JP4026584B2 - 可変圧縮比内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、燃焼室容積を変更することにより圧縮比を可変とする可変圧縮比内燃機関に関する。
従来の内燃機関においては、燃焼室の容積が一定で圧縮比も一定である。しかし、運転状態に応じて最適な圧縮比を得ることができれば、燃費性能や出力性能を向上させることができる。そこで、圧縮比を可変制御することによってこれらの性能向上を図る可変圧縮比型の内燃機関が提案されている。
この圧縮比を可変制御する方法として、シリンダが形成されたシリンダブロックと、ピストンに連結されたクランク軸を回動自在に支持するクランクケースとを相対移動可能に連結し、このシリンダブロックとクランクケースとの間に介装されたカム機構を用いて、シリンダブロックとクランクケースとを接近あるいは離反させることにより内燃機関の圧縮比を変更する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2を参照。)。
また、内燃機関においては、吸排気弁を駆動する吸排気弁駆動カムや、クランク軸における潤滑を確実に行うため、オイルポンプでオイルパンから潤滑油を吸い上げ、クランク軸や吸排気弁駆動カムに供給することが行われている(例えば、特許文献3を参照。)。
特開2003−206771号公報 特開平7−26981号公報 特開平6−50117号公報 特開平6−50118号公報 特開平5−340228号公報 実開平3−65813号公報
しかし、上記の可変圧縮比型の内燃機関においては、シリンダブロックと、クランクケースとが相対移動する機構を採用しているため、オイルパンから吸排気弁駆動カムに潤滑油を供給する潤滑油経路が必ず寸断される。寸断された潤滑油経路を連結するためにフレキシブルチューブ等を設置すると機関全体としての部品点数が増加し、コスト低減を妨げる場合がある。
本発明の目的とするところは、クランクケースに対してシリンダブロックを相対移動させることにより内燃機関の圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関において、少ない部品点数で、低コストで、潤滑油経路を形成できる技術を提供することである。
上記目的を達成するための本発明は、カム機構によって、クランクケースに対してシリンダブロックを相対移動させる可変圧縮比内燃機関において、クランクケース側からシリンダブロック側の摺動部分に給油するための潤滑油供給通路の一部をカム機構内に設け、潤滑油をクランクケース側からカム機構内を経由してシリンダブロック側へ供給することを最大の特徴とする。
より詳しくは、クランク軸が設けられたクランクケースと、
シリンダが形成されるとともに、前記クランクケースに相対移動可能に取り付けられた
シリンダブロックと、
前記シリンダブロックに固定されたシリンダヘッドと、
前記シリンダブロックと前記クランクケースとの間に構築されたカム機構と、を備え、
前記内燃機関の運転状態に応じて前記カム機構に設けられたカム軸を回転させ、前記クランクケースと、前記シリンダブロックとを相対的に移動させることにより、圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関であって、
前記クランクケース底部に貯留した潤滑油を前記シリンダヘッドの所定の摺動部に供給する潤滑油供給通路と、
前記クランクケース底部に貯留した潤滑油を吸引し、前記潤滑油供給通路に圧送するオイルポンプと、をさらに備え、
前記潤滑油供給通路は、前記クランクケース内を通過するクランクケース通過部と、前記シリンダブロック内を通過するシリンダブロック通過部と、を有するとともに、該クランクケース通過部と、該シリンダブロック通過部との間において、前記カム機構内を通過するカム機構通過部を有することを特徴とする。
ここで、シリンダブロックをクランクケースに対して相対移動させることにより圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関において、クランクケース底部に貯留された潤滑油を、シリンダブロックの、クランクケースとは逆側に取り付けられたシリンダヘッドの吸排気弁に供給する場合、前述のように、潤滑油供給通路がクランクケースとシリンダブロックの間で寸断される。
このとき、潤滑油供給通路は寸断されて、クランクケース内を通過するクランクケース通過部と、シリンダブロック内を通過するシリンダブロック通過部とに分かれる。そこで、本発明においては、クランクケース通過部と、シリンダブロック通過部の間を、クランクケースとシリンダブロックの間に構築されたカム機構に通路を設けることによって連結する。
ここで、シリンダブロックを、カム機構の作動によってクランクケースに対して相対移動させる可変圧縮比内燃機関においては、カム機構に設けられたカム軸は、シリンダブロック及びクランクケースの双方との間に接触部を有する。従って、カム機構に、潤滑油供給通路の一部を形成した上で、クランクケースとカム軸の接触部において、クランクケース側からカム軸側に潤滑油を供給し、カム軸とシリンダブロックの接触部において、カム軸側からシリンダブロック側に潤滑油を供給するようにする。
このことにより、フレキシブルチューブなどの特別な部品を別途使用することなく、相対移動するクランクケース側からシリンダブロック側へ、確実に潤滑油を供給することができる。なお、本発明のカム機構に設けられたカム軸は、軸部の他、少なくとも実際にカムとして働くカム部を有している。また、シリンダブロック及びクランクケースにおいて、カム軸と接触する接触部も、前記カム機構の一部を構成している。
ここで、上記の潤滑油供給通路におけるカム機構通過部は、カム軸の内部を通過するようにするとよい。これにより、カム機構通過部における潤滑油の、潤滑油供給通路からの漏れを抑制することができ、クランクケース通過部と、シリンダブロック通過部とを確実に連結することができる。
また、本発明に係る可変圧縮比内燃機関においては、クランクケース及び、シリンダブロックには、カム軸の軸部または、カム部などが回転可能に収納される収納孔が設けられている場合がある。そのような場合は、本発明におけるカム機構通過部は、カム軸の内部を通過する他、カム軸と、収納穴の間隙を通過するようにしてもよい。こうすれば、カム軸における軸部またはカム部などの各部分と、それぞれの収納孔との間の間隙を利用して
、カム機構通過部を形成できるので、簡単な構造で、潤滑油供給通路の一部を形成することができる。
なお、この場合は、カム軸または、収納孔の表面に、潤滑油がカム軸の軸方向に通過する溝を形成するようにしてもよい。これにより、簡単な構造で、より確実にクランクケース通過部と、シリンダブロック通過部とを連結することができる。
なお、前記のクランクケース通過部とカム機構通過部との連結部は、クランクケースとカム軸との接触部である。また、カム機構通過部とシリンダブロック通過部との連結部は、カム軸とシリンダブロックとの接触部である。従って、これらの連結部において、潤滑油が適宜、クランクケースとカム軸との接触部及び、カム軸とシリンダブロックとの接触部に供給される。従って、潤滑油供給路が上記のカム機構通過部を有することにより、カム機構の潤滑を良好に行うことができるという効果もある。
また、本発明においては、カム機構通過部は、カム軸の全長にわたり、カム軸の内部を通過するようにするとよい。
ここで、シリンダブロックを、カム機構の作動によってクランクケースに対して相対移動させる可変圧縮比内燃機関においては、カム機構は、クランク軸と平行方向に、内燃機関の略全長にわたって備えられているのが一般的である。これは、複数気筒を有する内燃機関の場合、シリンダブロックは、内燃機関の略全長にわたって配置された気筒列を含んでおり、カム機構は、内燃機関の略全長に及ぶシリンダブロックをクランクケースに対して相対移動させる必要があるからである。
この場合、カム機構通過部が、カム軸の全長にわたってカム軸の内部を通過することにより、カム機構の全長にわたってクランクケースとカム軸との接触部及び、カム軸とシリンダブロックとの接触部に、適宜、潤滑油を供給するようにできる。従って、カム機構の全長にわたって、カム機構の潤滑を良好にすることができる。
また、本発明においては、クランクケース底部に貯留した潤滑油を、クランク軸を回転可能に支持するクランク主軸受に供給するクランク軸受潤滑油供給通路をさらに備え、このクランク軸受潤滑油供給通路は、上述したカム機構通過部をその一部とするようにしてもよい。
内燃機関においては、クランクケース底部に貯留した潤滑油を、クランク軸の軸受であるクランク主軸受にも供給する必要がある。そして、一般的には、主にこのクランク主軸受へのオイル供給を目的として、シリンダブロックあるいはクランクケース母材内に、クランク軸と平行方向へのオイル供給用通路が設置される。このオイル供給用通路はメインホールと呼ばれる。そして、通常、内燃機関においては、このメインホールを形成するために、シリンダブロックあるいはクランクケースの母材にある程度の肉厚を持たせる必要があった。
それに対し本発明においては、上述した、カム軸の内部を全長にわたって通過するカム機構通過部を、メインホールの代用として使用することができる。そのことにより、カム機構通過部の他に、別途メインホールを形成する必要がなくなり、シリンダブロックあるいはクランクケースの母材を薄肉化、軽量化することができる。
また、この際、カム機構通過部と、クランク主軸受との距離は近い方が望ましい。こうすれば、クランクケースの底部に貯留した潤滑油を吸い上げ、クランク主軸受に供給するために必要な負荷が小さくて済む。従って、実際に潤滑油を吸引、圧送するオイルポンプ
の容量及び、消費電力を小さくすることができる。
なお、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせて使用することができる。
本発明にあっては、クランクケースに対してシリンダブロックを相対移動させることにより内燃機関の圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関において、少ない部品点数で、低コストで、潤滑油経路を形成することが可能となる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。
以下に説明する内燃機関1は、可変圧縮比内燃機関であり、シリンダ2を有するシリンダブロック3を、図示しないピストンが連結されたクランクケース4に対してシリンダ2の軸方向に移動させることによって圧縮比を変更するものである。
先ず、図1を用いて、本実施例に係る可変圧縮比内燃機関の構成について説明する。図1に示されるように、シリンダブロック3の両側下部に複数の***部が形成されており、この各***部に軸受収納孔5が形成されている。軸受収納孔5は、円形をしており、シリンダ2の軸方向に対して直角に、かつ複数のシリンダ2の配列方向に平行になるようにそれぞれ形成されている。軸受収納孔5はすべて同一軸線上に位置している。そして、シリンダブロック3の両側の軸受収納孔5の一対の軸線は平行である。
クランクケース4には、上述した軸受収納孔5が形成された複数の***部の間に位置するように、立壁部が形成されている。各立壁部のクランクケース4外側に向けられた表面には、半円形の凹部が形成されている。また、各立壁部には、ボルト6によって取り付けられるキャップ7が用意されており、キャップ7も半円形の凹部を有している。また、各立壁部にキャップ7を取り付けると、円形のカム収納孔8が形成される。カム収納孔8の形状は、上述した軸受収納孔5と同一である。
複数のカム収納孔8は、軸受収納孔5と同様に、シリンダブロック3をクランクケース4に取り付けたときにシリンダ2の軸方向に対して直角に、且つ、複数のシリンダ2の配列方向に平行になるようにそれぞれ形成されている。これらの複数のカム収納孔8も、シリンダブロック3の両側に形成されることとなり、片側の複数のカム収納孔8はすべて同一軸線上に位置している。そして、シリンダブロック3の両側のカム収納孔8の一対の軸線は平行である。また、両側の軸受収納孔5の間の距離と、両側のカム収納孔8との間の距離は同一である。
交互に配置される二列の軸受収納孔5とカム収納孔8には、それぞれカム軸9が挿通される。カム軸9は、図1に示されるように、軸部9aと、軸部9aの中心軸に対して偏心された状態で軸部9aに固定された正円形のカムプロフィールを有するカム部9bと、カム部9bと同一外形を有し軸部9aに対して回転可能に取り付けられた可動軸受部9cとが交互に配置されている。一対のカム軸9は鏡像の関係を有している。また、カム軸9の端部には、後述するギア10の取り付け部9dが形成されている。軸部9aの中心軸と取り付け部9dの中心とは偏心しており、カム部9bの中心と取り付け部9dの中心とは一致している。
可動軸受部9cも、軸部9aに対して偏心されておりその偏心量はカム部9bと同一である。また、各カム軸9において、複数のカム部9bの偏心方向は同一である。また、可動軸受部9cの外形は、カム部9bと同一正円であるので、可動軸受部9cを回転させることで、複数のカム部9bの外表面と複数の可動軸受部9cの外側面とを一致させることができる。
各カム軸9の一端にはギア10が取り付けられている。一対のカム軸9の端部に固定された一対のギア10には、それぞれをウォームギア11a、11bがかみ合っている。ウォームギア11a、11bは単一のモータ12の一本の出力軸にとりつけられている。ウォームギア11a、11bは、互いに逆方向に回転する螺旋溝を有している。このため、モータ12を回転させると、一対のカム軸9は、ギア10を介して逆方向に回転する。モータ12は、シリンダブロック3に固定されており、シリンダブロック3と一体的に移動する。
次に、上述した構成の内燃機関1において圧縮比を制御する方法について詳しく説明する。図2(a)から図2(c)にシリンダブロック3と、クランクケース4と、これら両者の間に構築されたカム軸9との関係を示した断面図を示す。図2(a)から図2(c)において、軸部9aの中心軸をa、カム部9bの中心をb、可動軸受部9cの中心をcとして示す。図2(a)は、軸部9aの延長線上から見て全てのカム部9b及び可動軸受部9cの外周が一致した状態である。このとき、ここでは一対の軸部9aは、軸受収納孔5及びカム収納孔8の中で外側に位置している。
図2(a)の状態から、モータ12を駆動して軸部9a矢印方向に回転させると、図2(b)の状態となる。このとき、軸部9aに対して、カム部9bと可動軸受部9cの偏心方向にずれが生じるので、クランクケース4に対してシリンダブロック3を上死点側にスライドさせることができる。そして、そのスライド量は図2(c)のような状態となるまでカム軸9を回転させたときが最大となり、カム部9bや可動軸受部9cの偏心量の2倍となる。カム部9b及び可動軸受部9cは、それぞれカム収納孔8及び軸受収納孔5の内部で回転し、それぞれカム収納孔8及び軸受収納孔5の内部で軸部9aの位置が移動するのを許容している。
上述したような機構を用いることによって、シリンダブロック3をクランクケース4に対して、シリンダ2の軸線方向に相対移動させることが可能となり、圧縮比を可変制御することができる。
次に、図3を用いて、内燃機関1における吸排気弁などの動弁機構へ潤滑油を供給するための構成について説明する。図3は、本実施例における潤滑油供給通路の概略を示す図である。
図3において、クランクケース4の底部に設けられたオイルパン14に溜まった潤滑油は、オイルポンプ15によって吸い上げられ、オイルフィルタ16側に圧送される。そして、オイルポンプ15により圧送された潤滑油は、オイルフィルタ16を通過した後、図3の上方に送られ、クランクケース通過部17を通過する。そして、カム軸9及び、カム収納孔8、軸受収納孔5よりなるカム機構中を通過するカム機構通過部18を通過し、さらにシリンダブロック3内に形成されたシリンダブロック通過部19を通過して、吸排気弁などの動弁機構を有するシリンダヘッド13に供給される。
次に、図4は、図3中の断面A−Aについての図であり、カム機構通過部18の詳細を示している。図4(a)において、カム軸9のカム部9bの円周面の周りには、円弧状のカム部円周溝18cが形成されている。さらに、軸部9aの円周面の周りにも、軸部円周
溝18dが円弧状に形成されている。そして、カム部円周溝18cにおける一点と、軸部円周溝18dにおける一点を連結するように、潤滑油が通過する通路である第1カム機構通過部18aが、カム軸9の内部に形成されている。また、同様に、可動軸受部9cの円周面にも、可動軸受部円周溝18eが形成されている。そして、可動軸受部9cの内周面9eにおける一点と、可動軸受部円周溝18eにおける一点とを連結するように、第2カム機構通過部18bが、可動軸受け部9cの内部に形成されている。図4(b)には、カム軸9の詳細についての斜視図を示す。
そして、カム部円周溝18cにおける第1カム機構通過部18aの開口部付近には、クランクケース通過部17の開口部が配置され、可動軸受部円周溝18eにおける第2カム機構通過部18bの開口部付近には、シリンダブロック通過部19の開口部が配置されている。また、カム部円周溝18c、軸部円周溝18d、可動軸受部円周溝18eの両側には、潤滑油をシールするためのO状シール材20が設けられている。
上記のように構成されたカム機構通過部18において、オイルポンプ15によって圧送された潤滑油がクランクケース通過部17からカム収納孔8に供給される。そして、潤滑油は、カム部円周溝18cの両側に設けられた2個のO状シール材と、カム部9bの外周面、カム収納孔8の内周面で囲まれた領域の、特にカム部円周溝18cに満たされる。そしてカム部円周溝18cに開口部を有する第1カム機構通過部18aを介して、軸部円周溝18dに達する。その後、同様にして、潤滑油は、第2カム機構通過部18bを介して、可動軸受部円周溝18eに達し、その後シリンダブロック通過部19に流入する。
以上のように、本実施例においては、クランクケース4の底部に設けられたオイルパン14に貯留した潤滑油を、図3中最上のシリンダヘッド13に供給する場合において、クランクケース通過部17と、シリンダブロック通過部19との間を、カム軸9の内部を通過するカム機構通過部18によって連結し、しかも、クランクケース通過部17とカム機構通過部18との連結部は、カム部9bとカム収納孔8との接触部によって構成され、カム機構通過部18とシリンダブロック通過部19の連結部は、可動軸受部9cと軸受収納孔5との接触部によって構成されている。
従って、内燃機関1における圧縮比を変更する際に、カム軸9が回転し、クランクケース4に対してシリンダブロック3が相対移動しても、潤滑油供給通路全体としての密閉性を維持することができ、潤滑油をシリンダヘッド13に良好に供給することができる。また、フレキシブルチューブなどの部品を必要としないので、部品点数を低減することができ、コストを削減することができる。
図5には、本実施例におけるカム機構通過部18の別の例について示す。図5においては、クランクケース通過部17を通過した潤滑油は、カム軸9の内部ではなく、カム部9bと、カム収納孔8の間の間隙及び、可動軸受部9cと、軸受収納孔5との間の間隙を通過して、シリンダブロック通過部19に流入するようにしている。このように構成することにより、前述の第1カム機構通過部18a、第2カム軸通過部18bを加工によって形成する必要がないので、さらなる部品点数の低減と、コスト削減とをすることができる。なお、この場合は、例えば、カム部9bとカム収納孔8との間の間隙で、潤滑油が通過する部分において、カム部9bの外周面またはカム収納孔8の内周面に、カム軸の軸方向と平行に伸びる溝を形成してもよい。こうすることで、より安定して、潤滑油が、カム機構通過部を通過することができる。同様な溝を、可動軸受部9cと軸受収納孔5の間の間隙で、潤滑油が通過する部分に形成してもよいことはもちろんである。
次に実施例2について説明する。本実施例における可変圧縮比内燃機関の構成について
は、実施例1と異なる構成についてのみ説明し、実施例1と同じ構成については同じ符号を用い、説明は割愛する。
図6には、本実施例において、オイルパン14から吸い上げた潤滑油を、クランク軸21の主軸受に供給するクランク軸受潤滑油供給通路について示す。図6においては、オイルポンプ15は省略している。図6において、クランクケース通過部17を通過した潤滑油は、カム機構通過部18を通過し、次に、クランク軸供給部22を通過して、クランク軸21を回転可能に支持するクランク主軸受23に供給される。
図6(b)は、図6(a)中の断面A−Aについての図であり、カム機構通過部28の詳細を示している。ここで、第1カム機構通過部28aは、実施例1と同様に第2カム機構通過部18bと連結しているとともに、カム軸9の軸方向にさらに延長されている。第1カム機構通過部28aは、カム軸9の内部において軸方向と平行に、カム軸9の全長にわたって形成されている。そして、カム軸9に複数個並んだカム部9bに相当する位置で枝別れする。枝分かれした第3カム機構通過部28fは、カム部9bの円周面において、クランク軸供給部22に連結されている。
上記のとおり、クランクケース通過部17から、第1カム機構通過部28aに流入した潤滑油は、カム軸9内部を通過し、最初の軸部9aにおいて枝分かれして可動軸受部9cの第2カム機構通過部18bに流入する。そして、第2カム機構通過部18bに流入した潤滑油は、実施例1で説明したように、シリンダブロック通過部19に供給される。一方、カム軸9の内部を軸方向と平行に、さらに通過する潤滑油は、カム軸9の全長にわたり配置されている複数のカム部9bにおいて枝分かれして第3カム機構通過部28fを通過し、クランクケースの全長にわたり、第3カム機構通過部28fと同数配置されたクランク軸供給部22に流入する。クランク軸供給部22を通過した潤滑油は、クランク主軸受23の内周に達し、クランク主軸受23を潤滑させるとともに、さらに、クランク軸内潤滑油通路24を通過して、クランクシャフト25に達する。そして、図示しないコンロッドとの間の潤滑をも行う。
以上、説明したように、本実施例におけるクランク軸受潤滑油供給通路においては、実施例1において説明したカム軸9の内部を通過する第1カム機構通過部28aを、通常の内燃機関におけるメインホールの代用として用い、クランクケース4の全長にわたって配置されたクランク軸供給部22を介して、クランク主軸受23に潤滑油を供給している。従って、クランクケース4または、シリンダブロック3内に、別途メインホールを形成する必要がない。その結果、クランクケース4または、シリンダブロック3を薄肉化することができ、内燃機関1の軽量化を図ることができる。
また、本実施例においては、カム軸9の全長にわたって、第1カム機構通過部28aが形成され、各軸部9a及び、カム部9bの円周面に潤滑油を供給する。従って、内燃機関1における圧縮比の変更時において、カム軸9の円滑な回転を維持することができる。
なお、本実施例においては、カム機構通過部28のシリンダ軸方向の位置は、他の部品との干渉などが生じない範囲で、図6(a)における最大限下側になるよう設計されている。このように設計することで、カム機構通過部28と、クランク主軸受23との距離を小さくすることができる。結果として、オイルパン14に貯留した潤滑油を、カム機構通過部28を介してクランク主軸受23に供給するために必要な負荷を低減させることができ、オイルポンプ15の容量及び消費電力を低減することができる。
また、上記実施例において説明した可変圧縮比内燃機関では、カム機構におけるカム軸9は、軸部9a、カム部9b、可動軸受部9cを含んで構成されていた。しかし、本発明
は、カム軸9が軸部9aとカム部9bとから構成される、より一般的なカム機構を用いた可変圧縮比内燃機関にも適用可能である。
また、上記実施例において説明した可変圧縮比内燃機関では、一対のカム機構を用いてクランクケース4に対して、シリンダブロック3を平行移動させることによって圧縮比を変更する例について説明したが、例えば、シリンダブロック3の片側にのみカム機構を備え、シリンダブロック3をカム機構の作動によって傾けることで圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関について本発明を適用してもかまわない。
本発明に係る内燃機関の概略構成を示す分解斜視図である。 本発明に係る内燃機関のシリンダブロックがクランクケースに対して相対移動する経過を示す断面図である。 実施例1における潤滑油供給通路を示す図である。 実施例1におけるカム機構通過部を示す図である。 実施例1におけるカム機構通過部の別の例を示す図である。 実施例2におけるクランク軸受潤滑油供給通路を示す図である。
符号の説明
1・・・内燃機関
2・・・シリンダ
3・・・シリンダブロック
4・・・クランクケース
5・・・軸受収納孔
6・・・ボルト
7・・・キャップ
8・・・カム収納孔
9・・・カム軸
9a・・軸部
9b・・カム部
9c・・可動軸受部
10・・ギア
11a、11b・・ウォームギア
12・・モータ
13・・シリンダヘッド
14・・オイルパン
15・・オイルポンプ
16・・オイルフィルタ
17・・クランクケース通過部
18、28・・カム機構通過部
18a,28a・・第1カム機構通過部
18b・・第2カム機構通過部
18c・・カム部円周溝
18d・・軸部円周溝
18e・・可動軸受部円周溝
19・・シリンダブロック通過部
20・・O状シール材
21・・クランク軸
22・・クランク軸供給部
23・・クランク主軸受
24・・クランク軸内潤滑油通路
25・・クランクシャフト
28f・・第3カム機構通過部

Claims (4)

  1. 内燃機関におけるクランク軸が設けられたクランクケースと、
    前記内燃機関におけるシリンダが形成されるとともに、前記クランクケースに相対移動可能に取り付けられたシリンダブロックと、
    前記シリンダブロックに固定されたシリンダヘッドと、
    前記シリンダブロックと前記クランクケースとの間に構築されたカム機構と、を備え、
    前記内燃機関の運転状態に応じて前記カム機構に設けられたカム軸を回転させ、前記クランクケースと、前記シリンダブロックとを相対的に移動させることにより、前記内燃機関の圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関であって、
    前記クランクケース底部に貯留した潤滑油を前記シリンダヘッドの所定の摺動部に供給する潤滑油供給通路と、
    前記クランクケース底部に貯留した潤滑油を吸引し、前記潤滑油供給通路に圧送するオイルポンプと、をさらに備え、
    前記潤滑油供給通路は、前記クランクケース内を通過するクランクケース通過部と、前記シリンダブロック内を通過するシリンダブロック通過部と、を有するとともに、該クランクケース通過部と該シリンダブロック通過部との間において、前記カム機構内を通過するカム機構通過部を有することを特徴とする可変圧縮比内燃機関。
  2. 前記カム機構通過部は、前記カム機構に設けられたカム軸の内部を通過することを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
  3. 前記カム機構通過部は、前記カム軸の全長にわたり、前記カム軸の内部を通過することを特徴とする請求項2に記載の可変圧縮比内燃機関。
  4. 前記クランクケース底部に貯留した潤滑油を、前記クランク軸を回転可能に支持するクランク主軸受に供給するクランク軸受潤滑油供給通路をさらに備え、
    該クランク軸受潤滑油供給通路は、前記カム機構通過部をその一部とすることを特徴とする請求項3に記載の可変圧縮比内燃機関。
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