウルトラマリン〕
本実施例で用いたウルトラマリンを表1に示す。
【0175】
【表1】
Figure 0004027240
【0176】
Figure 0004027240
をガラス製4リットルの四つ口フラスコに入れ、温度計、攪拌棒、コンデンサ及び窒素導入管を取り付けマントルヒーター内に置いた。次に、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら徐々に昇温し、145℃の温度で攪拌しつつ、先の滴下ロートよりビニル系モノマー組成物を4時間かけて滴下した。次いで、200℃に昇温し、4時間反応させてハイブリッド樹脂を得た。GPCによる分子量測定の結果を表2に示す。
【0177】
Figure 0004027240
をガラス製4リットルの四つ口フラスコに入れ、温度計、攪拌棒、コンデンサ及び窒素導入管を取り付けマントルヒーター内に置いた。窒素雰囲気下で、215℃で5時間反応させ、ポリエステル樹脂を得た。GPCによる分子量測定の結果を表2に示す。
【0178】
〔ビニル系重合体の製造〕
スチレン 2.2モル
2−エチルヘキシルアクリレート 0.23モル
ジクミルパーオキサイド 0.08モル
酸化ジブチル錫 3.2g
を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサ及び窒素導入管を装備した3リットルの四つ口フラスコに入れ、マントルヒーター中で、窒素雰囲気にて225℃で攪拌しつつ反応させ、ビニル系重合体を得た。GPCによる分子量測定の結果を表2に示す。
【0179】
【表2】
Figure 0004027240
【0180】
〔離型剤〕
本実施例では、離型剤として、融点67.2℃の精製n−パラフィンワックスを用いた。
【0181】
〔カーボンブラック〕
本実施例に用いたカーボンブラックを表3に示す。
【0182】
【表3】
Figure 0004027240
【0183】
〔トナー及び現像剤の製造〕
表4に示すトナー材料をヘンシェルミキサーにより十分予備混合した後、二軸式押出機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて粒径約1〜2mm程度に粉砕した。次いで、エアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに、得られた微粉砕物を多分割分級装置で分級して、重量平均粒径が7.0μmのトナー粒子を得た。
【0184】
上記トナー粒子100質量部に対して、n−C49Si(OCH33で処理した疎水性酸化チタン(BET比表面積:110m2/g)1.0質量部を合わせてトナーとした。さらに、該トナーと、シリコーン樹脂で表面被覆した磁性フェライトキャリア粒子(平均粒径:50μm)とを、トナー濃度が6質量%となるように混合し、二成分系現像剤とした。
【0185】
【表4】
Figure 0004027240
【0186】
〔評価方法〕
市販の普通紙フルカラー複写機(キヤノン製「CLC900」)を用い、常温常湿下(23℃/60%)で、画像面積比率25%のオリジナル原稿を用いて、連続複写2万枚の耐久試験を行った。
【0187】
▲1▼現像性(画像濃度)
現像性は耐久初期と2万枚耐久後の画像濃度の変化を評価の基準とした。画像濃度は、マクベス社製のマクベス濃度計にてオリジナル画像のベタ部(単位面積当たりのトナー載り量:0.6mg/cm2に設定)を5回平均し、画像濃度の変化値を見た。
【0188】
▲2▼カブリ
白地部分の白色度をリフレクトメーター(東京電色社製)により測定し、その白色度と転写紙の白色度の差からカブリ濃度(%)を算出し、評価した。評価基準は以下の通りである。
A:非常に良好(1.0%未満)
B:良好(1.0%〜2.0%未満)
C:普通(2.0%〜3.0%未満)
D:悪い(3.0%以上)
【0189】
▲3▼定着温度幅
カラー複写機(キヤノン製「CLC900」)のオイル塗布機構を取り外し、さらに、定着温度を自由に設定できるように改造して定着試験を行った。このときの画像面積比率は25%であり、単位面積当たりのトナー載り量は0.6mg/cm2に設定した。定着開始温度とオフセット発生温度の測定は、定着器の設定温度を120〜210℃の温度範囲で5℃おきに温度調節して、各温度で定着画像を出力し、得られた定着画像を4.9kPa(50g/cm2)の荷重をかけたシルボン紙で摺擦し、摺擦前後の濃度低下率が10%以下となる定着温度を定着開始温度とした。また、定着開始温度からさらに設定温度を上げてゆき、目視で高温オフセットの発生した温度をオフセット発生温度とした。
【0190】
▲4▼保存性(耐ブロッキング性)
50℃のオーブン内にて1週間トナーを放置し、目視により凝集性のレベルを判定した。評価基準を以下に示す。
A:凝集体が全く見られず、流動性が非常によい。
B:若干の凝集体は見られるが、すぐにほぐれる。
C:現像剤撹拌装置で凝集体がほぐれる(普通)。
D:現像剤撹拌装置では凝集体がほぐれない(やや悪い)。
【0191】
(実施例1〜8)
20000枚の耐久後も非常に良好な現像性を示し、カブリも発生しなかった。また、低温定着性、耐高温オフセット性にも優れ、広い定着温度幅をとることができた。結果を表5に示す。
【0192】
(実施例9、10)
実施例1に比較して、定着開始温度が若干高くなったが、使用上問題はなかった。また、実施例9では、保存性が若干不利であったが、問題のないレベルであった。結果を表5に示す。
【0193】
(実施例11)
20000枚の耐久後も非常に良好な現像性を示し、カブリも発生しなかった。また、低温定着性、耐高温オフセット性にも優れ、広い定着温度幅をとることができた。結果を表5に示す。
【0194】
(実施例12)
実施例1に比較すると、カーボンブラック量が少ないため、画像濃度が低かったが、良好な現像性を示し、カブリも発生せず、使用上問題はなかった。結果を表5に示す。
【0195】
(実施例13)
実施例1に比較すると、カーボンブラックの量が多く、tanδεの値が若干悪くなったが、良好な画像が得られた。結果を表5に示す。
【0196】
参考例1
実施例1に比較すると、ワックス量が少ないためか、定着温度幅が若干狭くなった。結果を表5に示す。
【0197】
参考例2
実施例1に比較すると、カブリと保存性が若干悪くなり、得られた画像はわずかに赤みを帯びていたが、使用上問題はなかった。結果を表5に示す。
【0198】
参考例3
実施例1に比較すると、カブリが若干悪く、画像濃度も低かったが、使用上問題はなかった。結果を表5に示す。
【0199】
参考例4
実施例1に比較すると、カブリが若干悪く、画像濃度も低かったが、使用上問題はなかった。結果を表5に示す。
【0200】
(比較例1)
用いたウルトラマリンの粒径が小さく、成分であるイオウが遊離していると思われ、耐久後、画像濃度の低下やカブリが発生した。結果を表5に示す。
【0201】
(比較例2)
用いたウルトラマリンの粒径が大きく、ふるい残分も多いため、凝集が起こっていると思われ、tanδεの値が悪くなり、カブリも発生した。結果を表5に示す。
【0202】
(比較例3)
カーボンブラックの添加量が少なかったため、十分な画像濃度を得ることができなかった。結果を表5に示す。
【0203】
(比較例4)
カーボンブラックの添加量が多すぎたため、カブリが著しく、耐久後の画像濃度が低下した。結果を表5に示す。
【0204】
(比較例5)
低軟化点物質を用いていないため、記録材の定着ローラへの巻き付きが起こった。結果を表5に示す。
【0205】
(比較例6)
ウルトラマリンを使用しなかったため、カーボンブラックの分散性が悪く、tanδε値が悪く、画像濃度、カブリ、定着温度幅の全てにおいて良好な結果が得られなかった。結果を表5に示す。
【0206】
【表5】
Figure 0004027240
【0207】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、ウルトラマリンの添加によってカーボンブラック及び離型剤の分散性に優れるため、低濃度から高濃度までダイナミックレンジをカバーする高着色力を有し、定着性、保存安定性、耐熱性に優れたトナーが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーを適用しうる画像形成装置の一例の概略構成図である。
【図2】図1の画像形成装置の加熱定着器の拡大図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
1a 基体
1b 感光体
2 一次帯電器(帯電手段)
2a シールド
2b 放電ワイヤ
2c グリッド
3 露光手段
3a ポリゴンミラー
3b レンズ
3c ミラー
4 現像装置(現像手段)
4Y、4C、4M、4Bk 現像器
4a 現像スリーブ
4b 偏心カム
5 転写装置
5a 転写ドラム(記録材担持体)
5b 転写帯電器(転写帯電手段)
5c 吸着帯電器
5d 吸着ローラ
5e 内側帯電器
5f 外側帯電器
5g 記録材担持シート
6 クリーニング器
6a クリーニングブレード
6b クリーニング容器
7 前露光ランプ
8 給紙搬送部
8a 給紙カセット
8b 給紙ローラ
8c レジストローラ
9 分離手段
9a 分離帯電器
9b 分離爪
9c 分離ころ
10 加熱加圧定着器
10a 定着ローラ
10b 加圧ローラ
11 排紙部
11a 搬送パス切替ガイド
11b 排出ローラ
11c 排紙トレイ
11d 搬送縦パス
11e 反転パス
11f 積載部材
11g 中間トレイ
11h 搬送ローラ
11j 反転ローラ
12a 原稿台ガラス
12b 露光ランプ
12c ミラー
12d 集光レンズ
12e フルカラーセンサ
13a ファーブラシ
13b、14b バックアップブラシ
14a オイル除去ローラ
31、34 芯金
32 HTVシリコーンゴム層
33 付加型シリコーンゴム層
36、37 ハロゲンヒータ
38 サーミスタ
39 制御装置
40 オイルパン
41 ジメチルシリコーンオイル
42、50 オイル汲み上げローラ
43 オイル塗布ローラ
44 オイル塗布量調整ブレード
45 突当ローラ
46 ウエブ
I プリンタ部
II リーダ部
C クリーニング装置
C1 クリーニングブレード
D 原稿
E 光像
O オイル塗布装置
P 記録材
S1 電位センサ
S2 濃度センサ

Claims (5)

  1. 少なくとも結着樹脂と、前記結着樹脂100質量部当たり2〜10質量部の離型剤と、前記結着樹脂100質量部当たり0.5〜10質量部のカーボンブラックと、体積平均粒径が0.3〜3.0μmのウルトラマリンを含有するブラックトナーであって、
    前記ブラックトナーの80℃における貯蔵弾性率(G’ 80 )が1×10 6 〜1×10 8 [dN/m 2 ]の範囲にあり、温度140℃における貯蔵弾性率(G’)及び損失弾性率(G”)の比(G”/G’)で示される損失正接(tanδ G )が0.2〜1.5の範囲にあり、誘電損率(ε”)と誘電率(ε’)の比(ε”/ε’)で示される損失正接(tanδ ε )が、
    周波数5×10 4 Hzにおいて、tanδ ε (5×10 4 Hz)≦0.006
    周波数1×10 5 Hzにおいて、tanδ ε (1×10 5 Hz)≦0.008
    であることを特徴とするブラックトナー。
  2. 前記ウルトラマリンを結着樹脂100質量部当たり0.01〜2質量部含有する請求項1に記載のブラックトナー。
  3. 前記トナーが、示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲に1個または複数の吸熱ピークを有し、該吸熱ピーク中の最大吸熱ピークのピーク温度が60〜110℃の範囲にある請求項1または2に記載のブラックトナー。
  4. 前記結着樹脂が、
    (a)ポリエステル樹脂、
    (b)ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂、
    (c)上記(b)のハイブリッド樹脂とビニル系重合体との混合物、
    (d)ポリエステル樹脂とビニル系重合体との混合物、
    (e)上記(b)のハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂との混合物
    のいずれかから選択される樹脂である請求項1乃至のいずれかに記載のブラックトナー。
  5. 前記トナーの重量平均粒径が4〜10μmである請求項1乃至のいずれかに記載のブラックトナー。
JP2003035900A 2003-02-14 2003-02-14 ブラックトナー Expired - Fee Related JP4027240B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003035900A JP4027240B2 (ja) 2003-02-14 2003-02-14 ブラックトナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003035900A JP4027240B2 (ja) 2003-02-14 2003-02-14 ブラックトナー

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2004246081A JP2004246081A (ja) 2004-09-02
JP2004246081A5 JP2004246081A5 (ja) 2006-02-09
JP4027240B2 true JP4027240B2 (ja) 2007-12-26

Family

ID=33021157

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003035900A Expired - Fee Related JP4027240B2 (ja) 2003-02-14 2003-02-14 ブラックトナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4027240B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4535106B2 (ja) 2007-09-20 2010-09-01 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像用現像剤
JP2013130834A (ja) * 2011-12-22 2013-07-04 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真用マゼンタトナー、現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004246081A (ja) 2004-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4387613B2 (ja) マゼンタトナー
JP4757278B2 (ja) カラートナーキット及びフルカラー画像形成方法
JP4343672B2 (ja) フルカラー画像形成用カラートナー
EP1760536A2 (en) Image-forming method having at least two speed modes
JP4174328B2 (ja) イエロートナー
JP3689566B2 (ja) トナー及び画像形成方法
JP4745546B2 (ja) カラートナー及びフルカラー画像形成方法
JP4498078B2 (ja) カラートナー、及び、該カラートナーを用いたフルカラー画像形成方法
JP3950676B2 (ja) イエロートナー
JP2003084501A (ja) トナー、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP4027240B2 (ja) ブラックトナー
JP3880349B2 (ja) ブラックトナー
JP4027188B2 (ja) トナー及び加熱定着方法
JP4065527B2 (ja) 二成分系現像剤
JP4078103B2 (ja) 画像形成方法
JP2003337444A (ja) 負帯電性トナー、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP4536945B2 (ja) 画像形成方法
JP4323884B2 (ja) トナー及び画像形成方法
JP3754909B2 (ja) トナー
JP2005173208A (ja) トナー
JP2003280276A (ja) イエロートナー
JP4125210B2 (ja) イエロートナー
JP3826000B2 (ja) フルカラー画像形成用トナー
JP3927805B2 (ja) イエロートナー
JP2005106932A (ja) イエロートナー

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051216

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070703

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070903

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071002

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071009

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111019

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111019

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121019

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131019

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees