JP4027094B2 - ゴム組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリカを充填剤として含有するゴム組成物の加工性を改善し、ヒステリシスロス特性、強度特性に優れた共役ジエン系ゴムを含むゴム組成物に関する。詳しくは、本発明は活性末端を有する共役ジエン系ゴム状重合体をエポキシ多官能化合物によって変性することにより、シリカとの親和性が改善された特定構造のジエン系ゴムを用い、オイル、シリカ、加硫剤及び加硫促進剤等を配合・混練して得られる新規な共役ジエン系重合体ゴム組成物に関し、加硫物はタイヤ用を中心に従来から共役ジエン系重合体ゴム組成物がもちいられている用途に好適に使用される。
【0002】
【従来の技術】
近年省資源、省エネルギー、加えて、環境保護の立場から排出炭酸ガスの低減の社会的要求が強まっている。自動車に対しても排出炭酸ガスの低減を目的として、自動車の軽量化・電気エネルギーの利用等様々な対応策が検討されているが、自動車共通の課題としてタイヤの転がり抵抗改善による燃費性能の改善が必要とされている。同時に自動車に対しては、走行時の安全性向上の要求も強まっている。これら自動車の燃費性能及び安全性は使用されるタイヤの性能に負うところが大きく、自動車用のタイヤに対しては、省燃費性、操縦安定性、耐久性の改善要求が強まっている。これらのタイヤ特性は、タイヤの構造・使用材料等種々の要素に左右されるが、特に路面に接するトレッド部分に用いるゴム組成物の性能が省燃費性・安全性・耐久性等のタイヤ特性への寄与が大きい。このため、タイヤ用ゴム組成物の技術的改良が多く検討・提案され、実用化されている。
【0003】
例えば、タイヤトレッドのゴム性能としては、省燃費性向上にはヒステリシスロスが小さいこと、操縦安定性向上にはウェットスキッド抵抗性が高いこと、耐久性向上には耐摩耗性の優れていることが要求されている。しかしながら、低ヒステリシスロスとウェットスキッド抵抗性との関係は相反するものであり、また耐摩耗性とウェットスキッド抵抗性との関係も相反するものであり、これらの相反する性能のバランス改良が重要であって、一つだけの性能向上では問題点の解決は難しいのが現状である。タイヤ用ゴム組成物の改良の代表的な手法は、使用する原材料の改良であり、SBRやBRに代表される原料ゴムのポリマー構造の改良、カーボンブラック・シリカ等の補強充填剤、加硫剤、可塑剤等の構造や組成の改良が行われている。
【0004】
これらの中で近年特に注目されている技術は、補強充填剤として従来のカーボンブラックに代わってシリカを使用する技術である。その代表的な技術は,例えばアメリカ特許5,227,425号公報に示され,特定構造のSBRにシリカを補強充填剤として使用し、ゴム組成物の混練条件を特定することによって、トレッドゴム組成物の省燃費性能とウェットスキッド抵抗性能のバランスが向上する方法が提案されている。しかしながら、シリカを補強充填剤とするゴム組成物には幾つかの解決すべき課題がある。例えばシリカは従来のカーボンブラックに比較してゴムとの親和性が低いため、ゴム中への分散性が必ずしも良くなく、この分散性不良によって耐摩耗性の不足、強度特性の不足がおこりがちである。シリカの分散性を改良するために、ビス−(トリエトキシシリルプロピル)−テトラスルフィドに代表されるシランカップリング剤を使用して特定の温度条件において混練し、さらに混練回数を増やしてシリカの分散を改良することが必要である。
【0005】
このような状況下において、ゴム中へのシリカの分散性を改良すること及び前記シランカップリング剤の使用量を低減する事を目的として、ゴムの末端を種々のアルコキシシリル基によって変性する方法及びそれらを用いたシリカ配合ゴム組成物が、特開昭62−227908号公報、特開平8−53513号公報、特開平8−53576号公報、特開平9−225324号公報に提案されている。これらアルコキシシリル基による変性ポリマーは、アニオン重合によって得られた活性末端ポリマーに特定のアルコキシシラン化合物を反応させることによって得られるものであるが、得られたポリマーのアルコキシシリル基が水分によって縮合しポリマーの粘度が経時変化しやすいことやシリカの分散性は改良されるものの得られたゴム配合物の粘度が増大し加工性が必ずしも良くないことが課題となっている。
【0006】
さらにエポキシ化ポリマーを使用したシリカ配合組成物が、特開平9−118785号公報、特開平9−221429において提案されているが、これらの方法は変性ポリマーを得る際、過酸化水素や過酸によってエポキシ化する特別な反応工程を必要とし、またこれら配合物の加工性は必ずしも良くないのが課題である。
さらに、特開平7−330959号公報には、ジグリシジルアミノ基を含有する多官能化合物によってカップリングされた特定構造のSBRを使用したタイヤトレッド組成物が、工程加工性、転がり抵抗低減、耐ウエットスキッド性改善を目的として提案されている。この例においては、一定量以上のカーボンブラックの配合が加工性、耐摩耗性等の性能達成およびラジオノイズ等の電波障害防止のため必要とされている。また、ポリマーの分子量分布が特定範囲であること、特定範囲のスチレン量及び1,2−結合量が好ましいこと、及び、分子内に未反応のグリシジル基を1個以上含有することが好ましいことが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況下で、本発明は、シリカ配合において、カーボンブラックの配合量が少ない場合にあっても加工性に優れ、また、更に低転がり抵抗性と耐ウエットスキッド性のバランス、強度特性等を改善したジエン系ゴム組成物を提供する事を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは,上記の課題を解決すべくジエン系重合体の分子構造及び変性構造さらに製造方法について鋭意検討をおこない、特定の変性成分を特定量含有するゴム状重合体が
優れた性能を有することを見いだし本発明に至った。
すなわち本発明の上記目的は、下記ジエン系ゴム重合体組成物及びジエン系ゴム重合体加硫物を提供することにより達成された。本発明は、以下の通りである。
1. 成分(A)が、(A−1)成分からなるか、または、(A−1)成分15〜99重量%及び(A−2)成分1〜85重量%からなる原料ゴムであって、(A−1)成分が共役ジエン系ゴム状重合体または共役ジエン−スチレン系ゴム状共重合体であって、(1)該ゴム状重合体の活性末端と、分子中に2個以上のエポキシ基を持ち更に1個以上の窒素含有基を持つ多官能化合物を反応させて得られる変性成分が60重量%を越えて含有するものであり、
(2)重合体の分子量分布Mw/Mnが1.05〜3.0、
(3)重合体の重量平均分子量が100,000〜2,000,000である共役ジエン系ゴム状重合体または共役ジエン−スチレン系ゴム状重合体であり、(A−2)成分が(A−1)成分以外の加硫可能なゴム状重合体である、原料ゴム(A)100重量部に対してそれぞれ、
(B)1〜100重量部のゴム用伸展油、
(C)25〜100重量部の補強性シリカ、及び
(D)合計1.0〜20重量部の加硫剤及び加硫促進剤からなるジエン系重合体ゴム組成物。
【0009】
2. 該多官能化合物が下記一般式で表される、上記1記載のジエン系重合体ゴム組成物。
【化2】
Figure 0004027094
【0001】
ここで、R 1 およびR 2 は炭素数1〜10の炭化水素基、またはエーテルおよび3級アミンのうち少なくとも1種の基を有する炭素数1〜10炭化水素基、R 3 およびR 4 は、水素、炭素数1〜20の炭化水素基、またはエーテルおよび3級アミンのうち少なくとも1種の基を有する炭素数1〜20の炭化水素基、R 5 は炭素数1〜20の炭化水素基、またはエーテル、3級アミン、エポキシ、カルボニル、ハロゲンのうち少なくとも1種の基を有する炭素数1〜20の炭化水素基であり、nは1〜6である。
【0010】
3. 該多官能化合物が分子中に1個以上のジグリシジルアミノ基を持つ、上記2記載のジエン系重合体ゴム組成物。
4. (C)成分の重量に対して、0.1〜20重量%の(E)有機シランカップリング剤を更に含有する、上記1記載のジエン系重合体ゴム組成物。
5. (F)0.1〜100重量部のカーボンブラックを更に含有し、(C)成分と(F)成分の合計が30〜150重量部である、上記1記載のジエン系重合体ゴム組成物。
6. (F)成分の量が0.1重量部以上、25重量部未満である、上記5記載のジエン系重合体ゴム組成物。
7. (A−1)成分の(2)重合体の分子量分布Mw/Mnが1.05以上、2.2未満である、上記1記載のジエン系重合体ゴム組成物。
【0011】
8. 成分(A)が、(A−1)成分からなるか、または、(A−1)成分15〜99重量%及び(A−2)成分1〜85重量%からなる原料ゴムであって、(A−1)成分が共役ジエン系ゴム状重合体または共役ジエン−スチレン系ゴム状共重合体であって、(1)該ゴム状重合体の活性末端と、分子中に2個以上のエポキシ基を持ち更に1個以上の窒素含有基を持つ多官能化合物を反応させて得られる変性成分が60重量%を越えて含有するものであり、
(2)重合体の分子量分布Mw/Mnが1.05〜3.0、
(3)重合体の重量平均分子量が100,000〜2,000,000である共役ジエン系ゴム状重合体または共役ジエン−スチレン系ゴム状重合体であり、(A−2)成分が(A−1)成分以外の加硫可能なゴム状重合体である、原料ゴム(A)100重量部に対してそれぞれ、
(B)1〜100重量部のゴム用伸展油、及び
(C)25〜100重量部の補強性シリカ、からなる初期混練成分を混練排出温度が135〜180℃となる条件で1回以上初期混練し、混練後のバウンドラバー量を30〜70重量%とし初期混練物を得て、さらに(A)成分100重量部に対して(D)合計1.0〜20重量部の加硫剤及び加硫促進剤を該初期混練物に添加し、混練排出温度が120℃以下となるように混練して、加硫して得られるジエン系重合体ゴム加硫物。
【0012】
9. 該初期混練成分が更に(C)成分の重量に対して0.1〜20重量%の(E)有機シランカップリング剤、及び(A)成分100重量部に対して0.1〜100重量部の(F)カーボンブラックのうち少なくともいずれか1つを含む、上記8記載のジエン系重合体ゴム加硫物。
10. (E)成分の量が(C)成分の重量に対して0.1重量%以上6重量%未満である、上記9記載のジエン系重合体ゴム加硫物。
11. (C)成分の加熱減量(Mo)に応じて、下記の混練排出温度(Td)となるように初期混練を行う、上記8記載のジエン系重合体ゴム加硫物。
1) 1%≦Mo≦4%の場合:
135≦Td≦180℃
2) 4%<Mo≦6%の場合:
(15×Mo+75)℃<Td≦180℃
3) 6%<Mo≦10%の場合:
165℃<Td≦180℃
【0013】
【発明を実施するための最良の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の加硫ゴム組成物は、ゴム状重合体として特定のゴム状重合体((A−1)成分)をもちいる。本発明の特定のゴム状重合体((A−1)成分)は、特定の共役ジエン系ゴム状重合体または共役ジエン−スチレン系ゴム状共重合体であり、不活性溶媒中で、アニオン重合により得られる活性末端を有する共役ジエン系ゴム状重合体または共役ジエン−スチレン系ゴム状共重合体に、分子中に2個以上のエポキシ基を持つ多官能化合物を反応させて得られる変性成分が60重量%を越えてを含有するものである。
【0014】
本発明において、共役ジエン系ゴム状重合体または共役ジエン−スチレン系ゴム状共重合体の共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましく、共重合するスチレンは、ランダム共重合したものであることが好ましい。ここで、ランダム共重合体とは、スチレンの連鎖長が30以上の成分が少ないかまたは無いものであり、具体的にはKolthoffの方法でポリマーを分解し、メタノールに不要なポリスチレン量を分析する公知の方法で、ポリマー量に対し10重量%以下、好ましくは5重量%以下、また、オゾン分解による方法でポリマーを分解し、GPCによりスチレン連鎖分布を分析する公知の方法で、スチレンの連鎖長が8以上の成分がポリマー量に対し5重量%以下であるものがより好ましい。また、必要に応じ、他の共重合可能なモノマーを10重量%以下共重合してもよい。
このゴム状重合体の製造方法において、不活性溶媒としては、飽和炭化水素、芳香族炭化水素であり、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及びそれらの混合物からなる炭化水素がもちいられる。
【0015】
重合開始剤としてはアニオン重合開始剤がもちいられ、有機アルカリ金属化合物、有機アルカリ土類金属が好ましく、特に有機リチウム化合物が好適である。有機リチウム化合物としては、重合開始の能力があるあらゆる有機リチウム開始剤を含み、低分子量のもの、可溶化したオリゴマーの有機リチウム化合物、また、1分子中に単独のリチウムを有するもの、1分子中に複数のリチウムを有するもの、有機基とリチウムの結合様式において、炭素−リチウム結合からなるもの、窒素−リチウム結合からなるもの、錫−リチウム結合からなるもの等を含む。具体的には、モノ有機リチウム化合物としてn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウム、多官能有機リチウム化合物として1,4−ジリチオブタン、sec−ブチルリチウムとジイソプロペニルベンゼンの反応物、1,3,5−トリリチオベンゼン、n−ブチルリチウムと1,3−ブタジエンおよびジビニルベンゼンの反応物、n−ブチルリチウムとポリアセチレン化合物の反応物、窒素−リチウム結合からなる化合物としてジメチルアミノリチウム、ジヘキシルアミノリチウム、ヘキサメチレンイミノリチウムなどがあげられる。特に好ましいものは、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムである。これらの有機リチウム化合物は1種のみならず2種以上の混合物としてももちいられる。重合反応において,スチレンを共役ジエンとランダムに共重合する目的で、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラハイドロフラン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン等のエーテル類、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等のアミン類等の非プロトン性極性化合物を添加することも実施可能である。
重合反応は、通常実施される条件、例えば、20〜150℃の重合温度にて、最終的な重合体濃度が5〜30重量%の濃度範囲で行われ、重合温度は、重合が発熱反応であることを考慮に入れて、モノマー及び溶媒のフィード温度、モノマー濃度及び反応器外部からの冷却ないし加熱により制御される。
【0016】
本発明で用いるゴム状重合体は、活性末端を有するジエン系重合体に、分子中に2個以上のエポキシ基を持つ多官能化合物を反応させて得られる変性成分を60重量%を超えて含有することが必要である。
本発明で用いる変性率が高いゴム状重合体を工業的に得るためには、変性反応前の活性末端を有するジエン系重合体を制御した方法で効率よく得る必要がある。通常、工業的に入手可能なモノマー、溶剤等には種々の有害な不純物が含まれており、それらが重合中に重合体の活性末端と反応して停止反応、転移反応を起こして重合体の活性末端は減少し、本発明の変性成分が60重量%を超えて含有する重合体を得ることは困難である。特に、80℃を超える高温で重合する際に、アルケン類、アセチレン類、水等の不純物の影響が大きい。本発明で限定される構造のジエン系重合体を得るためには、不純物量が少ないモノマーおよび溶媒が重合反応器にフィードされること、重合温度が制御されることなどが必要である。
【0017】
本発明において、重合反応器にフィードされるモノマーおよび溶媒中の全ての不純物は、重合反応器にフィードされる開始剤に対し、0.40当量未満、好ましくは0.30当量以下とするべきである。具体的には、共役ジエンモノマー中の不純物としては、例えばビニルアセチレン、1,2−ブタジエン、ブチン−1等の有機アルカリ金属の複数モルと反応する化合物、アルデヒド類等の有機アルカリ金属と等モル反応する化合物、また、スチレンモノマー中の不純物としては、例えばフェニルアセチレン、ベンズアルデヒド等の有機アルカリ金属と等モル反応する化合物、また、種々のモノマー、溶剤に共通である、重合禁止剤のTBC等の有機アルカリ金属の2モルと反応する化合物、水等の有機アルカリ金属と等モル反応する化合物がある。本発明において、複数モル反応する化合物については2モル反応するとして計算することが好ましい。
【0018】
これら不純物の影響を減らす方法として、当然ながら不純物の少ない原料を用いることが好ましいが、実用的には、不純物を含む原料を用い、蒸留、吸着等の化学工学的手法で除去するのが一般的である。しかし、これらの方法では十分に効果的とは言えず、一方、十分な効果を得るためには経済的に多大のコストがかかる。したがって、本発明においては、分子量が高いため微量の不純物でも大きな影響を受けることから、通常以上に不純物の影響を減らす方法として、好ましくは、重合反応器にフィードされるモノマーおよび溶媒をフィードする前に、予め不純物に相当する量の有機金属化合物、具体的には重合触媒等を反応させて実質的に不活性化する方法が好適である。これらの方法を単独で、または組み合わせて、重合反応器に供給されるモノマー溶液中に含有される不純物による重合中の活性末端の失活を大幅に減少させ、その結果として、80℃を超え、好ましくは120℃以下の温度で、工業的に効率よく変性反応を行うことが可能となる。
【0019】
本発明の変性成分を含む重合体を得るために用いる変性剤としては、分子内に2個以上のエポキシ基を持つ多官能化合物がもちいられる。分子中に2個以上のエポキシ基を持つ多官能化合物としてはいかなる化合物も使用できる。具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ジグリシジル化ビスフェノールA等の2個以上のフェノール基を有する芳香族化合物のポリグリシジルエーテル、1,4−ジグリシジルベンゼン、1,3,5−トリグリシジルベンゼン、ポリエポキシ化液状ポリブタジエン等のポリエポキシ化合物、4,4’−ジグリシジル−ジフェニルメチルアミン、4,4’−ジグリシジル−ジベンジルメチルアミン等のエポキシ基含有3級アミン、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等のジグリシジルアミノ化合物があげられる。好ましくは、分子中に2個以上のエポキシ基および1個以上の窒素含有基を持つ多官能化合物がもちいられる。より好ましくは、次の一般式の多官能化合物が用いられる。
【0020】
【化3】
Figure 0004027094
ただし、RおよびRは炭素数1〜10の炭化水素基またはエーテルおよび、または3級アミンを有する炭素数1〜10炭化水素基、RおよびRは、水素、炭素数1〜20の炭化水素基またはエーテルおよび、または3級アミンを有する炭素数1〜20の炭化水素基、Rは炭素数1〜20の炭化水素基またはエーテル、3級アミン、エポキシ、カルボニル、ハロゲンの内すくなくとも1種の基を有する炭素数1〜20の炭化水素基であり、nは1〜6である。
【0021】
さらに好ましくは、ジグリシジルアミノ基を持つ多官能化合物である。また、分子内のエポキシ基の数は2個以上であることが必要であり、より好ましくは3個以上、さらに好ましくは4個以上である。ただし、これらの化合物において、ポリマーの活性末端と反応して、活性末端を不活性化する官能基、例えば、活性水素を有する官能基、例えば水酸基、カルボキシル基、1級・2級アミノ基等を分子内に有する化合物、アルコール、アミンを脱離する官能基、例えばエーテル、アミド等を分子内に有する多官能化合物は好ましくない。一方、ポリマーの活性末端と反応して結合する官能基はあってもよく、例えばカルボニル、ハロゲン等である。
【0022】
これらの分子中に2個以上のエポキシ基を持つ多官能化合物を、好ましくは、多官能化合物のエポキシ基がポリマーの活性末端に対し0.6当量を超え、多官能化合物の分子がポリマーの活性末端に対し10倍モル以下の量比で反応される。単官能の開始剤で重合されたポリマーの活性末端の場合は、これ以下では本発明の変性成分が60重量%を超えて含有するものとならない。一方、これを超えると、未反応のエポキシ基を有する多官能化合物が増加して、かえって性能を低下させる。
【0023】
ポリマーの活性末端とエポキシ基が反応すると、重合体鎖に水酸基が導入される。多官能化合物のエポキシ基がポリマーの活性末端に対し0.6当量を超え、1当量以下の場合は、大部分のポリマーの活性末端は多官能化合物のエポキシ基と反応して、複数の分子がカップリング反応し、複数の水酸基を有する変性ポリマー分子が生成する。多官能化合物のエポキシ基がポリマーの活性末端に対し1当量を超える場合は、上記の複数の水酸基を有するポリマー分子と、ポリマーの活性末端とエポキシ基が反応して生成する水酸基とともに、ポリマーに結合した多官能化合物分子中の未反応のエポキシ基の両方が存在する変性ポリマー分子の両方が生成する。分子中に2個以上のエポキシ基および1個以上の窒素含有基を持つ多官能化合物がもちいられると、ポリマーの活性末端とエポキシ基が反応して生成する水酸基とともに、窒素含有基が導入される。
【0024】
本発明で用いる特定のゴム状重合体は、その多官能化合物による変性成分の含有量が重合体全体の60重量%を超えることが必要である。好ましくは、70重量%以上である。変性成分の含有量が多い場合には、充填剤のシリカとの作用効果がより発揮される。この変性成分の含有量は、変性成分と非変性成分を分離できるクロマトグラフィーによって測定可能である。このクロマトグラフィーの方法としては、変性成分を吸着するシリカ等の極性物質を充填剤としたGPCカラムを使用し、非吸着成分の内部標準をもちいて定量する方法、変性の前のポリマーと変性後ポリマーのGPCを測定しその形状及び分子量の変化に基づいて変性部分の量を計算する方法等がある。
【0025】
本発明で用いる(A−1)成分のゴム状重合体の分子量分布Mw/Mnは1.05〜3.0の範囲である。分子量分布はGPCを使用し、標準ポリスチレンの分子量から測定する方法で求められる。分子量分布が1.05未満の場合、加工性が劣り、しかも、工業的に製造することが難しい。3.0を超える場合は、得られるゴム組成物の機械的強度が劣る。
分子量分布が2.2以上の重合体は、混練時の加工性が優れ、加工時のトルクが大きくなく、また、混練時間が短くても良いなどの特長がある。一方、分子量分布が2.2未満の場合は、一般的に加工性が劣り、特にシリカ配合においては、加工時のトルクが大きくなるため、従来はカーボンブラックを多く併用することが必要であった。本発明の場合は、特にシリカとの親和性が高められたためカーボンブラックの配合量が少ない場合にあっても加工性が優れ、さらに、得られるゴム組成物の低転がり抵抗性と耐ウエットスキッド性のバランスが優れ、強度特性もより優れたものとなる。
【0026】
本発明で用いられる(A−1)成分であるゴム状重合体の重量平均分子量は100,000〜2,000,000であることが必要である。重量平均分子量はGPCを使用し、標準ポリスチレンの分子量から測定する方法で求められる。重量平均分子量が100,000未満では、得られるゴム組成物の強度及び耐摩耗性が低下し、2,000,000を超える場合は,加工性が極端に低下しゴム組成物を得ることが難しくなる。
本発明で用いられる(A−1)成分であるゴム状重合体のムーニー粘度(MV−M)は、好ましくは20〜200の範囲である。このムーニー粘度は,標準規格に定められるムーニー粘度計を使用し、100℃で測定されたムーニー粘度(ML1+4(100℃))である。但し、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))の値が約150を超えて100℃での測定が難しい場合には、例えば130℃の温度で測定し、100℃での値に換算する。ムーニー粘度(MV−M)が20未満の場合は、得られるゴム組成物の強度及び耐摩耗性が低下し、200を超える場合は、加工性能が極端に低下しゴム組成物を得ることが難しくなる。ムーニー粘度(MV−M)は、25〜180の範囲がより好ましい。
【0027】
本発明の(A−1)成分であるゴム状重合体は、その加工をより容易にするために、通常のゴム用伸展油をゴム100重量部あたり20〜60重量部添加した油展ゴムとして実用に供することも可能である。
本発明の(A−1)成分であるゴム状重合体のガラス転移温度は、最終的に得られるゴム組成物がゴム弾性を示すために−100〜0℃の範囲が好ましい。さらに、−95〜−10℃の範囲がより好ましい。本発明で使用するゴム状重合体のガラス転移温度は、ゴム組成物の使用用途によってその範囲が選択され、例えば低温性能がより重要な用途においては低い範囲のガラス転移温度を有するゴム状重合体が主体的に選択され、制動能力が要求される用途においては高い範囲のガラス転移温度を有するゴム状重合体が主体的に選択される。前記のガラス転移温度は,構成する共役ジエンとスチレンの組成による制御及び共役ジエンがブタジエン又はイソプレンの場合は、重合体連鎖におけるミクロ構造(1,4−結合と1,2−および3,4−結合)の比率で制御出来る。本発明のゴム状重合体がポリブタジエンの場合は、ブタジエンのミクロ結合の1,2−結合量は10〜80%が好ましく、本発明のゴム状重合体がスチレン−ブタジエンランダム共重合体の場合は、スチレン量が5〜45%、ブタジエン部分のミクロ結合の1,2−結合量は10〜70%の範囲であることが好ましい。
【0028】
本発明の(A−1)成分であるゴム状重合体は、1種だけでなく例えば2種以上のゴム状重合体であってもよい。その場合、ポリブタジエンとスチレン−ブタジエン共重合体ゴムの場合、スチレン−ブタジエン共重合ゴムであっても、分子量・分子量分布がことなるもの、ガラス転移温度がことなるものの組み合わせであってもよい。
本発明の好ましい態様として、(A−1)成分として、変性成分の量が70重量%以上で、ガラス転移温度が−80〜−20℃の範囲で、分子量分布が1.05以上、2.2未満であり、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が20以上、100未満であるスチレン−ブタジエン共重合ゴム10〜90重量部と、変性成分が70重量%以上で、ガラス転移温度が−50〜−20℃の範囲で、分子量分布が2.2〜3.0であり、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が100〜200であるスチレン−ブタジエン共重合ゴム90〜10重量部をもちいる場合、加工性、強度特性、低転がり抵抗性と耐ウエットスキッド性のバランスのいずれも優れたゴム組成物となる。
【0029】
本発明の(B)成分のゴム用伸展油としては、従来から使用されているアロマチック系、ナフテン系、パラフィン系伸展油の他に、MES、T−DAE、T−RAE等の多核芳香族成分が少なく環境に配慮したゴム用伸展油も使用可能である。本発明においてゴム用伸展油は原料ゴム100重量部あたり1〜100重量部使用される。ゴム用伸展油の量は後述する補強性シリカ充填材と補強性カーボンブラックの量に応じて増減し、加硫後の配合物の弾性率を調節するように使用される。ゴム用伸展油の量が100重量部を超えると得られるゴム組成物のヒステリシスロス性能及び耐摩耗性が悪化するので好ましくない。ゴム用伸展油の量は5〜60重量部の範囲が好ましい。
【0030】
本発明の(C)成分の補強性シリカとしては、湿式法シリカ、乾式法シリカ、合成ケイ酸塩系シリカのいずれのものも使用できる。補強効果及びグリップ性能改良効果が高いのは粒子径の小さいシリカであり、小粒径・高凝集タイプのものが好ましい。本発明の補強性シリカは、補強効果のある充填剤として、原料ゴム100重量部あたり25〜100重量部が使用される。25重量部未満では強度その他の物理性能が劣り、100重量部を超えると硬くなりすぎたり、強度がかえって低下したりゴム性能が低下する。(C)成分の補強性シリカの量は30〜90重量部が好ましい。
本発明の(D)成分である加硫剤及び加硫促進剤はゴム状重合体100重量部あたり1〜20重量部の範囲で使用される。加硫剤としては代表的なものとして硫黄が使用され、その他に硫黄含有化合物、過酸化物などか使用される。また、加硫剤促進剤してスルフェンアミド系、グアニジン系、チウラム系などが必要に応じた量使用される。
【0031】
つぎに、本発明のゴム状重合体組成物には(E)成分として有機シランカップリング剤を使用することが可能である。有機シランカップリング剤は、補強性シリカ充填剤と原料ゴムとのカップリング作用(相互結合作用)を緊密にするために、好ましくは(C)成分である補強性シリカの0.1〜20重量%が加えられる。有機シランカップリング剤の量が20重量部を超えると補強性が損なわれる。有機シランカップリング剤の量は、より好ましくは補強性シリカ充填剤の量の0.1重量%以上、6重量%未満の範囲が好ましい。有機シランカップリング剤は、分子内にポリマーの二重結合とシリカ表面とにそれぞれ親和性あるいは結合性の基を有しているものである。その例としてはビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−テトラスルフィド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−ジスルフィド、ビス−[2−(トリエトキシシリル)−エチル]−テトラスルフィド、3−メルカプトプロピル−トリメトキシシラン、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどがあげられる。本発明においては、特定の変性成分を有するゴム状重合体が補強性シリカとの結合性能が高いため、有機シランカップリング剤をもちいないか、他の重合体を使用した場合に比較してシランカップリング剤の量を低減することがかえって高性能なゴム組成物を得ることが可能である。
【0032】
本発明のゴム組成物では、好ましくは前記補強性シリカの性能を損なわない範囲で(F)成分として補強性カーボンブラックを使用することが可能である。補強性カーボンブラックとしては、FT、SRF、FEF、HAF、ISAF、SAF等の各クラスのカーボンブラックが使用でき、窒素吸着比表面積が50mg/g以上、DBP吸油量が80ml/100gのカーボンブラックが好ましい。補強性カーボンブラックの量は、原料ゴム100重量部あたり0.1〜100重量部であり、((C)成分)補強性シリカと((F)成分)カーボンブラックの合計が30〜150重量部であることが好ましい。この範囲以外では本発明の目的とする適度なゴム性能が得られない。また、((F)成分)カーボンブラックが0.1重量部以上、25重量部未満であることがより好ましい。その場合、得られるゴム組成物の低転がり抵抗性と耐ウエットスキッド性のバランスが更に優れたものとなる。
【0033】
本発明において、原料ゴムとして(A−1)成分だけをもちいることも可能であり、さらに(A−1)成分15〜99重量%と、(A−2)成分として(A−1成分)以外の加硫可能なゴム状重合体1〜85重量%からなる原料ゴムをもちいることも可能である。(A−1)成分のゴム状重合体は性能改良効果が大きく、原料ゴム中において少ない配合量でも性能の改良された加硫ゴム組成物を得ることが可能である。(A−2)成分としては、合成ゴム、天然ゴムから必要に応じ、1種以上がもちいられる。(A−2)成分を具体的に示すと、(A−1)成分以外のブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、合成ポリイソプレンゴム、また、ブチルゴム、天然ゴムから選ばれた1種以上のゴムであって、例えば、(A−2)成分の(A−1)成分以外のブタジエンゴムとしては、コバルト系、ニッケル系、ネオジム系、ウラン系等の各種触媒による高シスブタジエンゴム、リチウム系触媒による低シスブタジエンゴム、中・高ビニルブタジエンゴムがあり、(A−1)成分以外のスチレン−ブタジエンゴムとしては、スチレン含有量3〜50重量%の乳化重合スチレン−ブタジエンゴム、スチレン含有量3〜50重量%でブタジエン部分の1,2−結合量が10〜80%の溶液重合スチレン−ブタジエンゴム、(A−1)成分以外のスチレン−イソプレン−ブタジエンゴムとしては、スチレン含有量が3〜40重量%でイソプレン含有量が3〜40%重量%のスチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、(A−1)成分以外の合成ポリイソプレンゴムとしては、シス1,4−結合量が90%以上の合成ポリイソプレンゴム等がある。その組成をゴム組成物の使用目的に合わせて、物性及び加工性を最適化して使用される。特に好ましい(A−2)成分としては、溶液重合スチレン−ブタジエンゴムであり、この場合、本発明の目的である低転がり抵抗性と耐ウエットスキッド性のバランスが最も優れる。
本発明の好ましい態様として、(A−1)成分として、変性成分の量が70重量%以上でガラス転移温度が−80〜−20℃の範囲である特定重合体を使用し、(A−2)成分としてガラス転移温度が−50〜−20℃の範囲のムーニー粘度(ML1+4(100℃))が100以上である溶液重合スチレン−ブタジエン共重合ゴムが、好ましいものとしてあげられる。
【0034】
また、(A−2)成分として用いる別の好ましい溶液重合スチレン−ブタジエン共重合
ゴムの例として、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が150以上で分子量分布(Mw/Mn)1.4〜2.2の範囲のものがあげられ、本発明の(A−1)成分の特定のゴム状重合体との組合せで、良好な強度特性と、低転がり抵抗性と耐ウエットスキッド性のバランスが優れるゴム組成物をもたらす。
さらに、(A−2)成分として、スチレン含有量が30〜50重量%で、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))が100以上である乳化重合スチレン−ブタジエン共重合ゴムがもちいられる。
さらに、本発明は、その他の添加剤として必要に応じて亜鉛華、ステアリン酸、加硫助剤、老化防止剤、加工助剤が目的に従った量の例えば0.1〜20重量部の範囲で使用される。
【0035】
本発明は、(A−1)成分または(A−1)成分と(A−2)成分および(B)成分、(C)成分、さらに必要により(E)成分、(F)成分、その他の添加剤を、混練排出温度が135〜180℃となる条件でインターナルミキサーなどの公知の密閉混練機を使用して1回以上混練して、混練後のバウンドラバー量(補強性充填剤に結合した原料ゴム成分の比率)を30〜70重量%とした後、さらに(D)成分として加硫剤及び加硫促進剤を添加し、インターナル・ミキサーやミキシング・ロール等の公知の混練機を用いて、混練排出温度が120℃以下となるように混練して、加硫して得られるジエン系重合体ゴム加硫物を提供する。混練排出温度がこれらの範囲から外れると、本発明の目的とする低転がり抵抗性と耐ウエットスキッド性のバランスが優れ、強度特性等を改善したジエン系重合体ゴム加硫物が得られない。また、バウンドラバー量は30〜70重量%であることが必要である。30重量%未満では、本発明の目的とする低転がり抵抗性と耐ウエットスキッド性のバランスが優れ、強度特性等を改善したジエン系重合体ゴム加硫物が得られない。また、70重量%を超えると混練時のトルクが高くなり加工が困難となる。バウンドラバー量は40〜70重量%であることが好ましい。
【0036】
本発明は、さらに、(E)成分である有機シランカップリング剤を補強性シリカの0.1重量%以上6重量%未満加え、混練排出温度が135〜180℃となる条件で1回以上混練して、混練後のバウンドラバー量(補強性充填剤に結合した原料ゴム成分の比率)を30〜70重量%とした後、さらに(D)成分である加硫剤及び加硫促進剤を添加し、混練排出温度が120℃以下となるように混練し、加硫することが好ましい。
また、本発明において、(C)成分である補強性シリカの加熱減量(Mo)に応じて、下記の混練排出温度(Td)
1) 1%≦Mo≦4%の場合:
135≦Td≦180℃2)
2) 4%<Mo≦6%の場合:
(15×Mo+75)℃<Td≦180℃3)
3) 6%<Mo≦10%の場合:
165℃<Td≦180℃
となるように1回以上混練して、混練後のバウンドラバー量(補強性充填剤に結合した原料ゴム成分の比率)を30〜70重量%とした後、さらに(D)成分である加硫剤及び加硫促進剤を添加した後、混練排出温度が120℃以下となるように混練し、加硫することが好ましい。このようにして得られるジエン系重合体ゴム加硫物は低転がり抵抗性と耐ウエットスキッド性のバランスが優れ、強度特性等が改善されたものとなる。
【0037】
補強性シリカはその製造方法の違いに起因する水分の量(105℃、8時間後の加熱減量(Mo)で測定される)に従って、最終的に得られる加硫ゴム組成物の性能に差があり、本発明においては、補強性シリカの加熱減量に応じて配合物の混練温度を調整することが好ましい。加熱減量の異なるシリカは、加熱減量が6〜8%程度である市販のシリカを100〜120℃の範囲において、常圧下で乾燥することによって得られる。たとえば105℃の常圧下では、1〜8時間程度の乾燥により、加熱減量が1〜4重量%であるシリカを得ることができる。
【0038】
各々のシリカの加熱減量において、最適な温度範囲が異なるのは、補強性シリカの加熱減量分即ち補強性シリカに吸着した水分が、補強性シリカと変性ポリマーとの反応に阻害因子となるためである。従って、加熱減量が多いシリカを使用するする場合には、混練排出温度が範囲の下限より低い場合においては、シリカとゴムの結合が十分に生成できず、混練排出温度が範囲より高い場合においては、組成物のスコーチ及び架橋反応が起き好ましくない。このような混練排出温度の設定が可能となることにより、工業的規模での生産性を改良する効果も可能である。
本発明において、通常実施される加硫方法で加硫され、例えば、120〜200℃の温度で、好適には140〜180℃の温度で加硫され、得られるジエン系重合体ゴム加硫物の状態でその性能を発揮する。
本発明のゴム状重合体は、ジエン系重合体ゴム加硫物の形態で、高性能タイヤ、オールシーズンタイヤを代表的なものとするタイヤトレッド配合物に好適に使用されるが、他のタイヤ用途や防振ゴム、ベルト、工業用品、はきものなどにもその特徴を生かして適用できる。
【実施例】
【0039】
以下、実施例、比較例により本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
参考例1
SBRの製法−1:
内容積10リットルで、攪拌機およびジャケットを付けた温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、不純物を除去したブタジエンを645g、スチレンを280g、シクロヘキサンを5500g、極性物質として2、2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを0.70gを反応器へ入れ、反応器内温を30℃に保持した。重合開始剤としてn−ブチルリチウムを0.85gを含むシクロヘキサン溶液を反応器へ供給した。反応開始後、重合による発熱で反応器内音は徐々に上昇した。重合開始剤添加後7分から12分の5分間にわたって、ブタジエン75gを15g/分の速度で供給した。最終的な反応器内温は75℃に達した。重合反応終了後、重合体溶液の一部を採取した。溶剤を除去後測定した変性反応前重合体のムーニー粘度は、100℃測定で7であった。反応器に変性剤として、テトラグリシジル−1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを1.2g添加し、75℃で5分間保持して変性反応を実施した。この重合体溶液に酸化防止剤を添加後、溶媒を除去し目的とする変性成分を有するスチレン−ブタジエン共重合体(試料A)を得た。この変性後の重合体のムーニー粘度は100℃測定で、65であった。
【0040】
試料Aを、分析した結果、結合スチレン量が28%、結合ブタジエン量が72%であった。また、赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量は52%であり、GPC測定によるポリスチレン換算分子量分布は、重量平均分子量(Mw)が56.3万、数平均分子量(Mn)が42.3万、分子量分布(Mw/Mn)は1.33であり、シリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率は83重量%であった。
さらに、試料Aを得たのと同様な方法で、表1−表3に示す結合スチレン量、ブタジエン部分の1、2−結合量、ムーニー粘度、ガラス転移温度、分子量分布、変性率、変性剤の異なるスチレン−ブタジエン共重合体ゴムを試料A〜試料P及び試料BA〜試料BE調整した。
分子量が高い試料O、Pはアロマチック油37.5重量部の油展品として調整した。これらの中で、試料A、B、C、H、J、K、L、M、N、O、BA、BB、BC、BDは本発明の組成物の(A−1)成分として限定する範囲の重合体、試料D、E、F、G、P、BEは比較のためのものであり、本発明の組成物の(A−1)成分の範囲にない重合体である。
【0041】
参考例2
SBRの製法−2:
内容積10リットルで、底部に入口、頭部に出口を有し、攪拌機およびジャケットを付けたオートクレーブを反応器として2基直列に連結し、ブタジエンを16.38g/分、スチレンを8.82g/分、n−ヘキサンを132.3g/分で混合した後、この混合溶液を活性アルミナを充填した脱水用カラムを経由し、不純物を除去するためにn−ブチルリチウムを0.0046g/分の速度でスタティックミキサー中で混合した後、1基目の反応器底部より定量ポンプを用いて連続的に供給し、さらに極性物質として2、2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを0.028g/分の速度、重合開始剤としてn−ブチルリチウムを0.0070g/分の速度で直接反応器へ供給し、反応器内温を86℃に保持した。反応器頭部より重合体溶液を連続的に抜出し、2基目の反応器の供給した。1基目の反応器の状態が安定した後、得られた変性反応前重合体のムーニー粘度は、100℃測定で55であった。2基目の反応器の温度を80℃に保ち、テトラグリシジル−1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを0.009g/分(活性リチウムに対する当量比=0.9)の速度で反応器底部から添加し変性反応をさせた。この重合体溶液に連続的に酸化防止剤を連続的に添加し変性反応を終了させ、その後溶媒を除去し目的とする変性成分を有するスチレン−ブタジエン共重合体を得た。この変性後の重合体のムーニー粘度は100℃測定で、165であった。さらにこの重合体溶液にアロマチック油(ジャパンエナジー(株)製X−140)を、重合体100重量部当たり37.5重量部添加し油展ゴム(試料Q)を得た。
【0042】
試料Qを、分析した結果、結合スチレン量が35%、結合ブタジエン量が65%、赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分の1、2−結合量が35モル%、油展後のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は65、ガラス転移温度が−34℃、THFを溶媒としたGPC測定(検出器:RI)による分子量分布は、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が65.6万、数平均分子量(Mn)が26.4万、分子量分布(Mw/Mn)は2.48であり、GPC曲線の形状はモノモーダルであった。また、シリカ系吸着カラムを用いるGPC曲線から求めた変性率は65重量%であった。
また、試料Qを得たのと同様な連続重合法により、BuLi量、変性剤量。変性剤種類を変更して、異なる構造の試料R〜試料ACを得た。
また、表4に示される市販のスチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、天然ゴムも試料として使用した。
【0043】
以上の試料の分析値を表1〜表4に示す。なお試料の分析は以下に示す方法により行った。
1)結合スチレン量
試料をクロロホルム溶液とし、スチレンのフェニル基によるUV254nmの吸収により結合スチレン量(S(wt%))を測定した。
2)ブタジエン部分のミクロ構造
試料を二硫化炭素溶液とし、溶液セルを用いて赤外線スペクトルを600〜1000cm−1の範囲で測定して所定の吸光度よりハンプトンの方法の計算式に従いブタジエン部分のミクロ構造を求めた。
【0044】
3)ガラス転移温度
DSCを使用し、昇温速度10℃/分で測定。外挿開始温度(On setpoint)をTgとした。
4)ムーニー粘度
JIS K 6300によって100℃、予熱1分で4分後の粘度を測定。
5)分子量及び分子量分布
ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラム3本連結して用いたGPCを使用してクロマトグラムを測定し、標準ポリスチレン使用して検量線により分子量及び分子量分布を計算。
【0045】
6)変性率
シリカ系ゲルを充填剤としたGPCカラムに、変性した成分が吸着する特性を応用し、試料及び低分子量内部標準ポリスチレンを含む試料溶液に関して、上記5のポリスチレン系ゲル(昭和電工製:Shodex)のGPCと、シリカ系カラムGPC(デュポン社製Zorbax)の両クロマトグラムを測定し、それらの差分よりシリカカラムへの吸着量を測定し変性率を求めた。
【0046】
表1〜表4に示す試料を原料ゴムとして、表5に示す配合を用い下記の混練方法でゴム配合物を得た。
混練方法:
外部より循環水による温度制御装置を付属した密閉混練機(内容量1.7リットル)を使用し、第一段の混練として、充填率65%、ローター回転数66/77rpmの条件で、原料ゴム、充填材(シリカおよびカーボンブラック)、有機シランカップリング剤、アロマチックオイル、亜鉛華、ステアリン酸を混練した。(混練手順は、表6に示す)。この際、密閉混合機の温度を制御し、異なる排出温度のゴム組成物を得た。
ついで、第二段の混練として、上記で得た配合物を室温まで冷却後、老化防止剤を加え、シリカの分散を向上させるため再度混練した。この場合も、混合機の温度により排出温度を調整した。
冷却後、第三段の混練として、70℃に設定したオープンロールにて、硫黄、加硫促進剤を混練した。
【0047】
これを成型し、160℃で所定時間、加硫プレスにて加硫し、以下のタイヤ性能を示す物性の性能を測定した。
1)バウンドラバー量:
第2段混練終了後サンプリングした組成物0.2gを約1mm角に裁断してハリスかご(100メッシュ金網製)へ入れ重量測定。トルエン中に24時間浸漬後、重量を測定し、非溶解成分の量から、充填剤に結合したゴムの量を計算してバウンドラバー量とした。
2)配合物ムーニー粘度:
ムーニー粘度計を使用し、JISK 6300により、130℃で、予熱1分、2回転4分後の粘度を測定。ムーニー粘度が80を大幅の超える場合は加工性が劣る。ムーニー粘度が30以下では粘着が大きく加工しにくくなる。
【0048】
3)300%モジュラス及び引張強度:
JIS K 6251の引張試験法により測定。
4)省燃費特性:
50℃におけるTanδで試験。レオメトリックス社製 アレス粘弾性試験装置にて、ねじり方式により、周波数10Hz、歪み3%、50℃で測定。数字が小さい方が省燃費性能良好。
5)ウェットスキッド抵抗性能:
0℃におけるTanδで試験。レオメトリックス社製 アレス粘弾性試験装置にて、ねじり方式により、周波数10Hz、歪み3%、0℃で測定。数字が大きい方がウェットスキッド抵抗性能良好。
【0049】
実施例1−1〜1−3、比較例1−1〜1−4
本発明で特定する変性成分を有する試料A、B、C、変性剤は本発明と同じであるが変性量が本発明の限定の範囲外にある試料D、変性剤が本発明の範囲外の試料E、F、変性していない試料Gを原料ゴムとして使用し、本発明で限定するシリカを含有する配合(配合S−1)を用いて加硫ゴム組成物を作成し、その性能を評価した。なお、シリカは、その吸着水量Mo(加熱減量分:105℃、8時間で常圧乾燥)が5.4%のものを使用した。その測定結果を表7に示す。
表7から明らかなごとく、実施例1−1〜1−3の本発明の限定内のゴム状重合体を使用した加硫ゴム組成物は、同じシリカを含む配合において、比較例1−1〜比較例1−4の組成物に比較して、良好な省燃費性を有し、ウェッとスキッド性も良好である。
実施例2−1、比較例2−1〜2−4
【0050】
本発明の特定のスチレン−ブタジエンゴムの試料A、変性剤は本発明と同じであるが変性量が本発明の限定の範囲外にある試料D、市販乳化重合SBRのRB、市販溶液重合SBRの試料RCを使用し、表8に示した異なる配合で得た加硫ゴム組成物の性能測定結果を表8に示した。シリカは、その吸着水量Moが5.4%のものを使用した。
表8の結果から明らかなごとく、本発明の限定のシリカ配合組成物は、カーボンブラック配合(配合S−11)の比較例2−1に比べて良好な省燃費性を示す。さらに実施例2−1の組成物は、乳化重合SBR(RB)を用いた比較例2−3のカーボンブラック配合組成物に比較して、大幅に良好な省燃費性能を示し、市販溶液重合SBRの試料RCを用いた比較例2−4のカーボンブラック配合組成物に比較しても、大幅にウエットスキッド性能を改良しつつ、省燃費性が改良されている。
【0051】
実施例3−1〜3−4
本発明で限定するスチレン−ブタジエンゴムの構造の範囲内にある試料H、J、Kを使用し実施例1と同様に加硫ゴム組成物を得た。シリカは吸着水量Moが5.4%のものを使用した。これらの組成物の性能評価結果を表9に示した。
表9の結果から明らかなごとく、本発明の限定内の試料を使用した実施例3−1〜3−4の加硫ゴム組成物は、良好な加工性、引張強度、省燃費性とウエットスキッド性のバランスを示す。
【0052】
実施例4−1〜4−2、比較例4−1〜4−2
本発明で限定するスチレン−ブタジエンゴムの構造の範囲内にある試料O及びQを使用し実施例1と同様に、充填剤量が多い配合の加硫ゴム組成物を得た。シリカはその吸着水量Moが5.4%のものを使用した。また比較のために本発明の範囲外にある溶液重合スチレン−ブタジエンゴム試料Pを用いた加硫ゴム組成物を得た。これらの組成物の性能評価結果を表10に示した。
表10の結果から明らかなごとく、本発明の限定内の試料を使用した実施例4−1、4−2の加硫ゴム組成物は、良好な加工性、省燃費性とウエットスキッド性のバランスを示す。これに対し、本発明範囲外の試料Pを使用した組成物は粘度が高くて加工性が劣る。
【0053】
実施例5−1〜5−3、比較例5−1〜5−2
本発明の特定のスチレン−ブタジエンゴムの試料Aと、市販の溶液重合スチレン−ブタジエンゴムの試料RFを用い、表5のS−2配合の加硫ゴム組成物を作成した。シリカは吸着水量Moが5.4%のものを使用した。表11に性能評価結果を示す。
表11に示されるように、本発明の範囲内で試料を使用した場合は良好な省燃費性を示すが、範囲外では性能の改良効果は少ない。
【0054】
実施例6−1〜6−16、比較例6−1〜6−6
本発明の限定の範囲内にあるスチレン−ブタジエンゴムの試料A、H、O、Lを用い、
ブタジエンゴム(試料RD)、乳化重合スチレン−ブタジエンゴム(試料RA及びRB)、さらに本発明の(A−1成分)の限定にない溶液重合SBRである試料D、P、R、Sを用いて表12記載の加硫ゴム組成物を調整した。シリカは吸着水量Moが5.4%のものを使用した。性能評価結果を表12に示す。
各種のスチレン−ブタジエンゴム及びブタジエンゴムをブレンドして用いた場合でも、本発明の限定の範囲内にある試料を用いた各ゴム組成物は、いずれも本発明の範囲外となる比較例の加硫ゴム組成物と比較して、加工性を保持しつつ、良好な省燃費性能とウエットスキッド性能を示す。
【0055】
実施例7−1〜7−2、比較例7−1
本発明の限定の範囲内にあるスチレン−ブタジエンゴムの試料N、Mを用いて表13に示す実施例7−1、7−2の天然ゴムとブレンド組成物を調整し、比較例7−1の天然ゴム単独組成物と性能を比較した。シリカは吸着水量Moが5.4%のものを使用した。
表13に示されるように、本発明の重合体は、天然ゴムの省燃費性を改善する。
【0056】
実施例8−1、比較例8−1〜8−4
本発明で特定する変性成分を有する試料Q、変性剤の異なる試料T、変性剤は本発明と同じであるが変性成分が本発明の限定の範囲外にある試料X、標準的な乳化重合スチレン−ブタジエンゴムである試料RHを原料ゴムとして使用し、本発明で限定するシリカを含有する配合(配合S−2)及び一般的なカーボンブラック配合(配合R−12)で加硫ゴム組成物を作成し、その性能を評価した。シリカは吸着水量Moが5.4%のものを使用した。その測定結果を表14に示す。
表14から明らかなごとく、実施例8−1の組成物は、同じシリカを含む配合において、比較例8−2(試料T)及び比較例8−3(試料X)の組成物に比較して、良好な省燃費性及びウェットスキッド性を示す。また、カーボンブラック配合(比較例8−1)よりも省燃費性能が大幅に優れ、さらに比較例8−4の乳化重合SBRを用いた加硫ゴム組成物よりも、優れた省燃費性能とウェットスキッド性を有する。
【0057】
実施例9−1〜9−3、比較例9−1〜9−2
本発明の特定のスチレン−ブタジエンゴムの試料Aを使用し、表5に示したシリカ量及びカーボンブラック量が異なる各配合で得た加硫ゴム組成物の性能測定結果を表15に示した。シリカは吸着水量Moが5.4%のものを使用した。
表15の結果から明らかなごとく、本発明で示したシリカの配合量の範囲において試料Aを用いた組成物は、比較のカーボンブラック量が多い組成物に比べて優れた省燃費性能を示す。
【0058】
実施例10−1〜10−3、比較例10−1
本発明で限定するスチレン−ブタジエンゴムの構造の範囲内にある試料U、V、Zを使用し、表5に示されるS−2配合の加硫ゴム組成物を得た。また比較のために本発明の範囲外のスチレン−ブタジエンゴム試料Wを用いた加硫ゴム組成物を得た。シリカは吸着水量が5.4%のものを使用した。これらの組成物の性能評価結果を表16に示した。
表16の結果から明らかなごとく、本発明の限定内の試料を使用した加硫ゴム組成物は、引張強度、省燃費性と、大きく良好なウエットスキッド性の示すのに対し、本発明範囲外の加硫ゴム組成物は省燃費性が大きく劣る。
【0059】
実施例11−1〜11−5、比較例11−1
本発明の限定の範囲内にあるスチレン−ブタジエンゴムの試料U、V、ブタジエンゴム(試料RD)、乳化重合スチレン−ブタジエンゴム(試料RA)、天然ゴム(試料RE)を用いて表17記載の加硫ゴム組成物を調整した。シリカは吸着水量が5.4%のものを使用した。性能評価結果を表17に示した。
スチレン−ブタジエンゴムをブレンドして用いた場合でも、本発明の限定の範囲内にある試料U及び試料Vを用いた組成物は、乳化重合スチレン−ブタジエンゴムの組成物(比較例11−1)に比較して良好な省燃費性能とウエットスキッド性能のバランスを示す。
【0060】
実施例12−1〜12−6、比較例12−1〜12−3
本発明の限定の範囲内にあるスチレン−ブタジエンゴムの試料Q、市販の乳化重合スチレン−ブタジエンゴム(試料RA・試料RH)、市販の溶液重合スチレン−ブタジエンゴム(試料RC、試料RF、試料RG)を用いて表18記載の加硫ゴム組成物を調整した。シリカは吸着水量5.4%のものを使用した。性能評価結果を表18に示した。これらのゴムをブレンドして用いた場合でも、本発明の限定の範囲内にある試料Qを用いた組成物(実施例12−1〜12−6)は、範囲外の組成物(比較例12−1〜12−3)に比較して良好な省燃費性能及びウエットスキッド性を示す。
【0061】
実施例13−1〜13−8
原料ゴムとして、本発明の限定の範囲内にある試料Jを使用し、表19に示される加熱減量が異なるシリカを用い、表19に示す第一段排出温度及び第二段排出温度に調整してシリカ配合物を調整し、第三段は温度70℃で加硫剤系を加え、所定の試料形状に成型して160℃で30分間プレス加硫し、本発明で限定する範囲内の実施例13−1〜13−8の組成物を得た。これらの組成物の性能測定結果を表19に示す。
表19から明らかなごとく、実施例13−1〜13−7の本発明の限定内の条件で調整し加硫ゴム組成物はバウンドラバー量が多く、高いウェットスキッド性を保持しつつ、省燃費性が良好である。
【0062】
実施例14−1〜14−6、比較例14−1〜14−3
本発明の限定内にある試料J及び試料Qを原料ゴムとして用い、表5及び表20に示す有機シランカップリング剤の量を変化させた配合で、表20に示す第一段排出温度及び第二段排出温度に調整してシリカ配合物を調整し、第三段は温度70℃で加硫剤系を加え、所定の試料形状に成型して160℃で30分間プレス加硫し、本発明で限定する範囲内の実施例14−1〜14−5の組成物及び本発明の限定外の比較例14−1〜14−3の組成物を得た。シリカは吸着水量Moが5.4%のものを使用した。これらの組成物の性能測定結果を表20に示す。
表20から明らかなごとく、実施例14−1〜14−6の本発明で限定する原料ゴムを使用し、本発明の限定内の有機シランカップリング剤量で配合して得た加硫ゴム組成物は、バウンドラバー量が多く良好なポリマー/シリカの分散を示し、加工性が良好であり、高いウェットスキッド性を保持しつつ、良好な省燃費性を示す。これに対し、原料ゴムとして、本発明の範囲外である試料Fを使用した比較例14−1〜14−3の組成物は、いずれもバウンドラバー量が少なく、加硫組成物も300%モジュラスが低くて補強効果が劣り、更に省燃費性能とウェットスキッド性能が劣る。
【0063】
実施例15−1〜15−6、比較例15−1〜15−2
原料ゴムとして、活性リチウムあたり1当量を超えるテトラグリシジル−1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサンによって変性された試料BA、BB、BC及び活性リチウムあたり1当量以下の変性剤量である試料BD、四塩化ケイ素カップリングの試料BEを使用し、表5に示す配合で、表21に示す第一段排出温度及び第二段排出温度に調整してシリカ配合物を調整し、第三段は温度70℃で加硫剤系を加え、所定の試料形状に成型して160℃で30分間プレス加硫し、本発明で限定する範囲内の実施例15−1〜15−6の組成物及び本発明の限定外の比較例15−1〜15−2の組成物を得た。シリカは吸着水量Moが6.5%のものを使用した。これらの組成物の性能測定結果を表21に示す。
表21から明らかなごとく、実施例15−1〜15−5に示す本発明の特定範囲の変性剤添加量で得たスチレン−ブタジエン共重合体を使用して調整した加硫ゴム組成物は、高いウェットスキッド性しつつ、良好な省燃費性を示すのに対し、本発明の限定外の試料を用いた同じ配合の比較例15−1〜比較例15−2の組成物は、省燃費性とウェットスキッド性が劣る。
【0064】
実施例16−1〜16−6、比較例16−1〜16−3
原料ゴムとして、表22に示すテトラグリシジル−1、3−ビスアミノメチルシクロヘキサンの変性剤量が、活性リチウムあたり1当量を超えるアロマ油展品の試料AA〜試料AC及び試料BA比較とする試料T、Yを用い、表22に示す第一段排出温度及び第二段排出温度に調整してシリカ配合物を調整し、第三段は温度70℃で加硫剤系を加え、所定の試料形状に成型して160℃で30分間プレス加硫しゴム組成物を得た。シリカは吸着水量Moが6.5%のものを使用した。これらの性能の測定結果を表22に示す。
表22の結果から明らかなように、実施例16−1〜16−6に示す、変性剤の添加量が本発明の範囲である試料AA、AB、AC、BAを使用した組成物は、高いウエットスキッド性能を保持しつつ、良好な省燃費性を示すのに対し、変性剤が範囲外の試料T、非変性の試料Yを使用した組成物は、省燃費性能が劣る。
【0065】
実施例17−1〜17−5
原料ゴムとして、表23に示す本発明の範囲内の試料A、試料AA、試料BA、試料Qを用い、表23に示す第一段排出温度及び第二段排出温度に調整してシリカ配合物を調整し、第三段は温度80℃で加硫剤系を加え、所定の試料形状に成型して160℃で30分間プレス加硫しゴム組成物を得た。シリカは吸着水量Moが5.4%のものを使用した。これらの性能の測定結果を表23に示す。
表23の結果から明らかなように、実施例17−1〜17−5に示す、本発明の範囲である試料を混合して用いた組成物は、高いウエットスキッド性能を保持しつつ、良好な省燃費性を示す。
【0066】
【表1】
Figure 0004027094
【0067】
【表2】
Figure 0004027094
【0068】
【表3】
Figure 0004027094
【0069】
【表4】
Figure 0004027094
【0070】
【表5】
Figure 0004027094
【0071】
【表6】
Figure 0004027094
【0072】
【表7】
Figure 0004027094
【0073】
【表8】
Figure 0004027094
【0074】
【表9】
Figure 0004027094
【0075】
【表10】
Figure 0004027094
【0076】
【表11】
Figure 0004027094
【0077】
【表12】
Figure 0004027094
【0078】
【表13】
Figure 0004027094
【0079】
【表14】
Figure 0004027094
【0080】
【表15】
Figure 0004027094
【0081】
【表16】
Figure 0004027094
【0082】
【表17】
Figure 0004027094
【0083】
【表18】
Figure 0004027094
【0084】
【表19】
Figure 0004027094
【0085】
【表20】
Figure 0004027094
【0086】
【表21】
Figure 0004027094
【0087】
【表22】
Figure 0004027094
【0088】
【表23】
Figure 0004027094
【0089】
【発明の効果】
本発明の特定構造のスチレン−ブタジエンゴムを補強性シリカ充填材を含む特定の配合で用いることにより、強度特性、加工性、省燃費性能、グリップ性能の良好なタイヤトレッド用加硫ゴム組成物が提供される。またシリカ配合組成物を得るのに必要なシランカップリング剤の減量が可能となる。このタイヤ用加硫ゴム組成物は、省燃費抵能を必要とする自動車タイヤの材料として有用である。

Claims (11)

  1. 成分(A)が、(A−1)成分からなるか、または、(A−1)成分15〜99重量%及び(A−2)成分1〜85重量%からなる原料ゴムであって、(A−1)成分が共役ジエン系ゴム状重合体または共役ジエン−スチレン系ゴム状共重合体であって、(1)該ゴム状重合体の活性末端と、分子中に2個以上のエポキシ基を持ち更に1個以上の窒素含有基を持つ多官能化合物を反応させて得られる変性成分が60重量%を越えて含有するものであり、
    (2)重合体の分子量分布Mw/Mnが1.05〜3.0、
    (3)重合体の重量平均分子量が100,000〜2,000,000である共役ジエン系ゴム状重合体または共役ジエン−スチレン系ゴム状重合体であり、(A−2)成分が(A−1)成分以外の加硫可能なゴム状重合体である、原料ゴム(A)100重量部に対してそれぞれ、
    (B)1〜100重量部のゴム用伸展油、
    (C)25〜100重量部の補強性シリカ、及び
    (D)合計1.0〜20重量部の加硫剤及び加硫促進剤からなるジエン系重合体ゴム組成物。
  2. 該多官能化合物が下記一般式で表される、請求項1記載のジエン系重合体ゴム組成物。
    Figure 0004027094
    ここで、R1 およびR2 は炭素数1〜10の炭化水素基、またはエーテルおよび3級アミンのうち少なくとも1種の基を有する炭素数1〜10炭化水素基、R3 およびR4 は、水素、炭素数1〜20の炭化水素基、またはエーテルおよび3級アミンのうち少なくとも1種の基を有する炭素数1〜20の炭化水素基、R5 は炭素数1〜20の炭化水素基、またはエーテル、3級アミン、エポキシ、カルボニル、ハロゲンのうち少なくとも1種の基を有する炭素数1〜20の炭化水素基であり、nは1〜6である。
  3. 該多官能化合物が分子中に1個以上のジグリシジルアミノ基を持つ、請求項2記載のジエン系重合体ゴム組成物。
  4. (C)成分の重量に対して、0.1〜20重量%の(E)有機シランカップリング剤を更に含有する、請求項1記載のジエン系重合体ゴム組成物。
  5. (F)0.1〜100重量部のカーボンブラックを更に含有し、(C)成分と(F)成分の合計が30〜150重量部である、請求項1記載のジエン系重合体ゴム組成物。
  6. (F)成分の量が0.1重量部以上、25重量部未満である、請求項5記載のジエン系重合体ゴム組成物。
  7. (A−1)成分の(2)重合体の分子量分布Mw/Mnが1.05以上、2.2未満である、請求項1記載のジエン系重合体ゴム組成物。
  8. 成分(A)が、(A−1)成分からなるか、または、(A−1)成分15〜99重量%及び(A−2)成分1〜85重量%からなる原料ゴムであって、(A−1)成分が共役ジエン系ゴム状重合体または共役ジエン−スチレン系ゴム状共重合体であって、(1)該ゴム状重合体の活性末端と、分子中に2個以上のエポキシ基を持ち更に1個以上の窒素含有基を持つ多官能化合物を反応させて得られる変性成分が60重量%を越えて含有するものであり、
    (2)重合体の分子量分布Mw/Mnが1.05〜3.0、
    (3)重合体の重量平均分子量が100,000〜2,000,000である共役ジエン系ゴム状重合体または共役ジエン−スチレン系ゴム状重合体であり、(A−2)成分が(A−1)成分以外の加硫可能なゴム状重合体である、原料ゴム(A)100重量部に対してそれぞれ、
    (B)1〜100重量部のゴム用伸展油、及び
    (C)25〜100重量部の補強性シリカ、からなる初期混練成分を混練排出温度が135〜180℃となる条件で1回以上初期混練し、混練後のバウンドラバー量を30〜70重量%とし初期混練物を得て、さらに(A)成分100重量部に対して(D)合計1.0〜20重量部の加硫剤及び加硫促進剤を該初期混練物に添加し、混練排出温度が120℃以下となるように混練して、加硫して得られるジエン系重合体ゴム加硫物。
  9. 該初期混練成分が更に(C)成分の重量に対して0.1〜20重量%の(E)有機シランカップリング剤、及び(A)成分100重量部に対して0.1〜100重量部の(F)カーボンブラックのうち少なくともいずれか1つを含む、請求項8記載のジエン系重合体ゴム加硫物。
  10. (E)成分の量が(C)成分の重量に対して0.1重量%以上6重量%未満である、請求項9記載のジエン系重合体ゴム加硫物。
  11. (C)成分の加熱減量(Mo)に応じて、下記の混練排出温度(Td)となるように初期混練を行う、請求項8記載のジエン系重合体ゴム加硫物。
    1) 1%≦Mo≦4%の場合:
    135≦Td≦180℃
    2) 4%<Mo≦6%の場合:
    (15×Mo+75)℃<Td≦180℃
    3) 6%<Mo≦10%の場合:
    165℃<Td≦180℃
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